初めまして。北村ともうします。
>「大逆転シリーズ」とは、主に第二次大戦で
>枢軸国が連合国に勝つというアレで、田中芳
>樹あたりは大嫌いだと思うが(私も嫌い
>だ)、歴史をねじ曲げてまで日本を勝たすアレ
とのお言葉ですが檜山良昭「大逆転シリーズ」は仮想戦記モノとしては良い方だと思います。
実際「大逆転!日本本土決戦」は日本の死者が2000万人以上になる悲惨なものです。
それ以外の日本が勝つモノでも「最終的に日本は負ける」との大前提を外した事はありません。
この事からすれば「大逆転シリーズ」はそう酷い代物ではありません。ハッキリ言えば「大逆転シリーズ」は舞台が太平洋戦争なだけの冒険活劇みたいなもので、政治性は殆どありません。
「創竜伝」と対比させて取り上げるとすれば「紺碧の艦隊シリーズ」の方が的確だと思いますよ。
北村殿、あなたは創竜伝の対比に紺碧の艦隊があてはまると
言いましたが、あなたは紺碧の艦隊を一巻でも読んだことは
ありますか?
紺碧の艦隊の大戦の構造は枢軸国と連合国との戦いではありません。そもそも作品では日本は独逸と同盟を結ばず単独で
米国に戦争を遂行しています。その後に和平が成立し、
日本は米国と同盟し印度にせまる独逸軍と戦っています。
また、欧州では独逸軍のゲルマン砲の破壊工作をしています。
むしろ、日本は最初米国をあやつっていた「海の目」<フリーメイソンのようなもの>に対しての戦争だと思います。作品の大きな
構造はこうなのです。また「海の目」はトルーマンが大統領になった
後、トルーマンを見限り、独逸へ結びついていくのです。
また、余談ですが、作品で日本は後に共和国体制に移行しています。これでもあなたの言うとうり、創竜伝の対比ですか?
「田中芳樹を撃つ!」という本掲示板の主旨とはいささかずれますが、架空戦記関連の投稿もいくつかあったようなので少し。
①荒巻義雄 紺碧の艦隊及び旭日の艦隊シリーズ
最初は真面目にアメリカと戦っていたのに、途中からは敵が見えない世界政府に変わってしまい、正面切って戦う相手もナチス・ドイツにシフトしてしまいました。私は最初は単純に面白がっていましたけど、説教くさくなりすぎだと思って途中で飽きちゃいました。それに対ナチス戦ってのがどうも非現実的だと思いましてね。
②檜山良昭 大逆転シリーズ
タイムスリップを導入した荒唐無稽なのものから、歴史の歯車がちょっと転んだらどうなったか、幻の新兵器があったら、など色々あります。でも、「日本がアメリカに勝ちました。拍手拍手」って内容はありません。暗い未来を予感させる終わり方や、局地戦だけの勝利などがほとんどです。戦争の虚しさを訴えている(日本本土決戦などは特に)事も多いと思います。
③横山信義 八八艦隊シリーズその他
この作家は、日本を勝たせない事では定評がある、などと自分で言っております。八八艦隊などは資金的に絶対に不可能ですが、その事を抜きにすれば結構楽しめると思いますよ。一方的に日本を勝たせる趣味もないし。少なくとも太平洋戦争ものに関しては面白いものを書くと思います。まあ、小村氏が指摘していたように、現代物の「日本国際旅団」で嫌みったらしい市民平和団体がこれでもかこれでもかと自衛隊に嫌がらせをしていて、自衛隊員は彼らを忌み嫌っているという設定はちょっと「創竜伝の反対」めいたところはありました。田中芳樹の悪い影響と言えば確かにそうかもしれません。「東京地獄変」でもそのような役割のキャラクターを出していましたし。
それ以外は特に話題に出ていないし、そんなに詳しい訳でもありませんのでいいでしょう。私はこんなHNを使っているくらいですから、架空戦記物は割と好きな方です。
>北村殿、あなたは創竜伝の対比に紺碧の艦隊があてはまると言いましたが、あなたは紺碧の艦隊を一巻でも読んだことはありますか?
白状しますと最初の数巻しか読んでません。
はじめの内は読んでましたが余りにご都合主義、特に基礎的な知識が欠落(1巻で「石油資源のためにハワイを攻略する」と書いてあったのを読んだときは爆笑しなしたが、よく読むと全編そんな描写ばかりでした)しているにも関わらず、史実の日本海軍をこき下ろしながら、それ以上に無茶な作戦を「超兵器」で成功させる姿勢にうんざりしてかなり早めに辞めてしまいました。
(特に史実の大和級戦艦を散々非難し、その予算で「紺碧艦隊」を造ったはずなのに、同じ作品世界で有るはずの「旭日の艦隊」でいきなり大和以上の超戦艦が表紙を飾っていたときはハッキリ言って呆れかえり、「旭日の艦隊」は全然読んでません)
>紺碧の艦隊の大戦の構造は枢軸国と連合国との戦いではありません。そもそも作品では日本は独逸と同盟を結ばず単独で
>米国に戦争を遂行しています。
うーん。これは私の認識とは違うようです。なぜなら「紺碧の艦隊」が始まった時点で三国軍事同盟は結ばれており(作中、特に何も言ってませんが「ハル・ノート」に言及してある以上、結ばれているとみるのが自然でしょう)、しかも「破棄した」と言う描写が一切ありませんでした。
つまり日本は少なくとも米国に宣戦布告した時点では三国同盟を結んでいたと思ってます。作者の言い分?それは無視します。
(年表にも「いついつ破棄した」との記述はありませんでした。このあたりはこの作品中、特にいい加減な部分であり、作者の誠意を疑うところです)
>また、余談ですが、作品で日本は後に共和国体制に移行しています。これでもあなたの言うとうり、創竜伝の対比ですか?
すいません、そのあたりまでは読んでません。「紺碧の艦隊」は少なくとも始まった時点では「戦前の日本がもっと効率よく対米戦を戦うことが出来れば勝利できたはず」とのストーリーだったはずです。
また日本が対米戦に突入したのも「ルーズベルトの陰謀」説を採っており、このあたりから「創竜伝との対比に適当かな」と思った次第です。
私、「紺碧」だけは見てたことがあります。それも19巻まで(^^;
大体の方と同じく、最初は楽しんで読んでましたが、これまた創竜伝と同じく途中から読んでいても何とも感じなくなってきて、
後半は流し読みで読み終えました。
「超兵器で勝利」には特に気にしていませんでした。勝利への過程なんてものには興味がなかったからです。
戦術を学ぶわけでも、シミュレートして欲しいわけでもなかったし(^^;
ただ、不沈戦艦さんが書いておられたように、
<途中からは敵が見えない世界政府に変わってしま
ったのが、個人的に気に食わなかったのです。
でも、いろんな政策を打ち出して、日本を良くしていこうという点は
(まぁ、戦争のためでもあるけど(^^;)素直に「いいな」とは思いました。
何も無いところから超兵器をばかばか作られたら、さすがに嫌だっただろうけど。