いやー昨日本屋に立ち寄ったら、田中芳樹作品の再刊、原案作品が大量に置かれておりました。
文庫コーナーに緒方剛志の表紙の本が! 思わず手に取ってみると作者「田中芳樹」(笑)。新刊かと一瞬思ったら、なつかしの自転地球儀世界Ⅰの文庫化再刊。すっかり忘れていました(笑)。
しかし角川ノベルスから徳間デュアル文庫へ。徳間書店よ、タイタニアを書かない田中芳樹になぜ手を貸すのか、小1時間問い詰めたい。
イラストは今人気のある緒方剛志に代えています。創竜伝文庫化で、CLAMPにイラストを代えて新たな女性ファンを獲得しましたが、地球儀では上手くいくかどうか? しかし解説はあっても後書きがないですね~。加筆修正はしているものの、3巻を出す気があっての文庫化なのかどうか怪しいものです。
そしてエニックスEXノベルス。自称オリンピック作家宣言を放棄し放置した「灼熱の竜騎兵」も再刊。こちらは絵は北爪宏幸のままですが、知名度が高いからかな。北爪氏もなんで今更と驚いたことでしょう。ただこちらは本当に大幅加筆していますね。1巻しかなかったので1巻しか見ていませんが、新書2段組で300ぺージ。後書きはナシ(笑)。こちらは今度、文庫版と比較してみないと。
しかし「灼熱の竜騎兵シェアードワールズ」として、あの世界設定をもとに、他の作家が競作しながら物語を構築していくそうですが、田中芳樹は本当に書くのかどうか。ここからオリンピック化するのか、結局原案のみに変わるのか? それにしても富士見ファンタジア文庫1-1という栄光も過去のもの。なんで今更これだけ加筆するのなら、きちんと富士見で書かないのかなぁ。
さらに田中氏原案のKLAN4と野望円舞曲4も刊行。KLANは読んでいませんが、野望円舞曲は結構好きです。荻野目氏の双星記も好きですね。
そういえば8月初旬に西風の戦記も再文庫化していたなぁ。8月は田中芳樹と小説の表紙に書かれている本が沢山刊行されたのに、本人の完全な新作は1つもナシ。
しかも再刊は出版社を変えて新装させて出すという手の込みよう。田中芳樹も悪いが、彼の作品を利用する出版社はもっと悪いでしょう。
田中芳樹にとっては、いい時代になったものです(笑)。
>さらに田中氏原案のKLAN4と野望円舞曲4も刊行。KLANは読んでいませんが、野望円舞曲は結構好きです。荻野目氏の双星記も好きですね。
> そういえば8月初旬に西風の戦記も再文庫化していたなぁ。8月は田中芳樹と小説の表紙に書かれている本が沢山刊行されたのに、本人の完全な新作は1つもナシ。
どうも、こちらへの書き込みはお久しぶりです。
「野望円舞曲」の新刊読んだんですけど、どうも違和感強かったですね。ベアトリーチェが、「ファルネーゼ家を保険金支払いで破産させる為に『宙狭』を崩壊させ、何十億人も殺そうとする敵」に愕然とするところが。
「おいおい。アンタの主人は前巻のラストで、『父親を打倒する為の資金を株の空売りで手に入れる為、経済的大混乱を起こして多くの人間を路頭に迷わせたり自殺させたりしたんじゃなかったのかよ。自分の利益の為に、とんでもない迷惑(しかも他人の命に関わるような)を平気で行うところは、その敵とアンタの主人と、一体どこが違う」
と、思わずツッコミを入れたくなったっす。
どうも不沈戦艦さま。八木といいます。
そういった頭の切り替えは女性によくあることなんですかね~。自分は少しの犠牲しか出さなかったのに、向こうはその何十倍というのは酷い!といったところですか。荻野目さんは、田中氏よりも女性の心理描写は上手なのでしょう。(笑)
ところで、徳間デュアルから再刊した地球儀Ⅰはともかく、灼熱の竜騎兵を皆さんは買っているのでしょうか?
私は、田中芳樹のサインプレゼントに出したいので、一応買いました。(笑) まだパラパラと目を通しただけですが、早く読んで文庫版と比較してみないと。
> どうも不沈戦艦さま。八木といいます。
> そういった頭の切り替えは女性によくあることなんですかね~。自分は少しの犠牲しか出さなかったのに、向こうはその何十倍というのは酷い!といったところですか。荻野目さんは、田中氏よりも女性の心理描写は上手なのでしょう。(笑)
「身勝手過ぎるがな」と思いました(わははは)。どう贔屓目に見たところで、「同じ穴の狢」ですもん。しかし、ストーリーの展開自体も、この作品よく分かりませんね。あんまり主人公のはずの主従が目立たず、存在感がありませんし。「こんなところで外伝出すか」とは思いましたけど、最初からボスポラス工作員の二人を主人公にした方が、良かったんじゃないでしょうか。
それと、エレオノーラは余計な野望に邁進するんじゃなくて(どうせ存在感ないですし)、せっかく莫大な財産を手に入れたんだから、それを持ってボスポラスにでも亡命し(あの世界では、一番安全そうですからね)、安楽に暮らした方がいいんじゃないの、と思ったです。元手はたんまりとあるんですから、事業を始めてもいいでしょうし。
> ところで、徳間デュアルから再刊した地球儀Ⅰはともかく、灼熱の竜騎兵を皆さんは買っているのでしょうか?
> 私は、田中芳樹のサインプレゼントに出したいので、一応買いました。(笑) まだパラパラと目を通しただけですが、早く読んで文庫版と比較してみないと。
「灼熱の竜騎兵」は、前のものは読んでいないので、せっかくですから買ってみました。買ったばかりなので、これから読むようですけど。
今更な感はありますが、この前出ていたので、読んでみての感想です。
一口で云えば、
「宙峡崩壊による保険金の支払いでファルネーゼ家を破産させようとする陰謀を、ギリギリで阻止するエレオノーラ(兄ジェラルドの命を助ける、という目的もある)」
ってところですが、まあやっとエレオノーラもそれなりに「動いた」ような気はしますけど、やっぱり地味ですしキャラも「立って」いないですねぇ。結局、最後はボスポラスの工作員二人に助けられる、というお決まりのパターンですし。「毒蛇」ことラ・ガーラに至っては、出てきたと思ったら「宇宙港封鎖の犯人」としてエレオノーラにボスポラス当局に通報され、大宰相ケマル・エヴヂミクご本人がお出ましになってふん捕まり、豚箱直行となる、のではナニしに出てきたのか解りませんし。
「経済的な面に光を当てた、女ラインハルトと女キルヒアイスの話」にしちゃ、どうしてこんなにも主人公が地味で、いてもいなくてもどうでも良さそうな存在(ジェラルドか前に出た外伝みたいに、ボスポラスの工作員二人を主人公にした方が、よっぽどマシな作品になりそうです)であるのかというと、結局「エレオノーラが何をしたいのか意味不明だし、野望なんか持たなくても良さそう」だからでしょうね。やっぱり、前にも書いた通り、あの世界の設定ならエレオノーラはベアトリーチェと一緒にボスポラスに移住し、資産管理会社を作って投資の上がりで喰っていけば、それで十分じゃないの、という気がしますわ。ボスポラス国民となってケマル・エヴヂミクの保護を受けられれば、憎い父親の干渉を排除して自由に暮らせますし、父親への復讐はボスポラス軍がオルヴィエートを制圧するのを待っていればいい。いや、せっかくの財力で、積極的にボスポラス軍を支援してもいいでしょう。何が何でも、エレオノーラ本人がオリヴィエートで権力を握らないと駄目、という理由が何もないんですよ。
銀英伝なら「姉を皇帝の手から取り戻す為には、自分が皇帝以上の権力を持つしかない」「特権階級が利権を貪るばかりの不正義に満ちた銀河帝国と、民主主義の名を汚す腐敗しきった自由惑星同盟を滅ぼし、宇宙を統一して人類社会を浄化する」という、読者も爽快感を覚えるような「正義」と「明確な目的」ががラインハルトにはあります。でも、エレオノーラは「父親が憎い」だけ。権力を握って何をしたいのかも、さっぱり見えないというか「権力を握ること」自体が目的となっているだけで、権力亡者にしか見えませんし、こんな人間に本当に権力の座に就かれたら、迷惑極まりないですねぇ。しかも自身が最初から特権階級の一員だし、やっていることと言えば、自分が巨利を得る為に、意図的に経済的混乱を発生させ、多くの人間を路頭に迷わせ自殺者多数を作り出す、とロクなもんじゃありません。もし、「社会を革新して、風通しのよい世界にしたい」のだとしたら、そんなことはケマル・エヴヂミクに任せて好きにさせておけばいいだけの話(全然悪役らしくないし)です。ボスポラス帝国が宇宙を制覇すれば、それがあの世界の人類社会にとっては、最良の結果となるでしょう。