管理者さん、
<やはり好き放題書き捨てている文章の批判だからこそ、公正で理知的にありたいものです>
全く同感です。批判している当の相手から「おまえは間違っている」と言われるほど不愉快な事はありませんからね。朝日社説批判の時もそこら辺を注意して書いています。
ところで田中芳樹作品よりも、このホームページや私の主張などの方がよほど発禁にされる可能性が高いのではないでしょうか? 田中芳樹が「これは著作権侵害だ」と訴えたら、かなりヤバイと思いますけどね(^^;)。まあその時は私も徹底的に自己主張を貫きますが。
さて、寒い冗談はやめにして、創竜伝2の検証の続きを始めましょう。
P80下段~P81上段
<破局は栄華のきわみに、突然おそいかかる。日本もそうならないといえるだろうか。世界中から富をかき集め、それを国際社会に還元しようとしない。有色人種の国でありながら、人種差別を制度化したファシズム国家南アフリカと深い関係をむすび、名誉白人といわれて喜んでいる。戦争放棄をうたった憲法を持ちながら、軍事予算は、アメリカとソビエトにつぐ世界第3位である。どういうわけか、「人種差別撤廃条約」にも「大量虐殺禁止条約」にも「生物化学兵器禁止条約」にも知らぬ顔である。バランス感覚を失して、大金をかかえたまま一輪車にまたがり、他の人々を突きたおして走りまわっている。いずれ必ず転倒するだろうし、そうなったとき、誰も助けてくれないだろう。
だが、いずれにしても税金はきちんと納めなくてはいけない。>
たかが税金に対する不満から、これほど壮大な社会評論を展開するとは恐れ入りますね。私にはとても真似できませんよ(^_^;)。
「破局は栄華のきわみに、突然おそいかかる。日本もそうならないといえるだろうか」という問いかけは、間接的に「日本もこうなるのだよ」と言っているのでしょうね。朝日が得意とする「ほのめかし論法」と同じものです。「世界中から富をかき集め、それを国際社会に還元しようとしない」というのは、日本は特別に悪い国家であり、日本が金持ちになったら悪いということなのでしょうか。アメリカでもイギリスでも中国でも、日本以上にえげつない方法で「世界中から富をかき集め」ていましたし、「それを国際社会に還元」なんてしていませんよ。欧米の植民地がどんなに富を吸い上げられ、しかも貧しかったか、田中芳樹が知らないはずがないでしょうに、なぜ日本だけを非難するのでしょうか。
「人種差別を制度化したファシズム国家南アフリカ」って、人種差別だけならアメリカにもありますし、中国や韓国にも南アフリカ以上の差別があります。それに最近あそこは民主的な選挙で黒人の大統領が就任し、アパルトヘイトは消滅しつつあります。いったい南アフリカのどこをみて「ファシズム国家」と規定したのでしょうか。
それと「戦争放棄をうたった憲法」を絶対視するのはやめてください。銀英伝やアルスラーン戦記で軍事や外交を詳しく論じている田中芳樹らしくありませんよ。これがどんなに非現実的でおかしなものか、銀英伝を書いていた頃の頭に戻って考えてみてくださいよ。軍事予算が「アメリカとソビエトにつぐ世界第3位」といっても、その内容は人件費や土地賃貸料、それに施設の維持費などが主なものなうえ、日本は物価が高いのでこれらの費用も高くなります(中国なんか人件費が異常に安いのですよ)。そのうえ、兵器などへの予算の割合は非常に少ないのですから、これだけで「軍事大国」と決めつけないでください。そんなに軍事費が多いのがいやなら、日本で徴兵制を導入しますか? 人件費は大幅に減りますが。
3つの条約についてはあまりよく知りませんが、戦後日本が人種差別や大量虐殺をしたという話は聞いた事がありませんし、生物兵器を所持しているという話も聞いた事がありません。条約に加入していないからという理由だけをあげつらって日本を非人道的な国のように言うのは、読者に誤ったイメージを植え付けるマインド・コントロールではないですか。
最後に、「バランス感覚を失して、大金をかかえたまま一輪車にまたがり、他の人々を突きたおして走りまわっている」というのは、よほど日本に対して悪い偏見を持っていなければ言う事ができないと思いますね。日本を偏見を持って見ている外国人や進歩的文化人のお歴々たちでも普通ここまで露骨には言わないでしょう。日本を見下すのもいいかげんにしろと言いたいですね。
P83上段
<「おい、国民新聞をとるのはいやだぞ。発行部数世界一だなんていってるが、政府べったりの御用新聞なんだからな。あれは」
「ご心配なく、東日本新聞ですよ。あそこはちょっと読書欄が弱いけど、夏場だけならいいでしょ」>
この「国民新聞」が現実世界の「読売新聞」であることは自明の理ですが、この新聞って「政府べったりの御用新聞」でしたっけ? 私には少なくとも朝日新聞よりはまともだと思えるのですが。だいたい「政府べったりの御用新聞」がなぜ「発行部数世界一」の売上があるのです? どうせ日本人が政府べったりの新聞記事が好きなのだと言いたいのでしょうね。
ところで余談ですが、国民新聞というのはかつて本当に実在しました。日露戦争でポーツマス条約を締結する時、主戦論が台頭する中で、ただひとり「日本に交戦能力なし」といって条約締結に賛成した新聞が国民新聞です。そのために主戦論者の暴動が起こった時に焼き討ちにも遭いました。その後はどうなったのか知りませんが。この国民新聞についてもっと詳しい人はいませんか?
それと「東日本新聞」のモデルって、どこの新聞なのでしょうね。
P87上段
<アメリカのショーのまねをしただけの、無意味なアトラクションが終わり、ホームラン競争や始球式も終わって、いよいよ試合が始まった。>
田中さん、「アメリカのショーのまねをしただけの、無意味なアトラクション」って、何でここだけ「無意味」と強調するのですか? 「アメリカの猿真似をしやがって」と考えているのでしょうが、少なくともそれを見る人と演出する人たちにとっては無意味ではありませんし、客に対するサービスが無意味というのなら「ホームラン競争や始球式」も全く無意味なものになるではありませんか。あなたがそう感じるのは勝手ですが、小説の中でこんな不必要な強調をしないでください。
P88上段~下段
<その年から、公安警察は、犯罪をおかしながら法律によって罰せられることのない、日本で唯一の組織となった。もはやこの組織は、日本国内において犯罪を捜査し検挙する資格はないはずである。
だが、法的に罰せられなくても、いちおう日本は先進的民主国家と自認しており、その体面はつくろわなくてはならなかった。>
もしも~し、記述が矛盾していませんか~? 「犯罪をおかしながら法律によって罰せられることのない、日本で唯一の組織」がなぜ「その体面はつくろわなくてはならな」いのでしょうか。
それと「犯罪をおかしながら法律によって罰せられることのない、日本で唯一の組織」っていうのは他にもいっぱいありますよ。朝鮮総連がそうだし、オウムなどの過激な宗教団体もそうでしょう。左翼の教育団体も、いくら偏向教育をやっても(これは教育基本法違反なんですけど)罰せられませんし。朝日新聞もいくら誤報や虚報をやってもしらばっくれていますしね。こう見ると「犯罪をおかしながら法律によって罰せられることのない、日本で唯一の組織」ってかなりありますね。公安なんてかわいいものです。
P90下段
<「日本を愛せよ、国を守れ」とわめきたてる政治家、財界人、文化人のなかで、自分の息子を平隊員として自衛隊に入れている者は、ひとりもいない。この事実は認識されておくべきだろう。>
銀英伝の時と同じセリフを、時代背景や制度の違いも考えずに主張していますね。銀英伝の自由惑星同盟は徴兵制を採用していましたし、何よりも実際に戦争していましたから、政治家などがその地位を利用して徴兵逃れをするのは非難に値しますし、それを批判するのも正論に見えますが、現代の日本はどことも戦争をしていませんし、自衛隊は志願制で成り立っていますので、政治家、財界人、文化人が「自分の息子を平隊員として自衛隊に入れ」なければならない義務はどこにもありません。
そもそもこの考えでいくと、『「日本を愛せよ、国を守れ」とわめきたてる政治家、財界人、文化人』は、自分の息子を平隊員として自衛隊に入れなければならないということになり、これは「自分の息子」に対する人権無視であり、しかもそれを恐れて誰も国のことを考えなくなってしまいます。これは恐るべき言論統制なのですよ。田中芳樹はこういう考え方をした事があるのでしょうか。自分の一面的な考え方だけが全てではないということを、私は田中芳樹の作品から教わったのですが。
10ページも進んでいないのに以上に長くなっていますね~(^^;)。しかもこの先のページであの四人姉妹の2人組が登場早々社会評論をぶちかましまくっているし。全く迷惑な話ですな。今回はこれで終了して、また次の機会にお会いしましょう。
はじめまして冒険ライダーさん仕立て屋と申します。いつもことこまかに御苦労様です(いやみでないよ(^^.わたしが創竜伝を最後に読んでからもう何年も経つので思い出すのにとってもたすかります.わたしの場合はコンロン山のあたりから話についていけなくなり8巻までがまんして挫折してしまいましたが.あのころはこの話がなぜ中国と関係があるのか,しかも天女みたいのがでてきて理解できませんでした(^^;)
前置きが長くなってすみません。
>P80下段~P81上段
>「人種差別を制度化したファシズム国家南アフリカ」って、人種差別だけならアメリカにもありますし、中国や韓国にも南アフリカ以上の差別があります。それに最近あそこは民主的な選挙で黒人の大統領が就任し、アパルトヘイトは消滅しつつあります。いったい南アフリカのどこをみて「ファシズム国家」と規定したのでしょうか。
2巻が発刊された当時はまだアパルヘイトは撤廃されていなかったと記憶しています。もしちがっていましたらすいませんが。田中芳樹は"制度として"差別条項がある国はということなので当然,南アフリカを想定してるもとのおもわれます。アメリカなどは建前として制度的差別は撤廃しているはずです。制度として差別条項を撤廃しているかしていないかの差はやはり大きいです。
>軍事予算が「アメリカとソビエトにつぐ世界第3位」といっても、その内容は人件費や土地賃貸料、それに施設の維持費などが主なものなうえ、日本は物価が高いのでこれらの費用も高くなります(中国なんか人件費が異常に安いのですよ)。そのうえ、兵器などへの予算の割合は非常に少ないのですから、これだけで「軍事大国」と決めつけないでください。
>うーん,たしかにこの点からも田中芳樹の軍事音痴ぶりが露呈していますねぇ。まあ,田中芳樹からすれば実情はどうあれこの"世界第3位の"というセンセーショナルな文字が目に飛び込んだので格好の批判材料とばかりにとびついたのでしょう。深くは考えていないとおもいます。小説の一ネタですな。なんだかケンタッキーフライドチキン片手に唇テカらしながら飛び付く様が目に浮かびます(^^ 。こういうセンセーショナルな情報に裏付け取らずに飛び付いて批判のネタにするあたりは朝日のやり口によくにていますねぇ。後日,うそがばれても絶対あやまったりしないで,わるびれもせず,はぐらかしすらせず,,,,つづく
では冒険ライダーさんこれからも精力的な批判を楽しみにしています。頑張って下さい。
>公安警察って奴らは、電話は盗聴する、市民運動家の家を
口実をつけては捜索する、ひどいものですからね。
……ご存じでしょうか。台湾ではどの電話も全て通話内容お
よび着信発信場所が記録されていて有事の際にはそれを元に
犯罪捜査が行われるそうです。(なんでそんなこと知ってる
かというと、台湾在住の子供さんのいじめ問題に警察が使用
したという実例を聞いたからです。犯人特定は一瞬だったそ
うです……)
日本では少なくとも「堂々と」盗聴内容を証拠として使用す
ることはできません。通話内容はもちろん、どこにかけたか
も知ることはできないはずです。誘拐事件などの捜査に使わ
れる逆探知にしたって、事件発生→捜査開始でそのあとにやっ
と、ですからね。通信の秘密は守られているはずですよ。案
外日本はまともな国です。有無を言わさず使われる台湾よりは。
蛇足ですが、盗聴記録の証拠資格の有無って確か昭和の真ん
中に外務省の機密漏洩で問題になったような気が……うろ覚
えなんですが。
>国民新聞
国民新聞は今も会員制月刊誌として存続しています。
毎月「正論」に広告を載せていますのでご覧になられたらいかがですか。
>東日本新聞
首都圏の新聞で左傾的といわれているのは朝日、毎日、東京(中日)新聞ですが、書評に関してはあまり読んでいませんので分かりません。
「創竜伝」を20ページほど読みました。図書館で、閉館15分前に行って。(^^)
結構面白かった。4兄弟の会話(漫才か?)が良い。
これがどのように変化するのか、すごく楽しみです。
明日図書館から借りて、本格的に読んでみようと思います。
そうしたらまた、感想を書きますね。
>無実の罪で死刑になりかかった人が国家に賠償を求めても、その裁判で負けてしまう
最近、冤罪を訴えて退けられた裁判があったように思います(甲山事件だっけ?)。
でもこの手の裁判って、負けたら「不当」の2文字が必ず出ますね。
自分たちの望む結果でなければ不当だなんてむちゃくちゃな思考だと思います。
判決は裁判官が下す公平なものです。それが気に食わないというのなら、
人民裁判でもやったらいかがかといいたい。
>たかが税金に対する不満から、これほど壮大な社会評論を展開
社会評論はさて置いて、田中芳樹が税金に不満を持っていても不思議ではないですね。
何しろ日本の税制は高所得者に恐ろしい税率をかけてますから。
今はかなり下がりましたが、80年代当事の最高税率は70か80%ぐらいだったと
思います。
大儲けしていた田中芳樹には憎むべき税制でしょうね。
最もこの点にだけは、私も同情します。
金持ちからむしり取るというのは、一見良い方法に思えますが、
これは勤労意欲を大きく削ぎます。
何故なら、働けば働くほど取られてしまうのなら、
そこそこで止めとこうと考えてしまうからです。
結果、勤勉は損ということになり、経済は著しく停滞します。
事実、70年代のイギリスは「英国病」と呼ばれるほど、停滞しきっていました。
結果の平等なんてろくなことになりませんね。
>有色人種の国でありながら、人種差別を制度化した
>ファシズム国家南アフリカと深い関係をむすび、
>名誉白人といわれて喜んでいる。
2年ほど前の「SAPIO」に載った記事で、筆者は忘れましたが強く印象に残っているくだりがあります(具体的にどこだ、と言えないのがツライ)。
その筆者が南アフリカを訪れたとき、日本の公使だか大使に、こう心構えを説かれたそうです。「いいですか、電車やバスに乗ったら我々は白人用の席に座らなきゃいけない。でも制度上で名誉白人扱いされていても、周りは露骨に嫌がり差別と嫌悪を示しますからおそらく有色人種用に座った方が楽でしょう。それでも、私たちは座らねばならない。現在そういう特権を持った有色人種である我らが、代表としてそこに座ることで突破口を開きつつあるんです。それが、私たちの義務ですよ・・・・」。
おおよそこんな内容。この真偽を私は検証する知識を持ち合わせていない。
ただ、竜堂続君のセリフや田中氏の小説記述と比べどちらに現場の緊張感があるか、どちらにリアリズムを感じるか、どちらが覚悟を持って自分の言葉を語ったかを、読んだ皆さんの判断に待つのみである。
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それから人種差別撤廃条約に日本政府が消極的だったのは事実だが、それは条約中の「人種差別的な言論を取り締まらねばならない」といった条項が、憲法下の表現の自由との兼ね合いで問題を抱えていたからです。
これは「闘う民主主義」や「不寛容への寛容」などの哲学的命題をはらんだ非常に難しいことであるぞ。
それでも進めよ、というのもひとつの議論ではあるが、こう単純(明快)なお言葉を賜ると、ヒルメスに失望した独眼の将軍、のような心境になってしまうのであります。
>アメリカのショーの猿真似
そもそも、野球自体が「アメリカの猿真似」ではないですかね。「アメリカの猿真似」が良くない、と言うのなら、日本人は柔道や相撲ぐらいしかやってはいけない、と言いたいのでしょうか?逆を言うとアメリカ人は柔道をやったり、相撲に興味を示したりしてはいけない、となりますね。だとすると驚きです。田中芳樹は極端な国粋主義者で、自国で始まったモノ以外、スポーツの類はやるべきではない、ということなのでしょうか。文化の相互伝播を否定しているんですかね。あるいは「ショーの猿真似」だけがいけない、と言いたいのかな?そんなに「真似がいけない」と言える程、田中芳樹にオリジナリティがあるんでしょうか?私は読んでいないですけど、「摩天楼」シリーズの主人公の性格はまるっきり「スレイヤーズ」のリナ・インバースだって誰か言ってましたよね。自分はパクリを平気でやっていて、自分以外がやるのはいけない、と言いたいってことは、「実は田中芳樹は差別主義者である」、と言われても仕方ありませんな。
不沈戦艦さんへ
> そもそも、野球自体が「アメリカの猿真似」ではないですかね。「アメリカの猿真似」が良くない、と言うのなら、日本人は柔道や相撲ぐらいしかやってはいけない、と言いたいのでしょうか?
ちょっと表現がきついでしょう。
多分、田中氏は「アメリカのやることなら何でもありがたがり、真似をする日本人の体質」をここでは非難しているのだと思われます。
でも、それの実例に元々アメリカから入ってきた野球を挙げるのはどうかと思いますがね。少なくとも日本以外でプロ野球のある韓国や台湾の実例と比較もせずに「猿真似」と断じるのはおかしいでしょう。
私の知る限り大リーグと同様に「アクション」を見せる韓国や台湾よりも、「勝負」を見せる日本の野球の方が、独自性が有ると思います。
>「スレイヤーズ」のリナ・インバース
「スレイヤーズ」の世界観の根本部分は「グローランサ(グレッグ・スタフォード)」の設定をオマージュにしたものですから、結局はアメリカに帰せられてしまいます。田中氏に言わせれば「アメリカの猿真似」の一つになるかもしれませんよ(日本のライトなファンタジーやSFにおける、「グローランサ」の影響力にはもの凄いものがあります)。
個人的には程度に寄りますが、元ネタがある事そのものは作品の出来とは無関係と思ってます。上に挙げた「グローランサ」も世界中の神話や伝承を繋ぎ集めて形成されているモノです。
ただ個人的には「ドラよけ」を2巻にまで出したのにはゲンナリさせられましたね。
ひょっとして田中氏はあの表現、気に入ってるんでしょうか。
あとおまけです。
>世界中から富をかき集め、それを国際社会に還元しようとしない。
日本がそうでないなら「かき集めた富を国際社会に還元している国」とは一体何処のことなのでしょうか。
可能性があるのは大戦後から現在までのアメリカか、さもなくば植民地時代の欧州列強ぐらいしか思い浮かびませんが、どちらも違うのは明白です。
結局、この辺りは「豊かな者は貧しい者から、豊かであることそのものを非難される」という一般論の表現を過激にしただけだと思われます。
まずは、この場を借りて皆様に御礼を申し上げます。「私の創竜伝考察シリーズ」を購読してくださり、誠にありがとうございます。これからも、「私の創竜伝考察シリーズ」をよろしくお願い致します。
ところで、私がしばらく留守にしていた間に、皆さん私の投稿に関してずいぶん書きこんでいますね~。私としてはうれしい限りです。これらの投稿についての返答は、できるだけやっていきたいと思います。少し大変ですけどね。
仕立て屋さん、応援ありがとうございます。実は私も、このHPを見つけるまで何年も創竜伝を読んでいなかったのですよ。見るのも苦痛でしたし。今は批判のためだから喜んで読んでいますけどね。これからもよろしくお願い致します。
さて、アパルトヘイトは確かにこの時点では廃止されていません。しかしあえて私はこう書きました。なぜかといえば、アパルトヘイトは、「ファシズム国家」を運営している白人を、黒人が革命によって打倒して廃止したわけではなく、民主的な方法で、黒人の大統領を選出して自分たちの意見を主張することで、アパルトヘイトを廃止させようとしているのです。その国を「ファシズム国家」などと最低の罵倒文句で斬り捨てた田中芳樹の一刀両断的な姿勢が許せなかったのです。第一、田中芳樹は「ファシズム国家」という言葉の意味を正確に知っているのでしょうか。
そもそも、人種差別は20世紀初頭までごく普通に存在し、アパルトヘイトという制度もその時にできたものです。また、アパルトヘイト以上に人種差別的な政策をかつてアメリカやヨーロッパ諸国は、アフリカ黒人の奴隷貿易という手段でやっていましたし、今の中国は人種差別どころか、他民族を自分たちの民族としてとりこもうとするために、教育という手段を使って民族としてのアイデンティティーを否定するという、それこそ「ファシズム国家」以上の悪行をやっております。人種差別政策があるからファシズム国家であるというのなら、19世紀の欧米諸国は全てファシズム国家です。アパルトヘイトをいつまでも廃止しなかった南アフリカに非がないとは言いませんが、田中芳樹に一方的に「ファシズム国家」と断定されるほど、南アフリカはひどい国ではありませんよ。
ところで、
<ケンタッキーフライドチキン片手に唇テカらしながら飛び付く様が目に浮かびます>
これは私も笑わせてもらいました。田中芳樹ならありそうですね(う~ん、偏見かも(^^;))。わたしも思わず目に浮かびましたよ。
<センセーショナルな情報に裏付け取らずに飛び付いて批判のネタにするあたりは朝日のやり口によくにています>
これも同感です。この先の社会評論でも、朝日もびっくりの偏向文章があります。それこそ「朝日新聞社説など目じゃありません」から。これからも徹底的にそれらの論調を叩き潰しますので、期待していてください。
りえさん、台湾では日本の公安警察もびっくりのやり方をしているのですね。私は知りませんでした。これはおそらく歴史的にそうせざるを得なかったのだと思います。中国がいつ攻め寄せてくるか分かりませんし、スパイをあぶりだすのに必死だったのでしょう。この辺りは、歴史や地理的条件がものをいうようです。日本も幸せな国ですね。
コジラさん、国民新聞の情報ありがとうございます。そういえば正論にそのような情報があったのを見たことがあります。創竜伝考察4のあれは、渡部昇一氏の本から引用しました。私はてっきり、焼き討ちの時か、戦前の新聞統合のときになくなったものと思っていましたよ。
Merkatzさん、甲山事件といえば、たしか広島県の偏向教育でそんな名前の事件が使われていたという新聞記事を読んだ記憶があります。あの時はその事件について何も知らなかったので、「どうせ左翼に都合のいい話なんだろうな」と思っていただけだったのですが。
それと私も日本の税率が以上に高いという主張には賛成です。この問題では、渡部昇一氏が「所得税一律10パーセント・相続税廃止論」を展開していましたし、他にも似たような主張をしている本を読んだ事があります。この点では、確かに田中芳樹には同情すべき点がありますね。
しかし不思議な事に、創竜伝やその他の田中芳樹本でも、この累進課税について述べている個所が全くありません。消費税の不満をぶちまけている所ならばありますが(これは後日「私の創竜伝考察シリーズ」で指摘します)。これはおそらく、この累進課税が、共産主義思想である「所得再分配の思想」から生まれたものだからです。これは左翼全共闘である田中芳樹にとって、指摘しにくいものでしょう。そもそも税金に不満をもっているのならば、あんな「国家興亡論」などという壮大だが訳の分からないシロモノ(しかも偏向しているし(^_^))を展開せずに、率直に税金の話をすれば良いのですよ(これだってフィクション小説で展開すべきかどうか)。
新Q太郎さん、アパルトヘイトと人種差別撤廃条約についての情報ありがとうございます。やはりこれを見ると田中芳樹の主張が偏っているという事がわかりますね。事実の一断面だけをみて批評する事がどれだけ恐ろしいのかという事は、田中芳樹が一番よく知っているはずなのですが。
不沈戦艦さん、北村 賢志さん、「摩天楼」シリーズについては後日書こうと思っていますが、あのキャラクター設定は、週刊少年サンデー連載のマンガ「GS美神 極楽大作戦」の主人公である美神令子と横島忠夫からのパクリだと私は考えています。あの小説の設定を見た時に「これは!!」と思いましたもの(^_^)。横島忠夫の性格を自分と同じ設定にしたほかは、薬師寺涼子の性格といい、語り部である泉田準一郎のあの忠勤ぶりといい、妖怪退治といい、さらには薬師寺涼子のライバルである室町由紀子という設定まで、どれもこれもパクリだと断言できるシロモノです。興味ある方は一度見てみてはいかがですか?
それと管理人さん、お手数をおかけして申し訳ありませんが、「私の創竜伝考察4」の厳しいチェックをよろしくお願い致します。私が見た時には、まだやっていないようでしたので。
>それから人種差別撤廃条約に日本政府が消極的だったのは事実だが、それは条約中の「人種差別的な言論を取り締まらねばならない」といった条項が、憲法下の表現の自由との兼ね合いで問題を抱えていたからです。
>これは「闘う民主主義」や「不寛容への寛容」などの哲学的命題をはらんだ非常に難しいことであるぞ。
なにやら、今国会で揉めている、いわゆる「ロリータ新法」とよく似た状況です。あれも、児童買売春の禁止そのものに反対する人はほとんどいないけど、罰則も含めた児童ポルノの所持の禁止や絵などもポルノ含めるといった表現の自由や思想の自由との抵触が大問題になっていますね。
国会の動向を見ていると、どうやら所持の禁止やポルノに絵を含めないといった無難な方向に落ち着きそうですが、これは、見方を変えれば不徹底な法案に妥協したと取ることも可能です(ちなみに原案の元になった欧米諸国では、ほとんどが所持に罰則を与えている)。
さて、私がわざわざロリータ新法などを取り上げたのは、人種差別撤廃条約との類似性からだけではありません。場合によっては、田中芳樹関連の作品からはじめての検閲描き直し作品が出る可能性があるからです。
田中芳樹そのものの作品ではありませんが、銀英伝のコミック版で、反逆を起こしたマクシミリアンが年端もいかない裸の少女をなぶっているシーンがありますね。絵をポルノに含めることや所持の禁止が廃止されないまま法案が成立すると、銀英伝のコミックを持っている数十、数百万の読者がアウトです。
田中芳樹本人や彼のファンが一斉に権力と弾圧に屈し、本を捨てる様は圧巻ですね。
もちろん、「あのシーンはそのような残虐な行為を否定するために描かれているのだ」という反論もあり得ます(私も、あのシーンはマクシミリアンの常軌を逸した狂気や甘えを少ないコマで表現するうまい手法だと思う)。しかも、それは正論です。でも、そのような正論が無力であったことは、かつての差別狩り運動を見れば明らかなことです。
それは行き過ぎだ、このような事態にならないように、所持の禁止や絵や表現をポルノに含めるのはやめよう、とすると、「どういうわけか近代民主国家の世界的潮流である『児童ポルノ処罰法案』にも知らぬ顔である」となるわけで、田中芳樹や銀英伝コミックは、反人権民主後進国ニッポンの象徴となってしまいます。
問題なのは、この矛盾なのですよね。花井夫人みたいな人が無責任で軍国主義的な言動をもって出来る言論統制など、現実的実効性はゼロに限りなく近い。本当に問題なのは、人権や民主主義をタテに言論抑制をされたときなんですよ。ここに、新Q太郎さんがおっしゃるところの「闘う民主主義」や「不寛容への寛容」の超難問があるのです。
さて、田中芳樹は人権や民主主義の(彼にとっての)パラダイス「近代民主国家」を絶対とし、それを尺度に日本を人権民主後進国だとしています。ならば、日本が「児童ポルノ処罰法案」を厳格に適用する近代民主国家に近づいた場合、自分が原作を務める本に対して、どのような態度をとるのでしょう。
少なくとも、『それでも進めよ、というのもひとつの議論ではあるが、こう単純(明快)』に行かないのは、確実です。
>問題なのは、この矛盾なのですよね。花井夫人みたいな人が無責任で軍国主義的な言動をもって出来る言論統制など、現実的実効性はゼロに限りなく近い。本当に問題なのは、人権や民主主義をタテに言論抑制をされたときなんですよ。ここに、新Q太郎さんがおっしゃるところの「闘う民主主義」や「不寛容への寛容」の超難問があるのです
個人的には「児童ポルノ取締法」には総論賛成、各論反対という立場だったので、
あのような形になってまずは一安心というところです。
しかし石井さんのおっしゃられるように、
こういう問題の難しさを感じずに入られません。
民主的な価値観を守り通そうとすればするほど、かえって逆の結果となってしまう。
アメリカのアファーマティブ・アクションが良い例ですね。
結局のところ、民主主義はよいシステムだとは思いますが、
人間の作ったものですから完璧ではありません。
ヤン・ウェンリーの言葉を借りれば「ベストよりベターを選ぶ」という事になるのでしょう。
しかし、「銀英伝」においてはその事をしっかりと書いていた人が、
他の作品ではそれを全く忘れてしまうなんて、信じられません。
人は変わってしまうという見本ということでしょうか。
>しっかし、予想以上に社会評論が多いですね~。
2巻・4巻あたりはホントに気色の悪い日本国家・国民・社会・歴史に対する悪質な誹謗中傷があふれていて読むたびに吐き気がします。(じゃ読むなよ(^^;;))
管理人さんが書かれた通り、バブル期で日本全体の羽振りが良かったので逆に叩きやすかったのでしょうね。
また、(4巻執筆当時)昭和天皇のご闘病で自粛ムードが広がったことも気に食わなかったのかもしれません。
「当時の世相に対する批判・警告」ととらえれば、まだ評価できなくもないと思いますが、やっぱり小説でやられても読む方はとまどっちゃいますな。
(バブルの風潮を批判する一方で竜堂続が“プールバー”などという当時を象徴するバブリーな所でバイトしてたのはご愛敬ですが(笑))。
>それから人種差別撤廃条約に日本政府が消極的だったのは事実だが、それは条約中の「人種差別的な言論を取り締まらねばならない」といった条項が、憲法下の表現の自由との兼ね合いで問題を抱えていたからです。
しかし、これまた田中芳樹がこの辺の事情を知らずにこんなことを書いたとは考えられません。(知らずに書いたのならそれはそれで問題)
一面的な情報しか開示せずに読者を誘導しようとするのは自作に登場する悪役の行為そのままではありませんか(怒)。
また、このサイトに書かれてるような批判は本人の所には“とっくの昔”に“山のように”届いてると思いますが、あとがきや「座談会」では箸にも棒にもかからない低レベルの批判だけを紹介して、さも
「俺を批判するやつは低能だ」
という印象を読者に植えつけようとしてるあたりも姑息きわまりないと思います。(怒×2)
Merkatzさんへ
>しかし、「銀英伝」においてはその事をしっかりと書いていた人が、
>他の作品ではそれを全く忘れてしまうなんて、信じられません。
>人は変わってしまうという見本ということでしょうか。
強いて言えば「田中氏が変わった」というよりも「自分の主張に対する距離が変わった」のではないでしょうか。
私の経験上、テーブルトークRPG(始めてからもう16年になります)において一番困るのは「プレイすればするほど言動がおかしくなる」プレイヤーです。
この手のプレイヤーは、初めの内は自分のキャラをあくまでも自分とは別個の存在と見る事ができても、そのキャラでプレイを重ねるにつれてキャラと自身との距離が縮まり「キャラクターの考えや利害」と自分のそれと混同してしまうのです。
こうなると「銀英伝」1巻よろしく「経験者は不利な部分にばかり目が行く」のでキャラの僅かな欠点にも我慢できず「自分は損をしている」とばかり考えてしまう傾向が有り。また戦闘は勿論のこと作戦会議などでも「自分が傷つかないこと」を最優先に行動してしまいます。
そんな知り合いに
「出しゃばりはラングを凌ぎ、作戦立案能力はフォーク以下、責任感はトリューニヒトにも及ばず、頑迷さはブラウンシュバイク公に勝り、文句の量は竜堂兄弟の合計に匹敵、それでいて自画像はラインハルト」
というとんでもないプレイヤーが居ました。
おっと失礼。話がそれてしまいましたが結局、「銀英伝」では田中氏はある程度、自分自身の主張、即ち「ヤンの思想」から距離を置いて考えていたのに対し、「創竜伝」では田中氏自身にとり身近な現代日本を舞台にしたことで、竜堂兄弟と自身をオーバーラップさせ過ぎたあまり、「思考の視野狭窄」に陥ってしまってるんじゃないでしょうか。
>創竜伝の評論部分の増加
創竜伝が評論部分が目に付いたのは3巻からだったが、2巻まではまだ唐突な評論部分が少なかった。
>児童ポルノ規制法案
<さて、私がわざわざロリータ新法などを取り上げたのは、人種差別撤廃条約との類似性からだけではありません。場合によっては、田中芳樹関連の作品からはじめての検閲描き直し作品が出る可能性があるからです。
田中芳樹そのものの作品ではありませんが、銀英伝のコミック版で、反逆を起こしたマクシミリアンが年端もいかない裸の少女をなぶっているシーンがありますね。絵をポルノに含めることや所持の禁止が廃止されないまま法案が成立すると、銀英伝のコミックを持っている数十、数百万の読者がアウトです。
田中芳樹本人や彼のファンが一斉に権力と弾圧に屈し、本を捨てる様は圧巻ですね。
もちろん、「あのシーンはそのような残虐な行為を否定するために描かれているのだ」という反論もあり得ます(私も、あのシーンはマクシミリアンの常軌を逸した狂気や甘えを少ないコマで表現するうまい手法だと思う)。しかも、それは正論です。でも、そのような正論が無力であったことは、かつての差別狩り運動を見れば明らかなことです。
それは行き過ぎだ、このような事態にならないように、所持の禁止や絵や表現をポルノに含めるのはやめよう、とすると、「どういうわけか近代民主国家の世界的潮流である『児童ポルノ処罰法案』にも知らぬ顔である」となるわけで、田中芳樹や銀英伝コミックは、反人権民主後進国ニッポンの象徴となってしまいます。>
私が思うには反児童ポルノ派にとっては銀英伝漫画を弾圧することは「利敵行為」でありますが、類似の思想を持った者同志が内ゲバを起こす頻度の高さは左翼ほど高いものはないでしょう。
大げさに言えば、スターリンによるトロッキー等の政敵の大虐殺、毛沢東による文化大革命、林彪の粛清。身近な出来事で言えば、アイリス・チャンが「レイプ・オブ・ナンキン」の説を補強する本の出版を妨害したことが上げられます。
確かに児童ポルノ規制法案を提出したのは自民党・民主党・旧さきがけの極左でしたが、彼らと対立しているはずの宮台真司氏とは「援助交際の肯定」という一点では見事に一致しています。
差別狩り運動にしても「焚書団体」の多くが共産党・旧社会党支持であるということも注目されます。