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board3 - No.246

Re240:創竜伝におけるソ連関連の記述について

投稿者:冒険風ライダー
2001年01月11日(木) 08時29分

>えっと、うろ覚えの知識で申し訳ないんですが、ソ連が創竜伝の本筋に直接絡んだことはないと思います。ただ、何巻かは覚えていないのですが、アメリカの日本大使とソ連の日本大使(なぜか、エセ関西弁のロシア人!そういえば、田中作品にはちょくちょくそういうキャラが登場しますね。関西に憧れがあるんでしょうか?)の二人が漫才のようなやりとりをしていた場面があったと思います。社会評論を除けば、私が覚えている限りではソ連との絡みはそれぐらいだったと思いますよ~。
>ここは、冒険風ライダーさんの出番ですね!(笑)ぜひ、他にも記述がないか、探していただきたいところですね~!

 何やらリクエストされたようでしたので(笑)、こちらでも少し調べてみました。
 実は創竜伝におけるソ連関連の記述は意外に多く存在します。主なものを紹介していきましょう。
 まず、創竜伝で最初にソ連とかかわることになる記述が出てくるのは、創竜伝3巻・P188~P189とP211~P212で、これは恵さんが仰っていたソ連駐日大使関連の記述です。
 次の描写は創竜伝4巻・P151~P153で、竜に変身して空母「覇王(ダイナスト)」を海水ごと取り込んで重力制御飛行を行い、自分からソ連領カムチャツカ半島に侵入してきた竜堂始に対し、ソ連側が当然のごとく迎撃機(ミグ戦闘機)を発進させ、これまた当然のように一方的に叩き潰される描写があります。
 しかしただこれだけの記述しかないというのであれば、創竜伝におけるソ連記述はそれほど問題になることもないのですが、問題なのはソ連が崩壊した後に出版された創竜伝8巻におけるこの2つの記述です↓

創竜伝8 P109下段~P110上段
<始は息ぐるしさをおぼえた。吐息まじりに西王母に問いかける。
「牛種は竜王一族などより、人間の本質をよく知っていたのでしょうか」
「彼らは人間の一面をよく知っていましたよ。それはたしかです」
 西王母はやさしく答えた。始の息ぐるしさをさとり、彼の心に通風口をあけるように。
「でも人間には他の一面があります。他人を支配し、虐待して喜ぶ者もいれば、他人の不幸を軽減することに生命をかける人もいます。青竜王は、人間は全て愚かだと思いますか」
「いえ、そうは思いません」
 始は頭を振った。
「言論が自由な国で滅びた例はまだありません。二〇世紀にはいって滅びたのは、ナチス・ドイツ、軍国日本、ソビエト連邦、東ドイツ……いずれも言論を弾圧し、ただひとつの思想を宗教化して国民に押しつけ、野党の存在を認めず、密告を奨励した国です。それらを思うと、歴史の流れ、人間の賢さを信じたいという気がします」>


創竜伝8巻 P164下段~P165上段
<つまり牛種の支配システムは限界に近づきつつあり、それを承知しているからこそ、彼らはあえて五〇億人殺戮という暴挙に出た。旧来のシステムをたたきこわし、一から構築しなおそうとしている。それが始の見解だった。
「牛種の人界支配システムが限界に近づいているという証拠は何?」
「ソビエト連邦の崩壊だ。たしか昨日、君の母上にも申しあげたと思うが」
 あらためて始は考えてみる。二〇世紀にはいって滅びた国家といえば、いずれも言論を弾圧し、軍事力によって周辺諸国を圧迫した国だ。それらが破滅したのは牛種の人界支配の道具に使われ、用ずみになってすてられたからだが、もうひとつ理由がある。こういった国々のありようが、人類から拒否されたからだ。まがりなりにも言論の自由が保証されているような国は、滅びた例がない。牛種が好むような、言論弾圧・思想統制の国家が滅びるというのは、人類の意識が、牛種のコントロールをときとして排するまでに高まっているという見方もできるのではないか。>


 この妄想的な記述が「ストーリーの後付け」で「社会評論を語りたいだけのため」に作成されたものであるということは、創竜伝のストーリー全体の流れを見ればすぐに分かることです。前述のように創竜伝4巻では竜王と「ソ連軍」とが直接対決していますし、上記で言及されている「五〇億人殺戮という暴挙」というのは「染血の夢」計画のことですが、この計画が初めて創竜伝に登場したのは創竜伝6巻で、その初版発行は1990年6月15日となっていますから、これはまだソ連が存続していた時代に出てきたものです。これから考えると、いかに田中芳樹が創竜伝のストーリーを「デタラメ」かつ「その場しのぎ」で作成しているかが一目瞭然ではありませんか。
 オマケに上記の社会評論、政治理論を全く無視した説得力ゼロの駄文でしかないのですけど、それに関しては「私の創竜伝考察26」で言及していますからここでは省略します。

 さらに追加すると、上の方で言及した、創竜伝3巻登場のソ連駐日大使は創竜伝9巻・P42~P43にも登場するのですが、何でこの時点でわざわざこの(元)ソ連駐日大使を登場させなければならなかったのかも全く理解不能です。
 創竜伝3巻と9巻の間の時間経過は、最大に見積もってもせいぜい2~3ヶ月程度。にもかかわらず、創竜伝3巻ではいかにも「大国の外交を担う金持ち大使」と描かれていたのが、創竜伝9巻では「部下に対する給料の支払いもままならない貧乏大使」にまで落ちぶれているわけです。たったの2~3ヶ月の間に、この大使に一体何が起こったというのでしょうか(笑)。
 しかもストーリー的に見ても、特にこの(元)ソ連駐日大使を登場させなければならない必然性があったわけでもないのです。この時の描写は、ただ例の大使に「部下に対する給料の支払いもままならない貧乏大使」の役を演じさせるだけで、前後の繋がりも全くないままに終わってしまっているのですから。
 創竜伝9巻の初版発行は1994年11月25日ですから、この記述が過去の描写と矛盾を引き起こし、ストーリー構成を破綻させることになるであろうことを予測するのは極めて容易なことであったはずです。にもかかわらず、平然と矛盾に満ちた小説記述を行っているのですから、これもまた田中芳樹が創竜伝のストーリーをデタラメに書いている証拠と言えるのではないでしょうか。


 私が調べた範囲で分かったソ連関連の矛盾はこんなところですが、いかがだったでしょうか。>恵さん

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board3 - No.247

やっぱりね…(--;)

投稿者:
2001年01月11日(木) 09時05分

>  創竜伝9巻の初版発行は1994年11月25日ですから、この記述が過去の描写と矛盾を引き起こし、ストーリー構成を破綻させることになるであろうことを予測するのは極めて容易なことであったはずです。にもかかわらず、平然と矛盾に満ちた小説記述を行っているのですから、これもまた田中芳樹が創竜伝のストーリーをデタラメに書いている証拠と言えるのではないでしょうか。
>
>
>  私が調べた範囲で分かったソ連関連の矛盾はこんなところですが、いかがだったでしょうか。>恵さん

冒険風ライダー様、いつもありがとうございますぅ!
やっぱり、ちゃんと調べたらソ連の記述だけでもそんなに矛盾がありましたかぁ。しかし、こういう調査はあなた様の大得意分野ですね、ホントにいつも感心させられます♪

でもね、これだけ罪状がはっきりしてるのに田中氏を弁護できる方がおられるものですから、いくらファンとはいえ、もぅ私もちょっとその論法の凄さに目を白黒させてしてしまいました。(@_@;)

P.S.ついでに、あのジャコさんの田中氏弁護に対する冒険風ライダーさんのご意見もお伺いしたいものです♪

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board3 - No.248

Re: ジャコ様、それは違うと思いません?

投稿者:ジャコー
2001年01月11日(木) 09時05分

 確かに、私宛でない方へのお手紙に対して反論したのは非礼でったかもしれませんね。すいません。でもインターネットだから許してください。早速の反論ありがとうございます。この議論に深入りするのは、私が書きこんだ本誌からは外れるのですが。なんか書かないのも失礼だし。

> ジャコさん、はじめまして!(^^)
> あのP.S.部分は直接あなたにあてて書いたものではありませんが、ご指名いただきましたので、(笑)反論させていただきましょう♪

 では、再反論を@

> なるほど~、学生さんらしい文章でかわいいですね。私は社会人ですケド、あなたの言いたいことは何となくわかりますよ。でも、結論から言わせていただきますと、(田中氏にもジャコさんにも)
> 「甘えてはいけません!」

 どうも 甘えていてかわいいじゃコーです。(笑)
>
> 「多分、あなたも、そういう経験があると思います」ということですが、確かに私も、そういう経験がまったくなかったと言いません。しかし、「1ランク上の志望校を滑り止めなしで受けなきゃならんみたいなものです」というあなたのたとえ方のほうが明らかに間違っていると思いますよ。なぜなら、「仕事」としてプロでやっている以上、それがどんな仕事でも「責任」が生じるからです。学生のあなたにはまだピンとこないかもしれませんが、仮に私(グラフィックデザインを仕事にしてます)が仕事上で何らかのミスを犯したとき、「そういう経験はみんなもしてると思います」なんて口が裂けても言えませんし、言うつもりも毛頭ありません。ミスはミスとして、自分や事務所の責任において対処し、最悪の場合はペナルティを受けます。これは別に、私の仕事だけではありませんよ。
> ましてや、「小説」ともなれば不特定多数を対象としたメディアであるだけに読者に与える影響力だって少なくないでしょう。しかも、創竜伝はベストセラー本ですし、ジャコさんは、そのプロ作家としての「責任」が「1ランク上の志望校を滑り止めなしで受けなきゃならんみたいなものです」などという、あくまで個人的な自己責任と覚悟だけで済む問題だと本気でお考えですか?私程度の、一デザイナーの立場でもリスクを覚悟するだけでなく、常に「ペナルティ」も覚悟して仕事してるんですよ。(実際、受けたことありますし)それを、「筆者は現実と仮想という本来矛盾する概念を接合させる努力の中、やむなくリスクを覚悟して行うことです」とおっしゃるのは、「覚悟」さえしていれば明らかに作品世界の設定を意味なく破壊する行為を「多分、あなたも、そういう経験があると思います」として何の「ペナルティ」もなく肯定しろと言うのですか?
> 肯定してあげもいいですケド、それを管理人さん風に言えば「作家の全面敗北」でしかないと思いますよ。

 学生で社会経験のない私には、ホントのところの社会の大変さや責任はわかりませんので、甘っちょろくみえるのでしょう。

>
> 最後に、
> 「人に迷惑をかけるけど、自分の考えを貫こうと思えばやらにゃきゃならなかったことが。それは、みんなが目的や方法は違うけど、やっていることです。それぞれの悩みや不安の中で。そのとき「赤信号・・・」と考えることが小学生レベルでしょうか」
> と、ジャコさんはおっしゃってますが、田中氏の問題をまるであなた自身や人間が抱える葛藤などの問題にすりかえてはいけませんよッ。
> じゃあ、仕事で失敗するたびに「それぞれの悩みや不安の中で…」なんて言えば許されるんですか?学生のあなたなら許されるかもしれません。でも、田中氏はを感じて「ペナルティ」を受ける「覚悟」があるなら、そんな言い訳する前にすべきことがあるでしょう。(非を認めて読者に謝罪するとか。ご自身の評論では他人に相当なあてこすりをしてるんですから→「私の創竜伝考察シリーズ」をぜひ読んでみてください!)
>
> もう一度言います。
> 「甘えてはいけません!」
> 私も田中作品のファンですし、エンターテイメントとして作品を楽しませてもらっていますが、「多分、あなたも、そういう経験があると思います」という同情心は持ち合わせておりません。田中氏がプロ作家の看板を下ろすなら話は別ですケドね。ファンとして田中氏を弁護したい気持ちもよくわかりますが、田中氏は常に責任とリスクを背負った「プロ作家」なのですよ?それを「1ランク上の志望校を滑り止めなしで受けなきゃならんみたいなものです」という、まるで学生さんの自己責任で済むような小さな問題とすり変えるのはやめましょうね。
>
> P.S.「小学生並みの思考レベル」と書いたのは、私の方も適当な表現ではなかったかもしれません。しかし、傷を舐め合えば問題が解決するような(沈黙の艦隊の引用)ジャコさんの意見に納得できなかったものですから。一応、私なりに根拠があって反論させていただきましたが、もちろん、田中氏もジャコさんも中傷する意図はまったくないので、悪しからず、ご了解をお願いいたしますッ!

 全文通して、恵さんの言いたいのは、

 職業作家としての「誇り」と「自覚」、そして「責任」を持った、常に責任とリスクを背負った「プロ作家」たる田中氏は、自分のミスに責任をとるべきであり、それをみのがすのは甘えだ

 ということですね。よろしいと思いますが。

 さて、誰しもミスに責任を採らされるのは当然で、それがない社会はありません。恵さんのような社会人から、私のような学生まで。
 では、常に責任を追及されるのでしょうか。それはミスの大小によるのではないでしょうか。
 私は、創竜伝を良い小説とは思いません。田中氏の作品の中でも駄作に属する方だと思います。作品全体の接合性より、彼の思いつきの方が優先されている。でも、私が、今回問題にしているのは、ロシア変化だけです。他の欠点に付いては、全く申しておりません。ロシアに変えたことは、確かにミスです。
しかし、状況を勘案しても、それが、作品構成をなんだと言われねばならないほどの、彼の責任やぺナルティとやらを追及せねばならないほどの問題かということです。
 そうではないともいます。なんでもかんでも欠点を見つけて批判することは建設的でない。せっかく田中芳樹批判するなら枝葉末節なところをつつくのはやめようというのが私の一貫して主張したいところでした。そういわず、いかにも情緒的な表現に終始した私にも責任はありますが。それは、同情心とかそういう意味でないと思いますし、傷のなめ合いとかいうのも変です。
 「甘えるな」という評価を下されるのは、今ひとつどころでなく腑に落ちないのですが。どうも甘ったれな学生の言い様、社会の辛さを知らんガキが好き勝手行ってるはといわれるとそうかもしれないのですが。

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board3 - No.249

少し横道にずれましたね(--;)

投稿者:
2001年01月11日(木) 10時33分

>  全文通して、恵さんの言いたいのは、
>
>  職業作家としての「誇り」と「自覚」、そして「責任」を持った、常に責任とリスクを背負った「プロ作家」たる田中氏は、自分のミスに責任をとるべきであり、それをみのがすのは甘えだ
>
>  ということですね。よろしいと思いますが。
>
>  さて、誰しもミスに責任を採らされるのは当然で、それがない社会はありません。恵さんのような社会人から、私のような学生まで。
>  では、常に責任を追及されるのでしょうか。それはミスの大小によるのではないでしょうか。
>  私は、創竜伝を良い小説とは思いません。田中氏の作品の中でも駄作に属する方だと思います。作品全体の接合性より、彼の思いつきの方が優先されている。でも、私が、今回問題にしているのは、ロシア変化だけです。他の欠点に付いては、全く申しておりません。ロシアに変えたことは、確かにミスです。
> しかし、状況を勘案しても、それが、作品構成をなんだと言われねばならないほどの、彼の責任やぺナルティとやらを追及せねばならないほどの問題かということです。
>  そうではないともいます。なんでもかんでも欠点を見つけて批判することは建設的でない。せっかく田中芳樹批判するなら枝葉末節なところをつつくのはやめようというのが私の一貫して主張したいところでした。そういわず、いかにも情緒的な表現に終始した私にも責任はありますが。それは、同情心とかそういう意味でないと思いますし、傷のなめ合いとかいうのも変です。
>  「甘えるな」という評価を下されるのは、今ひとつどころでなく腑に落ちないのですが。どうも甘ったれな学生の言い様、社会の辛さを知らんガキが好き勝手行ってるはといわれるとそうかもしれないのですが。


うーん、ジャコさんはちょっと誤解されておりますねぇ。(--;)
私は、ソ連→ロシアの変化が創竜伝の作品構成上の大矛盾で、だから田中氏はけしからん!みたいなことは一言も言ってませんよ?その矛盾をこのサイトで指摘されてるのは、ここの管理人である石井さんでしょう?私は不沈戦艦の書き込みに対して「確か、ソ連がらみの話はこんなのが…」と書き込み、あなたの「沈黙の艦隊の引用」に対してのみ、「赤信号、みんなで渡れば怖くない!」のような発想では、プロとしての自覚と責任に欠けると思ったので、「小学生並みの思考レベルじゃないですか?」と発言したのです。
「ソ連→ロシアの変化の矛盾」問題に対する反論は、私ではなく管理人さんに対して行ってくださいね!私は、自分で発言もしていないことに関して責められても何の責任も持てませんし、おかど違いもいいところじゃありませんか?

それと、別にジャコさんを「学生のくせに」なんて思い上がったつもりもないですよッ。社会人も学生も関係ありません、私は自分の行動に責任がとれる方は何歳であろうが立派な大人だと思いますし、逆に責任がとれない方はいくら老けていようと(笑)、自立した大人と思っていませんから。

さらに、
「いかにも情緒的な表現に終始した私にも責任はありますが。それは、同情心とかそういう意味でないと思いますし、傷のなめ合いとかいうのも変です」
とおっしゃるなら、もっと具体的かつ論理的に、単なる同情ではないことを教えてください。

「では、常に責任を追及されるのでしょうか。それはミスの大小によるのではないでしょうか」
ともおっしゃっていますが、「ミスするたびに責任を追及しろ!」なんて私は言ってないですよ。あなたが管理人さんの指摘に反論されて、その論旨で私を管理人さんと一緒くたにされてるようですが、私はあなたの「みんなもやっている」(沈黙の艦隊)という開き直りと学生さん的な情緒的発言に対してのみ、「責任」と「ペナルティ」を意見しただけです。

反論されるのはあなたの自由ですが、直接私に関係ない論旨まで絡めて批判するのはやめましょうねッ!

P.S. ホント、社会人の話題は「仕事」における「責任」について書きたかっただけですので、他意はまったくありません。そんなこと言い出したら、学生さんと論争したら必ず社会人の不戦勝ということになっちゃうじゃないですか!そんなつもりではなかったことを、ここに明記しておきます。ジャコさん、こちらこそ「建設的な批判」をお待ちしますよ~♪♪

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board3 - No.250

そんなに立派なものならまだいい

投稿者:本ページ管理人
2001年01月11日(木) 13時12分

>ときにそれを超えることがあり、作者は二つの選択を強いられます。それを作品に取りこむことを断念するか、あえて、矛盾を承知で取りこむかです
>最善ではないけど、リスクもあるし、人に迷惑をかけるけど、自分の考えを貫こうと思えばやらにゃきゃならなかったことが

 質問なのですが、創竜伝にソ連を登場させることって、そんなに仰々しい覚悟をしてまでしなければならないことでしょうか?
 恵さんに、甘い甘い喫茶ルノアールのココアよりも甘いと言われている、学生の責任意識程度の覚悟すらもなく、ただ思いつきで書き散らしているのが創竜伝のソ連に関する記述じゃないですか?
 圧倒的に作品を面白くするために、作品の整合性を放棄しなければならない… こんなとき、作品の面白さを取ることは間違いではありません。むしろ、正しいこともあります。少年マンガにはこの種の傑作もたくさんあります。
 当然つまらなくなって、かつ整合性が崩壊した駄作もそれ以上にたくさんありますが、それはそれでいい。なぜなら、作品を面白くしようとする、作家業の本義としての失敗だからです。
 然るに、創竜伝はどうでしょうか? 冒険風ライダーさんが引用してくれましたが、どうみたってやくたいもない評論をしたいがためだけに挿入されたようなエピソードじゃないですか。面白くしようとしてソ連の崩壊を取り入れているのなら、それがたとえ大失敗していても私はここまで叩いたりはしません。
 そうじゃなく、自分の趣味(あえて言いますが)の評論の為に自分の作品を崩壊させているからこそ、私はあそこまで批判しているわけです。


>その最大のものは、女性の一元的書き方やインチキ社会批評でしょう。

 私はそうは思いません。創竜伝の最大の問題は作品を崩壊させてまで『趣味』の評論を優先させていることです。どうしようもなく評論の内容が馬鹿馬鹿しいのでそちらに目を取られがちですが、しかし、評論の是非そのものはあくまで枝葉の問題なのです。極端に言えば、どんなにクソ評論が出て来たって、それが作品を面白くするテーマになっていれば、横紙破りとして作品を認められるんですよ(真面目に書くよりよっぽど難しいと思うけど…)。

P.S.
失敗されていた書き込みは消去しました。ご了承下さい。

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board3 - No.251

Re: 悪役列伝(纐纈城の城主/纐纈城奇譚より)

投稿者:日傘
2001年01月11日(木) 14時30分

 纐纈城奇譚って、中国モノじゃ鬼っ子ですよね。出版当時、私の高校の図書室に入ったときには、藤田氏の挿絵にしか話題が集まりませんでした(笑)。
 思ったよりもちゃんと伝奇伝奇してたので私は好きでしたけどね。菊地夢枕がえげつなくてヤダ!っていう人向きかもしれません。

> でも、この「では汝らに問おう。善といい悪という。何をもって善といい、何を指して悪というのか、明快に答えられるか」をぜひ竜堂兄弟にも投げかけてみたいものですね~。たぶん、速攻で
> 「おれたちの敵は悪だッ!」
> なんて恐ろしい返事が返ってきそうですケド♪

 さすがにこれはないと思いますよ。本心はどうかは別にして。自分の行動すら社会評論で理論武装してからでないとできないような連中ですから、おそらく始あたりが、
「俺たちは別に自分たちを善と信じているわけではない。善悪を決めるのは後世の歴史家だ(ありゃ、こりゃヤンか)」
 などとのたまうことでしょう。
 竜堂兄弟は見たところ、義憤や感傷で発作的に行動しても、「なにが善でなにが悪か」などという本質的な命題は、巧妙にかわして沈黙を守っている感があります。というより其処まで深く考えていないような気がしますが……

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board3 - No.252

そりゃ違うでしょう

投稿者:本ページ管理人
2001年01月11日(木) 15時03分

> でも、この「では汝らに問おう。善といい悪という。何をもって善といい、何を指して悪というのか、明快に答えられるか」をぜひ竜堂兄弟にも投げかけてみたいものですね~。たぶん、速攻で
> 「おれたちの敵は悪だッ!」
> なんて恐ろしい返事が返ってきそうですケド♪

創竜伝のパターンは、

・敵のどう見ても小悪党な奴が「俺のやっていることは正義なのだ!」「ワシは愛国者なのだ!」と、異様にわざとらしい(ここ大事)セリフを吐く。
   ↓
・竜堂兄弟が「ほう、正義ね。正義の名の下にどれだけの人が殺されたか知っているのか」みたいな説教が始まる
   ↓
・場合によって、地の文に「人が残酷になるときは、正義を唱えて悪を撃つときだ」というような意味の田中芳樹の説教が入る。
   ↓
・竜堂兄弟が「悪」の名の下に「正義」を何の疑問も持たず容赦なく痛めつけて、すぐ前の説教が嘘であることを証明する(笑)

と定型化しているので、竜堂兄弟が敵を「悪」と呼ぶことはないはずです。

それにしても、ファシズムやスターリニズムの教科書に使えそうなくらい典型的なねじ曲がった思考ですね…

board3 - No.253

いまさらながら、と学会話

投稿者:本ページ管理人
2001年01月11日(木) 15時23分

いろいろなところで話題になっているようですが…

####以下引用####
山本「あと紹介し忘れましたけど、小林よしのりの「戦争論」(幻冬舎)。あれもスゴイですよね。売れてからだいぶ後で読んだんだけど、ここまでヒドい本だったのかって思った」
唐沢「あれだけ間違っていて、あれだけ読者を引きつけるっていうのはスゴイと思った」
永瀬「『戦争論』読んだ専門家の学者が言ってましたね。「素人にしてはまぁ勉強している」って」(会場爆笑)
山本「東中野修道教授(注16)の本に影響されてるんだよね。あの人の本もかなりトンデモだよ」
(中略)
山本「去年、一昨年はやっぱり(トンデモ本が)多かったんですよ。一昨年は『戦争論』という右翼系のトンデモ本、去年は『買ってはいけない』という左翼系のトンデモ本がベストセラーになった年なんですよ。数だけはあった」
(中略)
唐沢「頭が悪いっていうか、自分で考えるのが嫌だっていう人が、右か左か断定してくれる方について行こうという。
山本「たしかに『戦争論』と『買ってはいけない』の共通点かもしれない」

■注16 東中野修道(ひがしなかの・おさみち)
 1947年生。亜細亜大学教授(社会思想史)。南京大虐殺「なかった」派の最右翼で、代表作は『「南京虐殺」の徹底検証』(展転社・98年)。自説に都合の悪い資料は無視したり歪曲したりと、好き勝手なことをやっているが、肩書きに騙されて信じてしまう人も多いようだ。この人の説がどれほどトンデモないかを知りたい方には、南京事件調査研究会編『南京大虐殺否定論13のウソ』(柏書房・99年)がおすすめ。 (山本弘)
####『と学会年鑑2001』####

 戦争論の内容がトンデモ本であるかどうかは、それぞれが議論すればいいことで、わたしとしては、ここで問題にするつもりはありません。
 しかし、仮に百歩譲って田中氏の評論の内容が小林氏の評論の内容より正しいと仮定したとしても、作品と意見を発表する姿勢として田中氏よりはるかにマシな小林氏がトンデモというのはどういう評価基準なんでしょうね。
 いつからと学会は作品そのものではなく、作品の思想を評価の対象にするように成り下がったのでしょうか。

 ちなみに、私がここで田中芳樹を引き合いに出しているのは、文庫版の創竜伝で会長の山本弘が田中芳樹とニコニコ対談をしているからです。
 よりによって、創竜伝を、しかも評論部分を褒めているんだよなぁ、この男は。

 統一教会の広告塔がオウムの教義の破綻をあげつらっているのと変わらないですよ。この会長は自分がしていることが、と学会を統一教会の広告塔レベルに貶めていることに気が付いていないのでしょうか。

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board3 - No.254

ちなみに私の山本氏評(超個人的)

投稿者:本ページ管理人
2001年01月11日(木) 15時45分

 私も昔はTRPGをやっていた人間なので、山本氏のことはよく知っています。
 山本氏を始めとする、グループSNEは、日本にテーブルトークを広めた事に対しては評価していますが、同時にTRPGのプレイヤー層や方向性を異様に狭めてしまった(率直に言えばオタク専門にしてしまった)張本人だと思っています。同様の理由で、ソードワールドなんかも評価していません(ゲームシステムはともかく、世界観を含めた総体が激甘。ドラクエを揶揄しているクセにねぇ)。
 これは小説も同様で、サーラの冒険シリーズだったか、伝説の盗賊が幼い娘を人質にとられ、目の前で娘を犯されながらなぶり殺しにされるシーンなんかがあり、この作者はアホかと思いました(本人はとっても酷いダークサイドを書いて世界観の幅を広げたつもりでしょうが、「伝説の盗賊」なんて職業をしているヤクザモンのはずなのに、歓楽街のボッタクリに会う田舎にーちゃんレベルの意識しか持っていなかったので、当然の結果になったというバカげた話なだけじゃないですか)。

 まあ、こんな個人的感想はともかく、ある日読んだと学会のコラムが面白かったので、「トンデモ本の世界」を買ってみたら、これが面白い。全然作家として評価していなかった山本弘が突然面白くて驚いたものでした。

 …でも、どんどんつまらなくなっていますね、トンデモ本…
 トンデモ本の逆襲で、山本会長がツッコミを忘れてやくたいもない説教を入れていたのを見て、この本は傑作であるにも関わらず、不安を感じたものでしたが、どんどん悪化しているようです

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board3 - No.255

誤解されそうなので蛇足

投稿者:本ページ管理人
2001年01月11日(木) 16時21分

>  統一教会の広告塔がオウムの教義の破綻をあげつらっているのと変わらないですよ。この会長は自分がしていることが、と学会を統一教会の広告塔レベルに貶めていることに気が付いていないのでしょうか。

あくまで、「田中芳樹が小林よしのりより正しいという仮定」を前提にした上での比喩です。

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board3 - No.256

今ごろ直接攻撃に出ましたか

投稿者:モトラ
2001年01月11日(木) 16時26分

2~3年前に出版された「トンデモ本1999」でしたか、トンデモ本紹介文の端々に「日本の歴史は歪曲されている! ん? どこかで聞いたような…」などと、いつもズバリと切って捨てるのがウリのと学会らしからぬ、奥歯に物の挟まったような調子で「新しい歴史教科書を作る会」や、小林よしのりに対する批判めいたことをちょこちょこと書いていたのですが、やはりそうだったのか。「戦争論」大ブーム期に真っ向勝負を挑んでいれば、タイムリーな論争が期待できたのになあ。なんか、やり方がと学会らしくない。

ここはひとつ「トンデモ戦争論の世界」でもブチ上げて、小林よしのりや東中野修道に新しい歴史教科書を作る会の面々まで完膚なきまでに叩きのめし、私のような「自分で考えるのが嫌で、右か左か断定してくれる方について行くだけの、頭の悪い人間」の目を覚まさせて欲しいものです(笑)

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board3 - No.259

ちょいっと一言

投稿者:不沈戦艦
2001年01月11日(木) 16時43分

>
>  さて、誰しもミスに責任を採らされるのは当然で、それがない社会はありません。恵さんのような社会人から、私のような学生まで。
>  では、常に責任を追及されるのでしょうか。それはミスの大小によるのではないでしょうか。
>  私は、創竜伝を良い小説とは思いません。田中氏の作品の中でも駄作に属する方だと思います。作品全体の接合性より、彼の思いつきの方が優先されている。でも、私が、今回問題にしているのは、ロシア変化だけです。他の欠点に付いては、全く申しておりません。ロシアに変えたことは、確かにミスです。
> しかし、状況を勘案しても、それが、作品構成をなんだと言われねばならないほどの、彼の責任やぺナルティとやらを追及せねばならないほどの問題かということです。
>  そうではないともいます。なんでもかんでも欠点を見つけて批判することは建設的でない。せっかく田中芳樹批判するなら枝葉末節なところをつつくのはやめようというのが私の一貫して主張したいところでした。そういわず、いかにも情緒的な表現に終始した私にも責任はありますが。それは、同情心とかそういう意味でないと思いますし、傷のなめ合いとかいうのも変です。
>  「甘えるな」という評価を下されるのは、今ひとつどころでなく腑に落ちないのですが。どうも甘ったれな学生の言い様、社会の辛さを知らんガキが好き勝手行ってるはといわれるとそうかもしれないのですが。


 冒険風ライダーさんが検証してくれてますけど、どう見たって「ソ連が落ちぶれてロシアになった」ことなんぞ、創竜伝で出さなきゃならない必然性がないですわな。本筋に全く関係ありませんから。「竜王がミグ戦闘機を簡単に叩き潰した」、くらいでやめときゃいい話なのに。その後のソ連大使の話など、本当に作品中で取り上げる必要もない、どうでもいいことだとしか思えませんよ。そんなに「枝葉末節」の話とは思えませんけど。本筋には要らない「社会評論」の部分の話なんですから。

 それにそもそも、ここの管理人さんが田中芳樹批判を始めた理由って、「Web上では田中芳樹の賛美ばかりで、批判を全く目にしない。あまりに気味が悪い状況だ」って動機もある(確か)んですよね。

 結局、ここの趣旨に賛同している人は、「あの銀英伝を書いた田中芳樹が、何でここまで堕落したのだ」と悲しんでいるんですよ。そりゃかなり辛辣にはなろうというものです。「正道に立ち戻って、面白い架空歴史小説を書いてくれ!」ってみんな思っているんですから。


「沈黙の艦隊」を引き合いに出して創竜伝の弁護をやってみよう(ジャコーさんの創竜伝に対する評価は別にして)ってのは、ちょいっと無理でしょう。あっちはα級と「やまと」の対決は本筋もいいところですし、その後にロシア大統領を政治劇に引っぱり出してくるのも、無理矢理じゃないですし。ま、説明無しに「ソ連がロシアに変わった」こと自体は、「沈黙の艦隊」でも矛盾しているのは間違いないんですが。そこは私も肯定はしません。あれもソ連の崩壊など知らん顔で「ソビエト共産党書記長」を出す方がマトモなんでしょうから。それでも、「必要もなさそうなソ連を政治評論を入れたいが為に無理矢理出している」のとはあまりに違いますし、個人の問題でしかない受験如きと一緒くたにもしないで下さい。



>甘ったれな学生の言い様、社会の辛さを知らんガキが好き勝手行ってるはといわれるとそうかもしれないのですが

「そうかもしれない」じゃなくて、「その通り」ですね。恵さんが言っている通り、大甘です。

親記事No.253スレッドの返信投稿
board3 - No.262

と学会について

投稿者:日傘
2001年01月11日(木) 17時06分

>  …でも、どんどんつまらなくなっていますね、トンデモ本…
>  トンデモ本の逆襲で、山本会長がツッコミを忘れてやくたいもない説教を入れていたのを見て、この本は傑作であるにも関わらず、不安を感じたものでしたが、どんどん悪化しているようです。
>
 この部分は、巻末の「長いあとがき」で宜しいのでしょうか? あれ、山本会長マジで怒ってら、ていうのは行間からひしひしと滲んでましたが。

 個人的には「トンデモ本の世界」での、イルカの話などは鯨類を中国に置き換えれば、田中氏の思想とは全く相容れないものだと思うんですが、他のと学会会員はどう思ってるんでしょう?

 最近のトンデモ本シリーズは、ゲームサイトのクソゲーレビューみたいで、どうも初期のパワーというか、ロジカルな迫力が失われつつあることは否めません。それに加え、執筆者の個性がまるで感じられず、どの評も山本氏か藤倉氏のモノに見えて仕方ありません。と学会全体が会長の考えに染まってしまったのでしょうかね。

 「トンデモ本の世界」のあとがきで『笑いと狂気は紙一重』という言葉に深く感銘を受けた私としては、やはり一抹の寂寥を感じずに入られません。

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