銀英伝考察3-BI

銀英伝の戦争概念を覆す「要塞」の脅威

mixiチェック

コンテンツの総収録投稿数626件の内、554~589件目の投稿を掲載

収録投稿554件目
board4 - No.7167

さらば不沈戦艦

投稿者:幽霊船
2006年11月13日(月) 20時22分

それは私が指摘した「馬鹿な点」についてのフォローになってはいません。
「馬鹿な点」に対する反論でも何でもないです。
「他に美点があるから、許されるのだ」と言っているだけなことは、あなたも理解していますよね。
私でなくても、そう解釈するのではないかと思いますが。

ラインハルトを甘やかしたい云々は違うと言っておきましょう。
むしろラインハルトを過大評価しているのは貴方のほうでは?
彼が好き勝手に出来る政体を許容するシステムを支持してるのは彼の人民です。
そしてそのシステムでは容易に凡夫は堕落し腐敗する。
専制政を使う上である一定の品性を保つにはどうすればいいのでしょう?
私は”あの作品中では皇帝とそれを支持する軍部の「馬鹿な雰囲気」が必要不可欠だ”と言っているのです。

>回廊の戦いを描いたのは田中芳樹の意識に因るものではなく只の偶然。

ラインハルト個人は権力を手にしても堕落も腐敗もしていないでしょう。
少なくとも彼にとっての堕落と腐敗を彼自身が実行したとは思えませんね。
また病気で倒れたから戦争を中断したことへの非難も妥当とは思えません。
ヤンを倒すことは巨大な戦功です。
「ナンバー2はいらない」とオーベルシュタインも主張したではないですか。
政体の性質を考えれば双璧に指揮を引き継がせる案は軍事的には効率的に見えますが、政治的にはリスクのある選択なのでは?
人間が完全に計画どおり効率的に動く機械で戦争が単純な算数で決まるなら貴方の意見はパーフェクトに正しい。
ですが貴方の主張にはエラーの可能性が全然考慮されていないように聞こえます。

>「作中で行われた戦闘に対する批判」が「支配者としての完全な神性を求める」に何故すり替えられるのでしょうか。

”既にラインハルトは作品中の模擬神”
”その政権はラインハルト一個人の軍隊に於ける将才と戦功への信仰心によって支えられている”
”それに並ぶヤンがイゼルローンに篭城するのはラインハルトの権威への挑戦”
”「回廊の戦い」はラインハルトとヤンの個人的な戦争であると同時に、結果的に専制政と民主政の人民全体の政争である”

あの戦争はそういう観点で捉えるのが妥当ではないか?と思ったのです。
戦争を権力者が”やるかやらないか”という一個人の人間性による意思が焦点になるのが専制政ならば、
”やらないしやらせない”というのが民主政というシステムの特徴なのでは?
ラインハルトが上司に自由裁量を与えられただけの単なる野心家の軍団長程度であるならば貴方の批判に疑問を呈することはないのです。
貴方の意見はヤンの偶像性と影響力を過小評価しているように思うのですが。

>命題を立てたのはあなたなのだから、自分の考えを先ず明らかにすべきでしょう。
>最初から「逃げ」に徹するのは、止めてくれませんか。

回廊の戦いの政治的意義と彼我の戦力差の評価を変えれば貴方がどういう結論を出すか知りたいだけでした。
私は回廊の戦いをヤンがやると決めた時点で同盟にとってのアーレ・ハイネセンと同等の歴史的な価値を持ったように見えました。
ユリアンの手柄は”皇帝の気紛れでどうにでもなる非常に弱体な政権を手にしただけ”に過ぎない。
それだって当時の彼としては十分凄いのですが、ヤンが存命ならばもっと有利な条件で講和出来たのではないかと思ったのです。
貴方が私の命題が取るに足らぬと思うならば、現時点ではどうしようもないですな。
この命題は私自身が自分で検討しましょう。ご迷惑をお掛けしました。

>田中芳樹
もう彼は何年も前から生きる為に書くのではなく書く為に書く人間です。
そして彼の甘えを許す業界に鎮座する存在です。
その品性が凡俗だと非難するのは正しいことですが、それを言う貴方自身はどうなのでしょう?
貴方の論法を借りるなら、
「ラインハルトは、戦争が面白いからやっているのだ。あんたが無駄だと思うのは勝手だが、それを専制皇帝に直言するだけの覚悟はあるのか?」
場の性質を理由に目下の者との対話を閉ざすような印象を大いに受けましたよ。
感想以外に因る部分を持たない人間との対話は貴方にとって無駄なのでしょうか?
私のような衆愚には貴方と田中芳樹が同類にしか見えません。
一方は富にして慢、一方は知にして傲。
私は”不沈戦艦”というこの掲示板の権威に知者にして長者たることを求めていた訳ですが、どうやらそれは勝手な期待外れだったようです。

収録投稿555件目
board4 - No.7168

Re7160:それは無理な解釈では?

投稿者:冒険風ライダー
2006年11月13日(月) 21時15分

 横レスですが、

<私の為に働くことはラインハルトはゴールデンバウム貴族に到底及びません。
ですが公の為に政体を利用することに関してラインハルトは貴族に比べ物にならない天才でした。
貴方の言うとおりゴールデンバウム貴族とラインハルトは同根です。
ですが支配者として咲かせた花は多くの平民にとって有益なものでした。
そしてその香ばしい花粉が手入れをする軍人の一部を殺すことに文句を言ってもしょうがないのではないですか?
専制政という根を断ち切るしかないと思いますが。>

<貴方が強く主張するようにラインハルトとゴールデンバウム貴族は支配者の横暴さという面で大差ないです。
ですが軍人皇帝が、自分の地位を守り汚名を雪ぐ為に戦争を行って何が悪いのでしょう。>

 まず、このような主張は却ってラインハルトを貶めることになるのではありませんか?
 ラインハルトはその生涯を通じて、ゴールデンバウム王朝のルドルフや門閥貴族が持つ「支配者の横暴さ」に対して一貫して否定的であり続けましたし、また過去にはキルヒアイスに以下のような約束を交わしていたこともあります↓

銀英伝外伝3巻 P218上段~P219上段
<「ご存知ですか? 来年早々にも、また叛乱軍に対する軍事行動がおこされるそうです。今度はイゼルローン回廊に叛乱軍の進攻を許さず、こちらから先制出撃するとか」
「えらく強気だな、ミュッケンベルガー元帥も。何か理由があるのか」
「今回の戦死者がすくなかった、と、そう言っておいでのようです」
「すくなかっただと!?」
「四〇万人に達しませんでしたから。三〇何万かの生命、それと同じ数の家庭です。門閥貴族にとっては、とるにたりぬものなのでしょう」
 キルヒアイスの声に、静かな、それだけに深い憤りが潜んでいた。ラインハルトは、キルヒアイスの精神に、氷山を感じることがある。表層にあらわれぬ存在の、静かで、巨大で、深く、厚く、充実していることを。
「キルヒアイス、おれはこんなばかげた戦いはしない。無益に兵士たちを殺すようなことはしない。おれたちの目的を達成するためには、まったく血を流さないわけにはいかないだろうけど、無益に血を捨てたりしないことは約束する」
 赤毛の若者は、はじめて微笑した。>

 しかし実際には、ラインハルトは第8次イゼルローン要塞攻防戦、マル・アデッタ星域会戦、回廊の戦いと、ただ己の個人的な欲求を満たすためだけの「無益に兵士たちを殺す」「ばかげた戦い」を展開し「無益に血を捨て」てしまっていますよね。つまり、ラインハルトの言動と行動には著しい乖離およびダブルスタンダードが存在するわけで、「どの面下げてお前がそんなことを言えるんだ」という批判は充分に成立しえるでしょう。
 それに対する「反論」が「その香ばしい花粉が手入れをする軍人の一部を殺すことに文句を言ってもしょうがないのではないですか?」だの「軍人皇帝が、自分の地位を守り汚名を雪ぐ為に戦争を行って何が悪いのでしょう」だのといったものでは、第一に「相手の主張を全面的に肯定している」という点で全く反論になっていませんし、第二にラインハルトが拠って立つ正当性を踏みにじっている点で、これ以上ないほどにラインハルトを侮辱していることになるわけです。
 ラインハルトを擁護するつもりで貶めることになるのでは、滑稽でしかないとは思いませんか? そんな愚劣な擁護論、当のラインハルトでさえ拒否するのではないかと思うのですけど。

<またヤンが懸念していた専制政の欠点とはそういうものではないでしょうか。>
<この点において若き日の田中芳樹もそう捨てたものではないかと。>

 これが作品論・作家論として成立するためには、必要最低限「ヤンが【専制政治の象徴】としてではない【個人としてのラインハルト】を批判する」という描写が不可欠ですね。実際には、ヤンにとってラインハルトは「【専制政治の象徴】としての【民主主義に対する脅威】な存在」でしかなく、「個人としてのラインハルト」については、下手すればキルヒアイスやミッターマイヤー以上に無批判かつ盲目的な信仰心を抱いているようにしか見えませんが。
 しかも作家たる田中芳樹に至っては、インタビュー記事の中でこんなことを平気で言っている始末です↓

銀河英雄伝説読本 P150(アサヒ芸能 1988年2月4日)
<主人公であるラインハルトのキャラクターは、意図的に完璧なものにしました。絶対的な専制君主で、能力的にすぐれ、顔もいい。民主主義の欠陥を映し出す鏡にしたかった。>

 よって、「ヤンが懸念していた専制政の欠点」も「若き日の田中芳樹」も、「ラインハルトが個人的かつ戦闘狂的な欲求から戦争を行い、多大な犠牲を国民に強いること」を「ゴールデンバウム王朝の門閥貴族と同レベル以下で愚劣なシロモノ」とは全く認識していないわけです。
 ラインハルトの「支配者の横暴さ」をヤンおよび田中芳樹が「専制政の欠点」として認識していた、という主張には無理があるのでは。

<虚構の人間のどうにもならない人間性を批判することは無駄だと思っても、
尊敬する貴方と対話することが私の人間的な成長の損になることはないと思うのでここにいるだけです。
まあこれは些か失礼だったことへの弁解ですが。>

 あなた自身、同じ投稿でこんなことを言っていますよね↓

<初めて貴方の意見に目を通した時は目から鱗が落ちるほどの衝撃でそのまま鵜呑みにしましたが、
時が経ってその意見に対する疑問が出たので、納得出来る反論を貴方からお聞きしたいのです。>

 他ならぬあなた自身が不沈戦艦さんの投稿を読んで「目から鱗が落ちるほどの衝撃」を受けたのですから、もうこの時点で「無駄」とは言えないのでは? タナウツの設立目的のひとつ「田中芳樹の論調を何の疑いもなく信じるファンの意識に、何らかの楔を打ち込む」にも合致しますし。
 それに、そもそも批判というものは本人に対して以上に第三者に向かって語っていくものですし、特に作品におけるキャラクター批判の場合は、作品の質、ひいては作者の執筆責任をも無言のうちに問いかけることにも直結します。その観点から言っても「無駄」とは到底思えませんね。
 それとも、あなたの「目から鱗が落ちるほどの衝撃」や「時が経ってその意見に対する疑問が出た」というのは、あなたにとって「私の人間的な成長の損になる」ことだったのですか?

収録投稿556件目
board4 - No.7170

あなたさ、自分が何をやっていたのか分かっていましたか?

投稿者:不沈戦艦
2006年11月14日(火) 01時20分

>「批判してはならない聖域」
>批判しても無駄なことを批判するのは感情と時間の無駄ではないですか?

 これ、そっくりそのままあなたに帰ってくるんですよ?

「擁護しても無駄なことを議論するのは感情と時間の無駄ではないですか?」

 という風にね。「架空の作品のキャラの行動」を批判しようが擁護しようが、ベクトルの向きが逆だと言うだけで、やっていることの本質は同じです。つまり、「架空の作品のキャラの行動について、否定的や肯定的に論じることを楽しむ暇人の行為」でしかないのです。それが面白い(作品自体は好きなので)から、「暇人の行為」であっても、敢えてやっている訳です。

 ところがあなたは、「ラインハルト擁護論」をぶちかましながら、私の「ラインハルト批判論」は「架空の作品のキャラに対するものだから意味がない」と主張する。まるっきり、ダブスタでしかありませんね。あなたのやっていることは、「擁護したいキャラに対する批判を封じ込めたがっている信者」と何が違うのでしょうかね?批判に対して擁護論ぶちあげているのに、批判は意味がないと主張している時点で、あなたの言っていることに整合性も説得力も無くなっているんですが、何でそれに気づかないのか不思議でしたわ。

> 私は”あの作品中では皇帝とそれを支持する軍部の「馬鹿な雰囲気」が必要不可欠だ”と言っているのです。

「意見が合わない対立点」について、これ以上「自説が正しい!」と言い張っても、それこそ「無駄」ではないかと思いますが。

> >回廊の戦いを描いたのは田中芳樹の意識に因るものではなく只の偶然。
>
> ラインハルト個人は権力を手にしても堕落も腐敗もしていないでしょう。

 冒険風ライダー氏の「7168」を読んでみれば、銀英伝に対するあなたの考え違いが、少しなりとも理解できるのではないでしょうか。この件についての議論は、この掲示板では過去に行われていて一定の「共通理解」ができているものですので。

> 場の性質を理由に目下の者との対話を閉ざすような印象を大いに受けましたよ。

 いつからあなたが「目下」で、私が「目上」になったのでしょうか?あなたという方は、不思議なくらい思いこみが激しい方ですねぇ。正直、私はこういう人には、ついて行けないですわ。

> 感想以外に因る部分を持たない人間との対話は貴方にとって無駄なのでしょうか?
> 私のような衆愚には貴方と田中芳樹が同類にしか見えません。

 作品について議論しているのに、その根拠を作中から得られないというのでは、全く議論にならないではないですか。あなたは、「作品について議論」する場合の、基本すら理解できていないのですか?それだったら、こんな場に書き込むのはお止めなさいよ。全然向いていませんから。

> 私は”不沈戦艦”というこの掲示板の権威に知者にして長者たることを求めていた訳ですが、どうやらそれは勝手な期待外れだったようです。

 勝手に「見込んで」、議論における自分の不備を指摘されると恨み言を並べて「期待外れだ」とこき下ろす訳ですか。あきれ果ててモノも言えませんわ。

収録投稿557件目
board4 - No.7171

一つにまとめさせて貰います。

投稿者:幽霊船
2006年11月14日(火) 20時38分

不沈戦艦氏へ
>作品について議論しているのに、その根拠を作中から得られないというのでは、全く議論にならないではないですか。
>あなたは、「作品について議論」する場合の、基本すら理解できていないのですか?
>それだったら、こんな場に書き込むのはお止めなさいよ。全然向いていませんから。

まったくその通り。
その”基本”を宜しければ逐一ご教示願いたい。

>タナウツの存在意義
先ず、私はここの批判サイトの存在意義がどうとかを云々するつもりは最初から無かったはずなのです。
「虚構の人間のどうにもならない人間性を批判することは無駄」
↑が貴方たちとの対話の邪魔でしかないだけでなく、私自身の矛盾を示す以上取り下げましょう。
また数年前に”不沈戦艦”や”冒険風ライダー”という論者たちに偉大さを感じたというのも嘘ではありません。
だが何を言ってるのか全てを理解した訳では無かったのも今なおそういう状態であるのも確かです。
まあ疑問をぶつけるには如何にもこの展開は唐突すぎたことは謝罪します。
どちらにせよ貴方たち二人は私にとっての権威で私自身はその意見に懐疑的でそれを判断しようとする目下です。

冒険風ライダー氏へ
>まず、このような主張は却ってラインハルトを貶めることになるのではありませんか?
>ラインハルトはその生涯を通じて、
>ゴールデンバウム王朝のルドルフや門閥貴族が持つ「支配者の横暴さ」に対して一貫して否定的であり続けました。
>第一に「相手の主張を全面的に肯定している」という点で全く反論になっていませんし、
>第二にラインハルトが拠って立つ正当性を踏みにじっている点で、これ以上ないほどにラインハルトを侮辱していることになるわけです。
>ラインハルトを擁護するつもりで貶めることになるのでは、滑稽でしかないとは思いませんか?
>そんな愚劣な擁護論、当のラインハルトでさえ拒否するのではないかと思うのですけど。

人間は立場や状況で言うことも考えも何もかも変わるものでしょう。
当時のラインハルトは「支配者の横暴さ」を使うだけの権力が無かっただけで、
いざ自分が手にすれば、その行為による影響を検討もしない無神経な人間だったのでは?
自分に何ら恥ずべき点が無いと思ってる人間は、概して自分の行動を省みないものだと思います。
それだけに、いざ自分がヴェスターランドの生き残りに逆恨みで暗殺されそうになった時のショックの受け方はリアルだったかと。
また一軍人であった時に交わしたキルヒアイスとの約束も、彼の心中に於ける自分の価値を高めるだけの行為でしかなかったように思いますが。
子供は本能的、感覚的にそういう儀式行為をやるものです。
あの作品のコンセプトの一部は”ラインハルトやヒルダという俗悪な部分が未発達の少年少女に専制政を行わせる”というものでは?
私の一連の擁護が愚劣なのは認めますが、愚劣な行為にはその程度の擁護しか出来ない。
いや擁護にもなってないか。
ただの”道楽戦争で理不尽に殺されても便利な専制皇帝を支持する”という感想に過ぎないのですから。
それだって”ゴールデンバウム貴族の下で悲惨にこき使われるよりマシ”という感想の発展でしかないですけど。

<またヤンが懸念していた専制政の欠点とはそういうものではないでしょうか。>
<この点において若き日の田中芳樹もそう捨てたものではないかと。>

<主人公であるラインハルトのキャラクターは、意図的に(ターゲットとする購買層の要求に比して)完璧なものにしました。
 (彼らにとって)絶対的な専制君主で、能力的にすぐれ、顔もいい。(極端に腐敗した)民主主義の欠陥を映し出す鏡にしたかった。>

作品やコメントではそう書いていますが、あなた方の意見を考慮して読み直すと1のように見えた。そして2のように解釈した。それだけです。
つまり私は自分自身の感覚を重んじてはいないが、結局それ以外に拠るべき点を持たない人種だと言えますね。

収録投稿558件目
board4 - No.7172

補足

投稿者:不沈戦艦
2006年11月14日(火) 21時13分

 もうちょっと「マトモ」かと一瞬思ったんですが、「幽霊船」氏は「ダメ」でしたね。少なくとも、掲示板で議論するのは止めた方がいいです。向いていないから。

 何が「ダメ」かと言いますと、

1.自分のダブスタに気付くことすらできない。
2.「ツッコミ」を入れられると、泣き言を並べて感情的非難(相手が「悪い奴」であるが如く印象操作)を始める。
3.話をすり替える。関係ない話を持ち出す。
4.都合の悪い話は無視する。
5.意見の対立を認められない。自説に「屈伏」させることに固執する。

 こういう人は、「議論」は止めておいた方がよいでしょう。

「1」及び「2」についてはすでに具体的に述べていますから、先ずは「3」について説明しましょうか。私がラインハルトの「戦争して勝ちたい病」を批判したところ、「幽霊船」氏は「架空作品の虚構の人物に対する批判は無駄」という以外に、「ラインハルトに神性を求めるな」という「反論」も行いました。私は「話をすり替えないでくれ」と言ったのですが、何でそう言われるのか、「幽霊船」氏には理解できなかったみたいですね。例えばですが、この批判の対象をラインハルトではなく、ビッテンフェルトに変えてみたらどうでしょうか?前提は、「回廊の戦いで、猪突して勝手に戦闘を始めてしまったこと」を「批判した」ということにでもしておきましょうか。

 さてこの場合、「幽霊船」氏は「架空作品の虚構の人物であるビッテンフェルトを批判しても無駄」とか、「ビッテンフェルトに神性を求めるな」と「反論」したでしょうか?到底そうとは考えられません。いや、そんな「批判」は無視したのではないかと思われますね。つまり、「幽霊船」氏が「擁護論」をぶちあげたのは、対象がラインハルトに他ならなかったからであって、彼の行動は「信者」のものでしかない訳です。実は「ラインハルトに神性を感じている」のは「幽霊船」氏の方であり、その対象が批判されたことによって「神性を汚された」からこそ、それを相手の責任に押し付けて「神性を求めるな」と言い出すということですな。ここで仮に「架空作品の虚構の人物に対する批判は無駄」と「(特定のキャラクターに)神性を求めるな」という命題を「是」とするならば、それはどちらも「ラインハルトに限って」適用されるべき「論理」ではありません。こういう「論理」を使うのなら、どんなキャラクターに対しても、差別なく適用しなければ駄目です。上の例で、「ビッテンフェルトのような、架空作品の虚構の人物に対する批判は無駄」「ビッテンフェルトに神性を求めるな」と言い出す奴が居たとしたら、「ビッテンフェルト信者」としか言いようがありません(まあ、そんな人は先ず居ないと思いますけどね)が、対象がラインハルトだったら「信者ではない」だなんて、そんな莫迦な話がある訳がないですね。そんなことを言う人間は、対象が誰であろうと「信者」でしかないんですよ。それとは逆に私は「信者ではない」から、特定のキャラクターに「神性」など求めてはいません。だから、ラインハルトだろうとビッテンフェルトだろうと、問題があると思ったら遠慮なく批判しますが、「信者」は「神性を求めるな」と言い出して話をすり替え、批判を封殺しようとする訳です。困ったものですね。更に「物証」を突きつけるとすると、「既にラインハルトは作品中の模擬神」とまで「崇めて」いる人は「信者」としか言いようがないでしょうというあたりですか。「模擬神」って、そりゃ彼の配下の一般兵士は「神の如く崇めて」いるでしょうけど、ヤン一党を始めとする同盟市民(国民の方が適当だと思いますけどね)たちはどうですか?「神」どころか、自分たちを征服しようとする敵でしかない。「作品中の模擬神」とまで言うのは、「幽霊船」氏としては「信者」だからそこまで称えたいんでしょうけど、あまりに大仰でしょうよ。また、最初の方で唐突に出てきた「反銀英伝の続きを書いて下さい」ってのは、今回の議論に一体何の関係があるのでしょうかね?もちろん、過去に散々「田中芳樹の遅筆ぶり」は「ネタ」としては出てきていますが(すでに諦めている人の方が多いようですがね)、今回私と「ろくでん」氏がやり取りしていた中のどこに「田中芳樹の遅筆」を責める内容があったと言うのでしょうか?もちろん、そんなものはどこにもありません。「関係ない話を持ち出して誤魔化そうとする」のは、みっともないですよ。

 次に「4」ですが、「小田原城の話」は、実は「無限補給できるイゼルローンには当てはまらない」と「以前イゼルローンの無限補給説を支持していた相手なんだから、上手く切り返すことができたと得意になって」返して来るだろう思って、敢えてやってみた「誘い」だったんですわ。当然、次にぶつけるべき回答も、最初から用意していた訳です。それで、この「誘い」について、私がもっとも関心があったのは「幽霊船」氏が「その後どう反応するか?」だったんですが、彼の「答え」は「都合の悪い話は無視」でした。よりによって最悪の選択ですね。「都合の悪い話は無視」したところで「無かったこと」にはできないということが、「幽霊船」氏には分からなかったようですけど。

 最後に「5」ですが、「ラインハルトを甘やかす・甘やかさない」の件で、私はすでに「意見が違うのは分かったから、これ以上やっても仕方ないでしょ」と議論を打ち切ろうとしている訳ですが、そこに至っても「自分が正しい」と粘着しているのですからねぇ。他者との意見の違いを認められず、何としても自説の優位を訴えないと我慢できないのですか。まるで子供ですな。

 もう一つ、以下の件についてですが、

>ヤンを倒すことは巨大な戦功です。
>「ナンバー2はいらない」とオーベルシュタインも主張したではないですか。
>政体の性質を考えれば双璧に指揮を引き継がせる案は軍事的には効率的に見えますが、政治的にはリスクのある選択なのでは?

 そんなことを言い出したら、極論すれば「ヤンを倒すのはラインハルトがブリュンヒルトの砲手になって主砲を撃ち、ヒューベリオンを破壊しないと駄目」なんてことになりかねませんが。それに、「反対の為の反対」は見苦しいですよ。「ラインハルト以外が指揮を取ってヤンを倒すと、倒した人間がその武勲によって『No.2』になってしまい、政治的問題が発生する」のなら、「ロイエンタールでもミッターマイヤーでも、ヤンを倒した方を後で亡き者にしてしまえばいい。その手の謀略は、オーベルシュタインが当然のこととして実行するだろう」で問題なしですね。更に、「回廊の戦い」の最中に、ミッターマイヤーが「ベイオウルフ」に乗って前線に出てもいます(後で戦死の誤報が流れたくらい)。この時、ミッターマイヤーが「ヤンを仕留めて」しまった場合は、どうなるんですか?「ミッターマイヤーを前線に出すべきではなかった。ヤンを倒す武勲をミッターマイヤー一人が担ってしまうと、政治的問題が発生する」と、ラインハルトを批判しますか?ラインハルトに対する批判に反対する為に、それ自体が新たな批判となってしまうのでは、本末転倒もいいところではないですか。矛盾した行動を、無理矢理にでも擁護しようなんてことをすると、次から次へと破綻が発生して当然です。そのような、無理は止めた方が良いという結論にしかなりませんね。

 最後に「幽霊船」氏に一言。

 自分の足下を見つめ直した方がよろしいですね。そりゃ、人間のやることなので、間違いやら問題がある場合は往々にしてあるものですが、誤りや欠点を指摘されてもそれを認識できず、感情的に反発するだけじゃ話になりませんよ。言葉遣いさえ丁寧ならいいってもんでもないですし。ここを長年見ていた割に、そういうことが全く分かっていないのでは論外です。

収録投稿559件目
board4 - No.7174

Re:補足

投稿者:幽霊船
2006年11月14日(火) 22時20分

>1.自分のダブスタに気付くことすらできない。
>2.「ツッコミ」を入れられると、泣き言を並べて感情的非難(相手が「悪い奴」であるが如く印象操作)を始める。
>3.話をすり替える。関係ない話を持ち出す。
>4.都合の悪い話は無視する。
>5.意見の対立を認められない。自説に「屈伏」させることに固執する。

1.確かに最初から私はダブルスタンダードでしたね。

2.気付いていましたか。流石です。
  7172以前の貴方の文章に私を説得しようという印象はまるで感じなかったのでかなり不快な気分になりました。
  貴方の文章は実に感情的で排他的でした。
  逆に「議論」での勝利が確定した7172には大いに自分の勝利を私に説明しようという理知が感じられる。
  最初からそれをやって頂きたい。私が貴方に「議論」で勝てる訳がないのです。

3.私はろくでん氏と貴方の議論は見ていないので本来別にスレッドを立てるべきでした。謝罪します。
  あと誤解しているようですが「模擬神≒専制皇帝」の意味合いなのですが。
  まあその表現が誤解を呼ぶものだということについては否定しません。
  ”反銀英伝の続きを書け”と言うのも全く関係のない話だというのは的外れですね。私にとってはそれがこの流れの発端だったのだから。
  貴方に非がない以上、私の全くの勘違いによる勇み足です。それについて大いに貴方を激怒させたようなので改めて謝罪します。

4.失礼、本当に貴方があの件で何を言いたいのかよく判らないのです。
  第一、小田原城の置かれた状況自体を詳しく知らない人間がそのトラップとやらに引っかかる訳が無いでしょう。
  「無限補給と言うアドバンテージがある以上中の人間が心理的に折れない限り何時までも篭城可能」
  その私の認識のどこに欠陥があるのか全く判らないのですが。
  ハード面の技術は進歩してもソフト面の技術は何千年経っても大して変わっていないという話は聞いたことがありますが、
  イゼルローンと小田原城では自動車と馬車以上の運用の差があるのでは?
  その認識のどこが間違っているのか、また何か高度な話を用意して頂いているなら是非承りたいです。

5.だから”私は衆愚”だって言ってるでしょう?これは謙遜とか卑下じゃなく事実ですよ。
  大人なら飴を下さい。

収録投稿560件目
board4 - No.7177

Re:補足

投稿者:S.K
2006年11月15日(水) 00時15分

>「無限補給と言うアドバンテージがある以上中の人間が心理的に折れない限り何時までも篭城可能」
> その私の認識のどこに欠陥があるのか全く判らないのですが。

 作中既に『イゼルローン内部に破綻の萌芽が7巻の時点、同盟消滅前に発生している」事を読み落されてます。

エル・ファシル独立政府=
「民主共和制の守護の為ヤン提督は立ち上がって下さり戦力も続々終結しつつある。なのに何故ヤン提督は帝国そして皇帝ラインハルト打倒の方策も行動も示してくださらないのか」

ヤン・ウェンリー=
「その続々集めってやっと帝国と十対一程度の戦力差で、どういうダメコンと反撃を加えれば皇帝ラインハルトが『ヤン・ウェンリー』ではなく『ヤン・ウェンリーの理念たる民主共和制』に『お前強いな』と男の友情をいだいてくれるか、本当にそれが我々が頭蓋骨を叩き割るまで皇帝に土下座して許してもらうより人類に有益な事か悩んでいる最中ですのでお知恵か静かな思索時間をくださいませんか」

不正規隊一党=
「理由は各々だがとにかく我々は『帝国臣民』としての道を選び得ないので全力を持ってヤン・ウェンリーに一点賭けを行う」

 年単位の持久戦に移行した段階で、最低エル・ファシル共和政府とヤン及び不正規隊との間には結構な亀裂が生じそうな気がしませんか。

>   ハード面の技術は進歩してもソフト面の技術は何千年経っても大して変わっていないという話は聞いたことがありますが、
>   イゼルローンと小田原城では自動車と馬車以上の運用の差があるのでは?
>   その認識のどこが間違っているのか、また何か高度な話を用意して頂いているなら是非承りたいです。

「人間大して進歩はしない」というのは銀英伝のバックボーンの重要な一要素ですので「馬鹿な確執で敵に敗北する前に自己崩壊する」危険は中世の城でも未来の宇宙要塞でも大して変わらないと思いますよ。
 小田原の北条氏は単に包囲されて干された訳ではありません。
「まだ攻めてこないのは名門北条を殲滅させたいからではなく和議の道があるのでは」
「馬鹿を言うな、あれは『いつでも殺せる』と北条を愚弄しているのだ、早く撃って出て成り上がりの百姓(秀吉)に武家の意地を見せ付けてやるのだ。そこで幸運にも秀吉の首級が挙がれば初めて北条に再度の機会がおとずれるという物だろうに」
「包囲軍とて飯を食う。いつまでも小田原に張り付いていては徳川他の有力大名にも穏やかならぬ負担がかかろう。ここは耐え抜く時ぞ」
と重臣たちの合議が四分五裂したので兵も訳の判らないままモチベーションが下がり続けたのが滅亡の重要な要因だったという説は割と一般的です。

> 5.だから”私は衆愚”だって言ってるでしょう?これは謙遜とか卑下じゃなく事実ですよ。
>   大人なら飴を下さい。

 弱点を補強して再挑戦してみましょう。
 期待されれば飴がもらえるかもしれません。
 あわよくば軽く足を引っ掛ける程度の工夫をしてみましょう。
 仲良くした方が得策として飴がもらえるかもしれません。

収録投稿561件目
board4 - No.8164

移動要塞を使わなかった理由

投稿者:独貧貴族
2009年05月17日(日) 15時31分

ラインハルトもそうでしたが帝国の何代目かの皇帝も同盟遠征による補給にだいぶ苦労しています。もし彼らが補給物資の現地生産に目を付け星間ガスさえあれば現地生産を可能にする要塞の有効性に気付いていたと思いますがなぜ彼らは使わなかったのか。
1.統一後に自分すら脅かしかねない危険素材なので有効性が解かっていても使えない(ラインハルトがガイエスブルクをボロクソに貶していた事を考えると危険性を理解していたかも)
2.単に気付いていなかった。気付いていれば迷わず使い戦略に革命を起した(移動要塞を中核にする艦隊運用)
3.予算面からガイエスブルク改造がやっとで移動を前提にした要塞を作れなかった(ラグナロックでは数を優先し耐久年数を過ぎた艦を多用していた!?)

収録投稿562件目
board4 - No.8165

Re8164:要塞建造の時間と手間

投稿者:冒険風ライダー(管理人)
2009年05月17日(日) 17時22分

<ラインハルトもそうでしたが帝国の何代目かの皇帝も同盟遠征による補給にだいぶ苦労しています。もし彼らが補給物資の現地生産に目を付け星間ガスさえあれば現地生産を可能にする要塞の有効性に気付いていたと思いますがなぜ彼らは使わなかったのか。>

 現地生産のために現地で要塞を建造する、ということに問題があったのではありませんかね? 要塞の建造に4~5年ほどの時間と多大なカネがかかることは銀英伝外伝2巻P41に明示されていますし、敵地に要塞を建造する途中で敵からの攻撃や妨害を受けることだってありえるわけですから。
 そして、建造済みの要塞を現地まで移動させる、という発想は、銀英伝ではシャフトが発案するまで存在しなかったようですので、それはそもそも考えつかなかった、とするのが正しいのでは?

 ただ、「じゃあイオン・ファゼカス号および長征一万光年の事蹟を、何故帝国側は参考にしなかったのか?」と言われると、私も上手い解答が思い浮かばないのですが(^^;)。

収録投稿563件目
board4 - No.8166

Re:移動要塞を使わなかった理由

投稿者:S.K
2009年05月18日(月) 21時39分

> ラインハルトもそうでしたが帝国の何代目かの皇帝も同盟遠征による補給にだいぶ苦労しています。もし彼らが補給物資の現地生産に目を付け星間ガスさえあれば現地生産を可能にする要塞の有効性に気付いていたと思いますがなぜ彼らは使わなかったのか。

 とは言うものの普通に戦って同盟は一度エル・ファシルを失陥していますし、ラインハルトにした所でアスターテで同盟宇宙艦隊の四分の一を壊滅させ、ラグナロック遠征にせよ、ヤン曰く「『ヤン・ウェンリーを艦隊戦で打倒する』というほど自分を意識してくれていなければ、ハイネセンや他の有人惑星を潰されて同盟の敗北が確定する」とヴァーミリオン会戦までの補給妨害が博打である事を認めています。
 ゴールデンバウム王朝の歴代貴族や軍人の見通しが甘すぎるのはあるにしても、0から建国した同盟は帝国より400年分の国力差があるのは事実であり、意識してかはともかく普通の戦闘をしていれば体力勝ちできる見込みも高く、実際イゼルローンがヤンの手で陥落した直後の同盟の国情はレベロが指摘するとおり長年の総力戦体制で破綻寸前になっていましたし、過剰な危機意識で『移動要塞』『新要塞建築』という投機的戦略に走る必要もなかったのではないかと思います。
 3巻におけるガイエスブルグ移動要塞というのは、決定的に同盟との総戦力差が開いて一応国内が安定したから、という余裕で打った布石という事になるでしょう。

収録投稿564件目
board4 - No.8167

Re:移動要塞を使わなかった理由

投稿者:独貧貴族
2009年05月20日(水) 22時37分

戦う前から同盟の体力は限界で勝負はすでに付いて、あえて移動要塞を作る必要は無かった。
ガイエスブルクを作ったのは新政権の象徴で戦略的に運用する事をあまり考えてはいなかったと・・・なるほど。

しかし、フェザーン方面からガイエスブルクと何万隻かの艦隊を同盟に侵入させればラグナロックを発動するまでも無く同盟に勝てたと思います。これはガイエスブルク就航時にフェザーン通過作戦の構想が纏まっておらず、下策とも言える要塞に要塞をぶつける運用になってしまっただけかもしれませんね。

収録投稿565件目
board4 - No.8169

Re:移動要塞を使わなかった理由

投稿者:S.K
2009年05月21日(木) 00時43分

> しかし、フェザーン方面からガイエスブルクと何万隻かの艦隊を同盟に侵入させればラグナロックを発動するまでも無く同盟に勝てたと思います。これはガイエスブルク就航時にフェザーン通過作戦の構想が纏まっておらず、下策とも言える要塞に要塞をぶつける運用になってしまっただけかもしれませんね。

 ラインハルトがラグナロック作戦に踏み切れたのは、フェザーン=地球教枢軸による「ゴールデンバウム王朝残党の皇帝誘拐→同盟での亡命政権樹立」のおかげで「折角の平和を乱す賊をこの際一挙に討伐する。フェザーンも協力を申し出たからには回廊の通行権と同盟の星図を渡す用意はあるんだろうな?なくてもこっちは貰う準備があるぞ」という大義名分が成立したからです。
 これはシャフトの提案時には予測できない未来の時系列の出来事なので「本気でヤン=ウェンリーの指揮するイゼルローン要塞を攻め陥とす気なら8巻の回廊の戦いの準備がいる。それを考えたら『要塞+一個艦隊VS移動要塞+二個艦隊』というのは、勝ち目があってかつ安いのではないか」という発想はそう批難に値する物でもないでしょう。
 あの段階でフェザーン侵攻をやっても、同盟軍のアムリッツァ侵攻艦隊ほどではないにせよ、兵士の「何で?」という士気低下は避けられず、それは得策じゃないんじゃないかと思います。

収録投稿566件目
board4 - No.8173

Re:移動要塞を使わなかった理由

投稿者:独貧貴族
2009年05月21日(木) 18時33分

フェザーンは帝国領なので
逆徒討伐のための軍を通過させる。協力しない場合は叛意ありと見做し討伐するとは出来なかったのでしょうか。

収録投稿567件目
board4 - No.8175

Re:移動要塞を使わなかった理由

投稿者:S.K
2009年05月21日(木) 18時53分

「帝国の資産増加の為に同盟とも交易したいから」で保証してやった自治権を前に、それはいかにも無理矢理でしょう。
 もっともラグナロック作戦の時の様に、フェザーンが「騒動を治めるために一肌脱ぎましょうか?」と聞いてきた時は別ですが。

収録投稿568件目
board4 - No.8176

Re:移動要塞を使わなかった理由

投稿者:独貧貴族
2009年05月21日(木) 23時18分

なるほど、フェザーンの方からの行動が有るまでラインハルトは動けなかったのですね。

収録投稿569件目
board4 - No.8225

Re:移動要塞を使わなかった理由

投稿者:A.Na
2009年07月29日(水) 01時22分

いっそ、ラグナロック作戦まで、ガイエスブルグ要塞を温存してもよかったのでは?
という気もしましたが、通常航行用にせよワープ用にせよ、いずれかの推進機関が
一つでも戦闘等で損傷したら、まず間違いなくその場から動けなくなるので、結局
さほど役に立たなかったかもしれませんね。

収録投稿570件目
board4 - No.8226

Re:移動要塞を使わなかった理由

投稿者:S.K
2009年07月29日(水) 04時39分

 あと「いつ次の軍事行動の機会があるかわからない」状態でしたので、手近の「イゼルローン要塞攻略」に使ってみる、というのは間違ってはいないでしょう。
 あと、「温存」はシャフト技術総監が「勿体無い」と強行に即時使用を勧めてくるでしょうね、そうでないと自分の手柄が先送りになりますので。
 オーベルシュタインも「仲の良い双璧が結託してNo.2化するより立場上同格の誰かに武功を挙げさせてNo.3を増やす」契機にできる「安価で比較的戦力をさかれずラインハルトは内政に専念できる」イゼルローン攻略なら賛成してもいい腹積もりだったでしょう。

収録投稿571件目
board4 - No.8287

イゼルローン論争

投稿者:クラゲ
2010年01月18日(月) 12時14分

はじめまして。
イゼルローンがもし永久機関を搭載していて、なおかつ距離1000光秒以内しか観測出来ないとしたら、ヤン陣営が回廊にこもるかぎり帝国側はイゼルローンを破壊する事が出来ません。何故なら、艦隊を1000光秒くらいのところに展開しておけば、2000光秒から観測出来ないのだから、小惑星をぶつけることも出来ません。
しかし、通常空間に出た場合、360度全てに警戒しなければならないのですから不利になります。
ヤン陣営がイゼルローン回廊にこもる戦略をとった場合、やはり何としても安全に観測するためにイゼルローンから1000光秒に近付く為に艦隊戦になると思います。
僕がヤンだったら、移動可能になった時点で他の銀河に逃げ出します。

収録投稿572件目
board4 - No.8288

前提がわかりません

投稿者:クラゲ
2010年01月19日(火) 12時34分

というかどんな議論もまず公理をはっきり箇条書きして頂けるとわかりやすいのですが。

収録投稿573件目
board4 - No.8289

Re:イゼルローン論争

投稿者:S.K
2010年01月19日(火) 21時52分

> はじめまして。

どうぞ宜しく。

> イゼルローンがもし永久機関を搭載していて、なおかつ距離1000光秒以内しか観測出来ないとしたら、ヤン陣営が回廊にこもるかぎり帝国側はイゼルローンを破壊する事が出来ません。何故なら、艦隊を1000光秒くらいのところに展開しておけば、2000光秒から観測出来ないのだから、小惑星をぶつけることも出来ません。

 元々帝国が設置したイゼルローン要塞で、元々帝国が試作実用化した移動要塞ですから、空間位置座標も移動による誤差も想定は容易いでしょう。
 つまり、この戦闘の「小惑星狙撃」に限り、複数目標を想定する必要はあるでしょうが「盲撃ち」が充分有効なのです。

> 僕がヤンだったら、移動可能になった時点で他の銀河に逃げ出します。

 まあそれは名案の一つとして過去列挙されました。

>というかどんな議論もまず公理をはっきり箇条書きして頂けるとわかりやすいのですが。

 議論の第一レスと原作を読み、流れを推移して御自分で御一考下さい。
 それでわからなければ「貴方にとって無意味な議論」という事で正しいと思います。

収録投稿574件目
board4 - No.8291-8292

Re:イゼルローン論争

投稿者:クラゲ
2010年01月19日(火) 23時19分

移動要塞のMまで、及びBAからBC読みました。
その上でやっぱり逃げた方が良いと思いました。
僕自身も、ラインハルトの回廊の戦いは彼の失政の一つと思いますが、それならばわざわざヤン陣営がそれ以上に人的被害がでるであろうゲリラ戦は取るべき出ないと思いました。
では前提の確認をしたいと思います。
大前提として銀英伝の記述が成り立たない仮説を立ててはいけないとして、

1・艦及び要塞は永久機関を搭載している。
2・要塞は無限に補給を行える。
3・艦隊は食料及び武器弾薬を補給しなければならない。
4・移動要塞は実現可能である。
5・索敵可能領域は1000光秒以内である。
6・どこであろうと、一度あるいは複数回のワープで行く事が出来る。
7・技術者及び、軍人はすぐにベテランになれない。
8・既存の航路は両陣営とも完全に把握している。
9・現実の物理法則で議論してはならない。
10・要塞は艦並みの機動性を持っている。
11・要塞建設に4年かかる。
12・要塞にエンジンを取り付けるのに3ヶ月かかる。

冒険風ライダーさんの想定している前提はこうであると思いますが、過不足あるいは誤りがあるでしょうか?

収録投稿575件目
board4 - No.8293

Re:イゼルローン論争

投稿者:S.K
2010年01月20日(水) 00時51分

> 移動要塞のMまで、及びBAからBC読みました。
> その上でやっぱり逃げた方が良いと思いました。
> 僕自身も、ラインハルトの回廊の戦いは彼の失政の一つと思いますが、それならばわざわざヤン陣営がそれ以上に人的被害がでるであろうゲリラ戦は取るべきでないと思いました。

 ヤンは逃げた方が性に合うだろうというのが、「要塞逃亡案」の名案たる理由の一つですが、
「奇襲による小規模戦闘を延々仕掛けて帝国の疲弊と民主共和制度を望む民衆の自覚及び奮起を促す」
という理由で、原作に出た「『人民の海』作戦」同様のゲリラ戦術もあながち間違いとは言えない側面もあります。

> 冒険風ライダーさんの想定している前提はこうであると思いますが、過不足あるいは誤りがあるでしょうか?

「私はこう思っていた」という範囲で良ければ以下注釈いたします。

> では前提の確認をしたいと思います。
> 大前提として銀英伝の記述が成り立たない仮説を立ててはいけないとして、
>
> 1・艦及び要塞は永久機関を搭載している。
> 2・要塞は無限に補給を行える。

 2.を前提にして「艦艇及び軍人の補給に窮する事はない」という作中の記述より、1・の「では要塞本体に設置する、複数の通常艦艇用エンジンの動力にも困る事はない」という演繹の結果です。
 それが「永久機関」なのか「膨大な備蓄」なのか「高高率な自給システム」なのかは特に問題視されておりません、原作の記述で「イゼルローン要塞は軍の補給に困らない」という作中事実があるだけなので。

> 3・艦隊は食料及び武器弾薬を補給しなければならない。

 その通り、といいますか「武器も食料もいらない艦隊」って「幽霊船団」って言いませんか?

> 4・移動要塞は実現可能である。

「ガイエスブルグ移動要塞」が後付けで「なかった事」にならない限りにおいてその通りです。

> 5・索敵可能領域は1000光秒以内である。

 原作が現在手元にないのでこのあたりは私には確言できかねますが、原作にそう記述されていたなら、「作中事実」としてそうなりますね。

> 6・どこであろうと、一度あるいは複数回のワープで行く事が出来る。

 所謂「危険宙域」は無理です。
 何故帝国と同盟の間に「回廊」と呼ばれる宙域があるのか考えれば「そこ以外は航行は事実上不可能」という結論になるでしょう。

> 7・技術者及び、軍人はすぐにベテランになれない。

 稀に「天才」と呼ばれる人種が「ベテラン」以上の成果を挙げる事はありますが、これも概ねその通りです。

> 8・既存の航路は両陣営とも完全に把握している。

 帝国はそうですが、ヤンについては「帝国領はアムリッツァで遠征した所までと、イゼルローンに残された帝国軍航路データ次第」でしょう。
 データが完璧なら、これもその通りです。

> 9・現実の物理法則で議論してはならない。

 正確には「現在の物理理論限界をどこまで克服・突破しているのかは作者以外には断言できないので、まず『作中事実』とその解釈を前提に論じよう」という事です。

> 10・要塞は艦並みの機動性を持っている。

 3巻でのガイエスブルグ轟沈の描写からするに、明らかに通常航行における機動は鈍いですね。
 速度・ワープ距離において通常艦船と遜色ないというだけでしょう。

>11・要塞建設に4年かかる。

 建設側の財政と手腕次第で変動するでしょう。

>12・要塞にエンジンを取り付けるのに3ヶ月かかる。

 ガイエスブルグ移動要塞はそうでした。
 イゼルローンを移動要塞化しようと言う場合、「先例があるから同等かもう少し早く出来る」のか「未知の運用ノウハウなのでもう少し手間と期間が必要」なのかは不明確です。

収録投稿576件目
board4 - No.8294

Re:イゼルローン論争

投稿者:クラゲ
2010年01月20日(水) 05時01分

では、この前提の下に考えてみたいと思います。
結論をまず先に言えば、移動要塞を評価していようがいまいが、史実と似た歴史になると思います。
まずバーミリオン会戦以前ですが、ヤン陣営側にはイゼルローンを移動要塞にしても同盟領防衛には何の意味もないし、イゼルローンが防衛しなければ帝国に本土を攻め込まれると思います。
代わりとなる要塞建設も経済的に無理だと思います。
仮に直径60キロメートルの小惑星にエンジンを取り付けた所で補給基地としては役にたたないし、常に駐留させて置くには補給部隊なりシフトを組むなりでただでさえ、大敗と内乱で艦数の少ない同盟には維持は不可能だと思います。
では帝国側はどうか?
同盟がせっかく弱っているのに要塞建設と、4年間も時間を与えるよりかは直ぐに大艦隊を率いて攻め込んだ方がより確実だと思います。
バーミリオン以後は、帝国側は冒険風ライダーさんの想定したテロをイゼルローン指揮官が行う可能性があるので、移動要塞化させない方向になるのではないでしょうか?
ヤン陣営がイゼルローン再奪取後はどうか?
まずヤンがアンネローゼを知らないし、知っていたとしても、3ヵ月帝国は北朝鮮よろしく交渉するでしょう。
誘拐出来なかったとしても、オーベルシュタインが反ヤン報道なりすると思います。そもそも、3ヵ月くらいで帝国の統治を揺るがせないと思いますがどうでしょう?
トールハンマーの射程内に入らないように艦隊を付かず離れずに、また重要な拠点だけ守り、辺境は防衛しない方針をとると思います。
後はセンサーなり目視なりで、氷爆弾を打って長期滞在させないようにします。
3ヶ月で帝国、同盟領各地で小惑星にエンジンを取り付け、イゼルローン回廊を封鎖します。
帝国側は豊富な艦隊があるので維持出来ると思います。
仮にヤン陣営に発覚したとしても、全ての小惑星基地を破壊する事は不可能だと思います。
封鎖完了後、最後に現れたところからドーナツ状に包囲され、攻め込まれると、ヤンは考えたかも知れません。

なんとなく、例の計画はハンニバルの状況に似ていると思うのは僕だけでしょうか?

収録投稿577件目
board4 - No.8295

Re:イゼルローン論争

投稿者:S.K
2010年01月20日(水) 19時23分

> では、この前提の下に考えてみたいと思います。
> まずバーミリオン会戦以前ですが、ヤン陣営側にはイゼルローンを移動要塞にしても同盟領防衛には何の意味もないし、イゼルローンが防衛しなければ帝国に本土を攻め込まれると思います。
> 代わりとなる要塞建設も経済的に無理だと思います。
> 仮に直径60キロメートルの小惑星にエンジンを取り付けた所で補給基地としては役にたたないし、常に駐留させて置くには補給部隊なりシフトを組むなりでただでさえ、大敗と内乱で艦数の少ない同盟には維持は不可能だと思います。
> では帝国側はどうか?
> 同盟がせっかく弱っているのに要塞建設と、4年間も時間を与えるよりかは直ぐに大艦隊を率いて攻め込んだ方がより確実だと思います。

 その点についてはその通りです。

> バーミリオン以後は、帝国側は冒険風ライダーさんの想定したテロをイゼルローン指揮官が行う可能性があるので、移動要塞化させない方向になるのではないでしょうか?

 その前に大義名分としてラインハルトは「自由惑星同盟政府の不誠実と不見識」を糾弾しているので、帝国はまず既に死に体であれ同盟と決着をつけなくてはいけません。
 そもそも「ヤン・ウェンリー元帥の罪を問うつもりはないので出頭されたし」という呼び掛けには、限度はあれ「今すぐ直ちに」という強制はしておりません。
 ゆえに「同盟の崩壊までにイゼルローン要塞を移動要塞化して選択肢に「降伏」「ラインハルトがこの会戦の無益を悟るまで交戦」の従来の二択に「第2時『長征一万光年』」「移動補給港付き『人民の海』作戦」の二つの選択肢を挿入できるか否かというのが議論の要点なので「間に合わない」説を選択するなら

> 結論をまず先に言えば、移動要塞を評価していようがいまいが、史実と似た歴史になると思います。

でしょうが、「では、間に合った場合には?」という議論にはあまり関係してきませんね。

> ヤン陣営がイゼルローン再奪取後はどうか?
> まずヤンがアンネローゼを知らないし、知っていたとしても、3ヵ月帝国は北朝鮮よろしく交渉するでしょう。
> 誘拐出来なかったとしても、オーベルシュタインが反ヤン報道なりすると思います。そもそも、3ヵ月くらいで帝国の統治を揺るがせないと思いますがどうでしょう?

 何か、複数の議論を混同したままにしていませんか?
「宇宙要塞の移動要塞化に概ね3か月かかる」のと、「移動要塞化に成功した後ヤンのゲリラ戦術構想『人民の海』作戦に利用する」議論は完全に各個独立していますし、後者「『人民の海」作戦」に「3か月」という縛りは存在しませんよ?
 その為の「移動無限補給港『イゼルローン移動要塞』」なんですから。

> トールハンマーの射程内に入らないように艦隊を付かず離れずに、また重要な拠点だけ守り、辺境は防衛しない方針をとると思います。

 辺境にも民衆はいて、帝国領であれば「ローエングラム王朝も民衆を守ってくれないのか」という失望は伝播しますし、旧同盟領であれば「やはり帝国は人民の敵だ」という奮起を促せるでしょう。

> 後はセンサーなり目視なりで、氷爆弾を打って長期滞在させないようにします。

 どのみち「移動要塞計画」に成功すれば「どこかに長居して継戦」という構想はヤンは持たないでしょう。
 ゲリラ戦ないしは逃避行だから成功の余地があるのであって、「いずれどこかでラインハルトと決戦」というのは最悪の愚案です。

> 3ヶ月で帝国、同盟領各地で小惑星にエンジンを取り付け、イゼルローン回廊を封鎖します。
> 帝国側は豊富な艦隊があるので維持出来ると思います。
> 仮にヤン陣営に発覚したとしても、全ての小惑星基地を破壊する事は不可能だと思います。
> 封鎖完了後、最後に現れたところからドーナツ状に包囲され、攻め込まれると、ヤンは考えたかも知れません。

 上記の繰り返しになりますが「それまでに改造が間に合うか」が移動要塞計画の骨子なので、「間に合わなかった場合」だけ考えればそれは「原作通り」になるよりないでしょう。
 むしろこのテーマの要点は「間に合った場合とその時の選択肢の広がり、それによる異なる未来というIF」にこそあるのですが。

収録投稿578件目
board4 - No.8296

Re8291/8292/8294:移動要塞論いろいろレス

投稿者:冒険風ライダー(管理人)
2010年01月20日(水) 20時06分

>クラゲさん
 はじめまして。
 移動要塞論争の前提条件については、No.8293のS.Kさんの回答で概ね合っておりますが、私の方からも若干の追加補足を。

<5・索敵可能領域は1000光秒以内である。>

 これについては作中で描かれているアスターテ会戦時その他の索敵描写を元にした私の推論となります。その根拠については以下の投稿を参照↓

http://www.tanautsu.net/kousatsu02_03_au.html#3818

 ただ、この問題に関しては以前にも同じような反論を展開されたことがありまして、それに対して私は以下のような追加回答を行っております↓

http://www.tanautsu.net/kousatsu02_03_at.html#3787
<(中略)
 これらのことから、たとえ光年単位の距離においても、宇宙船や艦隊の所在をおぼろげながらでも推測・確認できる手段自体が、銀英伝世界にも一応は存在していることがお分かり頂けるでしょう。有効探知距離500~1000光秒レベルの観測・索敵というのは、おぼろげながら把握されている敵の所在を、遭遇予測星系で座標単位&目視レベルで把握・最終確認するといったような「索敵活動における最後の詰め」を行うためのものである、と考えた方が、作品世界を破綻させない設定としては妥当なものであると言えます。>

 要するに「索敵可能領域は1000光秒以内」ということだけにこだわると、そこからまた矛盾する問題が発生する、ということですね。光秒どころか光年単位の宇宙航行で艦艇同士の会合や接敵が銀英伝世界では頻繁に行われている事実があるので、それをも含めて考えると、おおよその敵の位置や行動を光年単位で把握できる方法自体は別に存在するが、具体的かつ正確な座標確認等の最終的な把握・確認を行う際は1000光秒以下の能力しか持たない索敵が必要となる、ということになるわけです。
 いや、こうでも考えないと、銀英伝の作中で行われている1000光秒以下レベルの索敵描写と、広大な宇宙空間で艦艇同士の接触が何度も当然のように行われている描写が両立しえないんですよね(>_<)。この辺りの宇宙航行に関する記述は、作者自身、その場その場でかなり御都合主義かついいかげんな描写を展開していて矛盾だらけもいいところですし、双方の描写を矛盾なく成立させるための辻褄合わせには私も結構頭を抱えたものでして(苦笑)。

<12・要塞にエンジンを取り付けるのに3ヶ月かかる。>

 この辺りは初期の議論でも言及していますが、3ヶ月というのは、移動要塞がシャフトによって提言され、ケンプとミュラーに移動要塞改造の命令が下った1月下旬頃から、実際に移動要塞がイゼルローン要塞前に布陣した4月10日までの期間なのであって、移動要塞がヴァルハラ星系外縁部に現れて安定動作が認められたのはそれよりも早い3月17日のことですから、「要塞にエンジンを取り付ける」だけならばそれよりもはるかに短い時間で済むことになります。
 特に問題なのは移動時間で、

命令を受けたケンプとミュラーが工兵を率いてガイエスブルク要塞のある宙域へ行く

移動要塞改造後、移動要塞をヴァルハラ星系外縁部に出現させる

というプロセスだけでゆうに1ヶ月~40日近くもの時間を必要とします。ヴァルハラ星系からガイエスブルク要塞のある星系までは片道だけで通常行程20日、無理して急いでも14日は確実にかかりますから、往復移動だけで倍の28日~40日は余裕で過ぎ去ってしまうことになるわけで、実のところ作中における移動要塞改造というのは「ただの移動」だけでその期間の半分以上を占めていることになるわけです。
 1月下旬頃から3月17日までの実質2ヶ月以下の期間からさらに移動時間を除いた1ヶ月あるかどうかの日数が「【現地で実際に行われた】移動要塞改造工事に要した時間」となるのではないかと。

<まずバーミリオン会戦以前ですが、ヤン陣営側にはイゼルローンを移動要塞にしても同盟領防衛には何の意味もないし、イゼルローンが防衛しなければ帝国に本土を攻め込まれると思います。
代わりとなる要塞建設も経済的に無理だと思います。
仮に直径60キロメートルの小惑星にエンジンを取り付けた所で補給基地としては役にたたないし、常に駐留させて置くには補給部隊なりシフトを組むなりでただでさえ、大敗と内乱で艦数の少ない同盟には維持は不可能だと思います。>

 「要塞に要塞をぶつけて破壊してしまえば良い」という考えは、原作の「あの」ヤンやラインハルトでさえ明言していることですし、作中でも実際に行われたことだったりしますよね? そうなると、イゼルローンから要塞が動けない状態では、例の要塞特攻を改良した小惑星の連続攻撃等の戦法に対して全く無為無力かつ格好の的、ということになってしまいます。単に「今後行われるかもしれない小惑星連続攻撃への対処法」としても、要塞を移動要塞に改造する必要性はあったのではないでしょうか?
 また、ヤンはラインハルトがフェザーン回廊から同盟領へ侵攻してくる可能性を予測していましたし、それ故にイゼルローン回廊の防衛にこだわるのは愚の骨頂みたいな主張も展開していました。ならばその際には、動けない要塞など全く何の役にも立たないし、一方で移動要塞に改造してしまえば戦力としても補給基地としても活用でき、ひいては同盟の防衛にも役立つということが理解できないはずはありますまい。「ただでさえ、大敗と内乱で艦数の少ない同盟」であればなおさら、戦力を柔軟に生かす道を考える必要だってあるのですし。
 ラインハルトが小惑星連続攻撃戦法のような要塞攻撃をやってこなかったのは、単にラインハルトが軍事革命的な意義を移動要塞に全く見出しえなかったマヌケであったというだけの話でしかないのであって、要塞の安全確保のみならず同盟の防衛という観点からこういうことを考える必要性がヤンには絶対にあったと思うのですけどね。

<では帝国側はどうか?
同盟がせっかく弱っているのに要塞建設と、4年間も時間を与えるよりかは直ぐに大艦隊を率いて攻め込んだ方がより確実だと思います。>

 帝国の「神々の黄昏」作戦の際には、確実に長くなる補給線を同盟軍に突かれることに対する懸念が帝国軍の高官の間で囁かれていましたし、実際、ゾンバルト少将が護衛していた補給船団が撃滅されたことにより、帝国軍は補給問題に悩まされる事態に陥りました。他ならぬラインハルト自身、同盟の帝国領侵攻作戦では同盟の補給線を破壊する作戦を展開し、数に勝る同盟軍に壊滅的打撃を与えた実績があるのですし、敵が劣勢を挽回するために必ずやってくると分かりきっているのであればなおのこと、補給線寸断戦法を完全に無効化できる移動要塞の価値と重要性は当然把握しておかなければならないものだったはずです。
 また、移動要塞が提言された時点では、帝国がすぐさま同盟に攻め込むかどうかはラインハルト自身も含めて予測不能でしたし、「神々の黄昏」作戦発動の際にも、門閥貴族残党の幼帝誘拐および亡命を同盟が受け入れなければ、帝国は当面、同盟侵攻の大義名分を失ってしまうことになったであろうと、他ならぬラインハルト自身が明言しています。あの時点で「直ぐに大艦隊を率いて攻め込」む局面なるもの自体が果たして出現しえるのか、またいつ出現するのかという予測など、全能の予知能力者でもない限り立てられるものではなかったわけです。それならばなおのこと、長期的な視野に基づいた補給問題の解消のみならず現状の戦力格差の維持もしくは拡大という観点から見てさえも、移動要塞の大規模建造および改造に着手して悪いことはないでしょう。
 ラインハルトが移動要塞の価値を正しく評価し、上手い活用法を考えていれば、ラインハルトは補給問題で窮地に陥ることなく、原作以上に「楽に」かつ「確実に」勝てる体制が整えられたことは間違いなく、それは必然的に味方の負担と犠牲を抑えることにも繋がるのです。それを考えれば、帝国側が移動要塞を活用する必要性は大いにあったと言えるのではないでしょうか。

<バーミリオン以後は、帝国側は冒険風ライダーさんの想定したテロをイゼルローン指揮官が行う可能性があるので、移動要塞化させない方向になるのではないでしょうか?>

 しかし上でも言及したように、一方では自力で動けない要塞が小惑星攻撃の格好の的にしかなりえないことが明白になってしまっている以上、単なる要塞の安全確保と戦略的価値の維持という観点だけから考えても、移動要塞化はやらないとマズイのでは? 同盟がいなくなっても、ヤン一派や地球教のごとき武装集団ないしはテロ集団がテロの道具として小惑星攻撃を使用してくる可能性が(微小の確率ではあっても)なくなることはないのですから。
 誰かが似たようなものを登場させてしまう可能性がある以上、ある種の抑止力としての移動要塞の完全破棄は論外ですし、軍閥化の問題については、将兵と家族を切り離したり、将兵&将官の配置転換を頻繁に行ったりすることで、移動要塞の有無とは関係なく対処していくしかないのではないかと。

<ヤン陣営がイゼルローン再奪取後はどうか?
まずヤンがアンネローゼを知らないし、知っていたとしても、3ヵ月帝国は北朝鮮よろしく交渉するでしょう。
誘拐出来なかったとしても、オーベルシュタインが反ヤン報道なりすると思います。そもそも、3ヵ月くらいで帝国の統治を揺るがせないと思いますがどうでしょう?
トールハンマーの射程内に入らないように艦隊を付かず離れずに、また重要な拠点だけ守り、辺境は防衛しない方針をとると思います。
後はセンサーなり目視なりで、氷爆弾を打って長期滞在させないようにします。
3ヶ月で帝国、同盟領各地で小惑星にエンジンを取り付け、イゼルローン回廊を封鎖します。
帝国側は豊富な艦隊があるので維持出来ると思います。
仮にヤン陣営に発覚したとしても、全ての小惑星基地を破壊する事は不可能だと思います。
封鎖完了後、最後に現れたところからドーナツ状に包囲され、攻め込まれると、ヤンは考えたかも知れません。>

 まずアンネローゼについては、ヤンと同じく全く面識がないはずのルビンスキーですら「ラインハルトの弱点」であるとはっきり認識していることや、銀英伝2巻におけるフェルナーのシュワルツェンの館襲撃の目的にアンネローゼの捕縛があったこと、さらには銀英伝10巻でアンネローゼを見かけたユリアンでさえも、アンネローゼがいてこそのラインハルトであったという事実関係を知っていることなどから、作中におけるラインハルトとアンネローゼの関係は「誰でも知りえる情報」扱いになっていることは明白ですので、ヤンもまたアンネローゼについて充分に知りえる立場にあったことは確実でしょう。
 また、クラゲさんが主張する作戦は、移動要塞の居場所を帝国側が常に把握できることが前提になっていますが、それって作中の帝国軍に可能なことなのでしょうか? 原作の「正規軍によるゲリラ戦」を見ても、2回も接敵しているはずの帝国軍はヤン艦隊の居場所をロクに把握できず受動的な立場に甘んじていましたし、ましてや補給基地や首都の存在に制約されることのない移動要塞ではなおのこと、居場所の把握はより一層難しくなるのではないかと思われるのですが。
 敵が神出鬼没で居場所の把握ができないからこそゲリラ戦は脅威なのであって、居場所が簡単に把握できるのであれば、原作の「正規軍によるゲリラ戦」だって帝国軍はあそこまで苦戦させられてはいないでしょう。正面決戦に持ち込めれば勝てること自体はまず間違いないでしょうが、問題なのは「いかにして正面決戦に持ち込むか」、そして「それまでにどれだけの犠牲が伴うか」ということなのでしてね。そして、移動要塞の殲滅に必要となる犠牲と代償が核戦争のごとく全く割に合わないシロモノになるからこそ、その犠牲の回避を目的とした和平の提案が「帝国側から」行われる可能性というものも出てくるわけで。
 すくなくとも、ラインハルトの戦争狂的性格に最後まで付き合った挙句、勝算ゼロの消耗戦に陥ることが最初から分かりきっているヤンのラインハルト依存症的なやり方よりは「相手に深刻な脅威を与え、動かせるだけの強制力を伴った外交カードがある」という点においてこちらの方がはるかにマシ、という話です。

 まあこれについては、他ならぬ私自身が最終的には賛同しているように、移動要塞の利点を生かして数万~数十万光年単位の第二の長征にでも出た方が良いとは思いますよ。それで損をするのは、ヤンと個人的な戦争をしたがっていたラインハルトだけでしかないのですし。

収録投稿579件目
board4 - No.8297

Re:イゼルローン論争

投稿者:クラゲ
2010年01月20日(水) 20時32分

3ヶ月の縛りは単にイゼルローン回廊封鎖までにかかる時間を想定しております。
ゲリラ戦の既存領域のどこでも攻撃出来るというのを、小惑星で回廊を封鎖してしまえば、帝国領か同盟領のいずれかに限定されるのでは?と思いました。

帝国が改造しなかった点は確かにそうですね。
また、改めて考察します。

後、辺境でヤンは何をする事を想定しているのでしょうか?
経験則だけで考えているので穴があるのは僕自身自覚してますが、攻撃されたら統治者の支持率があがるのではないでしょうか?
これは現実の法則で考えないと言うルールに反してますでしょうか?

長期滞在云々は氷爆弾であちこち罠を仕掛けておけば、最短30分しか滞在出来ないと思いましたがやはり希望的観測ですかね?

収録投稿580件目
board4 - No.8298-8299

Re:Re8291/8292/8294:移動要塞論いろいろレス

投稿者:クラゲ
2010年01月20日(水) 21時05分

全部余計な言葉を取っ払って言えば、小惑星基地で回廊を封鎖出来るんじゃない?と思いました。

帝国が完全にヤンがどこにいるか把握出来ると思ってません。ただ要塞の移動速度に限りがある場合、大体どこまで行けるか予測出来ると思います。
その周辺に艦隊を展開すれば、ヤン陣営に人的被害が出るのは免れないと思い、ベテランに直ぐにはなれないのでやがて熟練度が下がって行くと思いました。

自分でもスマートな勝ち方ではないと自覚していますし、この戦略をヤンなら破れるだろうなとも思ってます。

移動要塞化云々は確かにそうですね。
移動要塞化してないと危ないですが、イゼルローン回廊から出られないのでは?

いや、僕自身移動要塞の話を見たとき、こいつ天才か?と思っちゃいましたしそれ自体は高く評価しています。
ただそんな貴重品最前線に出していいのか?と思うのですね。
僕なら移動要塞のような危険なものはかなり信頼の置ける人物にしか預けれません。
自分が使うにしても、経済力がないですし。
まあ、ケンプとミュラーに預けた理由は説明出来ないんですけどね。

収録投稿581件目
board4 - No.8300

Re:イゼルローン論争

投稿者:S.K
2010年01月20日(水) 22時12分

> 3ヶ月の縛りは単にイゼルローン回廊封鎖までにかかる時間を想定しております。

 ですので「それまでに移動要塞が完成している場合」には、ヤンのゲリラ戦継戦可能時間は3か月に限らず致命的な失敗か不運に見舞われるまでいつまででも出来る、と言う話です。
「それまでに移動要塞が完成している場合」封鎖を待たずに好きな領域に脱出出来るのですから。

> ゲリラ戦の既存領域のどこでも攻撃出来るというのを、小惑星で回廊を封鎖してしまえば、帝国領か同盟領のいずれかに限定されるのでは?と思いました。

 帝国領にせよ同盟領にせよ、第1回目の攻撃目標のある領域に当面活動範囲は限定されるとは思います。

> 後、辺境でヤンは何をする事を想定しているのでしょうか?

 当座、姿を見せて軍施設を破壊して住民に宣撫工作を行って逃げると良いと思います。
 それで少なくともその辺境が「(ヤン不正規隊から)ローエングラム王朝銀河帝国軍に守ってもらえなかった、見捨てられた」という状況証拠が発生しますから。
 ヤンとしては、出来る限り損耗を避けたい所でしょうから、クラゲさんの「辺境は放置する」案に合わせて、その場合のヤンの最も楽でそれなりの効果を望める辺境奇襲案を考えてみました。

> 経験則だけで考えているので穴があるのは僕自身自覚してますが、攻撃されたら統治者の支持率があがるのではないでしょうか?
> これは現実の法則で考えないと言うルールに反してますでしょうか?

 侵略者が住民への不利益を働かなかった場合、不信感を持たれるのは侵略者ではなく迎撃しなかった統治者でしょう。

> 長期滞在云々は氷爆弾であちこち罠を仕掛けておけば、最短30分しか滞在出来ないと思いましたがやはり希望的観測ですかね?

 いや、そもそもヤンが折角の行動の自由を放棄して一箇所に長期滞在するメリットは、降伏する場合を除いて全くないという事です。

> 僕なら移動要塞のような危険なものはかなり信頼の置ける人物にしか預けれません。
> 自分が使うにしても、経済力がないですし。
> まあ、ケンプとミュラーに預けた理由は説明出来ないんですけどね。

 ケンプとミュラーはラインハルトにとって充分信頼のおける高級幕僚であり、オーベルシュタインにとっては「双璧をNo.3に留めおくに最適の人選」であり(事実1か月でイゼルローンを陥落できずラインハルトの不興を買ったケンプに対し「『ケンプの限界』と見切るのは早計では?」とあくまでケンプ達を擁護しています)、何より机上論の移動要塞を1か月弱で稼動に漕ぎ着けた所で、作業指揮に留まらず歴戦の勇将であるケンプとミュラーから他の提督に移動要塞の初陣を譲らせるというのは利より害の方が大きい結果となるでしょう。

収録投稿582件目
board4 - No.8301

Re:イゼルローン論争

投稿者:クラゲ
2010年01月20日(水) 22時51分

ケンプとミュラーはさっぱり忘れてました。その通りだと思います。

確かにヤンに一個所に留まる利益はありません。それをふまえてですが、氷爆弾は経済的に考えて不可能だと自分でも思いますが、帝国全土でこれを展開して基地の徹底的壊滅をさけ、住民に扇動を行わせる時間を与えないのが目的です。
まあ、確かに3ヶ月間ヤンにどこであろうと自由に攻撃されるでしょうし、辺境区では、ヤンを支持する地域は増えるでしょうね。

ヤンのゲリラ戦に関しては、ハンニバルのイタリアにおける行動をモデルに考えているのですが、ヤン側に人的被害は出ないのでしょうか?
辺境であちこち解放してヤン陣営に何の利益があるんでしょうか?直ぐに帝国に取り戻されるかも知れませんよ?

収録投稿583件目
board4 - No.8302

Re:イゼルローン論争

投稿者:クラゲ
2010年01月20日(水) 23時32分

いや、一言で言えば、同盟の帝国大侵攻の時にどんな事態が生じましたか?
確かに略奪は行わないでしょうが、食料及び兵器の生産に何らダメージを与えないなら、戦闘継続能力に何の影響も与えられないし、仮に与えたとして財産及び生命に危険を与えるヤン陣営を支持するでしょうか?
それにプロパガンダ戦が得意な奴っていましたっけ?

しかし、確かにヤンならなんとかするような気もしますが。

収録投稿584件目
board4 - No.8303

Re:イゼルローン論争

投稿者:S.K
2010年01月21日(木) 23時50分

> 確かにヤンに一個所に留まる利益はありません。それをふまえてですが、氷爆弾は経済的に考えて不可能だと自分でも思いますが、帝国全土でこれを展開して基地の徹底的壊滅をさけ、住民に扇動を行わせる時間を与えないのが目的です。
> まあ、確かに3ヶ月間ヤンにどこであろうと自由に攻撃されるでしょうし、辺境区では、ヤンを支持する地域は増えるでしょうね。
>
> ヤンのゲリラ戦に関しては、ハンニバルのイタリアにおける行動をモデルに考えているのですが、ヤン側に人的被害は出ないのでしょうか?
> 辺境であちこち解放してヤン陣営に何の利益があるんでしょうか?直ぐに帝国に取り戻されるかも知れませんよ?

 繰返しますがクラゲさんの「辺境は放置して拠点防衛」説に合わせているからの「辺境襲撃」であって、そうでないなら「『人民の海』作戦」の標的は「帝国の防備の手薄な所」になるだけです。
 それは補給基地でもかまいませんし、小規模哨戒艦隊であっても良いのです。

> いや、一言で言えば、同盟の帝国大侵攻の時にどんな事態が生じましたか?
> 確かに略奪は行わないでしょうが、食料及び兵器の生産に何らダメージを与えないなら、戦闘継続能力に何の影響も与えられないし、仮に与えたとして財産及び生命に危険を与えるヤン陣営を支持するでしょうか?

 明確に言いますと「『人民の海』作戦」とは「『帝国の威信』に対する嫌がらせ」であり、最終目標は「ヤン不正規隊討伐に関する手詰まり状態を意識させ、帝国から外交的妥協(民主共和制自治区の容認など)を引き出す事でしょう。
 故に「継続した嫌がらせを無限補給に任せて延々行なう」事が肝要であり、戦果事態は些やかな、もしくは最低限の示威行為にさえなっていればそれで充分なのです。
 元よりヤン不正規隊にした所で、どう知恵を絞っても「帝国の妥当」までは限りなく不可能に近い夢物語なのですから。

> それにプロパガンダ戦が得意な奴っていましたっけ?
> しかし、確かにヤンならなんとかするような気もしますが。

 そういう訳でヤンかバグダッシュがそれらしい事を考えるか、場合によってはアッテンボローやポプランの悪ノリに任せた宇宙義賊的口上でも差し支えないと言えます。

収録投稿585件目
board4 - No.8304

Re:イゼルローン論争

投稿者:クラゲ
2010年01月22日(金) 00時50分

これまた、現実を下に考えるようで良くないと思いますが、帝国の威信云々を考えるならば、そういう一私人のテロ行為に対して外交的妥協をしてはならないと思います。

ヤンが演説やら政治的配慮やらがうまければ多少は出来るかなと思いますが。

僕自身は同盟の侵攻失敗以後は移動要塞なんて夢のようなものがあろうと、逆立ちしたって勝利も外交的妥協も有り得ないと思っております。

ボリビアで似たような事をして結局死んだ奴がいるので、そんなうまくいくかな?と思ってます。

収録投稿586件目
board4 - No.8306

Re:イゼルローン論争

投稿者:S.K
2010年01月22日(金) 01時42分

> これまた、現実を下に考えるようで良くないと思いますが、帝国の威信云々を考えるならば、そういう一私人のテロ行為に対して外交的妥協をしてはならないと思います。

 ベトナム戦争のベトコンはテロリストですか?
 第二次大戦の中国共産党やフランスのレジスタントはテロリストですか?
「『人民の海』作戦」はつまりそうした抵抗活動なのでこれをテロと言うなら「クラゲさんのお考えは了解しました、私は必ずしも同意いたしませんが」で終了になります。

> ヤンが演説やら政治的配慮やらがうまければ多少は出来るかなと思いますが。

 まあ成功してからがヤン達はキツいでしょうね。
 むしろその政治向きはアッテンボローあたりの方が期待が持てますが。

> 僕自身は同盟の侵攻失敗以後は移動要塞なんて夢のようなものがあろうと、逆立ちしたって勝利も外交的妥協も有り得ないと思っております。

 フィンランドは綱渡りで冬戦争を戦い抜き旧ソ連から国家の独立を守り抜きましたが、これをどう説明します?
 そもそも「作戦目的」と「実際の展開」を混同しないでいただけますか?

> ボリビアで似たような事をして結局死んだ奴がいるので、そんなうまくいくかな?と思ってます。

 むしろどうイゼルローン移動要塞を擁するゲリラ艦隊を壊滅あるいは完封するのか伺いたい所です。
 それと「回廊の戦い」と同等かそれより目がないと言われるならその論拠も。
 もうひとつ、煙に巻く意図がないのなら、ハンニバルがイタリアでどういう状況にあったのか、ボリビアで誰がどうしくじったのか、さわり程度にでも具体的な提示がないのは困ります。

収録投稿587件目
board4 - No.8307-8308

Re:イゼルローン論争

投稿者:クラゲ
2010年01月22日(金) 12時40分

>  ベトナム戦争のベトコンはテロリストですか?
>  第二次大戦の中国共産党やフランスのレジスタントは
> テロリストですか?
> 「『人民の海』作戦」はつまりそうした抵抗活動なので
> これをテロと言うなら「クラゲさんのお考えは了解
> しました、私は必ずしも同意いたしませんが」で終了に
> なります。

それでは、ヤン提督は帝国にとって旧日本軍やアメリカのような正規軍の敵が存在すると想定しているのでしょうか?
あるいは、箝口令が敷かれていても反体制的な報道を行えるマスコミが存在し、かつ支持率いかんによっては体制維持が困難になるような制度を帝国が持っていると想定しているのでしょうか?
あるいは、帝国の正規軍が裏切ってヤンの味方をするとか?
また、民衆の援助をどの程度得られるとお考えでしょうか?
ラインハルトが悪政を敷いていて、かつ国際社会から孤立している場合、亡命も考えられますが?
あるいは、何か僕の知らないゲリラの強みがあるのでしょうか?
勝算のないゲリラなんてテロと同じと愚考致しますが、違うのでしょうか?

> > 僕自身は同盟の侵攻失敗以後は移動要塞なんて夢のようなものがあろうと、逆立ちしたって勝利も外交的妥協も有り得ないと思っております。
>
>  フィンランドは綱渡りで冬戦争を戦い抜き旧ソ連から国家の
> 独立を守り抜きましたが、これをどう説明します?

すみません、忘れてました。しかし、ソ連のような政治的状況が帝国にあるのでしょうか?

>  そもそも「作戦目的」と「実際の展開」を混同しないで
> いただけますか?

そうですね、おしゃる通りです。僕の悪い癖ですね。

> > ボリビアで似たような事をして結局死んだ奴がいるので、そんなうまくいくかな?と思ってます。
>
>  むしろどうイゼルローン移動要塞を擁するゲリラ艦隊を壊滅
> あるいは完封するのか伺いたい所です。

スマートでない最悪な勝ち方なら想像出来ます。3個艦隊で重要な拠点を守り、反ヤン報道を行い、ヤン陣営の人的消耗を待つ。
ラインハルトならもっとスマートにやるんでしょうが。

>  それと「回廊の戦い」と同等かそれより目がないと言われる
> ならその論拠も。

こればっかりは不信に思っているとしか言いようがありません。

>  もうひとつ、煙に巻く意図がないのなら、ハンニバルが
> イタリアでどういう状況にあったのか、ボリビアで誰がどう
> しくじったのか、さわり程度にでも具体的な提示がないのは
> 困ります。

説明力がないので、調べ頂けると嬉しいのですが、どちらも敵中に孤立して、多くの支持も得られず、補給も出来ず、苦戦を強いられましたよね?
物的補給は出来ても、人的補給は出来ないと考えていますが?
ヤン提督が行ったら神の祝福によって、そこの住民は常に大歓迎、戦闘でも被害を出さずに圧勝、人的補給も出来るって言うなら、勝てると思いますよ?

最初から逃げるか地下教会化した方がまだましと思います。

チェ・ゲバラとハンニバルです。

収録投稿588件目
board4 - No.8310

Re8298/8307:移動要塞のゲリラ戦について

投稿者:冒険風ライダー(管理人)
2010年01月22日(金) 20時39分

<帝国が完全にヤンがどこにいるか把握出来ると思ってません。ただ要塞の移動速度に限りがある場合、大体どこまで行けるか予測出来ると思います。
その周辺に艦隊を展開すれば、ヤン陣営に人的被害が出るのは免れないと思い、ベテランに直ぐにはなれないのでやがて熟練度が下がって行くと思いました。>

 ですから、それができるのであれば原作の「正規軍によるゲリラ戦」だってあそこまで苦戦はしていないと前の投稿でも述べていますし、ヤンを炙り出すために同盟領84箇所の補給基地を全部潰すといったローラー作戦のごとき意見が飛び出すようなこともなければ、ラインハルトが首都を攻撃することでヤンが誘き出されることから始まったバーミリオン会戦が成立することさえもそもそもなかったはずなのですけど。
 それに「ヤン陣営に人的被害が出るのは免れない」「人的補給ができない」という条件は原作の回廊の戦いでも全く変わることなく存在しているではありませんか。あの絶望的な状況から考えれば、人的被害はむしろ回廊の戦いの方が、それも短期間で飛躍的かつ致命的なレベルにまで増大することが最初から目に見えていることであるはずなのですが、それについては問題ないとでも言うのでしょうか?

<トールハンマーの射程内に入らないように艦隊を付かず離れずに、また重要な拠点だけ守り、辺境は防衛しない方針をとると思います。>
<スマートでない最悪な勝ち方なら想像出来ます。3個艦隊で重要な拠点を守り、反ヤン報道を行い、ヤン陣営の人的消耗を待つ。>

 これなんですけど、まず「3個艦隊で重要な拠点を守り」という時点ですでにほとんどの帝国領土を放棄しているも同然であることを理解していますか? 帝国とて無限の艦隊戦力を持っているわけではなく、特に正規艦隊は全軍通じて12~15艦隊あるかどうかといったところでしょう。その状態で3個艦隊も重要な拠点に割り振っていたら、帝国側が守れる拠点というのは実質4~5箇所がせいぜいといったところになってしまいます。
 これを今の日本でたとえれば、東京・大阪・名古屋・札幌・福岡およびその近辺以外の都市および地域は全て敵の手に委ね、破壊・殺戮されるがままに放置する、と言っているようなものです。どう考えても「見捨てられる領域および人間」の方がはるかに多くなりますし、また帝国軍が守っている地域が安全であることが分かりきっていれば、そこに向けて難民が大挙して殺到する、といった事態も考えられるでしょう。これだけでも大変な政治的混乱が予想されますし、場合によっては帝国領内における帝国の実行支配そのものが崩壊してしまうケースも想定しえます。
 そして帝国側がそれを避けようと守備拠点を増やしたり、割り振られた戦力の守備範囲を拡大しようとしたりすれば、今度は兵力分散の愚を犯すことになり、移動要塞側の各個撃破の好餌にされてしまいます。複数の拠点防衛と戦力集中のどちらを優先するかという二律背反的な状況に帝国軍を追いやれる、というだけでも、ヤン側にとっては大いに有利な要素となります。
 核の応酬で自国の国民どころか人類全体の半分以上が死に絶えることが目に見えていた核戦争は、「あの」アメリカや一昔前の旧ソ連でさえも回避に必死になっていましたし、それに匹敵するだけの深刻な脅威を帝国側に与えられるからこそ、移動要塞を駆使したゲリラ戦というのは、すくなくとも「あの」回廊の戦いなどよりもはるかに有効な戦略だと私は主張するわけですが、それを否定できる根拠は何かお持ちなのでしょうか?

収録投稿589件目
board4 - No.8311-8312

Re:Re8298/8307:移動要塞のゲリラ戦について

投稿者:クラゲ
2010年01月22日(金) 22時26分

まとまった正規軍が存在しない以上探す時間は十分あると思いますが?
それに僕は回廊の戦い自体肯定的ではありません。いや、アニメで見た当時は感動しましたけれども。
一番が逃げる事で、二番が地下に潜伏する事で、その下に回廊の戦いとゲリラ戦だと正直言えばそう思うのです。
ゲリラ戦は民衆にどの程度の被害を出させるか想像も出来ないし、それなら負ける可能性が高く、約束を守るかどうかわからない回廊の戦いの方がまた犠牲はヤン陣営だけで済みます。

ヤン提督が虐殺すれば、ブラウンシュバイク公の二の舞になるだけだと思いますが?
しない可能性が否定出来る訳ではありませんが。
領民にとって非常に過酷な事を言うようですが、民兵組織を作る事を認める代わりに自衛せよと命じますかね。

これといった根拠は正直ありませんが、純粋にゲリラ戦のみで民衆から黙認されている統治者に勝った例を寡聞にして聞きません。
ソマリアやらアフガニスタンはそうでしたかね?

第一、移動要塞を持つ私集団に譲歩する事の意味を理解してますか?
例え、要塞建設に莫大な費用がかかるとしても、それを持つ集団が現れる度に帝国が譲歩しなければならないと思いますが?
それで譲歩を得られるならば得ようとする集団がまた増えるでしょう?
脅威に思うからこそ、必ず沈めようとすると思います。

銀英伝考察3の関連リンク一覧

銀英伝考察シリーズ 本文全一覧

mixiチェック