ふと思ったのですが、「神々の黄昏」作戦の時に、ヤンはイゼルローン要塞を放棄して、同盟軍救援に向かいましたが、イゼルローン要塞ごとワープして、同盟軍に合流すれば良かったんじゃ・・・。そうすれば、帝国軍はトゥールハンマーで壊滅的な打撃をうけて、撤退せざるを得なくなるんじゃなかったのかと。
第8次イゼルローン要塞攻防戦のあと、要塞ワープの方法について研究を怠った同盟政府国防委員会とヤンは怠慢のそしりをまぬかれないと思います。
掲示板に書き込みするのは、初めてです。
ふと思ったのですが、本国から遠距離に有る上、絶大な戦闘能力持ち、更には完全な自給自足が可能な要塞なんてのは、政治的にはあまり有り難くないのでは?
特に末期の同盟のように、政府や軍のモラルが低下している状況では、容易に軍閥化への道を辿りそうですし、イゼルローン共和国なんて、まさにそのものですよね。その場合、将兵の家族が在住してることは、分離への追い風になりそうな気がします。
詳しい描写はありませんでしたが、要塞が帝国の手にあった時は、居住者は軍人のみって感じでした、これは反乱を警戒していたと考えられないでしょうか?ましてこれが移動可能だったりすると、とんでもないことになりそうです。にしても、移動要塞の独立国家で某18禁ゲームが浮かんだ俺って・・・
後、イゼルローンは在日米軍基地がイメージとしてありそうな気がします。
どうも。初レス失礼させていただきます。
いやぁ、なんというかすごいっすね。さすがというかなんというか。
精密な検証から非の打ち所のない論の運びまで、素晴らしいと思います。
なんかユーモアの量の差(悪意の差?)を除けば、空想科学読本みたい(笑)
ただ、ここだけは納得いかなかったので書かせて頂きます。
他は大方認めますが。
>これならまだガイエスブルク要塞を「イゼルローン占拠作戦の拠点としてしか活用していな」かったケンプの方が、ラインハルトやヤンよりも余程まともな用兵家であったとすら言えるではありませんか。「要塞特攻」に対して色々述べておきながら、結局あの2人は要塞対要塞の戦いから何も学んではいなかったことになるわけなのですから。
> これではせっかく「移動要塞技術」という素晴らしい画期的なアイデアを提唱したシャフトも、それに殉じて戦死してしまったケンプも浮かばれないですね(T_T)。
>
これは明らかに違うと思います。
ヤンについては、もちろん帝国軍によるフェザーン占領までは自分の要塞を破壊する必要がありません。
フェザーン占領以降はラインハルトと戦っていたためそんな作戦はムリ。
ヤンがハイネセンを脱出してからは、要塞再奪取の勝算もあり、定住する場所もないということで、破壊するよりは占拠した方がよい。
それ以降は死に至るまでイゼルローン回廊を大きく離れて戦ってはいません。
ということで、ヤンには少なくとも要塞を破壊する機会がなかった、と。
というより、ヤンはケンプ以前にアルテミスの首飾りを氷の塊(だっけ?)で破壊しています。
どちらかというと、ケンプの方がヤンに学ばなかったのでは?
ラインハルトはといいますと、ケンプの作戦失敗以降は、内政と謀略を主に行っており、その上もうこのころにはフェザーン占領の作戦が胸中にあったはずです。
フェザーンを占領すれば、ヤンがイゼルローンを離れる事は推測していたはずで、無血占領、ないしは犠牲が極めて少なくイゼルローンを占領できると分かっているのに、破壊するのは得策ではありません。
だから、ラインハルトがイゼルローンに対し、再度手間と暇をかけて破壊するという行為を行わなかったのには正当性があります。
再奪取されるまでは帝国軍の手にあったわけですから置いておいて、問題はその後です。
これから後の戦争は、ラインハルトの矜持によって行われたものであり、「ヤンと艦隊戦において雌雄を決する」という目的があるわけです。
その目的の定め方の是非はともかくとして、目的達成のためにそういう戦術をとらなかったのには正当性があります。
「同盟への侵攻」が目的のケンプの時とは明らかに違うわけです。
ただ、ヤンがイゼルローンから出てきた隙にその戦法を使い、帰る家をなくすというのはつかえたかと。
まぁあくまでも艦隊戦にこだわったのでしょう。
ロイエンタールの時も要塞戦は出てきません。ただ共和政府が通過を断ったらこの戦法が取られたかもしれないですね。
その後のユリアン達との戦闘も偶発的なもので、この戦法を準備する時間がなかったのでしょう。
と、いうことでラインハルトにもこの戦法を取る機会がなかったかと。
矜持で目的を定めること自体が「限界」であるとおっしゃられるかもしれませんが、そうすればこの戦争自体が無意味です。
戦術的には間違っていないということで。
だからやっぱりケンプは限界だと思います。
ただ、これだけ色々と言ったところで、「移動要塞」の可能性に気付かなかったのは確かに大きなミスですね。
ここから書くのは結構今思いついたことなんですが。
ただ、一つ考えられるのは時間やお金がなかったからかも。
ケンプが死んでからフェザーン占領までどのくらいありましたっけ?
同盟の財政は大赤字の上に、あの権力者達がこれを理解するかどうか。
やっぱそこまで実際は時間的・経済的余裕もなかったんじゃないかなぁ。
ってか思ったんですけど、イゼルローンを移動式にするってかなり大規模な工事ですよね。
ガイエスブルグの時は国内だからいいとして、イゼルローンは国境でしょ?
そりゃばれますよ・・・。速攻で死に物狂いで攻撃してきますよ・・・。
でも、なぜラインハルト側がやらなかったか。
もしかしたら、他の要塞は皆そんな自給自足の機能を有していなかった、もしくは規模がとても小さかった、とか。
銀英伝のゲームとかやってもあの二つだけ機能突出してますよね。
特にイゼルローン。補給可能なのがハイネセンとオーディンとイゼルローンとフェザーンだけになってたような気が。
同盟占領以降は、ラインハルトはいつの日か同盟を完全に征服するとしても、確実に勝てたわけで。
わざわざイゼルローンを移動要塞にして後々の問題を作ることもない、と判断したとしても正当です。
再奪取した後が問題ですよね。
なぜヤンは移動要塞にしなかったか。
一、やっぱどうやったって工事はばれる。工事中のイゼルローンで戦闘・・・。そりゃあないっしょ・・・。
二、政治的にも経済的にもまだ始まったばかりであった。
三、やっぱ時間の問題。
それとも、移動要塞にするにはなにか足りない自給物資があるとか!まぁこれは推測ですが(笑)
ラインハルト側は、やっぱラインハルトの矜持の問題では。
ってか結局議論はここに行き着くんですけどね。
ヤン亡き後も、やっぱさっき書いたように後々問題になりますよ。移動要塞にすれば。
そこまで強大な敵がいないので、リスクを犯してまでやる必然性を感じなかったのでしょう。
よーするに、「工事」という概念が抜けている気がしました。
だから、やっぱり銀英伝のなかでそういうプランが行われなかったのには正当性があるのでは。
ヤンやラインハルトがもうちょっと長く生きれば、そういう展開になったかもしれませんね。
と、ここまで弁護しましたが、やっぱ作者的には盲点だったんだろうなぁ・・・。
でも、ヤンやラインハルトはそうやって正当性に基づいて行動していたんじゃないかなぁ。
もうすでに作者を超越しているってことで(笑)
レスする前に、まずはお二方とも、はじめまして。
>イッチーさん
<ふと思ったのですが、「神々の黄昏」作戦の時に、ヤンはイゼルローン要塞を放棄して、同盟軍救援に向かいましたが、イゼルローン要塞ごとワープして、同盟軍に合流すれば良かったんじゃ・・・。そうすれば、帝国軍はトゥールハンマーで壊滅的な打撃をうけて、撤退せざるを得なくなるんじゃなかったのかと。>
トゥールハンマーにそんな威力はないですよ。1回当たりのトゥールハンマー主砲斉射で敵艦隊に与えられるダメージはせいぜい1500~2000隻ほどしかなく、しかも1回の主砲斉射に時間がかかりすぎるため、エネルギー充填→主砲発射までの過程を2回ほど行った辺りの時間で、敵は完全に主砲の射程圏内から離脱できてしまいます。これでは件の同盟軍救援の際にイゼルローン要塞を持っていったところで、戦果は銀英伝本編と同様に敵に攻撃を止めさせ、後退させるのが関の山であまり意味がありません。
そもそも銀英伝考察3で述べたように、銀英伝における要塞が持つ「最強の武器」は「無限の自給自足能力」を使って敵に無制限の持久戦を強いることにあるのであって、主砲や外壁も、その絶大な攻撃力と防御力で敵をひるませ、自軍に対する攻撃をためらわせるという戦法を駆使するのが一番有効な使用方法です。要塞の主砲や外壁というものはいわゆる「決戦兵器」なのですから、極端なことを言えば「使わないこと」にこそ意義があるのです。
トゥールハンマーは「決戦兵器」ではあっても「万能の武器」などではありません。そのような兵器を前面に押し出して敵を積極的に攻撃するという戦法は、その隙を敵に乗じられてしまう恐れが高い極めて危険な手段であるように思えるのですが。
>せらぴす改さん
<ふと思ったのですが、本国から遠距離に有る上、絶大な戦闘能力持ち、更には完全な自給自足が可能な要塞なんてのは、政治的にはあまり有り難くないのでは?
特に末期の同盟のように、政府や軍のモラルが低下している状況では、容易に軍閥化への道を辿りそうですし、イゼルローン共和国なんて、まさにそのものですよね。その場合、将兵の家族が在住してることは、分離への追い風になりそうな気がします。
詳しい描写はありませんでしたが、要塞が帝国の手にあった時は、居住者は軍人のみって感じでした、これは反乱を警戒していたと考えられないでしょうか?ましてこれが移動可能だったりすると、とんでもないことになりそうです。>
ヤンにイゼルローン要塞を奪取される前の帝国では、それなりに軍閥化を防ぐ方法を考えてはいたように見えますけどね。それはイゼルローン要塞が陥落する主要因となった「要塞司令官と駐留艦隊司令官の並立問題」です。
軍事的には艦隊と要塞の相互連携を損ね、指揮系統に重大な支障をきたす事につながったこの同格司令官の並立問題は、しかし政治的に見ると、並立する司令官同士が互いにいがみ合い、相互に牽制し合うことによって、結果的に要塞の独占とそれに伴う軍閥化が防止されるという皮肉な側面を持っていました。ヤン以前のイゼルローン要塞が軍閥化しなかったのは、これが一番大きな原因と言っても良かったでしょう。
それと、ヤンによる奪取前のイゼルローン要塞に民間人が全く居住していなかったということはないでしょう。イゼルローン要塞に存在する諸々の施設や社会資本は要塞奪取前から存在するものですし、それらの施設の運営を軍から委託されていた民間業者も存在したでしょう。そういった人達だけで最低でも50~100万人ほどは存在していなければ、大都市としての側面も併せ持つイゼルローン要塞の居住環境自体がそもそも維持できないはずなのですが。
また、要塞内に家族を住まわせる手法に関しては、前線の兵士達の不平不満を抑え、司令官の管理下で家族を人質にすることによって、将兵の逃亡やサボタージュを事前に防止するというメリットもありますから、一概に悪いとは言い切れません。門閥貴族と平民階級の対立が激しい帝国では、むしろ貴族出身の司令官が平民出身の将兵に対する統制力を高めるために積極的に採用した可能性の方が高いのではないでしょうか? 特に前線のイゼルローン要塞では、目の前の同盟国境に前線の将兵達が亡命を企む可能性もありますしね。
確かにイゼルローン要塞が帝国側の手中にある時には、民間人についての記述が全くと言っても良いほど存在しませんが(イゼルローン要塞がヤンによって2度陥落した時のいずれも、軍人よりも数が多いはずの民間人の退去に関する記述が存在しない)、イゼルローン要塞のそもそもの成り立ちが帝国側にあることを考えれば、要塞が帝国の手中にあった時も内情はほとんど同じであったと見て良いのではないでしょうか? そうでないと「ではなぜ無用の長物であるはずの生活・娯楽施設や社会資本がイゼルローン要塞内に存在するのか?」という新たな疑問が出てきてしまいますし。
冒険風ライダーさま、私の書き込みに対して、丁寧なお返事ありがとうございます。
> トゥールハンマーにそんな威力はないですよ。1回当たりのトゥールハンマー主砲斉射で敵艦隊に与えられるダメージはせいぜい1500~2000隻ほどしかなく、しかも1回の主砲斉射に時間がかかりすぎるため、エネルギー充填→主砲発射までの過程を2回ほど行った辺りの時間で、敵は完全に主砲の射程圏内から離脱できてしまいます。これでは件の同盟軍救援の際にイゼルローン要塞を持っていったところで、戦果は銀英伝本編と同様に敵に攻撃を止めさせ、後退させるのが関の山であまり意味がありません。
> そもそも銀英伝考察3で述べたように、銀英伝における要塞が持つ「最強の武器」は「無限の自給自足能力」を使って敵に無制限の持久戦を強いることにあるのであって、主砲や外壁も、その絶大な攻撃力と防御力で敵をひるませ、自軍に対する攻撃をためらわせるという戦法を駆使するのが一番有効な使用方法です。要塞の主砲や外壁というものはいわゆる「決戦兵器」なのですから、極端なことを言えば「使わないこと」にこそ意義があるのです。
> トゥールハンマーは「決戦兵器」ではあっても「万能の武器」などではありません。そのような兵器を前面に押し出して敵を積極的に攻撃するという戦法は、その隙を敵に乗じられてしまう恐れが高い極めて危険な手段であるように思えるのですが。
アニメやコミックなどを見ると、トゥールハンマーが万能武器のように使われているような印象を受けたのですが、冒険風ライダーさまの書き込みを拝見して納得いたしました。それでも、「神々の黄昏」作戦のときにむざむざ敵に渡すくらいなら、要塞ごとワープして、同盟軍の補給にでも役立てたほうがよかったのではと思うのですが・・・。
どうもまた久しぶりにカキコします槍です。
冒険風ライダーさんの考察には脱帽ものです。
ただこの考察を読んである疑問が出来あがりました。
それはイゼルローン要塞は何処でて作ったのかという事です。
まさかイゼルローン回廊の場所は最前線であり、そこで一から作り始めたという事はないでしょう。
だからと言って要塞の完成品をイゼルローン回廊に運んできたとは考えにくいです。
(何しろガイエスブルグ要塞を動かすだけであの大騒ぎだっただから)
それにそれが可能ならば冒険風ライダーさんの作戦によって同盟領は帝国によって蹂躙されてるはずです。
となるといくつかのブロックを安全地帯で作ってプレハブ方式で作ったのかな?
だとしても同盟だってあそこで要塞が作られたたらどんな事態になるか解るだろうから絶対妨害するだろうし、それも必死で。
なんか書いていると秀吉の墨俣一夜城の時の状況みたいになってきたな(笑)
でも一夜城とは違い規模を考えると少なくとも一夜では出来ないな。
となると常に何万隻もの艦隊が常に守っていたのかな?
でも回廊に何万隻もの艦隊がいたらそれだけ同盟にとって十分な脅威だから絶対艦隊を派遣するだろうし、例え秘密裏に事を進めててたとしてもその時点でバレバレだな。
本当にどうやって作ったのでしょか?
あと田中さんはその作戦を思いついたとしてそれは多分とりあげ無かったおもいますよ。(当時の田中さんならですが)
だってその作戦ってあきらかにデス・スターになってしまうじゃないですか(爆笑)。
盲点でした。確かに突き詰めるとこうなりますよね。
もしも劇中の人物がそれに気付いたらどうなるんでしょうね。
双方とも大艦巨砲主義の塊のような要塞を量産して宇宙をボーグみたいに徘徊するんでしょうか?
その気になったら同盟も帝国も住むところを惑星から、要塞にかえるかもしれません。
こんなものに対抗できるのは秘密工作員か、隕石くらいのものでしょう。隕石に関しては、万一に備えて隕石対応版アルテミスの首飾りをつくるかもしれません。
なんだか、もし万が一にでも銀英伝世界で異星人との戦争が勃発してもなんだか勝てそうな気がしてきた。
冒険風ライダーさんこんにちは。
ふと思ったんですが、
> ところで「4.望郷の念に囚われることがない要塞の居住システム」で触れたイゼルローン要塞の居住システムにはさらに重大な問題点があります。それは「要塞内部における政治・行政機構は一体どうなっているのか?」という疑問です。
> 前述のようにイゼルローン要塞には、軍制上ヤンの直接指揮下に置かれることになる200万人の将兵以外に、主として将兵の家族で構成されている300万人もの民間人が居住しています。そして、この将兵と民間人とを合計した500万人という人口を擁するイゼルローン要塞は、前線の軍事要塞としての顔と同時に、そこらの有人惑星よりも規模が大きい大都市としての側面をも持ち合わせており、ヤンの地位は「この巨大な宇宙都市の最高責任者として将兵を指揮する」と定義されているのです。
> これっておかしくありませんか? イゼルローン要塞の軍事面における最高責任者に過ぎないはずのヤンが、500万人もの人口を擁する「大都市イゼルローン」の最高責任者をも兼ねているのです。これは「大都市イゼルローン」の地方行政が、中央から派遣された一軍人によって、住民の自由意思とは無関係に運営されていることを意味します。つまり「大都市イゼルローン」は、たかだか一軍人に過ぎないヤンが都市行政の最高責任者として事実上の政治・行政権力を合法的に掌握しているため、民主主義の基礎である「地方自治の原則」が一切機能していないことになるのです。
> 銀英伝にもそのことを裏付ける記述が存在します↓
この辺、実際の軍隊ではどうなっているのでしょうね。
在日米軍の嘉手納や横須賀なんかには相当数の民間人が居住しているはずですが、
基地司令官が民間人に対して命令することは可能なのか、けっこう謎です。
というか、行政区としての扱いはどうなっているんでしょうね。
その辺が分かれば、イゼルローンのシステムも類推できそうな気がします。
……まあ、在日米軍とイゼルローン要塞では、人口が二桁ほど違いそうですが。
いやぁ、なんか眠かったので私のレスわけわかんないですね。
ちょっと要点をまとめなおします。
ようするに、「移動要塞の無限の可能性」について、
・作者がこのことに気付いていなかった。
・または、気付いていたがなんの記述もしなかった、あるいは無視した。
と、いう事についてなんら疑問は無いし、それを顕著にあばいた冒険風ライダーさんには、ただただ感心するばかりです。
しかし、ラインハルトとヤンの二人には、とても思い入れが深いので、彼らがアホと呼ばれるのは、どうしても合理的に弁護したくなったのです。
この際、作者の思惑なんて置いておいて、作中でこれらが出てこなかったことについて、合理的な説明をしたい、と。
要塞破壊について
ヤンは、すでにアルテミスの首飾りを壊すという作戦を敢行していた。
ヤンが要塞と戦ったのは、この時と、イゼルローンのみである。
イゼルローンのときは、二回とも勝算があったため、破壊する必要がなかった。
よって、ヤンはイゼルローン級のデカイ要塞破壊をする機会がなかった。
というより戦術としてはとっくに考えていた。
ラインハルトは、フェザーン占領によってヤンがイゼルローンを離れる事が分かっていたため、破壊よりは占拠を選んだ。
同盟滅亡後のイゼルローンに対しては、一撃で要塞を破壊して終わり、というのは目的が合わなかった。
よって、ラインハルトも機会がなかった。
移動要塞について
ヤンについては、ケンプが移動要塞の実現を示してから、ラインハルトのフェザーン侵攻まで、経済的にも、同盟政府を納得させる時間的にも、移動要塞に変える所まで行かなかった。
同盟滅亡後のイゼルローンも、ヤンが死ぬまで時間的・経済的な余裕がなかった。
多分、政府の側が移動要塞の可能性を恐れて許可しなかった、という可能性もあるかと。(誰かもかいていらゃっしゃいましたが)
さらにいえることは、イゼルローンを問題なく工事し終える、というのは回廊の両端を抑えていない限り不可能であり、それができるのはラインハルトが同盟を占領してからヤンに占拠されるまでだった。
ラインハルトは、結局ケンプの死から最後まで、戦略的には完全に勝てる戦いをしていたのであり、移動要塞などという問題の種を、リスク覚悟で残す必要がなかった。
よって、銀英伝の中で移動要塞が取り上げられなかったのは、片方は必要がなく、片方はそうできる状況にならなかったから、と。
と、いうことで、銀英伝の作者はどうか知りませんが、作中人物はアホではないのではないでしょうか。
ふぅ。やっと自分の中でもまとまりました。すいません。
さて、ここからが今日書きたかったことです。
上の内容と不整合がありますが、下の内容は過程の話の思いつきなので御寛恕を。
思ったんですが、イゼルローンって惑星なみのでかさなんですよね。
で、それを移動できるわけですよね。
ここから、「ということは、イゼルローンを破壊する大きさの惑星を動かす事も可能だから、それを使って破壊せいっちゅーねん」、と冒険風ライダーさんは論を運んでいます(?)。
もちろんこれには賛成です。
でもふと思ったんです。
これってすごくないですか?
惑星を移動できるんですよ?
もし惑星が移動できるとしたら・・・。
例えば住みにくくてどーしよーもないけど資源だけはある、みたいな星を、適度な位置に持って来て開発するとか。
その逆に住みやすい星を住みにくくしてみたりとか。
よーするに、人類の都合で宇宙をつくり変えられると。
おお。
なんか神って感じ。
ミッターマイヤー「ハイネセンを包囲せよ!」
バイエルライン「惑星ごと逃げられマシタ!」
みたいな。
すげー。
戦争なんてしてる場合じゃないんじゃない!?
>tinaさん
≪これならまだガイエスブルク要塞を「イゼルローン占拠作戦の拠点としてしか活用していな」かったケンプの方が、ラインハルトやヤンよりも余程まともな用兵家であったとすら言えるではありませんか。「要塞特攻」に対して色々述べておきながら、結局あの2人は要塞対要塞の戦いから何も学んではいなかったことになるわけなのですから。
これではせっかく「移動要塞技術」という素晴らしい画期的なアイデアを提唱したシャフトも、それに殉じて戦死してしまったケンプも浮かばれないですね(T_T)。≫
<これは明らかに違うと思います。
ヤンについては、もちろん帝国軍によるフェザーン占領までは自分の要塞を破壊する必要がありません。
フェザーン占領以降はラインハルトと戦っていたためそんな作戦はムリ。
ヤンがハイネセンを脱出してからは、要塞再奪取の勝算もあり、定住する場所もないということで、破壊するよりは占拠した方がよい。
それ以降は死に至るまでイゼルローン回廊を大きく離れて戦ってはいません。
ということで、ヤンには少なくとも要塞を破壊する機会がなかった、と。
というより、ヤンはケンプ以前にアルテミスの首飾りを氷の塊(だっけ?)で破壊しています。
どちらかというと、ケンプの方がヤンに学ばなかったのでは?>
何か根本的に勘違いされていませんか? 私が述べていた「結局あの2人は要塞対要塞の戦いから何も学んではいなかったことになる」というのは、何も「要塞特攻」についてのみ語っているわけではなく、一連の「移動要塞」についての戦術的・戦略的意義全般を指しているものなのですけど。あの文章はそこに至るまでに述べてきた「永久要塞」および「移動要塞技術」関連論評の総まとめみたいなものなのですから(最後の6番目の項目はそれらを前提としつつも基本的には一線を画すものですし)、その一部に過ぎない「要塞特攻」だけを取り上げてあれこれ反論されても困るのですけど。
それになぜ「要塞対要塞の戦いから学ぶこと」から「要塞特攻を行わなければならない」という変な結論へと飛躍してしまうのですか? それまでの艦隊戦主流の戦いとは一線を画する要塞対要塞の戦いで学べるものは「要塞特攻」以外にもたくさん存在しますよ。そもそもあの銀英伝考察3を書いた私自身が、要塞対要塞の戦いから「永久要塞を稼動させる戦略的・政治的意義」や「小惑星特攻戦術」などを学んでいるのですから、私以上に要塞や航行技術に対する知識と基礎認識が存在したであろうヤンやラインハルトが、その意義に全く気づかなかったというのは充分すぎるほどにおかしな話でしょう。
「要塞対要塞に関してはケンプの方がまともな用兵家」というのは、銀英伝考察3で述べてきたような要塞が持つ甚大な戦略的・政治的意義に思い至らず、「要塞特攻」のあまりにも悪すぎるコストパフォーマンスについて全く考慮しなかった挙句、学ぶべき戦訓が多かったはずのケンプの要塞特攻失敗後に、要塞関連の戦術を何もかも「なかったこと」にしてしまったヤンとラインハルトに比べれば、とにもかくにもガイエスブルク要塞を活用しながらイゼルローン要塞を攻略しようと考えたケンプの方が「コストパフォーマンスの観点から見れば」はるかにまともであったと言う意味で述べています。
第一、ラインハルトがあくまでケンプに「要塞特攻」を期待していたと言うのであれば、最初からケンプに「要塞特攻」を行うように命令していればそれで済んだ話ではありませんか。にもかかわらず、ラインハルトがケンプに対して下した命令は、「『ガイエスブルク要塞の火力と装甲でイゼルローン要塞に対抗する』というシャフトの計画に基づいてイゼルローン要塞を攻略せよ」というものだったのですから(銀英伝3巻 P44~45)、そりゃケンプもその命令通りに行動せざるをえないはずでしょう。しかも、その命令を無視して下手に独断で「要塞特攻」を行ったりなどしたら、ケンプは命令違反と貴重な軍事要塞を無断で破壊した罪を問われて軍法会議にかけられてしまう可能性すらあったのです。ラインハルトにその意思がなかったとしても、ケンプの方がそう考えるというのは充分にありえる話でしょう。そのケンプの立場について配慮することなく、自分の責任を棚に上げてケンプを酷評したラインハルトはとんでもない愚か者でしかありません。
「あの2人に比べればケンプの方が余程まともな用兵家である」という意味がお分かりいただけましたか?
<再奪取されるまでは帝国軍の手にあったわけですから置いておいて、問題はその後です。
これから後の戦争は、ラインハルトの矜持によって行われたものであり、「ヤンと艦隊戦において雌雄を決する」という目的があるわけです。
その目的の定め方の是非はともかくとして、目的達成のためにそういう戦術をとらなかったのには正当性があります。
「同盟への侵攻」が目的のケンプの時とは明らかに違うわけです。
ただ、ヤンがイゼルローンから出てきた隙にその戦法を使い、帰る家をなくすというのはつかえたかと。
まぁあくまでも艦隊戦にこだわったのでしょう。
ロイエンタールの時も要塞戦は出てきません。ただ共和政府が通過を断ったらこの戦法が取られたかもしれないですね。
その後のユリアン達との戦闘も偶発的なもので、この戦法を準備する時間がなかったのでしょう。
と、いうことでラインハルトにもこの戦法を取る機会がなかったかと。
矜持で目的を定めること自体が「限界」であるとおっしゃられるかもしれませんが、そうすればこの戦争自体が無意味です。
戦術的には間違っていないということで。>
申し訳ありませんが、私に対してこの反論は全く無意味です。そもそも私は銀英伝7巻のマル・アデッタ会戦以降における「ラインハルトの個人的感情と病的なプライド意識に基づいた戦い」など、「銀英伝考察1」関連の過去ログでも散々述べたように全く評価しておりませんので。ラインハルト個人が抱くそんな下らないシロモノなどのために、イゼルローン回廊で死ななくても良かったはずの将兵が何百万人戦没したと思っているのですか?
しかもラインハルトは、かつてキルヒアイスに対してこのような誓約を誓っていたはずなのですが↓
銀英伝外伝3巻 P218上段~P219上段
<「ご存知ですか? 来年早々にも、また叛乱軍に対する軍事行動がおこされるそうです。今度はイゼルローン回廊に叛乱軍の進攻を許さず、こちらから先制出撃するとか」
「えらく強気だな、ミュッケンベルガー元帥も。何か理由があるのか」
「今回の戦死者がすくなかった、と、そう言っておいでのようです」
「すくなかっただと!?」
「四〇万人に達しませんでしたから。三〇何万かの生命、それと同じ数の家庭です。門閥貴族にとっては、とるにたりぬものなのでしょう」
キルヒアイスの声に、静かな、それだけに深い憤りが潜んでいた。ラインハルトは、キルヒアイスの精神に、氷山を感じることがある。表層にあらわれぬ存在の、静かで、巨大で、深く、厚く、充実していることを。
「キルヒアイス、おれはこんなばかげた戦いはしない。無益に兵士たちを殺すようなことはしない。おれたちの目的を達成するためには、まったく血を流さないわけにはいかないだろうけど、無益に血を捨てたりしないことは約束する」
赤毛の若者は、はじめて微笑した。>
件のラインハルト個人の矜持に基づいた戦いが、いかに「ばかげた戦い」で「無益に兵士たちを殺すようなこと」であったかは明白でしょう。「まさにそれこそがラインハルトの限界であった」と私はためらいなく断言しますけどね。
<ってか思ったんですけど、イゼルローンを移動式にするってかなり大規模な工事ですよね。
ガイエスブルグの時は国内だからいいとして、イゼルローンは国境でしょ?
そりゃばれますよ・・・。速攻で死に物狂いで攻撃してきますよ・・・。>
移動要塞改造のための工期については問題が生じることはないでしょう。というのも、これに関しては、銀英伝の中に類推することができる記述が存在するからです。
まず、銀英伝3巻でケンプがラインハルトにガイエスブルク要塞を使ったイゼルローン攻略を命じられたのが、3巻冒頭のアイヘンドルフ少将麾下の帝国軍艦隊とアッテンボロー率いる訓練中の同盟軍艦隊との遭遇戦が行われた1月22日より後のことであり、ガイエスブルク要塞の最終実験が成功してヴァルハラ星系外縁部にその姿を現したのが3月17日です。つまり、約2ヶ月ほど突貫工事を行えば、永久要塞を移動式に改造することが可能なのです。
次に銀英伝7巻後のヤン・ファミリーの行動を追ってみますと、ヤンが2度目のイゼルローン要塞攻略に成功してイゼルローンに入城したのが1月22日、そして「回廊の戦い」の前哨戦となるヤン率いるイゼルローン軍によるメックリンガー艦隊との対面およびビッテンフェルト・ファーレンハイト両艦隊との戦いが勃発したのが4月下旬~5月1日の間となっています。こちらは約3ヶ月以上の開きがあるわけです。
つまり、第9次イゼルローン要塞攻防戦の後、ヤンがイゼルローン要塞を移動要塞に改造することは時間的に見ても充分に可能だったわけです。それをしなかったのはヤンの知恵不足と怠慢以外の何物でもありません。
そして、工事の隠蔽に関しても、ヤンはイゼルローン軍の総戦力を帝国軍に把握されないように情報操作することに成功していますし、銀英伝6巻では、当時の同盟軍の要職にあったチュン・ウー・チェンが、バーラトの和約に基づいて破棄しなければならなかったはずの軍用艦艇の隠蔽に成功しています。これから考えれば、緘口令を布いたり、情報操作等を行っていけば、3ヶ月の間、改造工事の存在そのものを隠蔽することも充分に可能です。
以上のことから、要塞の改造工事についても全く問題はないと考えますが、いかがでしょうか。
>イッチーさん
<アニメやコミックなどを見ると、トゥールハンマーが万能武器のように使われているような印象を受けたのですが、冒険風ライダーさまの書き込みを拝見して納得いたしました。それでも、「神々の黄昏」作戦のときにむざむざ敵に渡すくらいなら、要塞ごとワープして、同盟軍の補給にでも役立てたほうがよかったのではと思うのですが・・・。>
それもあまり役に立つ使用方法とは思えませんね。「神々の黄昏」作戦当時の同盟領内での補給ならば、別にイゼルローン要塞がなくても、銀英伝本編でヤンがゲリラ戦を行った時のように、国内84箇所の補給基地を駆使して補給をまかなうことが充分に可能です。
しかも、いくら移動要塞が最強の力を持っているからと言って、それをむやみやたらと使いまくることは、そのような便利な戦法が存在すると敵にわざわざ教えてやるようなものです。せっかくラインハルトが移動要塞の利便性を忘却し去ってくれたというのに、それをわざわざ思い出させてしまうような行為はあまり良い結果をもたらさないかと思うのですが。
あの当時にイゼルローン要塞を移動させることは、やはりあまり意味がなかったのではないでしょうか。
>槍さん
<ただこの考察を読んである疑問が出来あがりました。
それはイゼルローン要塞は何処でて作ったのかという事です。
まさかイゼルローン回廊の場所は最前線であり、そこで一から作り始めたという事はないでしょう。
だからと言って要塞の完成品をイゼルローン回廊に運んできたとは考えにくいです。
(何しろガイエスブルグ要塞を動かすだけであの大騒ぎだっただから)
それにそれが可能ならば冒険風ライダーさんの作戦によって同盟領は帝国によって蹂躙されてるはずです。
となるといくつかのブロックを安全地帯で作ってプレハブ方式で作ったのかな?
だとしても同盟だってあそこで要塞が作られたたらどんな事態になるか解るだろうから絶対妨害するだろうし、それも必死で。>
イゼルローン要塞は宇宙暦763年~767年にかけて建造されています(銀英伝外伝2巻 P41)。約4年の歳月をかけて建造されているわけですね。ちなみに、帝国軍がイゼルローン要塞建造を決意する直接のきっかけとなった第2次ティアマト会戦が宇宙暦745年です。
しかし、この状況でも帝国が同盟軍の抵抗を排してイゼルローン回廊に要塞を建造することは可能だと思いますけどね。元々帝国と同盟の戦争はイゼルローン回廊同盟側出口付近の星系を主戦場としていましたし、そこに帝国軍側が軍事基地を建造したことや、ヤンが台頭するきっかけとなったリンチ少将の敵前逃走によってエル・ファシルが失陥しかけたこともあります。つまり、150年以上にもわたる戦争全体でみると、帝国は常に同盟に対して優位に立っていたのです。
このことを踏まえて考えれば、帝国は優位な立場を維持し続けながらイゼルローン要塞建造予定地であるアルテナ星系より前面を常に主戦場として戦い続けていれば、同盟軍に工事を邪魔されることなく要塞を建造することができるのではないでしょうか。元々同盟は帝国に比べれば劣勢なのですからそれも不可能なことではないかと。
余談ですが、帝国がイゼルローン要塞を建造するまでは、同盟側にも要塞建造の構想があったのだそうです(銀英伝外伝4巻 P34)。
>KURさん
<この辺、実際の軍隊ではどうなっているのでしょうね。
在日米軍の嘉手納や横須賀なんかには相当数の民間人が居住しているはずですが、
基地司令官が民間人に対して命令することは可能なのか、けっこう謎です。
というか、行政区としての扱いはどうなっているんでしょうね。
その辺が分かれば、イゼルローンのシステムも類推できそうな気がします。>
在日米軍だけでなく日本の自衛隊もそうですが、いくら何でも一軍事基地の司令官が、基地の内部はともかく、基地の存在する都市や町、さらにはそこに住んでいる住民を直接支配しているなどということはありえないでしょう。日米安保条約にも自衛隊法にも、そのような規定はどこにも存在しませんし、戦時や災害などの非常時ならばともかく、すくなくとも平時でそのようなことが許されることはありません。
定期的に行われる選挙ではきちんと住民の自由投票によって政治家が選出されていますし、革新系の知事や自衛隊演習場などが存在している地域では、むしろ地方行政・住民と在日米軍・自衛隊との間で諍いが起こっているところもあるくらいです。
これから考えても、イゼルローン要塞におけるヤンの権勢がいかに独裁権力者としての性格を濃厚に保有しているかがお分かりいただけるのではないでしょうか。何しろヤンは、イゼルローン要塞内における地方自治の原則すらも一切認めなかったのですから。
冒険風ライダーさん
それにしても、銀英伝に関しては設定擁護派を自認しておられた冒険風ライダーさんがこの様な問題提起をなさったのは少し意外でしたね。
<そもそも「移動要塞」の技術自体、実はそれほど難しいものではないのです。何しろ、シャフト自身が明言しているように、要塞の移動させる技術は「要塞にワープエンジンと通常航行用エンジンをそれぞれ12個ずつ円状に設置し、全てを同時に稼動させる」(銀英伝3巻 P45)という、ただそれだけの話でしかないのですから。「移動要塞」の提唱に際し、シャフトは別に何か特殊な技術を発明したわけではなく、ただ単に既存の宇宙航行用エンジンを少しばかり応用した使用方法を考案したに過ぎなかったわけです。これならばヤン側が「移動要塞」の技術を真似てしまうことはそれほど困難なことではないでしょう。>
同盟に関しては、既に他の方々から指摘がありましたが、
1、イゼルローンを移動式に改造しようにも経済的に余裕がない。
2、艦隊を要しているだけでも恐ろしいヤンに、移動要塞を与えるような度量がトリューニヒト政権やエル・ファシル独立政権にあるとは思えない。
3、ワープエンジン(12基)・通常航行用エンジン(12基)の取り付け及び調整などには、史実のガイエスブルクの場合一月(三巻P35)から三月半ば(P98)と、6万4千人(途中で2万5千人が増員された)の工兵を動員して2ヶ月近くかかっている。何ヶ月もの工事の間に敵の波状攻撃があった場合、それを防ぎ切るのは難しいのではないか。また、工事を隠蔽しようにも要塞内部に隠し数量を情報操作出来る艦隊と違い、要塞にエンジンを取り付ける工事は要塞外部で行なわざるを得ないので、合計24基ものエンジンを取り付けている途中で発覚する恐れが高いのではないか。
と、経済的・政治的・時間的に見て要塞の改造工事に着手するのは無理があったのだという事なのでは?
また、ガイエスブルク移動要塞の例からも分かる通り、移動要塞には外部に取り付けたエンジン部の防御力が低いという弱点があります。航行用エンジンが一つでも破壊されればバランスを失って航行不能となり、惰性での回転で内部は大混乱に陥ってしまいますし、エンジンは要塞の核融合炉に連結していると思われますので、エンジンが爆発すれば他のエンジンや核融合炉が誘爆してしまう危険性もあり、そうなった場合、巨大な要塞から大爆発に巻き込まれない安全圏まで脱出出来る可能性は低いと思われます(現にガイエスブルクの爆発に巻き込まれたケンプ・ミュラー艦隊はそれまで残存していた兵力の8割を失っている)
更に、12個のワープエンジンはワープの際に完全に連動させねばならず、失敗すれば亜空間に消えるか原子に還元してしまう(三巻P98)という通常の艦艇のワープに比べ高いリスクを移動要塞のワープは背負っているのです。
将兵や市民はガイエスブルクの悲劇的な最期を知っているでしょうし、要塞主砲や駐留艦隊を駆使してもエンジンを守り切れると言う保証はありません。「通常要塞の防御力」と「移動要塞の防御力」の信頼の差や、ワープの度に複数のエンジンの完璧な連動を求められるという危険性を考えれば、義務としてある程度リスクを背負わざるを得ない将兵はともかく、移動要塞に一般市民である将兵の家族を長期的に居住させるのは、将兵や市民から強い抵抗があるのでは?それらの問題を何とかしない限り、「自給自足可能な移動要塞」という構想は実現困難なのでは?
<6.イゼルローン要塞の構造的な独裁権力者、ヤン・ウェンリー>
外伝二巻P119でアッテンボローは「イゼルローンは軍用施設だから司法警察権はMP(憲兵)にある」と明言しており、同盟ではイゼルローンは少なくとも法的には都市ではなく単なる軍用施設という扱いだったようです。まあ、確かに500万もの軍人や市民が住んでいる以上は地方自治体として扱うべきだったという御意見は「なるほど」と思いました。
はじめまして、Tomoと申します。以前から気になっていた話題なので参加させていただきます。
さて、数ある銀英伝のSF設定のなかでも私が一番不思議だったのが要塞の「自給自足」システムでした。完全に独立した自給自足システムとはどのようなものでしょうか。
「完全に独立」している以上、質量やエネルギーは常に一定です。この中で一つのコミュニティーが半永久的に活動可能するためには最低必要条件として、完全なリサイクルシステムが必要です。卑近なレベルでいえば排泄物、生活ごみ、排ガスから極端な話、遺体すら有機物質として再利用しなければなりません。さらには勝手に子供を生むことすら許されない厳格な人口管理政策が必要でしょう。これらはあくまで必要条件であり、そもそも(必ずしも物理的に正確な意味では用いていないのですが)エントロピー増大則に反している気がします。
さらには
兵器を作る→戦争する→消耗する
というサイクルを繰り返すことによりエネルギー、物質の絶対量が減少していきます。
以上の理由より「完全に独立した」自給自足システムは不可能だと考えます。つまりやはり外部からのある程度の補給は不可欠です。しかし冒険風ライダーさんがおっしゃるようにユリアン率いる共和政府は全宇宙を敵にまわしながら補給の心配だけはしていません。(コーネフによる密輸の記述はありますが規模を考えれば砂漠に水をまくようなものでしょう)では一体彼らはどのようにしてイゼルローンを維持していたのでしょうか。ヒントは「長征一万光年」にあると考えます。「長征一万光年」においてドライアイスの宇宙船で帝国から脱出することからはじまります。そして「本格的な恒星間移動宇宙船」は星間物質によって建造すればよい、という記述があったはずです。つまり銀英伝世界において、星間物質から必要な物やエネルギーを得る技術が存在しイゼルローンにおいてもその技術により補給を行っているのではないでしょうか。さらにいえばあのような巨大要塞を維持するためには並の量の星間物質ではとてもおぼつきません、そこで仮定ですがあの宙域(その他要塞が存在する場所はすべて)には通常よりはるかに濃密に星間物質が存在するのではないでしょうか。つまり要塞が存在する場所というのは戦略上の要所であり、かつ要塞の維持が可能なほど星間物質が満ちている、という条件を仮定することにより冒険風ライダーさんが提唱された移動要塞の驚異的な戦略的価値を否定することができます。自由に移動できたとしても行き先に星間物質が希薄、ないし採取が困難な状態であれば「無限の回復力」を発揮することができません。
まあ「星間物質」を都合よく使いすぎてる気がしますが、「完全に独立した」「永久機関のごとき」軍事要塞の存在よりかはまだましな気がします。ていうかそんなものつくる技術力があるなら戦争なんかしなくてもみんなハッピーじゃん~、と思ったりしますし(笑)
ども、こんにちは、KURです。
> 在日米軍だけでなく日本の自衛隊もそうですが、いくら何でも一軍事基地の司令官が、基地の内部はともかく、基地の存在する都市や町、さらにはそこに住んでいる住民を直接支配しているなどということはありえないでしょう。日米安保条約にも自衛隊法にも、そのような規定はどこにも存在しませんし、戦時や災害などの非常時ならばともかく、すくなくとも平時でそのようなことが許されることはありません。
> 定期的に行われる選挙ではきちんと住民の自由投票によって政治家が選出されていますし、革新系の知事や自衛隊演習場などが存在している地域では、むしろ地方行政・住民と在日米軍・自衛隊との間で諍いが起こっているところもあるくらいです。
> これから考えても、イゼルローン要塞におけるヤンの権勢がいかに独裁権力者としての性格を濃厚に保有しているかがお分かりいただけるのではないでしょうか。何しろヤンは、イゼルローン要塞内における地方自治の原則すらも一切認めなかったのですから。
いや、嘉手納や横須賀に住んでいる普通の市民じゃなくて、
米軍基地内に居住している民間人の扱いはどうなんだろう、ということです。
つまり将兵の家族とか、基地内の小中高校の教師とかですね。
彼らにも、基地司令官の指揮権が及ぶのかどうかということが問題だと思います。
というか、彼らが投票権を行使しているかも非常に疑問なんですが。
アメリカはその辺には配慮しそうなので、何らかの措置はあるとは思いますが…
正直、昔から作中で大艦巨砲主義が否定されているのが納得行きませんでした。
現代世界ならともかく、圧倒的な戦闘力でアウトレンジ出来るハードウェアがなんであの世界で否定されるようになったんでしょうか。
ガンダムの場合は、ビームライフルが戦艦砲と同等の威力があるという、ある意味反則な設定があるんでひとまず納得できるんですけど。
> 「完全に独立」している以上、質量やエネルギーは常に一定です。
有機物はまだ循環が可能だとしても、無機物は自給できるのでしょうか?例えば、資源のない境遇は日本を想起させます。
イゼルローンも生産工場に代表されるインフラは整備されているようですが、大東亜戦争時の日本は空襲でインフラを破壊される以前に海上封鎖でダメージを受けていたわけですし。
ところで、イゼルローンが戦闘状態になった際には、おそらく500万都市が戒厳令下に置かれる(置かざるを得ない)はずですが…
ヤンやジェシカが一般市民の立場なら、真っ先にこういう状態に反対する行動を起こしそうなものですし、必ずこういう集団がいそうなものですが、我らが司令官殿はこういうとき、どのような対処をするんでしょうか?
あーやっぱりわかってくださらなかった(泣)
やっぱあのレスじゃ私の言いたい事は伝わらなかったようです。
みなさーん!
私の一回目のレスは気にしないでください(笑)
二回目の、私のレスに対する私のレスだけ見てください!
私は何も「要塞特攻」という一部のことにこだわったつもりはないんです。
ケンプの死から学ぶ事って、嫌でも「要塞を攻撃するということ」と、「自ら移動要塞を使うということ」の二つにわかれるじゃないですか。
で、私が言いたいのは、「二人はそのどちらも活かす機会がなかった」と。
「要塞攻撃」については、ケンプ以降、イゼルローン以外要塞戦が行われておらず、イゼルローン攻防の時は、どちらかの陣営に占拠する勝算があった。
ヤンの再奪取以降のラインハルトの対イゼルローン戦については後述します。
学習を実践に移す機会がなかったわけです。
「移動要塞」についても、結論からいえば「二人とも実行に移す機会がなかった」かと。
ヤン側は、「経済的な問題」「政治的な問題」「工事の問題」と常に三拍子がそろっていた。
ラインハルト側は、強大なリスクを背負ってまで、そんなものを作る必然性がなかった。
工事に関しては、やっぱり無理があると思います。
ぱっと見てもよくわからない兵士の数などや、広大な宇宙のどこかに隠せばいい艦艇などとは、ちょっと違うのではないでしょうか。
工事したということにもしなっていたら、それはそれで冒険風ライダーさんの攻撃対象になったでしょうしね(笑)
だから、ケンプの死後、それを踏まえた要塞戦が出て来なかったのは、作中人物が阿呆なわけではなく(ここ重要)、正当性があったんだよ、というお話です。
よーするに枝葉末節の部分(笑)
他は大方認めますよと。
おわかり頂けましたか?
要塞に関しては、私もかなり疑問に思っている事があるのでまた別に。
ラインハルトについてはねぇー。
「人生とはなんぞや?」
という問いと密接に結び付きますから。簡単に答えは出ないっすね。
でも、だからと言って議論をやめてはいけない問題でもあります。
え?
このスレッドでやる問題じゃないって?
まぁいいじゃないですか(笑)
だいたい私は、「将来の夢は?」と聞かれてまよわず「ヤンの性格のラインハルト!!」と今だに答えてしまう人なので(おっ年齢暴露?)。
もちろん「ヤンの性格のラインハルト」が、思想的に存在し得ないことなんてわかってますよ。
うーんなんというか、彼ら二人のファンなら、なんとなくニュアンスはわかってくれるのでは。
ってなんの話や!(笑)
だから、「考察シリーズ」とかを読んで、冒険風ライダーさんにボコされているラインハルトを、どーしても弁護したくなったりするのです。
要塞とは離れてしまうので、本格的な議論は後日に回してちょろっとだけ。
銀英伝の中には、名台詞がいっぱいありますよね。
特にヤン!
その中でも、結構心に残っていることばがあるんです。
「納得しない、ということが問題なんだ」
「人類は、命よりも大切なものがある、という考えと、命より大切なものはない、という考えの間で揺れ動いている。人類は二千年たってもこの答えをみつけられずにいる。まだまだ解決できるとは思わない」
みたいな台詞。(詳細は違ってると思うけど)
例えば、よくこのページにもでてくる宋のシンカイ(漢字でないっす)さん。
彼の和平によって歴史は納得したんでしょうか?
結局後に「復讐だ」みたいな感じでモンゴルと共同で金滅ぼして、墓穴掘ってますよね。
彼のようなかなり悪役な人物の評価のでさえ、数百年たった現代でも、冒険風ライダーさんと田中さんのように、正反対の意見が存在するのです。
ラインハルトなんていう、めちゃめちゃヒーロー的な人物の評価は、とても難しいし、多分これも数百年議論されるでしょう。
ただ、皇帝ラインハルトや、それにつき従った将兵たちは、簡単に全否定されてしまうような人生だったんでしょうか?
それではあまりにも、イゼルローンに没したたくさんの将兵たちが浮かばれないと思います。
ラインハルトの考えも一面の真理。
民衆はヒーローを望む、というのも真実。
しかしその一方で、「人は生きるために生きる」というのも立派な真理。
こういったことを考えた時、「ラインハルトを全否定する」なんてことは誰にもできないはずです。
ラインハルトはやはり、「ベストではないけれどよりベター」だと思いますよ?
さらに私の考えを言えば、人生とは「いかに楽しむか」であり、
「人は楽しむために生きる」
んだと思います。
もちろんこれは「アッハッハ」と笑う事だけじゃありませんよ。
夢をかなえたり、目標を達成したりという事もです。
で、歴史って言うのは「人生」だと思ってます。
いろんな考えがぶつかったり、楽しかったり悲しかったり。
そう思ったとき、やっぱ歴史にはシンカイみたいな人がいるよりは、ラインハルトのようなヒーローがいてくれたほうが、楽しいのでは?
「確かに効率はいいかもしれないが、卑怯な手を使った人」と、「効率はよくないが、ヒーローであった人」だったら、後者のほうが歴史に必要だ、と”私は”思います。
これは結構重要な事ではないでしょうか?
もちろん、「楽しい」という言葉をそのまま受け取られると困りますが。
「楽しい歴史を作り上げる」ということは、「生きること」に匹敵すると私は思います。
どうですか?結構内面的に深い意味を帯びていると思いません?
その意味って何か説明せよ、っていわれるとまだ自分でもまとまってないのでこまりますが(笑)
脱線してごめんなさい。
要塞に関しては前半のところまでで。
>平松さん
<それにしても、銀英伝に関しては設定擁護派を自認しておられた冒険風ライダーさんがこの様な問題提起をなさったのは少し意外でしたね。>
実はこの銀英伝考察3で述べている「無限の自給自足能力を駆使した移動要塞戦術」というネタ自体は、銀英伝考察1で書いた「信念否定論」と並んで、すでに10年近くも昔から頭の中で考えていたことでしてね。何しろ、作中のキャラクター達が常に補給の重要性を説いているそのすぐ目の前に「永久要塞」が存在したものですから、「これって銀英伝の軍事思想と矛盾するんじゃないの?」とは当時から考えていたものでした。
ただ、これをどのように論評するかに当たっては私自身もずいぶんと悩みました。普通に要塞の自給自足能力が持つ設定矛盾を指摘するだけでは面白くないですし、あげ足取り的な批判だと私自身も考えていたくらいでしたからね。実際、このネタは自分の胸の中に永久保存するに留めておこうかと何度か考えたこともあったほどです。
で、最近になってようやく、新規に思いついたいくつかのネタと組み合わせ、さらに設定矛盾を問題にするのではなく、ヤンとラインハルトの政治・軍事思想の方に致命的な一撃を与える形にすることで面白い考察にすることができることに気づき、今回の運びとなったわけです。
ストーリー批判に関しては「思想を憎んで設定を憎まず」が私の思想信条ですからね。今回もその流れから決して外れてはいないのですよ。
<ワープエンジン(12基)・通常航行用エンジン(12基)の取り付け及び調整などには、史実のガイエスブルクの場合一月(三巻P35)から三月半ば(P98)と、6万4千人(途中で2万5千人が増員された)の工兵を動員して2ヶ月近くかかっている。何ヶ月もの工事の間に敵の波状攻撃があった場合、それを防ぎ切るのは難しいのではないか。また、工事を隠蔽しようにも要塞内部に隠し数量を情報操作出来る艦隊と違い、要塞にエンジンを取り付ける工事は要塞外部で行なわざるを得ないので、合計24基ものエンジンを取り付けている途中で発覚する恐れが高いのではないか。>
要塞改造の工期に関しては、時間的にちょうど入れ違いになった前の投稿No.1742で私も見解を述べていますが、最初から綿密な計画を持ってやる気でいれば決して不可能な工事ではなかったと私は考えています。
工事に必要な技術要員の調達に関しても、軍の工兵だけでなく民間人からもエンジン整備が可能な技術者を徴用するなりすれば、10万人ぐらいは問題なく揃えることができるでしょう。全く同じ条件ないしはそれ以上の人員を揃えて突貫工事を行っていけば、ガイエスブルクのときと同様ないしはそれ以下の工期で改造工事を終わらせることも可能です。
加えて、ガイエスブルク移動要塞改造の時は、それが技術的に可能であることがまだ「理論上証明されただけ」で、実行過程では様々な事態を想定して色々な回り道をしなければならなかったことにも留意する必要があるでしょう。それ以降はすでに実際的に実現可能であることが確認されているのですから、その分工期を短縮させることもできるのではないでしょうか。
また、要塞にエンジンを設置する工事については、せっかくケンプがその身を犠牲にして実証してくれたガイエスブルク移動要塞の戦訓を生かさない手はないでしょう。すなわち、要塞移動時はエンジンを外部に出して推進させながら、停止時には要塞外壁の内部にエンジンを格納できるようにする工事も同時に行い、移動要塞の致命的な弱点となるであろうエンジンを要塞外壁で防御できるように要塞改造を行うのです。アニメ版の流体金属外壁であれば浮遊砲台が外壁の中から現れてくる描写があったくらいですから話は簡単でしょうし、四重複合装甲の外壁であっても似たようなシステムで砲台を守ってはいるでしょうから、それを応用した工事を行えば、エンジン格納工事もそれほど難しくはなさそうに思えるのですけどね。
それと情報漏洩に関しても、何年単位にも上る長期的な情報封鎖ならばともかく、せいぜい2~3ヶ月程度の間であれば、イゼルローン回廊全域を全面立入禁止宙域に指定したり、緘口令を布いたり、様々な情報操作などを行ったりしていけば、イゼルローン要塞内にスパイでもいない限りはイゼルローン回廊の内情を外部から隠蔽するなど容易なことでしょう(しかもこれらは戦時には常識的に行われていることです)。そもそも、敵が軍を率いてイゼルローン回廊に到達するだけで、宇宙航行の事情から約1ヶ月ほどは確実にかかるので、事前の防御も容易なものですよ。これもそれほど重大な脅威とまで言われるほどのものでもないかと。
平松さんが仰っている移動要塞関連の諸々の問題は決して解決困難な命題などではありません。ヤンにせよラインハルトにせよ、移動要塞の重要性を認識し、その気になって要塞改造に挑んでいれば、最強の兵器と軍隊を手に入れることができたと言うのに。常に補給の重要性を説いていながら実際はあのザマなのですから、なんとも滑稽な話としか言いようがないではありませんか。
>Tomoさん
<ヒントは「長征一万光年」にあると考えます。「長征一万光年」においてドライアイスの宇宙船で帝国から脱出することからはじまります。そして「本格的な恒星間移動宇宙船」は星間物質によって建造すればよい、という記述があったはずです。つまり銀英伝世界において、星間物質から必要な物やエネルギーを得る技術が存在しイゼルローンにおいてもその技術により補給を行っているのではないでしょうか。さらにいえばあのような巨大要塞を維持するためには並の量の星間物質ではとてもおぼつきません、そこで仮定ですがあの宙域(その他要塞が存在する場所はすべて)には通常よりはるかに濃密に星間物質が存在するのではないでしょうか。つまり要塞が存在する場所というのは戦略上の要所であり、かつ要塞の維持が可能なほど星間物質が満ちている、という条件を仮定することにより冒険風ライダーさんが提唱された移動要塞の驚異的な戦略的価値を否定することができます。自由に移動できたとしても行き先に星間物質が希薄、ないし採取が困難な状態であれば「無限の回復力」を発揮することができません。>
ひとつ質問したいのですが、星間物質とはどのようなものなのでしょうか?
もしそれが小惑星や隕石だと言うのであれば、イゼルローン要塞が置かれているアルテナ星系はひとつの惑星も持たない孤独な恒星系なので、この設定が成立することはありえませんが。
また、特定の星系でしかその手の星間物質が手に入らないと言うのであれば、太陽エネルギーということもないですよね。これだと移動要塞が威力を誇る際の障害とはなりませんし。
銀英伝世界における要塞の場合、要塞の中心部に位置する核融合炉が全要塞にエネルギーを供給しているという描写がレンテンベルク要塞関連の記述に存在しますし、イゼルローン要塞にも巨大な核融合炉が存在するらしいので、これが「無限の自給自足能力」を支えるエネルギー供給源になっているという説が一番妥当なところではないかと思うのですが。
>KURさん
<いや、嘉手納や横須賀に住んでいる普通の市民じゃなくて、
米軍基地内に居住している民間人の扱いはどうなんだろう、ということです。
つまり将兵の家族とか、基地内の小中高校の教師とかですね。
彼らにも、基地司令官の指揮権が及ぶのかどうかということが問題だと思います。
というか、彼らが投票権を行使しているかも非常に疑問なんですが。
アメリカはその辺には配慮しそうなので、何らかの措置はあるとは思いますが…>
たとえ米軍基地内に居住している民間人でも、日本国籍を持っているのであれば、選挙権も被選挙権も保有しているでしょう。日本の選挙制度にそのような差別があるといった類の話は聞いたことがないですし、第一、彼らは基地の中に拉致されて行動の自由を失っているわけではないのですから。そして、選挙権や被選挙権を実際に行使しているかどうかはその人の個人的な意思の問題であって、一連の軍事問題とは何の関係もない事です。言うまでもないことですが「与えられているが使わない」と「最初から与えられていない」では大違いです。
在日米軍基地とイゼルローン要塞の決定的な違いは、前者が都市や町に寄生し、日米安保条約なり日米地位協定なりに基づいて土地を貸与してもらっている存在であるのに対して、イゼルローン要塞は「軍事基地の中に都市が存在する」という、全く逆の立場関係を持っていることです。そして「大都市イゼルローン」はあくまでも「軍事基地イゼルローン」に奉仕する存在でしかなく、主体はあくまでも軍の方なのです。
これだけでも、在日米軍の司令官とヤン、どちらがより強大な権力者であるかが分かろうというものではありませんか。
>管理人さん
<有機物はまだ循環が可能だとしても、無機物は自給できるのでしょうか?例えば、資源のない境遇は日本を想起させます。
イゼルローンも生産工場に代表されるインフラは整備されているようですが、大東亜戦争時の日本は空襲でインフラを破壊される以前に海上封鎖でダメージを受けていたわけですし。>
さすがに大型艦船の類を自給することはできないみたいですね。武器弾薬の類を自給することは可能みたいですが。
<ところで、イゼルローンが戦闘状態になった際には、おそらく500万都市が戒厳令下に置かれる(置かざるを得ない)はずですが…
ヤンやジェシカが一般市民の立場なら、真っ先にこういう状態に反対する行動を起こしそうなものですし、必ずこういう集団がいそうなものですが、我らが司令官殿はこういうとき、どのような対処をするんでしょうか?>
要塞防御司令官であるシェーンコップが秘密裏に処理していき、ヤンは事後処理の書類にサインするだけ、というのが一番ありえそうなシナリオでしょうかね。もちろん、ヤンが決断にあたふたするのを見かねたシェーンコップに半ば引きずられる形で、というパターンになるでしょうけど。
イゼルローン要塞の住民をヤンが自分の意のままにできることはほぼ間違いないでしょう。銀英伝3巻でガイエスブルク要塞来襲の際、留守司令官であったキャゼルヌが民間人に対して退避準備を命じていましたし、銀英伝5巻でも、ヤンは住民の感情に配慮することなくイゼルローン要塞放棄を決定しています。
いや~、独裁権力というものは良いものですね~。誰にはばかる必要もなく、好き勝手に基本方針を決定し、有無を言わさず他人に命令を下し、強制的に従わせることができるわけなのですから。
とても面白い話題なので、思わずレスをつけたくなりしゃしゃり出てきました。
Tomoさん>星間物質とは別名「影の物質」と呼ばれている物のことですよね?
ということで、ずうずうしくも説明したいと思います。
そもそも我々がものを見ることができるのは電荷を持った素粒子が振動することによって発生する電磁波(光)を目とかアンテナでキャッチできるからです。この電磁波の発生や光が網膜の視神経を刺激するといった現象は、すべて電磁相互作用のたまものです。
ですが、我々が観測できるだけの物質の持つ質量だけでは銀河のような美しい渦巻き型の形は作られることがないのです。(計算上)質量にして我々が見える物質の10倍以上はないと渦巻き型銀河はできません。
つまり電磁相互作用をすることがない(光や電波による観測が不可能な)物質がそれだけあるということなのです。
電磁相互作用がないということは分子を結びつける力も電磁力なので、実在する物質と星間物質(影の物質)が互いに同じ位置にあってもお互いに素通りしてまったく気がつかないという不思議な物質です。
ただこいつには質量はありますので、質量があるということはそれを一旦エネルギーに変換しそれを我々が知る物質に変換するということは可能です。(つまり補給は可能!)
こんな不思議な物質の存在は「超ひも理論」において実在することが予測されてます。が、なんせ観測不能なんでどういうものか全く分かってないというのが現在の状況です。
ただ今から何百年もあとの人類の科学技術だったら、こんな夢みたいなことでもできるかな・・・?
ども、KURです。
> たとえ米軍基地内に居住している民間人でも、日本国籍を持っているのであれば、選挙権も被選挙権も保有しているでしょう。日本の選挙制度にそのような差別があるといった類の話は聞いたことがないですし、第一、彼らは基地の中に拉致されて行動の自由を失っているわけではないのですから。そして、選挙権や被選挙権を実際に行使しているかどうかはその人の個人的な意思の問題であって、一連の軍事問題とは何の関係もない事です。言うまでもないことですが「与えられているが使わない」と「最初から与えられていない」では大違いです。
> 在日米軍基地とイゼルローン要塞の決定的な違いは、前者が都市や町に寄生し、日米安保条約なり日米地位協定なりに基づいて土地を貸与してもらっている存在であるのに対して、イゼルローン要塞は「軍事基地の中に都市が存在する」という、全く逆の立場関係を持っていることです。そして「大都市イゼルローン」はあくまでも「軍事基地イゼルローン」に奉仕する存在でしかなく、主体はあくまでも軍の方なのです。
> これだけでも、在日米軍の司令官とヤン、どちらがより強大な権力者であるかが分かろうというものではありませんか。
あーーーー。どうして話がすれ違うのかわかりました。
すいません、説明不足でしたが私は「在日米軍基地内に居住する米国民間人」の話をしていたんです。
将兵の家族とか、軍に委託された民間施設の勤務者とか、
故郷を遠くはなれて異国の軍事基地に居住する人たちのことです。
イゼルローン居住の民間人に近いのは、おそらくそういう立場の人たちだと思います。
「彼らの指揮権は基地司令官に属するんだろうか?」というのが私の疑問だったわけです。
米軍の将兵が10万人いるわけだから、軍関係の民間人も相当の数が日本の軍事基地内に居住していると思うんですが、
彼らの政治的権利やら住民としての権利やらの扱いがどうなっているのか興味あります。