同盟軍がイゼルローン要塞を移動要塞にしなかったのは危険が大きいからではないでしょうか。原作でもたしかうまくいかないと消滅する危険があるといっていたと思います。帝国軍ならまあガイエスブルグ要塞の時のデーターがありますからまだ良いですが
同盟軍は当然一からはじめることになります。同盟軍はイゼルローン要塞消滅という事態を招きかねないこのような計画を実行できなかったのではないでしょうか?帝国軍はガイエスブルク要塞が消滅しても別の要塞で実行するか別の作戦を考えればよいですが、同盟軍はまイゼルローン要塞消滅という事態になったらそれは即国家存亡の危機に直結します。
それに私は移動要塞がそんなに自由に運用できるものなのか疑問に思います。消滅の危険が一度の移動成功で払拭されたかどうかわからないからです。イゼルローンにただ移動できれば良いのと艦隊のように自由に運用できるのとはイコールでは無いように思います。
それに移動要塞は原作でもわかる通り移動中に攻撃されると意外ともろいもののようです。
あくまで移動要塞は要塞攻撃用の攻城兵器としてのみ有効なものだと思います。
> 『ある新技術により、従来の技術の適用範囲を4,000万倍に拡大できた』ことが事実であっても、それは『その技術を使えば適用範囲を8,000万倍、12,000万倍に拡大できる』ことを証明した事にはなりません。『従来の範囲を何倍に拡大したか』ということと、『その技術自体の限界はどこにあるのか』ということは、本来、全く別の問題だからです。
> パンツァーさんはこの二つを同一視して『可能に見えてきますよ』の一言で済ませていますが、これがその感覚的な一言で済ませられる問題なら、証明のための理論も実験も必要なくなり、科学者も技術者も随分楽になると思います。
上の記述は、Nightさんの主張の核心部分でしょうから、これに基づいて、回答してみましょう。
後部に「証明のための理論も実験も必要なくなり」とありますね。ワープ移動に関する問題でも、理論部分と、実践部分(実験部分)とを、分けて考えた方が良さそうです。
作品の設定において、ワープ移動は、理論的には、質量の大小によらず成立するように描かれています。
(a)銀英伝3第四章Ⅲの冒頭で、「要塞を移動させることに関しては、技術上、なんら問題は無い。解決すべき点は、質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」と、シャフト技術大将が述べています。補足的に、考えられる理論上の問題として、「時空震の発生による影響」と、「12個のワープエンジンの同時作動の可否」と、が上げられています。
(b)銀英伝3第四章Ⅱの末尾付近に、ラインハルトの発言として、「(中略)シャフトは自信満々だが、この計画の困難は発案より実行にあるのだ。(以下略)」とあります。
前回私があげた、コロンブスの話と同様の記載ですね。
上の二発言は、ガイエスブルグ要塞級の質量が、ワープ移動の限界であることを示唆するような内容を含んでおりません。「質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」を、素直に取るのが、作品上の設定を前提とするならば自然でしょう。
Nightさんの主張がイマイチよくわかりませんが、例えば、艦船級(100トンクラス)の質量からガイエスブルグ要塞程度の質量(40兆トン)までは、ワープ移動は成立するが、それ以上(イゼルローン要塞)などは、不明確である、と言った感じに見受けられます。
しかし、上にあげた作品の自然な解釈を無視するならば、艦船級から40兆トンまでの個々の質量の場合にしても、ぜんぜん、何も言いえなくなってしまうわけです。そんなことは作品には書いてないぞ、と。私が例にあげている同盟軍によるフェザーン侵攻作戦の可能性が危うくなる所以です。
つまり、上の作品中の二発言に対して、「質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」を、あくまでガイエスブルグ要塞にのみ適用可能なものであって、ワープ移動一般に関する理論ではない、と解釈するのであれば、「我々はワープ移動なるものがどんなものか分からない以上、何もいえないことになる」という結論に至らざるを得ないものと思います。
再び本論に戻りますが、
ワープ移動を一般化する理論として、質量の大きさが(大きく)変動すべき場合に考慮すべき点は、「質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」ということです。
一方、この一般原則を破りかねない別の理論として、同じく前記(a)の引用部分に、「時空震の発生による影響」と、「12個のワープエンジンの同時作動の可否」と、が上げられています。
つまり、以下の三点くらいが、作品で設定されている理論部分です。
(1)質量に応じたエンジン出力を用意すること
(2)必要なエンジン出力を確保する際に複数のエンジンが必要であれば、同時作動を実現すること
(3)エンジン出力に応じて発生する時空震の影響が、許容範囲であること
一方、実践部分です。
ガイエスブルグ要塞に関しては、帝国軍は、実験を行ってみました。それは首尾よく成功を収めたわけです。
私が延々主張している「技術上の困難」とは、この実践部分の困難に過ぎません。
> その危険度はワープ対象の質量が増加すると、どのように変化するのか?
> (一定値? 比例関係? 指数級数的? それ以外?)
Nightさんは、質量増大における困難度の増加は、必ずしも一次比例の関係ではあるまい、と述べていますが、質量増大に応じて困難度が増す、という関係自体は、作品の各部の記述を見ても、成立するものでしょう。
そこで、私は、質量増大に応じて、(実践における)技術上の困難度が増すであろう、という前提を打ち立てました。
帝国軍が艦船級の質量体よりガイエスブルグ要塞をワープ移動させた困難度(以下、ガイエスブルグ要塞の困難度)と、
同盟軍が艦船級の質量体よりイゼルローン要塞をワープ移動させる場合の困難度(以下、イゼルローン要塞の困難度)とを、
比較してみることにしたのです。
再掲載しませんが、艦船級の質量体を100万トン程度とした前提での概算で、
ガイエスブルグ要塞の困難度に比して、イゼルローン要塞の困難度は、無視できるほど小さい(0.0001%程度の困難度)、と述べたのです。逆に言えば、帝国軍が抱えていたのと同程度のリスクで、同盟軍が、イゼルローン要塞のワープ移動が可能であろう、と見積もれるのです。
Nightさんの主張に、「従来の技術の適用範囲を4,000万倍に拡大できた」とありますが、これはあくまで、実践部分の話なのです。
言うなれば、理論的には成立しているが、実践が伴っていない、というだけの話です。実際にやってみるまで、うまくいかないことがあるのは、当然のことです。
理論的には、ワープ移動の場合、
「質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」
であって、質量増大によっては、「時空震」と、「複数ワープエンジンの同時作動」が、これを脅かす理論となりうる、というだけの話です。繰り返しますが、質量増大によるこれらの困難度の増大は、4000万倍対数倍程度であって、0.0001%程度の困難度でしかありません。
ロケットの理論とか、原子力(潜水艦の)エンジンとかは、理論的には、半世紀以上も昔から成立しているわけですが、わが国では、失敗続きですね。これは、この種の分野に進出するのが遅く、人材の育成やデータの蓄積等の問題があるのでしょうが、そもそも、理論的に無理があるわけではありません。理論を見つけ出すための実験を行っているわけでは、断じてないのです。理論を実践レベルに引き上げるための実験を行っているのです。
今回の要塞級質量体のワープ移動に関しても、帝国軍は、仮説の立証のために実験を行ったのではなく、理論を実践レベルに高めるための小実験等を行った後、兵器として活用可能な実践を行ったわけです。
仮説の検証のための実験ではなく、理論を実践レベルで生かす場合に発生する困難の排除、が行われたのです。
『その技術自体の限界はどこにあるのか』という問いに対しては、以上述べたように、作品設定を自然に解釈すれば、ワープ移動に関しては、そんな限界は設けられていない、という回答を提出します。ただ、質量増大に応じて、上の(2)(3)の理論の影響が、あまりにも大きく響く場合と言うのは、ありえるでしょうが。
どうも、Nightさんの主張は、作品設定を無視しているように見受けられますが、如何でしょうか?
> ご自身も指摘されている通り、「作中には、ヤンが、イゼルローン要塞の移動化を検討したところが全く無い」と言うのが要点ではないでしょうか。
ご指摘のように、
この部分が要点です。
> ヤン一党がイゼルローンを移動化させ得る可能性は無かったと考えるのが自然だと思われます。好意的に解釈するなら移動化の検討を行うのも技術的な困難性から選択肢となりえなかったと思われます。
ここなんですけど、
作中に、検討が行われた節がまったくないので、
ヤンの怠慢、と言う結論は動かないのではないか、と思います。
主張が良く分からないとのことですので、結構長くなりますが、私の考えについてまとめてみます。
命題には真偽の判定が容易なもの(例えば、作中にはっきりとそれに関する記述があるもの。『ヤン・ウェンリーは男である』は真)もありますが、簡単に真偽を判定できないものもあります。その例として、『同盟によるフェザーン侵攻は可能である』という命題が挙がっています。実際に同盟艦隊がフェザーンにワープした事実はない。だったら、本当に可能かどうかは分からないであろう、と。
このような命題に関しては、"確からしさ"で重み付けされた手持ちの判断材料を、天秤の真偽の皿に乗せていくことになります。最終的な判断は、真と偽のどちらが重いかと、天秤の傾き具合によって決められることになります。
同盟によるフェザーン侵攻の命題ですが、真の皿に乗せられる材料として、『帝国艦隊も民間船も、実際に同盟とフェザーンの間を行き来している』というはっきりとした作中事実があります。これは、完全に確かな"重い"知識です。逆に、偽の皿に乗せられる材料は全くと言っていい程ありません。よって、天秤は真の方に大きく傾き、この命題には、『ほぼ確実に真』という判定を下す事ができます。この判定は余程のことが無い限り覆ることのない、信頼できるものです。
次に、『艦船級から40兆トンまでの個々の質量もワープ可能である』という命題について判定します。
我々は理論も実験データも持たないので、ワープの詳細を知りません。いくつかの作中事実からそれを類推するだけです。この命題の場合、艦船とガイエスブルクがワープ可能であること、および、一般的に、技術的な問題の難易度は扱う対象の規模と相関関係にあるということから、『軽い物と重い物の両方をワープできるなら、その中間の重さの物もワープできるだろう』という推論は、ある程度の確からしさで言えると思われます。これは真の皿に乗せられる"やや重い"材料です。逆に、偽の皿に乗せられる材料は特にありません(中間の質量だけワープできないと考える理由も特にありませんから)。よって、天秤は真の方に傾き、この命題には、『おそらく、真』という判定を下す事になります。ただ、こちらの結果は先のフェザーン侵攻の命題とは異なる点があります。真の皿に乗せた材料は"やや重い"程度のものですので、何かのきっかけで偽の皿に乗せられる"重い"材料が出てきた場合、容易に判断が覆るということです。例えば、『実は、艦船級と40兆トンの間には、どうしても理論的にワープできない質量帯があったのだ』ということが判明したとしても、私は驚きません。不確実な材料を乗せた分、判定の結果が信頼できないものになるのは当然だからです。
以上を踏まえた上で、『イゼルローン要塞もワープ可能である』という命題について判定します。
先程使った『軽い物も重い物もOKだから、中間の重さの物もOK』という推論は、もう使えません。ガイエスブルクより重い物がワープした確かな事実がないからです。結局、真の皿に乗せられるのは『ガイエスブルクはワープできた』という、この件についてはわずかな重さの材料だけです。ただ、偽の皿に乗せられる材料もあまりありません。そちらには『一般的に、技術的な難易度は扱う対象の規模に従って増大する』という推論が乗ることになりますが、ワープの詳細が良く分からないので、これがどの程度の重みを持ってのしかかってくるのか良く分かりません。あまりに材料が乏しいので、最終的な判定は不能となります。
私の主張は、『天秤に乗せる重い材料が全く無いか、非常に乏しい時、その判定結果は信頼できない』ということです。
> 作品の設定において、ワープ移動は、理論的には、質量の大小によらず成立するように描かれています。
>
> (a)銀英伝3第四章Ⅲの冒頭で、「要塞を移動させることに関しては、技術上、なんら問題は無い。解決すべき点は、質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」と、シャフト技術大将が述べています。補足的に、考えられる理論上の問題として、「時空震の発生による影響」と、「12個のワープエンジンの同時作動の可否」と、が上げられています。
> (b)銀英伝3第四章Ⅱの末尾付近に、ラインハルトの発言として、「(中略)シャフトは自信満々だが、この計画の困難は発案より実行にあるのだ。(以下略)」とあります。
> 前回私があげた、コロンブスの話と同様の記載ですね。
>
> 上の二発言は、ガイエスブルグ要塞級の質量が、ワープ移動の限界であることを示唆するような内容を含んでおりません。「質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」を、素直に取るのが、作品上の設定を前提とするならば自然でしょう。
はい。これらの発言は、ガイエスブルク要塞級の質量が、ワープ移動の限界であることを示唆するような内容を含んでいません。
ただ、二人が話題にしているのは、今回のガイエスブルク移動要塞化計画の成否についてであり、その焦点はあくまで『ガイエスブルクが本当にワープできるか否か』にあります。彼らの発言がいかなる質量に対しても適用可能かについては疑問が残ります。
(ガイエルブルク以外の質量について、例えば上で挙げたような『実は、艦船級と40兆トンの間には、どうしても理論的にワープできない質量帯があったのだ』と言う事実が仮にあったとしても、上記の発言の文脈でシャフトやラインハルトがそれについていちいち細かく言及する意味も必要性もないということです。別に、学生に対して専門の講義をしているわけではないのですから)
この後、困難度の見積もりの話になり、色々な計算がされているようなのですが、その計算の根拠や妥当性が良く分かりません。
今回、パンツァーさんの挙げられている理論に従って単純に考えれば、イゼルローンは36基のワープエンジンでワープさせる事になると思われます。そうなれば「12基のエンジンは同調させられるが、36基のエンジンは同調させられない」というようなリスクが出てくることが考えられるわけですよね。
このような事態が起こるリスクを、パンツァーさんは4000万倍対数倍程度であると言い、0.0001%程度であると言っていますが、何故、そうなるのかが私には良く分かりません。
(戦艦と要塞の質量比と、複数のエンジンが同調できるか否かという確率との間に、どういう関係があるんですか? 普通、無関係だと思うんですが……)
できれば、このように考えられる根拠について、もう少し詳細を教えてください。そうでないと、何とも申し上げられません。
> 今回の要塞級質量体のワープ移動に関しても、帝国軍は、仮説の立証のために実験を行ったのではなく、理論を実践レベルに高めるための小実験等を行った後、兵器として活用可能な実践を行ったわけです。
> 仮説の検証のための実験ではなく、理論を実践レベルで生かす場合に発生する困難の排除、が行われたのです。
帝国軍が行っていた実験の詳細は不明です。
実験の結果、得られた事実は『ガイエスブルクをワープさせることはできる』というものであって、その結果がさらに一般的な『いかなる質量の要塞でも、恒久的移動基地として運用することができる』という事実を含んでいたか否かは、分かりません。それを判断するには、実験内容の詳細について知る必要があります。
> 『その技術自体の限界はどこにあるのか』という問いに対しては、以上述べたように、作品設定を自然に解釈すれば、ワープ移動に関しては、そんな限界は設けられていない、という回答を提出します。ただ、質量増大に応じて、上の(2)(3)の理論の影響が、あまりにも大きく響く場合と言うのは、ありえるでしょうが。
その通りです。
ですから、『ガイエスブルク要塞を移動要塞化できた』という事実から、直ちに『イゼルローン要塞も同じ要領で簡単に移動要塞化できる』という結論を導き出すことはできないのです。
大きく響くか、響かないかは、(2)(3)の理論の詳細について知らなければ判定できません。そういうことを、私は当初から主張しているつもりです。
大分長文になりましたが、
主たる要点は、前半部にあります。
以前、冒険風ライダーさんが指摘されていましたが、
作品の解釈は次のようにして行なうべきものです。
(1)SFであっても、基本的には現実の我々と同じ世界の物語である。人間の性質や物理法則一般に関してもそのとおり。
(2)作品中で設定されている内容は、(1)の適用の例外事項であって、この例外事項に関しては、当然作品の設定が優先される。
つまり、作品に示唆されていない内容については、現実の我々の世界の内容に準じて考えるのが妥当なのです。
ワープ移動に関する設定をどのように解釈するかを、再び検討してみます。
(a)銀英伝3第四章Ⅲの冒頭の記載
「要塞を移動させることに関しては、技術上、なんら問題は無い。解決すべき点は、質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」
ここで、この検討に先立って、参考のため、「男女雇用均等法」という法律のネーミングの理由を説明しましょう。
(ア)「雇用機会はどの人間にも平等であるべきだ」という命題があります。
(イ)しかし、わが国が男社会であるために、女性の雇用機会が損なわれているという現実があるわけです。
(ウ)そこで、男性だけでなく女性にも雇用機会が与えられるべき、という理由で、「男女雇用均等」を謳う法律が制定されたわけです。
シャフト技術大将が、「要塞を移動させることに関しては、」とわざわざ断ったのは、銀英伝世界の住人にとって、艦船級の質量体のワープ移動は常識であるが、要塞級の質量体の移動は常識ではないからです。
つまり、上の「男女雇用均等法」と対応させて述べると、
(ア)「ワープ移動は、質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」
(イ)しかし、(銀英伝世界の住人に)通常知られているのは、艦船級の質量体のワープ移動のみである。
(ウ)そこで、シャフト技術大将は、ラインハルト等へのワープ移動に関する説明で、「要塞を移動させることに関しては、」とわざわざ断る必要があった。
繰り返しますが、
現実の世界で「男女雇用均等」と謳うのは、「雇用機会はどの人間にも平等であるべきだ」という命題が、現実には男性にしか適用されていないからです。
シャフト技術大将が、「要塞を移動させることに関しては、」とわざわざ断るのは、「質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」というワープ移動の原理が、現実には艦船級の質量体でしか実行されてないからです。
以上を踏まえて、上の(1)(2)の手法に従ってみましょう。
我々の世界のニュートン力学において、「質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」という法則がある。
一方、銀英伝でもワープ移動に関して、「質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」という法則がある。
特定の質量に限定されるような例外事項はどこにも見当たらず、質量一般において成り立つものと解釈するのが自然である。
このように考えないとしたら、要は、結局、作者が設定したわけではない(読者が勝手に設定した)裏設定にも、作品に対して等しく影響力を及ぼすべき、ということになるのですよ。
例えば、以下のNightさんの記載
「例えば、『実は、艦船級と40兆トンの間には、どうしても理論的にワープできない質量帯があったのだ』ということが判明したとしても、私は驚きません。」
これは、上の(1)(2)以外に、
(3)一読者の考えた設定
を、作品の解釈に取り入れろ、といっているに等しいのです。
繰り返しますが、作品で設定されている例外事項を除いては、すべて、現実の我々の世界の法則性を準用すべきなのです。
(3)のような解釈の原則を認めるなら、実は、ヤンやラインハルトは、遺伝子工学で作り出された人造人間だった、とかいう解釈だってできることになりますよ。ヤンやラインハルトが人造人間ではない、と作品中に明言されてないのは、我々の世界の常識を準用して、当然(腎臓でない)自然の人間あることが分かりきっているからにすぎません。
上の解釈の方法論(1)(2)を、読者は作品を読む過程で、一々、実行しながら、読んでいるのですよ。こんなことに疑いを抱く人は、通常いないはずです。
*****
次に、Nightさんの記載を検討していきましょう。
> 私の主張は、『天秤に乗せる重い材料が全く無いか、非常に乏しい時、その判定結果は信頼できない』ということです。
上は、Nightさんの判断基準の説明ですね。
(A)
同盟によるフェザーン侵攻の命題ですが、真の皿に乗せられる材料として、『帝国艦隊も民間船も、実際に同盟とフェザーンの間を行き来している』というはっきりとした作中事実があります。これは、完全に確かな"重い"知識です。逆に、偽の皿に乗せられる材料は全くと言っていい程ありません。よって、天秤は真の方に大きく傾き、この命題には、『ほぼ確実に真』という判定を下す事ができます。この判定は余程のことが無い限り覆ることのない、信頼できるものです。
上の記載を見る限り、Nightさんは暗黙の前提として、次の二つの前提を打ち立てています。
1:作品中で実際にフェザーンに向かわなかった帝国艦艇や民間船も、作品中で実際にフェザーンに到達した艦船と同じ構造をしている。
2:同盟の艦船も、作品中で実際にフェザーンに到達した艦船と同じ構造をしている。
作品中の一体どこに、同盟の艦船が、作品中で実際にフェザーンに到達した艦船と同じ構造をしている(例えば、当然ながら質量の大きさも同じ)、と記載されていますか?
同盟の艦隊がワープを行なっている記載は作品中にありますが、それが例えば作品中に記載のないフェザーンへのワープ移動に関しても、可能であると言い切れるのでしょうか?
「艦船級と40兆トンの間には、どうしても理論的にワープできない質量帯があったのだ」という可能性を認める人が、
「フェザーン行きの航路に関しては、同盟の艦艇では、どうしてもワープできなかったのだ」
という可能性を、どうして否定できるのでしょうか?
繰り返しますが、
「作品中で実際にフェザーンに到達した帝国艦艇や民間船」と「同盟の艦船」との間の関係に問題がないことを証明しない限り、
「作品中で実際にフェザーンに到達した帝国艦艇や民間船」の例がいかに多数存在しようとも、
なんの参考例にもなりませんよ。
ちなみに、私は、
上の解釈の方法論(1)(2)にしたがって、
ワープ移動は「質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」という原則を守る移動体(艦船)であれば、なんでも基本的にワープ移動可能であると見ているので、航路に限定されることも当然なく(フェザーン行きの航路であろうがなかろうが)、作品中に実行例がなくても、「同盟の艦船がフェザーンに到達できる」と考えます。
上の解釈の方法論(1)(2)を利用しないということが、
どれだけ難しいか、お分かりになるでしょうか?
(B)
> 次に、『艦船級から40兆トンまでの個々の質量もワープ可能である』という命題について判定します。
> 我々は理論も実験データも持たないので、ワープの詳細を知りません。いくつかの作中事実からそれを類推するだけです。この命題の場合、艦船とガイエスブルクがワープ可能であること、および、一般的に、技術的な問題の難易度は扱う対象の規模と相関関係にあるということから、『軽い物と重い物の両方をワープできるなら、その中間の重さの物もワープできるだろう』という推論は、ある程度の確からしさで言えると思われます。これは真の皿に乗せられる"やや重い"材料です。逆に、偽の皿に乗せられる材料は特にありません(中間の質量だけワープできないと考える理由も特にありませんから)。よって、天秤は真の方に傾き、この命題には、『おそらく、真』という判定を下す事になります。ただ、こちらの結果は先のフェザーン侵攻の命題とは異なる点があります。真の皿に乗せた材料は"やや重い"程度のものですので、何かのきっかけで偽の皿に乗せられる"重い"材料が出てきた場合、容易に判断が覆るということです。例えば、『実は、艦船級と40兆トンの間には、どうしても理論的にワープできない質量帯があったのだ』ということが判明したとしても、私は驚きません。不確実な材料を乗せた分、判定の結果が信頼できないものになるのは当然だからです。
まず、
「一般的に、技術的な問題の難易度は扱う対象の規模と相関関係にある」とか、『軽い物と重い物の両方をワープできるなら、その中間の重さの物もワープできるだろう』と述べて、
上の解釈の方法論(1)(2)を利用していますね。
次いで、
「真の皿に乗せた材料は"やや重い"程度のものですので、何かのきっかけで偽の皿に乗せられる"重い"材料が出てきた場合、容易に判断が覆るということです。」と述べていますが、
ここで「やや重い」っていうのは、
(A)の話における参考例(帝国艦船や民間船)の数に比べて、(B)の話の参考例は少ない、という意味なんでしょうね。
まあ、それはよいとして、
「何かのきっかけで偽の皿に乗せられる"重い"材料が出てきた場合」
これが問題です。
作品の設定の対象は、外伝をどうするかという話もありましたが、基本的に銀英伝全10巻です。今後、新たな判断材料が出現することはありません。したがって、「何かのきっかけで偽の皿に乗せられる"重い"材料が出てきた場合」以降の記載は、無意味です。
(C)
> 先程使った『軽い物も重い物もOKだから、中間の重さの物もOK』という推論は、もう使えません。ガイエスブルクより重い物がワープした確かな事実がないからです。結局、真の皿に乗せられるのは『ガイエスブルクはワープできた』という、この件についてはわずかな重さの材料だけです。ただ、偽の皿に乗せられる材料もあまりありません。そちらには『一般的に、技術的な難易度は扱う対象の規模に従って増大する』という推論が乗ることになりますが、ワープの詳細が良く分からないので、これがどの程度の重みを持ってのしかかってくるのか良く分かりません。あまりに材料が乏しいので、最終的な判定は不能となります。
(B)で
「一般的に、技術的な問題の難易度は扱う対象の規模と相関関係にある」とか、『軽い物と重い物の両方をワープできるなら、その中間の重さの物もワープできるだろう』
という推論が、「ある程度の確からしさで言えると思われ」ると、
Nightさんはしていました。
要は、質量によらずワープできる、といっているのです。
それならば、
「軽い物で成り立ち、重い物でも成り立つ場合、その重いものより若干重いものでも、ワープできるだろう」
という推論も、
「ある程度の確からしさで言えると思われ」ると思いますね。
が、まあ、このような推論自体が、
すでに、上の解釈の方法論(1)(2)を適用している結果なんですよ。
ワープに関しても、ワープという超絶的な移動結果については未知としても、ワープ移動を可能とする要件(質量とか、エンジン出力とか)については、現代の物理学を準用して考えているのです。
Nightさんにおいても。
あと、重要と思われる点を、数点回答していきます。
> この後、困難度の見積もりの話になり、色々な計算がされているようなのですが、その計算の根拠や妥当性が良く分かりません。
> 今回、パンツァーさんの挙げられている理論に従って単純に考えれば、イゼルローンは36基のワープエンジンでワープさせる事になると思われます。そうなれば「12基のエンジンは同調させられるが、36基のエンジンは同調させられない」というようなリスクが出てくることが考えられるわけですよね。
この点なんですけど、過去ログにもこのような話がありますが、イゼルローン要塞の場合、36基必要かどうかは不明ですよ。
1基の出力限界が本当に3.3兆トンなのでしょうか?
3.3兆トン以下の質量体だったら、1基のワープエンジンで済むというのも、変な感じがします。
作品中には、推進力は、質量の重心位置を貫かなければならない、という話はありましたので、12基というのはあるいは姿勢制御用に必要な話かもしれないのです。ワープエンジンは通常エンジンとしても使用できるようですから。
それに、艦船に搭載するワープエンジンと、要塞に搭載するワープエンジンとは、規格が異なるのではないか、とも思えます。質量に応じて、高出力のワープエンジンを作ったのかもしれませんし。
したがって、はっきり言いえるのは、
質量増大の大きさに応じた困難度があるのではないか、ということです。
上の話も、36基対12基だとしたら、単純に考えたら、3倍の困難度ということになりますね。結局、困難度を、質量の増大による一次比例的に、捉えていることになるわけです。
しかし、その前に、4000万倍の困難度を、やすやすと帝国軍はクリアしているわけですから、さらに3倍程度困難度が増したって、しれていると思いますよ。
私が艦船級の質量(100万トンクラス)と、要塞級の質量(40兆トンくらす)とを、技術的困難の比較基準としている理由も、このようなところです。
> > 『その技術自体の限界はどこにあるのか』という問いに対しては、以上述べたように、作品設定を自然に解釈すれば、ワープ移動に関しては、そんな限界は設けられていない、という回答を提出します。ただ、質量増大に応じて、上の(2)(3)の理論の影響が、あまりにも大きく響く場合と言うのは、ありえるでしょうが。
>
> その通りです。
> ですから、『ガイエスブルク要塞を移動要塞化できた』という事実から、直ちに『イゼルローン要塞も同じ要領で簡単に移動要塞化できる』という結論を導き出すことはできないのです。
> 大きく響くか、響かないかは、(2)(3)の理論の詳細について知らなければ判定できません。そういうことを、私は当初から主張しているつもりです。
(2)(3)の理論とは、
複数エンジンの同時作動の話と、時空震の話でしたが、
どちらも質量の大きさに比例する話ですね。
私が言っている「大きく響く場合」とは、
例えば、艦船級から要塞級のように、4000万倍も質量が増大する場合を指すのです。
もちろん、上の話を離れて一般的な話であれば、数倍程度で「大きく響く場合」も当然あるでしょう。数倍程度で「大きく響く場合」のであれば、4000万倍も質量が増大する場合は、まったくお話にならないというだけの話です。
逆に、4000万倍も質量が増大して問題がないのであれば、数倍程度で大きく響くわけがない、のです。
このような推論は、皆、上の解釈の方法論(1)(2)にしたがってのものです。
> 『その技術自体の限界はどこにあるのか』という問いに対しては、以上述べたように、作品設定を自然に解釈すれば、ワープ移動に関しては、そんな限界は設けられていない、という回答を提出します。ただ、質量増大に応じて、上の(2)(3)の理論の影響が、あまりにも大きく響く場合と言うのは、ありえるでしょうが。
上に反論するため、一つの思考実験を組み上げましょう。そして、『シャフト方式の大質量ワープでは、ある臨界点より大きな質量をワープさせることはできない』ということを証明して見せます。
(ただし、No.6161の計算同様、ここから先は大質量ワープの詳細に少し踏み込んだ話になるので、私の推測が幾分混じっています。その意味で、厳密に言えば"証明"ではなく"推論"になりますが、かなり確度の高い推論であろうと私は考えています)
本編に以下のような記述があります。これは、恒星アムリッツァ近辺で行われたアムリッツァ会戦の一場面です。
(以下、銀河英雄伝説1巻黎明編の第9章Iより。徳間ノベルスだと1巻P225下段)
<キルヒアイス艦隊の急行動を見て、その進行方向に居あわせた同盟軍の戦艦がパニックに襲われ、大質量のちかくであるにもかかわらず、跳躍したのである。
必ずしも珍しいことではなかった。逃走不可能を知った宇宙船が、確実な死より未知の恐怖を選んで、進路の算定も不可能なまま亜空間へ逃げ込んでしまうのだ。逃走ができぬとあれば、降伏という方法もあり、その意思を示す信号も定められているのだが、逆上した者は、それに気づかない。亜空間に逃げ込んだ人々がどのような運命に迎えられたか、それは死後の世界について定説がないのと同様、誰も知らなかった。>
上の記述から、『大きな質量の近くでは正しくワープを行うことができない』ということが分かります。SFでは時々見かけられる設定ですが、銀英伝のワープもこれを踏襲していると言うことです。
すると、以下のような思考実験が成立します。
(1) ワープ対象となる大きな質量を用意する。
(2) シャフト方式の大質量ワープを行うため、質量の表面に複数のワープエンジンを取り付け、同時起動させる。
(3) しかし、これらのワープエンジンは必然的に『大きな質量の近く』で動作することになる。よって、最初に用意した質量がある程度以上大きい場合、ワープを正しく行うことはできず、大質量ワープは失敗する。
以上、証明終わり。
あるいはこう言い換えても良いでしょう。『大質量をワープさせるためには、正確なワープが必要である。しかし、大質量はそれ自身が正確なワープを阻害する要因である。よって、大質量ワープとは本質的に自己破壊的な要素を抱えており、質量がある臨界点を超えた時点で自己破綻してしまう』と。このような臨界点が存在することは、上の証明に従う限り、確実です。
この臨界点が具体的にどの程度の値かを計算するためには、『質量の大きさによってどのようにワープの正確さが変動するか』と、『大質量ワープに必要なワープの正確さ』について具体的に知る必要があります。それは我々には手の届かぬ領域の知識なので、計算は不可能です。それがガイエスブルクの質量以上、恒星アムリッツァの質量以下に存在するという以上のことは分かりません。
この話は、いくつかの興味深い示唆を与えてくれます。
第一に、シャフトもラインハルトも、上記の臨界点の問題について特に発言で触れていないということです。特にシャフトはこの問題について当然知っているはずなのに、何も言っていない。彼は嘘をついたのでしょうか。
そうではありません。今回のガイエスブルク計画とは直接の関係がないと思ったから、あえて口にする意味も必要も感じなかった。その解釈で充分でしょう。
そもそも、個人の一言、二言の発言から、科学、技術の全容を読み取ろうとすることに無理があるのです。シャフトの発言が厳密には正しくなくても、この点で彼を責めるのはお門違いというものです。
第二に、この問題は『解決すべき点は、質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである』という主張が間違っていることを示しています。この問題の原因は、質量とエンジン出力の関係ではないからです。その証拠に、どれだけたくさんのエンジンを使おうと、どれだけ高出力のエンジンを使おうと、この問題は解決できません。
また、この問題はエンジン同調の問題でも、時空震の問題でもありません。よって、冒頭の『限界は設けられていない』というパンツァーさんの主張は誤り、となります。
第三に、この問題は、素人考えでは理論的に正しそうに見えても、実際には見落としていることがあるということの実例です。私は、当初、このような問題がありうるということに全く気がついていませんでした。それは、パンツァーさんも同様でしょう。結局、専門家でない我々には良く分かっていないのです。ワープが実際どういうものかも、それが抱える問題も。
言うなれば、それは、航空力学も実際の飛行機もほとんど知らぬ素人たちが、飛行機について議論しているようなものです。それまで模型飛行機しか知らなかった人々が、いきなり数百トンもの実用機を見せられ、「さあ、この3倍の大きさの実用機は、飛べるか飛べないか」と聞かれたとします。どう答えるか。
実際に3倍の飛行機が飛べるか飛べないかを判定するには、航空力学と実験の助けを必要とします。少なくともそこで『いや、模型飛行機の数千万倍の重さの実用機が飛べるなら、その3倍程度の実用機が飛べない確率は0.0001%です』などと言ったところで、その見積もりが正確である可能性など、万に一つもないでしょう。
我々に可能な唯一の答、それは、『いや、我々は飛行機について詳しいことは知らないので、飛べるかどうかは分かりません』というものではないでしょうか。
横から失礼します。
>『解決すべき点は、質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである』という主張が間違っていることを示しています。
「要塞に関しては」間違っていることを示しているとは思えません。
「要塞を移動させることに関しては、技術上、なんら問題は無い。解決すべき点は、質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」
この発言を見る限り、「臨界点」というのは要塞の質量をはるかに越えたところに有ると考えるのが自然では?
理論上の臨界点がイゼルローン要塞以下の質量だというのなら、実際にやってみたら、ガイエスブルクの質量でもワープできない可能性はありますよ。
それにもかかわらず一言も言及してないとは思えません。
それに、「臨界点」があることの証明がまったくされていません。
「臨界点」という以上ある質量を越えた物体が近くにあると、例えそれが1gでもワープできないということになりますが。
ただ単に、大質量が近くにあるとワープが困難になり、恒星クラスだと不可能という話かもしれません。
そして、後者なら、イゼルローンがワープできないということは、ガイエスブルクのワープが非常に危険かつ困難ということになると思うのですが。
ちなみに地球と太陽の質量を比べた場合地球の質量は「無視できるほど」小さいです。
太陽は1.989×10の30乗Kg
地球は5.972×10の24乗Kg
> >『解決すべき点は、質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである』という主張が間違っていることを示しています。
>
> 「要塞に関しては」間違っていることを示しているとは思えません。
>
> 「要塞を移動させることに関しては、技術上、なんら問題は無い。解決すべき点は、質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」
>
> この発言を見る限り、「臨界点」というのは要塞の質量をはるかに越えたところに有ると考えるのが自然では?
> 理論上の臨界点がイゼルローン要塞以下の質量だというのなら、実際にやってみたら、ガイエスブルクの質量でもワープできない可能性はありますよ。
> それにもかかわらず一言も言及してないとは思えません。
この話はパンツァーさんの主張への反論から始まっています。
パンツァーさんの元々の主張とは、以下の通りです。
<『その技術自体の限界はどこにあるのか』という問いに対しては、以上述べたように、作品設定を自然に解釈すれば、ワープ移動に関しては、そんな限界は設けられていない、という回答を提出します。ただ、質量増大に応じて、上の(2)(3)の理論の影響が、あまりにも大きく響く場合と言うのは、ありえるでしょうが。>
その前の文脈も踏まえて言い換えるなら、
『質量とエンジン出力の関係さえクリアすれば、あとはエンジンの同時作動と時空震の問題が大きく響かない限り、ワープできる質量に限界は設定されていない』
ということになります。
この臨界点の話は、上記の主張へのアンチテーゼです。上の条件を全てクリアしてもなお、大質量ワープが失敗する状況が存在するということを明確にしたかったのです。
> それに、「臨界点」があることの証明がまったくされていません。
> 「臨界点」という以上ある質量を越えた物体が近くにあると、例えそれが1gでもワープできないということになりますが。
> ただ単に、大質量が近くにあるとワープが困難になり、恒星クラスだと不可能という話かもしれません。
> そして、後者なら、イゼルローンがワープできないということは、ガイエスブルクのワープが非常に危険かつ困難ということになると思うのですが。
確かに、「臨界点」というと、その点を超えた瞬間に全てが引っくり返るというイメージになりますが、徐々にワープの危険度が増加していき、最終的にワープ不可能になるという形になるかもしれません。そういう意味では、語が不適切だと思われます。
なお、この臨界点(をどう呼び直すべきか。限界深度?)が具体的にどの辺りになるかは、先に書きましたように計算不能です。
ですが、それがガイエスブルクの質量のかなり近くにあったなら、確かに、シャフトはそれについて発言していたはずと考える方が自然です。ですので、それは、少なくともシャフトが『特に危険はない』と思うくらいには遠くにあるのでしょう。(シャフトがどれだけ安全度を見込んだかは分かりませんが)
> ちなみに地球と太陽の質量を比べた場合地球の質量は「無視できるほど」小さいです。
> 太陽は1.989×10の30乗Kg
> 地球は5.972×10の24乗Kg
はい、こういう話は良く分かっています。恒星アムリッツァの質量が具体的にどれだけかは分かりませんが、それと比べるとガイエスブルクもイゼルローンもおそらく芥子粒よりもはるかに小さく、両者の違いなど微々たるものに見えるでしょう。
ですが、恒星アムリッツァは、あくまで『大質量が近くにあったせいでワープが失敗した』と確認された具体例がこれだけであるというだけなので、実際の下限はもっと下にあってもおかしくありません。
艦船が、惑星の地表上からいきなりワープしないのは、これが原因だと思えなくもないのですが、良く分からない事について語るのは止めておきます。
以下の根拠は、関係があるのでしょうか?
> (以下、銀河英雄伝説1巻黎明編の第9章Iより。徳間ノベルスだと1巻P225下段)
>
> <キルヒアイス艦隊の急行動を見て、その進行方向に居あわせた同盟軍の戦艦がパニックに襲われ、大質量のちかくであるにもかかわらず、跳躍したのである。
> 必ずしも珍しいことではなかった。逃走不可能を知った宇宙船が、確実な死より未知の恐怖を選んで、進路の算定も不可能なまま亜空間へ逃げ込んでしまうのだ。逃走ができぬとあれば、降伏という方法もあり、その意思を示す信号も定められているのだが、逆上した者は、それに気づかない。亜空間に逃げ込んだ人々がどのような運命に迎えられたか、それは死後の世界について定説がないのと同様、誰も知らなかった。>
ここで言われていることは、単に、
「ワープする質量体の近くに、他の大質量体が存在すると、進路の算定が不可能になる」
ということですよね。
「ワープする主体の質量の大きさが増加すれば、最終的にワープできなくなる」
という結論には、全然ならないと思いますが。
大体、相対的な大質量体の影響により、目的地に到達できない、という話であって、ワープそのものが行えないと言うわけではないですね。しかも、逃走中のように時間的余裕が無い場合に、大質量体の影響を加味した航路計算を行い得ないだけの話で、通常(非戦闘時)なら、ワープできるのかもしれません。
> (1) ワープ対象となる大きな質量を用意する。
> (2) シャフト方式の大質量ワープを行うため、質量の表面に複数のワープエンジンを取り付け、同時起動させる。
> (3) しかし、これらのワープエンジンは必然的に『大きな質量の近く』で動作することになる。よって、最初に用意した質量がある程度以上大きい場合、ワープを正しく行うことはできず、大質量ワープは失敗する。
(3)と、恒星アムリッツァとに関して、明らかに異なる状況と言えば、
ワープエンジン付き質量体(ガイエスブルグ要塞等)のワープに際して、
恒星アムリッツァは静止状態にあるのに対して、
各ワープエンジンに対応する部分の質量は、加速状態にある、ということです。
地球は(確か)時速1350km程度で自転していますが、地上の人間は止まっている限り、空気抵抗の影響を受けたりすることはありません。地上の人間が風防のない単車などで走行すれば顔面にもろに風圧を感じますが、これは静止している地球の空気に対して、相対的に、単車上の人間が移動したためです。
ワープエンジンにより加速されている部分の質量の影響と、その外部の静止している質量の影響とは、質的に明らかに異なるのではないでしょうか。
したがって、Nightさんの結論部
> この話は、いくつかの興味深い示唆を与えてくれます。
より続く「第一には」「第二には」の結論は、前提が崩れているので、成り立たないでしょう。
次いで、結論部の「第三には」について
> 第三に、この問題は、素人考えでは理論的に正しそうに見えても、実際には見落としていることがあるということの実例です。私は、当初、このような問題がありうるということに全く気がついていませんでした。それは、パンツァーさんも同様でしょう。結局、専門家でない我々には良く分かっていないのです。ワープが実際どういうものかも、それが抱える問題も。
> 言うなれば、それは、航空力学も実際の飛行機もほとんど知らぬ素人たちが、飛行機について議論しているようなものです。それまで模型飛行機しか知らなかった人々が、いきなり数百トンもの実用機を見せられ、「さあ、この3倍の大きさの実用機は、飛べるか飛べないか」と聞かれたとします。どう答えるか。
> 実際に3倍の飛行機が飛べるか飛べないかを判定するには、航空力学と実験の助けを必要とします。少なくともそこで『いや、模型飛行機の数千万倍の重さの実用機が飛べるなら、その3倍程度の実用機が飛べない確率は0.0001%です』などと言ったところで、その見積もりが正確である可能性など、万に一つもないでしょう。
> 我々に可能な唯一の答、それは、『いや、我々は飛行機について詳しいことは知らないので、飛べるかどうかは分かりません』というものではないでしょうか。
同じだと思いますよ。
はっきり言って、ベースは質量とエンジン出力の関係ですよ。
飛行機の場合は、空気の存在が無視できないですよね。つまり、重力方向については、浮力による影響が、エンジン出力の不足分を補ってくれるわけであり、水平方向に対しては空気抵抗と言う形で、エンジン出力の抵抗となるわけです。この空気抵抗の影響度は、機体形状によっても、変化するものですね。
エンジン出力の増大も一般に可能ですね。これは、プロペラ式や、ジェットエンジン、さらにはロケットエンジンといった、エンジン自体の方式の変更や、同じ方式のエンジンであっても出力に大小を与えることによって、達成されています。
機体強度の問題に関しても、実用性やコストを無視すれば、(質量を増大させることで)いくらでも頑丈に作りうるわけで、それをエンジン出力で補えれば対応できるはずです。
現在の航空機は、重量限界に達しているわけではないでしょう。
コストとか実用性を度外視すれば、三倍どころか10倍でもそれ以上でも、まだまだ重い航空機をいくらでも飛ばせるのではありませんか。
(が、飛行機の底面にズラリと車輪を並べても過重を支えきれないとか言う限界は、容易に起こりうるかもしれませんが)
第二次大戦中、アメリカ軍は、B29(別名:スーパーフォートレス、超要塞)などという爆撃機を製造しましたが、この前身のB17爆撃機などと比べても、倍くらいは重いのじゃないのでしょうか(ちょっと調べきれておりませんが)。
> 実際に3倍の飛行機が飛べるか飛べないかを判定するには、航空力学と実験の助けを必要とします。
これで、十分なんですよ。
この「実験の助け」というのは、なんらかの理論に基づいて作ってみたものが、本当に理論通りに動くかどうかの検証に当たるわけです。
Nightさんが「航空力学」と呼んでいる部分、つまり理論部分で道筋が立てられたなら、あとは実験するしかないのです。
上で述べたとおり、Nightさんの言う「航空力学」上の問題では、別に、3倍どころか10倍でも問題が起こるとは思えないですね。必要なエンジン出力さえ確保できれば。
帝国軍も、ガイエスブルグ要塞に関して、
「小規模の実験がかさねられ、要塞のワープインおよび(以下略)」(3巻雌伏篇4章Ⅲ4段落目)
実験を積み重ねて、実施段階の不具合を潰していったわけですから。
同盟側においても、既知の理論で問題が無さそうに思えたら、後は実験を積み重ねて検証するしかないのは、当然のことです。
なにせ、宇宙の方が、空中の場合よりも話が単純ですので、上で述べた車輪の話のような問題も発生しないわけです。
まず、最初に申し上げておくことがあります。
この議論では、できうる限り現実世界の科学の手法を議論に取り込むべきであると私は考えています。
何故なら、議論の中心は(作品世界の中のこととはいえ)科学技術に関する話題でしたし、問題の核心は『Aという技術を使って、Bという問題を解決することができる』という主張の科学的な真偽判定に関するものだからです。このような科学技術の問題に対して客観的で正しい答を出しうる手法として、現実の科学の手法より適切な方法を私は知りません。
科学の手法の具体的な内容について、私はここでいちいち書きません。
何故なら、それを書いていたら長くなりすぎるし、第一、私よりもっと文章力も科学力も優れた人々が書いた素晴らしい啓蒙書やWebページがたくさんあります。特に、科学者の書いた疑似科学批判の本には、ある主張が科学的に正しいか否かをどのように判定するかについて書かれていることが多いので、参考になると思います。少し例を挙げます。
『カール・セーガン 科学と悪霊を語る』(著:カール・セーガン、新潮社)
『なぜ人はニセ科学を信じるのか』(著:マイクル・シャーマー、ハヤカワ文庫)
> 例えば、以下のNightさんの記載
> 「例えば、『実は、艦船級と40兆トンの間には、どうしても理論的にワープできない質量帯があったのだ』ということが判明したとしても、私は驚きません。」
> これは、上の(1)(2)以外に、
> (3)一読者の考えた設定
> を、作品の解釈に取り入れろ、といっているに等しいのです。
私は、『そういう質量帯があるのだ、皆はそれを認めろ』などという馬鹿馬鹿しいことを言いたいのではありません。これは科学の手法につながる話です。
科学の世界では、いかなる仮説も、実験や観察によって裏付けられないことには、確かなものとして認められません。
艦船級と40兆トンの間の質量がワープしたという事実は作中にはなく、それを可能と結論する実験済みの理論もありません。だから、『艦船級から40兆トンまでの個々の質量もワープ可能である』という仮説は、確かなものとして認めるわけにはいかないのです。
しかし、軽い物も重い物もOKだから、中間の物もOKという仮説には、ある程度の妥当性があると思われます(反例も見つかっていませんし)、ですから、このような仮説を使った推論は、『未検証、確実とは言えない』というラベルをきちんと貼った上で、"やや重い"程度の判断材料として使おう、ということを言いたいのです。
上で『未検証』と書きましたが、それは、いずれ検証されるかもしれない、ということを意味します。外伝や続編が書かれるかもしれないし(可能性はゼロではないでしょう)、そもそも、銀英伝の世界を、この世界とは異なる並行世界と考えるなら、その世界の中ではこの検証が行われる日が来るかもしれません。
その時、『実は、艦船級と40兆トンの間には、どうしても理論的にワープできない質量帯があったのだ』という結果が仮に判明したとしても、仮説はどうせ『未検証、確実とは言えない』程度のものだったわけだから、特に驚く必要はなく、仮説を捨てればいいだけなのです。逆に、そのような事実はないと観察されたら、その時初めて、この推論のラベルは『検証済み、ほぼ確実』にできるのです。
> 繰り返しますが、作品で設定されている例外事項を除いては、すべて、現実の我々の世界の法則性を準用すべきなのです。
> (3)のような解釈の原則を認めるなら、実は、ヤンやラインハルトは、遺伝子工学で作り出された人造人間だった、とかいう解釈だってできることになりますよ。ヤンやラインハルトが人造人間ではない、と作品中に明言されてないのは、我々の世界の常識を準用して、当然(人造でない)自然の人間あることが分かりきっているからにすぎません。
> 上の解釈の方法論(1)(2)を、読者は作品を読む過程で、一々、実行しながら、読んでいるのですよ。こんなことに疑いを抱く人は、通常いないはずです。
読者が(1)(2)を、作品を読む過程で実行していることに異論はありません。そうでなければ、小説を気楽に楽しむ事などできるはずがありません。
しかし、それは気楽に読書をしている間の話です。一つの出来事に関してひとたび科学的な議論を始めるとなれば、真偽の判定対象となる主張に対しておよそ全てを疑ってかかるのが、科学の世界のルールです。
『こんなことに疑いを抱く人は、通常いないはずです』とパンツァーさんは書かれていますが、いるのです。それは科学者です。以下に、上で挙げた本の著者であるセーガンの言葉を引用します。
(以下、『カール・セーガン 科学と悪霊を語る』第2章P43より)
「そして、新しいアイディアが出れば、それがどんなに奇妙なものであっても心を開いて受け止める一方で、新しいアイディアであれ定評ある学説であれ、とことん疑ってみるよう強く迫るのである。こうした思考法は、めまぐるしく変化する時代の民主社会にとっても欠かせない道具になってくれるだろう。」
ラインハルトやヤンは、遺伝子工学で作り出された人造人間かもしれない。
そのように言われたとしても、日常生活では一笑に付して終わりにします。しかし、科学の世界はそうではありません。可能性はあるのではないか、とひとまずは疑ってみることこそ、科学の基本です。
作中に、遺伝子工学で人造人間を作る技術があるとは、書かれていません。劣悪遺伝子排除法に関連する形で、社会の描写にも影響があるはずなのに、そのような傾向は見られません。また、もし、ラインハルトやヤンの才能の根源が遺伝子工学にあるとするなら、そのように重要なことが作中に一切書かれていないことは、かえって不自然です。そのように考えていけば、ラインハルトやヤンを人造人間とする判断材料は全くと言っていいほどなく、逆に通常の人間とする材料は山程あることが分かってきます。よって、ここまで検討して初めて、『ラインハルトやヤンが人造人間であるという命題は、ほぼ確実に偽』という結論を出す事になります。
お分かりでしょうか。
科学的に考える、とはこういうことです。パンツァーさんにとって、上のような疑問は、考える価値すらない笑い話でしかないかもしれませんが、科学者にとってはそうではない。提出された疑問がどんなに馬鹿らしく見えても、ひとまずは検討してみる。得られた判断結果にしても、絶対のものとは思い込まない。それが科学的な思考です。
そういう意味で、そもそも、私とパンツァーさんでは今回の議論に対する考え方が違っているように思えます。
> (A)
> 同盟によるフェザーン侵攻の命題ですが、真の皿に乗せられる材料として、『帝国艦隊も民間船も、実際に同盟とフェザーンの間を行き来している』というはっきりとした作中事実があります。これは、完全に確かな"重い"知識です。逆に、偽の皿に乗せられる材料は全くと言っていい程ありません。よって、天秤は真の方に大きく傾き、この命題には、『ほぼ確実に真』という判定を下す事ができます。この判定は余程のことが無い限り覆ることのない、信頼できるものです。
>
> 上の記載を見る限り、Nightさんは暗黙の前提として、次の二つの前提を打ち立てています。
> 1:作品中で実際にフェザーンに向かわなかった帝国艦艇や民間船も、作品中で実際にフェザーンに到達した艦船と同じ構造をしている。
> 2:同盟の艦船も、作品中で実際にフェザーンに到達した艦船と同じ構造をしている。
> 作品中の一体どこに、同盟の艦船が、作品中で実際にフェザーンに到達した艦船と同じ構造をしている(例えば、当然ながら質量の大きさも同じ)、と記載されていますか?
>
> 同盟の艦隊がワープを行なっている記載は作品中にありますが、それが例えば作品中に記載のないフェザーンへのワープ移動に関しても、可能であると言い切れるのでしょうか?
> 「艦船級と40兆トンの間には、どうしても理論的にワープできない質量帯があったのだ」という可能性を認める人が、
> 「フェザーン行きの航路に関しては、同盟の艦艇では、どうしてもワープできなかったのだ」
> という可能性を、どうして否定できるのでしょうか?
私は可能性を否定などしていません。もう一度、私の書いた文を良く読んで下さい。
<この命題には、『ほぼ確実に真』という判定を下す事ができます。この判定は余程のことが無い限り覆ることのない、信頼できるものです。>
『ほぼ確実に真』『余程のことが無い限り覆ることのない』ときちんと書きました。つまり、『余程のことがあれば覆るし、偽になる』ということです。そして、上でパンツァーさんが色々と書いている事は全て、『余程のこと』です(御自分でもお分かりのはずです)。
まず、戦略上、重要な地域であるフェザーンに行けないというような重大な欠陥を、同盟政府が放置している理由は何でしょう。次に、本当に同盟艦船がフェザーンに行けないとして、そんなに重要な事実が作中に一切出てこないというのはあまりに不自然です。同盟艦船がフェザーンに行けることを支持する判断材料が山程あるのに対して、フェザーンに行けないことを支持する材料は全くと言っていいほどありません。そういう既存の証拠を全てひっくり返してなお、同盟艦船だけがフェザーンに行けないという状況があるなら、それが『余程のこと』でなくていったい何でしょうか。
> ちなみに、私は、
> 上の解釈の方法論(1)(2)にしたがって、
> ワープ移動は「質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」という原則を守る移動体(艦船)であれば、なんでも基本的にワープ移動可能であると見ているので、航路に限定されることも当然なく(フェザーン行きの航路であろうがなかろうが)、作品中に実行例がなくても、「同盟の艦船がフェザーンに到達できる」と考えます。
>
> 上の解釈の方法論(1)(2)を利用しないということが、
> どれだけ難しいか、お分かりになるでしょうか?
どれだけ難しくても、それを科学的な議論の対象にするなら、全てを疑ってかからねばなりません。その意味で、「同盟の艦船がフェザーンに到達できる」というあまりに確実そうに見える命題でさえも、科学の立場からは一抹の疑問を付けざるを得ないのです。上で『余程のこと』についてつらつらと書いた私がなお、この命題を『確実に真』ではなく、『ほぼ確実に真』と判定するのには、そのような理由があります。
再度、セーガンの言葉を引用します。私のスタンスは、できる限りこれに従うようにしているつもりです。
(以下、『カール・セーガン 科学と悪霊を語る』第2章P43より)
<さらに言えば、科学者という人たちは、自分のやっていることが正しいと断言することにはとても慎重なものである。推測や仮説は当然ながら暫定的なものでしかないし、くりかえし検証されてきた自然法則でさえも、絶対に正しいとはいいきれない。なぜなら、まだ調べられていない新しい状況があるかもしれないからだ。>
> (B)で
> 「一般的に、技術的な問題の難易度は扱う対象の規模と相関関係にある」とか、『軽い物と重い物の両方をワープできるなら、その中間の重さの物もワープできるだろう』
> という推論が、「ある程度の確からしさで言えると思われ」ると、
> Nightさんはしていました。
> 要は、質量によらずワープできる、といっているのです。
> それならば、
> 「軽い物で成り立ち、重い物でも成り立つ場合、その重いものより若干重いものでも、ワープできるだろう」
> という推論も、
> 「ある程度の確からしさで言えると思われ」ると思いますね。
>
> が、まあ、このような推論自体が、
> すでに、上の解釈の方法論(1)(2)を適用している結果なんですよ。
> ワープに関しても、ワープという超絶的な移動結果については未知としても、ワープ移動を可能とする要件(質量とか、エンジン出力とか)については、現代の物理学を準用して考えているのです。
> Nightさんにおいても。
「軽い物で成り立ち、重い物でも成り立つ場合、その重いものより若干重いものでも、ワープできるだろう」という推論を、科学的なものとして認めるわけには行きません。何故なら、それを認めてしまえば、何度も話題に挙げているように、無限ループを構成していかなる限界も突破してしまいます。そもそも、推論としての妥当性を欠いています。
『お前も(1)(2)を適用しているではないか』という指摘に対しては、その通りですとお答えします。分かっている事実が少ない以上、そのような仮説を推論に組み込まなければ、何も言えなくなってしまいます。
しかし、私は、そのような不確実な推論を使って得た結果には、『未検証、確実とは言えない』というラベルをきちんと貼らなければならないとしているのに対し、パンツァーさんは、そのような区別をする気すらなさそうです。それが、科学的かそうでないかの差です。
> したがって、はっきり言いえるのは、
> 質量増大の大きさに応じた困難度があるのではないか、ということです。
>
> 上の話も、36基対12基だとしたら、単純に考えたら、3倍の困難度ということになりますね。結局、困難度を、質量の増大による一次比例的に、捉えていることになるわけです。
>
> しかし、その前に、4000万倍の困難度を、やすやすと帝国軍はクリアしているわけですから、さらに3倍程度困難度が増したって、しれていると思いますよ。
> 私が艦船級の質量(100万トンクラス)と、要塞級の質量(40兆トンくらす)とを、技術的困難の比較基準としている理由も、このようなところです。
『しれていると思いますよ』というだけでは、駄目なのです。
少なくとも、科学ではそれは確かな証拠としては認められません。
パンツァーさん自身がそのように思われるのは個人の自由です。しかし、それを科学的な結論として周囲に認めさせたいなら、『思いますよ』以外の具体的な証拠が必要です。
同様に、パンツァーさんが『質量増大の大きさに応じた困難度があるのではないか』というモデルを作られるのも、個人の自由です。しかし、そのモデルを科学的に妥当なものとして認めさせるためには、そのモデルが確かにワープの現実を正しく説明できていることを示す責任があります。
(ここで、飛行機その他の"実例"を単に挙げても、何の説明にもなりません。その実例と、ワープが、確かに同じようなものと見なせることを証明しない限りは)
> (2)(3)の理論とは、
> 複数エンジンの同時作動の話と、時空震の話でしたが、
> どちらも質量の大きさに比例する話ですね。
> 私が言っている「大きく響く場合」とは、
> 例えば、艦船級から要塞級のように、4000万倍も質量が増大する場合を指すのです。
> もちろん、上の話を離れて一般的な話であれば、数倍程度で「大きく響く場合」も当然あるでしょう。数倍程度で「大きく響く場合」のであれば、4000万倍も質量が増大する場合は、まったくお話にならないというだけの話です。
> 逆に、4000万倍も質量が増大して問題がないのであれば、数倍程度で大きく響くわけがない、のです。
> このような推論は、皆、上の解釈の方法論(1)(2)にしたがってのものです。
ですから、『質量の大きさに比例する』とか、『数倍程度で大きく響くわけがない』ということの具体的な根拠は一体何なのですか。私は、ずっとそれを聞いているつもりなのですが。
上に書いてあることは、突き詰めれば、先の例と同じく『根拠は、自分がそう思ったから』という以上のことではありません。もう一度申し上げますが、『そう思う』というだけでは、科学的な証拠として認められないのです。
パンツァーさんが上のような仮説を立てられるのは結構です。しかし、仮説は実験や観察で裏付けられない限り、確かなものとしては認められません。それは科学のルールです。
最後に、パンツァーさんに確認したい事があります。
パンツァーさんは、御自分の主張を、『そう思う』という程度の単なる主観的かつ個人的な見解の表明と考えられていますか。それとも、もっと確かな根拠を持つ客観的かつ科学的な説の表明と考えられていますか。
前者であるのならば、もはや議論すべきことはないと思います。ただし、私はパンツァーさんの論を客観的、科学的に確かなものとは認めません。
後者であるのならば、上記のような私の疑問に対して、具体的な根拠を示してください。科学的な主張は、そのような批判者からの疑問に耐えうることで、初めて認められるのですから。
色々と考えてみましたが、臨界点あらため限界深度の話については、詳細な検討は不可能と言う結論に達しました。
> 大体、相対的な大質量体の影響により、目的地に到達できない、という話であって、ワープそのものが行えないと言うわけではないですね。しかも、逃走中のように時間的余裕が無い場合に、大質量体の影響を加味した航路計算を行い得ないだけの話で、通常(非戦闘時)なら、ワープできるのかもしれません。
> ワープエンジンにより加速されている部分の質量の影響と、その外部の静止している質量の影響とは、質的に明らかに異なるのではないでしょうか。
上記について議論を行うためには、ワープに関する知識が必要ですが、当初から申し上げているように、それを入手する事は不可能です。ですから、この件に関して、『確実に限界深度が存在する』ということを客観的検証に耐えうるように証明することは不可能です。よって、この件に関しては、私の勇み足であると認め、この説は『未検証の仮説』に落とす事にしたいと思います。また、パンツァーさんに対してお詫びいたします。申し訳ありませんでした。
ただ、以下については、反論しておきたいと思います。
> 同じだと思いますよ。
> はっきり言って、ベースは質量とエンジン出力の関係ですよ。
> 飛行機の場合は、空気の存在が無視できないですよね。つまり、重力方向については、浮力による影響が、エンジン出力の不足分を補ってくれるわけであり、水平方向に対しては空気抵抗と言う形で、エンジン出力の抵抗となるわけです。この空気抵抗の影響度は、機体形状によっても、変化するものですね。
> エンジン出力の増大も一般に可能ですね。これは、プロペラ式や、ジェットエンジン、さらにはロケットエンジンといった、エンジン自体の方式の変更や、同じ方式のエンジンであっても出力に大小を与えることによって、達成されています。
> 機体強度の問題に関しても、実用性やコストを無視すれば、(質量を増大させることで)いくらでも頑丈に作りうるわけで、それをエンジン出力で補えれば対応できるはずです。
上のように思えるのは、パンツァーさんが実際に航空力学の初歩と、実際の飛行機について知識を持っているからです。ほとんど何も知らないワープについても、同様のことが言えると思われますか?
それから、『ベースは質量とエンジン出力の関係ですよ』とありますが、質量とエンジン出力の関係と一口に言っても、色々あるでしょう。ワープ力学(仮名)では、必ずしも質量に対して比例となるかは不明です。ワープにおける質量とエンジン出力の関係が、ニュートン力学や航空力学のそれと同一視できると言うことの根拠は何ですか。
> 現在の航空機は、重量限界に達しているわけではないでしょう。
> コストとか実用性を度外視すれば、三倍どころか10倍でもそれ以上でも、まだまだ重い航空機をいくらでも飛ばせるのではありませんか。
> (が、飛行機の底面にズラリと車輪を並べても過重を支えきれないとか言う限界は、容易に起こりうるかもしれませんが)
>
> 第二次大戦中、アメリカ軍は、B29(別名:スーパーフォートレス、超要塞)などという爆撃機を製造しましたが、この前身のB17爆撃機などと比べても、倍くらいは重いのじゃないのでしょうか(ちょっと調べきれておりませんが)。
『車輪を並べても過重を支えきれないとか言う限界は、容易に起こりうるかもしれませんが』とありますが、同様の障害がイゼルローン移動要塞化計画で起こらないと言えるでしょうか(これは何も、イゼルローンに車輪を付けろ、と言っているのではなく、航空機の車輪の問題に該当するものとして、例のエンジン同調の話や時空震の話があるのではないか、ということです)。
先の例に戻りましょう。模型飛行機しか知らない人々が見せられた実用機と言うものが、現代技術で作ることができる最大級の飛行機だったとしたらどうですか(そうでないという保証は全くないでしょう?)。
その時も、パンツァーさんは、『3倍程度の実用機が飛べない確率は0.0001%です』と主張されますか。
> ラインハルトやヤンは、遺伝子工学で作り出された人造人間かもしれない。
> そのように言われたとしても、日常生活では一笑に付して終わりにします。しかし、科学の世界はそうではありません。可能性はあるのではないか、とひとまずは疑ってみることこそ、科学の基本です。
> 作中に、遺伝子工学で人造人間を作る技術があるとは、書かれていません。劣悪遺伝子排除法に関連する形で、社会の描写にも影響があるはずなのに、そのような傾向は見られません。また、もし、ラインハルトやヤンの才能の根源が遺伝子工学にあるとするなら、そのように重要なことが作中に一切書かれていないことは、かえって不自然です。そのように考えていけば、ラインハルトやヤンを人造人間とする判断材料は全くと言っていいほどなく、逆に通常の人間とする材料は山程あることが分かってきます。よって、ここまで検討して初めて、『ラインハルトやヤンが人造人間であるという命題は、ほぼ確実に偽』という結論を出す事になります。
> お分かりでしょうか。
> 科学的に考える、とはこういうことです。
(以下略)
上の考え方って、「科学的に考える」ということになるのですか?
論理の前提部分は、以下ですよね。
「作中に、遺伝子工学で人造人間を作る技術があるとは、書かれていません。劣悪遺伝子排除法に関連する形で、社会の描写にも影響があるはずなのに、そのような傾向は見られません。また、もし、ラインハルトやヤンの才能の根源が遺伝子工学にあるとするなら、そのように重要なことが作中に一切書かれていないことは、かえって不自然です。」
私が散々言っている質量とエンジン出力との関係も同様ですよ。
「作中に、質量とエンジン出力の関係が異なる質量の大きさ一般で成り立たないとは、書かれていません。もし、ガイエスブルグ要塞のワープが、特別な質量で成立ものであるとするなら、そのような重要なことが作中に一切書かれていないことは、かえって不自然です。」
こういう手法を「科学的に考える」というのなら、私が展開している論も、「科学的に考える」ことになりますよ。
それから、上で、
「逆に通常の人間とする材料は山程あることが分かってきます。」
などと書いていますが、
ヤンやラインハルトの日常(および非常)生活の描写などから、「通常の人間」と確定する根拠が見つかるとでも思っているのですか?
例えば、オリンピック選手が筋肉増強剤の使用者か否かを、尿検査等の特定検査を行うことなく、一般の我々が判別することなど、まずできませんよ。違いがどこにあるかなど、分かるものですか!
> 私は、『そういう質量帯があるのだ、皆はそれを認めろ』などという馬鹿馬鹿しいことを言いたいのではありません。これは科学の手法につながる話です。
この部分ですが、
よく考えてください。私は、Nightさんの意見が、『そういう質量帯があるのだ、皆はそれを認めろ』である、と主張しているわけではありません。
「『そういう質量帯があるのだ』という可能性を否定しきれないだろう」とする結論に対して、反対しているのです。
例えば、Nightさんは、
「『そういう質量帯があるのだ』という可能性を否定しきれないだろう」という論理で、
イゼルローン要塞のワープが確実ではない、という結論を導いていたわけでしょう。
だから私は、同様の論理を用いて、
上のヤンやラインハルトの例で言えば、
「ひょっとしたらラインハルトやヤンが人造人間であるという可能性」を否定しきれない以上、
ラインハルトやヤンが通常の人間であるとは言い切れない、という結論になるのではないか、と言ったのです。
いかがですか?
私の意図するところを、理解していただけたでしょうか。
> 最後に、パンツァーさんに確認したい事があります。
> パンツァーさんは、御自分の主張を、『そう思う』という程度の単なる主観的かつ個人的な見解の表明と考えられていますか。それとも、もっと確かな根拠を持つ客観的かつ科学的な説の表明と考えられていますか。
Nightさんの言う、「科学的に考える」とか、「客観的かつ科学的な説の表明」というのを、もう少し、詳しく説明してください。
もし、Nightさんの言う、「科学的に考える」とか、「客観的かつ科学的な説の表明」とかが、
Nightさんが行った証明
『ラインハルトやヤンが人造人間であるという命題は、ほぼ確実に偽』
程度の論理であるならば、
私も同様の論理で話をしている、ということです。
どうか、くれぐれも、ダブルスタンダードは用いないで頂きたいです。
今回は他の部分の回答は見送ります。
Nightさんの論理にダブルスタンダードの恐れがありそうなので、ここでまず、決着をつけておかないと、他の点についても、同じことを延々繰り返さざるを得ず、ちょっと対応し切れません。
と言いつつ、次の点については、もう一度回答しておきましょう。
> ですから、『質量の大きさに比例する』とか、『数倍程度で大きく響くわけがない』ということの具体的な根拠は一体何なのですか。私は、ずっとそれを聞いているつもりなのですが。
これについては、基本的に、
No6169 質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである
に書いているんですがね。
1.
「質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである」
より、質量に応じたエンジン出力を用意すれば、基本的にワープが可能である。
2.
帝国でも同盟でも、艦船級の質量体には多々実績がある。
3.
帝国軍は、ガイエスブルグ要塞級の質量体のワープに成功した。
この達成の困難度を単位量(つまり1)としよう。
4
質量の増大におけるワープの困難度は、どのように算定したらよいか?
質量の増加量に応じて一次比例なのか、二次比例なのか、対数関数的なのか?
しかし、質量の増加によらず困難度が増加しなかったり、質量の増加に応じて逆比例する(困難度が減少する)、などということは、まさかあるまい。
そこで、質量の増加に応じて困難度が増加すると言うことで、例えば一次比例と仮定しよう。
5
銀英伝世界で一般的な艦船級から、いきなりガイエスブルグ要塞級の質量体のワープに成功するのに要する困難度を、1としよう。
一方、艦船級から、いきなりイゼルローン要塞級の質量体のワープに成功するのに要する困難度は、果たしていくつになるか?
ガイエスブルグ要塞級と艦船級との質量比は、4000万倍であった。
イゼルローン要塞級とガイエスブルグ要塞級との質量比は、2,3倍程度であった。
つまり、4000万倍の質量増大に対する困難度の増大を、1の困難度とみている。
さらに、4000万倍すれば、困難度が1だけさらに増加して、2の困難度となる。
イゼルローン要塞のワープに際しては、
第一に艦船級からガイエスブルグ要塞級の質量体に飛躍するワープの困難度を経て、
第二にガイエスブルグ要塞級の質量体からイゼルローン要塞級の質量体に飛躍するワープの困難度を経ることになる。
第一の困難度は、1と見積もっていた。
第二の困難度は、(2,3倍/4000万倍)≒10のマイナス7乗(=10のマイナス5条%)と見積もれる。
つまり、合計すると、1.0000001程度の困難度であろう。
繰り返すが、2の困難度となる場合は、4000万倍×4000万倍の質量増大の場合である。
1.5の困難度となる場合は、4000万倍×(6.5×1000倍)「4000万の平方根」の質量増大の場合であろう。
質量増大と、困難度との対応を、対数で捉えてます。
4000万倍の質量増大を、困難度の基準として考えたこと(困難度の単位量1に設定)から、上の論が始まってますね。
言いたいのは、質量増大に比して困難度が増加するのなら、上のような具体的な数字はともかく、一般的に、ガイエスブルグ要塞級の質量体からイゼルローン要塞級の質量体に飛躍する場合の困難度は、無視できる程度に小さいだろう、ということです。
これは、質量増大に比して困難度が減少するとかいう逆の場合以外には成り立つという意味で、具体的な数字はともかくとして、この傾向は、一般的に成り立つと言っているのです。
論を取り下げる場合は、取り下げてさえ下さればそれで結構です。別に、謝罪されるようなことではありません。かえって恐縮します。私も意見を取り下げたからと言って、謝罪などするつもりは毛頭ありませんので。
> それから、『ベースは質量とエンジン出力の関係ですよ』とありますが、質量とエンジン出力の関係と一口に言っても、色々あるでしょう。ワープ力学(仮名)では、必ずしも質量に対して比例となるかは不明です。ワープにおける質量とエンジン出力の関係が、ニュートン力学や航空力学のそれと同一視できると言うことの根拠は何ですか。
これは、No6174「作品の解釈について」で述べたように、
ワープ理論について作品に記載の無い部分を、現代の物理学を準用して考えた結果です。シャフトの言の解析でも、そのように読み取れるからです。
> 先の例に戻りましょう。模型飛行機しか知らない人々が見せられた実用機と言うものが、現代技術で作ることができる最大級の飛行機だったとしたらどうですか(そうでないという保証は全くないでしょう?)。
> その時も、パンツァーさんは、『3倍程度の実用機が飛べない確率は0.0001%です』と主張されますか。
「現代技術で作ることができる最大級の飛行機」だと分かっていれば、もちろん、そのような主張は致しません。
作品中に、ガイエスブルグ要塞が質量的に、ワープの限界であることを示唆する記載でもあれば、もちろん、このような主張はしない、ということです。
> > ですから、『質量の大きさに比例する』とか、『数倍程度で大きく響くわけがない』ということの具体的な根拠は一体何なのですか。私は、ずっとそれを聞いているつもりなのですが。
>
> これについては、基本的に、
> No6169 質量とエンジン出力の関係、ただそれだけである
> に書いているんですがね。
> 4
> 質量の増大におけるワープの困難度は、どのように算定したらよいか?
> 質量の増加量に応じて一次比例なのか、二次比例なのか、対数関数的なのか?
> しかし、質量の増加によらず困難度が増加しなかったり、質量の増加に応じて逆比例する(困難度が減少する)、などということは、まさかあるまい。
> そこで、質量の増加に応じて困難度が増加すると言うことで、例えば一次比例と仮定しよう。
質量の増大による困難度というのは、
具体的には、例えば、
質量の増大に応じた大出力のワープエンジンの製造に要する技術上の困難の度合い、といったことになります。
その他、飛行機であれば、機体の強度をどうするかとか、多々実際上、発生するような問題を総合しています。
ここでは、質量以外に、参考になる数値が無いので、
質量の大きさに応じて困難度が増大するとしているのです。
少なくとも、それに要するエンジン出力を確保するための困難、
大出力ワープエンジン製造の困難
もしくは、
従来エンジンによる通常使わない大出力発揮における困難、
といったものはあるでしょうから。
また、質量に応じて困難度が増大すると言うのは、
現実の飛行機であれ、自動車であれ、
成り立つ原則でしょうし。
(現代物理学の準用です)