- 親記事No.167スレッドの返信投稿
- board3 - No.198
Re: 196:竜堂兄弟の身体機能
- 投稿者:日傘
- 2000年12月21日(木) 14時28分
>
> 一応作中で説明されているものとしては
>
> ・ 弾丸や刀などを全く受けつけない皮膚を持つ
> ・ 血液中の赤血球数が水準値より40%多い
> ・ 驚異的な治癒能力が存在する(眼球をやられても再生させることができる)
>
> といったことが明確になっているぐらいで、しかもそのメカニズムは全く解明されておりません。まあ作者自身、そのあたりの設定については何も考えてはいないのでしょうが(笑)。
> 「空想科学大戦」の著者・柳田理科雄氏にでも調べさせたら面白い結果が出てくるでしょうな。イキナリ「科学の壁」にぶつかると思いますけど(笑)。
>
>
あのシリーズは私も大好きでして、「怪獣VOW」のタカラジマンで爆笑していた身としては、筆吉先生の画に感涙を流したものです〈笑〉。
生物や物理には暗いのですが、「赤血球が40%も多いのなら、その他の血液構成物質はどうなっているのだろうか?」や、「常人と同じ栄養補給で、眼球損傷ほどの重症を自然治癒できるのか?」等、素朴な疑問がポコポコ沸いてきます。
まあ、全て書くことが正しい姿勢だとは一概には言えないのですけれど。
- 親記事No.146スレッドの返信投稿
- board3 - No.199
Re: 実験への3『竜堂四姉妹 極楽大作戦』
- 投稿者:デスザウラー
- 2000年12月21日(木) 16時29分
お見事ですな~
> 奉利>まつり
ついでに奉利君にも、超能力を与えてあげましょう。妄想の極限に達すると影法師に変身して、時たま四姉妹の危地を救うのです。
- 親記事No.195スレッドの返信投稿
- board3 - No.200
Re: 檜山良昭氏からの意見について
- 投稿者:不沈戦艦
- 2000年12月21日(木) 17時04分
> 12月19日に、作家の檜山良昭氏より、私の書いた「妄文-1990年代の全共闘-」についてのご意見・ご批判を頂きました。
> このサイトを見てくださっている方にもご理解いただきたいと思いますので、私の返答も含めて転載します。
>
>
>
> (以下檜山氏のメールより引用)
> 「大逆転シリーズ」の作者である檜山良昭です。
> 友人に指摘されて、このサイトで私を批判されているとうかがい、覗いてみました。
> 御批判は各人の自由ですが、私が日本は太平洋戦争で日本が勝つ可能性があるとか、日
> 本軍の蛮行を書いていないとかの御指摘はまちがいです。むしろ、私はどのようなイフで
> あっても、日本は勝利できなかったということを小説形式で照明しているつもりです。む
> しろ多くの架空戦記の安易な楽観主義を批判しているつもりです。
> 第二に、日本軍の蛮行については「アメリカ本土作戦」という作品で取り上げており、
> 「ワシントン・ポスト」で大きく取り上げられたことがあります。
> その他の架空戦記作品と同一視しないでくださいね。また、架空戦記のジャンルの代名詞
> となどと、いっしょにしないでください。
> ついでに私の作品には戦争の残虐性についても書いてあります。
> 今後とも厳しい御批判を。
>
> (以下石井の返答)
>
> はじめまして。『田中芳樹を撃つ!』管理人の石井です。
> わざわざご丁寧なメールを頂きありがとうございます。また、返事が遅れて
> 申し訳ありません。
>
> 頂いたご意見についての議論については、以下のURLにまとめています。
> ttp://club.pep.ne.jp/~yusuke.i/kanrinin07.html
>
> 私も掲示板で指摘されてから、檜山様の小説を何作品か拝読させていただき
> ました。そして、私が批判したかった粗製濫造された仮想戦記小説とは一線を
> 画していることを実際に確認しました。
> そうである以上、私が書いている小論の文脈からすると、「大逆転」の名詞
> を出したことは不注意ですし、不適当のそしりは免れないものです。
>
> しかしながら、私は間違いは間違いとして認めるために、あえて削除や書き
> 換えはせず、補記によって訂正するスタンスを取っています。
> 補記は入れたのですが、たしかに当事者から見ると不十分なものであったか
> も知れません。
> この件については、今回のメールを元に、より詳細な補記を追加することで
> 対処させていただこうと思います。
>
> このたびはご不快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。
> 以上の理由をご理解いただければ幸いです。
ま、これに関しては、前に北村賢志さんからも指摘されていることですよね。
檜山氏の架空戦記モノは、どちらかと言うと「戦争の虚しさ」を訴えるものが
多いです。「アメリカ本土決戦」の話が出ていますけど、「日本本土決戦」も
スゴイですよ。原爆の開発が遅れ、8月9日に陸軍がクーデターを起こして、
阿南大将首班の継戦内閣を樹立。オリンピック作戦とコロネット作戦が実施
され、日本本土は阿鼻叫喚の地獄(日米ともにとって)と化します。最後は
狂信的陸軍将校が、松代の大本営と皇居を爆破させ、指導部は土砂に埋もれ
て全滅。トルーマン米大統領の「この戦争に、何の意義があったのだろうか。
お互い、ここまでやる必要があったのかね?」というセリフで締めくくられ
ています。
檜山氏の「大逆転」シリーズは、割と良心的なものが多いと思いますよ。
だもんで私もここからもらってきて、「大逆転! リップシュタット戦役」
とか付けちゃっている訳ですが。少なくとも、「日本が勝った!バンザーイ!」
ってものはないと思いました。
-
- board3 - No.201
平河勝英って・・・?
- 投稿者:画聖マニの再来(自称)
- 2000年12月21日(木) 17時46分
薬師寺涼子の3巻(パリ編)読んだのですが、作中に登場する「警察官寮出身の保守党代議士、平河勝英氏」って、どう考えても自民党の平沢勝栄氏を指しているとしか思えないんですけど・・・。
作中で、語られている事件(党にとってまずい情報を握っている代議士がホテルで自殺した際、警察が到着する前に、その代議士の死体を下ろしてベッドに寝かせた、証拠隠滅のためではないかという疑惑)って、何か元となる事件はあったのでしょうか。どなたかご存知ないですか?
(ここまであからさまに個人が特定できるキャラは流石に珍しいので、まるっきりデマカセで書いてるとは信じたくないのですが・・・)
-
- board3 - No.202
プチ田中芳樹ですが・・・
- 投稿者:ナナ
- 2000年12月21日(木) 18時38分
はじめまして。先日(ホントに先日)このサイトの存在を知り、1日がかりで読ませてもらっています。(しかもまだ全部読みきれてない・・・)ひさびさにこんな見ごたえのあるサイトを楽しませていただいて本当に感謝です。
「ベスト」の所を読んでいて思ったのですが、最近増殖しているプチ田中芳樹に山本宏も入るのではないでしょうか?
彼の本をすべて読んでるわけではないのでナニですが、少なくとも「妖魔夜行」に掲載されている短編の中で、突然社会批評(しかも左寄り)が出てくることがあります。タイトルは忘れたけど、第二次世界大戦時に戦争に協力した妖怪が出てくる話以来、ハナについてしまって読まなくなっちゃったんですが。
ふと思ったことをだらだら書いてしまっただけなので、まとはずれかも知れませんが(^^;)
今後とも楽しみにしています。
それでは。
- 親記事No.202スレッドの返信投稿
- board3 - No.203
Re: プチ田中芳樹ですが・・・
- 投稿者:とっしー
- 2000年12月22日(金) 00時35分
どうも。とっしーです。
> 山本宏
SF作家にして「と学会」会長の山本弘ですね。
創竜伝との相違点を挙げていくと、あの人の書くオカルト系SFは、量子論や人間原理で説明していることが特徴として挙げられますね。作品世界の中では一応の辻褄合わせは出来てます。(「ラプラスの魔」とか「妖魔夜行」)
また性描写を嫌う田中芳樹と違い、ローティンの女の子の裸がたいてい1シーンはあります。もっともこれで人間描写が上手いというわけではないですが。このあたりワンパターンという人もいます。
> 彼の本をすべて読んでるわけではないのでナニですが、少なくとも「妖魔夜行」に掲載されている短編の中で、突然社会批評(しかも左寄り)が出てくることがあります。タイトルは忘れたけど、第二次世界大戦時に戦争に協力した妖怪が出てくる話以来、ハナについてしまって読まなくなっちゃったんですが。
確かに山本弘はどちらかといえば左系の論調ですが、創竜伝ほど破綻した論旨は主張していないと思います。
また社会批判そのものも作者の地の文で露骨に表明されているわけではなく、ストーリーの流れを阻害しない程度の頻度でしか挿入されていないと私は判断します。
こちらのサイトで問題になっている点は、創竜伝がストーリーを完全無視した社会批判によって作品を無茶苦茶に破壊してしまっている(百害あって一利無し)という点であって、その意見の内容が左傾しているというのは枝葉末節にあたると解釈しています。
逆にその田中個人の意見が右傾まるだしでも、その社会批判によって作品世界をぶち壊していたら同様の批判が起きただろうと考えています。
もし田中芳樹同様の指摘/批判をされるべき作家がいるとすればSF作家、今では仮想戦記作家といったほうが通りが良い荒巻義雄が挙げられるのではないでしょうか?
一読されれば分かりますが、いわゆる艦隊シリーズの中盤以降はもう凄まじいことになっています。(^^;
- 親記事No.201スレッドの返信投稿
- board3 - No.204
Re: 平河勝英って・・・?
- 投稿者:とっしー
- 2000年12月22日(金) 00時37分
どうも。とっしーです。
> 作中で、語られている事件(党にとってまずい情報を握っている代議士がホテルで自殺した際、警察が到着する前に、その代議士の死体を下ろしてベッドに寝かせた、証拠隠滅のためではないかという疑惑)って、何か元となる事件はあったのでしょうか。どなたかご存知ないですか?
> (ここまであからさまに個人が特定できるキャラは流石に珍しいので、まるっきりデマカセで書いてるとは信じたくないのですが・・・)
おそらく自殺された新井将敬氏の一件ではないかと思います。
- 親記事No.202スレッドの返信投稿
- board3 - No.205
Re^2: プチ田中芳樹ですが・・・
- 投稿者:ナナ
- 2000年12月22日(金) 07時19分
はじめまして。
ご返答いただきありがとうございました。
ただわたしは、山本宏氏のかいたものが評論のせいで破綻しているといいたかったわけでなく、ただ小説に社会評論が入ったものが最近増えてるような気がして、その例として挙げただけなのです。そんな風潮も田中芳樹の影響かなあと(^^;)
ちらっと思ったことをそのまま書いただけですのであんまり深い意味はなかったんです。あんまり深くものを考えずにこういうことを言うのもアレだったと思います。ごめんなさい(><)
わたしは左系の言説がはっきり言ってキライですが、小説が破綻しない程度であれば味付けとしては入っててもかまわないですし。別に左だからっていけないと思ったわけではありません。
- 親記事No.201スレッドの返信投稿
- board3 - No.206
Re201:新井将敬代議士の自殺のことですね
- 投稿者:冒険風ライダー
- 2000年12月22日(金) 11時32分
> 薬師寺涼子の3巻(パリ編)読んだのですが、作中に登場する「警察官寮出身の保守党代議士、平河勝英氏」って、どう考えても自民党の平沢勝栄氏を指しているとしか思えないんですけど・・・。
> 作中で、語られている事件(党にとってまずい情報を握っている代議士がホテルで自殺した際、警察が到着する前に、その代議士の死体を下ろしてベッドに寝かせた、証拠隠滅のためではないかという疑惑)って、何か元となる事件はあったのでしょうか。どなたかご存知ないですか?
問題の記述は薬師寺シリーズ3巻「巴里・妖都変」P44~46で、自殺した代議士は泡井という名前の人物です。これから推測できる事件といえばたったひとつしかありませんね。
1998年2月19日、日興証券に対して利益の追加を要求したとして、証券取引法違反容疑の渦中にあった新井将敬という名前の代議士が、ホテルの一室において自殺した事件がありました。そしてこの事件の際、警察の捜査過程において、一時期「証拠隠滅が謀られていたのではないか」という疑惑が持たれていたのも事実です(私がこれを知ったのは当時のテレビ朝日系列番組「サンデープロジェクト」の特集)。「巴里・妖都変」のあの記述の元ネタはそれ以外に該当するものは考えられません。
ただし平沢勝栄氏がこの事件に関与していたかというとそうではないようで、警察の捜査体制全般にかけられていた疑惑を、小説作成過程における田中芳樹の悪意に満ちた創作で例のキャラクターひとりに集中させたというのが真相でしょう。もし本当に平沢勝栄氏にそんな疑惑がかかっていたのであれば、薬師寺シリーズに書かれるまでもなくテレビや新聞・週刊誌が叩くはずですが、そんな傾向は全くなかったですし。
薬師寺シリーズには平沢勝栄氏の他にも、藤岡信勝氏がモデルとしか思えないキャラクターが「梶岡信勝」という名前で登場させられています(薬師寺シリーズ1巻「摩天楼」P16~17)。田中芳樹はよほど藤岡信勝氏に恨みでもあるのか、創竜伝11巻でも「悪役」として友情出演させています。
これらの記述を読んでいた時、ずいぶん安直かつ低レベルな作品構成を行ったものだと思わず感心してしまったものでしたね。そんな当てこすりまがいのことをやるより先に、もう少しマトモなストーリー構築を行えと言いたいところなのですけど。
- 親記事No.167スレッドの返信投稿
- board3 - No.207
何というか
- 投稿者:Merkatz
- 2000年12月22日(金) 12時29分
いや、論理的な反論じゃなくて、竜堂兄弟の思考レベルを考えたら、
そういう駆け引きも何か無駄のように思えるなあと思っただけでして・・・。(^^;;
竜堂兄弟ってようは「あいつが嫌い」という感情で全てを決めているような感じじゃないですか。
日本の政治家は嫌いだが、牛種と四姉妹はもっと嫌いだ、みたいな感じで。
だから、政治を良くするために権力を行使してみてはと、嫌いな相手から言われて引き受けるだろうかと思ったわけで。
だから幼稚な彼らのこと、「そもそもこんな提案をする彼らこそ諸悪の根元ではないか!」と悟って(笑)牛種退治にいそしむ方が自然に思えたんです。
現実政治の話をすれば、冒険風ライダーさんのおっしゃるとおりだと思うんですが。
- 親記事No.201スレッドの返信投稿
- board3 - No.208
Re補足
- 投稿者:とっしー
- 2000年12月22日(金) 13時05分
どうも。とっしーです。
> (前略)警察の捜査体制全般にかけられていた疑惑を、小説作成過程における田中芳樹の悪意に満ちた創作で例のキャラクターひとりに集中させたというのが真相でしょう。もし本当に平沢勝栄氏にそんな疑惑がかかっていたのであれば、薬師寺シリーズに書かれるまでもなくテレビや新聞・週刊誌が叩くはずですが、そんな傾向は全くなかったですし。
>
警察官僚あがりの政治家として当時事件に関与しているのではないか? と囁かれていたのは亀井静香氏ですね。
警察に連絡する前に工作したとか色々な噂が流れていました。(遺書を隠匿したとか、警察に連絡するのが妙に遅いとか)
ダーティぶりでも大物度の点でも亀井氏のほうがはるかにキャラがたつと思うんですが、なぜ平沢氏をモデルにしたんでしょうね。
1.政治家サイドからクレームがきても言い逃れる余地を作るため
2.亀井氏と平沢氏を混同してしまった。
3.平沢氏が嫌い。(例えば北朝鮮拉致疑惑問題で積極的な政治家の一人です)
うーん。どれでしょうね? どれでもないかもしれませんが。
- 親記事No.167スレッドの返信投稿
- board3 - No.209
それが創竜伝では?
- 投稿者:恵
- 2000年12月22日(金) 16時37分
> いや、論理的な反論じゃなくて、竜堂兄弟の思考レベルを考えたら、
> そういう駆け引きも何か無駄のように思えるなあと思っただけでして・・・。(^^;;
>
> 竜堂兄弟ってようは「あいつが嫌い」という感情で全てを決めているような感じじゃないですか。
> 日本の政治家は嫌いだが、牛種と四姉妹はもっと嫌いだ、みたいな感じで。
> だから、政治を良くするために権力を行使してみてはと、嫌いな相手から言われて引き受けるだろうかと思ったわけで。
> だから幼稚な彼らのこと、「そもそもこんな提案をする彼らこそ諸悪の根元ではないか!」と悟って(笑)牛種退治にいそしむ方が自然に思えたんです。
>
> 現実政治の話をすれば、冒険風ライダーさんのおっしゃるとおりだと思うんですが。
私もMerkatzさんと近い意見で、竜堂兄弟は冒険風ライダーさんが考えられた提案を蹴るんじゃないかなぁ、と思います。
確かに、物事の筋の通し方からすれば、あれだけ激しく社会評論をまき散らす竜堂兄弟は、たとえ敵側からとはいえ、政治への参加の呼びかけを訴えられれば応えなければならないはずですが、果たして自分たちの平和しか考えていない利己的な竜堂兄弟が、その手の誘いに乗るとも想像しにくくないですか?
むしろ、始サンあたりが、
「勘違いするな。俺は別に、世の中を変えたいなんて大それたことを思ってるわけじゃない。俺はただ、兄弟たちと静かに暮らしたいだけだ。貴様ら四姉妹は俺たちにちょっかいさえかけなければ、戦争でも陰謀でも世界中で好きにやっていればいい。ただし、俺たちには構うな」
と、長兄の貫禄(笑)でぬけぬけと言い放ちそうな気もします。もちろん、
「そういう問題じゃない。それだけ政治や社会に対する識見があるのだから、君たちの理想を実践してみなさいと言っているのだ。我々がその用意をすると言うのに」
という、当然入らなければならない突っ込みを、四姉妹の交渉人は言わ(え)ないでしょうね。なぜなら、それが創竜伝だから(笑)…というより、そんな無理矢理な強引さが良くも悪くもこの作品の持ち味で、そもそもあれほど感情的で利己的な竜堂兄弟が切れ者で毒舌家として描かれている限り、彼らを論破できるのはたぶん中国人の偉い老学者ぐらい(笑)ではないでしょうか?
恵としては、創竜伝の登場人物は味方以外、露骨に三流以下の人物像として描くスタンスがある以上、あの竜堂兄弟を論破、もしくは誘導会話(ごめんなさい、恵の造語です(--;))できるキャラクターは想像しにくいんですよネ。(でも、はっきり言って、そこがこの物語のつまらないんです。)
-
- board3 - No.210
史実のブラウンシュヴァイク公爵
- 投稿者:不沈戦艦
- 2000年12月22日(金) 16時46分
ブラウンシュヴァイク公爵 フリードリヒ・ヴィルヘルム(1771~1815)
復讐に燃えた公爵
プロシアの友好国として優れた軍人を輩出してきたブラウンシュヴァイク
公国の主。
1806年のプロイセン戦役で当時の公爵が戦死し跡を継ぐが、敗戦の結果フ
ランスにより新設されたヴェストファーレン王国の新領地として国を奪われ
た。
ブラウンシュヴァイクは復讐を決意し、ドクロで有名なブラウンシュヴァ
イクの黒軍団を編成、黒衣の軍装にドクロの帽子をかぶり、戦場を駆けた。
1809年のオーストリア戦役では休戦後もナポレオンと戦う為、フランス勢
力下のドイツを縦断、イギリス海軍の助けにより海路ポルトガル戦線へ行き、
戦い続けた。
1813年、ドイツが解放されると、ブラウンシュヴァイク公国も復活した。
しかし、打倒ナポレオンに燃えるブラウンシュヴァイクはワーテルローの
戦いにも参加、その前哨戦であるカトル=ブラの戦いで戦死した。
(by 柘植久慶)
銀英伝のブラウンシュヴァイク公とは違って、随分とまあ勇猛な人物だっ
たみたいですね。ちなみに、このブラウンシュヴァイク公爵の祖父の妹が
ハノーヴァー王ゲオルグと結婚し、そのゲオルグが英国王ジョージ一世と
なった(現在の英国王室の出自はドイツ系)ので、イギリス陣営に参加し
ていたそうです。
- 親記事No.19スレッドの返信投稿
- board3 - No.211
反銀英伝 大逆転! リップシュタット戦役(48)
- 投稿者:不沈戦艦
- 2000年12月22日(金) 16時56分
「ところで、閣下は今後の方針は、いかにお考えなのでしょうか。帝都を制す
る事はできたものの、貴族連合軍の総力を結集できた訳ではありませぬし、金
髪の孺子、いえローエングラム侯の勢力も未だ強大です。我らが最終的な勝利
を得るには、今のままでは条件的に厳しいと思うのですが」
シュリーフェン准将が述べる。准将はかなり理知的な人物で、物事を数学的
に処理することが得意であり、「優秀な参謀将校」という評判を得ていた。タ
ンネンベルク伯より三つ上の28歳、焦げ茶の髪と黒い瞳を持つ。痩せ気味だ
が身長は198cmもあり、鋭い目つきと相まって、准将を見る者には精悍な
印象を与えている。「飢えた狼」と評されたこともあるくらいだ。用兵に関し
ては、若干現実より理論を優先する傾向が強い。
「もちろん、そう言うからには、卿にも何をどうすべきかは解っているのだろ
うな?」
レープ准将が訊ねる。こちらはシュリーフェン准将とは正反対で、短躯の小
太り、といった風体だった。年は30になったばかりで、高音気味の声の抑揚
が独特な、一見コミカルな印象のある人物だが、さすがに伯爵らしい上品さは
備えている。どちらかと言うと前線向きの陣頭指揮型司令官で、参謀将校型の
シュリーフェンとはタイプが違う。対立している、という程ではないのだが、
二人の意見が衝突し、論争になることもまた多い。
「もちろん、5万隻とは結構な戦力なのですが、今のままでは戦力不足であり、
ほぼ倍の戦力を持っているローエングラム侯相手に最終的な勝利を得ることは
難しい、ということは今更ここにおられる方々には申し上げるまでもない話で
しょう。小官が気にしているのは、ガイエスブルグのブラウンシュヴァイク公
麾下の戦力を、どうやってこちらに取り込み、なおかつオーディンまで持って
くるか、についての具体的方策でして」
シュリーフェンならずとも、「ガイエスブルグの戦力を味方に引き入れなけ
ればならない」ことはよく承知している。リッテンハイム=タンネンベルク軍
とガイエスブルグの戦力と合わせれば、軽く15万隻には達するところだ。そ
の全力をタンネンベルク伯が率いれば、10万隻程度のローエングラム侯軍を
撃破できることは先ず疑いない。
「そうだな。ガイエスブルグには敢えてシュヴェーリン伯爵、リュトヴィッツ
子爵、マントイフェル男爵、エーゼベック男爵を残してある。説得は彼らにや
ってもらうつもりだ。欲張りで感情的なブラウンシュヴァイク公のことだ、リ
ッテンハイム侯の帝国宰相就任も侯爵令嬢サビーネ様の即位も、絶対に認めは
せぬだろうが、それ以外の貴族たちはそういうことはあるまい。切り崩すのは
そうは難しくないだろうな。サビーネ様の即位の模様と、リッテンハイム侯と
私の演説を全帝国に放送すれば、『盟主と仰ぐ相手を間違えた』と激しく動揺
しよう。何かきっかけさえあれば、雪崩をうって陣営を変えようとすることに
なる。ブラウンシュヴァイク公が地団駄を踏んで悔しがろうとも、こちらに付
こうと考えてガイエスブルグから脱出する者が激増し、形成は逆転するのだ。
我らとしては、彼らがオーディンへ無事たどり着けるよう手配をすればよい」
「と、すると、きっかけを作ることと、ガイエスブルグからオーディンへの連
絡線の構築ついては、すでに閣下には腹案がおありなのですね?」
カーレンベルク大佐が質問する。カーレンベルクは32歳、赤毛のがっちり
した体格の勇将で、ラインハルト陣営のビッテンフェルトに相当するような人
物である。しかし、カーレンベルクはビッテンフェルトのように「攻勢一本槍」
というようなところはない。一旦攻勢に出た場合は火の玉のように攻め掛かり、
相手を完膚無きまでに叩きのめしてしまうが、防御に回った場合の粘り強い戦
いぶりにも定評がある。「我慢できる」ところはビッテンフェルトとは明らか
に違う。タンネンベルク伯は「カーレンベルク大佐はミシェル・ネイ元帥の再
来のようだ」と評しているが、ナポレオンの将軍の話をされても、旧地球世紀
の歴史に興味がある者にしか意味が解ろうはずもなく、あまり周囲には理解さ
れていなかった。歴史家志望だった自由惑星同盟のヤン提督なら、即座に合点
がいくかも知れない、といったところだろうか。
「そうだ。連絡線は迂回ルートにはなるが、5本を確保することで策定済みだ。
さすがのローエングラム侯も、その全てを潰すことは適わぬ。彼も兵力をふん
だんに持っている訳ではないのでな。問題はガイエルブルグ-オーディン間の
直進ルートからは外れるので、艦隊の移動に時間がかかることくらいか。それ
と、分散してオーディンへ向かう味方を、各個撃破されてしまわないこと。き
っかけの方は、貴族連合軍総司令官のメルカッツ提督を説得すること、これに
尽きよう。彼に『新皇帝陛下への忠誠を果たす為、ガイエスブルグから退去す
る』と言わしめればよいのだ。本来は私が直接ガイエスブルグに乗り込みたい
ところだが、今はオーディンを空ける訳にはゆかぬので、それはできない。よ
って、私の親書をメルカッツ提督に渡そうと思う」
タンネンベルク伯は、オーディンとガイエスブルグを結ぶ「連絡線」を、す
でに何本も確保している。直進ルートにはラインハルト軍がいるので、兵力の
移動には使えないが、迂回ルートならそういうことはない。仮にラインハルト
軍が迂回ルートの全てを封鎖しようとすると、兵力分散の愚を犯すことになる
ので、そのような行動をとるとは思えない。
(以下続く)
- 親記事No.167スレッドの返信投稿
- board3 - No.212
Re197/207/209:「反創竜伝」あれこれ
- 投稿者:冒険風ライダー
- 2000年12月22日(金) 19時24分
>画聖マニの再来(自称)さん
> 竜堂民主主義自由共和国(仮称)の政治とは・・・?
> 1.反抗者は力をもって制圧
> 2.法律(この場合は国際法や条約等)より家訓(自国の法)が大事
> 3.敵対する相手には何をしてもよい
> 4.政策の評価基準はダブルスタンダードで(まちがっても日本を誉めない、自国や友好国の評価は甘い)
> 5.諸悪の根源は大資本家、特に日本とアメリカ
> 6.政策決定には感情がかなりのウェイトを占めている
まだこんなのがありますね。
7.竜堂兄弟に対する批判は内容如何を問わず一切認められない。違反者は最高刑で死刑
8.家訓(自国の法)が自国の国益や人道に反すると判断された場合、
家訓は破ってもかまわない
9.最高法規は改訂版ハムラビ法典(恩は2倍にして返せ、仇は10倍にして返せ)
10.武道の伝道と宗教の布教活動は全面的に禁止
11.主戦論を唱える者は自らが戦地に赴かなければならない
12.国有・私有を問わず、全ての財産は外部に対して常に無料で公開しなければならない。
費用は全て国費でまかなう
……私だったら、頼まれてもこんな国に住みたくはないですが(笑)。
>・・・そういえば中国って殷周革命以降は竜種の支配下にあったんですよねぇ・・・。う~ん、意味深だ・・・。
正確には少し違います。中国は殷周革命以前も以降も天界および仙界の支配領域で、竜種は天界の主・玉皇大帝の家臣という設定になっています。西洋世界は牛種の支配領域で正しいのですけど、東洋世界の方は非常に分かりにくくなっているんですよね。第一「日本は一体誰の領域に属するのだろう?」という深刻な疑問がありますし(笑)。
天界および仙界は地上の人界に対して絶対中立・不干渉主義の建前を掲げていますが、実際には自分達の利益に沿った干渉行為をしばしば行っています(創竜伝8巻&12巻参照)。連中には法治主義の精神が全くないと私が批判する理由のひとつがこれなのですけど。
>Merkatzさん
>竜堂兄弟ってようは「あいつが嫌い」という感情で全てを決めているような感じじゃないですか。
>日本の政治家は嫌いだが、牛種と四姉妹はもっと嫌いだ、みたいな感じで。
>だから、政治を良くするために権力を行使してみてはと、嫌いな相手から言われて引き受けるだろうかと思ったわけで。
>だから幼稚な彼らのこと、「そもそもこんな提案をする彼らこそ諸悪の根元ではないか!」と悟って(笑)牛種退治にいそしむ方が自然に思えたんです。
竜堂兄弟が何の理由もなしにあの提言を拒絶してしまったら、連中は自分達が語る社会評論に思想的正当性が全くないということを、自ら公言することになってしまうではありませんか。ただでさえ説得力が全くない破綻だらけの社会評論は、竜堂兄弟自らの手によってトドメを刺されることになってしまいます。
それにあの提言には「竜堂兄弟の無責任性」を責めたてる材料にするというもうひとつの意義があるのです。もしあの提言を断ってしまったら、その時点で竜堂兄弟は四人姉妹や牛種に対抗するための政治的正当性すら失ってしまうことになるのです。いかに竜堂兄弟が四人姉妹や牛種の世界支配体制を批判したところで、提言した側が、
「すくなくとも我々は自分達が行ってきた政治に責任と誇りを持っている。政治参加の道がありながら政治の責任を取ろうとすらせず、他人に政治の責任を転嫁して平然としていられるお前らに我々の政治を云々する資格はない」
と返してしまったら、竜堂兄弟は何も返答することができなくなってしまうのですから。この場合、たとえ竜堂兄弟が唱える社会評論の内容がいかに正鵠を射たものであったとしても、自己責任の差という一点だけで、連中の主張には完全に説得力がなくなってしまうのです。
そもそも私が目的としているのは「竜堂兄弟を思想的・精神的に屈服させる」ことであり、「竜堂兄弟に権力を掌握させる」というシミュレーションも、最終目的はそこにあるわけですから、連中があの提言を拒絶することによって、連中が持つ政治的・思想的正当性を自らの手で破壊させたら、過程こそ違えど、その時点で私の目的は達成されたも同然です。まああの連中に、自分達の思想的・政治的正当性が完全に破壊されてしまったことをマトモに自覚できるだけの知能があるとは思えませんが(笑)。
>恵さん
>確かに、物事の筋の通し方からすれば、あれだけ激しく社会評論をまき散らす竜堂兄弟は、たとえ敵側からとはいえ、政治への参加の呼びかけを訴えられれば応えなければならないはずですが、果たして自分たちの平和しか考えていない利己的な竜堂兄弟が、その手の誘いに乗るとも想像しにくくないですか?
ホントに連中が「自分たちの平和しか考えていない利己的な」性格を有しているのであれば確かに誘いに乗ることは考えにくいかもしれませんが、実際には連中、そこまで割り切った考え方など持ってはいないのですよ。証拠は創竜伝本編の中にいくらでも転がっています。
たとえば創竜伝7巻では、赤ん坊を食べようとした小早川奈津子のペット・大蛇の「白虎丸」に対して、竜堂続と竜堂終が例によって例のごとく下らない能書きを長々と述べた挙句に殺してしまいましたが、なぜわざわざそんなことをやったのでしょうか? 「白虎丸」に赤ん坊が食べられてしまったところで、別に竜堂兄弟の動向には全く何の関係もないではありませんか。むしろ「竜堂兄弟の平和」という観点から見ると、この「白虎丸」との戦いが小早川奈津子との初めての対立だったのですから、連中は自分達の方から積極的に「平和」を捨てる選択肢を選んでいたわけで、これは自己矛盾もいいところです。
また四人姉妹が推進していた「染血の夢」計画も、アレは別に竜堂兄弟に対して害をなすものではありませんでしたし、竜堂兄弟の故郷である日本も救われる事になっていました。ならばこれが完璧に実行されたところで、これまた「竜堂兄弟の平和」とは全く何の関係もないものであったはずです。にもかかわらず連中はロクなアンチテーゼや政治的な代案を用意することすらないまま「染血の夢」計画を阻止しようとしています。
つまり竜堂兄弟は、口では「自分たちの平和しか考えていない」と言っておきながら、実際にはそこまで利己主義に徹することができておらず、自分達と全く関係のないことについても無用な口を挟まずにはいられないのです。この言行不一致が存在する限り、連中を思想的・政治的陥穽に突き落とすのは極めて容易なことです。
いっそ徹底して利己主義を貫いていたのであれば、私はむしろ竜堂兄弟を絶賛したかもしれないのですけど。
- 親記事No.167スレッドの返信投稿
- board3 - No.213
そうそう、それなんです
- 投稿者:Merkatz
- 2000年12月24日(日) 11時17分
>まああの連中に、自分達の思想的・政治的正当性が完全に破壊されてしまったことを
>マトモに自覚できるだけの知能があるとは思えませんが(笑)。
私が冒険風ライダーさんの論理的な実験に敢えて意義を差し挟んだのもそれを思ったからでして。
そもそも竜堂兄弟が盛大に論理破綻をやらかしているのは、自分たちの論理が破綻していることに気付いていない無神経さにあるわけで、
どんなにこちらが理路整然と思考の陥穽について指摘しても、「それがどうした」(byアッテンボロー)という風に返されてしまうのではと思ったんです。
さすが竜だけあって、人間とは別次元の思考をしているようで(笑)。
- 親記事No.167スレッドの返信投稿
- board3 - No.214
竜の耳に念仏
- 投稿者:本ページ管理人
- 2000年12月24日(日) 15時44分
> >まああの連中に、自分達の思想的・政治的正当性が完全に破壊されてしまったことを
> >マトモに自覚できるだけの知能があるとは思えませんが(笑)。
>
> 私が冒険風ライダーさんの論理的な実験に敢えて意義を差し挟んだのもそれを思ったからでして。
> そもそも竜堂兄弟が盛大に論理破綻をやらかしているのは、自分たちの論理が破綻していることに気付いていない無神経さにあるわけで、
> どんなにこちらが理路整然と思考の陥穽について指摘しても、「それがどうした」(byアッテンボロー)という風に返されてしまうのではと思ったんです。
> さすが竜だけあって、人間とは別次元の思考をしているようで(笑)。
現実世界の人間(それもまがりなりにも知識や評論の世界に身を置いている人間)にも結構いますからねぇ。
普段自衛隊に反対している人間が震災の時に自衛隊の出動が遅れたのを「人災」だと怒ってみたり、容疑者の人権第一の弁護士が同僚の弁護士を殺したオウムに対しては「死刑にしろ」と言ってみたり。
当時は連中の矛盾撞着があらわになって限界を見せたように思われたものですが、今じゃすっかり何食わぬ顔で言論活動してますから。恥ずかしげも無く。
竜堂兄弟に正当性を説いたところで、自分を一市民だと思っている彼らには馬の耳に念仏でしょうね(「竜王」だったらまだ責任感はあるかも知れないですが)。
結局、彼らは「ちゃんと投票している」という代議制民主主義の欠陥的な権利・責任意識(選挙民の責任なんて問うことが出来ない)を拠り所にしているため、何を言われようと平気なんじゃないかと思います。
とまあ、竜堂兄弟に政治参加して貰いたいと来れば、やはり現実世界の「とうちゃん」にその卓越した政治意識を見せてもらいたいなぁ(笑)
ちょうど、同じ作家で同じ思想傾向で同じ名字の某氏が知事になったことだし……