☆皆の考える「議論の前提条件」
Kenさんがこの掲示板で展開している主張は、
作品擁護論や作品批判論(冒険風ライダーさんの言葉ですが)における「議論の前提条件」について、異議を差し挟む、という行為です。
「移動要塞」論の討論に参加している多くの人は、賛否両論を問わず、「作中事実」に基づく帰納的な解釈を展開しています。
その解釈における質はともかくとして、多くの者は、「議論の前提条件」は、
「作品設定を前提とした擁護や批判は、帰納的な解釈により行うものである(これ以外では行いようが無い)」
と考えているのです。
なお、「作品設定を前提とした擁護や批判」において、「作品設定そのものに対する批判」は除きます。(銀英伝は科学的におかしい、等の批判)
別に、多数決で決めろ、といっているわけではありません。
以下説明を加えますが、「作品設定を前提とした擁護や批判」において、演繹的に証明できる部分など、あるわけがないのです。Kenさんは、No3628等で不沈戦艦さんが述べられていることを、理解しているでしょうか。
討論の他の多くの参加者も、「演繹的に証明できる部分がない」ことを、(どの程度意識しているかは別として)知っているから、「作中事実に基づく帰納的な解釈」を展開しているわけです。
私としては、「議論の前提条件」について異議を差し挟むことで、「移動要塞」論の是非を曖昧にしてしまおうとする「逃げ」を、絶対に許容したくないので、丁寧に説明を加えているのです。
☆パンツァーが追加する「議論の前提条件」
私は、「作品設定を前提とした擁護や批判は、帰納的な解釈により行うものである(これ以外では行いようが無い)」
とする「議論の前提条件」に加えて、
「銀英伝そのものを、作中事実以外の一切の可能性を否定すべきだ、という結論」
を排除することを、
「議論の前提条件」に追加します。
例えば、「艦隊の移動可能性」に関しても、「作中事実」以外の航行は、
「銀英伝の記述だけでは、可能であると証明するにも、不可能と証明するにも、不十分である」
とする態度です。
①これに異議があるかどうか、まず教えてください。
以下の議論は、この点に関して、異議が無い、という前提で進めていますので、異議があるとすると話すことがまったく別となります。
(ほとんど有意義な話はできなくなるかと思います)
☆Kenさんが今回提案する「議論の前提条件」
Kenさんの記載(No3633)
> 議論の前提条件ですが。
>
> 1.恒久移動要塞が可能であると、演繹的に証明する
> 2.恒久移動要塞が可能であると、私たちが知っている物理法則を使って判断する
> 3.恒久移動要塞が可能であると、現実世界の科学的手法で、判断する
Kenさんは、この三つの手法で、「作品設定を前提とした擁護や批判」が可能である、と考えている、ということでしょうか。
○3の解釈について
ここで、3については、「現実世界の科学的手法」の定義があいまいなので、なんとも言いかねますね。
パンツァーの記載(No3630)
<「考察」というのは通例、「前提」より「結論」を導くための思考過程を指すものでしょう。>
②Kenさんの主張する「現実世界の科学的手法」(No3572)において、「考察」の意味は、上記の内容であることに同意しますか。
同意するのであれば、
パンツァーの記載(No3630)
<Kenさんの言う「現実世界の科学手法」においても、
「観測→考察→普遍化(数式化)」
の過程では、「帰納」が用いられているわけです。
「普遍化(数式化)→予測」
の過程が、「演繹」に相当しましょう。>
で述べた通り、
Kenさんの主張する「現実世界の科学的手法」は、「帰納」+「演繹」(ほとんど自明の内容)となって、要するに「帰納的な解釈により行う」ことと同意義となります。
ここで「演繹」がほとんど自明としたのは、例えば(No3630)において、
「燃料の量と走行距離には、線形の比例関係がある」という、数式化された法則が導かれれば(つまり帰納的に導かれれば)、「証明」が終わっているからです。「太陽が昇る」の話でも、「毎日、太陽は東から昇り西に沈む」が導かれれば、「今日、または明日も、太陽は東から昇り西に沈む」などという結論は、自明ですよね。
「演繹」のありがたみを感じることは、少ないのではありますまいか。
例えば、一般相対性理論よりブラックホールの存在が予測される、とか言うのは、「演繹」によって導かれる劇的な結果でしょうが。
繰り返しますが、Kenさんの主張する「現実世界の科学的手法」が「帰納的な解釈により行う」ことと同意義となる、ことには同意しますか?
○1と2について
1と2の手法で、例えば、「移動要塞」論とは関わりの無い、「艦隊の移動可能性」の可否についても、このような手法で、実証できますか?
私は、この二つの手法で誰かが、「艦隊の移動可能性」を実証しようとするのであれば、間違いなく論破する自信がありますよ。
この二つの手法で、「作品設定を前提とした擁護や批判」が可能かと言えば、結論を述べると、それは不可能です。
以下、個々について述べていきます。
○1について
③演繹法というのは、ある「前提」に対する「結論」が真である、という話ですから、まず「前提」が必要となるわけです。
移動要塞の可否を問えるような「前提」をそもそも設定できますか?
逆にいえば、「艦隊の移動可能性」の可否を問えるような「前提」を設定できますか?
○2について
例えば、「演繹」の前提として、「私たちが知っている物理法則」を適用してはどうか、といった提案ですかね、これは。
④同じことですが、「艦隊の移動可能性」を実証することができますか?
パンツァーの記載(No3617)
<不沈戦艦さんが指摘されましたが、「ワープエンジン」って、Kenさんの言う「私たちの物理法則」に当てはまるのですか。「ワープエンジン」の原理に関して、今日我々が知っている物理学で納得できるような説明もありませんよね。>
Kenさんの記載(No3617)
<私の理解では、超空間を通過して、宇宙の一点から別の一点まで、通常航行では不可能な短時間に移動する、ということは私たちが知る物理法則に、完全否定はされていないと思います。この点は、例えば永久機関などとは性質を異にします。NASAの故カール・セイガン博士は、(中略)スティーブン・ホーキング博士も、(以下略)>
だから、「ワープエンジン」の原理が、今日我々が知っている物理学で納得できる、ということにはならないですよね。
第一に、この点で、まったく同意できません。
それに、「私たちが知っている物理法則」の適用は、諸刃の剣だと思いますよ。「作品設定」の中で、どのように拡大解釈しても、「私たちが知っている物理法則」と合致しない例が見つかったなら、直ちに「作品設定」に対する重大な違反です。
「銀英伝の作品設定」を「前提」としないのであれば、そもそも「移動要塞」など問題にもなりません。
☆「作品設定を前提とした擁護や批判は、帰納的な解釈により行うものである(これ以外では行いようが無い)」に不満なら、整合性のある「作品設定を前提とした擁護や批判」のための手法を提示せよ
⑤「議論の前提条件」に異議を差し挟むのも結構ですが、Kenさん自身で、「帰納的な解釈により行う」以外の「手法」を提示してみてください。
上の1・2については、まったく成り立たないでしょう。
3についても、「帰納的な解釈により行う」以外の意味なら、それを明示してください。
そして、
例えばKenさんがなにか提示できる手法があるなら、
⑥まず、「艦隊の移動可能性」について実証してみてください。
「艦隊の移動可能性」すら、怪しい評価方法では、他の「仮定」に適用できるものとは言えないでしょう。
☆現時点について
Kenさんご自身に自覚して欲しいのですが、現時点では、Kenさんは、なにか有効な説をなにも展開していないのです。
例えば、(No3630)の私の指摘内容に対して、有効な反論を展開できないのであれば、Kenさんが主張してきたことは、単なる「言いがかり」になるのですよ。
☆回答を期待する点について
上記で①②等の丸付きの数字で、回答を期待する個所を明示しました。
これらに回答してもらえると、話がしやすいですね。
急ぎませんので。
どうもこんばんは。久々に長いレスです。
実は実家に帰っていました。実家ではPCとゲームは1日1時間(笑)と決められていまして、ロクに文章を書くだけの時間が取れず、長文が書けずに短くレスをするだけでした。また全てのレスをPCで読む時間もそんなに取れないので、携帯のIモードで読んでいました。いや~、読みづらいことこの上ない(笑)。PCが使えないので、余った時間は実家に置いていた銀英伝のアニメをたっぷり見てきました。やっぱアニメは良いです。
それにしても各ツリーで論戦が起きていますね。局地戦の嵐です(笑)。現在の主戦場はKenさんがいるところですか。私も対冒険風ライダー戦だけでなく、戦線を拡大しようかな。(^^;)
それにしてもこの移動要塞ネタが復活するまで、皆さんずっとROMをしていたのですね。これだけの人が参加してくるとは、思いもしませんでした。タナ撃つBBSを見つつ、虎視眈々と自分が得意とするネタを待つ論客の方々。まぁ私も人のことは言えませんが(笑)。
色々とレスがありますが、一部の方が勘違いをしている部分を見つけたので書いておきます。ガイエスブルク要塞の改造工事の期間です。3ヶ月と誰かが書いていましたが、そんなに掛っていません。
原作とアニメ版を参考にすると
1月18日 同盟軍アッテンボロー分艦隊と帝国軍アイヘンドルフ分艦隊の遭遇戦
3月上旬? 通常エンジン試験成功。ガイエスブルク移動要塞、ワープ実験宙域に通常航行にて移動開始。
3月17日(アニメは18日) ワープ実験成功。ガイエスブルク派遣軍によるイゼルローン要塞攻略作戦が決定。
このスケジュールからガイエスブルク要塞の改造工事完了は、ガイエスブルクへの移動時間を考えて1ヶ月半というところですね。どんなに掛っても時間的に2ヶ月は掛っていませんね。
< 私の論に対して「そんなことはヤンの性格ではできないだろう」とか「ヤンの民主主義思想に反する」とかいった類の「ヤンの性格的要素」のみをベースとした反論については、「たかがその程度の理由で実行に移せなかったヤンの方が愚かである」「ヤンはすでに民主主義の擁護者ではなく破壊者なのであり、そんな思想を信奉する意味はない」という批判へと自動的に変換させて頂きますので、その辺はご了承を。>
ここを読んで思ったのは、最初から「IFネタにすべきだったのでは」でした。この冒険風ライダーさんの言葉は、あきらかに批判を超えて架空戦記的な事象(反銀英伝)にまでなってしまいますね。
ライダーさんがこのようにいきなり宣言されると、私としても困ってしまいます。私がライダーさんに論戦で勝とうとしても、かなり攻め方が限られてしまいますので。こうなると私としては、軍事の天才であるヤンはとっくにライダーさんの主張を思考しており、その上で全て実現不可能・ないし無意味だと判断して実行をしなかった。つまりライダーさんは今回ヤンを無能・愚劣だと主張していますが、無理難題ばかりを言うライダーさんこそ無能・愚劣だと持っていくしかないのですが……。
> >第8次イゼルローン要塞攻防戦以降
<> まず言うまでもなく、ヤンの場合も件の移動要塞を見た瞬間に「移動要塞が持つ強大な潜在的脅威と無限の可能性」に気づいた、という前提から始めます。
> この可能性に気づいたヤンが最初にやるべきだったことは、移動要塞ができようができなかろうが、まずは「移動要塞が持つ強大な潜在的脅威と無限の可能性」を政府ないしは軍上層部に報告することです。これはヤンの立場にいる者であれば絶対に行わなければならない義務ですらありますし、ヤンの「あの」性格でさえ、実行の障害になることはありえないでしょう。
> そもそも、「移動要塞が持つ強大な潜在的脅威と無限の可能性」というのは、私が「最強の武器」と定義する「無限の自給自足システム」だけが全てではありません。単に戦術的な観点のみを見ても、移動要塞の強力な主砲と外壁は大艦巨砲主義の可能性を示唆していますし、何よりも第8次イゼルローン要塞攻防戦終盤で発生した「要塞特攻」の改良戦術「小惑星特攻による要塞破壊」があります。特に後者は、イゼルローン要塞の防衛が国の命運をも左右する同盟にとっては、ほとんど最悪の脅威といっても過言ではない戦術です。ラインハルトがこの戦術を用い、再び要塞を攻撃にかかる可能性は、いくら検討してもし過ぎるということはないでしょう。
> もちろん実際には、せっかく移動要塞を提唱されたラインハルトが「移動要塞が持つ強大な潜在的脅威と無限の可能性」に全く気づかなかったばかりか、かつて自分自身で述べていたはずの「要塞特攻」をすらもすっかり忘れ去ってしまうという「重度の健忘症」を患ってしまっていたため、「小惑星特攻による要塞破壊」が実行に移されることはありませんでしたが、それはあくまでも「僥倖」とでも言うべき結果論の話なのであって、それとは別に、移動要塞技術がもたらす様々な可能性を、ヤンも同盟政府&軍首脳部も「将来的にありえる脅威」として、ありとあらゆる角度から検討しなければならなかったはずでしょう。
> 同盟政府&軍首脳部に対して「移動要塞が持つ強大な潜在的脅威と無限の可能性」を報告し、その対策を考えると共に、移動要塞実現のための研究・開発チームを設けさせること。こんな簡単なことすらも行わなかった時点で、ヤンの識見のなさと怠慢さは充分に批判されて然るべきなのです。>
まずこの小惑星攻撃に移動要塞が避けることが出来るか? これが最大の問題点になります。
この小惑星攻撃に近い事例として、アルテミスの首飾りへの氷塊による攻撃が当たります。この作戦でヤンはバーラト星系第4惑星ハイネセンの衛星軌道に展開する12個軍事衛星に対して、バーラト星系第6惑星の氷をくり抜いてエンジンを装着し光速に近い速度まで加速させ、この氷塊を軍事衛星にぶつけることで破壊しました。
バーラト星系外縁部からハイネセンまでの距離は約65億キロ。艦隊にとっては指呼の距離とあります。ハイネセンの救国軍事会議は、アルテミスの首飾りへの攻撃の直前になって初めて氷塊に気付きました。結果はなすすべもなく、軍事衛星は全て破壊されました。
これから判る通り、意外に近距離であっても動く氷塊に気付かなかったのです。そして軍事衛星よりも圧倒的に巨大であり、戦艦よりも速度が遅い(アニメは同速度に見えますが、ゲームは艦隊のほうが速いです)移動要塞が、至近距離でやっと探知して、それから避けられるはずもありません。氷塊ないし小惑星は、艦隊のスピードの何十・何百・何千倍の速度です。遠距離で探知したとしても光速に近い速度で迫ってくる物体を果たして直径60キロのイゼルローンが避けることができますか?
ヤン艦隊がアルテミスの首飾りへの攻撃時に、ハイネセン本星への被害を与えない攻撃軌道を計算しました。常に移動要塞が航行エンジンを使い中途半端に移動していたとしても、すぐに見破られるでしょう。仮に緊急移動で1~2個ぐらいなら避けることが出来ても、10個も同時に撃たれれば無理ですね。
ヤンはアルテミスの首飾りを破壊しました。そしてガイエスブルク移動要塞も粉砕しました。そのヤンが、私の考えるようなことに気付かないはずがありません。その上で、ハードウェアの限界を知るヤンだからこそ、イゼルローンはそのままにしていたのではないでしょうか? 第一狭い回廊内では、少々動いたところで意味はさしてないでしょう。それに、4~5巻の時点では要塞が動いても意味がありません。帝国軍の来襲を防ぐためにもイゼルローン回廊から出るわけにはいかないからです。ラグナロック作戦で帝国軍はフェザーンを占領しました。この時点でイゼルローンの戦略的価値は激減しました。しかも3倍のロイエンタール軍に囲まれている状況では、移動要塞が動けるわけはありません。かといってロイエンタール軍が迫る前に同盟領に要塞が引けば、易々と回廊突破、同盟領侵入を招きます。結局、移動要塞にしようがしまいがさしたる意味はありません。改造した分だけ資金と労力の無駄です。
4~5巻でヤンの行動を非難できるのは、バーミリオン会戦で政府の停戦命令に従ったこと。そしてその後メルカッツ達を逃がしたことだけです。
私はむしろ「アルテミスの首飾り破壊作戦から見る軍事要塞破壊論」を唱える方が良いのでは。
< ではこの時点で移動要塞が建造できる可能性はあったのか? これについては、「ヤン自身に積極的なやる気と意志さえあれば決してできないことではなかった」というのが私の意見ですね。
これにはまず、2つの方法が考えられます。まずひとつは、件の「小惑星特攻による要塞破壊」の脅威に備える対策として移動要塞改造を提起すること。ラインハルトが愚鈍でさえなければ、「小惑星特攻による要塞破壊」は実際に起こりえる可能性があったのですから全くのウソではありませんし、「小惑星特攻」に対する防衛は、むしろ移動要塞よりも静止要塞の方が「事前に察知しても、要塞自体が動いてかわすことができない」という点ではるかに不利です。当然「小惑星特攻」が成功した場合は、イゼルローン要塞が完全破壊されて同盟の防衛線そのものが瓦解してしまうのですから、むしろ同盟側は自らの保身のためにもイゼルローンを移動要塞に改造する必要性があるのです。
もちろん、同盟も予算不足は深刻でしょうし、政治家の面々もヤンに対して隔意を抱いてはいるでしょうが、だからといってイゼルローン要塞が「小惑星特攻」によって破壊されるという事態まで望んではいないはずです。3巻の査問会でヤンに対して精神的リンチを浴びせていた連中が、「移動要塞襲撃」の報を受けて面食らっていた様子を思い出してみてください。むしろ、自分達の保身のためにも、かなりの無理をしてでも予算を出し、イゼルローン要塞を移動要塞に改造することに賛同してくれることでしょう。>
ケンプ提督の要塞特攻は、追い詰められた結果のことです。本当は要塞特攻というのは、もっともしてはならない愚作なのです。
話は変わりますが、帝国軍艦隊の作戦可能距離は帝都オーディンからイゼルローン要塞周辺まででしょう。新書3巻44Pのシャフトの説明やイゼルローン要塞の建設理由から、イゼルローン回廊を通り抜ける当たりで補給が切れるのでしょう。もし要塞という補給基地がなければ、回廊を突破したあとに補給切れになってしまいます。イゼルローンもなく、ガイエスブルクもなければ回廊を突破したあとの補給が持たず、同盟首都ハイネセンまで行けません。
ヤンはその補給拠点としてのイゼルローンの有意性から要塞を破壊されないという可能性。もしくはその時にならねば考えても仕方ないと思ったのでしょう。何にしろ小手先で、移動要塞化してもどうせ回廊内ではまず避け切れません。それならば、資金と労力を使わない方がマシです。
< それでも動かない、というのであれば、いっそということでヤンが「敵軍襲来の際に首都に呼びつけられ、不当な査問会で精神的リンチを受けていた話」をネタに政治家達を脅迫するという手もあります。「国防のために必要な移動要塞改造を受け入れないのであれば、この事実を同盟市民の前で告発する」とでも言って。ヤンを熱狂的に支持している同盟市民達は当然ヤンの言うことを信じるでしょうし、そんなことをされたら政治家達の政治生命も絶たれてしまいますから、いくら個人的にヤンを憎もうが、彼らはヤンの要求に応じざるをえません。
「トリューニヒト政権は同盟における主要報道機関を押さえているからその手の脅迫は無駄」という反論があるかもしれませんが、イゼルローン要塞にはヤンが自由に動かすことのできる報道システムが存在します。これは銀英伝8巻でヤンが死亡した時、それを全宇宙に発表する際に使われていますので、これを使えば件の話を全宇宙に対して大々的に報道することができるでしょう。ヤンの脅迫を妨げる政治的・物理的要素はどこにも存在しないのです。
これで移動要塞は余裕で完成させることができるでしょう。後の運用はヤン次第、といったところですね。>
積極的にヤンを民主主義の破壊者にしてどうするのですか(笑)。ヤンがあの査問会に耐えたのも、あくまでも制服軍人の上司である国防委員長、それも選挙によって選ばれた代議士であったからです。確かにあれはあまりに不当でした。だからといって、軍人が政治家を脅迫して良いわけではありません。
せめてヤンの権限内で出来る策を考えてください。これでは一方的に私が不利ですよ。
> >バーラトの和約後の同盟
< これに関しては今回が初出となるのですが、ヤンがレベロと手を組み、将来に備えた移動要塞改造のための研究やエンジン製造を秘密裏に行わせるといった手段も考えられますね。「バーラトの和約」には、戦艦や宇宙空母の製造禁止は明記されていても、「巨大エンジン自体を製造してはいけない」などという規則はどこにも存在しませんし、実際には大量の戦闘艦艇をチュン・ウー・チェン辺りが大量に隠蔽できていたことなどを考えても、隠蔽工作などは比較的容易に行えそうですしね。将来イゼルローン要塞を「例のトリック」で奪取した時、すぐさま移動要塞を改造することができるように準備しておけば、未来の可能性がより大きく開かれたであろうことはまず間違いありません。
バーミリオン会戦時に、わざわざ「政府の命令と同盟の国内法に違反してまで」メルカッツらを逃亡させた挙句、不要不急の戦艦奪取などを行わせて同盟を滅亡させるきっかけを自ら積極的に作ってしまうような「民主主義を破滅させる愚策」などよりも、こちらの方がはるかに懸命で賢い選択だったのではないかとすら思えるのですが。>
ヤンが2ヶ月でハイネセンを脱出する羽目になったのを忘れたのですか。レベロとヤンが手を組むことはありませんよ。手を組むためには、帝国高等弁務官のレンネンカンプが何も行動しないというのが最低条件です。しかしそれはレンネンカンプの性格上無理でしょう。ヤンはハイネセンから逃げるしかありません。
もしメルカッツ提督達を逃がしていなかった場合、ヤンは巡航艦レダ2号しか手元にありません。イゼルローン再攻略を担った600隻の艦艇と兵員1万6000人はいなくなるのです。レダ2号1隻でイゼルローン再攻略はさすがに無理でしょう。
ヤンと同盟との和解が不可能になった時点で、同盟も民主主義も滅んで終わりです。
> >エル・ファシル時代
< 八木さんは何か重大なことを忘れ去ってはいませんか? 同盟建国の礎となった偉大なる先人達が、これ以上ないほどに劣悪な環境の中、長さ122㎞、幅40㎞、高さ30㎞、推定質量234兆2400億トンの超巨大ドライアイス船を、たった3ヶ月程度の時間で完成させ、無事に航行させることに成功した「作中事実」を。これには言うまでもなくエンジンの開発・製造・設置作業だって当然含まれているのですよ? あの酷寒の惑星の奴隷階級にすら簡単にできたことが、エル・ファシルの生産力をもってしてできないはずがないではありませんか。
しかも八木さんは「巨大なエンジンを30個以上『も』製造するのです」とさかんに強調されておられますが、そもそも最低でも数千~数万隻単位で艦艇が運用される銀英伝世界で、いくら巨大とはいえ、32個のエンジンというのはむしろ圧倒的に少ない方なのではありませんか? 巨大エンジンひとつに戦艦1隻分の費用と資材が必要だったとしてもたかだか32隻ほど、イオン・ファゼカス号のエピソードとも併せて考えるともっと少ない負担で完成する可能性も高いので、大した負担であるとは私には全く考えられないのですけど。
工員に関しても、民間から技術者達をアウトソーシングしてこき使うといった手もあるでしょうし、最悪、全ての艦艇補修を一時的に中止してでも、工員達を移動要塞の方に集中させる方法だってあるでしょう。移動要塞が完成した後に改めてゆっくりと艦艇補修を「移動要塞の中で」行えば良いのですし、移動要塞にはそれだけの価値が充分にあります。>
●250年以上前に鉱山奴隷40万人が3ヶ月掛けてドライアイスの宇宙船を造った → ならば、イゼルローンは3ヶ月で移動要塞になるだろう。
● 2年前に約9万人の工兵が1ヶ月半を掛けてガイエスブルクを移動要塞に改造した → ならば、イゼルローンは3ヶ月で移動要塞になるだろう。
この二つ。どちらの主張が信じられると思いますか? まず下の例でしょう。
250年前のイオンファゼカス号のことは、今回は全然関係ありませんよ。第一、エンジンを何機か造ったかも記述はありません。ものすごく燃費の悪い巨大エンジンを一つ取り付けただけかもしれませんよ。エンジンの同調問題も何もなし。とにかく脱出できれば良い。
もう一つ言えば、鉱山奴隷ということで40万人のほとんどが何らかの工学知識を持っていた可能性が高いことです。(氷に10M穴を掘ってそれをまた埋めろ、という命令を与えられていたのではないかぎり) それに対して、エル・ファシルの300万人は一般市民です。しかも農業従事が多いでしょう。一般市民に、鉱山奴隷ほどの工学知識はまずないですよ。
また確かにイゼルローンの設備でエンジンぐらいは、時間こそ掛かるものの完成するかもしれません。しかし問題はエンジンの取り付けであり、同調させる問題です。ヤン艦隊の200万将兵は、あくまでも艦艇の乗組員であり専門工兵ではありません。しかもそのうちの2割は新兵です。また五月雨式に数が増えていった訳であり、イゼルローン奪還直後の兵員は1万6000人というところです。エル・ファシルの市民もせいぜい徴兵された経験がある市民がいる程度です。艦艇を造る設備がエル・ファシルに無い以上、エル・ファシルの市民はそんなに役に立ちません。
イゼルローンの改造では、ガイエスブルクの例を最大限参考にすべきです。イゼルローンの改造に、イオンファゼカスの例を参考にされても私は相手にしません。
ガイエスブルクは、専門工兵約9万人が1ヶ月半取り組み改造できました。ガイエスブルクよりも一回り大きいイゼルローンが、専門工兵も技術者の民間人もロクにいない状態でありながら、たったの3ヶ月で改造できるでしょうか? 私は無理だと言わざるしかありません。
< まあこれに関してはさすがに可能性100%とまでは言いませんけど、事前の準備とやる気さえあれば、この時期でも移動要塞が実現する可能性は充分に存在しえたとは言えますし、すくなくとも銀英伝本編で行われた、100%必敗確実だった「回廊の戦い」の準備などを行うよりは、はるかに勝算の見通しは立ったのではないでしょうか。>
ここでライダーさんは可能性100%ではないと書かれています。確かに移動要塞完成の可能性はあるかも知れません。しかし失敗の方が確実に高いですよ。中途半端な改造で動きもしないイゼルローン、修理の全く終わっていない艦艇群。これではどうしようもないです。移動要塞という失敗必至の賭けより、ベターを選ぶのは指揮官として当然ですよ。
よく必敗だと言われますが、ヤンは勝つのが目的ではなく民主主義を残すのが目的なのです。なので回廊の戦いはあれで良かったと思っています。
むしろ移動要塞となったイゼルローンで帝国領に侵入してどうするのですか?(同盟領は帝国軍が迫っているので無理) 艦艇は2万隻しか収容できず、その艦艇の補充の当てもない。帝国領内を破壊しながら逃げ回るのでは、民主主義を残せもしません。イゼルローン回廊とフェザーン回廊を固められたら、同盟領に行くことも適いません。
あと移動要塞は補給拠点として以外ではそんなに強くありません。アッテンボロー分艦隊とアイヘンドルフ分艦隊の遭遇戦では、相手を発見したのは時間的距離で50分でした。50分の距離がありながら、新兵中心のアッテンボローは逃げませんでした。つまりこの程度の時間的距離では逃げられないのです。艦艇よりも遅い要塞では、最後には追いつかれるでしょう。一個艦隊がイゼルローン移動要塞に接触できれば、それでほぼ終わりです。要塞の移動を中止して敵艦隊を排除しなければなりません。一個艦隊は例え全滅してでも足止めをして増援が来るのを待てば、最後にヤン艦隊は動けなくなり要塞に籠もって、戦うしかありません。待つのは敗北です。ラインハルトもここまでくれば、容赦はしないでしょう。
> やはりヤンの方もまた、「移動要塞が持つ強大な潜在的脅威と無限の可能性」を無視した挙句、民主主義を守るために自分がなすべきこともやらなかったばかりか、むしろ民主主義を破滅に導いた愚か者であったと言えそうです。
今回と過去の論戦を読んでみて思ったのは、ライダーさんの提唱した「移動要塞説」は、複合的な要素が絡み合っているので難しくなったのかな、でした。ライダーさんの説には、「軍事設定面的要素」「登場人物への批判的要素」「反銀英伝的要素」の3つが絡み合っているので、話を複雑にして同時に論戦も荒れるのでしょう。まぁ確信はありませんけど。(^^;)
各要素の1つだけ捉えて論を展開しても、どこかの要素が致命的に欠けるので、ライダーさんや不沈戦艦さんあたりの「斉射三連」で無理やり撃沈させられるのかもと考えてみたりします。
もしこの移動要塞ネタをヤン側でのみ、しかも思いっきりIFシナリオバリバリで行けばここまで荒れなかったかもしれません。例えばムライ中将が「こんなこともあろうかと思って用意していたエンジンが役に立ちそうですな」ってね。これならばヤンを無能扱いにするとか一切関係がなくなるので、荒れることはないですね。その分レスは半分以下になりそうですが(笑)。
ただ冒険風ライダーさんは、銀英伝の設定上の可能性と同時に反銀英伝的なIFも話されているので、少し混乱してしまいます。ここは私も人のことを言えませんけど。
出来が悪い返答になってしまったかも知れません。その点はご容赦下さい。
パンツァーさん、
あなたは誤解をされています。私の論旨ではなく、この議論に参加している私の意図をです。
冒険風ライダーさんが展開した論旨--恒久的移動要塞が可能であることが、作中事実から立証されたとする論旨--に、正確にはその論旨を立証する方法に、私が強い不満をもっているのは、まぎれもない事実です。ライダーさんの立証方法は、私が正しいと信じる立証方法とは、あまりにも乖離しております。
しかし、だからといって、私が恒久移動要塞の可能性を、なにがなんでも否定しようとしていると思われているなら、それは誤解です。
また、私が挙げた3つの立証方法
> 1.恒久移動要塞が可能であると、演繹的に証明する
> 2.恒久移動要塞が可能であると、私たちが知っている物理法則を使って判断する
> 3.恒久移動要塞が可能であると、現実世界の科学的手法で、判断する
に続く、パンツァーさんの書き込みは、まるで私が、できるはずのないことを要求し、あなたをトラップにかけようとしていると、あなたが考えている--そのように読めます。
もし、あなたがそう考えているなら、それも誤解です。
私の意図が、恒久移動要塞の可能性を否定する、そのことだけにあるなら、なにがなんでも「演繹的証明」に固執したはずです。パンツァーさんが言うとおり、銀英伝の記述だけで、恒久移動要塞が可能であると演繹的に証明するなど、不可能に決まっているからです。
でも、私はそこで議論を終わりにしたくなかったのです。移動要塞について、その原理、性能、生産性、安定性・・・そんなことを、この掲示板で議論するのは、すごく楽しい作業だと思ったからです。
そして、「現実世界の科学的手法」を持ち出したのは、それによって議論が発展する、少なくとも継続するのでは、と思ったからです。「まとめ」とタイトルをつけた#3625の投稿の末尾に、
>私が、物理法則の復権を提案したのは、銀英伝の記述に基づいての演繹証明などできるわけがないから、次善策として、現実世界の科学手法を取り入れてみてはどうか、と考えたからです。
と書いた意図はそこにありました。
パンツァーさんが述べたように、現実世界の科学者は、観察結果から仮説を「帰納」することで、いろいろなことを「立証」しています。そしてそのような仮説は、パンツァーさんの言葉を借りれば、往々にして「ブラックボックス」の形をとります。
分かりやすい例に、ニュートン力学の成立過程があると思います。ニュートン力学は、有名無名の多くの人の努力と業績の集大成ですが、ニュートン自身を含む最も重要な貢献者は、おそらく次の3名でしょう。
*一生を捧げて、天体観測を行った、デンマークのブラーエ
*ブラーエの観測結果を使って、「惑星運動の3法則」を帰納した、ドイツのケプラー
*ケプラーの法則を、きれいに説明できる理論を立てた、イギリスのニュートン
そして、ケプラーが彼の法則を帰納した段階では、まだ「ブラックボックス」でした。それでも当時の多くの人に「事実」として受け入れられていたでしょう。ちょうど、ピタゴラス以前の人にとって、彼の定理が、既知の事実だったように。この点からいえば、銀英伝の記述に基づいてある仮説を帰納する、というパンツァーさんの論旨には何の異存もありません。
ただ、問題は、ケプラーがやったような帰納を、移動要塞についてできるのか、という点なのです。ケプラーの帰納の背後には、ブラーエを含む多くの人の観測結果がありました。ところが、銀英伝の移動要塞となると、ガイエスブルグの一例があるのみです。これでいったいどんな帰納ができるのでしょうか?
私は、銀英伝の記述は、帰納的に仮説を導くには、証拠として貧弱すぎると思うのです。一方に、「貧弱ではない」という冒険風ライダーさんたちの主張があり、そこに論争を生じたわけですが。
冒険風ライダーさんたちと論争する一方で、私は、弱すぎる帰納の根拠を補強できる方法を考えました。そして、結局それをやるには現実世界の科学者たちがやっていること、つまり少ない観察結果の「すきま」を物理理論で埋めるしかない、と考えました。だからこそ、一度は捨てることに同意した物理法則(私たちが知っている物理法則)を復権させようと、冒険風ライダーさんに提案したのです。拒絶されましたが。
パンツァーさんに理解していただきたいのは、私が物理法則を使おうと提案したのは、帰納を補強するためだということです。破壊するためではありません。
私は、パンツァーさんのこれまでの書き込みを見て、私と思考過程の似ている部分が多く、非常に「話が通じやすい」人ではないかと思っていました。とくに、パンツァーさんが、
><数式化された法則が導かれ、その理論的裏づけとして、>という記載があるので、「普遍化(数式化)」の後に、「考察」が書かれたものと判断します。
と、書いたのを読んで、思わず膝をうちました。「なるほどそのとおりだ」と思ったからです。私は「観察→考察→普遍化→予測」と書きましたが、ブラーエ、ケプラー、ニュートンの業績の順序を考えても、たしかにパンツァーさんの方が正しいのです。
ですから、パンツァーさんとなら、上に書いたような、移動要塞の原理の考察など、「楽しい作業」をいっしょにやれるのでは、と期待したのです。例えば、観察中さんが挙げられた「木星型のガス状巨星からのエネルギー補給」などには、大きな関心をもっています。
パンツァーさんの書き込みに対して、私が回答できるのは以上です。なお、パンツァーさんが提示された私への質問は、上記のように私の意図への誤解に基づくものと思われますので、回答はひかえさせていただきます。
できれば、私の提案を容れていただき、これからも議論を続けてゆきたいと思います。
しかし、上に書いた内容も所詮は「詭弁」と言われるのであれば、私たちの議論もここまでです。
同盟側(またはヤン側)でイゼルローン要塞を移動要塞化するのは、政治的・設備的・軍事的に考えて大変に厳しい状況だと思います。
ただ私もイゼルローン要塞の移動要塞への改造は、状況さえ変われば可能だと思います。また移動要塞になったときの戦略性、未来への可能性もあるでしょう。
では、いつだったら一番状況が良かったのか?
私はヤン亡き後のユリアン率いるイゼルローン共和政府こそ、移動要塞の無限の可能性を活かせたのだと思います。
政治的には、惑星エル・ファシルというお荷物にエル・ファシル政権という目の上のこぶが消えています。またヤン亡き後、イゼルローンからの離脱希望者を全てハイネセンに送り出したことで、ある程度の覚悟を決めたものが残り、組織的に純化されています。
組織体制も政治面でフレデリカ、軍事面でユリアン、その補佐に旧ヤン艦隊幕僚が加わり、一般将兵や住民が選んだ代表者が一人もいないという、まさしく理想的な「民主集中制」です(笑)。イゼルローン共産党とも言えますね。
設備的には、とにかくイゼルローンのミサイル工場や艦艇補修設備を改造して、エンジン開発工場に作り替えます。時間を掛ければ改造も可能でしょうし、エンジンも造れるでしょう。
軍事的には、ラインハルトがヤン亡き後のイゼルロ-ンに興味を失っており、回廊出口には半個艦隊程度が警備を行っているだけです。とにかく要塞に閉じ籠もっていれば、帝国軍が攻撃してくることもありません。少なすぎる人員でも、ゆっくりと時間を掛けて改造をやり遂げることが出来るでしょう。
10巻でユリアン指揮のイゼルローン革命軍が最初の戦いで帝国軍に勝ちましたが、移動要塞を使えばさらに楽に回廊突破を出来るでしょう。そのあとはヤンの考えた「人民の海」作戦でも、第2の長征一万光年でも思うがままです。
ということで、移動要塞を思いつかなかったユリアン。そして移動要塞構想をユリアンに語らなかったヤンを責めてみてはどうでしょう。
Kenさんの記載(No3644)
> あなたは誤解をされています。私の論旨ではなく、この議論に参加している私の意図をです。
何を言っているのですか?
問題なのは、「論旨」であって、「意図」なんかじゃないでしょう。
Kenさんの記載(No3644)
> パンツァーさんの書き込みに対して、私が回答できるのは以上です。なお、パンツァーさんが提示された私への質問は、上記のように私の意図への誤解に基づくものと思われますので、回答はひかえさせていただきます。
私は、他の人(冒険風ライダーさんや不沈戦艦さん)が放擲したような、Kenさんの質問にも、まともに回答してきたのですよ。
それが、私の質問には答えられないというわけですか?
私の問いには、基本的にまともに答えてないでしょう、Kenさんは。
次から次へ、新しい質問を提示するだけで。
フェアでない、とは思いませんか?
Kenさんの記載(No3625)
<私たちの議論が紛糾した理由は一つ、恒久的移動要塞が可能であることが「証明された」という論が横行し、そこから「ヤンやラインハルトが愚かである」と展開したことに、私が承服できないからです。ただし、二人の英雄のことは今は論じません。その前提となった「既に証明できた」とする論に対する反論です。
以前に書いたように、冒険風ライダーさんも、ライダーさんと論拠を同じくする人たちも、何かを「証明する」とはどういうことかを誤解しておられます。「ピタゴラスの定理」を持ち出したのは、そのことを分かりやすく解説するためでしたが、あまり役に立たなかったようです。>
新規スレッドを立ててまで、このようなことを述べる意図は、いったい何なのでしょうか?
私は、ここで「証明」の対象となっているのは、「移動要塞」だけかと思いましたが、
(銀英伝を含めて)作品を元にした「仮定」の話はできないと、言いたいのですか?
それだったらですね、別に「移動要塞」だけが「論じられない」のではなく、艦隊の移動自体も仮定することができないのですよ。
「艦隊の移動」についても、
「銀英伝の記述だけでは、可能であると証明するにも、不可能と証明するにも、不十分である」<Kenさんの記載(No3599)>
でよいのですか?
銀英伝に登場するテクノロジー一般が、仮定の対象にはできない、という結論には、さすがに満足していないと思ったのですがね、私は。
だから、
同じ論理で、「艦隊の移動」についても証明ができますか、といった趣旨の話を、何度も何度も繰り返ししていますよね。
(No3598)、(No3630)、(N03641)等で。
まったく、この問いに対する回答がありませんが。
新規スレッドの題名である「まとめ」を、
Kenさん自身で果たしてください。
A銀英伝に登場するテクノロジー一般が、
「可能であると証明するにも、不可能と証明するにも、不十分である」
なのか、
B「移動要塞」だけが、
「可能であると証明するにも、不可能と証明するにも、不十分である」
(銀英伝に登場するテクノロジー一般は問題なし)
なのか、
是非ともお聞かせ願いたい。
この問いに答えてもらえば、Kenさんの考える「議論の前提条件」についても、私が推測することができます。
回答がAの場合は、
そもそも銀英伝世界そのものの仮定を許さない態度なのですから、「移動要塞」論にだけ異議を提示する意図が不明です。
パンツァーの記載(No3613)
<つまり、この態度を推し進めれば、銀英伝作中の記載事実以外の選択肢は無かった、ということになるでしょう。唯一信頼に値する検証をクリアしたといえるのが、実際に行われたこととされる作中事実のみに限定されるのですから。
この場合は、作中人物も、決められた台本通りに行動する舞台役者のようなものであって、彼らの天才だとか愚劣だとかを論じることすら、無意味ですね。そのように行動するように決定されていたということでしょうから。>
まったく、面白くない結論ですね。
回答がBの場合は、
手始めに、「艦隊の移動」に関する証明から、はじめてください。
「艦隊の移動」が「作中事実」の航路の移動以外は、「可能であると証明するにも、不可能と証明するにも、不十分である」となったら、お話にならないでしょうから。
> できれば、私の提案を容れていただき、これからも議論を続けてゆきたいと思います。
まず、ここ一連の投稿で何が言いたかったのか、明らかにしてください。
上のAかBの択一の問い、簡単でしょう。とりあえず、この問いにだけでも答えてもらえなければ、Kenさんが何を言っているのか、さっぱり分かりません。
> しかし、上に書いた内容も所詮は「詭弁」と言われるのであれば、私たちの議論もここまでです。
私が「詭弁」といったのは、「ピタゴラスの定理の証明」を用いて、「移動要塞」論に、Kenさんが異議を唱えた点です。
前回「言いがかり」といったのは、銀英伝に登場するテクノロジー一般には批判を加えないのに、「移動要塞」論にだけは批判を加えていながら、銀英伝に登場するテクノロジー一般が成立する根拠を示してない点です。
特に、今回の回答がAであるならば、私がKenさんに対して、「詭弁」および「言いがかり」と断じたことを、謝罪いたしましょう。
今回の内容に関しては、本論に関わることが論じられているとは言えず、「詭弁」だと言うべき点は見当たりませんね。
<ここを読んで思ったのは、最初から「IFネタにすべきだったのでは」でした。この冒険風ライダーさんの言葉は、あきらかに批判を超えて架空戦記的な事象(反銀英伝)にまでなってしまいますね。
ライダーさんがこのようにいきなり宣言されると、私としても困ってしまいます。私がライダーさんに論戦で勝とうとしても、かなり攻め方が限られてしまいますので。こうなると私としては、軍事の天才であるヤンはとっくにライダーさんの主張を思考しており、その上で全て実現不可能・ないし無意味だと判断して実行をしなかった。つまりライダーさんは今回ヤンを無能・愚劣だと主張していますが、無理難題ばかりを言うライダーさんこそ無能・愚劣だと持っていくしかないのですが……。>
前回もそうでしたが、移動要塞関連のシミュレーションを行うに際してあえて「個人的性格」や「思想信条」といった要素を排除するのは、このシミュレーション自体が「移動要塞の可能性や移動要塞の効果的な使用方法を明らかにする」というテーマを訴えること「のみ」を目的としているからです。純粋に「ヤンやラインハルトならばどうするか」というテーマであれば当然「個人的性格」や「思想信条」といった要素も考慮に含めるのですが、今回のシミュレーションはそれとはやや異なる主旨なわけです。
それに私は、過去の銀英伝考察シリーズで「ヤンの民主主義擁護思想」だの「謀略否定・信念否定思想」だのといったものについても検証した結果、ヤンの思想信条がいかに現実と乖離し、破綻しているかを立証していましてね。そのようなヤンのご都合主義的な破綻思想を尊重しなければならない理由など、私は全く見出すことができませんし、それをベースにヤンを擁護されても「ヤンの思想自体が完全に破綻しているのだから、そんな擁護は無意味だろう」としか反論の返しようがないのです。
そもそも、ヤンが置かれている状況は常に「敗北の一歩手前」に近い状態にあるわけでしょう。ならば手段も問わずどんな卑劣な策でも躊躇なく使い、敵味方を徹底的に欺いてでも、何が何でも自軍が勝利できる道を模索しなければならないはずではありませんか。本来ならば、たかだかヤン個人が抱く「信念」ごときにいちいち拘泥しなければならない必要性など、全くと言っても良いほどにありえないはずなのです。「信念」などのために取るべき策が取れなくなるなど、「信念否定」を是とするヤンの思想信条(←これ自体がすでに矛盾のような気もしますが(笑))にすら明白に反するではないですか。
ですので、「ヤンの個人的性格や思想信条【だけ】の理由で、ヤンが移動要塞を使いこなすことができない」という反論の類は、私にとっては笑止な限りでしかないばかりか、むしろ「ヤンが無能かつ退嬰的である証」とすら判定せざるをえないのですし、それは、「移動要塞の可能性を全く顧みなかったヤンは愚かである」という私の主張を却って補強する結果としかなりえないわけです。
私のシミュレーションを何が何でも覆したいのであれば、ヤンの「個人的性格」や「思想信条」といった要素「以外」の理由を挙げ、なおかつそれが移動要塞実現の可能性を「100%完全に」否定するものでなければならない、そう私は考えています。
<まずこの小惑星攻撃に移動要塞が避けることが出来るか? これが最大の問題点になります。
この小惑星攻撃に近い事例として、アルテミスの首飾りへの氷塊による攻撃が当たります。この作戦でヤンはバーラト星系第4惑星ハイネセンの衛星軌道に展開する12個軍事衛星に対して、バーラト星系第6惑星の氷をくり抜いてエンジンを装着し光速に近い速度まで加速させ、この氷塊を軍事衛星にぶつけることで破壊しました。
バーラト星系外縁部からハイネセンまでの距離は約65億キロ。艦隊にとっては指呼の距離とあります。ハイネセンの救国軍事会議は、アルテミスの首飾りへの攻撃の直前になって初めて氷塊に気付きました。結果はなすすべもなく、軍事衛星は全て破壊されました。
これから判る通り、意外に近距離であっても動く氷塊に気付かなかったのです。そして軍事衛星よりも圧倒的に巨大であり、戦艦よりも速度が遅い(アニメは同速度に見えますが、ゲームは艦隊のほうが速いです)移動要塞が、至近距離でやっと探知して、それから避けられるはずもありません。氷塊ないし小惑星は、艦隊のスピードの何十・何百・何千倍の速度です。遠距離で探知したとしても光速に近い速度で迫ってくる物体を果たして直径60キロのイゼルローンが避けることができますか?
ヤン艦隊がアルテミスの首飾りへの攻撃時に、ハイネセン本星への被害を与えない攻撃軌道を計算しました。常に移動要塞が航行エンジンを使い中途半端に移動していたとしても、すぐに見破られるでしょう。仮に緊急移動で1~2個ぐらいなら避けることが出来ても、10個も同時に撃たれれば無理ですね。>
まず、移動要塞の航行速度を検証するに際して、ゲーム版の設定を重視する必要性は全くないでしょう。ゲーム版ではゲーム性を重視しなければならない必要上、設定を故意にいじくることが少なくありませんからね。原作ではかなり弱い設定となっているはずのスパルタニアンやワルキューレなどの単座式戦闘艇が、ゲームによってはかなり強く設定されていることなどはその典型です。
移動要塞の機動力の実態については、推察できる記述が銀英伝の作中にもあります。ガイエスブルク移動要塞は、ヴァルハラ星系外縁部に到達した3月17日から24日経過した4月10日に、オーディンから約6250光年離れたイゼルローン回廊に到達しています。これがいかに速いかは、ハイネセン-イゼルローン間の約4000光年における艦船移動期間が「通常3~4週間」(銀英伝3巻 P115)と言われていることからも伺えるでしょう。つまり移動要塞の航行速度は、実は通常艦船よりもかなり速いといっても過言ではないのです。
それに、移動要塞が小惑星を避けるのだってそんなに難しくもないでしょう。たとえば、イゼルローン要塞が周回軌道している恒星アルテナを「盾」にできる位置に要塞を移動させても良いでしょうし、いっそのこと、イゼルローン回廊を一旦出て、安全が確認された後にまた改めて戻るという方法もあります。こちらの移動に合わせて小惑星がエンジンを起動させて軌道修正を行うのであれば、その時こそ例のエンジン攻撃によって小惑星を自滅させてしまえばそれで済んでしまう程度の話でしかありません。イゼルローン回廊前面を常に哨戒して小惑星群の早期発見に努めれば、機動力が速いことも併せ、移動要塞はかなりの高確率で小惑星攻撃をかわすことができるでしょう。
そして今更言うまでもないでしょうが、静止要塞の方は小惑星攻撃を自身がかわすことは全く不可能であり、さらにイゼルローン要塞がなくなってしまえば、同盟の国防そのものすら危うくなってしまう……ということを考えれば、私はイゼルローン要塞を移動要塞に改造する必要性は絶対にあったのではないかと考えざるをえないのですけどね。
<ヤンはアルテミスの首飾りを破壊しました。そしてガイエスブルク移動要塞も粉砕しました。そのヤンが、私の考えるようなことに気付かないはずがありません。その上で、ハードウェアの限界を知るヤンだからこそ、イゼルローンはそのままにしていたのではないでしょうか? 第一狭い回廊内では、少々動いたところで意味はさしてないでしょう。それに、4~5巻の時点では要塞が動いても意味がありません。帝国軍の来襲を防ぐためにもイゼルローン回廊から出るわけにはいかないからです。ラグナロック作戦で帝国軍はフェザーンを占領しました。この時点でイゼルローンの戦略的価値は激減しました。しかも3倍のロイエンタール軍に囲まれている状況では、移動要塞が動けるわけはありません。かといってロイエンタール軍が迫る前に同盟領に要塞が引けば、易々と回廊突破、同盟領侵入を招きます。結局、移動要塞にしようがしまいがさしたる意味はありません。改造した分だけ資金と労力の無駄です。>
小惑星特攻によってイゼルローン要塞が破壊されてしまった場合、イゼルローン要塞内に存在する軍民合わせて500万人以上もの人命までもが存亡の危機に晒されてしまう、という可能性については考慮されていますか? 八木さんの主張に従うと、イゼルローン要塞の住民には逃げる時間すら全く与えられないように見えるのですが、彼らの人命を尊重する必要性というものは全く存在しないのでしょうか? もしヤンがこのような危険性をも全て承知の上でイゼルローン要塞をあえてそのままにしているというのであれば、ヤンは単に無能というだけでなく、「戦闘の際に民間人を平気で巻き込む非人道主義者」ということにもなりかねないのではありませんか?
それから、ヤンは移動要塞が出現するかなり前から、帝国側がフェザーン回廊から侵攻してくる可能性を考えていたのでしょう? ならば静止要塞を使ったイゼルローン回廊防衛にこだわる愚も知り尽くしていたはずなのですから、なおのことイゼルローン要塞を移動戦力化する可能性を考慮しても良かったのではないでしょうか? エンジンに弱点を抱え込む移動要塞でも、使い方次第では一発勝負用の強大な戦力たりえますし、そもそも銀英伝本編で見られるような「エンジンの弱点」があるのであれば、構造設計そのものから防御優先で考えるなり、エネルギー中和磁場に強力なものを据えつけるなりして、簡単に破壊されないようにその防御力を強化することによって、ある程度戦闘に使えるようにする手段だって決して考えられないことではないでしょう。ただでさえ戦力的劣勢を抱え込んでいる同盟なのですから、移動要塞というのは単に「戦力」という観点のみから見ても、その戦略的劣勢をある程度挽回してくれたであろう貴重な決戦兵器たりえたはずです。
イゼルローン回廊からの敵軍侵攻など、イゼルローン要塞自体が移動戦力化することに比べれば何ら問題になりません。いざとなれば史実同様の「正規軍によるゲリラ戦」を、移動要塞を使って、しかも同盟領内で派手に行えば良いだけのことですしね。
<積極的にヤンを民主主義の破壊者にしてどうするのですか(笑)。ヤンがあの査問会に耐えたのも、あくまでも制服軍人の上司である国防委員長、それも選挙によって選ばれた代議士であったからです。確かにあれはあまりに不当でした。だからといって、軍人が政治家を脅迫して良いわけではありません。
せめてヤンの権限内で出来る策を考えてください。これでは一方的に私が不利ですよ。>
と言っても、ヤンはあの時の査問会でさえ辞表を叩きつけようとしていましたし、そもそもあのような「政治家の横暴」を結果として黙認してしまうような行為が、民主主義やシビリアン・コントロールのためになるとは、私には全く思えないのですけどね~。それに「移動要塞の改造」自体は、軍事責任者が提示する軍事的要求としては極めて真っ当なものなのですし、ことさら査問会の件を誇示せずとも、査問会を行った政治家側の方でヤンに引け目や「査問会の件をバラされるかもしれない」という恐怖を抱いている可能性もありますから、ヤンの要求も案外すんなり通りそうな気もするのですがね。
あくまで脅迫がダメだと言うのであれば、いっそのこと、査問会の件をヤンが大々的に公表してトリューニヒト政権を瓦解させ、新政権に改めて移動要塞改造案を提示するという手もあります。ヤンにしてみれば、アレほどまでに嫌いぬいているトリューニヒトに一矢報いることができるわけですし、民主主義の「自浄作用」にも合致し、さらには救国軍事会議クーデターで失墜していた軍部の発言権の回復にも繋がって一石三鳥という按配です。これならばヤンの「あの」性格でさえ、実行を妨害する障害など何もないのではないかと思うのですけど。
軍人は政治家の命令にただひたすら盲従するのではなく、軍事責任者として意見を述べ、それが通るように努力しなければならない。それこそが民主主義国家におけるシビリアン・コントロールであると私は考えているのですけど、違いますかね?
<ヤンが2ヶ月でハイネセンを脱出する羽目になったのを忘れたのですか。レベロとヤンが手を組むことはありませんよ。手を組むためには、帝国高等弁務官のレンネンカンプが何も行動しないというのが最低条件です。しかしそれはレンネンカンプの性格上無理でしょう。ヤンはハイネセンから逃げるしかありません。
もしメルカッツ提督達を逃がしていなかった場合、ヤンは巡航艦レダ2号しか手元にありません。イゼルローン再攻略を担った600隻の艦艇と兵員1万6000人はいなくなるのです。レダ2号1隻でイゼルローン再攻略はさすがに無理でしょう。
ヤンと同盟との和解が不可能になった時点で、同盟も民主主義も滅んで終わりです。>
あの~、そもそもヤンがバーミリオン会戦時における無条件停戦命令と同盟の国内法を勝手に無視してメルカッツらを逃した挙句、メルカッツらに戦艦奪取を実行させたことこそが、同盟を崩壊させる最後の引き金となっているのですが、たかだか600隻前後の艦艇と兵員1万6000人を手に入れる程度のことで、それが全てチャラになるとでも言うのでしょうか? レベロとヤンが手を組み、移動要塞の下準備と戦力隠蔽に協力し合っていれば、その程度の戦力など軽く調達することができる程度のシロモノでしかないのではありませんか? これは当時宇宙艦隊総参謀長の地位にあったチュン・ウー・チェンなどが、どれほどまでの戦力を隠蔽できていたかを考えてみれば一目瞭然でしょう。
第一、レベロとヤンが手を組むなど、レベロが政権についた時点から秘密裏に連絡を取り合ったりすることで、いとも簡単に実現させることができますし、それが達成されれば、これまた「バーラトの和約」の条文中にもなかった内政干渉行為を行ってきたレンネンカンプの「言いがかり」の類なども簡単に撃退することができたはずでしょう。それに銀英伝考察2でも述べましたが、あのレンネンカンプの内政干渉に関しては「素直に受け入れる」という選択肢もまたかなり危険な要素を孕んでいるのですから、そんな愚劣な意見を受け入れさせないためにも、ヤンとレベロは手を組むべきだったのです。
八木さんの主張は、単に結果から逆算したヤン免罪論でしかないと思うのですが。
<ここでライダーさんは可能性100%ではないと書かれています。確かに移動要塞完成の可能性はあるかも知れません。しかし失敗の方が確実に高いですよ。中途半端な改造で動きもしないイゼルローン、修理の全く終わっていない艦艇群。これではどうしようもないです。移動要塞という失敗必至の賭けより、ベターを選ぶのは指揮官として当然ですよ。
よく必敗だと言われますが、ヤンは勝つのが目的ではなく民主主義を残すのが目的なのです。なので回廊の戦いはあれで良かったと思っています。
むしろ移動要塞となったイゼルローンで帝国領に侵入してどうするのですか?(同盟領は帝国軍が迫っているので無理) 艦艇は2万隻しか収容できず、その艦艇の補充の当てもない。帝国領内を破壊しながら逃げ回るのでは、民主主義を残せもしません。イゼルローン回廊とフェザーン回廊を固められたら、同盟領に行くことも適いません。>
すいませんが、「回廊の戦い」は「民主主義を残すのが目的」という観点から言っても「最低最悪の愚挙である」としか私は見てはいないのですよ。敵側のラインハルトの胸先三寸に全てを依存しているだけでしかないヤンの方針など、作中記述から見ても必敗100%確実だと私は何度も繰り返し述べていますよね? それとも、あの当時の惨状におけるヤンに何か起死回生の必勝の策があったとでもお考えなのでしょうか? 作中記述を見る限りでは、当のヤンですらそんなことは全く考えついてなどいなかったようなのですけど。
第一、ヤン側にはラインハルトを交渉のテーブルにつかせることのできる外交カードが何ひとつ存在しない状態であったというのに、一体どうやってラインハルトと「民主主義を残すのが目的」の交渉を行うように話をもっていくことができるのでしょうか? ラインハルトと戦い続ける「だけ」では圧倒的物量作戦で圧殺される可能性が濃厚ですし、事実そうなりかけたではありませんか。もしあの時にラインハルトが突然病に倒れ、ラインハルトの側から停戦を申し出るなどという「類まれなる僥倖」に恵まれなかったら、そのままヤンは敗北の道を転がり落ち、民主主義(とヤンが呼んでいるシロモノが本当に「民主主義」という名に値するものなのかどうかは知りませんが)もまた抹殺されていたはずなのですけど、それでも「ベター」な選択だといえる根拠は何なのですか?
確かに私が提案している移動要塞改造も、確かに失敗する要素は少なくないかもしれませんし、懸念される問題もたくさん存在するでしょう。しかしそれでも、成功する可能性は決してゼロにはなりえない以上、障害があるのであれば、ありとあらゆる策を使ってその障害を排除・消滅させる努力を行っていくべきなのですし、またそうしていくことこそが、将兵を指揮統率し、国民を守るべき最高司令官としての責任と義務でもあるでしょう。工員が足りないというのであれば工員を強引にでも調達する術を考えるべきですし、時間が足りないのであれば時間稼ぎの外交手段を模索するべきです。あの愚劣な「回廊の戦い」などで「滅びの美学」でも堪能したいというのでなければ、これこそがあの当時のヤンに与えられた唯一の可能性であり、何物にも勝る「ベター」なのです。
そして、移動要塞を使って「帝国領内のゲリラ戦」を展開し、要所要所を徹底的に破壊する、もしくはそれを辞さない強硬な態度を内外に示せば、それこそがラインハルトを本当の意味で屈服させ、交渉に応じさせる強力な外交カードとなりえるのです。最悪、「交渉に応じなければ、我々は未来永劫戦い続け、帝国および帝国250億の民全てを文字通り『消滅』させる所存である」というくらいの強烈な脅しの類でも行わなければ、あの「戦争狂」のラインハルトを「実力で」交渉のテーブルにつかせるなど、できるわけがないのです。
その後は、銀英伝本編の流れに従ってどこか適当な惑星に民主主義の存続を許してもらうなり、それこそ第二の長征一万光年でも実行するなりすれば良いでしょう。どうせ「回廊の戦い」でヤンが勝てるはずがないことなど、事前予測でさえ一目瞭然だったわけなのですから、可能性がゼロではない限り、移動要塞改造をやってはいけない理由などどこにも存在しません。むしろ、諦めこそが敗北に繋がるのです。
繰り返し言いますが、「回廊の戦い」でヤンが勝てる可能性も、民主主義が生き残れる可能性も、どちらも一片たりとも存在する余地すらありません。可能性が全く存在しない「回廊の戦い」と、とにもかくにも可能性が存在する移動要塞戦略のどちらを取るべきだったか、答えは一目瞭然なのではありませんか?
>追記
いや~、冗談抜きで笑わせてもらいましたよ。よりによって、あの「民主主義」の名に値しない独裁体制を敷いているはずのイゼルローン共和政府が、まさかこんな形で民主主義防衛の旗手たりえるとは(爆)。もしこれが実現された場合は、何か途方もない皮肉的状況が成立したのではないかと思えてなりませんが。
確かに八木さんの仰る通り、移動要塞構想を思いつかなかったユリアンおよび、移動要塞構想をユリアンに語らなかったヤンは批判されて然るべきでしょうね。様々な意味で何とも皮肉な話ではあるのですけど。
どうもあの追記は、冒険風ライダーさんに大いにウケたみたいですね。これでこそ書いた甲斐もあります(笑)。
ところで私の数ある趣味の一つに共産趣味があります(笑)。そのため、いわゆる革命的左翼、日本の革命運動・学生運動について積極的に調べています。そこで新たに知った趣味的知識をもとに銀英伝を読むと、これまでとは違った見方も出来るようになりました。私も人が悪くなったものです。(^^;)
イゼルローンを奪還したヤン一党には、どちらかというと20世紀初期の中国動乱に乱立した軍閥に近い気がします。しかしイゼルローン共和政府は、中国共産党や日本共産党、日本新左翼の組織システムである民主集中制がハッキリと見られます。もしかしたら田中芳樹はその辺りのことを全て知った上で、敢えて民主主義への皮肉を交えながら行ったのではないか?と現在では思えてしまいますね(笑)。
イゼルローン共和政府は、一般将兵や住民に言論の自由こそあれ、民主集中制の名の下に全ての権限を中央指導部にもってきているわけです。中途半端な民主主義しか知らない旧同盟国民には、それで通じてしまい疑問にも思わないのでしょう(笑)。
そして将来、帝国を打倒し革命が実現したときにこそ、全ての人民に民主主義の全権利を与えるのでしょう。もちろん(党)中央が変質しない限りにおいてですが(笑)。
それでは本題に。
え~、今回は私と冒険風ライダーさんの間で軍事的について違いがあるのでそこについて述べておきたいと思います。意外に違っていたので少し驚きました。
< まず、移動要塞の航行速度を検証するに際して、ゲーム版の設定を重視する必要性は全くないでしょう。ゲーム版ではゲーム性を重視しなければならない必要上、設定を故意にいじくることが少なくありませんからね。原作ではかなり弱い設定となっているはずのスパルタニアンやワルキューレなどの単座式戦闘艇が、ゲームによってはかなり強く設定されていることなどはその典型です。>
実は田中芳樹原作の銀河英雄伝説において「単座式戦闘艇」こそ最大の問題であり、失敗であり、私の最大の不満であります。田中芳樹は「バカ」なのか?と思ってしまうミスです。
艦隊決戦において、単座式戦闘艇の数についての記述はそう多くはありません。
・要塞決戦でミュラー艦隊がワルキューレ2000機を投入した場面。
・バーミリオン会戦ではヤン艦隊が160機のスパルタニアン、ラインハルト艦隊が180機のワルキューレが格闘戦をした場面。
上記の2つぐらいでしょう。
まずここですでにおかしいのです。敢えて言えば作者自身が最初から間違っているのです。
第3巻1章でアイヘンドルフ分艦隊の艦隊編成が書かれています。約1700隻のうち、宇宙母艦の数は30ないし40とあります。
そして第5巻8章でバーミリオン会戦時のヤン艦隊の艦艇数1万6420隻、ラインハルト艦隊の艦艇数1万8860隻とあります。この艦艇数から単純にアイヘンドルフ分艦隊の編成数を10倍してみると、ヤン艦隊には宇宙母艦が約300隻、ラインハルト艦隊には宇宙母艦が約450隻近く配備されていると推測できます。
ここまで書くと分かってもらえると思いますが、バーミリオン会戦での投入された戦闘艇よりも何と宇宙母艦の数の方が多いのです(笑)。異常ですね。まったくもって異常ですよ。
要塞決戦時のミュラー艦隊は8000隻です。そのため宇宙母艦は約130隻というところでしょうか。ワルキューレ2000機を130隻の宇宙母艦で割ると、1隻あたりの搭載機数は15機というところです。これはいくら何でも少なすぎるでしょう。要塞攻撃の為にワルキューレを敢えて多くしたのだとすると、より設定がおかしくなってしまいますね。大体、第2次世界大戦の空母でさえ60~100機の艦載機を搭載できるのです。このことこそ田中芳樹が、宇宙戦争が扱いながらいかに軍事的設定を疎かにして作品を書いたのか判るというものです。
原作で宇宙母艦についてきちんと記述されていないので、代わりにアニメで設定付けされました。それによると同盟軍の宇宙母艦のスパルタニアン搭載機数は100機。同盟軍の巡航艦も3機のスパルタニアン搭載とあります。(徳間アニメージュ文庫「ラインハルトとヤン」より) 帝国軍についてはハッキリと判りませんが、まずこれに準じているでしょう。
そのため私は、原作における戦闘艇の戦闘シーンの描写はともかく、戦闘艇の数については明確な田中芳樹の間違いであり、信ずるに足りぬというスタンスです。この戦闘艇に関してはアニメ版の設定および描写の方が正しいでしょう。
冒険風ライダーさんもアニメ版の銀英伝は見ていると思います。その戦闘シーンでは、戦闘艇が戦艦を単機であっさりと破壊するなど大活躍をしています。そのためゲームで戦闘艇が強いのは、ある意味当たり前なのです。原作の戦闘艇の機数が、宇宙母艦の数に対して完全に間違っているのですから。
しかし私も過去ログを全て読み返したわけではないので判らないのですが、誰か以前に艦隊決戦における戦闘艇の数がおかしいという問題を提唱していましたか? いなかったら私が最初ですね(笑)。何でも一番は気持ちがいいので。(^^)
< 移動要塞の機動力の実態については、推察できる記述が銀英伝の作中にもあります。ガイエスブルク移動要塞は、ヴァルハラ星系外縁部に到達した3月17日から24日経過した4月10日に、オーディンから約6250光年離れたイゼルローン回廊に到達しています。これがいかに速いかは、ハイネセン-イゼルローン間の約4000光年における艦船移動期間が「通常3~4週間」(銀英伝3巻 P115)と言われていることからも伺えるでしょう。つまり移動要塞の航行速度は、実は通常艦船よりもかなり速いといっても過言ではないのです。>
冒険風ライダーさんが通常航行の速度が艦艇よりも速いから早く回廊に着いたと考えています。しかし私は、ワープ距離が普通の艦艇、というか艦隊よりも長いので回廊に早く着いたと考えています。この時点で私たち二人の考えは全く逆ですね。
如何に巨大エンジンが12機あるとは言え、質量が40兆トンもある物体が、宇宙戦艦よりも速いとはとても思えません。むしろ巨大な12個のワープエンジンの力で、より遠くまでワープできると考えた方が私は納得できます。
また宇宙艦隊が、1万5000隻近くの艦艇で同時にワープするのに対して、移動要塞ならば要塞内に艦隊を収容してワープすれば、質量が重くとも1個の物体がワープするだけです。1万以上の複数同時ワープよりも、1個だけのワープの方がワープアウトを考えてみても安全で、しかもより長く遠くへワープできると予想します。
やはり私は、移動要塞の通常航行での速度は、艦艇よりも遅い。よくいって同速度だと思います。
<それに、移動要塞が小惑星を避けるのだってそんなに難しくもないでしょう。たとえば、イゼルローン要塞が周回軌道している恒星アルテナを「盾」にできる位置に要塞を移動させても良いでしょうし、いっそのこと、イゼルローン回廊を一旦出て、安全が確認された後にまた改めて戻るという方法もあります。こちらの移動に合わせて小惑星がエンジンを起動させて軌道修正を行うのであれば、その時こそ例のエンジン攻撃によって小惑星を自滅させてしまえばそれで済んでしまう程度の話でしかありません。イゼルローン回廊前面を常に哨戒して小惑星群の早期発見に努めれば、機動力が速いことも併せ、移動要塞はかなりの高確率で小惑星攻撃をかわすことができるでしょう。>
まず小惑星(ないし氷塊)のエンジンですが、アルテミスの首飾り攻撃時における銀英伝2巻の記述やアニメ版での描写を見る限り、ガイエスブルクのようにリング上にはつなげていません。どちらかと言えば、筒型になっています。また早期に発見して攻撃しても、アルテミスの首飾りの高出力レーザー砲やミサイル攻撃でも防げませんでした。あるいはトゥールハンマーなら破壊できるかも知れませんが、連射が出来ない分、波状攻撃を掛けられれば終わりです。
そして移動要塞が実際に避けられるかどうかです。まず最初に言っておくことがあります。
私はガイエスブルク移動要塞の通常エンジンによる航行は、「前進」と「後進」だけしか出来ないと確信しています(爆)。理由はアニメでガイエスブルク移動要塞が動くときは、常に直線運動だったからです(爆)。
アニメ版で宇宙艦艇の移動(前進)は、核融合炉が動力源と思われる後尾の主機関で行っていると思います。しかし急停止、艦首を敵に向けながらの後退、横への平行移動、回頭などは艦首及び側面の噴射口から推進剤のようなものを噴射して行っています。つまり後尾の主機関は、基本的に前進用だけだと思えるのです。
しかし当然ながらガイエスブルク移動要塞には、エンジンだけでそんなもの姿勢制御用の噴射口はありません。造ろうにもエンジンによる移動ならまだしも、推進剤噴射で40兆トンのスライド移動は不可能でしょう。ガイエスブルクが左に回頭するためには、エンジンを吹かして前進して大回りに左へ向かうしかないでしょう。恐ろしいほどの無駄です。
本当のことを言えば、ガイエスブルク移動要塞は「前進」しか出来ない!としたかったのですが、イゼルローンの要塞主砲の射程圏内に近づいたあと、一旦射程圏外へ後退していました。まさか大回りでUターンしたとは思えないので、艦艇と違いエンジンが逆噴射も出来るように改良していたと推測します。
私はこの仮説から、移動要塞は基本的には構造上、前進後進しかできないと考えています。横移動が出来なければ小惑星(氷塊)攻撃を避けることは無理でしょう。
今回は時間がないのでここまでとさせてもらいます。
パンツァーさん。
>私は、他の人(冒険風ライダーさんや不沈戦艦さん)が放擲したような、Kenさんの質問にも、まともに回答してきたのですよ。
ありがとうございます。
パンツァーさんの挙げられたAかBかの二者択一は、すこし単純すぎると思いますが、今回の議論の流れの中では、Bととっていただいても結構です。艦船に比べて、要塞に関する証明のreliability(信憑性と訳すのかな?)が著しく低い、というのが論旨ですから。
[艦隊と要塞の違いについて]
私は、何かを証明する方法として、
1.演繹的に証明する。
2.帰納的に証明する。
3.現実世界の科学手法を用いる。
という3案を提案しました。
この中で、本当の意味での「証明」ができるのは、実は1だけです。この形で何かを証明した人は、天地に向かって「自分の証明は完璧だ。覆すことはだれにもできない」と宣言できるでしょう。ピタゴラスの定理を持ち出したのは、それを明らかにするためでした。
次に2の帰納法ですが、私がG・マーティの言葉を引用したように、これは厳密な意味での証明ではありません。それでも観察例を積み重ねるほど信憑性が増してゆきます。多くの天文家の数十年の観察に支えられたからこそ、ケプラーの法則は受け入れられ、ニュートンの考察にも大きな影響をあたえました。
そして3ですが、これは純然たる帰納の弱点を補うものです。多様なの因子を多様な条件で観察するのは、生身の人間には難しいので、観察例には不可避的に「すきま」を生じます。そのすきまを既知の物理法則で、場合によっては新しい物理法則で埋めようとする作業です。
さて、銀英伝ですが、1の形で「どこへでも行ける」ことを証明するのは、要塞どころか艦隊でも不可能です。演繹法にしたがう限り、ヤン艦隊がフェザーンへ侵攻できることすら証明できません。ここでは、艦隊と要塞には差がありません。それどころか、パンツァーさんが挙げられた「A」、つまり
>A銀英伝に登場するテクノロジー一般が、
>「可能であると証明するにも、不可能と証明するにも、不十分である」
という結論になると思われますが、これを持ち出すと、「なにも証明はできない。終わり」と「まったく、面白くない結論」になるので、今はこの立場をとりません。
帰納法ではどうでしょう?上に書いたように、帰納法は純然たる証明ではありませんが、とにかく観察例を積み重ねるほど信憑性が増します。つまり、帰納法とは観察例を積み上げることで信憑性を増大させる作業だといえます。
そして、艦隊と要塞の差はここで生じます。
銀英伝の記述では、艦船(質量数万トン以下の構造物)の宇宙航行は、ヤノーシュ博士以後だけ考えても千年以上の歴史があります。また航行の形態も多様です。移動距離を考えても、「一万数千光年の征旅」もあれば、艦隊間のシャトル連絡もあります。
艦船が航行する環境も一様ではありません。穏やかな宙域の穏やかな航行もあれば、危険に満ちた「難所」の航行もあります。難所の例としては、同盟第2艦隊が入ったレグニッツァの雲海中や、ビッテンフェルト艦隊が横断したランテマリオの気流などがあります。シュタインメッツ艦隊など、ブラックホールの危険にさらされながら、「シュワルツシルト半径ぎりぎりの線へ突進し、双曲線軌道に乗って船の推力にまさる速度」を得るという曲芸をやっています。多様な条件での多様な観察例。つまり、艦船の航行には、帰納を行う上で、なによりも大切な、観察の積み重ねがあるのです。
ところが、移動要塞となると、あとにもさきにも、ガイエスブルグの一例しかありません。40兆トンの質量が、ある条件の中で、イゼルローン要塞の位置まで移動しただけです。
帰納法で証明しようとするとき、艦隊と要塞にはこのような差があるのです。
現実世界の既知の物理法則を利用しての考察は、帰納法の弱点を補う上で、私が最もやりたいことですが、冒険風ライダーさんにも、パンツァーさんにも否定されております。
以上です。
> a-ruさん
> 特に私はあなたとの議論で不快な記憶が無いので、謝られてもただただ恐縮するばかりで。(笑)
お心遣いいたみいります。
> ③に入る前にS.Kさんへ
>
> >悪いですが、ここで示唆されている原作6~8巻のヤンの逆境について①突然アンドロメダ共和国が援軍にくる②ハンサムのヤンは突然起死回生の大魔術を思い付く③なにもない現実は非情である のどれ、もし
> くはどうだとお考えですか?
>
> 手厳しいですね(笑)。
> 私の例は、実例ではなく、相似、近似例と呼べばよいのでしょうか、そういう類で述べたのです。私のあげた例が、規模が大きくなって、対象の言葉が入れ替わったときに、イゼルローン改造計画に繋がらないかということです。ぜひ、お聞きしたいのですが、このような状況の中でどのように説得するのでしょうか。短期間に説得する方法をお聞きしたいがために例をあげたわけです…て先にそれを言えって感じですけど。
そうですね、まず民主的にイゼルローン幕僚とエルファシル臨時政府首脳部を奪取したイゼルローン要塞に召集、上記①~③に④時期尚早な挙であった。エルファシル独立政府を解散、ヤンとロムスキーは事ここに及ぶに至ったレンネンカンプ帝国総督府とレベロ同盟代表の迷走を指摘し弁明すべく帝国法廷に出頭 を示唆して決議を取ることが可能ですね。
勿論この間にも「否決されたら中止すれば済む事だから」で要塞改造工事は強行してかまわないでしょう。
中止を言いたてても、おそらくはヤン以外の誰も「ではどうなさいまか?」の疑問に回答はできないでしょう。
それ以外では「軍事に関する全権はヤン・ウェンリーの指揮下」でごり押ししても誰もヤンを不信任して代わりに帝国と戦う事は不可能なのでまずは通るでしょう。
改造までの道はそれなりに開けていますよ。
> 何度か出た話ですがガイエスブルグ要塞が移動した事実は認識されてますか?
>
> これもまた手厳しい。要塞に対する認識の違いでしょうね。
> 私のガイエスブルグ要塞に対する認識は「固定式砲台を取り外して、普通の船につけた」だけものである。そして、冒険風ライダーさんのいう移動要塞というのは完全な「戦艦」であるという認識です。
> ガイセスブルク要塞の失敗は「固定式砲台を取り外して、普通の船につけた」という無理が作中の結果をもたらしたのではないかと分析しているのですがいかがでしょうか。あと以前の、空母と移動要塞設計思想の件ですが、やはり違います。あくまで空母は戦場に巻き揉まれる前に退避する、直接戦闘には参加しないのに対して、移動要塞は危険を侵して、戦場に飛びこむわけですから。空母は、英語の意味では「戦闘機の運び屋」です。
うーん、それで「戦闘空母」という単語を使ったのですが。
あとは倉本さんのお話にも少々かかりますが後方支援に徹する局面もあるでしょう。
ただ倉本さんには「最初から戦闘に立つ気が無くとも包囲される可能性は常にある」ので移動要塞の戦闘能力は計算しておく必要があるのではと申し上げます。
> >それは最初の論点が違います。
>
> う~ん、論理の基本は帰納法ではないでしょうか?帰納法で原因を突き止め、演繹法でそれを証明する、それで結果が同じになったときに、はじめて正しいと言う事が証明されるのではないですか。それをいくつも積み重ねて統計を取り、近似値を求め証明されたときに、はじめて予測を立てることが出来るのではないでしょうか。
> ではなぜガイエスブルグ要塞があれほど短期間で工事ができたのかという理由について最も合理的な理由はなんでしょうか。私が考えつく理由は「徹底反論」のレスで述べています。他にどんな理由が上げられるか?教えていただきたいです。
a-ruさんと逆の理由、つまり「用途が斬新だっただけで使用される機材と技術は極めてありふれた物だった」という説を押しております。
ラインハルトはシャフトから説明を受けると同時にプロジェクトを立ち上げ同じく講習期間などもとりたてて設けない説明でケンプとミュラーは改築工事の指揮を始めています。
ならば実際の工事担当者には大規模だから相応の時間が必要なだけで理解に困る点は何一つなかったとするのが自然ではないでしょうか。
> >冒険風ライダーさんの説明や他の方の質問内容を考えもせず自分の疑問もしくは主張に固執された論者が複数名残念ながら存在した事が一番長期化と紛糾の原因ではなかったでしょうか。
>
> 逆ではないですか。これほどの疑問・批判があるならばもう一度提案を再点検するべきだったと思います。過去のレスでの冒険風ライダーさんの返答は真正面からその疑問に対して答えていないように思いました。
補足でも申しましたが「質問者サイドで回答窓口を絞る努力」はあってしかるべきだったと思いますよ。
少なくとも質問者の大半が冒険風ライダーさんの回答を希望していたのですから、負担を減らしてさしあげる努力も必要だったでしょう。
> では、③実用化したと仮定して、民主主義をどのように残すのかです。
恐ろしく乱暴な切り方ではありますがそれは帝国から逃げ切り当座の安全が保証されてから内部崩壊覚悟で喧々囂々始めるのが正しいでしょう。
「非帝国」以外には多分に接点の少ない脆い共同体である事実は用心して然るべきです。
> 要塞改造の政治的可能性について
> ヤンは要塞改造ができなかった理由に、「資金」をあげました。大きな要の一つと言えるでしょう。ただ「資金がない」という理由を額面通りにとって良いか、その裏の意図の可能性も考える必要があるでしょう。彼の先見力のことを考えてみればの話しですが。
>
> 冒険風ライダーさんは、
> <同盟政府&軍首脳部に対して「移動要塞が持つ強大な潜在的脅威と無限の可能性」を報告し、その対策を考えると共に、移動要塞実現のための研究・開発チームを設けさせること。こんな簡単なことすらも行わなかった>
> これが簡単なことだと片付けられることでしょうか。
まあ「ハード信仰嫌い」「軍事的優位を得た政府の判断にアムリッツァで懲りた」を理由にラグナロック以前のヤンは気付いても移動要塞の可能性は秘匿しただろうと私は思いますが、単純にプラン提出という行為と有意義と思っての計画推進は楽だったのではと思います。
フォーク准将はイゼルローン奪取からかなりの短期間で帝国侵攻計画を打ち出して来ました。
フォークには政治力がありましたがヤンには実績があります。
敵も多いヤンですので採用されたかは微妙ですが少なくとも相応の場で論議の俎上に乗ったことはまず信じていいでしょう。
あとガイエスブルグ敗北の原因はケンプの資質とそれを配慮できなかったラインハルトに帰結する所が大きいと思いますよ。
「即断能力」が元戦闘機乗りのケンプの長所の一つでしょうが、もしミュラーの判断を尊重して「ヤン不在」の対策を練っていたら、もし要塞特攻にあたってミュラーに自艦隊の指揮をも委ね2個艦隊でイゼルローンまでのルートを間に合わせにでも確保・防衛してもらっていれば別の結果も有り得た事でしょう。
<そのため私は、原作における戦闘艇の戦闘シーンの描写はともかく、戦闘艇の数については明確な田中芳樹の間違いであり、信ずるに足りぬというスタンスです。この戦闘艇に関してはアニメ版の設定および描写の方が正しいでしょう。
冒険風ライダーさんもアニメ版の銀英伝は見ていると思います。その戦闘シーンでは、戦闘艇が戦艦を単機であっさりと破壊するなど大活躍をしています。そのためゲームで戦闘艇が強いのは、ある意味当たり前なのです。原作の戦闘艇の機数が、宇宙母艦の数に対して完全に間違っているのですから。>
単座式戦闘艇の弱さに関しては↓
http://tanautsu.duu.jp/the-best01_05_08_aa.html
のURL先である程度語られてはいるようですが、確かにあの単座式戦闘艇のあまりの弱さと数の少なさは私も疑問には思っていましたよ。何しろ、攻撃力も防御力も弱小で、数も艦船の10分の1以下、下手すると100分の1近くしかない、ときているのですから「一体何のために存在しているんだ?」とは私もやはり考えざるをえませんでしたし。
ただ、原作ではあくまでも「単座式戦闘艇は弱い」というのが常識のようですし、銀英伝3巻でユリアンが巡航艦レンバッハを撃破する描写などを見てもそれは明らかなので、この件に関してアニメ版の設定を重視するというのも少々考えものではないかと思うのですけど。件の巡航艦撃破のシーンは、アニメ版にも全く同じものがありましたし。
いずれにせよ、単座式戦闘艇の作品設定に関しては、今回のスレッドとは全く関係のない話題ですので、議論したいのであれば別スレッドを立てた上で改めて議題を提起していく方が良いでしょう。このスレッドでこの話題を展開しても、移動要塞スレッドに吸収されるだけです。
<冒険風ライダーさんが通常航行の速度が艦艇よりも速いから早く回廊に着いたと考えています。しかし私は、ワープ距離が普通の艦艇、というか艦隊よりも長いので回廊に早く着いたと考えています。この時点で私たち二人の考えは全く逆ですね。
如何に巨大エンジンが12機あるとは言え、質量が40兆トンもある物体が、宇宙戦艦よりも速いとはとても思えません。むしろ巨大な12個のワープエンジンの力で、より遠くまでワープできると考えた方が私は納得できます。
また宇宙艦隊が、1万5000隻近くの艦艇で同時にワープするのに対して、移動要塞ならば要塞内に艦隊を収容してワープすれば、質量が重くとも1個の物体がワープするだけです。1万以上の複数同時ワープよりも、1個だけのワープの方がワープアウトを考えてみても安全で、しかもより長く遠くへワープできると予想します。
やはり私は、移動要塞の通常航行での速度は、艦艇よりも遅い。よくいって同速度だと思います。>
すいませんが、私が「移動要塞の航行速度」として言及したのは、一応ワープと通常航行の双方を含めてのものです。
八木さんの前の投稿No.3643における反論の中にも、
<あと移動要塞は補給拠点として以外ではそんなに強くありません。アッテンボロー分艦隊とアイヘンドルフ分艦隊の遭遇戦では、相手を発見したのは時間的距離で50分でした。50分の距離がありながら、新兵中心のアッテンボローは逃げませんでした。つまりこの程度の時間的距離では逃げられないのです。艦艇よりも遅い要塞では、最後には追いつかれるでしょう。一個艦隊がイゼルローン移動要塞に接触できれば、それでほぼ終わりです。要塞の移動を中止して敵艦隊を排除しなければなりません。一個艦隊は例え全滅してでも足止めをして増援が来るのを待てば、最後にヤン艦隊は動けなくなり要塞に籠もって、戦うしかありません。待つのは敗北です。ラインハルトもここまでくれば、容赦はしないでしょう。>
というものがあったので、私は「移動要塞の航行速度は艦船よりも速いのだから、速度差で追いつかれることはありえない」という意味も含めて反論したまでです。これは「ワープをも含めた移動要塞の航行速度全般」について言及したものではなかったのですか?
あと通常航行に関しても、八木さんはNo.3643の投稿の中で「アニメは同速度に見えますが」とはっきり言っていますよね? ならばゲームごとにいちいち設定が異なり、しかもゲーム性を重視するために設定そのものを色々といじくっているゲーム版の設定を重視する必要性はないでしょう。銀英伝ゲームはパソゲー・コンシューマー合わせて10前後は余裕で出ていますし、統一された設定というのもほとんど存在しないのですから(ゲームによっては、原作で「最も弱小な存在」であるはずの単座式戦闘艇が「最も強大なユニット」になっているものすらあります)、証拠能力としてはあまり信用できるものではないのではないかと。
設定重視で行くのならば、基本はあくまで原作を第一に尊重し、原作で補えない設定をアニメ版から持ってくるというのが、一番矛盾の生じない理想的な方法ではないでしょうか。
<まず小惑星(ないし氷塊)のエンジンですが、アルテミスの首飾り攻撃時における銀英伝2巻の記述やアニメ版での描写を見る限り、ガイエスブルクのようにリング上にはつなげていません。どちらかと言えば、筒型になっています。また早期に発見して攻撃しても、アルテミスの首飾りの高出力レーザー砲やミサイル攻撃でも防げませんでした。あるいはトゥールハンマーなら破壊できるかも知れませんが、連射が出来ない分、波状攻撃を掛けられれば終わりです。>
これに関しては、銀英伝外伝短編「黄金の翼」のストーリーで展開されている「第五次イゼルローン要塞攻防戦」が参考になるでしょう。
第五次イゼルローン要塞攻防戦では、当時の宇宙艦隊司令長官シドニー・シトレ大将の指揮により並行追撃と無人艦突入作戦によって「イゼルローンの厚化粧を一部だけ剥ぎとった」というレベルの善戦を行うことに成功しています。この戦いでは、トゥールハンマー主砲射程に引きずりこもうとする敵艦隊の後退につけこむ形で同盟軍が並行追撃を行い、敵味方を故意に入り乱れさせることによってトゥールハンマーを事実上無力化させた上で、積載されたウラン238ミサイルと液体ヘリウムを満載した無人艦を要塞に特攻させる作戦が展開されたのです。
この作戦は途中までは非常に上手くいっていたのですが、無人艦突入による要塞陥落に恐れをなした当時のイゼルローン要塞司令官クライスト大将が、味方をも巻き添えにする無差別主砲斉射を決断し、トゥールハンマーを乱射させたがために作戦の前提そのものが瓦解してしまい、結局は失敗に終わってしまいます。
この戦いの様子から、たとえ「アルテミスの首飾り」破壊時に使用された氷塊や無人艦クラスでイゼルローン要塞を攻撃しても、トゥールハンマーの主砲斉射1発があればいともたやすくねじ伏せられてしまうことがお分かり頂けるでしょう。第五次イゼルローン要塞攻防戦時に敢行された無人艦突入作戦でさえ、実は「並行追撃によってトゥールハンマーを無力化させる」という前提条件によって、初めて成立しえたシロモノでしかなかったのです。
また、トゥールハンマー発射から再発射までにかかる時間はわずか200秒弱(銀英伝10巻 P57)でしかありませんし、イゼルローン要塞にはトゥールハンマー以外にも、電磁砲・荷電粒子ビーム砲・レーザー砲などに代表される砲塔・銃座が総計1万以上も存在します(「夜への旅立ち」収録「黄金の翼」 P208)。これでは、たかだか氷塊や無人艦程度のシロモノで波状攻撃を仕掛ける「だけ」では、数えるのもウンザリするほどの膨大な物量を事前に用意した上で長時間、しかも常に大量に突入させ続けない限り、イゼルローン要塞を仕留めることなど不可能に近いのです。だからこそ、第五次イゼルローン要塞攻防戦の後、無人艦突入作戦はイゼルローン要塞を巡る戦いにおいて全く使用されることはなかったのです。
全長1キロクラスの無人艦や氷塊を使った特攻作戦が、第五次イゼルローン要塞攻防戦以降の戦いで全く使用されなかった理由は、これで説明可能でしょう。
しかし、これは要塞クラスの小惑星特攻に関してはまるで適用できません。要塞対要塞の戦いを見れば分かる通り、要塞の主砲をもってしても、要塞クラスの巨大な図体を誇る小惑星を傷つけることはできても、完全に消滅させてしまうことは不可能なのです。だからこそ、ヤンもラインハルトも「要塞特攻」などという、私に言わせれば「コストパフォーマンスの壮大なる浪費」としか思えないような策を立案したりもするのですし、小惑星特攻に対する対処法は「かわす」以外の方法がありえないわけです。
で、続きなのですけど、
<私はガイエスブルク移動要塞の通常エンジンによる航行は、「前進」と「後進」だけしか出来ないと確信しています(爆)。理由はアニメでガイエスブルク移動要塞が動くときは、常に直線運動だったからです(爆)。
アニメ版で宇宙艦艇の移動(前進)は、核融合炉が動力源と思われる後尾の主機関で行っていると思います。しかし急停止、艦首を敵に向けながらの後退、横への平行移動、回頭などは艦首及び側面の噴射口から推進剤のようなものを噴射して行っています。つまり後尾の主機関は、基本的に前進用だけだと思えるのです。
しかし当然ながらガイエスブルク移動要塞には、エンジンだけでそんなもの姿勢制御用の噴射口はありません。造ろうにもエンジンによる移動ならまだしも、推進剤噴射で40兆トンのスライド移動は不可能でしょう。ガイエスブルクが左に回頭するためには、エンジンを吹かして前進して大回りに左へ向かうしかないでしょう。恐ろしいほどの無駄です。
本当のことを言えば、ガイエスブルク移動要塞は「前進」しか出来ない!としたかったのですが、イゼルローンの要塞主砲の射程圏内に近づいたあと、一旦射程圏外へ後退していました。まさか大回りでUターンしたとは思えないので、艦艇と違いエンジンが逆噴射も出来るように改良していたと推測します。
私はこの仮説から、移動要塞は基本的には構造上、前進後進しかできないと考えています。横移動が出来なければ小惑星(氷塊)攻撃を避けることは無理でしょう。>
この仮説の成立はどう考えても無理でしょう。八木さんの仮説は、現代世界で言えば「ハンドルがない大型トラックを使って荷物を運搬する」とか「一切の方向転換ができない飛行機を使って物資や客を輸送する」といった類の与太話に近いものがあるのですけど、そんなものが成立するはずもないことなど、少し考えてみれば簡単に分かる話ではありませんか。そもそも、もしそんな欠陥を抱えたシロモノに将兵や艦隊を満載して要塞攻撃を行わせていたのであれば、ラインハルトは無能どころか「狂人」と評しても甘すぎるくらいに常軌を逸していると言わざるをえません。そこまでラインハルトを貶めて一体何になるというのですか?
第一、あの移動要塞が方向転換を行うなど、私には非常に簡単であるようにしか思えませんけどね。素人考えではありますが、たとえば左旋回する際には、進行方向右エンジン3つほどの出力を上げて要塞を左に方向転換させ、目的の角度まで曲がったら右エンジンの出力を元に戻した上で、今度は進行方向左エンジン3つの出力を上げ、旋回が止まり、バランスが取れたところで全エンジンの出力を均等にする。こんな形で旋回は充分に可能でしょうし、また同じような要領で上方や下方に移動することだってできるでしょう。
そもそも、仮にも3次元世界の宇宙空間で「前進と後退しかできない」などという1次元ないしは2次元の世界をうろついている移動要塞など、戦う以前に目的地にたどり着けるのかどうかさえも怪しいシロモノでしかないのではありませんか? 八木さんの仮説は極めて大きな無理があり過ぎるように思います。
それと八木さんにひとつ質問があるのですけど、八木さんは「移動要塞に改造しても、小惑星特攻を避けることはできない」という論説を展開しておられる割には、静止要塞の危険性について全く触れておらず、また小惑星特攻の危険性を承知していながら「イゼルローン回廊の拠点防衛」については何故か執拗に固執しておられます。では八木さんはイゼルローン「静止要塞」を一体どのように運用していけば良いと考えておられるのでしょうか?
もし八木さんの仰る説が仮に正しいとするのであれば、イゼルローン要塞は静止要塞だろうが移動要塞に改造しようが、拠点防衛に関してはどちらも危険であることには変わりがないということになります。ならば小惑星特攻の前には「的」にしかなりえないイゼルローン要塞に依存した防衛に固執することは、自軍の将兵や要塞内の民間人を無用の危険に晒すことになってしまう愚策であると言っても過言ではないでしょう。にもかかわらず、あくまでイゼルローン「静止要塞」に拠った回廊防衛にこだわる八木さんの主張はどうもよく理解できないのですよ。小惑星特攻に晒されるイゼルローン「静止要塞」は全くなす術もなく、軍民500万人と共に相当悲惨な最期を迎えるのではないかと私は考えているのですけど、それは一向にかまわないという意見なのですか?
むしろ、そのような「的」になる危険性を避けるためにも、イゼルローン要塞を移動要塞に改造することによって、防衛方法を抜本的に変革したほうが良いのではないでしょうか。すなわち、拠点防衛ではなく、敵の侵攻に応じて臨機応変に移動&戦闘配備を可能とする艦隊と同じような運用システムに切り替え、味方艦隊の支援・援護を目的とした兵器として機能させるのです。これならばイゼルローン回廊だけでなく、敵の侵攻に応じていつでも好きな場所に要塞を自由に展開させることができ、要塞を同盟の国防に大きく寄与させることができますし、もちろん小惑星特攻の標的になる愚を避けることもできます。
こういったメリットを全て捨て去り、小惑星特攻の標的になる危険性を考慮しても、あくまでイゼルローン回廊の拠点防衛を何が何でも行わなければならない理由があるとでも言うのであれば、是非ともその理由と要塞の具体的な運用方法を教えて頂きたく思います。