4代目掲示板過去ログ

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投稿ログ330 (No.5606 - No.5614)

親記事No.5585スレッドの返信投稿
board4 - No.5606

本論

投稿者:冬至楼均
2004年05月05日(水) 00時38分

まず前回の続きから。

「ヤンとジェシカが連携をとってクーデターに対処するのは不可能だったのか?」

これはまず不可能でしょう。
軍主導のクーデターで有れば、ジェシカが阻止に一役買えるなどはヤンも期待しないでしょう。
ジェシカが絡めるとしたら、野党がクーデターに一枚噛んでいる場合にですが、こちらのラインハルトの計画に関しては変更しないと言う話でしたので。

「もしジェシカが、ヤンからクーデターのことを事前に聞かされて知っていたなら、どのように行動していたんだろう? もしかしたら“スタジアムの虐殺”も起きなかったのでは?」

クーデターが“スタジアムの虐殺”におけるジェシカの死に繋がるとは、如何にヤンでも想像は出来ないでしょう。
結果を聞いて「如何にも彼女らしい」と考えたかも知れませんが。
それがヤンの”沈黙”だったのかも知れません。

さて本論に入ります。
よりこさんが提示したデータを読んで考えたのは、
「ジェシカはヤンを呼び出して何を話したか」
と言うことでした。
私の想像ですが、ジェシカの口から出たのは人質交換から始まった一連の流れについての愚痴ではないでしょうか。
帰還兵とその家族の票がトリューニヒト政権の基盤強化をもたらすであろうと言う記述がありましたから、野党に属するジェシカとしてはこれに関与したヤンに一言言いたくなったのでしょう。
これに対してヤンが以下の様な釈明を試みたらどうなるか。
「今回の人質交換には裏があって、これを機に帝国の工作員が入り込んでいる可能性がある」
この場合、クーデターと明言する必要はない。
「破壊工作によって首都との連絡が絶たれた場合に備えて打ち合わせをしてきた」
具体的な内容については機密漏洩になると思われるのでこの辺りが限界でしょう。

ヤンがクーデターを読んで善後策を立てていた事が伝わっていれば、ジェシカの行動も多少は穏やかになったでしょう。
ただ、何もしないで只待っていると言うのは彼女の性格に合わないのではないかとも思います。
よって反クーデターのための地下活動ぐらいはするでしょう。
無事に生き延びてトリューニヒト氏の無策に対する批判を展開して欲しいですね。

親記事No.5585スレッドの返信投稿
board4 - No.5607

ANOTHER ONE BITES THE DUST

投稿者:よりこ
2004年05月05日(水) 07時01分

 こんにちわ、SAIさん

 5600のご意見を拝読して「今回の if の話題と話が全然違っているし、論旨・論点をすり替えてる」と思ったのは、私の気のせいなのでしょうか?
 私の立てたこのスレッドの論題は5585でも書きましたように

< 『もしジェシカがヤンからクーデターのことを事前に聞かされて知っていたなら』
という前提で、『同盟クーデターはどのように作中と変わったか』というのは、思考実験のネタにはならないでしょうか?
 (※大前提)原作と違うのは、「ジェシカがヤンからクーデターのことを事前に聞かされて知っていること」だけで、他の事柄(黒幕がラインハルトであること、救国軍事会議の議長がグリーンヒル大将であることetc...)は一切変化なし、です。 >


で、あって、その詳細については5592で

<『もしジェシカがヤンからクーデターのことを事前に聞かされて知っていたなら』という前提で、『同盟クーデターはどのように作中と変わったか』という if、
 つまり…
 「ヤンからクーデターについて事前に知らされていることによって、ジェシカの思考や言動が変わる(例えばもっと慎重になるとか) or 変わらない」
 「ジェシカの思考や言動が変わるのなら、それによってどのように変化するか」
 「変化してもやはりスタジアムで集会を開く or 開かない」
 「スタジアムで集会を開いたとしたらその結果、原作と同じく虐殺事件が起きる or 起きない」
 「スタジアムの虐殺事件が起きない場合、その後の情勢はどうなるか」
 「クーデターについて事前に知らされていても、ジェシカの思考や言動が変わらないとしたらなぜか」
  etc etc...
  と、『人物・出来事について後世の歴史家のように考えてみる』といった話──ジェシカ・エドワーズも歴史に名を残したと思いますから──なので >


と、私は書きました。

 そして、SAIさんは5587で、こうおっしゃってましたよね?

< 展開そのものはなにも変わらないと思います。
  ジェシカがそう主張しても誰も信じてはくれないでしょう。
  それどころか、ジェシカ自身がラインハルトの回し者扱いされる可能性があります。
  国家存亡の危機に際し反戦平和運動をやり、さらに軍の中枢を名指しで糾弾する、婚約者が戦死した女闘士。
  国民の目にはどう映るでしょうか?しかも確たる証拠もなしに。
  名目上と、そしてヤンの理想はともかく、この時点で実質的に権力をにぎってるのは軍です。
  激しいネガティブキャンペーンとでっち上げによって動きが封じられてる間にクーデターの日が来るでしょうね。
  ひょっとしたらスパイ罪あたりでジェシカが投獄され、スタジアムの虐殺には加われず、生き残るという、まさに人の運命は皮肉なものだという結末にはなるかもしれませんが、後の展開は変わらないでしょうね。 >


と、私の論題・本筋にそったレスをしてくださり、それに対して私は5592で

< データCに記述されているように、「ハイネセン記念スタジアム」という国家的式典が行われる際に使用されるような三〇万人も収容できるような超ド級のスタジアムに、二〇万人も動員することを、六月二二日の集会当日まで救国軍事会議の面々に全然知られることもなく、秘密裏に実行できる──正直言って、この辺りジェシカが、これまでどのように行動して秘密裏に進めていたかの記述もなく「スタジアムの集会」が突然に降って涌いて起きたみたいだなぁ、と私は思ってるんですけど(^-^;)──ジェシカと彼女の支持者・協力者なら「息を殺してXdayに一斉蜂起」ということも可能だと私は考えるのです。
(< ジェシカがクーデターの可能性を説いたところで、政府や議会の人間に一笑にふされて終わりだと思います。 >
とのことですが、「(ヤンにきつく口止めされていることもあって)他の人間に言わないでおく」という選択肢はあり得ないものでしょうか?
 ジェシカはヤンから「これは口外しないでくれ」と言われても話してしまうような人物だとイッチーさんはお考えなのでしょうか?)
 (※上記の)イッチーさんへのレスと少し重複しますけど、「ヤンから口止めされたジェシカが何も表立って主張せず、地道に息を殺してXdayに備える」という選択肢はあり得ない、とSAIさんはお考えなのでしょうか? >

という、違う視点を提示してみて、5587のSAIさんの説についてより詳細な話を伺いたくて──特に「ジェシカがクーデターはラインハルトの策謀だと、ヤンから口止めされても話すことはあり得るか」についてのSAIさんの説明を希望──質問をしたんです。
 (5592で< イッチーさん、SAIさん、冬至楼均さんのそれぞれのご意見に対してあえて質問をしたのは、それぞれの方のお考えを更に深く知りたいからなんです。回答していただけましたら嬉しく思います。 >と、すでに私は申し上げてます)

 その回答が「これ」なのですか?

< 6月22日はおそらくは降って沸いたのでしょう。
  20万人を秘匿するなど何をどうやろうが物理的に不可能です。
  しかし、ジェシカたちの計画ではもっと少人数でやる予定であったのが、よくわからないけど何かやってる、いかないとまずいんじゃないかと思った人間が勝手に集まってきたのでしょう。
  不安にかられた人間が、ある程度の数の人間がいる、誰かが行く、それをみた誰かがさらにゆく、この連鎖反応で大集団になることは群集心理の基本です。
  そしてそういう群集は非常に扇動されやすい。
  ジェシカの扇動に乗って反応しただけで、蜂起しようとかそういうことは考えてなかったと思います。
  X-DAYにそなえたとしても所詮なにも変わらない、大体ハイネセン10億の市民のうち来たのはたった20万人、残りの連中は無関心でした。
  テレビジャックしたところで蜂起なんかしない。
  人間もうどうしようもなくなるまで追い詰められなければそんなことやらない生き物です。
  立ち上がればほかの民衆も立ち上がるだろうというのは自称革命家達の多くが陥った妄想であり、現実は無視されました。
  10億人の中のたった数万人、お前らは暴徒だ。の論理で殲滅されて終わりです。
  ヤンにより衛星軌道の首飾りが破壊されるシーンの後ならば蜂起しても鎮圧できないでしょうが、それでも大部分の市民は静観、ヤンがやってきて終わりです。 >


 上記のログはスレッドの「論題・本筋から完全に外れている」し「論旨・論点のすり替え」もはなはだしい、すなわちSAIさんの5600のログは明らかな『詭弁』だと私は申し上げます。
(ちなみに私、IKさんの5208のログ以降、ななえさんに教えてもらったり、中公新書の「詭弁論理学」etc...の本を読んだりして『詭弁』については、そこそこ勉強しました)

1.これまでに再三書き込みましたように、このスレッドの論題・本筋は『もしジェシカがヤンからクーデターのことを事前に聞かされて知っていたなら、という前提で、同盟クーデターはどのように作中と変わったかという if』であって、一体いつから「どのようにして、スタジアムの集会に二〇万人のハイネセン市民が集まったか」とか「スタジアムの集会に集まらなかった大多数のハイネセン市民はどうだっか」etc という話になったのですか?
  まさか、この期におよんで「このスレッドの論題・本筋を把握していなかった」なんておっしゃいませんでしょうね?

2.5592の私の質問は「ヤンから口止めされたジェシカが何も表立って主張せず、地道に息を殺してXdayに備える」という選択肢はあり得ない、とSAIさんはお考えなのでしょうか? >と私の「ジェシカと彼女の支持者・協力者の行動はあり得るか・あり得ないか」という質問に対して、< X-DAYにそなえたとしても所詮なにも変わらない、大体ハイネセン10億の市民のうち来たのはたった20万人、残りの連中は無関心でした。 >という「ジェシカと彼女の支持者・協力者の行動に対して、ハイネセン市民がどう思考・行動して、その結果どうなるか」といった返答を、SAIさんがされる理由とはどのようなものでしょうか?

3.私が5592で申し上げた質問は<「(ヤンにきつく口止めされていることもあって)他の人間に言わないでおく」や「ヤンから口止めされたジェシカが何も表立って主張せず、地道に息を殺してXdayに備える」という選択肢はあり得ない、とSAIさんはお考えなのでしょうか? >であるにも関わらず、SAIさんの5600のログでは「ヤンから口止めされたジェシカが何も表立って主張せず」という部分に一切触れていないのは、どのような理由ですか?

4.< テレビジャックしたところで蜂起なんかしない。人間もうどうしようもなくなるまで追い詰められなければそんなことやらない生き物です。 >については、「テレビジャック」はイッチーさんの説ですので、ご反論はイッチーさんに対してお願いします。

5.SAIさんの5600のログは『もしジェシカがヤンからクーデターのことを事前に聞かされて知っていたなら、同盟クーデターはどのように作中と変わったかという if』についての議論なぞバカバカしくてやってられん、私の提示した論題・本筋にそって議論を建設する気などさらさらない、というSAIさんの意思表示という解釈で合っていますでしょうか?

 私からSAIさんに申し上げることは以上です。

親記事No.5539スレッドの返信投稿
board4 - No.5608

梵天丸さんへ。

投稿者:ポルトエシュタード
2004年05月05日(水) 09時14分

 初めまして、ポルトエシュタードと申します。横レスですが、失礼させて頂きます。

 さて、貴方の投稿を読んで疑問に思ったのですが、『反銀英伝・思考実験編1-A同盟軍、フェザーン侵攻作戦(1)』の中にある『不沈戦艦さんの投稿文:反銀英伝構想(No.362)』について検討されましたか?貴方が引用しているのは、最初の投稿文『田中芳樹は軍事は暗いのではないか?(No.216)』でしょう。その後、不沈戦艦さんは、あの状況における選択肢の一つとしてNo.362を投稿されています。であるならば、No.362に対して意見を述べられた方が対比しやすいと思うのです。

 私はあの不沈戦艦さんの投稿No.362を読んで感銘を受けましたが、反対の意見も見てみたいと思います。是非、No.362に対する貴方の見解をお願いします。

親記事No.5539スレッドの返信投稿
board4 - No.5609

Re:梵天丸さんへ。

投稿者:梵天丸
2004年05月05日(水) 10時54分

はい、読みました。私の友人達も大笑いしながら読みました。

「帝国暦488年8月2日、銀河帝国軍務省発表。銀河帝国軍最高司令官エーリッヒ・フォン・タンネンベルク元帥指揮下の銀河帝国軍部隊は、ヴァルハラ星系外縁部宙域で行われた戦闘にて、キルヒアイス上級大将及びミッターマイヤー大将指揮下の賊軍部隊三万八千隻のうち、二万隻余りを撃滅した。タンネンベルク元帥直率の艦隊戦力の被害は一千隻程度と極めて軽微、交換比で二十倍以上の敵を撃滅し、銀河帝国軍部隊の圧勝に終わっている。この戦闘を『ヴァルハラ星系外縁部会戦』と命名する」

こういう戦いはあんまり例がないんですよねぇ。
正面からがっぷりと組み合った戦闘で交換比率20対1と言う想定事態が空想と言うか妄想と言うか。
そういう稀な例が名将キルヒアイス相手に出現すると言うのはありえないと思われます。意図的に作者がキルヒアイスに知的な障害を与えない限りは。
全軍の半数を失うまで座視している事もありえないと思われます。
ウランフ提督も全艦隊の2割が失われた時点で強行突破、退却を試みていますし。

戦史における一方的な虐殺的勝利では、ハンニバルのカンナエにおける包囲殲滅が有名です。
凡そ5万弱のカルタゴ軍が共和制ローマの軍8万のうち7万弱(うち1万は遊軍であり、有効活用されなかった)を階段状の包囲陣形で囲んで6万以上を半日がかりで死傷、あるいは降伏させた戦いがありますが、それとても、カルタゴ軍のうちで8千強が戦死したと言われています。
包囲殲滅でりんごの皮をゴリゴリと剥いて行くような戦い方でさえそれほどの被害を被る訳です。

近代戦と言わず、準備できている敵に向かう時にはある程度以上の損害を覚悟しなければなりません。
準備できている敵を叩くのは強襲です、準備できていない敵を叩くのが奇襲です。
20対1と言うスコアは奇襲の最善の場合にのみ想定できるスコアであり、その交換比率は近代以降では出現していません。
20対1などと言う奇襲でさえもありえない交換比率を提示する時点で思考停止とそしられても仕方ありませんね。
ヤンが帝国軍と回廊の戦いの前哨戦でラインハルトを撃退するまでにヤン艦隊は2万隻余から1万5千隻を少し上回るところまで磨り減っています。
圧倒的に有利な地形でカンナエ同様にビッテンフェルトとファーレンハイトをゴリゴリとすり潰し、退却の退路に罠を張っておいてそのスコアです。

それから、タンネンバウムなどと言う帝政ドイツ陸軍最大の戦闘での勝利を名前に使っているくらいなのですから、不沈戦艦氏は当然、ロシア軍と帝政ドイツ軍の戦いの推移もご存知でしょう。
泥濘地に誘引し、有利な地形からやはり包囲殲滅を行ったドイツ陸軍はサムソノフの軍団を打ち破り捕虜九万二千、死傷二万の戦果を得ました。しかし、自軍の死傷者も一万五千以上負っています。
捕虜の大部分は脱出先がわからない内にドイツ軍の包囲部隊と出会い武装解除された、泥濘地の中でさまよっている間に体力を使い果たした。脱出に際して武装をほとんど失い抵抗の気力を失った。それらが原因のようです。

彼の作文については、経過を無視して無理やりにキルヒアイス軍に勝った後でタンネンベルグ氏がいかに優秀であったかを読者に対して印象つける、これ以外の意図が見当たらないために論外との判定を下しております。

まあ、人質と自分を頼りにしてくれる将兵とのどっちをキルヒアイスが取るかと言えば、私には後者だろうなと思える訳ですし。
普通は優秀な将が卑劣な脅迫に弱いとはとても思えないので。
キルヒアイスが戦端を開いた途端にアンネローゼを殺害する訳にもいかないでしょうし。
人質は生きていないと価値がないのでねぇ。(ここらもみんなで爆笑してたとこでした。惰弱な名将など存在するのかとね。)
よって、普通に考えたらキルヒアイスは反撃を手控えたりはしなかった筈です。

何と言うか、その前のそもそも論からですが、キルヒアイスの艦隊は確かにオーディンの近くにいたんでしょうね。
アルテナでレンテンベルグ要塞を落としたのが5月くらいで、キフォイザーでリッテンハイムが死んだのが7月だった筈ですから。

そこで疑問です。
オーディンに至るまでにキルヒアイスの哨戒線に何故触れなかったのか?
ヴァルハラ星系は言って見たら帝国の要でしょう?その周囲にキチンとした哨戒線がなかったのは何故かなのか。
ヴァルハラ星系にキルヒアイスの軍団を迂回して到達できたのがそもそも不思議。
後方の兵站線の中枢であり、様々な物資の蓄積や集積の運営全てを行っている筈の首都に、何の警戒線にも民間の宇宙船、フェザーンの交易船、地方星系の警備隊にも全く見つからずに来れると言うのは不思議です。
幾ら大兵力が駐屯していないとは言え、確保した星系に監視部隊と通報部隊を行いほどラインハルト陣営が楽天的だとは到底信じられないですし。
むしろ、要塞を後ろに控えた大貴族連合よりも補給線が長い分だけシーレーン(この言葉良くないか?)の護送などの必要性から、各星系の連絡と哨戒は密だったのではないかと思えるので尚更ですね。

加えて、あの猜疑心の強いリッテンハイム卿が全軍の何割もの艦隊をほいほいと貸し出して、しかも、その艦隊(編成と言うものがそもそも存在しない寄せ集め)を短期間に掌握できたのか。
人物的に更に妄想すれば、リッテンハイム卿ならば、どう考えてもタンネンベルグの案件を聞けば「自分でやろうとした筈」だと私は思うのです。
ぽっと出てきた頭の良い、軍事に優れた誰かさんにいいところをさらわれてしまうのには、某金髪の小僧以来懲りていると思われますのでぇぇ。

何と言うか、論評に値しない作文なんですが、ちょっと叩けばすがすがしい程に埃が出るのが良い感じです。

無関係かも知れないけど、昔々、小学低学年だった時に「俺のウルトラマンはこんなに強いぞ!」「俺のはその倍だ!」って叫んでた自分の姿が何故か脳裏を過ぎりました。
何故だかは知らないのですが、そういう連想が浮かんでしまいました。

反対意見と言うよりもこれも粗探しなんですがね。
何と言うか、粗を探そうと思えば何に対してでも粗くらい探せるのですよ。
あんまり建設的でないですが、たまには面白いですね。

>  私はあの不沈戦艦さんの投稿No.362を読んで感銘を受けましたが、反対の意見も見てみたいと思います。是非、No.362に対する貴方の見解をお願いします。
>

親記事No.5539スレッドの返信投稿
board4 - No.5610

Re:梵天丸さんへ,

投稿者:ポルトエシュタード
2004年05月05日(水) 12時09分

梵天丸さん、それは不沈戦艦さん作・銀英伝題材の2次小説「反銀英伝 大逆転!リップシュタット戦役」に対する見解でしょう。私が聞いているのは、それではなくて、ザ・ベストの『反銀英伝・思考実験編1-A同盟軍、フェザーン侵攻作戦(1)』の中にある『不沈戦艦さんの投稿文:反銀英伝構想(No.362)』にある①~⑧について、どう思いますか?ということです。

一瞬、貴方のレスは私宛ではないのかと思うくらい混乱してしまいました。あと、最初から聞いていないことをレスされても答えようがありません。小説についての感想は、それぞれの思いによって色々解釈はされると思いますので、ここでどうこう言う気はありません。それでは、改めてレスをお待ちします。

それと、もう一点。貴方は不沈戦艦さんに個人的な恨みでもあるのですか?無意味に嫌みな表現を使用していますが、本人だけでなくROMされている人も不快に感じるでしょう。少し考えて頂けませんか?

親記事No.5539スレッドの返信投稿
board4 - No.5611

Re:梵天丸さんへ,

投稿者:梵天丸
2004年05月05日(水) 13時39分

ああ、その掲示板のレス番号は他のものだったので。
索引の仕方が間違ってたのかと思ったのですよ、申し訳ない。

ちなみにですが、悪意についてはわざとやってるのですよ。

最初から最後まで友人達と一晩中ここの掲示板を見てみたのです。
そして思ったんですよね。
このサイトの論評は悪意に満ちているとね。
僕の話し方は普通はそこまで悪意に満ちてはいないのですよ。

評論に関する論議にはルールが幾つかあります。
例えば、他人の言葉のオウム返しはしない、揚げ足を取らない。
そう言う人品にかかるルールですね。
このサイトのログにはえげつないとしか言えない揚げ足取りが多かったので、それらに対する意味で敢えてえげつないやり方をしてみました。

あなた宛の悪意と取るのはそうなってしまっても仕方ないかも知れないです。
悪意と言うのは他人を不安にしますからね。
確かに私は多少の悪意を込めて文章を綴りました。それは間違いないです。
見る人全てを不安にする文面であったかも知れないですね。

私自身は不沈戦艦さんに恨みなどありませんよ。
ですが、どうもこのサイトには田中芳樹氏に私怨に近いものを持った人が居るかな、もしかすると集まっているかなとは思います。
よって、戦理に明るいと言いながら、むちゃくちゃに穴だらけの不沈戦艦さん宛に反論をしただけです。
(なにげに私はリアルで傲慢なタイプは拳固で態度を仕込んでしまう方なので。)

フェザーンについての考察には今後はもう少し普通にお返事を致しましょう。
お話がかみ合わなかった事、そして、ちと薬程度にと思った悪意にあなたが当てられてしまった事にはお詫びを致します。

親記事No.5539スレッドの返信投稿
board4 - No.5612

Re:梵天丸さんへ,

投稿者:梵天丸
2004年05月05日(水) 14時32分

①実施時期はヤンのイゼルローン奪取直後
 この時期しかありません。アムリッツア後では同盟の国力、軍事力ともに衰えすぎで、何かを出来る能力を有していませんから。同盟市民も「帝国を倒せ!」と戦争熱に浮かれていましたから、世論の支持も大きいものです。反戦派にひっくり返されることもありますまい。

ありえないですね。
帝国に攻め込む時にまがりなりにも退路にイゼルローンがあるからこそ、帝国領侵攻作戦はイゼルローンからになったはずです。

②侵攻目標の完全な秘匿
 「同盟軍、フェザーン奇襲」でなければなりません。実際の方法はラインハルトのラグナロック作戦の真似です。つまりイゼルローン回廊を通って帝国討伐の軍を起こす、と大々的に触れ回って、フェザーン回廊に関しては無関心、無防備にさせるのです。電撃的な奇襲がいかに効果を発揮するかは、通過不能な筈のアルデンヌの森を抜けてダンケルクにまで至ったドイツ国防軍。真珠湾を奇襲した帝国海軍。いや、銀英伝自体の作中にも前述のラグナロック作戦で示されています。ほとんど無防備なフェザーンを電撃占領できれば、帝国に与える衝撃は小さなものではありませんし、同盟内の戦争熱に浮かれた連中も、巨大な軍事的成果に満足するでしょう。形ばかりとはいえ、フェザーンは「帝国領」ですから。オーバーロード作戦(ノルマンディー上陸作戦)を徹底的に秘匿した連合軍を見習わなければなりません。謀略も駆使して。この時、英国首相チャーチルは、偽の作戦計画書を持たせた海軍将校の死体を、フランスの海岸に漂着させる、という事まで行っています。これにすっかりドイツは騙されました。

問題は意図を最初に隠すと言うよりも、帝国領侵攻と言うものがヴァルハラ恒星系を陥落せしめるところまで持って行けるのか、どうかと言う事でしょうね。
何と言うか多分に戦術的な移動を可能にせしめるための謀略と、発動によって二正面作戦を余儀なくされるフェザーン侵攻は要件が全く相違していると言う事です。
初手でイゼルローン経由の侵攻は大成功でした。問題はいずれにしても維持が困難であった。その点に尽きます。
一作戦のギミックでしかない様々な行動を例にあげるのは間違いかなと思うのです。

③フェザーン占領後の兵力配置
 イゼルローンに一個艦隊、フェザーンに残りの全艦隊を配備します。どちらも任務は防衛だけ。なぜなら、フェザーンを占領した直後ではまだ同盟の国力は回復していません。経済力の半分は帝国側との通商ですから、その余剰人員を同盟のマンパワーとして取り込む作業を優先させます。無理に強制連行しなくても、余った人材を高給で釣れば、同盟の仕事の希望者は殺到することでしょう。例えば余った商船をフェザーン駐留の同盟軍に対する補給任務に駆り出したりする訳です。そして、両回廊ともに防戦に徹し、決して回廊から出戦しません。フェザーン奪取という大戦果を挙げた訳ですから、同盟の市民も満足するでしょうし、「政治業者」たちも、フェザーンの富の収奪に血道を上げるばかりで、他の事に目が行かなくなること請け合いです。大量の餌を与えられた獣、ってとこですから、当分喰うことだけで手一杯でしょう。

笛吹けど踊らずだと思います。<フェザーンの商人
多分同盟の市民も納得しないかと。
外伝の螺旋回廊ではフェザーンの婚約者を頼って行く同盟の女性が描かれています。
投資先のフェザーンは多分凄く重要な存在だったと思います。
金の卵を産む鶏をひねって食べた同盟を同盟市民も許さないかなと思います。
アメリカが日本に対する国債償還の問題で日本を占領したら世界中がパニックになるのと同じ理屈ですね。

④帝国軍、ラインハルトの反撃はフェザーンに行わざるを得ない。しかも失敗する。
 形の上とはいえ帝国領、しかもかなりの人口を抱えている経済的先進地域を奪取されたのですから、皇帝から「フェザーン奪還」の厳命が下ることでしょう。いくらラインハルトが戦争の天才でも、かなりきつい任務です。この条件では、同盟軍はフェザーン回廊から出てこないんですから。まだ「防御攻勢」の段階ですからね。「攻勢防御」に移るのは、時間が経って、同盟の国力がある程度回復してからです。穴ぐらに籠もった穴熊相手の戦いでは、アムリッツアの圧勝はありません。消耗戦に引きずり込まれ、そのうち撤退するのが関の山でしょう。

問題は全艦隊を動員して防衛だけを行うと言う事ができたかと言う事ですね。
どの国の軍隊も防衛だけでは市民を納得させられない事を知っています。だからこそ、フォークも帝国領侵攻をでっちあげた訳ですし。
最悪の場合では、フェザーン市民の内通とかで防御側の配置が丸見えになってしまったりすると、効果的に防衛などできないかなと。

⑤皇帝死去
 当然ラインハルトは何の成果も上げられないまま、フェザーン回廊から退却です。

これについては想定外の出来事であり、天佑を頼む神がかりな軍隊以外では想定しないでしょう。

⑥帝国内に内戦勃発。しかし、同盟には何も起こらない。
 ラインハルトがリンチ元少将を使う謀略を仕掛けても、誰も乗ってきません。救国軍事会議のクーデターは、アムリッツアの敗戦後に同盟の先行きに深刻な危機感を持った軍人たちが起こしたものです。仮にリンチがグリーンヒル大将に会いに行っても、相手にもされないでしょう。しかし、皇帝の死によるリップシュタット戦役は確実に発生します。リヒテンラーデ公がラインハルトを取り込んでブラウンシュバイク公に対抗する、という構図はそのままですから。

多分、不満分子の多いフェザーンに何かの謀略が起こったかなと。
利に聡いフェザーンの市民は多分同盟の全軍ですら帝国に効果的に防衛はできないと踏んでいる筈です。
よって帝国からの扇動に何等かの形で乗ったでしょう。

最後にですが、経済力と言うのは平和の配当と言う無形の代物(経済的に平和であれば士気が高まります)が大きなウェイトを占めています。
同盟軍がフェザーンを戦場に設定するなら、平和のためにフェザーンの市民は戦うようにも思えます。
少なくとも、コーネフ船長を見ていると、大人しく屈服するたまはフェザーンでは少数派に思えます。

⑦リップシュタット戦役に同盟軍介入
 戦っている相手の後ろから撃つんですから、楽なもんです。もちろん主目標はラインハルト軍。先ずは辺境平定に乗り出したキルヒアイス軍を討てばよろしい。同盟軍が使用できる戦力の方が大きいですから、仮にキルヒアイスを戦死させれば(キルヒアイスの性格なら、最後まで戦場に止まりそうだからその可能性は大きい)ラインハルトは大打撃です。友の戦死に我を忘れて攻め掛かってきたらしめたもの。後ろから貴族連合軍がやって来てラインハルト軍は袋の鼠。戦争の天才の一巻の終わり、という訳です。その後は一時フェザーンに撤退ですね。ラインハルトの死で、攻勢防御段階終了。

多分ですが、帝国の非主流派であり、名将であり、民主主義に対して理解も示せるラインハルトの方が同盟軍と結んで利益を得ようとする筈です。
リンチを使って同盟に内戦まで起こしてみせたラインハルトが有効活用できる同盟軍を利用しようと動かない訳はないです。
と言うよりも、この様な状況でラインハルトが内戦を起こそうとするかと言うとはなはだ疑問です。

⑧回復後に全面侵攻
 残るは軍事に無知に近い、内戦でガタガタになった貴族連合軍だけです。同盟軍が回復した後なら楽勝でしょう。艦隊決戦で圧勝した後、あっさりオーディンが陥落。帝国は同盟に降伏せざるを得ません。

まあ、ここまで行けば後は普通に勝てるでしょうね。
問題は、大貴族連合が反乱軍と手を組もうとするかどうかですが。
想定に著しい無理があるような・・・。

 以上、反銀英伝「同盟軍フェザーン侵攻」編でしたが、いかがですかな?これを実行する場合、最大の問題は同盟の意思統一だけですね。まあ、リップシュタット戦役の時のシュターデン提督の「一軍を持って敵を迎え撃ち、別働隊でオーディンを陥とす」に近いものがあるとは思いますが。銀英伝に書かれている同盟政府の能力では無理でしょう。でも、「反銀英伝」としては面白いでしょ?

意思統一についてはフォークが頭越しにやってしまってますので、手順としてはフォークのやり方で行けると仮定はできます。
問題はやはり賭博性が強すぎる事、更に相手の内情を完璧にわかっていないとこの手のアクロバット的な手段に踏み切れない事。
でしょうか?

最後にですが、あれほどの数の軍事要塞(つまり策源地、根拠地)を多く持つ帝国領の占拠にどれ程の出血があるのやら見当もつかない事ですね。
皇帝や、その後継者がヴァルハラ星系にずっと居てくれたら良いですが、もっと防御力の強いガイエスブルグ要塞とかに艦隊と共に篭城されたら大変かなと思えます。

何と言うか、田中氏の好きな中国の歴史では皇帝がまだしも敵の勢力の及びにくい江南とか、酷い時には海の上まで逃げてますし。

ともかく、広大な帝国領の占領維持が不可能な同盟軍なのです。普通にそれらの事態を同盟軍作戦本部は恐れるでしょう。
フェザーン占領案もまた「まともでない作戦案」なのでしょう。

親記事No.5585スレッドの返信投稿
board4 - No.5613

5598,5599,5607へのレス

投稿者:よりこ
2004年05月05日(水) 14時44分

 こんにちわ、イッチーさん、冬至楼均さん。
 レスが大変遅くなってすみませんでした m(_ _)m
[余談]
 (私の場合、元々読解して考えるのに時間がかかりがちな上に、腹が立った時は怒りにまかせて早まった言動をすることはなるべく避けようと冷却期間をおくため、特にレスが遅くなる傾向があります)
 今回もよろしくお願いします。


>イッチーさん

< あ! なるほど!
 「同盟全土に惨劇の模様が放映されて、その結果、全土で民衆蜂起」って、帝国側で起きるヴェスターラント虐殺事件のような推移になるとイッチーさんはお考えになられたのですね。 >


< そのとおりです。ついでに、ジェシカにキルヒアイスの役割も担ってもらいます。 >

 キルヒアイスの場合も「ガイエスブルク要塞での戦勝式典で、キルヒアイスが銃を携帯していたなら、その後の歴史がどれだけ変わったか?」という作中にも記述されている if がありますよね。
 「たった一つ、これが違っていたらどうなる?」っていう話題って興味が尽きないです。


< ジェシカがヤンの約束を守れない理由は、クーデターが発生したら、反戦派の仲間たちがレジスタンスを起こそうと、ジェシカを突き上げるであろうことが予想されるからです。ここでジェシカが動かなければ、ジェシカは仲間たちから裏切り者呼ばわりされるでしょうし、もし、ヤンの話を仲間にも伝えたら、今度は「その事実をみんなに伝えよう!」と仲間たちは騒ぎだすでしょう。ジェシカも同盟軍が相打ちになって、自分と同じ境遇の女性たちをこれ以上作ってはいけないと思いつめて、テレビジャックを企てるではないでしょうか。テレビジャックは、反戦派シンパのマスコミ関係者を通じてテレビ局にもぐりこむか、地下テレビ局を作って電波ジャックを行えば可能です。 >

 これは、ちょっと私、引っかかってるものがあるのですけど、現時点では「何が引っかかてる」のかが分からないんです…(^-^;)
 分かりましたら、改めてコメントさせていただきますので、よろしくお願いします。


<(ちょっと脇道に逸れますけど、その場合、トリュー二ヒトを抹殺するのはシェーンコップが適任でしょうね…シェーンコップならやりかねないとも思いますし、何よりヤンに射撃や白兵戦をやらしたら外した挙げ句、ヘタすると返り討ちにあう危険性が大…(-_-;))>

< ヤンが始末すると言っても、ヤン自ら手を下すという意味ではなくて、「最高評議会議長を死刑にするわけにもいかぬ。自殺をお勧めせよ」とでもシェーンコップに命じて始末するのではないでしょうか。(笑)あとは、バグダッシュに証拠を偽造させて、「最高評議会議長も帝国の策謀に加担していた事実が発覚して自殺した」とでも発表すれば良い。ジェシカ虐殺の場面を自分の目で見てしまったヤンは自分の甘さがジェシカを死に追いやったと痛感し、冷たい戦略家となるのであった・・・。トリュー二ヒトにはリヒテンラーデの役割を担ってもらうわけですね。 >

 あ、私が言ったのも「ヤンが手を下す」という意味じゃなくて、「シェーンコップが引導を渡す」という意味です。
 ただ拝読した時に一瞬、妙ちきりんな妄想はしてしまいました(^-^;)
 「ヤン・ウェンリー vs ヨブ・トリューニヒト夢の(?)対決」…
 でも、ヤンはキャゼルヌに「あいつは首から下は不要な男だ」と酷評される(by 雌伏篇)ほど戦闘員としての腕力と反射神経はどうにか水準で、それ以上に射撃や格闘術の技量に不安があると同時にヤンの人となりにそぐわないので、「夢の(?)対決」はあり得ないとの結論に至り、実際にはシェーンコップが射殺なりトマホークで殺[や]るなりするのかと……

 閑話休題。

 先ほど< ジェシカにキルヒアイスの役割も担ってもらいます。 >とおっしゃっていたのは、オーベルシュタインがキルヒアイスの死をリヒテンラーデを排除の口実に利用したように、「ジェシカの死をトリューニヒト排除の口実にする」という意味で合っていますでしょうか?
 でも、あの保身の天才でしぶといトリューニヒトが大人しく自殺するとも私は思えませんので、結局、シェーンコップが引導を渡すほうに一票投じます。


< レべロ政権成立後のヤンと銀英伝の流れ。(いわば、ヤンを主人公にした銀英伝) >

 申し訳ないんですけど、上記の話は今回の if の話題から外れてしまいますし、議論の拡大は避けたいので、私はノーコメントということで、あしからずご了承ください。



>冬至楼均さん

 5597では大変失礼しました m(_ _)m

< すいません。言葉が足らなかったようです。
  こちらの意図は、
 「ハイネセンに帰還する以前に、ヤンはクーデターの可能性についてユリアン以外には話さなかったのか」
と言うことです。
  データによるとフレデリカは三月三〇日の段階まで、ヤンの危惧について知らなかったと言うことが、もし知っていれば父親の動きに不信感を抱いたのでは無かろうかと考えたのです。
  ハイネセンを離れた後で知っても対処のしようがありませんよね。 >


 そういう意味で冬至楼均さんはおっしゃってたんですね。
 ごめんなさい、早とちりでした m(_ _)m


< 私のスタンスとして歴史的なifを考える場合にはwhyも、つまり何故それが起こらなかったのかも合わせて考えることにしてます。
  そうしないと無意味な仮定を立ててしまうことになりますから。
  私が興味深いと書いたのは、わずかな変更で様々な可能性が生まれると感じたからです。
  と言う訳で、よりこさんの挙げた疑問点の最初の二つについて考えてみました。
 「ヤンはジェシカに、クーデターの話をしなかったのか?」
 「なぜクーデターのことを言わなかったのか?」

  恐らくは話さなかった。
  好意を抱いている相手に呼び出されて政治向きの話をする男はいないでしょう。
  また、既にビュコック提督よりのお墨付きを受けている段階では機密漏洩になる可能性があります。 >


 < 好意を抱いている相手に呼び出されて政治向きの話をする男はいないでしょう。 >のご意見は少し微妙かな、と私は思いました。
 なぜなら、ジェシカ・エドワーズが元々の職である音楽教師なら、冬至楼均さんがおっしゃることもあり得ると思うのですけど、彼女は補欠選挙で選出された新人の「政治家」です。
 たとえヤンが話を振らなくても、彼女が「自分の仕事(政治・反戦運動)関連」の話をしてヤンが受け答えをすることはごく自然だと思いますから。
 < また、既にビュコック提督よりのお墨付きを受けている段階では機密漏洩になる可能性があります。 >のほうは、充分あり得ると思いますから同意します。


<「ヤンとジェシカが連携をとってクーデターに対処するのは不可能だったのか?」

  これはまず不可能でしょう。
  軍主導のクーデターで有れば、ジェシカが阻止に一役買えるなどはヤンも期待しないでしょう。
  ジェシカが絡めるとしたら、野党がクーデターに一枚噛んでいる場合にですが、こちらのラインハルトの計画に関しては変更しないと言う話でしたので。 >


 「連携」といったのは、私の言葉の選択ミスですので、「クーデターが発生した際、ヤン艦隊の軍事行動に、ジェシカが行動をそわせることは不可能だったか?」と訂正します。
 < 軍主導のクーデターで有れば、ジェシカが阻止に一役買えるなどはヤンも期待しないでしょう。 >については、5592でも

< ヤンがジェシカに話した理由は、「彼女にビュコックと同じくクーデターを未然に防ぐように行動してもらいたかったから」ではなく、「ビュコックの力が及ばず未然に防せげなかった場合(原作でもそうですけど)クーデターが発生した際に伴うかもしれない“ハイネセン市民のレジスタンス活動”を彼女か行うことを懸念したから」というのはダメでしょうか? >

と書きましたように、「ヤンが原作通りビュコックにクーデターの可能性を話した理由(データA-2のクーデターの未然阻止依頼と、データGのクーデター発生後に武力鎮圧するための大義名分である「同盟軍宇宙艦隊司令長官の命令書」の獲得)と、ジェシカにクーデターの可能性を話す理由(彼女の積極性と行動力が暴走気味であることに不安を感じ、クーデターが発生した際に「レジスタンス活動」という彼女がいかにもやりそうな行為の自重を望む)が違うことは考えられないか?」と。


<「もしジェシカが、ヤンからクーデターのことを事前に聞かされて知っていたなら、どのように行動していたんだろう? もしかしたら“スタジアムの虐殺”も起きなかったのでは?」

  クーデターが“スタジアムの虐殺”におけるジェシカの死に繋がるとは、如何にヤンでも想像は出来ないでしょう。
  結果を聞いて「如何にも彼女らしい」と考えたかも知れませんが。
  それがヤンの“沈黙”だったのかも知れません。 >


 私も冬至楼均さんと同じく、ヤンに“スタジアムの虐殺”や、それがジェシカの死に繋がると予見するのは、さすがに無理だと思います。
 < もしかしたら“スタジアムの虐殺”も起きなかったのでは? >とは、“スタジアムの虐殺”を積極的に防止しようと働きかける、という意味ではなくて、「あくまで結果として“スタジアムの虐殺”は起きなかったかもしれない」って意味で言ったのです。


< よりこさんが提示したデータを読んで考えたのは、
 「ジェシカはヤンを呼び出して何を話したか」
  と言うことでした。
  私の想像ですが、ジェシカの口から出たのは人質交換から始まった一連の流れについての愚痴ではないでしょうか。
  帰還兵とその家族の票がトリューニヒト政権の基盤強化をもたらすであろうと言う記述がありましたから、野党に属するジェシカとしてはこれに関与したヤンに一言言いたくなったのでしょう。
  これに対してヤンが以下の様な釈明を試みたらどうなるか。
 「今回の人質交換には裏があって、これを機に帝国の工作員が入り込んでいる可能性がある」
  この場合、クーデターと明言する必要はない。
 「破壊工作によって首都との連絡が絶たれた場合に備えて打ち合わせをしてきた」
  具体的な内容については機密漏洩になると思われるのでこの辺りが限界でしょう。 >


 「ヤンはジェシカに、同盟の軍人によるクーデターの可能性を直接話すのではなく、イゼルローンやフェザーン経由で帰還してくる捕虜の中に、ラインハルトが同盟軍の分裂を目論んでクーデターを実行するための帝国の工作員が入り込んでいる可能性があるとほのめかして言う」という解釈で合っていますでしょうか?
 「捕虜交換の時に帝国の工作員が入り込んでいる可能性」についての話は、原作のヤンとユリアンのやり取りにもありますね。

データI
(銀英伝外伝 ユリアンのイゼルローン日記 第六章 捕虜交換式)
<     七九七年二月一五日
  五年ぶりの、規模からいったら五〇年ぶりの捕虜交換式が行われるというので、イゼルローンは全宇宙の注目を集めている。全宇宙というのは大げさだけど、マスコミの報道や政府の対応を見ていると、そう思ってしまう。ヤン提督は、ローエングラム侯の捕虜に対する通達が政治的にも完全だと言ったけど、それは今回の交換式そのものについても言えることらしい。
 「イゼルローン方面で注目を集めておいて、フェザーン方面で何やらやらかすかもしれないなあ。あの金髪の美形は曲者だから」
  アッテンボロー提督が言う。ヤン提督はフェザーン方面の情報をほしがっているのだけど、ハイネセン経由で送られてくるそれらは、質も量も提督を満足させない。
  最近、ヤン提督が関心を持ったのは、今回の大きな捕虜交換ショーに先だって、何百人かの捕虜や抑留者がフェザーン経由で帰還してきたことだそうだ。そういった人たちのリストが不完全なので、こちらのリストも一〇〇パーセント信用できないという。
 「リストが合わないというと、死者の名を借りて帝国のスパイが潜りこんできているとか、そういうことですか」
 「ありうることだね。実際、五年前の交換式では、そういうことがあったらしいから。あの時は少人数だから発覚したんだが、今回も何か仕掛けてきたら、ちょっとわからないだろうね」
  ハイネセンの統合作戦本部では、「ヤン・ウェンリーはイゼルローン方面での敵の攻撃にそなえてさえおればいいのだ。フェザーン方面の情勢などに関心をいだくのは、無益かつ不要であるのみならず、越権行為である」という声があるらしい、と、グリーンヒル大尉が教えてくれた。それを聞いた時、ヤン提督は、「わかったよ、勝手にするがいい」とつぶやいたそうで、これは。相当に腹を立てている証拠だ。
  ひとつにはハイネセンへの一時帰還を拒否されては困るので、おとなしくしていなくてはならないらしい。本当にたいへんだと思う。 >


 上記のデータIにある< リストが合わないというと、死者の名を借りて帝国のスパイが潜りこんできているとか >や、< 最近、ヤン提督が関心を持ったのは、今回の大きな捕虜交換ショーに先だって、何百人かの捕虜や抑留者がフェザーン経由で帰還してきたことだそうだ。 >という記述と、イゼルローンからの帰還者にアーサー・リンチはいなかったことから、ラインハルトのクーデター作戦計画ファイルを携えたリンチはフェザーン経由でハイネセンに帰ってきたと推測できることから、冬至楼均さんの<「今回の人質交換には裏があって、これを機に帝国の工作員が入り込んでいる可能性がある」と言う >と、おっしゃる説はとても説得力があると思いますから、私は支持します。


< ヤンがクーデターを読んで善後策を立てていた事が伝わっていれば、ジェシカの行動も多少は穏やかになったでしょう。
  ただ、何もしないで只待っていると言うのは彼女の性格に合わないのではないかとも思います。
  よって反クーデターのための地下活動ぐらいはするでしょう。
  無事に生き延びてトリューニヒト氏の無策に対する批判を展開して欲しいですね。 >


 ただ、ジェシカが「無事に生き延びてトリューニヒト氏の無策に対する批判を展開」した場合には、地球教徒に狙われる可能性がそれまで以上に高くなることが懸念されますけどね…(^-^;)


 それでは今回はこれで失礼します。

親記事No.5539スレッドの返信投稿
board4 - No.5614

Re:梵天丸さんへ。

投稿者:平松重之
2004年05月05日(水) 15時51分

 梵天丸さん、初めまして。少々疑問点を述べさせていただきます。

<1 銀英伝の中でルビンスキーが明言しています。フェザーンと同盟の宇宙戦力を併せれば帝国にほぼ匹敵し、フェザーンと帝国の宇宙戦力を併せれば同盟を圧倒できるとね。
これが銀河英雄伝説の第一巻の状況だった筈です。>


 どの辺りで明言しているのでしょうか?ノベルズ版1巻P74上段(黎明篇第三章Ⅰ)ではフェザーンの軍隊は「少数の警備艦隊のみ」と書かれていますし、

<帝国とフェザーンの勢力を合すれば、同盟より有利な立場となるが、それでも同盟を滅ぼすのは困難である>

 とも書かれております。


<ウランフ提督も全艦隊の2割が失われた時点で強行突破、退却を試みていますし。>

  ノベルズ版1巻P210上段(黎明篇第八章Ⅵ)

<第一〇艦隊の戦力はつきかけていた。艦艇の四割を失い、残った艦の半数も戦闘不能という惨状である。
 艦隊参謀長のチェン少将が蒼白な顔を司令官に向けた。
「閣下、もはや戦闘を続行するのは不可能です。降伏か逃亡かを選ぶしかありません」>


 この文章を見る限り、ウランフ提督が退却を決意したのは四割が失われ、残りの半数も戦闘不能に陥ってからです。


<ヤンが帝国軍と回廊の戦いの前哨戦でラインハルトを撃退するまでにヤン艦隊は2万隻余から1万5千隻を少し上回るところまで磨り減っています。
圧倒的に有利な地形でカンナエ同様にビッテンフェルトとファーレンハイトをゴリゴリとすり潰し、退却の退路に罠を張っておいてそのスコアです。>


 ノベルズ版8巻P82上段(乱離篇第四章Ⅱ)

<宇宙暦八〇〇年、新帝国暦〇〇二年の五月三日、六時三〇分、銀河帝国軍は皇帝ラインハルトの直接指揮のもと、イゼルローン回廊に進入を開始する。(中略)これに対し、ヤン・ウェンリー軍はすでに二万隻を割りこみ、数の上ではもはや比較のしようもない。>

「回廊の戦いの前哨戦」で撃退したのはラインハルトではなく、ビッテンフェルトとファーレンハイトでしょう。それに上記を見た限り二万隻を割り込んだとは書いてはありますが、「2万隻余から1万5千隻を少し上回るところまで磨り減っ」たと言う記述は、自分が読んだ限りでは見当たらないのですが…。


<まあ、人質と自分を頼りにしてくれる将兵とのどっちをキルヒアイスが取るかと言えば、私には後者だろうなと思える訳ですし。
普通は優秀な将が卑劣な脅迫に弱いとはとても思えないので。
キルヒアイスが戦端を開いた途端にアンネローゼを殺害する訳にもいかないでしょうし。
人質は生きていないと価値がないのでねぇ。(ここらもみんなで爆笑してたとこでした。惰弱な名将など存在するのかとね。)
よって、普通に考えたらキルヒアイスは反撃を手控えたりはしなかった筈です。>


 ノベルズ版4巻P19下段(策謀篇第一章Ⅰ)では、

<こと姉であるグリューネワルト伯爵夫人アンネローゼに関しては、ラインハルトの感情はつねに理性に対する勝者となるのだった。>

 と書かれています。親友であり、少年の頃からアンネローゼに強い憧憬を抱いていたキルヒアイスの心境もこれに準ずると考えられるので、個人的には「大逆転!」でのここの描写はそれほどおかしくはないと思います(人によって意見も分かれるでしょうけど)。


<加えて、あの猜疑心の強いリッテンハイム卿が全軍の何割もの艦隊をほいほいと貸し出して、しかも、その艦隊(編成と言うものがそもそも存在しない寄せ集め)を短期間に掌握できたのか。>

 リッテンハイム侯が「猜疑心の強い」というのはどの辺りに書かれているのでしょうか?管見の限りではそういった記述は見当たらないのですが。

 他者を批判なさるのは結構だと思いますが、その場合、きちんと用いる資料の内容を把握・確認なさった方がよろしいかと。そうでないと、せっかくの文章も説得力を失うと思います。

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