> > 全く…ヤンが軍を退役などするからこんなことになるんですよ。
> > 結局、どのような情勢になろうが彼の無責任さが解消され無い限り
> > なにも変わらないのではないでしょうか。
> > 仮に自分が同盟政府のの高官であると考えると、
> > ヤンは、はっきりいって疫病神にしか見えないですね。
> > エルファシル、アムリッツア、アスターテ、彼の行くところ
> > 同盟の敗北ありです。勝ったのはイゼルローンだけじゃないですか。
> > おまけに最後に帝国軍の介入を招いて去っていきましたし。
> > ヤンにしてみれば自業自得だということになるのでしょうが、
> > 彼が自らの立場に無自覚で、その無責任のために災厄を
> > 周りに振りまいたことは事実ではないでしょうか。
> > ザ・ベストに戦史研究課が廃止されなかったらという
> > ものがありましたが、ヤンが登場しない世界はたしかに
> > みんな幸せになれたようなきがしますね。
>
> 同意。
> ヤンって、益体も無い理念を振りまわした挙句、災厄だけを残した
> 人物として歴史に名を残しそうです。もちろんバーラト自治政府
> では神のごとくあがめられる、と(笑)
などといわれてるヤンが少々気の毒になったんで、弁護になるかどうか判りませんが、少々言い訳を。
そもそも、ヤンは別に高官になりたかったわけでも、責任ある立場につきたかった訳でもありません。それどころか、自分がそういった立場に相応しくない、とすら考えていた節があります。そんな人間に、自分の立場を理解しろだの言ったって無理なんじゃないでしょうかねえ?例えは悪いですが、自分が犯罪者じゃないと思ってる人間に、犯罪者らしく警戒しろ、というのと同じ様なナンセンスさを感じます。
確かに、高官としてのヤンは、はっきり言って無責任です。ですが、それはどう見ても適材適所がなっていないだけ。ヤンを高官にした奴が間違ってるだけですね。イゼルローン共和政府にしても、レンネンカンプ氏がなにもしなかったら、そのまま不発に終わった様な気もします。
そういう訳で、ヤンが疫病神化したのは当人のせいばかりとは言えない気がしますね。まあ同盟の軍人で彼ほどの用兵達者がいなかったのも事実ですから、あながち高官ばかりも責められませんけどね。運命の巡り合わせが、絶望的なまでに悪かった…というのが真相かもしれませんね。
> 実はトリューニヒトは私が銀英伝中で一番評価している人物です。
> 少なくとも単なる衆愚政治家ではなかったのではないでしょうか。
オレも、トリューニヒトは銀英伝で最高の政治家だと評価してます。
友人にはしたくないタイプですが、それはどうでもいいことです。
彼は、「私心無き謀略家」オーベルシュタインとは対照的に「私心ある
政略家」ですが、オレは私益を満たす事で公益も満たせればなんの問題
も無い(というか有能であり、正当に評価すべき)と考えていますので。
ヤンが聞いたら顔をしかめそうな意見でしょうが、何の見返りも無い
無償奉仕を政治家に、そして人間に、期待してるヤンが甘いだけです。
luluさんのトリューニヒト物語を元に彼の能力を考察してみますね。
> >憂国騎士団:
> >基本的に犯罪です。もし仮に平和運動が帝国の陰謀によるもの
> >だったとしても国家警察による取締りを行うべきだったでしょう。
> >この件に関しては弁護の余地がありませんね。
> >(でもマフィア雇うくらい何処の政治家もやっていることかも)
この時点では、同盟で権力を握る事が重要でしたから、こういう
裏の汚れ仕事をする集団も抱えておくのにはそれなりに意味があった
のでしょう。
それに、彼の政治権力の基盤は軍産界なので、こういう最強硬派は
そういった人々から評価されているのかもしれません。
ちなみに、ヤンは「愛国者の演技をしてる」なんて嫌悪してましたが、
いい加減に厭戦気分の広がりがある同盟市民の心を一つに纏めるのは
国防委員長として当然の事です。
ジェシカやヤンが言っていた「あなたはどこにいるの?」なんて
意見はお門違い。政治家の責務はそんな所にはありません。
にしても、ジェシカに糾弾された時にそれを公言する訳にもいかない
ですし、あそこは「取り乱してる」ことにしてその場を取り繕うしか
選択肢は無かったのでしょうね。
> >帝国領侵攻作戦:
> >この時点では同盟に正攻法で帝国と戦う力はありませんでした。
> >まあ、トリさんとしても大敗するとは考えていなかったでしょう。
これに関しては、トリューニヒトの軍事能力の欠如がモロに裏目に
でましたね。彼は防衛委員長で、アムリッツアの軍事情報を全て
知ることが出来る立場にいたのですから、軍事能力があれば大敗を
予期出来たかもしれません。
それにしても、誰にとってもアムリッツアは影を落しますねぇ…
> ヤンなどが自分を嫌っているのは
> 知っていたでしょうが、利用することはできると考えたでしょう。
結局、ヤンは最後まで利用されるわけです。クーデターの後なんか
自分のイメージアップに利用してます。トリューニヒトを嫌ってる
ヤンをすら動かす手並みはさすがですね。
> >救国軍事会議クーデター:
> >危うく難は逃れたものの、今後同盟を立て直すことは不可能である
> >と考えたでしょう。では自分の野心、ついでに民主主義を守るため
> >とりえる手段とはなんでしょうか?
>
> トリューニヒトにとって転回点となる事件ですね。
> 地球教徒に対し借りを作ってしまい、利用し合う関係から
> 一蓮托生へと一歩進んでしまいました。
これ以前では、地球教はフェザーン対策として付き合っていた程度
だったのかもしれません。まあ、ここらへんで完全に同盟に見切り
を付けたとオレも思うので、関係が深まってもトリューニヒトは
たいして気にしなかったのでは。
あと、この後でトリューニヒトは徹底的に軍部への支配を強めます。
政治基盤の強化によって人脈を広く確保するのと、同盟を自分の
意図通りに滅ぼすために布石を打ったのでしょう。
> >ゴールデンバウム朝亡命:
> >ヤンが獄中で危惧していた様にトリさんは同盟を裏切り
> >帝国の早期完全勝利のために動き始めます。第一弾がこれ。
> 3者が同盟するメリットは大きいですね。
クーデターの頃からでしょうが、彼は地球教のネットワークと
フェザーンの資金力を利用しようと考えたのでしょう。
この三鼎同盟は、同盟以後を見据えたトリューニヒトの政略家と
しての能力を証明する物かと。
> >ラグナロク作戦:
> >実務は部下に任せて同盟者と共に帝国内の人脈作りに邁進。
> >戦争犯罪者として公職追放処分にはなりたくないので引篭り、
> >惑星ごと民主主義に殉じようとするヒステリーを押さえる
> >こともしましたが。
>
> 一時表面から引っ込んでアイランズを表に出し、
> 同盟指導者としての自分の立場を曖昧にし、
> 印象を薄める効果があったのではないでしょうか。
ベストや考察でもありましたが、ここでバーラトの10億の市民の
生命と財産を保全できたのは、彼が見識ある政治家だったことを
明確に示している証拠ですよね。「国家の生命より一人の生命の
ほうが大事」と言ってるヤンは真っ先に絶賛しなくてはならない
はずです(笑)
ヤンがラインハルトを葬ったとしても同盟はどのみち持たない。
そして、誰が後釜になるのか分からない混乱を招くよりラインハルト
が銀河統一した方が民主主義の維持のために良いというのを、
トリューニヒトは見越していたんでしょう。
ちなみに、アイランズを煙幕に使っていたという説は、新鮮でした。
たしかに、ここで公職追放なんてされたら困りますからね。
> >地球征伐:
> >一通り人脈ができたらもう同盟の意味はありません。
> >三者で帝国をのっとったとしても、所詮は個人であるトリさん&
> >ルビンスキーは結局、巨大組織地球教に押しつぶされるのが
> >目に見えてます。そこで両者は結託して地球教を潰すことで
> >共同戦線を張り、帝国に地球教を密告します。
> >これにより地球教は壊滅、残るライバルは病気持ちの
> >ルビンスキーだけ。トリさんの天下が見えてきましたね。
>
> 地球教の実体を知るにつれて、それに対する恐れも多くなって
> いったことでしょう。フェザーンを支配し、同盟帝国問わずに
> 多くの支持者のいる地球教。彼らを利用しつつも力を
> 削がなくてはならないでしょう。
> この事件後、若手の地球教非主流派が表に出てきて、
> 総大主教に近かった人間が全く活動しなくなります。
> それに三大勢力の上層部にまで食いこんでいたであろう
> 権力を持った大組織ながら、その後にやることがテロレベル
> でしかなく、小規模でせこいことから、権力層に近い主流派組織は
> ルビンスキーとトリューニヒトに潰されたと想像します。
> 構成員はトリューニヒトに吸収され、帝国内の権力基盤と
> なったことでしょう。
いや、ホントに。なんであんなテロ集団が巨大なネットワークを
維持できたのか理解不能ですよ。地球教も、長年の間に動脈硬化
していたのかもしれません。
地球教が急速に弱まったのはルビンスキーとトリューニヒトのおかげ
だったのか…帝国首脳たちも彼らに足を向けて寝れないですね(笑)
実際問題として、地球教でこの二人に対抗できる能力のあるのは
ド・フェリエしかいませんし、その彼が分派行動をしてるうちに
主流派を潰すのは簡単でしょう。
> >再びラグナロク:
> >その内起こることでしたが早まった原因はレベロの自爆ですね。
> >トリさんとしては実に歓迎すべきことでした。
オレ的には、ここがトリューニヒトの「政略家」としての最高の
仕事だと思ってます。
レンネンカンプがムリな逮捕命令をした時に、オリベイラが「ヤンを
謀殺なさい」とレベロに勧めます。もちろん、彼が独自でそんなこと
を言えるだけの責任も能力も何も無いのは査問委員会で明らかです。
じゃあ誰か? もちろん、トリューニヒトが指示したのでしょう。
つまり、レベロの疑心暗鬼とプレッシャーを見切った上で、この謀略を
しかけて彼の自爆と帝国の再出兵、さらにはヤンの抹殺を図ったと。
(ちょっと買いかぶりすぎ?)
> >形骸化した同盟はついに滅び、平和と安定と陰謀の時代が来る
> >はずでしたから。しかし大誤算が一つ、ヤンを中心とする
> >教条的民主主義過激派の離脱、しかもその勢力はかなり大きく、
> >イゼルローンを結果的に確保しています。
> >宇宙の統一と安定を願うトリさんにとっては痛い誤算となりました。
惜しくも(笑)ヤンは逃れてしまいますが、彼を同盟の防衛線から
外せてあっさり帝国が占領してくれたので、トリューニヒトの
計画ではそれほど問題じゃないでしょう。
あと、実はこれも計画の一環だったり(↓)。
> 同盟が滅びれば必然的に軍部の持つ力が減少します。
> もう敵はいないのですから大規模なリストラが始まるでしょう。
> そうすればトリューニヒトの立場は飛躍的に上がります。
> しかしこれまた「疫病神」ヤンの所為でおじゃんです。
> 何処までいってもヤンに祟られますね。
この結果、ラインハルトはイゼルローン侵攻を繰り返すわけです。
これって、オーベルシュタインが言ってるように「無益」でしか
ありませんよね。
つまり、ラインハルトに無意味な出兵を繰り返させる事で、帝国内に
「皇帝権を制限しよう」という認識が高まるのに利用した、と。
その与論の高まりの結果がもたらすのは、立憲君主制です。
さらに、ラインハルトが少年じみた性格の持ち主だと見破った上で、
白々しく求職してます。もちろん、ラインハルトは断るなんてせず
嫌がらせ的に旧同盟領の高等弁務官(でしたっけ?)のポストを
くれました。なんであれ、帝国政治に基盤が出来たわけです。
これも、トリューニヒトの眼力の高さを示すものでしょう。まあ、
これが後で祟るわけですが。
> >ロイエンタールの反乱:
> >トリさんの第2の大誤算ですね。地球教徒にこれだけの力が
> >残っていたとは、思わなかったでしょう。それにロイエンタールが
> >皇帝に反乱するまでに自分のプライドに拘るような我侭者だとも。
まったく、ここで高等弁務官になってなければこんな愚挙に
巻きこまれずにすんだのに。残念無念ですよ。
> >この時点での騒乱は決して好ましいものではありません。
> >ゆっくり菌糸を伸ばそうというときにガラガラと崩れるプランを前に
> >呆然とするトリさんの姿が目に浮かびます。
> >まあロイエンタールには継戦能力がありませんし嵐が収まるのを
> >おとなしく待つつもりが…
> >
> > パン!
>
> ロイエンタールのばかさ加減がなんとも…
> 人の上に立つ人間のすることではないですね、
> 叛乱するなら自分一人でやれとでも言いたくなります。
> 銀英伝通じて、所詮兵士は記号でしかありませんが…
> これはひどい、この戦いで死んだ人間はいい皮の面ですね。
まさか反乱するなんて…バカもここに極まれりってやつじゃん。
と愚痴の一つでも言いたくなる結果でした。
まあ、作中では「最高の謀略家」オーベルシュタインも、この反乱
は想定してませんでしたし、誰にとっても意外だったでしょう。
しかし、こんなムリヤリな設定で反乱させられたロイエンタールも
哀れですし、それに巻きこまれて死んだトリューニヒトはもっと
哀れです。
というわけで、彼は
・大衆の支持を集める
・強力で忠実な支持基盤を確保する
という指導者としては必要不可欠な能力に加えて、
・世論を見極め、必要なら操作する
・現状を正確に分析する
・重要な駒の思想、心理状態、考え方を把握している
という現状分析能力の高さ、そして
・アムリッツアの敗北を予見
・同盟の破滅を予見
といった先見性があり、
・民主主義を生かすためには同盟は必要不可欠ではない
・帝国を民主化するほうが現実的
という柔軟な思考も出来、
・そのために必要な布石を打つ事が出来る
という政略家としての能力もあります。
しかも、彼は議員として、様々な集団の意見を調整するという経験
も豊富ですし、単純に調整型ではなくてそういった集団をうまく
コントロールして自分の意志を通すこともできる能力もあります。
銀英伝の中に彼ほど有能で経験豊富な政治家はいないですし、その
彼が正当な評価が与えられず、活躍も出来なかったのは勿体無いですよ。
余談:
> ジェシカなどによる平和運動は実は帝国の陰謀だったのでは
> ないでしょうか。それくらい運動に必然性がありません。
> そのことについてはここですでに議論されているようですね。
> 国防委員長として危険分子の弾圧は当然かもしれません。
> 同盟が共産主義ならなおのこと、まさに天安門事件のごとく
ジェシカって、ある意味で操縦しやすそうですからねぇ。
そういえば、弾圧したのは救国軍事委員会じゃありませんでしたっけ?
うーん。オレの案は穴だらけでしたね。
> > ・「廃棄予定の」艦艇を全部横流ししたりして軍事力の保持に努め
>
> ただし、問題点として、戦闘艦艇の処分は免れても、
> それを維持できるかどうかは?ですね。
ええ、大問題です^-^;;
バーミリオン直後なら、戦死者リストに人員も紛れ込ませて隠匿
できるんですが。除隊させて、追跡調査が出来ないくらい転勤
させて隠そうか。
もう、そんなことはさっさと放棄して、その分の資金・資源・人員
を国力回復に使った方が現実的か。ビュコックとヤンの支持を得る
方法は他にもあるでしょうし。
> > ただ、ホワンが完全独裁体制を敷いて国民から熱狂的支持を受けた
> > ら、帝国は警戒するかもしれません。即座に再侵攻という可能性も
> > ありえます。そこをどうするかですね。
>
> 一度停戦した以上、それ相応の「幾」となるものがなければ
> 幾ら帝国でも再侵攻は不可能でしょう。
> かつてのソ連のごとく無理難題を押し付けて、その拒否を
> 理由に侵攻するとか、全く関係なく条約破棄して侵攻するか
> どちらもラインハルトはやりそうには思えませんね。
> オーベルシュタインはやりそうですが…
> (ただし、ゴールデンバウム朝を滅ぼした以上、彼が積極的に
> 陰謀を起こして動かなければならない理由はないと思います。
> 原作でも彼は陰謀を企んでいるだろうといわれながらも、
> 自らアクションを起こさなくなりますね。)
ふむ。たしかに、帝国首脳はいわば「義」を重んじますからね。
汚れ役のオーベルシュタイン以外には難癖をつける可能性のある
人はいなさそうです。
> > それでしばらくは国力の回復に努めます。フェザーンとの間の債務
> > も相手が消滅した事で消えましたし、帝国の援助も取りつけられば
> > 財政的にもなんとかやりくりしていくことが出来そうです。
> > あとは帝国に反感があるフェザーン商人の資本と能力を国内に取り
> > 込めば良いでしょう。
>
> フェザーンの持っていた債券は消滅せずに帝国所有に
> なっているものと考えられます。あと帝国の援助の他には、
> 安全保障税の減額などが考えられますね。
> この安全保障税はライヒスマルクで払うことになっていたため、
> 同盟通貨のインフレ起こして実質支払い放棄に持っていけない、
> しかも敗戦国、同盟通貨のインフレは避けがたい。そのため重く
> 同盟経済にのしかかっています。これを何とかしなければ…
安全保証税…すっかり忘れておりました。うーん。
ただ、フェザーンとの債務って、帝国に引き継がれるものなんで
しょうか?そこがちょっと分からないですが。
しょうがない…債務放棄と税の軽減を要請するか(笑)
> ソ連崩壊後、中央アジア諸国でのIMFの行った緊縮財政では
> インフレは食い止められますが、経済の発展にはかなりの
> マイナスでした。しかも同盟は外貨獲得のためになりふりかまわず
> 経済発展の道を進むしかないでしょう…
> その結果弱者切り捨て、社会保障の削減等を行う以外になくなります。
> その結果は、同盟の信頼の更なる失墜、帝国への期待の上昇。
>
> ラインハルトさん、相変わらずえぐい戦略取りますね…
> 相手を追いこんでおいて、その結果に関しては相手を非難するのみ。
> かつてのアメリカのモラル・アプローチそのまんまですね。
ラインハルトがそこまでエグイ戦略を意図的に取ってるなら、
なにを要請しても無駄ですね…
> > そこまでやっても、帝国と同盟の軍事力の差や、破綻した同盟経済
> > を考えると、同盟が復活できるかどうかつらいですよ。
> > まったく、トリューニヒトの命令を無視してブリュンヒルトを撃沈
> > しておけばまだラクそうなのに(苦笑) ついでにトリューニヒトを
> > 政治的に破滅させるというおまけ付きだったのですからねぇ。
>
> もう私ははあきらめます。
> トリューニヒトだって同盟再生の不可能性を見きって
> 同盟を見捨てたんでしょうから。
> あのトリューニヒトにさえできないことを私が考えることなんて…
やっぱり、ホワンでも同盟を救うのはムリか。レベロと違って暴走
はしなかったろうから、せいぜい送らせるくらいが限界でしょうか。
アムリッツアですでに亡国が決まっていたものを今更立てなおそう
なんて、不可能事ですねぇ。
それに、同盟消滅を計画してる三者の陰謀もありますし。彼らが
帝国が再出兵するに足りる理由を引き起こしそうです。
> 確かに、高官としてのヤンは、はっきり言って無責任です。ですが、それはどう見ても適材適所がなっていないだけ。ヤンを高官にした奴が間違ってるだけですね。イゼルローン共和政府にしても、レンネンカンプ氏がなにもしなかったら、そのまま不発に終わった様な気もします。
>
> そういう訳で、ヤンが疫病神化したのは当人のせいばかりとは言えない気がしますね。まあ同盟の軍人で彼ほどの用兵達者がいなかったのも事実ですから、あながち高官ばかりも責められませんけどね。運命の巡り合わせが、絶望的なまでに悪かった…というのが真相かもしれませんね。
それを言うのならば、事の始まりは、シトレ元帥の横車によって
第13艦隊の司令官にヤンが就任したことが、そもそもの
間違いの始まりだったと、私は思います。
それまでヤンは小艦隊にしろ自らが指揮したことがあったでしょうか。
ヤンは参謀コースを進んできた人間であって、指揮官コースを
通ってきた人間ではありません。出世するのならば、
第2艦隊参謀の次は中央に栄転といったコースを通る
ことになるのではないかと考えられます。
幾ら参謀として優秀でも、それをいきなり実戦指揮官に任命するなど、
普通はドイツ第六軍のパウルス将軍の悲劇のような事態を
招来することになるだけではないかと思いますが。
彼の性格からしても自ら何かを始めるということができないような
きがします。ただ単に状況に流されつつ目に付いたことをやるだけ。
指揮官としては失格でしょう。
シトレ元帥も彼を評価するのならば、自らの参謀にでも
すればよかったんです。イゼルローンを半個艦隊で攻略させる
計画そのものがそもそも間違いであってそんな計画が実際に会議を
通るわけがありません。更に言えば、ヤンの計画さえあれば
シトレ元帥自らが落としてもよかったんです。
作戦規模を考えれば四個艦隊くらい自ら率いてつれていっても
よかったのではないかと…
そう言えばヤンは作戦実行にあたって、きちんと
統合作戦本部に作戦計画書を提出したのでしょうか?
直前まで味方にも秘密なんて通るわけないです。
しかし、そもそもなんでヤンはそこまで出世できたのでしょうか?
戦場において奇功を立てたと言いますが、奇功を立てるような状況
1:味方が負けている。ただし負けすぎていない。
2:ヤンが作戦に関与でき、奇功を立てられる。それが認められる。
3:ヤンが死亡しない。
これらを全て満たすような状況がいつもいつもあるわけがないです。
だいたい、ヤンがアスターテにおいて第4艦隊に配属されていたら
どうなっていたでしょうね。第6艦隊のラップも死んだことだし…
> それを言うのならば、事の始まりは、シトレ元帥の横車によって
> 第13艦隊の司令官にヤンが就任したことが、そもそもの
> 間違いの始まりだったと、私は思います。
> それまでヤンは小艦隊にしろ自らが指揮したことがあったでしょうか。
> ヤンは参謀コースを進んできた人間であって、指揮官コースを
> 通ってきた人間ではありません。出世するのならば、
> 第2艦隊参謀の次は中央に栄転といったコースを通る
> ことになるのではないかと考えられます。
> 幾ら参謀として優秀でも、それをいきなり実戦指揮官に任命するなど、
> 普通はドイツ第六軍のパウルス将軍の悲劇のような事態を
> 招来することになるだけではないかと思いますが。
> 彼の性格からしても自ら何かを始めるということができないような
> きがします。ただ単に状況に流されつつ目に付いたことをやるだけ。
> 指揮官としては失格でしょう。
不勉強な物でパウルス将軍というのがどんな人なのか知りませんが、ヤンが指揮官向きでないというのは同感です。私も、以前からヤンは参謀になってこそその能力を十全に発揮できた人物だと思います。まあ、そんな彼にあれだけのカリスマ性が備わっていたことが、そもそもの不幸の始まりなのかも。
> シトレ元帥も彼を評価するのならば、自らの参謀にでも
> すればよかったんです。イゼルローンを半個艦隊で攻略させる
> 計画そのものがそもそも間違いであってそんな計画が実際に会議を
> 通るわけがありません。更に言えば、ヤンの計画さえあれば
> シトレ元帥自らが落としてもよかったんです。
> 作戦規模を考えれば四個艦隊くらい自ら率いてつれていっても
> よかったのではないかと…
> そう言えばヤンは作戦実行にあたって、きちんと
> 統合作戦本部に作戦計画書を提出したのでしょうか?
> 直前まで味方にも秘密なんて通るわけないです。
まったく、シトレ元帥が何を考えてあんな計画を立てたのか、私にはどうしてもわかりません。ヤンが失敗するか、あわよくば死んで欲しいと思っていた様にしか見えないじゃ無いですか。シトレ元帥って、そんなにヤンのことを嫌ってましたっけ?
まあ、ヤンがこの命令を拒否しなかったのは、イゼルローンを落とせる目算があったからなんでしょうがね。後から考えると、この時ヤンが命令を拒否していれば、彼もあんな死に方をしないですんだんですよねえ…。
> しかし、そもそもなんでヤンはそこまで出世できたのでしょうか?
> 戦場において奇功を立てたと言いますが、奇功を立てるような状況
> 1:味方が負けている。ただし負けすぎていない。
> 2:ヤンが作戦に関与でき、奇功を立てられる。それが認められる。
> 3:ヤンが死亡しない。
> これらを全て満たすような状況がいつもいつもあるわけがないです。
おそらく、実際にヤンが立てた奇功は、エル=ファシル脱出行とアスターテでの全滅回避、それとイゼルローン攻略ぐらいなものでしょう。ただ、同盟にそういった「宣伝になるような奇功」を立てた人物が他にいなかったから、ああいう印象を持たれてるんだと思います。
おや、こうして列挙してみると、ヤンの奇功って指揮官として上げたものばっかりですねえ。ま、実際にはどれも、指揮能力ではなく作戦能力で勝ったものばっかりなんですが。お偉方がヤンの適正を見誤ったのも、無理はないのかな?
> だいたい、ヤンがアスターテにおいて第4艦隊に配属されていたら
> どうなっていたでしょうね。第6艦隊のラップも死んだことだし…
まあ、こればっかりは何とも言えませんね。戦場での生き死には、運不運がかなり絡んできますし…。
> 彼は、「私心無き謀略家」オーベルシュタインとは対照的に「私心ある
> 政略家」ですが、オレは私益を満たす事で公益も満たせればなんの問題
> も無い(というか有能であり、正当に評価すべき)と考えていますので。
> ヤンが聞いたら顔をしかめそうな意見でしょうが、何の見返りも無い
> 無償奉仕を政治家に、そして人間に、期待してるヤンが甘いだけです。
私もまさにそのとおりであると思います。
政治家に完全な潔白を求めるのは、ある意味勘違いしている、
間違っているとさえ思っています。
公益をもたらす為には超法規的な手段をとらざるを得ない状況
と言うのは誰も否定しないと思うのですが。
> ちなみに、ヤンは「愛国者の演技をしてる」なんて嫌悪してましたが、
> いい加減に厭戦気分の広がりがある同盟市民の心を一つに纏めるのは
> 国防委員長として当然の事です。
> ジェシカやヤンが言っていた「あなたはどこにいるの?」なんて
> 意見はお門違い。政治家の責務はそんな所にはありません。
> にしても、ジェシカに糾弾された時にそれを公言する訳にもいかない
> ですし、あそこは「取り乱してる」ことにしてその場を取り繕うしか
> 選択肢は無かったのでしょうね。
私がテレビでこのシーンを見れば嫌悪感を持つのは
トリューニヒトではなくジェシカの方ですね。
自分一人で肉親を失ったかわいそうな女と言うヒロイズムに
酔いしれているとしか思えません。
他の死んだ兵士の肉親にとってその死んだ肉親の死は
無駄死にであると言っているのに等しいですしね。
> これに関しては、トリューニヒトの軍事能力の欠如がモロに裏目に
> でましたね。彼は防衛委員長で、アムリッツアの軍事情報を全て
> 知ることが出来る立場にいたのですから、軍事能力があれば大敗を
> 予期出来たかもしれません。
軍の作戦行動に口出しできるほどの強力な発言権を
トリューニヒトが持っていたのならば、最後のアムリッツア
における決戦の回避くらいはできたかもしれません。
幾らなんでも、政治家が一々、軍の作戦行動に口出しできるとは
思えないのですが。政治将校のような存在もなかったようですし。
トリューニヒトもジレンマだったでしょう。
今後の政界内部での発言力を考えても、幾らなんでも、
ここで即時撤退賛成、とは言えないでしょうし。
何処かで同盟軍が目に見える形で負けてくれないと
追い落としを図れないと言う事情もあったのではないでしょうか。
> これ以前では、地球教はフェザーン対策として付き合っていた程度
> だったのかもしれません。まあ、ここらへんで完全に同盟に見切り
> を付けたとオレも思うので、関係が深まってもトリューニヒトは
> たいして気にしなかったのでは。
ただし同盟の政治家であったトリューニヒトにとって、
同盟を見捨てると言う踏ん切りをつけた事件でもあったと思います。
以下しばらくの文章については完全に同意です。
> いや、ホントに。なんであんなテロ集団が巨大なネットワークを
> 維持できたのか理解不能ですよ。地球教も、長年の間に動脈硬化
> していたのかもしれません。
私もそう思います。教団成立初期に、動脈硬化を防ぐために
フェザーンを成立させることが考えられたのかもしれません。
基本的に陰謀組織に不足するであろう現金収入源として、
そして硬直化しがちな組織において新しい血を入れるために。
企業共同体という政体は常に生まれる新しい自由な考え方の宝庫の
ようなものとなったでしょう。後から考えれば無理としか
思えないフェザーンの成立の成功といい、
両国政府への浸透といい、レオポルド・ラープを始めとする、
多分、地球連邦の指導者の生き残りの遺志を継いでいたであろう
教団初期の指導者達は最高の能力を持っていたと思いますね。
アシモフの第2ファウンデーションを思い起こさせます。
> 地球教が急速に弱まったのはルビンスキーとトリューニヒトのおかげ
> だったのか…帝国首脳たちも彼らに足を向けて寝れないですね(笑)
> 実際問題として、地球教でこの二人に対抗できる能力のあるのは
> ド・フェリエしかいませんし、その彼が分派行動をしてるうちに
> 主流派を潰すのは簡単でしょう。
地球教の行動を考えるとこうとしか思えないでしょう。
幾らなんでももろ過ぎです。さらにやってることがだめだめです。
> オレ的には、ここがトリューニヒトの「政略家」としての最高の
> 仕事だと思ってます。
>
> レンネンカンプがムリな逮捕命令をした時に、オリベイラが「ヤンを
> 謀殺なさい」とレベロに勧めます。もちろん、彼が独自でそんなこと
> を言えるだけの責任も能力も何も無いのは査問委員会で明らかです。
> じゃあ誰か? もちろん、トリューニヒトが指示したのでしょう。
>
> つまり、レベロの疑心暗鬼とプレッシャーを見切った上で、この謀略を
> しかけて彼の自爆と帝国の再出兵、さらにはヤンの抹殺を図ったと。
> (ちょっと買いかぶりすぎ?)
トリューニヒトならばやりそうですね。
ただし、そのような命令を受けたレベロがオリベイラに相談しに行き、
その場でヤン抹殺のアイディアを受け取っています。
ちょっとトリューニヒトの介入する時間がないと思われます。
その帝国からの命令にせよ、オーベルシュタインから
レンネンカンプヘの非公式のものであり、トリューニヒトが
知る可能性はちょっとないですね。
レベロとの会談の中でオリベイラがちょっと座をはずして、
トリューニヒトへの指示を受けに行ったとは考えられますが。
レベロに不信感を持たれない時間の中でこれだけの考えを
まとめたとしたら、まさに政略家として最高の頭脳を持っている
人間としか言い様がありませんね。
> この結果、ラインハルトはイゼルローン侵攻を繰り返すわけです。
> これって、オーベルシュタインが言ってるように「無益」でしか
> ありませんよね。
>
> つまり、ラインハルトに無意味な出兵を繰り返させる事で、帝国内に
> 「皇帝権を制限しよう」という認識が高まるのに利用した、と。
> その与論の高まりの結果がもたらすのは、立憲君主制です。
>
> さらに、ラインハルトが少年じみた性格の持ち主だと見破った上で、
> 白々しく求職してます。もちろん、ラインハルトは断るなんてせず
> 嫌がらせ的に旧同盟領の高等弁務官(でしたっけ?)のポストを
> くれました。なんであれ、帝国政治に基盤が出来たわけです。
> これも、トリューニヒトの眼力の高さを示すものでしょう。まあ、
> これが後で祟るわけですが。
なるほど、この場合確かに皇帝への不信感を高めることができますね。
ちょっと思いつきませんでした。
しかしそれは
1:ヤンが帝国の攻撃に耐えつづける。
2:帝国が無意味な出兵を繰り返す。
という条件が揃わなくてはなりません。
1はヤンが死んだら元のプランに戻るだけであまり変わりは
無いでしょうが、2はちょっと問題です。
実際、皇帝はフェザーンへ帝都を遷し、イゼルローン無き帝国
を作り上げようとしています。皇帝が出兵を続けるとは
ちょっと考えられないですね。しかも軍の発言力は維持される。
やはりトリさんにとって、最悪の組合せにしか思えませんが。
> まったく、ここで高等弁務官になってなければこんな愚挙に
> 巻きこまれずにすんだのに。残念無念ですよ。
まったくです。しかし避けられないことでもあったでしょう。
トリューニヒトの表舞台の復帰のためによいチャンスであったことも
確かなのですから。
> しかし、こんなムリヤリな設定で反乱させられたロイエンタールも
> 哀れですし、それに巻きこまれて死んだトリューニヒトはもっと
> 哀れです。
これは考察シリーズにありましたね。
まさに作者の暴走に付き合っての無駄死にです。
> というわけで、彼は
> ・大衆の支持を集める
> ・強力で忠実な支持基盤を確保する
> という指導者としては必要不可欠な能力に加えて、
> ・世論を見極め、必要なら操作する
> ・現状を正確に分析する
> ・重要な駒の思想、心理状態、考え方を把握している
> という現状分析能力の高さ、そして
> ・アムリッツアの敗北を予見
> ・同盟の破滅を予見
> といった先見性があり、
> ・民主主義を生かすためには同盟は必要不可欠ではない
> ・帝国を民主化するほうが現実的
> という柔軟な思考も出来、
> ・そのために必要な布石を打つ事が出来る
> という政略家としての能力もあります。
>
> しかも、彼は議員として、様々な集団の意見を調整するという経験
> も豊富ですし、単純に調整型ではなくてそういった集団をうまく
> コントロールして自分の意志を通すこともできる能力もあります。
>
> 銀英伝の中に彼ほど有能で経験豊富な政治家はいないですし、その
> 彼が正当な評価が与えられず、活躍も出来なかったのは勿体無いですよ。
完全に同意します。今、日本の首相になったらどんな政治を
してくれるでしょうか。楽しみなような怖いような…
作者もトリューニヒトがこのような評価を受けるとは
考えていなかったでしょうね。
> ジェシカって、ある意味で操縦しやすそうですからねぇ。
> そういえば、弾圧したのは救国軍事委員会じゃありませんでしたっけ?
アニメでは、その前にジェシカが議員として当選した選挙で、
トリューニヒト派からの執拗な妨害と弾圧を受けています。
はじめまして、クロイツェルさん。
> そもそも、ヤンは別に高官になりたかったわけでも、責任ある立場につきたかった訳でもありません。それどころか、自分がそういった立場に相応しくない、とすら考えていた節があります。そんな人間に、自分の立場を理解しろだの言ったって無理なんじゃないでしょうかねえ?
それなら何で辞めなかったんでしょう?
イゼルローンを半個艦隊で落すなんで普通は不可能事ですから、
それを拒否して閑職に廻っても良かったはずです。
飯を食うためとユリアンを養育するために軍にいる必要はあった
でしょうから、こうするのが最も現実的でしょう。
問題は、「責任ある立場に付きたくない」自分を理解していながら
そうなってしまう可能性を避けなかった所にあるかと。
まあ、偶然に偶然を重ねて責任ある立場についたならまだ分から
ないでもないですが、半個艦隊でイゼルローンを落したりしたら
自分が否応無く責任ある立場まで引き上げられる事なんて普通に
考えれば分かる事です。
それなのに成功させて、責任ある立場に付いて、「こんなはずじゃ
なかった…」で目を塞いで高官としての責任や責務を直視しようと
しないってのは、とてつもない無責任じゃないでしょうか。
> 例えは悪いですが、自分が犯罪者じゃないと思ってる人間に、犯罪者らしく警戒しろ、というのと同じ様なナンセンスさを感じます。
なので、犯罪行為を犯して、しかもそれを知っていながら、自分で
正当化して誤魔化してるかのような胡散臭さを感じます。
高官たちからの評価に関しては、ヤンが自らの性格に忠実に従って
いれば、そもそもそういう評価を持ちようも無かったのですから、
彼らのせいとは言えないんじゃないかと。
> 不勉強な物でパウルス将軍というのがどんな人なのか知りませんが、ヤンが指揮官向きでないというのは同感です。私も、以前からヤンは参謀になってこそその能力を十全に発揮できた人物だと思います。まあ、そんな彼にあれだけのカリスマ性が備わっていたことが、そもそもの不幸の始まりなのかも。
パウルス元帥は42年の夏期攻勢が始まるまで、ずっと参謀勤務だった
ので、実戦経験はほぼ皆無という生粋の事務屋でした。参謀としては
バルバロッサ作戦の立案などを行い、有能な人物であったと
いわれています。しかし、実戦指揮官としての能力は未知数でした。
彼は42年の冬のソ連軍の攻勢によって、ドイツ第六軍を率いて
スターリングラードでソ連軍に包囲され最終的に
10万の死傷者を出して降服しました。彼が大兵力をスターリングラード
に張りつけさせたため、その他のドイツ軍は態勢を立て直せたという
一面もあるのですが…
スターリングラード攻防戦で検索すれば色々出てくるでしょう。
> まったく、シトレ元帥が何を考えてあんな計画を立てたのか、私にはどうしてもわかりません。ヤンが失敗するか、あわよくば死んで欲しいと思っていた様にしか見えないじゃ無いですか。シトレ元帥って、そんなにヤンのことを嫌ってましたっけ?
> まあ、ヤンがこの命令を拒否しなかったのは、イゼルローンを落とせる目算があったからなんでしょうがね。後から考えると、この時ヤンが命令を拒否していれば、彼もあんな死に方をしないですんだんですよねえ…。
君ならできる、といった殺し文句で引き受けさせたことに
なっていますが、そんな単純に半個艦隊もの戦力を動かせるなら
同盟の軍の腐敗はかなりひどいものだったでのしょうね。
> おそらく、実際にヤンが立てた奇功は、エル=ファシル脱出行とアスターテでの全滅回避、それとイゼルローン攻略ぐらいなものでしょう。ただ、同盟にそういった「宣伝になるような奇功」を立てた人物が他にいなかったから、ああいう印象を持たれてるんだと思います。
> おや、こうして列挙してみると、ヤンの奇功って指揮官として上げたものばっかりですねえ。ま、実際にはどれも、指揮能力ではなく作戦能力で勝ったものばっかりなんですが。お偉方がヤンの適正を見誤ったのも、無理はないのかな?
戦闘に参加すれば二回に一回は奇功を立てたという文が
作品中にあったはずです。それにエルファシル後、少佐に特進した後の
准将までの功績がはっきりしていません。
螺旋回廊では辺境に一時左遷されていた様ですが。
後、条件に一つ付け加えておきます。
4:ヤンの上司が作戦立案に関してヤンの意見を求めない
もしくは無視する。
これもまたありえない話しですよ。
もしかして同盟軍は上からしたまでパエッタのような人物なの
でしょうか。そういえばエルファシルにおけるヤンの敗戦責任
は無視された様ですがどの程度あったのでしょうか。
> まあ、こればっかりは何とも言えませんね。戦場での生き死には、運不運がかなり絡んできますし…。
ですからいつもヤンがいいかげんな気持ちで前線にいることが
できるというのが理解できないのです。普通、生き残るために
必死になりませんかね?
> もう、そんなことはさっさと放棄して、その分の資金・資源・人員
> を国力回復に使った方が現実的か。ビュコックとヤンの支持を得る
> 方法は他にもあるでしょうし。
現実問題そうするしかなさそうですね。
> 安全保証税…すっかり忘れておりました。うーん。
> ただ、フェザーンとの債務って、帝国に引き継がれるものなんで
> しょうか?そこがちょっと分からないですが。
> しょうがない…債務放棄と税の軽減を要請するか(笑)
安全保障税も莫大な軍事費用を同盟が払う必要がなくなったこと
から、オーベルシュタインが彼らを第二のフェザーン足らしめる
必要は無いとして設けたものです。
債権の行方は、もともと名目上フェザーンは帝国の自治領ですし、
フェザーンの統治を帝国が吸収したのですから債権も
受け継がれるのではないでしょうか。
国際法の中に「国家財産等継承条約」というものがあります。
それによると、国家の結合の場合、原則として新国家に両国の
国家財産、国家債務、公文書は移転することになっています。
> ラインハルトがそこまでエグイ戦略を意図的に取ってるなら、
> なにを要請しても無駄ですね…
安全保障税から見る様に帝国が同盟からの要求を素直に飲むとは
思えません。むしろそのことを「同盟は統治能力を失っている」
とでも抜けぬけと言い放って再侵攻する可能性が高いですね。
同盟側から見れば「誰のせいだ」と喚きたくなるでしょうが。
> やっぱり、ホワンでも同盟を救うのはムリか。レベロと違って暴走
> はしなかったろうから、せいぜい送らせるくらいが限界でしょうか。
> アムリッツアですでに亡国が決まっていたものを今更立てなおそう
> なんて、不可能事ですねぇ。
>
> それに、同盟消滅を計画してる三者の陰謀もありますし。彼らが
> 帝国が再出兵するに足りる理由を引き起こしそうです。
帝国がやる気十分の上、陰謀家達の中で味方になってくれそうな
人物がいません。ロックウェルらのクーデター計画もありますし
これはあきらめるより他はないでしょうね。
横レス失礼いたします。
クロイツェルさんに続いて私も若干のヤン擁護を。
>
> それなら何で辞めなかったんでしょう?
> イゼルローンを半個艦隊で落すなんで普通は不可能事ですから、
> それを拒否して閑職に廻っても良かったはずです。
> 飯を食うためとユリアンを養育するために軍にいる必要はあった
> でしょうから、こうするのが最も現実的でしょう。
>
この時もその後もヤンは執拗に辞表を出し続け、却下され続けています。
流石に戦況不利な局面でエル・ファシル、アスターテの英雄に辞職許可は純軍事的にも対外宣伝的にも愚行でしょう。
あと、ヤンは「イゼルローンが同盟に確保されれば、帝国は侵攻が困難になり同盟は元々過去のイゼルローン攻略や先のアスターテ会戦で帝国に逆侵攻する国力はない筈=数年間~数十年間は戦闘行為のない時代になる確率が高い」との計算でイゼルローンを攻略したのです。
ちなみにこの直後にもまた辞表を出しましたが自分とシトレ元帥の想像外の政治的出兵=アムリッツァ会戦でやはりこれも却下されています。
この時点でヤンはユリアンに「やめたってお前と私が食べていくのに困らない位の年金は貰えるさ」と言っておりますので、彼個人に限っていえば軍に留まり続ける必要はなかったし『モノグサオヤジ』としての資質においてアムリッツァ出兵を決定した「政治屋」を「迷惑をかけられた」として嫌うのも判らない話ではないのではなかろうかと思います。
強いて言うなら「不本意は不本意で割り切って、立場に見合った自覚を持つべき、最低限持とうと努力すべきだった」という所でしょうが、
それは強要すると言えば流石に大抵は厚顔な行為ではありますまいか。
> 公益をもたらす為には超法規的な手段をとらざるを得ない状況
> と言うのは誰も否定しないと思うのですが。
ヴェスターランドでのラインハルトなんかは、その典型ですか。
しかし、
> > 私益も満たすけど、公益もちゃんと満たす人
の方はなかなか評価されないですね。いわゆる一般市民は自らの
私益を満たそうと行動してるのに、政治家などには「私益を
満たさない事」を求めるなんて、非論理的で非人間的な要求だと
思うのですが。
トリューニヒトの評価が低いのも、そのせいかもしれません。
純粋に能力と業績だけを見れば、彼が銀英伝一有能な政治家で、
ヤンなんかよりずっと民主主義の維持に有効な策を持っていた
のは明らかですし。
> 私がテレビでこのシーンを見れば嫌悪感を持つのは
> トリューニヒトではなくジェシカの方ですね。
> 自分一人で肉親を失ったかわいそうな女と言うヒロイズムに
> 酔いしれているとしか思えません。
> 他の死んだ兵士の肉親にとってその死んだ肉親の死は
> 無駄死にであると言っているのに等しいですしね。
アスターテ会戦での死者の慰霊会の席上であんなことをして
ぶち壊すなんて、他人の気持ちなど考えもしない自己中心的な
人物と非難されてもおかしくないくらいです。
で、常に敵との交戦をせざるをえない同盟で非現実的な「反戦」
を煽って、挙句の果てに何をするか分からないクーデター軍
相手に挑発的な市民集会を企画して2万人もの死者を出す。
仮にトリューニヒトが単なる煽動政治家だとしても、現実を
見据えている分、まだましと言えるでしょう。
> 軍の作戦行動に口出しできるほどの強力な発言権を
> トリューニヒトが持っていたのならば、最後のアムリッツア
> における決戦の回避くらいはできたかもしれません。
> 幾らなんでも、政治家が一々、軍の作戦行動に口出しできるとは
> 思えないのですが。政治将校のような存在もなかったようですし。
> トリューニヒトもジレンマだったでしょう。
彼が軍産界をバックボーンにしていたのは記述があるんですが、
軍部を完全にトリューニヒト閥で固めたのはクーデター後です
から、この時点では軍の作戦行動に一々口を出せるほどのパイプ
は持っていなかったのかもしれません。
しかもあれはヒステリー症のフォークが自分の功績にしようと
ロポス元帥に持ちこんだ作戦で、そのフォークは成功のみを盲信
していて、ロポス元帥は暢気に寝てるような状況ですから、中止
させたくても出来ないですね。
トリューニヒトがいくら軍事的才能があって大敗を予測したと
しても、これじゃどうしようもなかったかも。
トリューニヒトが軍部の完全支配を目指したのも分かりますよ。
こんな軍隊じゃ、いつ自分の計画の邪魔をしてくれるかわかった
ものではありません。
> 今後の政界内部での発言力を考えても、幾らなんでも、
> ここで即時撤退賛成、とは言えないでしょうし。
焦土作戦に遭って必要物資が指数関数的に増大した時点で評議会
では失敗を認めていたんですが、これだけじゃまだトリューニヒト
の先見の明を際立たせるには十分とは言えなかったのかもしれません。
とりあえず、この時点で撤退に賛成しても政治的発言力にダメージ
は無かったと思いますが、やっぱりある程度の人的ダメージは
受けてくれないと、
> 何処かで同盟軍が目に見える形で負けてくれないと、追い落とし
> を図れないと言う事情もあったのではないでしょうか。
この目的には不都合だったんでしょう。
> 私もそう思います。教団成立初期に、動脈硬化を防ぐために
> フェザーンを成立させることが考えられたのかもしれません。
なるほど! フェザーンは、「資金源」「地球教ネットワークの
基幹組織」「人的資源を供給するバックボーン」「頭脳の巨大な
プール」と、一粒で2度どころかもっとおいしいものだったのか。
スマートですね。
> 後から考えれば無理としか思えないフェザーンの成立の成功といい、
> 両国政府への浸透といい、レオポルド・ラープを始めとする、
> 多分、地球連邦の指導者の生き残りの遺志を継いでいたであろう
> 教団初期の指導者達は最高の能力を持っていたと思いますね。
> アシモフの第2ファウンデーションを思い起こさせます。
「第2ファウンデーション」は読んだ事無いです^-^;;
しかし、教団初期指導者たちの爪の垢でも煎じて飲ませたいほど、
教団末期の構成員の能力が低いですね…フェザーンの「人的資源
バックボーン」と「頭脳プール」としての機能を使えないくらい
教団の動脈硬化が進んでるとみるべきなんでしょうか。
ドグマティックな教団信者には、フェザーンの力を理解する精神
構造が欠片ほども無くなったのかも。
> トリューニヒトならばやりそうですね。
> ただし、そのような命令を受けたレベロがオリベイラに相談しに行き、
> その場でヤン抹殺のアイディアを受け取っています。
> ちょっとトリューニヒトの介入する時間がないと思われます。
> その帝国からの命令にせよ、オーベルシュタインから
> レンネンカンプヘの非公式のものであり、トリューニヒトが
> 知る可能性はちょっとないですね。
> レベロとの会談の中でオリベイラがちょっと座をはずして、
> トリューニヒトへの指示を受けに行ったとは考えられますが。
> レベロに不信感を持たれない時間の中でこれだけの考えを
> まとめたとしたら、まさに政略家として最高の頭脳を持っている
> 人間としか言い様がありませんね。
あら…レベロのほうが出向いたのか。どうも記憶があいまいに
なっていたようで、オリベイラが出向いたのかと思ってました。
うーん、トリューニヒトの(秘密の)見せ場が無くなる(笑)
とりあえず考えられる事は、
・ちょっと中座してトリューニヒトに指示を仰いだ
のが現実的でしょうか。彼は、それ以前からレベロにヤンを謀殺
させるつもりだったのかもしれません。帝国が関わってなくても、
そんなことをすれば、たとえ殺せなくてもレベロの暴走に同盟軍
も黙ってないでしょう。これでクーデター発動させれば完璧です。
で、それをきっかけにして帝国が再侵攻、と。
これに上手く帝国が乗っかってきたってことですから。
他は、情報の重要性を理解してるトリューニヒトのことですから、
レンネンカンプのオフィスに盗聴を仕掛けていたり、スパイを
入れていたのかもしれません。もっと究極的に、恒星間通信の中継
基地を盗聴とか。さすがにここらへんはきつそうですが。
> 1:ヤンが帝国の攻撃に耐えつづける。
> 2:帝国が無意味な出兵を繰り返す。
> という条件が揃わなくてはなりません。
> 1はヤンが死んだら元のプランに戻るだけであまり変わりは
> 無いでしょうが、2はちょっと問題です。
2が問題だとはオレには思えないんですよ。
たしかにローエングラム王朝は武断政治のようなものですが、
それの最悪な形(イゼルローンへの無意味な侵攻)を見せ付け
れば、その反動で文治国家への欲求も高まります。
で、
> 実際、皇帝はフェザーンへ帝都を遷し、イゼルローン無き帝国
> を作り上げようとしています。皇帝が出兵を続けるとは
> ちょっと考えられないですね。しかも軍の発言力は維持される。
> やはりトリさんにとって、最悪の組合せにしか思えませんが。
に関しては、ラインハルトが武を嗜むことはトリューニヒト
には分かっているでしょうから、フェザーンに遷都後も
(なおさら)無意味な出兵を続ける(結果、反発が強化)と
いう読みが出来ると思いますが。
軍部が強いとトリューニヒトがどれだけ困るのかを、もう
ちょっと教えて頂ければ嬉しいです。
> まったくです。しかし避けられないことでもあったでしょう。
> トリューニヒトの表舞台の復帰のためによいチャンスであったことも
> 確かなのですから。
>
> まさに作者の暴走に付き合っての無駄死にです。
ロイエンタールも一応「敵役」に入れますが、どうも田中氏は
敵役の使い方が下手ですね。歴史の重要な要素の宗教も単なる
三流のテロ組織扱いですし、内戦で記述出来たはずの貴族制の
功罪や、ルビンスキーとラインハルトの経済戦争で出来た富の
集中の功罪に関する考察など、貴重なネタを使わずに捨ててます。
どれだけキャラクタの基本能力が高くても、扱う人次第…
> 完全に同意します。今、日本の首相になったらどんな政治を
> してくれるでしょうか。楽しみなような怖いような…
クリーンなイメージを最大限に作り上げて支持率稼ぐでしょう。
小泉首相と似たような主張で国民の支持を得るかもしれません。
それだけで政治が出来るとは思わないでしょうから、実際の所は
いわゆるダーティーなパワーポリティックスを使うでしょうが、
業績をあげるのは間違いないかと。
しかし、どの分野を優先して業績あげようとするか…うーん。
> 作者もトリューニヒトがこのような評価を受けるとは
> 考えていなかったでしょうね。
創竜伝とか銀英伝に現われてる田中氏の考え方に従えば、評価は
最悪になりそうですからねぇ。
> アニメでは、その前にジェシカが議員として当選した選挙で、
> トリューニヒト派からの執拗な妨害と弾圧を受けています。
なるほど。トリューニヒトにして見れば、邪魔な政敵になりうる
のですから当然ではありますね。
こちらの方でも少々ヤンの弁護を
>
> 君ならできる、といった殺し文句で引き受けさせたことに
> なっていますが、そんな単純に半個艦隊もの戦力を動かせるなら
> 同盟の軍の腐敗はかなりひどいものだったでのしょうね。
>
シトレ元帥の懸念は「軍部の腐敗」ではなく、「対帝国戦の現況と同盟の国情を弁えずに権力抗争にうつつを抜かす腐敗政治家の『文民統治』を盾にとった軍部への介入」でした。
ですのでエル・ファシル、イゼルローン攻略戦、アスターテと黒星続きな軍部の発言力を失地回復させるために、アスターテ敗戦直後に辛うじて運用する余裕のある余剰戦力=第二・四・六艦隊の残存戦力半個艦隊を“奇跡のヤン”の指揮の元イゼルローンに投入しこれを陥落させるという投機行為に走ったのです。
非道い話ではありますが、「腐敗」と言うよりは「切羽詰った」と評する方がこの際妥当でしょう。
>
>
> 戦闘に参加すれば二回に一回は奇功を立てたという文が
> 作品中にあったはずです。それにエルファシル後、少佐に特進した後の
> 准将までの功績がはっきりしていません。
> 螺旋回廊では辺境に一時左遷されていた様ですが。
> 後、条件に一つ付け加えておきます。
>
> 4:ヤンの上司が作戦立案に関してヤンの意見を求めない
> もしくは無視する。
>
> これもまたありえない話しですよ。
> もしかして同盟軍は上からしたまでパエッタのような人物なの
> でしょうか。
>
ありえないという程突飛な話ではないです。
ヤンは戦史と戦術シミュレーション以外では士官学校の落ちこぼれに近い人物でしたので、悪い意味の「お役所体質」になりつつあった同盟軍では「所詮はエル・ファシルでまぐれ当りを取っただけの三流の人材」とアスターテ以前は一部慧眼の士を除いた過半数から思われていた筈です。
> そういえばエルファシルにおけるヤンの敗戦責任
> は無視された様ですがどの程度あったのでしょうか。
>
全くありません。
ヤンは当時何の権限もない一中尉にすぎませんし、だから「見捨てるつもりの避難民の引率」なぞを司令官たるリンチ少将に押し付けられる羽目になったのです。
加えていいますと「状況を最大限に活用して任務を達成した」のですから、ヤン中尉の権限範囲では「リンチ艦隊の捕縛を警告もせず自分たちだけ逃亡した」と非難するのは極めて不当でしょう。
そういう事を言うとアムリッツァ会戦時「ヤン艦隊はただ逃走しているだけだ」と強硬に主張せずヤン艦隊壊走の好機を看過したとして帝国軍のリュッケ中尉(ケンプ艦隊幕僚→ラインハルト付次席参謀に後転属)当りは、その後の帝国がヤンから蒙る損害を考えると銃殺刑にでもされそうな物ですが、これもあまりな話ですよね。
>
> ですからいつもヤンがいいかげんな気持ちで前線にいることが
> できるというのが理解できないのです。普通、生き残るために
> 必死になりませんかね?
「ああいう個性」で納得して良くはありませんか?
ああ見えてヤンなりに「必死で真面目」なのだろうと思いますよ、あくまでヤンなりに。
それでは横レス失礼いたしました。
> シトレ元帥の懸念は「軍部の腐敗」ではなく、「対帝国戦の現況と同盟の国情を弁えずに権力抗争にうつつを抜かす腐敗政治家の『文民統治』を盾にとった軍部への介入」でした。
> ですのでエル・ファシル、イゼルローン攻略戦、アスターテと黒星続きな軍部の発言力を失地回復させるために、アスターテ敗戦直後に辛うじて運用する余裕のある余剰戦力=第二・四・六艦隊の残存戦力半個艦隊を“奇跡のヤン”の指揮の元イゼルローンに投入しこれを陥落させるという投機行為に走ったのです。
> 非道い話ではありますが、「腐敗」と言うよりは「切羽詰った」と評する方がこの際妥当でしょう。
確か第四・六艦隊の残存勢力に新規の兵力を加えて半個艦隊だったような。
その後、帝国領侵攻作戦時に、第二艦隊の残存勢力を加えて
1個艦隊を整えたはずです。
それにエルファシル時ヤン24歳、第五次イゼルローン攻略戦時は
知りませんがアスターテ時には29歳で間に五年の開きがありますし
黒星続きというのはちょっと違うのでは。
だいたいヤンが中尉から准将に出世しているではありませんか。
アスターテで同盟軍が打撃をこうむったのは確かです。
ならば半個艦隊でイゼルローン攻略などという博打を打つよりも
確実に、大艦隊によってイゼルローン以外、例えば同盟領側の
帝国占領惑星の奪還などという作戦を立てるべきでは無いでしょうか。
普通失敗するであろう作戦を強行し、全滅したら軍部の失態は
ぬぐいがたいものとなります。同盟軍の運用ですが、その直後に
8個艦隊を動員していますので、問題はなかったのではないかと。
現実問題、このような作戦は、例えば昭和17年時点で日本海軍に
ハワイに空母一隻を基幹とする小艦隊を送りこんで占領しろと
言っているようなものです。幾ら無茶な旧軍令部であろうと
そんな作戦にOKが出るはずありません。半個艦隊と言いますが、
その中にも大勢の兵士が乗り組んでいるのです。
彼らの安全を放棄するがごとき作戦は軍の取るものではありません。
軍人は軍が最大限自分の安全に気を使ってくれているという
保障があって初めて、自らの命を賭けて戦えるものです。
だいたい乗組員がこの事を知ったなら叛乱でもおきかねないと
思うのですが、どうでしょうか。
> ありえないという程突飛な話ではないです。
> ヤンは戦史と戦術シミュレーション以外では士官学校の落ちこぼれに近い人物でしたので、悪い意味の「お役所体質」になりつつあった同盟軍では「所詮はエル・ファシルでまぐれ当りを取っただけの三流の人材」とアスターテ以前は一部慧眼の士を除いた過半数から思われていた筈です。
前提として、ヤンは目に見える勲功を立てたからこそ出世しているのです。
少佐から准将まで3階級、五年で出世するには早過ぎます。
だいたいあの世界、ハイネセンから戦場まで移動に1ヶ月かかってますよ。
作品中に二回に一回は奇功を立てたと書かれていますし、
ヤンの作戦立案などにおける才能は、一般に認められてしかるべきでしょう。
> 全くありません。
> ヤンは当時何の権限もない一中尉にすぎませんし、だから「見捨てるつもりの避難民の引率」なぞを司令官たるリンチ少将に押し付けられる羽目になったのです。
例えばオペレーターが居眠りをして敵の接近に気がつかず惨敗したら、
これはオペレーターは軍法会議ものでしょう。一中尉と言いますが
どんな兵士にも果たす役割があり、その役割の中で、最大限の
成果をあげるために努力することを求められます。
ヤンは当時リンチ少将の副官だったはずです。そしてエルファシル
近郊においての艦隊戦で惨敗を喫しました。
この敗北をもたらしたのはリンチ艦隊の状況判断の甘さです。
ヤンは副官として指揮官の喚起を呼び起こすべきだったのです。
「まだ終わったわけではありません、敵艦隊が再度攻撃してくる
可能性もあります。周囲の警戒を怠るべきではありません。」
副官としての職務を超えてはいますが、十分許容される範囲の
ことでしょう。ですので、責任があるかといわれれば、
無いといえるでしょうが、しかし、有能とはとても評価できないです。
だいたい副官なんて職務、ヤンには不適当ですぐに配置換えに
なりそうなものですけど。
> 加えていいますと「状況を最大限に活用
して任務を達成した」のですから、ヤン中尉の権限範囲では「リンチ艦隊の捕縛を警告もせず自分たちだけ逃亡した」と非難するのは極めて不当でしょう。
別にこのことに関してはヤンを非難するつもりはありません。
リンチのやったことのほうが非難されるべき問題です。
> そういう事を言うとアムリッツァ会戦時「ヤン艦隊はただ逃走しているだけだ」と強硬に主張せずヤン艦隊壊走の好機を看過したとして帝国軍のリュッケ中尉(ケンプ艦隊幕僚→ラインハルト付次席参謀に後転属)当りは、その後の帝国がヤンから蒙る損害を考えると銃殺刑にでもされそうな物ですが、これもあまりな話ですよね。
一応注意を喚起していますね。参謀ではなく副官と言う立場上、
強く出られませんので、この程度で十分です。彼の言うことを
真剣に受け取らなかった、その他の幕僚に責任があります。
> 「ああいう個性」で納得して良くはありませんか?
> ああ見えてヤンなりに「必死で真面目」なのだろうと思いますよ、あくまでヤンなりに。
軍隊とはそれで通るほど甘くは無いと思うのですが…
現代の軍隊において、職務に兵士の性格を加味するのは
当然のことです。ヤンの下で働いて巻き込まれた方はたまったもんじゃ
ありませんから。前線ではなく、後方で書類整理にでも回されそう
ですが、なぜか前線にとどまっていますね。
私はヤン個人への攻撃ではなく、そんなヤンが前線に出て出世できる
状況を主に攻撃しているつもりです。
責任ある立場につきながら責任を感じようとしないヤンへの
苛立ちもたしかにありますがね。
> ・ちょっと中座してトリューニヒトに指示を仰いだ
> のが現実的でしょうか。彼は、それ以前からレベロにヤンを謀殺
> させるつもりだったのかもしれません。帝国が関わってなくても、
> そんなことをすれば、たとえ殺せなくてもレベロの暴走に同盟軍
> も黙ってないでしょう。これでクーデター発動させれば完璧です。
> で、それをきっかけにして帝国が再侵攻、と。
> これに上手く帝国が乗っかってきたってことですから。
再戦を起こすシナリオはいくつか考えてはいたでしょうが、
そんな時に丁度向こうから鴨(再戦)がネギ(ヤン抹殺)しょって
やってきたということかもしれませんね。
> 他は、情報の重要性を理解してるトリューニヒトのことですから、
> レンネンカンプのオフィスに盗聴を仕掛けていたり、スパイを
> 入れていたのかもしれません。もっと究極的に、恒星間通信の中継
> 基地を盗聴とか。さすがにここらへんはきつそうですが。
さすがにこれはないでしょうね。一般通信なら内部の協力者に
通報してもらうこともできますが、一対一の通信ですから。
> ラインハルトが武を嗜むことはトリューニヒト
> には分かっているでしょうから、フェザーンに遷都後も
> (なおさら)無意味な出兵を続ける(結果、反発が強化)と
> いう読みが出来ると思いますが。
なるほど、皇帝としてしばらくは政務に勤しむでしょうが、
すぐに戦争をしたくなってイゼルローンへ出兵ということを
繰り返すであろうと言う読みですか。
これはかなり不確定要素が大きいですね。例えば皇帝に子供ができて
家庭的に変心しないとも限りません(爆)
それに無意味な出兵はなんとしても周りが止めようとするでしょう。
そう何度も繰り返すわけにはいかないと思いますが。
> 軍部が強いとトリューニヒトがどれだけ困るのかを、もう
> ちょっと教えて頂ければ嬉しいです。
初期のローエングラム朝銀河帝国は軍人の力が強い政権です。
しかし、工部尚書のシルヴァーベルヒなども言っていますが
敵対勢力が全くいなくなれば軍の発言権が大幅に縮小されます。
その結果戦争の英雄は過去の人となり、引退し予備役となるでしょう。
相対的に経済分野、内政分野で活躍できる人間の発言力が増大します。
特にトリューニヒトは、おそらく軍部からの支持を受けることが
できないため、帝国内で発言力を増すためにも軍の縮小を
画策するでしょう。旧同盟領の統治で功績を立てて、それをもって
中央に食い込むのが大まかなプランだったと思います。
基本的に皇帝の忠実な臣下を追い落して自分の部下を後釜に据える
ことを繰り返す時に、ケスラーなど多いに邪魔になるでしょう。
と、ここまで考えたのですが、例えばミッタ-マイヤーが
国務尚書などという役職につくし、ケスラーの地位も
そのままでしょう。戦争が終わって軍人が政治家になるのは
よくあることだし、かえってライバルが増えるだけかも。
と言うか、彼ら若すぎです!! 30そこそこで元帥って
今後どうするつもりじゃ~ 彼らが引退し無い限り出世できない、
適当な役職増設して対応するのか?それとも40前に引退か?
それより適度な軍事的緊張がある中で、縮小された軍部に
彼らを飼い殺しにするほうがましかもしれません。
どうも帝国はすでにあちこちから、無理やり成立したための
軋みが聞こえてきますね…大量の不満分子を抱え、制度も破綻寸前、
ボスは3人とも死んだとはいえ陰謀家たちの残した組織は健在です。
バラバラにはなっているでしょうが、再びまとめるような
野心家が現れないとも限りません。帝国の将来は暗い…
はじめまして、S.Kさん。よろしくお願いします。
> あと、ヤンは「イゼルローンが同盟に確保されれば、帝国は侵攻が困難になり同盟は元々過去のイゼルローン攻略や先のアスターテ会戦で帝国に逆侵攻する国力はない筈=数年間~数十年間は戦闘行為のない時代になる確率が高い」との計算でイゼルローンを攻略したのです。
「責任ある立場につきたくない」と、いわば責任を放棄したがって
いるのに、そういう国家の大方針に関わること自体が無責任では。
イゼルローン奪取の前には辞表は提出してなかったはずです。
しかも、シトレは13艦隊は「内定」で半個艦隊でイゼルローン奪取
計画が出来るかどうか聞いてます。ヤンが失敗すればシトレも失脚
するのはヤンにも分かっているのですから、luluさんがコメント
しているように、作戦案だけ教えて後はシトレにやらせれば良かった
はずです。そして、その代償に前線司令官ではなく後方の統合作戦
本部勤務にでも配置転換してもらえば良かったでしょう。
少なくとも、この時点まではヤンにはそれなりのフリーハンドが
あったのですから、「責任ある立場」につきたくないのにそうなる
可能性を避けず(というか、自ら積極的にその可能性を選択し)、
「なりたくなかった」なんて言ってるのは無責任だろうと思って
いるんですよ。
> 『モノグサオヤジ』としての資質においてアムリッツァ出兵を決定した「政治屋」を「迷惑をかけられた」として嫌うのも判らない話ではないのではなかろうかと思います。
アムリッツア出兵を決めた政治屋たちを嫌うのは別に問題ないでしょう。
派兵理由を知ればウンザリするのが極自然ですしね。
> 強いて言うなら「不本意は不本意で割り切って、立場に見合った自覚を持つべき、最低限持とうと努力すべきだった」という所でしょうが、
> それは強要すると言えば流石に大抵は厚顔な行為ではありますまいか。
イゼルローン奪取以後については、「ヤンの思考的矛盾」などで
示された事柄などが無責任さの証明かと。
救国軍事クーデターなどを予見しながらそれへの適切な対処を
しなかったことなど、これから起こる事を正確に予見しながら
犠牲を最小限にする努力をしなかったのは疫病神と言われても
仕方ない所ではないでしょうか。