- 親記事No.6105スレッドの返信投稿
- board4 - No.6249
Re:Re6234:作品と作者と私の論の前提条件
- 投稿者:lulu
- 2005年02月14日(月) 07時12分
揚げ足取らないでください。
要旨はストーリーの展開、個人の行動それには合理的な理由があり、
それは必ずしも文章内に記載されているわけではないということです。
- 親記事No.6105スレッドの返信投稿
- board4 - No.6250
ちゃんと銀英伝本編を読むべきでは?
- 投稿者:不沈戦艦
- 2005年02月14日(月) 11時20分
> > 要塞級質量体のワープに際して、
> > 帝国と同程度の困難しか、同盟の側にもないということです。
>
> どうしてそのように判断されるのですか?
> ワープエンジンの発展に関して同盟は遅れてるかもしれませんよ。
> 同盟と帝国とあらゆる技術レベルがまったく等しいなどという記述は
> 作品中にはなかったかと思うのですが。
>
> > そうそう、まさにこの点です。
> > 帝国軍は、戦艦級の質量を100万トンと見積もる試算では、
> > 4000万倍の質量増大におけるワープを易々と実現してしまったのです。
> > はっきり言って、何でもありですよ。
> >
> > こういう背景がある以上、
> > 同盟の側では、イゼルローン要塞のワープができないと考える方がおかしいです。
>
> 確かに同盟は科学力で遅れているという記述はありませんが
> というか、そういった方面での記述はありましたっけ?
> ないものは作品世界を肯定する方向で考えるべきではないかと。
> この問題は創竜伝の破綻とはわけが違うと思うのですが。
「場外乱闘掲示板」の方で冒険風ライダー氏が銀英伝本編からコピペしている内容です。
銀英伝1巻 P182上段~P183上段
<想像を絶する新兵器、などというものはまず実在しない。互いに敵対する両陣営の一方で発明され実用化された兵器は、いま一方の陣営においてもすくなくとも理論的に実現している場合がほとんどである。戦車、潜水艦、核分裂兵器、ビーム兵器などいずれもそうであるが、遅れをとった陣営の敗北感は「まさか」よりも「やはり」という形で表現されるのだ。人間の想像力は個体間では大きな格差があるが、集団としてトータルで見たとき、その差はいちじるしく縮小する。ことに新兵器の出現は技術力と経済力の集積の上に成立するもので、石器時代に飛行機が登場することはない。
歴史的に見ても、新兵器によって勝敗が決したのは、スペイン人によるインカ侵略ていどのもので、それもインカ古来の伝説に便乗した詐術的な色彩が濃い。古代ギリシアの都市国家シラクサの住人アルキメデスは、さまざまな科学兵器を考案したものの、ローマ帝国の侵攻を防ぐことはできなかった。
想像を絶する、という表現はむしろ用兵思想の転換に際して使われることが多い。そのなかで新兵器の発明または移入によってそれが触発される場合もたしかにある。火器の大量使用、航空戦力による海上支配、戦車と航空機のコンビネーションによる高速機動戦術など、いずれもそうだが、ハンニバルの包囲殲滅戦法、ナポレオンの各個撃破、毛沢東のゲリラ戦略、ジンギスカンの騎兵集団戦法、孫子の心理情報戦略、エパミノンダスの重装歩兵斜線陣などは、新兵器とは無縁に案出・想像されたものだ。
帝国軍の新兵器などというものをヤンは恐れない。恐れるのはローエングラム伯ラインハルトの軍事的天才と、同盟軍自身の錯誤――帝国の人民が現実の平和と生活安定より空想上の自由と平等を求めている、という考え――であった。それは期待であって予測ではない。そのような要素を計算に入れて作戦計画を立案してよいわけがなかった。>
田中芳樹本人が銀英伝本編で、こう書いているんですがねぇ。これを読んでも、「ワープエンジンの発展について同盟は遅れているかも知れない」と、本気で思いますか?どう解釈したところで、「この作品においては、技術的格差で戦争の勝敗が決するような内容にするつもりは一切ない」と宣言しているとしか言えないのでは?
まあ、私も冒険風ライダー氏がコピペするまで、この部分を一語一句諳んじていた訳じゃないですけど、これを読んだ記憶はありましたので「帝国と同盟の間に技術的格差があると作者は設定していない」と、この「移動要塞論争」云々以前から判断していましたがね。
- 親記事No.6105スレッドの返信投稿
- board4 - No.6251
残念
- 投稿者:パンツァー
- 2005年02月14日(月) 14時33分
> 私にすれば作品中の記述がすべてです。
> 多分直接書かれていないけれど、
> 「シャフトが10年間、秘密裏に、実験を繰り返してきた結果」
> は正しいんじゃないですか?
> 少なくとも小説である以上だらだらと設定書きなぐるのは
> 忌むべきことでしょう。読み手が補完すべきだと思います。
銀英伝「雌伏篇」4章Ⅱの末尾部分
ラインハルトの台詞の一部として、
「(中略)シャフトは自信満々だが、この計画の困難は発案より実行にあるのだ。奴が今の段階でいばりかえる必要はない」
と、あります。
シャフトは単なる発案者であって、
秘密裏の実験など、ぜんぜんやってないようですね。
作品中の記載を曲げてまで、
「読み手が補完すべき」
なんて、バカなことは言わないでしょうね、さすがに。
- 親記事No.6105スレッドの返信投稿
- board4 - No.6252
またまた、自縄自縛ですよ、それは
- 投稿者:パンツァー
- 2005年02月14日(月) 14時44分
> 揚げ足取らないでください。
> 要旨はストーリーの展開、個人の行動それには合理的な理由があり、
> それは必ずしも文章内に記載されているわけではないということです。
そんなこと言うとですね、
すべてのキャラクターが皆、
「必ずしも文章内に記載されているわけではない」「合理的な理由」によって、
行動している、ということになりますよ。
例えば、
銀英伝冒頭のアスターテ会戦における
同盟軍の将軍らや、ラインハルトに扱き下ろされる帝国の将軍らも、
「必ずしも文章内に記載されているわけではない」「合理的な理由」によって、行動していたって、ことになりますよ。
この同盟軍の将軍らや、帝国軍の将軍らは、この場面では、一応愚か者ということになっているわけですが、
「必ずしも文章内に記載されているわけではない合理的な理由」
などを、考える必要を認めたら、
愚かなどと断定することすら不可能ですね。
ヤンやラインハルトが天才であると言うのは、
普通、
数多くの選択肢の中から、最良、もしくは最良ではないにしても良策、と言える選択肢を常に選び取っている、と解釈するものでしょう。
ところが、
「ストーリーの展開、個人の行動」にすべて、
「必ずしも文章内に記載されているわけではない合理的な理由」があったとするなら、
要は、決まりきった道を、すべてのキャラクターが選んでいるって、
ことですよね。
実は、彼らは必然に則って動いただけで、たまたまそういう
「数多くの選択肢の中から、最良策や良策を選び取る」って
いう行動自体が否定されてしまいませんか。
つまり、
ヤンやラインハルトも操り人形の類であって、
その行動の軌跡から天才性が浮かび上がってくるのではなくて、
(数多くの選択肢の中から、最良策や良策を選び取る行動)
単に、作者が本文中で、
天才、天才って連呼しているから、天才である、
と結論しているに過ぎないことになりますよ。
あたかも、全能の神によって、
「ラインハルト、君は、何もしなくても、
アスターテ会戦において勝利を収めることができる、期待していたまえ。」
「同盟の将軍たちよ、君たちは不運だが、最善を尽くしながら壊走の憂き目に遭うことになる、覚悟したまえ。」
このように宣告されているように見えますね。
作品を擁護しようとして、作品の世界観をぶっ潰してしまったら、
何の意味もないんですけどね。
- 親記事No.6105スレッドの返信投稿
- board4 - No.6253
普通に考えれば
- 投稿者:パンツァー
- 2005年02月14日(月) 15時06分
> > あなたに思えないとヤンにどう関係するんですか?
> ヤンを実在の人物だと思ってらっしょるようですね。
> ヤンというキャラクターは小説の紙面に縛られた人格に過ぎないのではないですか。
> 文字に現れない部分は常識に基づいて補完するものだと思っていましたが。
上の部分は、下の部分が元ですね。
No6241
<私には無茶だとしか思えません。
小説の中にあれもだめこれもだめと登場人物の思考過程を詳細に
微に細にわたってだらだらと描写しなければならないと?
ある意味ヤンがやらなかったということ自体が不可能であるという
証拠だと考えます。>
別に、作中でヤンが取っている行動よりも愚かな策に関しては、
それらを無視する理由を、一々列挙する必要は無いでしょう。
しかし、作中で実際に取っている行動よりも優れた選択肢があったのなら、それを実際に取らなかった理由については、説明しておく必要があるでしょう。
それを説明しないというのは、説明できないからに過ぎず、
つまり、登場人物が思いつかなかったと言うことを、
如実に物語っているのですよ。
繰り返しますが、すべての選択肢を列挙する必要はありません。
説明する必要があるのは、
作中の行動より優れた行動があるのに、
それを選択しない場合、だけです。
「ヤンがやらなかったということ自体が」
ヤンの思考力の範囲では、
「不可能であるという証拠だと考えます」ね、
私は。
> > 「人民の海」計画は「金がないから無理」の一言で完全に説明できてますが?
>
> ほかの計画は?たとえば帝国手の届かないところへ脱出し、
> 第2の自由世界同盟を作るという案に関して何も書かれていませんね。
> 前例もあり、検討すべき案ではないでしょうか。
> これが書かれていないからといってヤンの手落ちではないでしょう。
> 考え付く限りありとあらゆる案の是非を数十ページにわたり
> 書き連ねる必要はないということです。
> 一つ例を挙げていろいろ考えた挙句の結論だということを匂わせて終わりで悪いですか?
だから、これについても、作中に記載がないことから、
ヤンが思いつかなかっただけ、ではありませんか。
思いつかなかったことが、当然記載されていないだけのことです。
普通に(作品に記載のないことは登場人物の想像力の範囲外であると)考えてみたら、如何でしょうか。
- 親記事No.6105スレッドの返信投稿
- board4 - No.6254
Re6243:「前提条件」を無視しないで下さい
- 投稿者:冒険風ライダー
- 2005年02月14日(月) 15時38分
<そんな私の勝手な設定なんて認めないとされるかもしれませんが、
素直に読む限り何らかの理由で実行されなかったのは作中の事実で、
その理由がなんだろうと各個人で好きなように想像して下さいと、
小説とはそういうものなんじゃないかと思ってます。>
そんなことを言っていたら、そもそもこういう議論の場で作品を論じ合うこと自体、全くもって無意味なものになるのでは? 「お前が何を言おうが俺はこの考えで行く、他人の考えや論の妥当性がどうだろうが知ったことではない」というのが「その理由がなんだろうと各個人で好きなように想像して下さい」の実態なのですから。
それに、この理屈ならば、銀英伝どころか、たとえ創竜伝のような作品破綻であっても、「素直に読む限り何らかの理由で実行されなかったのは作中の事実」ということになり、さらに「その理由がなんだろうと各個人で好きなように想像して下さい」と結論付けられることで全てが正当化されてしまうわけですから、ある意味「フィクションだから許される」などよりもはるかに最低最悪な「作品および作者に対する免罪符」に化けてしまう危険性が非常に高いと言わざるをえないのですが、それでもかまわないと言うのですか?
<作者の舞台裏の話を持ってくるのは筋違いではと思うのですが。>
「作者がどのような意図でもって作品を書いたのか?」を論じる際は作者本人の評論やインタビュー記事を当たるのが一番確実であることくらい、誰だって簡単に理解できるはずでしょう。しかも、私は前の投稿でも述べたように、作品と作者の前提条件にあえて乗った上で移動要塞論を構築しているわけですから、その際に作品と作者の意図を正確に検証および尊重した上で論を進めていくのは至極当然のことです。これのどこが「筋違い」だというのですか?
むしろ、あなたのように「作品と作者と私の論の前提条件」をこれだけ明確に提示されながら、それでもなおかつ「【現実世界における】科学技術や物理法則の常識」を銀英伝に当てはめようとする行為こそが、本当の意味での「筋違い」なシロモノでしかないのですよ。作品と作者の前提条件と完全に相反する「異質」な概念を当てはめて、それで本当に作品が破綻しないとでも思っているのですかね?
<経験の意味を取り違えているのではないですか。
両者ともヤンの手元にいる技術者が動かしたわけではないでしょう。
なんというか、現場の経験や技術の専門性を軽視しすぎてませんか。
それにヤンの手元に帝国が動員できたような専門家がいるとでも?>
ガイエスブルク移動要塞の場合、シャフトは移動要塞の提唱こそ行っていたものの、実際の計画は本来全く技術畑ではないはずのケンプとミュラーの指揮によって、しかもあの短期間によって完成したわけですし、イオン・ファゼカス号に至っては、アーレ・ハイネセンという「ひとりの若造の思いつき」と奴隷階級の集団によって(こちらも3ヶ月足らずで)完成したものなのですけどね。これの一体どこにあなたの言う「【現実世界における】科学技術や物理法則の常識」に基づいた「現場の経験や技術の専門性」なるものが存在しているのですか? そして、上記2例が「作中では実現可能だ」と言うのであれば、ヤンが移動要塞を構築することもまた「作中では実現可能」と結論づけて一向に差し支えないのではありませんかね?
何度も言っていますけど、銀英伝はそういう「【現実世界的発想から考えれば】ある意味トンデモな概念」を前提に成立している「【現実世界的発想から考えれば】トンデモな世界」を舞台にした作品なのでしてね。そして、いくら不満だろうが、移動要塞論はこれを前提に話を進めなければ、必然的に「銀英伝という作品の全面否定」に至ってしまうということを、これまた何度も言っていますが、いいかげん理解するべきです。
- 親記事No.6105スレッドの返信投稿
- board4 - No.6255
Re:あなたには功夫(クンフー)が足りないわ
- 投稿者:不沈戦艦
- 2005年02月14日(月) 17時29分
> ちょっと腹が立ってきました。
> 自分の意見と違う意見を持つ人間には、いつもそのような態度で
> 臨まれるのですか。相手を馬鹿にするような言葉遣いは控えてほしいものです。
>
> > あなたに思えないとヤンにどう関係するんですか?
> ヤンを実在の人物だと思ってらっしょるようですね。
> ヤンというキャラクターは小説の紙面に縛られた人格に過ぎないのではないですか。
> 文字に現れない部分は常識に基づいて補完するものだと思っていましたが。
何で莫迦にされているかは、ご自分でやっていることを考え直してみた方がよろしいと思います。
> > 「人民の海」計画は「金がないから無理」の一言で完全に説明できてますが?
>
> ほかの計画は?たとえば帝国手の届かないところへ脱出し、
> 第2の自由世界同盟を作るという案に関して何も書かれていませんね。
> 前例もあり、検討すべき案ではないでしょうか。
> これが書かれていないからといってヤンの手落ちではないでしょう。
> 考え付く限りありとあらゆる案の是非を数十ページにわたり
> 書き連ねる必要はないということです。
> 一つ例を挙げていろいろ考えた挙句の結論だということを匂わせて終わりで悪いですか?
これはまさにその通りで、「前例もあり、検討すべき案」なんですよ。ところが、それについての記述は銀英伝本編にはありません。すなわち「ヤンの手落ち」です。言っておきますが、この「アーレ・ハイネセンと同じように逃げる」ことについては、「数十ページにわたり書き連ねる」ような「考えつく限りありとあらゆる案」の範疇ではないんですよ?何しろ、「同盟建国の祖」であるハイネセンが「作中事実」として実行していて、同盟市民には広く知られた話なんですから。それを書いていないということは明らかなる「穴」でしかないです。
> > ひょっとしてあなた銀河英雄伝説という小説を読んだ事がないんじゃないですか。
> あなたはあの世界について何でもご存知のようですね。
> 登場人物や作者より詳しいんじゃありませんか。
> さもなければこのように断定することはできないでしょう。
というか、あなたの受け答えを読んでいる限りでは、銀英伝本編の内容を知らないか、読んでいても忘れているかのどちらかとしか思えないからですよ。本編中に明快に作者が書いてあることより、「脳内設定」を優先させて否定したりするから、莫迦にされるということをいい加減自覚して下さい。
-
- board4 - No.6256
移動要塞論について
- 投稿者:紅
- 2005年02月15日(火) 12時26分
初めまして。紅と申します。
移動要塞論、拝読しました。面白かったです。
さて、ログが長大ですので、既出かも知れませんが
宜しければご教示下さい。
「移動要塞論」は、要塞の自給自足能力が前提となっていると
お見受けしました。
しかし、この自給自足能力は、「移動していない要塞」とそれに付随する艦隊の補給を満たすに足るものであり、「移動する要塞」が
自給自足できるとは限らないと思うのですが、いかがでしょうか。
現代の戦闘機の1フライトに所用するエネルギー量は、オフィスビル1年分よりも大きいと言います。
銀英伝の艦隊は不思議力で動いているかと思いますが、まあ
「ワープは只、いくらでも出来る」と言う前提を用いないならば、
あんなデカブツがワープするのに必要とするエネルギー量は、一艦隊に必要とするエネルギー量より遥かに大きいでしょう。
「要塞対要塞」の時点では、帝国軍はイゼルローン回廊までの兵站を維持できるだけの体制を築いていました。だから移動要塞も実現できた。それだけの気がしますが。
再度申し上げますが、既出でしたら申し訳ありません。
もし宜しければ、この点での議論が為されたログなどありましたら
場所を教えて頂けませんでしょうか。
- 親記事No.6256スレッドの返信投稿
- board4 - No.6257
すいません
- 投稿者:紅
- 2005年02月15日(火) 13時10分
誤ってツリーを立ててしまったようです。
申し訳ありません。
-
- board4 - No.6258
:「田中芳樹を撃つ」と「読者(心酔者)を撃つ」の違い
- 投稿者:パンツァー
- 2005年02月15日(火) 14時55分
銀英伝考察3の反響の大きさ(否定的意見による蒸し返しの頻発)に対して、その原因が何か、ということを一つ考えてみました。それは、どうも次のような理由によるのではないでしょうか。
ここで、田中芳樹氏の著作物の読者のうち、そのキャラクターに相当な思い入れの感情を抱いている人々を、「心酔者」と規定します。以下、この心酔者の心理分析を行ってみましょう。
1.「創竜伝において心酔者が価値を抱く対象」
この掲示板上で、ある方(確か女性)が、創竜伝というお話を次のように捉えている、と述べておられました。
「かっこいい始君たちが、悪者をやっつけるお話」
記憶を頼りに書いているので、表現の異なる部分があるかもしれませんが、大体上の一行のような趣旨でした。
上の内容は次の二つの要素を含んでいます。
A:主人公が(女性読者を引きつけるに十分な)性的魅力を有していること
B:主人公に正義があること
冒険風ライダーさんが展開された創竜伝考察シリーズは、Aの要素に関しては別段述べるところはなく、Bの要素に対しては、痛烈な批判を加えるものでしょう。私は、創竜伝自体を読んでおらず、創竜伝考察シリーズも所々しか読んでおりませんので、誤読・誤解が激しい部分がありましたら、それはどうかご容赦ください。
創竜伝考察シリーズの批判の中には、創竜伝の主人公(始君たち)の掲げる正義が、独り善がりのものであって、この主人公の敵対者(牛種などでしたっけ)と比較して、正義と言いえるかどうかも怪しい、というものがあったかと思います。
さらに、冒険風ライダーさんは、作者たる田中芳樹氏が、創竜伝のキャラクターに仮託して、自ら自身の考える社会批判を展開している、ということも指摘しておられました。
そうすると、創竜伝考察シリーズは、どのような影響力を及ぼすことになるのでしょうか。
主人公(始君たち)の掲げる正義は、客観的に見て正義ではない。
↓
主人公の掲げる正義と、作者たる田中芳樹氏の掲げる正義は同一である。
↓
田中芳樹氏の掲げる正義は、客観的に見て正義ではない。
創竜伝の「主人公に正義があること」を否定することによって、田中芳樹氏の掲げる正義を否定すること、つまり、「田中芳樹を撃つ」という目的が達せられているわけです。
では、創竜伝考察シリーズは、「読者(心酔者)を撃つ」という点においては、どの程度の効果を発揮するのでしょうか。
上にも述べたように、心酔者は、B「主人公に正義があること」にも価値を置いていますが、A「主人公が性的魅力を有していること」に、より一層の価値を置いているものでしょう。
創竜伝考察シリーズ等によって、「主人公に正義があること」がある程度損なわれることになったとしても、「主人公が絶対悪である」などといった結論でも下されない限りは、心酔者は、さほどの痛みを感じないのでしょう。主人公に一体化している作者にとっては、このような他人ごとでは済みませんが、心酔者は、主人公の価値観自体には、必ずしも一体化しているわけではないからです。
しかし、もし、A「主人公が性的魅力を有していること」が損なわれることがあったらどうでしょうか。
例えば、
「四兄弟(始君たち)は、夜な夜な互いに男色を貪り合っていた。」
などという結論が下されたとしたら、どうでしょうか。
これは、恐らく、心酔者にとっては、断じて、許しがたいことでしょう。
始君たちの性的嗜好が、女性に向けられるものではなく、男性に向けられるものであるとしたら、このような始君たちを、始君たちの外見的魅力等に引き付けられている(女性)読者は、許せないのではないでしょうか。
そして、A「主人公が性的魅力を有していること」が損なわれる、ということは、心酔者が、そのお話(創竜伝)に最も価値を抱き、もっとも魅力を感じている部分が、損なわれてしまう、ということを意味するのです。このような結論が、本掲示板上にでも掲載されたなら、轟々たる非難が、集中するのではないでしょうか。
逆に、主人公の価値観とは一体化しているが、主人公が性的魅力などにはさほどの価値をおいていない作者(田中芳樹氏)にとっては、B「主人公に正義があること」が否定されるほどの打撃は受けないのではないでしょうか。
「田中芳樹を撃つ」ということと、「読者(心酔者)を撃つ」ということは、
必ずしも一致しないように思うのです。
2.「銀英伝において心酔者が価値を抱く対象」
次に、上と同様の考察を、銀英伝に対して行ってみましょう。
銀英伝の主人公は、もちろん、ヤンとラインハルトが筆頭です。
銀英伝における心酔者は、ヤンとラインハルトのどういう点に魅力を感じるのでしょうか。
ヤンもラインハルトも、正面の直接的な軍事力による脅威と、後背の政治的な脅威とに、脅かされている存在です。ラインハルトの場合は、門閥貴族の打倒が完了した時点で後背の脅威は消え去り、ヤンの場合は、イゼルローン要塞に立て篭もりヤン・不正規軍を編成する時点で後背の脅威が消え去る、ことになりますが、おかれている状況は似たようなものです。
この二人は状況的に似通っているだけに、読者は、背後の政治体制の違いなどを超えて、この二人に感情移入することができるのしょう。
この状況的に似通ってる二人は、一体、如何なる能力を発揮することで、正面と背後の脅威に屈服されること無く、戦いつづけることができたのでしょうか。
それは、
「天才的な軍事的才能」
これに尽きます。
ラインハルトの場合は、「政治的才覚」も若干働いてはいますが、運命を切り開く最大の力は、やはり「天才的な軍事的才能」でしょう。
つまり、銀英伝において、心酔者が価値を抱く対象は、
ヤンやラインハルトであることは当然ですが、
特に、ヤンやラインハルトの「天才的な軍事的才能」である、
ということでしょう。
この故に、ヤンの価値観に対する痛烈な批判を含む、銀英伝考察1・2などに対しても、心酔者は、さしたるダメージを受けることが無いのでしょう。
ヤンやラインハルトの価値観が少々貶められることがあっても、彼らの価値観が絶対悪であると結論でもされない限り、心酔者にとってはたいした問題ではないのでしょう。
しかし、「天才的な軍事的才能」、これが損なわれてしまうことは、心酔者にとっては、断じて、許しがたいことでしょう。
「主人公の天才的な軍事的才能」これが損なわれるということは、心酔者が、銀英伝に最も価値を抱き、もっとも魅力を感じている部分が、損なわれてしまう、ということを意味するからです。
それゆえに、「ヤンやラインハルトの軍事的才能が、天才であるなどとはとても言い得ない。」と結論する銀英伝考察3に、これまでに見られるような轟々たる非難が、寄せられるのでしょう。これこそが、心酔者が銀英伝に抱く価値の根幹を、徹底的に破壊するものなのでしょうから。
銀英伝考察3は、「田中芳樹を撃つ」という目的で執筆されたものでしょうが、結果としては、「読者(心酔者)を撃つ」という結果を十二分に達成してしまったということでしょうね。
- 親記事No.6256スレッドの返信投稿
- board4 - No.6259
Re:移動要塞論について
- 投稿者:不沈戦艦
- 2005年02月15日(火) 15時41分
ttp://tanautsu.duu.jp/kousatu.html
ここに載っている「銀英伝考察シリーズ3 銀英伝の戦争概念を覆す『要塞』の脅威」のログを取り敢えず全部(かなり長いですが)読んでから書き込みすべきでしたね。ご自分でもその可能性はお考えのようですが、あなたの疑問は既出ですので。
- 親記事No.6256スレッドの返信投稿
- board4 - No.6261
一例としては
- 投稿者:パンツァー
- 2005年02月15日(火) 15時59分
私(パンツァー)が投稿した記載としては、下のようなものがあります。
銀英伝考察3の全体で「エネルギー」「補給」「燃費」等を
検索キーワードにされると良いと思いますよ。
銀英伝考察3
銀英伝の戦争概念を覆す「要塞」の脅威
過去ログT
3846 「Re:とりあえず数点だけ」
無補給航行が存在すると主張する「根拠」
参考までに、
銀英伝考察3は、イゼルローン要塞のワープ移動の話だけでなく、
質量弾攻撃の話一般が載っていますが、こちらに関しては、
どのように思われますか?
例えば、怒涛篇では、ラインハルトがイゼルローン要塞の攻略を行います。このとき、艦隊で攻めないで、ワープエンジンを取り付けた小惑星なり他の要塞を持ってきて、イゼルローン要塞にぶつけたらどうか、という話も、銀英伝考察3では出てきます。これだったら、帝国軍の出血も最小化されて、オーベルシュタインも反対しないでしょう。
お伺いしたいのは、こういう効率的な手を取らないラインハルトは愚である、という結論に賛成するかどうか、です。というのも、ラインハルト自身が、イゼルローン要塞にガイエスブルグ要塞を衝突させる手を取らなかったケンプを、無能呼ばわりしているわけですから、ラインハルトがこんな手を思いつかなかった、という言い訳は通用しません。
なぜこんなことを聞くかというと、
内容の如何に関わらず、何が何でも銀英伝考察3を全否定しようとする人が、あまりにも多いので、私自身も閉口している部分があるからです。全否定が目的の人とは、ちょっと話しにくいな、と思う部分がありましてね。
- 親記事No.6223スレッドの返信投稿
- board4 - No.6262
Re:神楽さんの論点の私なりの解釈
- 投稿者:N
- 2005年02月16日(水) 14時03分
S.Kさん、レスありがとうございます。いつもこちらの返事が遅れてしまい、申し訳ないです。
よく練られたご意見ですので、私も深く考えさせられます。
人命を第一に、と考えるならば、S.Kさんの仰る通りです。ヤンはそもそも戦うべきではありませんでした。民主主義を諦め、帝国に恭順するのが最善の手段だったと思います。(帝国の体制を立憲君主制とするだけの政治手腕をヤンに期待するのも酷だと思います。ボリス・コーネフなら、或いはやってくれるかもしれません)
しかし、それがヤンだ、とは私には思えないのです。
戦いで兵士が命を落すことについては、用兵家の宿命として、ある程度受け入れていたのではないでしょうか。共和主義者は、その主義にどの程度の価値を与えているのか、というラインハルトの試みは、彼にとっても一定の価値を持つものであったのではないかと思います。ヤンだけが、民主主義を望んでいたわけでもありませんし、彼の部下だけが、戦いで命を落す可能性があったわけでもない、と思います。
- 親記事No.6105スレッドの返信投稿
- board4 - No.6265
Re:精進せえよ
- 投稿者:S.K
- 2005年02月16日(水) 17時30分
>
> > あなたに思えないとヤンにどう関係するんですか?
> ヤンを実在の人物だと思ってらっしょるようですね。
非常に高度な疑問文を構築してしまったようで申し訳ありません。
「何が悲しくて執筆当時の田中氏がヤン・ウェンリーの知性の限界をあなたの乏しい理解力の範疇に収める謂れがあったのか?何か、道端で買った怪しいクスリをキメた時に毒電波で田中氏と交信した実感でもあったのか?言っておくけど、それ幻覚だから」と言っていたんですよ。
> ヤンというキャラクターは小説の紙面に縛られた人格に過ぎないのではないですか。
> 文字に現れない部分は常識に基づいて補完するものだと思っていましたが。
>
あなたの「思う」限界は何となくわかりました。
前頭葉が存在する事にあまり意味のない方ですね。
> 考え付く限りありとあらゆる案の是非を数十ページにわたり
> 書き連ねる必要はないということです。
> 一つ例を挙げていろいろ考えた挙句の結論だということを匂わせて終わりで悪いですか?
>
あの時点て採択しうる有効なプランと、まあ一応俎上に乗るのも仕方ない愚案とは現実性を踏まえて10程も存在しますまい。
2ページあればどれだけ真剣に対帝国に臨んだのかのいい描写ができたでしょう。
それでチラシの裏くらいしか発表場所もないであろうluluさんの無駄プラン質疑では大体何億何万何番目くらいに「修行したシェーンコップがブリュンヒルトに元気玉をぶつける」がくるんですか?
可哀想な人サービス月間特典として質問してあげます、回答の際は全裸で五点倒立して私に感謝と崇拝を捧げながらレスして下さい。
> > ひょっとしてあなた銀河英雄伝説という小説を読んだ事がないんじゃないですか。
> あなたはあの世界について何でもご存知のようですね。
> 登場人物や作者より詳しいんじゃありませんか。
> さもなければこのように断定することはできないでしょう。
>
発表済みの作品なれば「作者より詳しい読者」が存在するからこそ「批評」という文芸ジャンルは存在する訳です。
ついでに田中氏に妥当性を認められつつかつ銀河英雄伝説内の記述を最大限に尊重しつつもエンサイクロペティアやメカニックデータは田中氏以外の人間が構築した「公式銀英伝設定」です。
そんなことよりいつになったら「つるのおんがえし」を習った小学生の「夕鶴」に対する理解レベルに銀英伝について到達するのですかあなたは。
> > 設定ミスという概念をご存知ない方が無理な理屈をつける位作品を貶める行為もないもんで。
>
> 設定ミスなら、例えば自由貿易商人が往来するような自由惑星同盟で
> 何故か航路図が機密扱いになっている、などという例ならともかく
上記は「常識的に当然」でしょうね。
帝国も同盟も「安全航路とフェザーンの艦隊通行権は抱き合わせで売る気だろう。支払いは商売当事国でない側の核とビームになる事とフェザーンが軍事力を保有していない事実は認識しているな?」と様々に表現、表明してきたに決まっていますので。
> 読者の脳内設定で、設定ミスといわれるのは違うのではないですか。
>
鏡に言って下さい、他人の知る所ではありません。
>
> 世の中にはページの都合というものがあるんですよ。
>
宇宙には推敲という行為が存在します、プロのたしなみと言うのも恥ずかしい初歩的概念として。
> ちょっと腹が立ってきました。
> 自分の意見と違う意見を持つ人間には、いつもそのような態度で
> 臨まれるのですか。相手を馬鹿にするような言葉遣いは控えてほしいものです。
> そこまで馬鹿にされなければならないようなものですか?
「馬鹿」に「される」必要もなく事実としてあなたは「馬鹿」です。
他人様の形容に責任転嫁なさらないで下さい。
いえ無駄な物言いなのは存じてますけどね、馬鹿に物申している訳ですから
- 親記事No.6223スレッドの返信投稿
- board4 - No.6266
Re:神楽さんの論点の私なりの解釈
- 投稿者:S.K
- 2005年02月16日(水) 18時45分
> S.Kさん、レスありがとうございます。いつもこちらの返事が遅れてしまい、申し訳ないです。
Nさんお気になさらず、暇つぶしに珍獣クンがブザマ踊りで笑いを提供してくれておりましたので。
>
> しかし、それがヤンだ、とは私には思えないのです。
>
> 戦いで兵士が命を落すことについては、用兵家の宿命として、ある程度受け入れていたのではないでしょうか。共和主義者は、その主義にどの程度の価値を与えているのか、というラインハルトの試みは、彼にとっても一定の価値を持つものであったのではないかと思います。ヤンだけが、民主主義を望んでいたわけでもありませんし、彼の部下だけが、戦いで命を落す可能性があったわけでもない、と思います。
>
そうですね、「神楽さんの論点」というあたりに立ち返って一言。
「ヤン・ウェンリーというキャラクターは『主義主張(打倒帝政・民主主義のための戦いは聖戦等)で卑俗な実害(軍国主義下での生活、回避できる戦いでの戦死)を容認しない』人間である。でなくては何故救国軍事会議と戦い、かつバーミリオン会戦で停戦を受諾したのか。『民主主義のため回廊の戦いを行う』というのは、勝てたはずのバーミリオンの戦いの戦死者たちに対する二重の侮辱行為(彼らの死で掴めた筈の勝利を『民主主義尊重』の為に放棄しあまつさえその民主主義の為にその時捨てた勝利をさらなる犠牲を払って掴みなおそうとしている。彼らの死の意味をヤンは何だと思っているのか?)に他ならず、それ以前のヤン・ウェンリーのキャラクター描写を著しく損ねるものである」
以上ふまえた上で神楽さんの御主張を是となさるのであれば最早道理をもってこれ以上を語る必要を感じません。
Nさんとしてすでに結論がでているのであればこの上いかな論理的整合性も今更確認し参照していただく意味はおそらくありません、貴方の納得にとっても私の手間隙の意義としても。