管理人さん、「私の創竜伝考察シリーズ」のチェック、ご苦労様です。今回の私の批評は少しキャラクターに対するツッコミが多かったようですね。もう少し控える事に致しましょう。
しかし創竜伝に登場するキャラクターは、敵味方を問わず反日的な主張をするキャラクターが多すぎます。一方の陣営に多いのならば分かりますが。特に四人姉妹と竜堂兄弟は、後で触れますが、反日主義という点で完全に共通していて、この点でなぜ手を取り合わないのか理解できないほどです。この点についても後日考察してみようかと思います。
それでは、今回で創竜伝2の批評を一気に終わらせようと思います。かなり長くなると思いますが。
P118上段
<「優越感を刺激するにつきますわね。日本人の、いわゆるエリートと自認する者たちの幸福感は、ほとんど100パーセントが優越感で成立しています。大きくは、たとえば発展途上国に対する大国意識、小さくは、となりの家より大きなカラーTVを買う心理。すべてこれ、優越感を満足させているわけです」>
こんな主張をしているレディLに限らず、創竜伝に登場する外国人は、やたら浅薄で的外れな日本人論を展開しているのが特徴です。田中芳樹の趣味なのか、キャラクターの設定が全てそうなっているのかは知りませんが。「日本人の、いわゆるエリートと自認する者たちの幸福感は、ほとんど100パーセントが優越感で成立しています」こんな風に「エリート」たちを全て一律に斬って捨てていますね。中には例外もいるでしょうし、全てのエリートがこういう風に考えているわけでもないのに。「日本のエリート」が聞いたら怒り狂うようなセリフですね。
それと「となりの家より大きなカラーTVを買う心理」これ、いつの時代の比喩的表現なのでしょうか? 私は1960年代の表現のように感じるのですが。
P128下段
<「愛国業ってのは、よっぽど儲かる商売らしいな」>
いいえ、少なくとも現代日本では全く儲かりません。反日主義者がやたらと儲かっているという話ならば聞いた事がありますが。(こんなのにまで何ツッコんでいるのでしょうか(^^;))
P138下段~P139上段
<「あんたには悪いがね、虹川さんよ、軍人とか警官とか、制服を着た連中がいばってる国は、近代国家とはいえないよ。日本はどうも年々、逆近代化してるぜ」
虹川はうなずいた。否定する気はまったくなかった。ここ何年も、一般市民の、「感じが悪い役所」のアンケートで、警察が断然トップになっている。>
私は警官が威張っている姿はテレビドラマでときどき見るくらいで、それほど威張っているようには見えませんし、「軍人」に至っては威張っているどころか、朝日などの左翼メディアにいつも石を投げつけられているように見えるのですが。第一、「制服を着た連中がいばってる国は、近代国家とはいえない」というのならば、アメリカは近代国家ではありませんね。あそこは軍人が結構尊敬されていますし、軍事力も強大ですから。
それと、「一般市民の、「感じが悪い役所」のアンケートで、警察が断然トップになっている」というのは、いったいどこからデータを取ってきたのでしょうか。まさか朝日新聞ではないでしょうね。
P140下段~P141上段
<首相は、「政治には無知、財政には無力、経済には無能、文化には無関心」といわれる人物だが、利権あさりと資材蓄積にかけては名人だった。とくに建設省と郵政省がからむ利権は、ほとんど彼と彼の派閥が独占している。
そういったことを、外国の通信社は報道するが、日本の新聞社やTV局はほとんど報道しない。何代か前の首相が、不正な手段による蓄財を雑誌ジャーナリズムから指摘されたとき、ある大新聞の政治部記者は、恥知らずにもつぎのように言った。「ふん、そのくらいとっくに知っていたさ。書くのはやぼだから書かなかっただけだ」それから20年以上たって、事態はますます悪化している。>
いったい何回同じツッコミをすれば良いのでしょうか。「日本の新聞社やTV局はほとんど報道しない」「それから20年以上たって、事態はますます悪化している」これらは大嘘です。日本のマスコミが政府叩きの材料を捨てるわけがありません。それが無くなったら、やる事が激減しますから(^^;)。
ちなみに、ここに書いてある例は、1970年代に田中角栄が文藝春秋に「金権疑惑」を暴かれて辞任に追いやられた時に、朝日新聞社の記者が吐き捨てた言葉です。「国民新聞」こと読売の方はすぐに特定できるのに、朝日の場合はなかなか特定できないように「ある大新聞」といっている辺りはさすがですね。朝日の機嫌を損ねたら、それこそ発禁ものですからね(^^;)。
P141上段~下段
<以前はそうでもなかったのだが、1980年代にはいってから、国民新聞はまったく政府べったりの御用新聞になってしまった。与党が選挙で負けると、「日本の社会は衆愚政治化しつつある」とかきたてるありさまだった。>
「1980年代にはいってから、国民新聞はまったく政府べったりの御用新聞になってしまった」ということは、それまでは朝日と同じような論調だったという事ですね。日本のためにも良かった事です。「与党が選挙で負けると、「日本の社会は衆愚政治化しつつある」とかきたてる」というのもあまり間違っていたとは言えませんね。当時の社会党が与党になっていたら、日本はソ連に占領されていたでしょうから。当時の社会党や共産党が、ソ連から資金提供を受けていたというのは定説になっていますからね。
P142下段
<「国立大学の受験生だ」
「ああ、かわいそうに、文部官僚の生きたおもちゃか。毎年毎年、受験法を変えられては、なぶりものにされている」
「まあ、そういうわけだ」
肩をすくめて、シン海は話を続けた。>
すいません、シン海のシンの字が見つかりません。どうかこれでご勘弁を。
さて、「国立大学の受験生」が「文部官僚の生きたおもちゃ」とは恐れ入りますね。私も国立大学を受けようとしていたのですよ。そこまで「国立大学の受験生」がおとしめられる必要がどこにあるのでしょうか。これは私立大学出身ということにエリート意識を覚えていなければ言う事ができないセリフです。確か田中芳樹は私立大学出身だったと思いますが、そこからこんな考えが出てきたのでしょうか。
それから、「毎年毎年、受験法を変えられて」いましたっけ? ここ20年ほどは、センター試験で統一されていますし、私立大学でもこれを採用している所がいっぱいあります。
私立大学が文部省のセンター試験を導入した時、田中芳樹はどんな顔をしたのでしょうか。
P143下段~P144上段
<この国では、政治ジャーナリズムまで芸能レポーターの水準まで堕ちてしまっている。水滸伝の時代にも似ているが、ローマ帝国の末期にも似ている。自分たちの国でとれるわけでもないのに食糧はありあまり、人は刺激をもとめて闘技場に押しかける。絶対安全な場所から、剣闘士の殺しあいを見て手をたたく。ローマとちがって現代日本では闘技場はないから、事故のときの死体写真でしぶしぶ満足する。他者に対する残忍な攻撃衝動は、教育の世界で顕在化し、子供同士がいじめあい、教師はヒステリックな体罰を行使して子供をなぐり殺す。まともな社会ではない。
だが、そんな社会評論をやっていてもきりがないから、始は、つかのまの平穏な時間に、自分たち自身のことを考えようと思っているのだった。>
「そんな社会評論をやっていてもきりがない」と思うくらいなら、こんな長ったらしい社会評論を展開しないでください。聞く方も迷惑ですし、引用するのも大変なのですから。
それにしてもこれらのあまりにも侮蔑的な記述は驚きですね。「政治ジャーナリズムまで芸能レポーターの水準まで堕ちてしまっている」始氏ないしは田中芳樹にとって、芸能レポーターとは相当程度の低い職業のようですね。この先の巻で「職業に貴賎はないといわれる」といった人の記述とはとても思えません。芸能レポーターだって立派な職業ですし、少なくとも朝日新聞の報道や田中芳樹の社会評論よりは情報の信憑性がありますよ。強引な取材に全く問題がないとは言いませんが。
「ローマとちがって現代日本では闘技場はないから、事故のときの死体写真でしぶしぶ満足する」おいおい、もうちょっとましな表現はなかったのですか? だいたい「事故のときの死体写真」って、どうやって閲覧するのです? 私はその方法を知りませんが。
あと、このように日本のマイナス面だけを取り上げ、しかもなぜそうなったのかという検証もしないのは、社会評論としては最低のシロモノです。これでは読者に誤ったイメージが植え付けられてしまうではありませんか。
P162上段~下段
<「もっとも、おれは、陰謀史観ってやつがあんまり好きじゃない。フランス革命にしろ、ロシア革命にしろ、風を送りこんだ奴がいたとしても、火は民衆の間から自然に燃えあがったと思っている。陰謀やテロだけで歴史が動くと思いこんでいる奴らが、そう信じこむのは勝手だけどね」>
これは左翼が理想とする運動理論ですね。現実にはこうも理想的には動かないものです(^_^)。フランス革命にしろ、ロシア革命にしろ、単純にいえば「パンとサーカス」が戦争によって慢性的に不足し、生活が追い詰められたところを、扇動者によって革命へと発展したのが実情ですし、しかもその後運動の方向性がつかめず、そのために革命運動の継続自体が目的化してしまって大虐殺・大粛清へと発展していったものです。結局のところ、2つの革命の結末は、より強大な独裁者の誕生でしかありませんでした。この2つの革命は、民衆が動かしたものではないと私は考えています。
少し話がそれてしまいましたが、「陰謀史観ってやつがあんまり好きじゃない」という割には、創竜伝は「陰謀史観」で動いているように見えるのは気のせいでしょうか。
P170上段
<「他の人にも言ったことがありますけどね、日本が滅びるのは、いっこうにかまいません。むしろ滅んだほうが、他の多くの国のためかもしれませんけどね」
続の声が、一段とそっけなさを増した。>
続氏の反日発言です。何で日本がここまで嫌われていると見ているのでしょうか。まあそれは良いのですが、こんな発言をしたすぐ後に、次のような矛盾した主張をしています。
P170上段~下段
<「四海竜王のひとりである南海紅竜王は、華麗にして鋭気と烈気に富むとか。まったく、あなたそのものだわ。だけど、まあ聞きなさい。あなたたちは先だってから日本の権力集団と対立を強いられているはずでしょう。とすれば、わたしたちは力をあわせられるはずよ」
「ぼくたちはべつに日本を憎んではいません。かなり愛想をつかしてはいますけどね。同士あつかいされるのは迷惑です」>
一方で「日本が滅びるのは、いっこうにかまいません。むしろ滅んだほうが、他の多くの国のためかもしれませんけどね」と言っておきながら、レディLがその事で共闘を申し込むと、手のひらを返したように「ぼくたちはべつに日本を憎んではいません。かなり愛想をつかしてはいますけどね。同士あつかいされるのは迷惑です」というのは、外交手法にしてもかなり無理なご都合主義なのではないでしょうか。反日主義という一点で四人姉妹と利害が一致しているのですから、共闘してもかまわないと私は思うのですが。そもそも竜堂兄弟と四人姉妹って、何が理由で対立しているのか、創竜伝を何度読んでも私にはよく分かりません。竜種や牛種との対立というのもあまり必然性がないみたいに見えるのですが‥‥。主義主張ではあまり違いがないようですし。
P186上段~下段
<アメリカに対して属国根性のしみついた日本政府が、忠義づらで事後処理をやってくれるだろうし、ものを考えるということをしなくなった日本のマスコミは、アメリカ軍と日本政府の公式発表を、批判も独自調査もせず、たれ流して恥じもしないだろう。>
相変わらず日本蔑視な主張をしていますね~。「アメリカに対して属国根性のしみついた日本政府」というのは少なくとも半分は事実ですから何とも言えませんが(それでももう少しましな言い方があると思うのですが)、「ものを考えるということをしなくなった日本のマスコミ」が「アメリカ軍と日本政府の公式発表を、批判も独自調査もせず、たれ流して恥じもしないだろう」というのは、全く事実に反していますね。ここぞとばかりに政府批判を展開してくると思うのですが。
P193下段~194上段
<相手が、軍事基地建設反対の老人であったり、原子力発電反対グループの主婦であったり、公害企業糾弾の公害病患者であったりすれば、いくらでも強気になれる機動隊も、(略)>
まるで「善良な人々に対して機動隊が残虐なふるまいをしている」かのような論調で書かれていますね。わざわざ「いかにも弱者」というものを前面に出すとは大したものです。これでまた読者は機動隊に対して誤ったイメージが植え付けられることでしょう。現実には、機動隊はマスコミなどの目があるためにそれほど強気にはでられないのですが。
P204下段
<だが、現実問題として、自衛隊の出動は可能だろうか。>
この場合、治安出動は絶対にできません。たかがドラゴンに東京を一方的に破壊された所で、ドラゴンがどこの国に所属しているか(!)が判明しなければ、治安出動を自衛隊に下命する事はできません。災害派遣としてならば可能かもしれませんが、災害に認定するまでどれだけ議論しなければならないのやら。それなのに、創竜伝では思いっきり自衛隊が動き回っていますね~。
この問題を「宣戦布告・創竜伝バージョン」とでも題して、もう少し詳しくシミュレーションしてみる方はいませんか? 面白いと思いますが、私も少し知識をかじっただけなので(-_-;)。
P220下段~P221上段
<非合法なテロリストなどこわくない。ほんとうに恐ろしいのは、権力を持ち、法をつくり、法によって人を罪に落とすことができる連中だ。アドルフ・ヒットラーも、ヨシフ・スターリンも、一国の支配者であって、町の無法者ではなかった。偉大な指導者であるふたりが、あわせて5000万人以上の人を殺したのだ。チャップリンが「殺人狂時代」で告発した時代から、事態はいっこうに変わっていない。5人の人間を殺害した犯人は死刑になるが、熱処理済み血液製剤の輸入を拒否して数百人の血友病患者AIDSに感染させた厚生省の官僚は、のうのうと天下りして、何の責任もとらない。>
この文章を、私なりに改造してみました。
「非合法なテロリストなどこわくない。ほんとうに恐ろしいのは、自分を絶対の正義と信じ、自分が悪とみなした者を、その立場を理解しようともせずに抹殺しようとする連中だ。アドルフ・ヒットラーも、ヨシフ・スターリンも、自分が絶対の正義と信じ、その正義の名のもとに大虐殺を展開したのであって、自分が悪行をなしたとは思っていなかった。偉大な指導者であるふたりが、あわせて5000万人以上の人を殺したのだ。チャップリンが「殺人狂時代」で告発した時代から50年ほど経過したが、事態は時代と共に次第に変化していき、その正義を主張するものはいまや権力者ではなく、反権力を自認する連中にとってかわった。熱処理済み血液製剤の輸入を拒否して数百人の血友病患者AIDSに感染させた厚生省の官僚はマスコミの猛攻を受けて責任をとらされたが、反権力を掲げる朝日新聞や田中芳樹のでたらめな主張は、世間一般から何の批判も受ける事もなく、かつ、自分の主張に対して何の責任も負わない。もっとも良い傾向として、ここ20年ほどはこれらの反権力勢力の力もかなり衰え、検証や批判もかなりおこなわれるようになってきたようではあるが」
冒険風ライダーさんへ
>反日主義という一点で四人姉妹と利害が一致しているのですから、共闘してもかまわない
>と私は思うのですが。そもそも竜堂兄弟と四人姉妹って、何が理由で対立しているのか、
>創竜伝を何度読んでも私にはよく分かりません。竜種や牛種との対立というのもあまり必
>然性がないみたいに見えるのですが‥‥。主義主張ではあまり違いがないようですし。
恐らくそれは「創竜伝」における基本設定の失敗だと思われます。
そもそも、まともに読むと「四人姉妹」は日本政府に敵対する必要は全くありません。大統領すら「四人姉妹の政界代理人」であるアメリカ政府を動かせば「属国根性のしみついた日本政府」はどうにでもなるのではないでしょうか。
だとすれば最初にアメリカは勿論、日本政府をも「四人姉妹」に操られているものとしておいて(この場合、連中が日本人を蔑視しコキ下ろしていた方がかえって自然です)、しかし傀儡であることに不満を持った船津忠厳(そうしておけばあれだけ悪趣味で軽率な人物が日本の黒幕で有ることもさほど奇妙では有りません。何といっても「傀儡」に過ぎないのですから。部下をいびった後で「四人姉妹」に媚びへつらい、裏で「今に見ておれよ」なんて言ってるようなキャラにしておけばツッコミなど入れずに済んだのに)は反逆できる力を得るために竜堂兄弟に手を出して「眠れる虎ならぬ竜」を起こしてしまったので、竜堂兄弟を脅威と見なした「四人姉妹」は…という話にしていればよかったのではないでしょうか。
私が思いつくぐらいのことは当然、田中氏も考えたでしょう。
恐らくそれができなかったのは続編が出るか出ないか分からずに「創竜伝」1巻(便宜上の呼び名です)を書いてしまったのに加えて、当時は日米摩擦が顕在化した時期にあったことで「日米両政府を操っているのは同じ連中である」との設定に説得力が無かったからではないでしょうか。
でもそれだったら「属国根性うんぬん」を採り上げたりするのは矛盾しています。ましてや政治評論を入れるのは反則でしょう。
はじめまして。
いつも冒険風ライダー様の批評を読ませていただいています。
P170上段
<「他の人にも言ったことがありますけどね、日本が滅びるのは、いっこうにかまいません。むしろ滅んだほうが、他の多くの国のためかもしれませんけどね」
続の声が、一段とそっけなさを増した。>
いやはや、日本が滅びることが、いったいどこの国のためになるというのでしょう。
具体的に国名をあげて欲しいものです。
反日の代表格である中国でさえも、反日プロパガンダでの統一ができなくなるし、
円借款という名目のゆすりたかりもできなくなってしまいます。
日本が消滅して喜ぶのは、共産主義化を切望する確信的左翼主義者くらいでしょう。
どんなに続氏が「日本が滅んでも誰も悲しまない」と言ったところで、
少なくとも私は悲しみます。
故郷の喪失を悲しまない人がいるのでしょうか。
それに、無敵の竜堂兄弟と違って、多くの人間は、国家の保護無しでは生きていけません。
あと、何巻か忘れましたが、海上自衛隊の護衛艦の名前が「つきなみ」「よこしま」
でした。無礼すぎて笑えない冗談です。
短い感想と、ちょっと思い付いたけどきちんと書くほどでもない没ネタを少し。
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>「『創竜伝』が禁書になって」いる学校などありません
知る限り、禁書になった人は別にいましたね。実は夢枕氏でして、例の「餓狼伝」を誰かが図書委員に要望し、入ったのはいいのですが初期ノベルス版の裏表紙はなぜか本筋に関係無く数も少ない濡れ場から引用されてまして(笑)、あわれ同シリーズは陽の目を見ず言論弾圧されてしまいました。
(註)もっと酷い話として、あるアホが「某国(名を秘す)書院」の文庫本をリクエストしたことがありました。で、これは即座に選定で跳ねられたから創竜伝以上に弾圧されていたわけです。すごい。
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P162上段~下段
「もっとも、おれは、陰謀史観ってやつがあんまり好きじゃない。国民(読売)新聞の部数世界一にしろ、自民党の長期政権にしろ、有事法制を認める割合が増加している世論にしろ、風を送りこんだ奴がいたとしても、火は民衆の間から自然に燃えあがったと思っている。陰謀や巨人のチケットだけで歴史が動くと思いこんでいる奴らが、そう信じこむのは勝手だけどね」
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>「よこしま」
これは「魔天楼」でパクッった某作品へのオマージュでは?あ、時期がずれてるか(笑)。余談ながらあの「極楽大作戦」はノリが明るすぎるためかセルフパロディをしてしまうためか、ストーリーテリングやアイデア・設定の作成で最近の田中芳樹の30倍くらい優れているのに(匹敵するのはHUNTER*2ぐらいか)熱狂的なファンが少ない?のがかわいそうですね(例えば殆ど、同作品のサイトを見ない)。短編など見ても、実力はあるのにね。
(註)勿論トップクラスで売れてはいるのだろうが、いわゆる専門誌で騒がれたりとかは・・・それからおれ、魔天楼読んでないわよく考えたら。これの真似じゃなかったらすまん
>P118上段
><「優越感を刺激するにつきますわね。日本人の、いわゆるエリートと自認する者たちの幸福感は、ほとんど100パーセントが優越感で成立しています…
これについては一言。「日本人自称エリート」ってお前のことだろ。田中芳樹。
冗談はさておき、この真理は別に日本だけの問題じゃなくて、資本主義世界全体、否、共産主義でも見られる人類全体の、人間としての大問題だと思うのですけどね。
まあ、真のエリートはタワゴトなど聞く耳を持たないし、田中芳樹よりも寛容なので別段怒りはしないでしょう(笑)。
>P128下段
><「愛国業ってのは、よっぽど儲かる商売らしいな」>
まあ、兵器産業の水増し請求などが実在しますから完全否定はしませんが、一部が儲かっているから全部儲かっているとするのは大きな間違い。
それにしても、創竜伝で儲けた金を全部放棄しているならこういうことを言う権利もあると思いますが、自分は散々悪口文章で儲けているクセに、よくこういうことを言いますね。
>P138下段~P139上段
><「あんたには悪いがね…
まあ、警官にもいろいろいますから、個々の事例では威張っていることもあるでしょうが、警察全体が威張っているとはとうてい思えませんね。
だから、この「近代国家」ってのはどこなんだっつーの(笑) 田中芳樹の頭の中だけに存在するパラダイスなんじゃないでしょうかね。少なくとも、この件に関して日本でダメならば、世界には該当する国はまずないでしょうからね。
>P140下段~P141上段
><首相は、「政治には無知、…
>朝日の場合はなかなか特定できないように「ある大新聞」といっている辺りはさすがですね。朝日の機嫌を損ねたら、それこそ発禁ものですからね(^^;)。
まあ、発禁かどうかは知りませんが(^_^;)、小狡い話です。
>P141上段~下段
まあ、国民新聞は架空の新聞だ(ホントは違うけど)という逃げ口があるので、読売と比較して叩くのはやめておきます。
>「日本の社会は衆愚政治化しつつある」とかきたてるありさま
とはよく言いましたね。自分の思うとおりに日本人がならないと「日本の社会は衆愚政治化しつつある」とかきたてるありさまのクセに。
>P142下段
><「国立大学の受験生だ」
>「ああ、かわいそうに
多分、田中芳樹は「国立大学の受験生」に同情して書いたのだと思うのですが、それがこのような(当の当事者にとって)皮肉な文章になってしまうあたりに、田中芳樹という人間の業のようなものを感じますね。
>シン海のシンの字が見つかりません
とのことですが、蜃海ですね。ここに載せておくので辞書に登録しておくと良いと思います。
>P143下段~P144上段
><この国では…
>あと、このように日本のマイナス面だけを取り上げ、しかもなぜそうなったのかという検証もしないのは、社会評論としては最低のシロモノです。
というのは、まったくその通りですね。更に、これが本当に日本だけの問題なのかということは、もっと問われて良いですね。
>P162上段~下段
><「もっとも、おれは、陰謀史観ってやつがあんまり好きじゃない
いや、私はこの始の説は大したものだと思いますよ。
>おれは、陰謀史観ってやつがあんまり好きじゃない。フランス革命にしろ、ロシア革命にしろ、風を送りこんだ奴がいたとしても、火は民衆の間から自然に燃えあがったと思っている
この説で行けば、ホロコーストも文化大革命もカンボジアの大虐殺も、すべて>風を送りこんだ奴がいたとしても、火は民衆の間から自然に燃えあがった、と言えますから。
実はこれらは四人姉妹の陰謀でしたー、とは、間違っても主張できないはずなんですがね。
>P170上段
>P170上段~下段
どんなに「才知に富んでいる」という設定にされても、作者がバカだとキャラクターは酷いことになるものですね。ある意味、同情します。
>P186上段~下段
><アメリカに対して属国…
田中芳樹本人の口から出ていましたが、まさに批判ではなく悪口そのもの。便所の落書き。
こんなのが何十何百万部も売れ、日本ノベルスの代表の一つになっている事実には愕然としますね。
>P193下段~194上段
><相手が、軍事基地建設反対の老人であったり、原子力発電反対グループの主婦であったり、公害企業糾弾の公害病患者であったりすれば、いくらでも強気になれる機動隊
ここは、私も気になっていました。まったくおっしゃるとおりで、ひどいものです。
それにしても、こんな事を書いている本人が、機動隊が反論してこないが判っているのを良いことにペンの暴力で書き捨てている弱いものイジメに思えるのは、私だけでしょうか。
>P204下段
><だが、現実問題として、自衛隊の出動は可能だろうか。>
警告射撃でここまで大騒ぎする国がねぇ。
>P220下段~P221上段
アドルフ・ヒットラーははじめ権力に投獄され(それこそ反権力だった)、その反動として支配者になったときの残虐な行動(そりまで権力だったものへの復讐)に繋がったの定説なのですが、そういうことは一切無視していますね。
>5人の人間を殺害した犯人は死刑になるが、熱処理済み血液製剤の輸入を拒否して数百人の血友病患者AIDSに感染させた厚生省の官僚は、のうのうと天下りして、何の責任もとらない。
との事ですが、この事態を変えるのに尽力した作家が田中芳樹ではなく、タカ派の小林よしのりだった事実が笑えます。
年度末で忙しく、レスしようと思ってる内に投稿がたまってしまった・・・。
>日本が滅んだ方がいいだって?
以前に誰か「作品と作者の距離を計るべきだ」と言ってましたけど、さすがに私も田中芳樹が本気で“日本など滅びた方が世界の為だ”などと考えている、とは思いません。
“敵”や読者に対し、意図的に挑発じみたことを言ってみてるだけでしょう。
小林よしのりが「戦争論」でわざと挑発的な書き方をしたのと同じ事で。
(ただ、戦後的価値観の中では小林氏より田中氏の主張の方が、より“異論を許さぬ正義の仮面”と化しやすいことの方が問題でしょう。)
>あと、何巻か忘れましたが、海上自衛隊の護衛艦の名前が「つきなみ」「よこしま」
でした。無礼すぎて笑えない冗談です。
こんなささいな所にまで非常に低次元で偏執的な悪意が感じられ、私も凄くイヤな気分になりました。