- 親記事No.253スレッドの返信投稿
- board3 - No.263
Re: いまさらながら、と学会話
- 投稿者:S.K
- 2001年01月12日(金) 01時01分
> 戦争論の内容がトンデモ本であるかどうかは、それぞれが議論すればいいことで、わたしとしては、ここで問題にするつもりはありません。
> しかし、仮に百歩譲って田中氏の評論の内容が小林氏の評論の内容より正しいと仮定したとしても、作品と意見を発表する姿勢として田中氏よりはるかにマシな小林氏がトンデモというのはどういう評価基準なんでしょうね。
> いつからと学会は作品そのものではなく、作品の思想を評価の対象にするように成り下がったのでしょうか。
>
> ちなみに、私がここで田中芳樹を引き合いに出しているのは、文庫版の創竜伝で会長の山本弘が田中芳樹とニコニコ対談をしているからです。
> よりによって、創竜伝を、しかも評論部分を褒めているんだよなぁ、この男は。
>
> 統一教会の広告塔がオウムの教義の破綻をあげつらっているのと変わらないですよ。この会長は自分がしていることが、と学会を統一教会の広告塔レベルに貶めていることに気が付いていないのでしょうか。
そもそも『トンデモ本』の定義は“著者の意図に関わらず内容に明らかな科学的ないし論理的誤謬があり、かつその誤謬と目的との乖離が笑える本”(だったはず)です。
対して『戦争論』は戦争のダイナミズムの観点からは昭和3~40年代の戦争漫画と比較して“つまらない”かも知れないですし、歴史の論証の観点からは“すべての異論を封じて日本における日中戦争および第二次世界大戦の正当性ないし妥当性を証明した”とは言いきれないとも思います。
ただしこの場合『戦争論』に対する正しい態度は“怒る”“反駁する”“(つまらないという理由で)冷笑する”であって“(作品の存在自体を)嘲笑する”ではない筈です。
本家本元が言葉の定義を違えた『トンデモ本』を出してどうするんでしょうか。
実際創竜伝の方がよほど“娯楽という目的と乖離した論理的かつ社会学的に間違った評論を大声で行っている冒険伝奇小説まがいの”『トンデモ本』だと思いますが。
- 親記事No.223スレッドの返信投稿
- board3 - No.264
なるほど、そうですね。
- 投稿者:恵
- 2001年01月12日(金) 01時07分
> > でも、この「では汝らに問おう。善といい悪という。何をもって善といい、何を指して悪というのか、明快に答えられるか」をぜひ竜堂兄弟にも投げかけてみたいものですね~。たぶん、速攻で
> > 「おれたちの敵は悪だッ!」
> > なんて恐ろしい返事が返ってきそうですケド♪
>
> 創竜伝のパターンは、
>
> ・敵のどう見ても小悪党な奴が「俺のやっていることは正義なのだ!」「ワシは愛国者なのだ!」と、異様にわざとらしい(ここ大事)セリフを吐く。
> ↓
> ・竜堂兄弟が「ほう、正義ね。正義の名の下にどれだけの人が殺されたか知っているのか」みたいな説教が始まる
> ↓
> ・場合によって、地の文に「人が残酷になるときは、正義を唱えて悪を撃つときだ」というような意味の田中芳樹の説教が入る。
> ↓
> ・竜堂兄弟が「悪」の名の下に「正義」を何の疑問も持たず容赦なく痛めつけて、すぐ前の説教が嘘であることを証明する(笑)
>
> と定型化しているので、竜堂兄弟が敵を「悪」と呼ぶことはないはずです。
>
> それにしても、ファシズムやスターリニズムの教科書に使えそうなくらい典型的なねじ曲がった思考ですね…
管理人さん、及び日傘さんのおっしゃる通りですね。ちょっと思いつきで適当な気持ちでシュミレーションを行ってしまいました。よくよく竜堂兄弟の性格と今までの言動・パターンを考えれば、管理人さんのフローチャートの方が正しいと思います。纐纈城の話と、本来関係のない創竜伝のネタを軽率に繋げてしまい、皆様に誤解を与えたことをお詫びいたします。m(--)m
ホント、自分の襟もしっかり正す気持ちでないとダメですねぇ~(反省してます…)(--;)
- 親記事No.232スレッドの返信投稿
- board3 - No.265
Re: ちょいっと一言
- 投稿者:恵
- 2001年01月12日(金) 02時28分
>甘ったれな学生の言い様、社会の辛さを知らんガキが好き勝手行ってるはといわれるとそうかもしれないのですが
>
> 「そうかもしれない」じゃなくて、「その通り」ですね。恵さんが言っている通り、大甘です。
不沈戦艦様、昨日、恵が書き込んだ文章の一部に「不沈戦艦」と敬称抜きでお名前を引用させていただいたことに気づきました。申し訳ありません、(もちろん!)他意はありませんので(笑)、よろしくご了解をお願いいたします。m(--)m
それにしても…この掲示板の批判に来られる方って、ホントによくご自分の意見を推敲されてから書き込んでるでしょうか?(私も人のこと言えるほど偉くはないし、軽率なこと書いて失敗しちゃったばかりですケド(汗))
私が初めてここに来たときは、「ここは中傷におちいらず、論理的な批判を目指すサイトです」みたいな言葉に相当な重みを感じ(笑)、「迂闊な感情論では書けないなぁ~」なんてビクビクしてたものですケドねぇ。(不沈戦艦さん、冒険風ライダーさん、その他常連の方々の「批判」がキラ星のように輝いて見えましたッ。(笑))
でも、「ソ連→ロシアの変化」問題をまるでご自分自身の葛藤や悩みにすりかえて強弁する人や「みんな暇なんですね~」(←あなたもでしょーがッ!)とか書き込む人を見ると、(決して、書き込むこと自体が悪いのではないですが…)ここの趣旨に著しく反して見え、トホホって感じです。(--;)
私が「甘えるな!」とあえてキツク言ったのも、そもそもプロ作家・田中芳樹を無条件で甘やかしていいなら、誰もここの掲示板で彼を批判する必要もないからです。本音を言うと、創竜伝も弁護できるなら弁護してあげたいのですが、冒険風ライダーさんの「私の創竜伝考察シリーズ」を読んだ後で、どうやったら筋道たてて反論できるのでしょうか?(いつか、アンチテーゼが確立されるかもしれませんが)
いつも書かせてもらうのですが、創竜伝を弁護される方は、最低限として、「私の創竜伝考察シリーズ」も読んでから弁護していただきたいものです。その全てが正しいとまでは言いませんが、少なくとも創竜伝の矛盾や破綻をかなり詳細に検証されていますし、それを踏まえた上で「建設的な批判」をしていただきたいですね。
P.S.個人的に、私は食べ物以外で「甘い物」は嫌いなんです(笑)。自分に甘い人なんかは、特に嫌いですね。(超・個人的な見解です(^^;))
- 親記事No.253スレッドの返信投稿
- board3 - No.266
「トンデモ戦争論の世界」と学会/編
- 投稿者:モトラ
- 2001年01月12日(金) 04時23分
繰り返しになりますが、やはりこれを刊行しないことには、と学会は「証拠も挙げずに特定の本をトンデモ本呼ばわりし、あまつさえその読者を嘲笑する卑怯者の集団」との謗りを免れ得ますまい。「『トンデモ本』女の世界」「トンデモノストラダムスの後始末」と最近パワーダウンしているとはいえ、読者層の多くがゴー宣とカブっていて、左翼系反戦争論本以上に影響力のあるカウンターパンチを放てるのは、今やと学会以外には存在しない。
もっとも戦争論を「右翼系」呼ばわりした時点で、党派性に拠らぬ科学的態度にに基づく歴史検証は、望み薄にも思えますが。
- 親記事No.232スレッドの返信投稿
- board3 - No.267
Re: そんなに立派なものならまだいいへのお返事
- 投稿者:ジャコー
- 2001年01月12日(金) 05時37分
どうも色々怒られてます。いろんな意見を聞き、ふむふむと思うことしきりです。ですが、ひとつだけ申しますと、私は、別に田中氏を弁護しようと思ってはいません。うそつけと言われそうですから、私のスタンスを書いてみましょう。
冒険風ライダー氏の創竜伝評論は、全て読んでいます。ほぼ賛成できます、やや強引かもしれないとおもうところもありますが、クレームをつけるほどのことではありません。これを読むまでもなく、田中氏の思想は非常に偏っていて、しかも傍観者的無責任な、かつ強者の立場から書かれたものがほとんどであり、多分個人としての田中氏の魅力は、ある程度限定されたというか多分合う人は合い、合わない人はとことんだめというタイプの人なんだろうなという人だろうと思いますし、多分この推論は正しいでしょう。そんな彼に、最低でも人間としての魅力は私は感じませんし、そんなに深く付き合いたいとも思いません。。そして田中氏も、多分あわない人とはもう付き合わないでしょうな。だってもう彼は人気作家だし。
今思い出すと恥ずかしいですが、私も中学校などの時分には、銀英伝とか読みその思想理論に得意になっていた口です。私は、銀英伝に展開される政治および軍事の思想は、古代のような社会が単純で、関係する要素の少ない世界でしか当てはまらないものだと考えています。中には、完全な過ちもあります。だから、銀英伝の敵がアホとよく言われるのも当然で、かりにも、士官学校や大学などを出て、一通り政治理論や戦略戦術論を学んだものがあんなにアホなはずはない。だから、ヤンのイゼルローン攻略の催眠ガス作戦など論外であり、あんなので落とされる要塞など、最低でも近代戦であるはずがありません。このような矛盾は、このサイトででも、ガイエスブルク衝突作戦に始まり、それこそシャーロキアンの方達が突っ込んでいます。でも、彼らは、私が読むところ、その数多い矛盾にもかかわらず、SFとしての銀英伝の評価を落としていても、否定はしていないように読めました。君は、理論見解の過ちと作品世界の世界観の破壊を同一視していると突っ込まれそうですが、もう少しお付き合いください。
で、年をとり知識と世界の広がった私にとって、銀英伝は、若き日の郷愁と共に思い返される物語でしかなく、退屈凌ぎに読む妙な正論の書いてあるSFでしかないわけです。
さて、非難轟々の創竜伝ですが、私は、あれは、田中氏のある種のカタルシスだと思います。作家とは所詮、自慰行為が商業ベースに乗った者でしかないという意見に全面的に私は全面賛成しています。で、普通考えていることそのまま書くと、一般受けしないんで、編集者とかがしゃしゃりでて頑張って修正するわけです。人気が出るに従って、作家の言いたいことがより前面に出てくるわけです。
創竜伝も、人気作家として彼の名声が確立してからの作品で、彼は、これによって、彼の日々感じたことをみんな知らせたいためのみに書いているのす。つまり、この本は、商業ベースに乗った、左翼大学生の「成田空港の廃港を勝ち取ろう」みたいな無責任なアジテーションで、田中氏のエッセイ的な、小説による社会諷刺(あくまで、彼の主観的な)でしかないわけです。つまりは、酔った人が、気ままに叫んでるのを書きとめたみたいなものですな。
そんなのをプロ作家が書いていいのか、はっきりした判断能力のもっている人が読むならともかく、そんな間違いだらけの偏ったある種危険な本が、ベストセラーになってしまったら、あまり判断能力の無い中高生などによくないんじゃないかというのが、このサイトの管理人さんの趣旨だと思います。それには、賛成するのですが。
でなぜ、こう考えている私が、管理人さんのロシア変化批判にに突っ込んだかというと、管理人さん自身が、そう批判している以上、この作品はそういう意図のものとして作られていると管理人さんは考えておられるなら、ロシア変化は意味が無い。
つまり、田中氏は、この創竜伝を、SFとしての接合性より彼のカタルス、人気作家でなければできない無責任な意見表明の道具としてしか考えてないということで。そんな作品のロシア変化なんか枝葉末節じゃん。つまり、日々考えたことを作品に書き散らし、その上にほどほどのSF迷彩したい田中氏にとって、ロシアに変化させずソ連のままにしておくのと、ロシアにして、現実に即して、意見くさいことを書くのかの優先順位なんて明白じゃないか。そんなことにいちいち目くじら立てず、茉理にはじまる女性の一元的書き方や、冒険風ライダー氏のようなインチキ社会批評を批判したほうがいいじゃないかと私は思い、突っ込んだわけです。その程度の作品なんだからということですね。
でもよく考えると、管理人さんは、そのような田中氏の執筆姿勢そのものを、社会批評と作品構成のうち前者を優先する態度そのものを批判していたのだから、そりゃ、私の意見に賛成するはず無いなということなのかなと考えました。創竜伝は田中氏の商業ベースのカタルシスという前提が、私にはあり、それを無意識か意識的にか認容していたのを、皆さん批判されていたのだなと思うわけです。お手数をかけました。
というわけで、私は、別に何が何でも田中氏を弁護しようとしていたわけでなく、自分も別に田中氏が好きなわけではありません。ただ、枝葉末節(自分にとっては、管理人さんにとってはこれが問題)なところで批判されているなとおもった(あくまで主観的な)ので書きこませて頂いたのです。
話してみないとわからないということで。関係した方々お手数かけました。
とりあえず自分的には納得できたので。また意見していただければ、また書きこみます。とりあえず今日はここまで。
- 親記事No.232スレッドの返信投稿
- board3 - No.268
Re^2: そんなに立派なものならまだいいへのお返事のおまけ
- 投稿者:ジャコー
- 2001年01月12日(金) 06時19分
で、散々批判されている、受験たとえと、個人のお話への還元、現代作家の心構えですが、仰々しいというより、つまり、創竜伝自体、彼の個人的精神の産物なんだから、完璧な小説としての形態など、高い確度で求める自体、この作品に対するアプローチとして違うやん。と言いたかったわけです。そんなあら捜しせず、小林よしのりみたいな本で、意見を言うだけ言う(こういうと小林よしのりは責任とっていると言う意見が帰って来ると思います。勿論彼は田中氏よりはマシですが、どちらもやってることにあまり差はないとぼくは考えています)みたいな、そこらの左翼の宣伝ビラレベルなんだから、その内容で十分以上にたたき潰せると言いたかったのですが。私自身それを強調せず、狭い世界の議論に終始したことにも責任があります。申し訳ありませんでした。
- 親記事No.232スレッドの返信投稿
- board3 - No.269
どうもズレてますね
- 投稿者:不沈戦艦
- 2001年01月12日(金) 17時15分
> で、散々批判されている、受験たとえと、個人のお話への還元、現代作家の心構えですが、仰々しいというより、つまり、創竜伝自体、彼の個人的精神の産物なんだから、完璧な小説としての形態など、高い確度で求める自体、この作品に対するアプローチとして違うやん。と言いたかったわけです。そんなあら捜しせず、小林よしのりみたいな本で、意見を言うだけ言う(こういうと小林よしのりは責任とっていると言う意見が帰って来ると思います。勿論彼は田中氏よりはマシですが、どちらもやってることにあまり差はないとぼくは考えています)みたいな、そこらの左翼の宣伝ビラレベルなんだから、その内容で十分以上にたたき潰せると言いたかったのですが。私自身それを強調せず、狭い世界の議論に終始したことにも責任があります。申し訳ありませんでした。
いやね、そんな「社会評論したいが為の欲求不満解消小説」なんてやめてしまえ!と言いたいところなんですけど。小林よしのりの方が評価されているのは、内容と言うより「これは小説、フィクションだよ~ん」と逃げていないから、自分の言っている事には責任取っているから、ということなんですが。「やっている事に差はない」とは偏見が過ぎはしませんかね。田中芳樹が、社会評論をエッセイか何かでやっていて、自分の発言に責任を取っているのなら、ここで批判の嵐に晒されることはないと思いますが(右派系サイトでは別でしょうけど)。
で、「小林と田中では、やっている事に差はない」と思うのなら、それを論理的に証明してみて下さいな。小林の場合は裁判沙汰にはなるわ(オウムや著作権問題)、命は狙われるわ(オウム)、「運動」に首を突っ込むハメになるわ(薬害エイズ、新しい歴史教科書をつくる会)、左派勢力に延々と批判されるわ(戦争論妄想論など)、とたいそうな目に遭ってますけど、田中の場合は批判されているのがこのサイトくらいでしょ。自分のやっている事に対する「覚悟」が、まるで違うとしか思えませんけど。
あなたのものでしかない偏見を書き飛ばしても、誰も納得しないと思いますが、いかがでしょうか。
- 親記事No.19スレッドの返信投稿
- board3 - No.270
反銀英伝 大逆転! リップシュタット戦役(51)
- 投稿者:不沈戦艦
- 2001年01月13日(土) 18時52分
「今後の大方針は皆も解ったであろうしそれは良いとして・・・・差し当たっ
ては、景気づけが必要だ。サビーネ様の即位と新体制の発足を帝国全土に放送
することだけでも、帝国臣民全てに衝撃を与えるには充分過ぎるくらいかも知
れぬが、それに花を添える勝利が伴えば申し分ない。戴冠式の直後に、ヴァル
ハラ星系外のミッターマイヤー艦隊と、間もなくやってくるであろうキルヒア
イス艦隊を叩きのめすこと。これを行おうと思う。新皇帝陛下の即位の直後、
皇帝直属の軍が叛乱部隊に打撃を与えた、となると宣伝効果も抜群のものとな
る。日和見している連中を引きつけることができるし、それどころかローエン
グラム侯軍の将兵も、相当動揺することに間違いはあるまい。それに、ミッタ
ーマイヤー提督は、確かに『ヴァルハラ星系から艦隊を退去させよ』というこ
ちらの要求は呑んだものの、星系近くにたむろしたまま動かず、今となっては
少々目障りだ。一度は追い払っておく必要があるな」
一戦して勝利し、新体制の権威を帝国中に知らしめる、というタンネンベル
ク伯である。
「一戦する、とおっしゃられますか。しかし・・・・勝算が立ちますかな?敵
の戦力はミッターマイヤー艦隊が一万五千程度、キルヒアイス艦隊が三万のう
ち六千は潰しましたので、合計四万弱。こちらは五万ですから戦力的には有利
ですが、相手を叩き潰すまで行くかどうか、難しいところですな。勝てれば確
かに絶大なる宣伝効果を見込めますが、敗北したり消化不良のような戦いにな
ってしまった場合、逆効果なのではないか、と思います。最初に申し上げた通
り、キルヒアイス上級大将は簡単に叩けるような相手ではありませぬぞ。ミッ
ターマイヤー大将もまた然り」
シュタイナーの指摘は正しい。「一戦して勝つ」と云うタンネンベルク伯だ
が、勝てなかった場合はどうなるのか。「新体制の軍事力は弱い」と、逆の宣
伝を帝国全土にする羽目になってしまいかねない。その場合、新体制の権威は
失墜するだけだろう。何の為に戦ったのか、訳が解らなくなってしまう。
「ふふふふふ、ここでは精々グリューネワルト伯爵夫人を利用させてもらうさ。
まあ、艦に乗せて前線に出すつもりまではないが。キルヒアイス提督もミッタ
ーマイヤー提督も、ローエングラム侯には忠実だし、キルヒアイス提督に至っ
ては、ローエングラム侯の竹馬の友、と云える立場だ。グリューネワルト伯爵
夫人に対しては、ローエングラム侯と同じような反応を示すことは間違いなか
ろう。両手を縛られて戦う羽目に陥るので、多分両名とも『卑怯者!』と頭に
湯気を立てて怒ることになろうが、それはそれでなかなか愉快ではないかね」
親や先生を困らせる、効果的な悪戯を思いついた悪童そのものの表情で、楽
しそうに述べるタンネンベルク伯である。
「なるほど、それなら勝算はかなり立ちますな。小官としても、その方針なら
良いと思います。もっとも、キルヒアイス提督やミッターマイヤー提督だけで
なく、ローエングラム侯も激怒することでしょうな」
シュタイナーは、微笑しながら賛同した。他の者も、納得したような顔をす
る。しかし、シュリーフェン一人だけは、まだ疑問がありそうだ。
「しかし、それを逆手に取って、『タンネンベルク伯爵は女を人質に取るよう
な卑怯者だ!』と、宣伝に使われるということはありませぬか?」
「いや、それは心配しなくてもよかろう。その場合、ローエングラム侯は『手
抜かりで帝都を失陥したばかりか、姉までも人質に取られてしまった間抜けが
自分である』と宣伝してしまうことにもなる。あのプライドの高いローエング
ラム侯が、そのような事を自ら行う訳はなかろう。帝都失陥だけでも大失態な
のに、更に輪を掛けての話だから、彼はグリューネワルト伯爵夫人のことは可
能な限り隠しておきたいはずだ。オーベルシュタイン中将あたりはひょっとし
たらそう主張するかも知れぬが、ローエングラム侯は賛同しまい。そういうこ
となので、その心配をする必要はないと思う」
タンネンベルク伯の断言に対し、それ以上の異論はないようだ。
「では、早速だが、シュタイナー少将、シュリーフェン准将、クライスト准将、
エターリン大佐、カーレンベルク大佐の5名に命ず。卿らは宇宙に上がり、艦
隊の再編と掌握を行うようにしておいれくれ。こちらに降りてきた少数と哨戒
中の艦を除いて、ほぼ全数の艦が現在オーディン近辺の宙域で補給作業中だ。
補給が済み次第、いつでも戦闘行動に移れるよう、万全の準備をしておくのだ」
タンネンベルク伯の命令に対し、5人は一斉に唱和するように「はっ」と答
え、敬礼してから会議室を去っていった。
「レープ准将とマッケンゼン大佐は、このままここでガイエスブルグ組の集結
プランの検討だ。幕僚も呼び寄せるとよい。シュタウフェンベルク大佐は憲兵
隊を指揮下に掌握し、地上警備の指揮を行うこと。私は皇宮の大広間、戴冠式
場に向かいリッテンハイム侯と落ち合うこととする。以上だ」
それだけを云うと、タンネンベルク伯は席を立ち、見事な敬礼を残っている
3人に行う。そして会議室から出ていった。続いてシュタウフェンベルクも席
を立ち、同じように敬礼して去っていった。レープとマッケンゼンは、副官を
呼び寄せ幕僚たちに連絡を取らせる。
タンネンベルク伯爵は軍務省の玄関を出ると車に乗り、皇宮へと向かった。
リッテンハイム侯との待ち合わせ時間までには、まだ若干余裕があった。遅れ
るようなことは先ずないだろう。
間もなく伯の車は皇宮の敷地に入る。さすがに新無憂宮のエリアは広大なの
で、正門をくぐっても玄関までは遠い。十五分程度はかかるような距離である。
その間、タンネンベルク伯は、これからのことに思いを馳せていた。何と云っ
ても、まだまだ為すべきことは山ほどあるのだ。しかも、どれもこれも難問だ
らけである。リッテンハイム侯の分派活動を見過ごさず、上手く利用すること
を思いついてから、今までの経過もかなり綱渡りだったが、これからも簡単に
は行きそうにない。しかしタンネンベルク伯爵は、今の困難な状況を含め、明
らかにこの過程を楽しんでいた。根が動乱の時代に適応した人間であるようで、
綱渡りのような苦労を苦労とも思わない性格なのである。平和時だったら、暇
を持て余したような人物であったかも知れない。「激動の時代に適した人材」
という意味では、自由惑星同盟のヤン提督と似たようなところはある。しかし、
彼の提督と明らかに違うところは、勤勉さでは百倍以上優れており、このあた
りはむしろラインハルトに近いと云えるところだろうか。
(以下続く)
-
- board3 - No.272
創竜伝12巻の感想あれこれ
- 投稿者:画聖マニの再来(自称)
- 2001年01月14日(日) 07時56分
遅まきながら創竜伝12巻を読みました。で、ちょっと気になるところを・・・。
(P40~P43)何かおもいっきり歴史に介入してますなぁ。戦場にて耶律休カに追われている宋の皇帝を助けてます。
>「宋主が死んでも、おぬしが死んでも、歴史が変わってしまう。」(P42)
どんな形であれ自分が介入する事で歴史が変わるとは思わなかったんですか?陛下・・・。耶律休カは皇帝を殺すどころか、あの時点では捕まえてすらいません。『あのまま放っておいてもちゃんと逃げ延びたのでは・・・』とゆー素朴な疑問がアタマから離れないんですけど。追跡劇やってる間に宋兵が救援に駆け付けたので追跡を断念したとか・・・。そうなると、青竜王の横槍のせいで
・皇帝の救出という武勲を挙げたであろう人は武勲が消滅(実際間もなく宋の武将が駆け付けてきたし)
・救出の際、耶律休カと交戦して戦死したかもしれない人は死なないまま
う~ん、案外思わぬところに影響がでたりして。
>「まったく、叔卿のやつ、どこをほっつき歩いているのか。考えなしに人界の歴史に介入して、悶着をおこさねばよいが・・・・・・・」(P43)
あんたもだ、あんたも(-_-;)そーいや何で白竜王が探しに来た事を知ってるのかなぁ?長兄のカンか!?(笑)
ここから先は単なる私の邪推ですが・・・
・歴史中毒の青竜王陛下、歴史に名高い『高梁河之戦』を見物に来た。
・遼が大勝し、趙匡義は命からがら逃げ帰った事は、知識として知っている。
・ところが目の前では偉大なる大中華帝国の皇帝陛下が野蛮な夷荻の王に追われてDieピンチに陥っている。
・偉大なる(中略)皇帝陛下の危機にいてもたってもいられず乱入。
・・・というのが一番真相に近いんじゃないかと思います。
これが逆の立場で、耶律休カの方がピンチになっていたとしたら、彼は手を出さなかったような気がします。あ、これただの偏見ですけど(笑)
>「あれは助けないとかえって歴史の流れが狂ってしまうんだ。趙匡義は命からがら国都開封へ逃げもどる。以後は政治に専念して、世界でもっとも豊かで先進的な大国をつくりあげることになる。」(P86)
などとぬけぬけとのたまう東海青竜王陛下の首を絞めたくなったのは私だけでしょうか?(笑)
-
- board3 - No.273
全否定することもないだろうに。
- 投稿者:K2
- 2001年01月14日(日) 08時47分
私には田中芳樹さんみたいな人も必要かと思われますが。
確かに、彼を全肯定してはなりませんが、全否定することもないと思います
それはすべてにおいてですがね。
彼の作品におけるミスは彼自身に手紙をだすなりすればいいでしょう。
ココでいちいちどうのこうの言う必要はないでしょう。違いますか?
人間ミスぐらいあるとおもいますが。
ま、いきすぎないのが一番とは思いますがね。
- 親記事No.273スレッドの返信投稿
- board3 - No.274
上の補足っていうか要約
- 投稿者:K2
- 2001年01月14日(日) 08時54分
人を批判することは楽しいことです。だからこのHPがあるのでしょうが。
彼が抽象的に現政府などを批判するのが簡単なように、
あなたがたが彼を批判することも簡単で楽しいことですね。
五十歩百歩とはいえませんかね?
- 親記事No.273スレッドの返信投稿
- board3 - No.275
Re: 上の補足っていうか要約
- 投稿者:K2
- 2001年01月14日(日) 08時57分
> 人を批判することは楽しいことです。だからこのHPがあるのでしょうが。
> 彼が抽象的に現政府などを批判するのが簡単なように、
> あなたがたが彼を批判することも簡単で楽しいことですね。
> 五十歩百歩とはいえませんかね?
そして、私があなた方を否定することも簡単ですがね
- 親記事No.273スレッドの返信投稿
- board3 - No.276
Re: 全否定することもないだろうに。
- 投稿者:モトラ
- 2001年01月14日(日) 09時04分
作中で特定の人物や団体を、匿名でそれとわかるように批判(実態は誹謗中傷)を繰り返す田中芳樹が、自分だけ安全圏に納まる(フィクションを隠れ蓑に逃げを打つ)のが許されるとは思えませんね。ついでに、過去ログやザ・ベストを見れば、全否定などしていないことは明白です。出直してきなさい。
- 親記事No.146スレッドの返信投稿
- board3 - No.277
「やばい、あいつは竜殺しだ!」
- 投稿者:画聖マニの再来(自称)
- 2001年01月14日(日) 09時14分
> どこかに、竜堂兄弟を倒せるぐらい強い“竜殺し”(ドラゴンスレイヤー)はいないのでしょうか?(牛種陣営に設定しても面白いかも。「やばい、あいつは竜殺しだ!」とかって四兄弟が焦る姿を見てみたいものですね♪)
竜を使役する『拳竜氏』という職業(?)があるのですが、そういうキャラが出れば一気に緊張感が生まれるでしょうね。すくなくとも今までのように呑気に破壊を楽しんではいられないでしょう。能力としては、
・竜種を問答無用で操れるカ(竜にしか効かない)
・竜種を一撃で倒せるカ(竜にしか効かない)
・竜種の攻撃を無効化するカ(竜にしか効かない)
のどれか1つでもあれば充分脅威となってくれるでしょう。・・・う~ん、個人的には是非小早川奈津子様にこの能力を与えたいですね。(笑)竜堂兄弟には今まで以上にはりきって逃げていただきたいです♪
- 親記事No.273スレッドの返信投稿
- board3 - No.278
楽しいか
- 投稿者:詩聖杜甫はすごい
- 2001年01月14日(日) 10時03分
> > 人を批判することは楽しいことです。だからこのHPがあるのでしょうが。
> > 彼が抽象的に現政府などを批判するのが簡単なように、
> > あなたがたが彼を批判することも簡単で楽しいことですね。
> > 五十歩百歩とはいえませんかね?
> そして、私があなた方を否定することも簡単ですがね
楽しいといわれても。とんでもない。それはあなたの考えで、別に自分は楽しいとかんじてはいませんし、批判すること簡単というけど、まちがえると中傷になるとおもいます。手紙はここの管理人がだしました。人間ミスぐらいといいますが、こんなの調べたらわかるだろう程度のもので、ろくに調べもせずに書いてるのはミスではないとおもいます。
- 親記事No.273スレッドの返信投稿
- board3 - No.279
簡単ならぜひやってください
- 投稿者:シュレン
- 2001年01月14日(日) 11時05分
私も批判したいのですが、力量がおよばず、することができません。
ここをみて悔しい思い出一杯の私としては、ぜひやってほしいです。
それとも、口だけ?(笑)
- 親記事No.273スレッドの返信投稿
- board3 - No.280
Re: 簡単ならぜひやってください
- 投稿者:K2
- 2001年01月14日(日) 11時47分
> 私も批判したいのですが、力量がおよばず、することができません。
> ここをみて悔しい思い出一杯の私としては、ぜひやってほしいです。
> それとも、口だけ?(笑)
いうことからして下品な(笑)
口だけだと思いますかね?
- 親記事No.273スレッドの返信投稿
- board3 - No.281
Re: 楽しいか
- 投稿者:K2
- 2001年01月14日(日) 11時49分
> > > 人を批判することは楽しいことです。だからこのHPがあるのでしょうが。
> > > 彼が抽象的に現政府などを批判するのが簡単なように、
> > > あなたがたが彼を批判することも簡単で楽しいことですね。
> > > 五十歩百歩とはいえませんかね?
> > そして、私があなた方を否定することも簡単ですがね
>
>楽しいといわれても。とんでもない。それはあなたの考えで、別に自分は楽しいとかんじてはいませんし、批判すること簡単というけど、まちがえると中傷になるとおもいます。手紙はここの管理人がだしました。人間ミスぐらいといいますが、こんなの調べたらわかるだろう程度のもので、ろくに調べもせずに書いてるのはミスではないとおもいます。
成る程。それでここで愚痴ってるというわけですか(笑)
調べたら分かる、か。あんだけ膨大な量を書いてるのに100%
やれというほうが無理じゃないですか?
- 親記事No.273スレッドの返信投稿
- board3 - No.282
Re^2: 全否定することもないだろうに。
- 投稿者:K2
- 2001年01月14日(日) 11時54分
> 作中で特定の人物や団体を、匿名でそれとわかるように批判(実態は誹謗中傷)を繰り返す田中芳樹が、自分だけ安全圏に納まる(フィクションを隠れ蓑に逃げを打つ)のが許されるとは思えませんね。ついでに、過去ログやザ・ベストを見れば、全否定などしていないことは明白です。出直してきなさい。
そうですね。全否定とはいいませんが、大体わざわざ批判のために
これだけつくるってのがおかしいとおもいますがね。
それからせめて「さん」ぐらいつけたらどうです?
まぁフィクションを隠れ蓑に・・・というとこには同感できますがね。
どちらにしろ、あなただって自分の安全圏に納まってませんかね?
このHPでみんなと一緒に批判してるだけじゃないかな?
もう少し考え直してみたらどうですかな?
- 親記事No.273スレッドの返信投稿
- board3 - No.284
Re^3: 全否定することもないだろうに。
- 投稿者:不沈戦艦
- 2001年01月14日(日) 13時00分
>
> そうですね。全否定とはいいませんが、大体わざわざ批判のために
> これだけつくるってのがおかしいとおもいますがね。
> それからせめて「さん」ぐらいつけたらどうです?
> まぁフィクションを隠れ蓑に・・・というとこには同感できますがね。
> どちらにしろ、あなただって自分の安全圏に納まってませんかね?
> このHPでみんなと一緒に批判してるだけじゃないかな?
> もう少し考え直してみたらどうですかな?
で、どこがどう「自分の安全圏に納まって」なのかな?具体的に指摘してみ
たらどうでしょか。管理人氏は一応田中芳樹本人に、「批判ページを立ち上げ
た」と通告してたと思ったんですが。田中芳樹みたいに「フィクションだから」
と安全圏に逃げちゃいないでしょ。どこが「自分の安全圏に納まって」なのか
検証してみたらどう。ちなみに、過去結構ここは「荒らし」の攻撃受けている
し、旧「あめぞう」や「2ちゃんねる」などでは、私もやられたけど管理人氏
や常連のハンドルを勝手に使った、下品な騙り投稿を何度もされてたりします
が。
K2サンも少し考え直してみたらどう?
> そうですね。全否定とはいいませんが、大体わざわざ批判のために
> これだけつくるってのがおかしいとおもいますがね。
さて、K2サンにはそういう趣味はない、ってのは勝手ですけど、自分の基
準を他人に押し付けようとしなさんなや。「大きなお世話」とちゃう?もちろ
ん、「このHPにはこう書いてあるが、これは間違っている」のような「田中
芳樹擁護」の為の批判は、ここの管理人氏は歓迎すると思うけど。「批判の為
のHPを作ること自体がおかしい」とははて、面妖な意見じゃの。
ところで、K2サンは「買ってはいけない」のような本を出す事自体が「お
かしい」と思いますか?ま、確かにあの本の内容はかなりとんでもないものみ
たいだけど、市販されている商品を検証した本を出版しよう、という事自体が
否定されねばならないとは思えませんけどね。あるいは、小林よしのりの「戦
争論」に対して出された「戦争論妄想論」とか、「ゴーマニズム宣言」に対し
て出された「脱ゴーマニズム宣言」みたいなものも(内容に関してはどうかは
知らんが)、「本を出版したこと自体」がおかしいと思いますか?
あるいは、「評論家」ってのが色々いますけど、こういう人たちも「存在す
ること自体がおかしい」と思いますか?K2サンが、「批判はいかん」という
のであるなら。
- 親記事No.273スレッドの返信投稿
- board3 - No.285
Re^2: 楽しいか
- 投稿者:詩聖杜甫はすごい
- 2001年01月14日(日) 13時32分
> > > > 人を批判することは楽しいことです。だからこのHPがあるのでしょうが。
> > > > 彼が抽象的に現政府などを批判するのが簡単なように、
> > > > あなたがたが彼を批判することも簡単で楽しいことですね。
> > > > 五十歩百歩とはいえませんかね?
> > > そして、私があなた方を否定することも簡単ですがね
> >
> > 楽しいといわれても。とんでもない。それはあなたの考えで、別に自分は楽しいとかんじてはいませんし、批判すること簡単というけど、まちがえると中傷になるとおもいます。手紙はここの管理人がだしました。人間ミスぐらいといいますが、こんなの調べたらわかるだろう程度のもので、ろくに調べもせずに書いてるのはミスではないとおもいます。
>
> 成る程。それでここで愚痴ってるというわけですか(笑)
> 調べたら分かる、か。あんだけ膨大な量を書いてるのに100%
> やれというほうが無理じゃないですか?
愚痴などいちどもしておりません。ついでに始めてここに投稿したし、それから100パーセントやれというのはむりだとおもいます。司馬さんそれから池波さんの本も完璧ではありません。しかし田中氏のほうは、わけのわからん評論や、素人でもわかることまでないからです。軍事描写などここのところでもかいていますがいいかげんすぎますから。