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Re:薬師寺シリーズ考察
- 投稿者:つっくん
- 2008年04月17日(木) 15時40分
つっくんです。初めまして。
昔からこのサイト楽しみにしています。
> 薬師寺シリーズは、田中作品の中では「現代世界を舞台にしている」「ストーリーとは何の関係もない【現実世界向けの社会評論】が、作中に不必要かつ大量に挿入されている」という点において創竜伝と双璧をなすシロモノなのですが、タナウツでは不思議と話題になることが少なく、(略)創竜伝と同様にストーリー・社会評論の両観点から一度徹底的に検証し、叩き潰す必要があると判断するに至ったわけです。
> 今回の新企画で、薬師寺シリーズが抱える様々な問題点を明確にし、田中芳樹およびファンに対して何らかの楔を打ち込むことができれば幸いです。
私はいい年こいたおっさんですが、ご多分に漏れず「銀英伝」にはまって(はまりまくって、田中氏が嫌悪する二次創作「性奴ヒルダ」を書いたくらい)、一通り田中本は読みまくりました。もっとも、「創竜伝」だけは腐臭wが漂っていたのでパスしたのでしたが幸いだったようです。
で、ですね、実は「銀英伝」の次に好きなのは「涼子シリーズ」なのですよ。これがwww
このシリーズは冒険風ライダーさんのような生真面目な人が読むものじゃないです。はっきり言ってキャラ萌えする人だけが読む物です。どういうのが好きなのかと言うと、「どういう女性かというと、スーパーモデルも裸足で逃げ出す抜群なスタイル、通る人が思わず振り返る超絶美貌、頭脳明晰・あふれ出す知性(飛び級で大学を出ているとか)、めくるめく華麗な血統、図抜けた運動神経と驚異的な格闘戦能力プラスタフな体力、極めつけはこれらの長所を全て帳消しにする性格の悪さというものである。」がいいんです。
私が好きなのは、エヴァのアスカ、「楽園の向こう側」シリーズのダナティア、「星界の紋章」のラフィール、「サクラ大戦」の神埼すみれ、今だと「idol@master」の水瀬伊織というところですか。(もっとも、フツー愚民扱いされたい人は春香閣下と言うのでしょうが このシリーズは、あずさwが一番好きで矛盾してますが)
なので、まともに批判しても読者には絶対に届かないですね。
それに、「ストーリーとは何の関係もない【現実世界向けの社会評論】」は「創竜伝」はどうだか知りませんが、ワトソン役の主人公である泉田センセの主観として語られるわけです。
つまり、ノンキャリの小市民たる泉田センセは凡庸な社会認識しかしてませんよとしか捕らえられません。もっとも、この認識巻を追うにつれ過激になっていくのですが、本人も「お涼に毒された」と自覚があるしいいのではないでしょうか。
> さて、薬師寺シリーズというのはそもそもどのような経緯で誕生したものなのでしょうか?
> もちろん、その根底には本人自ら「魔天楼」講談社文庫版のあとがきで明言しているように「ストレス解消のため」というのがあることは疑いの余地がないのですが(笑)、それはとりあえず今は横に置いておくとして、より詳細かつ具体的な動機としては、田中芳樹の対談や評論・インタビュー記事をかき集めた著書「書物の森でつまずいて……」の中で本人が熱く語り倒しています。
この内容から考えると、薬師寺シリーズで田中芳樹が当初志向していたのは「元気で周囲を振り回す女性探偵を主人公とした【ミステリー小説】」だったのではないかと思われます。
ライダーさんは読んではいないでしょうが、「女王陛下のえんま帳」という涼子ハンドブックがあって、大体同じことが書かれていますが決定的に違う分があります。
P7「人間だけが相手だとものたりないから、お化けの出る話にして。」最初からお化け前提ですね。何故かと言うと「東京ナイトメア」は最初、「メフィスト」という雑誌に書き下ろしだったんですが、この雑誌がミステリーなんだけど化け物も超能力もなんでもありのトンデモ推理雑誌だったんですね。まあだから好き勝手にやったんでしょ。それと僕が気に入った垣野内さんにイラスト書いて欲しいと言うのが延々と書いてあって、垣野内じゃなきゃ筆が止まると担当を脅して「命がけで取りました」と言われて、取れなきゃそれを言い訳に書かないですんだのに仕方なく執筆したと書いているわけですよ。完璧に悪役と言うかお涼そのもので爆笑しましたが。
要は田中がお涼を執筆するに当たって一番力を入れて検討したのがイラストレータ選びwそりゃまともな話にならんてwww
でも、この絵で買った僕がいるわけだし、漫画、アニメ化したわけだから一番売るために力を入れるところがわかってた訳ですよ田中は。
天野絵のお涼だったら絶対買わないもん。(アルスラーンは天野で正解です)
> さて、そう定義しますと、「田中芳樹が【現実世界に立脚した合理的な説明を要する】ミステリー系の推理小説を書くのか?」という疑問を抱く人もいるかと思いますが、
というわけで書くわけが無い。
今の田中センセに「銀英伝」クラスを望むのは、ジャンプの富樫センセに「レベルE」の続き書いてくれと望むのと同じ。金が入って堕落する奴はゴマンといます。
> また、薬師寺シリーズ1巻「魔天楼」の序盤には、こんな文章も書かれております↓
>
> 薬師寺シリーズ1巻「魔天楼」 講談社文庫版P25~P26
> <「お気に召していただけましたか」
> 暇をもてあましているとも思えないが、支配人が私たちのテーブルにやってきた。よほど涼子がこわいらしい。私にもその気持ちはよくわかる。
> 「旧日本軍に人体実験で殺された死者の呪い」だの「風水学」だのといったオカルト的要素を、主人公たる薬師寺涼子が「ばかばかしい」「茶飲み話の種以上のものじゃないわね」と「一刀両断してのけた」という描写を、それも作品の序盤に持ってきているわけです。これから考えれば、薬師寺シリーズが「(オカルト的要素を完全排除した)現実世界に立脚した合理的な説明を要する」ミステリー系の推理小説を志向している、と考えるのは自然な流れというものでしょう。
P18にこの支配人の銀座の店で奇妙な事件が起きたのをお涼が表ざたにせず解決したので感謝している。とあるので、オカルトがらみの事件を解決してネタフリしたのをメンドくさいから適当にあしらっただけと分かります。
なにせP24に「自分自身に関しないことについては、涼子はよく正論を吐くのである」と泉田もいってることですし。涼子を田中に変えればあら不思議、このHPは全て無駄になりますなあw
> これらのことから考えると、薬師寺シリーズがすくなくとも当初志向していたのは「元気で周囲を振り回す女性探偵を主人公とした、【現実世界に立脚した合理的な説明を要する】ミステリー系の推理小説」だった、ということになるのではないでしょうか。
まさにライダーさんのような真面目な読者をミスリードするために田中センセの悪ふざけが爆裂していただけのような気がします。
> 薬師寺涼子の言う「今夜の事件」というのは、壁や床の中を自由に移動できる怪物がビルの中を暴れ回り、美術品を破壊したり、多数の人々を殺傷したりした、というものです。これに対する最も合理的な説明というのは、怪物の存在と被害を証明する客観的な証拠を明示した上で、事実をありのままに話す、ということであるはずです。事実関係から言っても、警察の存在意義および保身の観点から見ても、これに勝る選択肢があるとは考えられません。
> ところが、薬師寺涼子が総監に求めた「合理的な説明」はそうではないのです。こともあろうに、あの美神令子の出来損ないは、怪物の存在そのものを隠蔽することを最優先にするよう要求したのです。
<ふと気がつくと、室町由紀子が私たちの前に立っていた。私を見て「ご苦労さま」というと、すぐ身体ごと涼子に向かって話しかける。ごく事務的な口調で説明したのは、高市理事長の妄想とコンピューターの暴走という線で話をつくる、怪物の存在は絶対に認められない、基本となる報告書は彼女がまとめる、というようなことであった。それらを話し終えると、由紀子は、やはり事務的にあいさつして背を向けた。彼女を見送って、私は上司に視線を転じた。
> 「あれでいいんですか」
> 「いいのよ。警察と科学者がオカルトを認めちゃいけないの。あたしも外部に対しては自分の功績をフイチョウする気はないわ。全部、総監にゆずってあげてよ。オホホホ」
> つまり総監が全責任をとらされるわけだ。気の毒ではあるが、もともと涼子を採用したほうが悪い。自分自身の管理能力を再確認するためにも、何とか無難にこの一件を処理してもらうとしよう。>
> 「怪物の存在は絶対に認められない」「警察と科学者がオカルトを認めちゃいけない」などという目的のために真相を隠蔽した挙句、他人の罪を勝手にでっち上げる、ということを、薬師寺涼子は警視総監に要求していたわけです。オカルト否定もここまでくると病気ですね。
うわぁ真面目ですねぇ。こりゃそんな代物じゃないんです。お涼はオカルト認めてますよ。ただ、お涼は化け物にかこつけて暴れられればそれでいいんです。後片付けは面倒くさいからお由紀に押し付けただけで理由はなんでもいいのです。
で、由紀子は四角四面の堅物と言う設定なので、意地でもオカルトを認められない(この巻ではですね、後になると認めてますが)で、冤罪やっても常識的な線でまとめています。
で、そうやって真実から目を逸らしている警察組織をバカにして「警察と科学者がオカルトを認めちゃいけないの」と言って高笑いしているわけです。
実際、これと似たような状況で泉田は言ってます(「黒蜘蛛島」P103)「いま警察に通報すると、好き勝手ができない。だから知らん顔で、まずカタをつけた上で、後始末だけ警察にさせる気ですね」
そういう女です。いやだから大好きなんですがねw
>妨害の現行犯で逮捕されてお終いだったのですから。現行犯についてはともかく、怪物の件については、彼はすくなくとも完全なクロではない、と判定するしかないわけです。
> その高市を、「怪物の存在は絶対に認められない」「警察と科学者がオカルトを認めちゃいけない」などという破綻した名目のために、「高市理事長の妄想とコンピューターの暴走という線で話をつくる」ことで事件の黒幕に仕立て上げる、などということが、刑事捜査の観点から見て許されることなのでしょうか。これは全てを承知の上での確信犯であるという点で誤認捜査や誤認逮捕などよりもはるかに悪質なものであり、警察権の乱用と見做されるものですらあるのです。
お涼にとっては大いに許されます。P70でお涼は売り言葉に買い言葉ですがこう言ってます。「うるさいわね。警察官が憲法をきちんと守っていたら、冤罪事件なんておこるわけがないでしょ!法を捻じ曲げ、無実の人間を牢獄に放り込む。これこそ権力者で無ければ出来ない楽しみじゃなくって?」う~む有言実行、珍しく伏線が生きているなあw
>
> 田中芳樹は結局、薬師寺シリーズで一体何がしたかったのでしょうか? > まあ、本人が明言し、私も何度も強調しているように、田中芳樹が薬師寺シリーズを書きたかった唯一絶対にして最大の動機は「ストレス解消のため」なのですから、田中芳樹以外には誰も理解できない楽しみというものが存在するのかもしれないのですけど(笑)。
ギャルゲーと同じでしょ。何のとりえも無い(と本人が勝手に思っている)冴えない独身ノンキャリが「何故か」モテモテw。
ツンデレで遠まわしにしか言わないけど一途熱烈な純愛を仕掛ける性悪美女と彼女の気持ちを知っているから最近控えめだけど、やっぱりノンキャリに気がある、「イインチョ」タイプの眼鏡美女。
更には、ミレディに忠実と言いつつ、やっぱりノンキャリに優しいメイド服のパツ金と黒髪の戦闘美少女、チャイナ狂いのロリロリ婦警とどんなニーズにも対応可能です。
一応、垣野内さんはムックでは田中センセを立てて(これが大人と言うもの)「女性が好む」とか言ってますけど、こりゃヲタ用ですよ。だから「レオタード戦士ルン」とか出してくるんだから。
そうそう、HPに「田中センセが焼きまわしバッカしている作家をバカにしたことがあるんですか」と息巻いていた人がいましたが、
P138でこんなこと書いてますな「たしか昨年、「愛の真実」という本を出して100万部売り、今年は「真実の愛」と言う本をやはり100万部売った。たぶん来年は「愛の愛」か「真実の真実」を出すのだろう。」
志村~後ろ、後ろですなあ。でもいいのです。
なにせ「「どらよけお涼」は自分には甘いが、警察組織全体に対しては厳しいのだ」P140
あ!そうだった、これは全て小市民の泉田君が言ったことで田中センセの思想とは全く違うのでありました。失礼しました田中センセw
まあ、こんなもの鼻くそほじりながら、(お涼のイラストいいなあ、泉田鈍いなあ、マリアンヌとリュシエンヌの水着イラスト見たいなあ)と読み潰して放り投げるのが正しい読み方だと思いますよ。息抜きには持って来いですし、今のセンセにこれ以上求めても無駄のような気がするので、この程度でいいから量産して欲しいなあ。(皆さんと違って、私は田中センセに全く期待してませんw)
- 親記事No.7884スレッドの返信投稿
- board4 - No.7998
Re:さて今度のお笑いは?
- 投稿者:S.K
- 2008年04月18日(金) 10時17分
さて、ぐるぐるパー君に問題です。
> 7891 Re:虫は擬態に騙されるほど誤解しやすい生き物のようだ(ジャポニカ学習長)
>
> ↑の応用
>
> > 別に書き込み禁止や排除をしているわけではないので(私が返答する気がなくなっただけ)、ご意見はお好きなように。
> > (まぁ、他の人の議論の邪魔にならない範囲だったら、ご自由に)
>
> お前とお仲間の虫(常連の一部、もしくは全部)だけだ、馬鹿。
> 何度も言うのもウザいモンだが、ま、害虫の本領ってトコですかァ?
> 害虫は群れるのかねえ。
>
> ☆☆☆
> まあ、順次アレンジしていきましょう。
「中傷」を問題視するのーみそぐるぐるクンが何故「中傷」認定した
投稿を剽窃するのでしょう?
「この掲示板は中傷を許容するのだ」と痴呆な誤解をしたのであれば
「(ぐるぐるパー君的解釈において)掲示板の流儀を外していない」
私に謝罪すべきでしょうし、7891番の中傷認定を撤回したなら私への
「中傷」を謝罪すべきでしょう。
何、私は寛容なので最寄り駅に午後5時から7時までの間下半身に
何もつけずに腰を前後左右に傍迷惑に振り回しまくって「デヘヘ、
バカれーす」と絶叫し続けたら勘弁してあげます。
後、警察で住所氏名(こんな昆虫以下のバカを容認してる所が
あるのなら)職業は言って構いませんがそれ以外の質問には全て
釈放(されるのかね?)まで「バカれーす」と言い続けていただきましょう。
さて、第2問です。
上記「ボキやったもーん、もうS.Kに借りなんかないもーん」
といってもハッカーでもない私には「HN:ぐるぐる Host:
zaq7ac404b7.zaq.ne.jp」以外の情報を「全く」与えていないぐるぐる
さんの謝罪の確認の方法がありません。
そんなひきょうもの虫のぐるぐる回虫サンがどの面さげて実名も
連絡先も公表し、貴方の「妄言」の掲示を容認している管理人さんに
>卑怯かつ、狡猾な方ですね、あなたは。
等と言う戯言がほざけるのでしょう?
恥と知能と分別がないからかな?
幸いネットなんで貴方の臭い体臭を気にせず回答が伺えますので
できるものならさあどうぞ。
いや、「電波」より上等な回答なぞはなから誰も期待しておりません
故お気軽に。
でも公衆衛生の為にできるだけ早く死のうね、ぐるぐる虫チャン。
- 親記事No.7904スレッドの返信投稿
- board4 - No.7999
Re7995/7997:2者レス
- 投稿者:冒険風ライダー
- 2008年04月18日(金) 17時07分
>ダボさん
<確かに妖怪が直裁的に暴れている描写は無かった訳ですが、
(中略)
といった形で、犯罪の不可能性には何度か言及されていますし、
(中略)
といった形で、妖怪の存在や怪異事件である可能性にも触れられています。>
その手の描写って、ミステリー系推理小説にもそれなりに存在するものではありませんか? 密室殺人等に見られるような犯罪の不可能性などは、事件がいかに難解なものであるかを強調するために登場人物が口にしまくるものですし、妖怪の存在や怪異事件である可能性にしても、物語序盤では「これは○○の祟りじゃ!」「怪物の仕業だ!」などと大声で主張するピエロ役がいたりするものです。
そういう「犯罪の不可能性」や「妖怪の存在や怪異事件である可能性」を全て合理的に説明して事件を解決し、読者に爽快感を与えるのがミステリー系推理小説の醍醐味なのですから、序盤にその手の描写がたくさんあっても、ただそれだけでは「これはミステリー系推理小説ではない」と断定するには至らないですね。ミステリー系推理小説の場合、名探偵の最後の説明こそが最も重要なものなのですから。
その名探偵役の推理理論があんな電波な妖怪犯人説でしかないのではねぇ……(>_<)。これならば、最初から妖怪の存在を前面に押し出してその存在を大々的にアピールし、ホラーアクションであることを明示しておいた方がはるかにマシだったと思うのですが。
<もちろんそうです。ただ素直にホラーと読むことも可能ではないですか。>
もちろん、ただ素直にホラーと読むことも充分に可能ですよ。実際、私も第一印象が無残に崩壊させられた後は、素直にホラーアクションとして薬師寺シリーズを読んでいるわけですし。
この辺りは、「魔天楼」序盤の描写から第一印象でミステリー系推理小説として見た場合でも、そう見えるだけの妥当性はある、という話ですね。上の主張も含めて。
<ミステリーなら読者が推理をする材料をきちんと提示しなければアンフェアです。ミステリ系ホラーであっても(あるいはだからこそ)その世界観をきっちり説明するために区別は明確にしないといけないでしょう。ただホラーアクションとなればそこまで厳密さが必要かとなるとやはり疑問です。
作品世界では現実世界と同様に一応公的にはオカルトの類は否定されています。ですから涼子がそれを利用してただ罵倒する為に幽霊・占いを否定したとしても、そのような理不尽なことを涼子はしかねないことは繰り返し言われていることと、「怪物」は否定していないことで正直かなり苦しいですが首の皮一枚ぐらいで説明可能と思います。>
では例の冤罪問題についてはどう説明します? 「怪物の存在は絶対に認められない」「警察と科学者がオカルトを認めちゃいけない」などというタワゴトを理由に高市理事長に無実の罪をなすりつけた件は。
ここでいうオカルトというのは、疑問の余地なく例の怪物のことを指しているのですし、この描写は薬師寺涼子の傍若無人な性格の発露として書かれたものですらないのです。警視総監は、事件の詳細を全て公開して怪物に事件の全ての責任を負わせてしまえれば己の地位と名誉を保つことができたにもかかわらず、自分の地位を棒にふってまでこのタワゴトを実行したわけですし、堅物として描かれているはずの室町由紀子ですら、しかも法律違反のオンパレードであるにもかかわらず、この薬師寺涼子のタワゴト理論には当然のように従っている始末なのですから。ここでも、「ホラーアクションとなればそこまで厳密さが必要かとなるとやはり疑問です」となるのでしょうか?
というか、厳密さ云々以前の問題として、そもそも、薬師寺シリーズの世界では怪物の存在が実際に確認されているにもかかわらず、それでもなお「怪物の存在は絶対に認められない」「警察と科学者がオカルトを認めちゃいけない」としなければならない合理的な理由が一体どこにあるのか、それ自体が作中では全く説明されていないのですけど。
<どちらにしても上にもあるように、例え当初ミステリー小説を志向していたとしても完成した作品にオカルト否定が残っているということは「何も考えてなかった証拠」です。ならばホラーアクション小説にオカルト否定があったとしても「何も考えてなかった証拠」として作品の出来に対する大きな減点材料であり、わざわざ不確定要素のある「当初ミステリー小説を志向していた」というのを持ち出さなくても十分批判は可能であるというのが私の立場です。>
<上にも書きましたが、まず最終的に出来あがった作品はホラーアクションですし、怪物の登場にしても一応の伏線が張られている、と私は考えます。冒険風ライダーさんの期待には応えられなかったかもしれませんが、この作品がミステリー系の推理小説でなければならない(ミステリー系の推理小説として完成させなければならない)必然性は無い訳ですし。>
実のところ、私はミステリー系推理小説として以上に、ホラーアクションとして見た薬師寺シリーズを全く評価していないものでしてね(苦笑)。
何故私がミステリー系推理小説としての観点から見た検証を行っていたのかについては、前の投稿でも述べていた通りですが、それとは別に、作中のオカルト否定の醜悪さを強調する手法として、「ミステリー系推理小説としての薬師寺シリーズは論外だが、ホラーアクションの観点から見た薬師寺シリーズはさらにダメダメである」という論理展開をやってみたかった、というのもあります。その方が「何も考えてなかった証拠」としての批判に+αの効果を加えることができると考えたものでして。
薬師寺シリーズのオカルト否定は、路線が確定しているはずの2巻以降にも相変わらず存在する始末ですからね~(>_<)。今後展開されるであろう薬師寺シリーズ考察でも、「オカルトに依存しながらオカルトを否定する滑稽な図式」は大きなテーマのひとつになるでしょうね。
>つっくんさん
タナウツでは珍しいタイプな方の登場ですね(笑)。
薬師寺シリーズが銀英伝に次いで好きだ、という人を、私はタナウツで初めて見たような気がしますが(^^;;)。
<それに、「ストーリーとは何の関係もない【現実世界向けの社会評論】」は「創竜伝」はどうだか知りませんが、ワトソン役の主人公である泉田センセの主観として語られるわけです。
つまり、ノンキャリの小市民たる泉田センセは凡庸な社会認識しかしてませんよとしか捕らえられません。もっとも、この認識巻を追うにつれ過激になっていくのですが、本人も「お涼に毒された」と自覚があるしいいのではないでしょうか。>
タナウツではすっかり手垢まみれになってしまっている感が否めないスタンダードな主張ですが、それに対する私の反論はこんなものですね↓
1.作中キャラクターの主張はあくまでも作中キャラクターの主張とした上で、その内容についての批判を行い、その作中キャラクターの矛盾と破綻を明らかにすることによって、そのような作中キャラクターおよび作品の破綻を作り出してしまった田中芳樹の作家責任を追及することができる。
2.小説外の対談やインタビュー記事等で、田中芳樹が作中キャラクターと同じ主張を展開していた場合、作中キャラクターの主張=田中芳樹の主張の図式は成立する。
泉田準一郎の語り部などを責任回避の盾にしたところで、私の手法には全く通用しないと思いますよ。
<ライダーさんは読んではいないでしょうが、「女王陛下のえんま帳」という涼子ハンドブックがあって、大体同じことが書かれていますが決定的に違う分があります。
P7「人間だけが相手だとものたりないから、お化けの出る話にして。」最初からお化け前提ですね。何故かと言うと「東京ナイトメア」は最初、「メフィスト」という雑誌に書き下ろしだったんですが、この雑誌がミステリーなんだけど化け物も超能力もなんでもありのトンデモ推理雑誌だったんですね。まあだから好き勝手にやったんでしょ。>
「女王陛下のえんま帳」は持っていますけどね(苦笑)。
ちなみに同じページで田中芳樹は「ぜんぜん悪びれない探偵役を出そうか?」などと主張していますし、「メフィスト」ってトンデモであるにしても「推理」雑誌なわけですよね? しかも「東京ナイトメア」は「魔天楼」よりも後、つまりホラーアクション路線が確定した後に作られた話なのに、それでさえ「推理」雑誌に載るということであれば、「薬師寺シリーズは、すくなくとも当初はミステリー系推理小説を志向していたのではないか?」という私の推論はそれなりの妥当性がある、ということにもなるのではありませんかね?
<うわぁ真面目ですねぇ。こりゃそんな代物じゃないんです。お涼はオカルト認めてますよ。ただ、お涼は化け物にかこつけて暴れられればそれでいいんです。後片付けは面倒くさいからお由紀に押し付けただけで理由はなんでもいいのです。
で、由紀子は四角四面の堅物と言う設定なので、意地でもオカルトを認められない(この巻ではですね、後になると認めてますが)で、冤罪やっても常識的な線でまとめています。
で、そうやって真実から目を逸らしている警察組織をバカにして「警察と科学者がオカルトを認めちゃいけないの」と言って高笑いしているわけです。>
「警察と科学者がオカルトを認めちゃいけないの」的な対応を警視総監に迫っていた張本人はどこの誰でしたっけ? しかも警視総監は、怪物の存在を公にして事実を公表していれば辞任せずに済んだにもかかわらず。
それに「四角四面の堅物」ならば、警察官としてはオカルト云々よりも先に法律違反についてこそ目くじらを立てるべきだと思うのですけどね。自分達がやっていることは冤罪行為そのものである、ということを、まさか自覚できていなかったわけではないでしょうに。
自分の目の前にオカルトが存在するにもかかわらず「怪物の存在は絶対に認められない」「警察と科学者がオカルトを認めちゃいけない」などという固定観念を頑固に持ち続けた挙句、警察に冤罪のススメなどを促している真のバカこそが、薬師寺涼子に他ならないのですがね。あの美神令子の出来損ないが余計なことをしなければ、警察はすくなくとも支離滅裂な理由で冤罪行為をやらかすことはなかったというのに。
- 親記事No.7910スレッドの返信投稿
- board4 - No.8000
Re:マヴァール年代記
- 投稿者:S.K
- 2008年04月19日(土) 13時29分
> S.Kさんはじめまして、こんばんは。
>
こちらこそ宜しくです。
> >「三雄の中、ヒモ(リドワーン)の一人勝ち」
>
> 覇権を争った二人が共倒れして、「権力者なんてもうこりごり、できれば自由に旅して暮らしたいのに国公なんて……」って思ってたリドワーンに権力と旧友同士の大ゲンカの後始末が押し付けれられたので、ある意味リドワーンが一番割りに合わない気も。
>
親友二人が命を賭けてしまった物を、いくらいらないからと
言ってアンジェリナ姫に泣きを入れるシーンがなければ私も
ヒモとまで蔑まなかったでしょう。
どうせ逃げる程無責任にもなれないくせにぐずるのは無駄
極まりないと思いませんか?
> シミオンも大人しくしてれば、生き残って公国をそのまま持てたかもしれませんが……リドワーンが本気で権力を持ちたくないなんてとても信じられなかったんでしょうね。
シミオンの場合、まず趣味の規模を狭めて少しは真面目に
働くつもりでないと黒羊公国そのものが取り潰されたかも
しれません。
カルマーンには忠実で有能な、領主の務まる部下も多い
ですし、ヴェンツェルに「これあげるからおとなしく友達
でいてね」というエサとしても有用ですし。
- 親記事No.7904スレッドの返信投稿
- board4 - No.8001
Re:Re7995/7997:2者レス
- 投稿者:ダボ
- 2008年04月19日(土) 15時50分
> その手の描写って、ミステリー系推理小説にもそれなりに存在するものではありませんか? 密室殺人等に見られるような犯罪の不可能性などは、事件がいかに難解なものであるかを強調するために登場人物が口にしまくるものですし、妖怪の存在や怪異事件である可能性にしても、物語序盤では「これは○○の祟りじゃ!」「怪物の仕業だ!」などと大声で主張するピエロ役がいたりするものです。
> そういう「犯罪の不可能性」や「妖怪の存在や怪異事件である可能性」を全て合理的に説明して事件を解決し、読者に爽快感を与えるのがミステリー系推理小説の醍醐味なのですから、序盤にその手の描写がたくさんあっても、ただそれだけでは「これはミステリー系推理小説ではない」と断定するには至らないですね。ミステリー系推理小説の場合、名探偵の最後の説明こそが最も重要なものなのですから。
> その名探偵役の推理理論があんな電波な妖怪犯人説でしかないのではねぇ……(>_<)。これならば、最初から妖怪の存在を前面に押し出してその存在を大々的にアピールし、ホラーアクションであることを明示しておいた方がはるかにマシだったと思うのですが。
>物語序盤では「これは○○の祟りじゃ!」「怪物の仕業だ!」などと大声で主張するピエロ役がいたりするものです。
代わりに怪物の仕業だったのに、
<「今回の件はコンピューターが暴走した、と考えるのが妥当でしょう」>(ノベルズ版P46)
などと言った室町由紀子というピエロはいましたが(笑)
というのは冗談にしても、ホラーにおいて怪物を謎のまま引っ張るというのはそんなに特殊なことなんですかね?
「妖怪が直裁的に暴れている描写」が無ければホラー小説として認められないというのも随分と偏った意見だと思いますが?
>「これはミステリー系推理小説ではない」と断定するには至らないですね。
一見オカルトに見えて実は合理的のミステリーもあれば、合理的世界と思わせて実はというホラーもあるでしょう。
そもそもこれはホラーアクション小説であり、むしろ「これは【当初は】ミステリー系推理小説だった」と断定するには至らないのでは?というのが私の主張なので、別に断定できなくてもそういう考え方も出来る程度で問題ありません。
ミステリーの要素といってもせいぜい涼子達が警察として関係者に話を聞いた程度で、「怪しい発光現象を調査に来た科学特捜隊(ウルトラ警備隊の方が相応しいか)」程度のものでしかないと思いますが。
結局ファン(信者)にしてみれば、「勝手に読み違えておいて、何を見当はずれの批判しているの」で終わりにされるのではと思うのですよ。
ミステリー小説で『「犯罪の不可能性」や「妖怪の存在や怪異事件である可能性」を全て合理的に説明』したことに対して、「【当初は】ホラー小説を志向していたのに突然ミステリー小説に変わった」と批判するのと同じこと・・・とは言いませんが、「誰もミステリー系推理小説などと言ってないのにそれの出来が悪いと言われてもそんなことは知らん」で済まされるのではという懸念の方が強いです。
> この辺りは、「魔天楼」序盤の描写から第一印象でミステリー系推理小説として見た場合でも、そう見えるだけの妥当性はある、という話ですね。上の主張も含めて。
妥当性はあったとしても「断定」出来なければ批判としては弱いのではということです。
> では例の冤罪問題についてはどう説明します? 「怪物の存在は絶対に認められない」「警察と科学者がオカルトを認めちゃいけない」などというタワゴトを理由に高市理事長に無実の罪をなすりつけた件は。
> ここでいうオカルトというのは、疑問の余地なく例の怪物のことを指しているのですし、この描写は薬師寺涼子の傍若無人な性格の発露として書かれたものですらないのです。警視総監は、事件の詳細を全て公開して怪物に事件の全ての責任を負わせてしまえれば己の地位と名誉を保つことができたにもかかわらず、自分の地位を棒にふってまでこのタワゴトを実行したわけですし、堅物として描かれているはずの室町由紀子ですら、しかも法律違反のオンパレードであるにもかかわらず、この薬師寺涼子のタワゴト理論には当然のように従っている始末なのですから。ここでも、「ホラーアクションとなればそこまで厳密さが必要かとなるとやはり疑問です」となるのでしょうか?
> というか、厳密さ云々以前の問題として、そもそも、薬師寺シリーズの世界では怪物の存在が実際に確認されているにもかかわらず、それでもなお「怪物の存在は絶対に認められない」「警察と科学者がオカルトを認めちゃいけない」としなければならない合理的な理由が一体どこにあるのか、それ自体が作中では全く説明されていないのですけど。
「冤罪問題」については7990で同意しております。
涼子が、
<「青銅のライオン像までコンピューターに制御されていたわけじゃないでしょ。まさか、ロボットだったとも思えないしね」>(ノベルズ版P46)
と言っている様にこれでは公判を維持出来ないでしょう。冤罪をでっち上げまでして何も解決出来ず、かえってダメージを広げています。
これでは厳密さ以前の問題でしょう。
例えばどういった処理をするか明らかにせず、涼子に「面倒な後始末はお由紀にでも任せるわ」とでも言わせて有耶無耶しても(作品の出来としてはともかく)ホラーなら許容範囲だと思いますが。
余談になりますが、「怪物の存在は絶対に認められない」「警察と科学者がオカルトを認めちゃいけない」としなければならない合理的な理由は分かりませんが、怪物の存在が実際に確認されているにも関わらずそれが世界の常識になっていないのは、今まで世界の誰もそれを発表していないとか今回がはじめてのケースだったということですかね。
むしろ事勿れ主義だとか官僚批判のネタにでも使いそうな気もしますが。
> 実のところ、私はミステリー系推理小説として以上に、ホラーアクションとして見た薬師寺シリーズを全く評価していないものでしてね(苦笑)。
> 何故私がミステリー系推理小説としての観点から見た検証を行っていたのかについては、前の投稿でも述べていた通りですが、それとは別に、作中のオカルト否定の醜悪さを強調する手法として、「ミステリー系推理小説としての薬師寺シリーズは論外だが、ホラーアクションの観点から見た薬師寺シリーズはさらにダメダメである」という論理展開をやってみたかった、というのもあります。その方が「何も考えてなかった証拠」としての批判に+αの効果を加えることができると考えたものでして。
「ミステリー系推理小説としての薬師寺シリーズ」と言ったところで「見当外れ」と聞く耳を持たない可能性があるので、「ホラーアクションとして見た薬師寺シリーズを全く評価していない」のなら「ホラーアクションの観点から見た薬師寺シリーズは」「ダメダメである」だけで十分。と、いうのが私の主張です。
> 薬師寺シリーズのオカルト否定は、路線が確定しているはずの2巻以降にも相変わらず存在する始末ですからね~(>_<)。今後展開されるであろう薬師寺シリーズ考察でも、「オカルトに依存しながらオカルトを否定する滑稽な図式」は大きなテーマのひとつになるでしょうね。
次回以降も楽しみにしております。
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- board4 - No.8002
Re:Re7995/7997:2者レス
- 投稿者:つっくん
- 2008年04月19日(土) 17時55分
> >つっくんさん
> タナウツでは珍しいタイプな方の登場ですね(笑)。
> 薬師寺シリーズが銀英伝に次いで好きだ、という人を、私はタナウツで初めて見たような気がしますが(^^;;)。
ここまでふざけた主人公も珍しいからいいですねぇ、「ピカレスクロマン」として読んでいます。
お涼は、勧善懲悪(本人曰く「興味があるのは懲悪のみ」で「あたしが気に食わないことはそれが全て悪」)の単純なキャラクターですから安心して楽しめます。おまけにストーリーまでが水戸黄門よろしくワンパターンですし。
それに新刊このシリーズくらいしかないですしね。7都市物語やらタイタニアの続きも読みたいですが無理でしょうしね。
> 1.作中キャラクターの主張はあくまでも作中キャラクターの主張とした上で、その内容についての批判を行い、その作中キャラクターの矛盾と破綻を明らかにすることによって、そのような作中キャラクターおよび作品の破綻を作り出してしまった田中芳樹の作家責任を追及することができる。
> 2.小説外の対談やインタビュー記事等で、田中芳樹が作中キャラクターと同じ主張を展開していた場合、作中キャラクターの主張=田中芳樹の主張の図式は成立する。
冒険風ライダーさんてのは、田中センセが書いてあることはなんでも額面どおりに信じるんですか。それともそのフリをして田中センセを叩いているだけですか。
でもここまでけなしているのは額面どおり認識しているわけですから、カリンがユリアンに言った「民主主義って素敵ね」「だって伍長が中尉さんに命令できるんだもの、専制政治だったらこうはいかないわ」と言う台詞に対しては当然「田中は民主主義がわからないばか者だ。民主国家であれ上官に対し命令するなど軍令違反であり、そんなことも知らない田中は小説を書く資格がない」ってことになりますよね。じゃあ、「ろくでん」さんと一緒じゃないですか。逆にこれは男女の恋愛の機微だと言うならダブルスタンダードになりませんか。
とにかく、涼子シリーズに皆が言及しないのは、愚作以外にも主役キャラが清清しいほど自己中心で首尾一貫しているからです。
ちなみにお涼が弱者保護なんてことは本心では言ってません。要は相手を怒らせるようにまぜっかえしているわけだから、なんでもいいのです。何度も言うように「自分自身に関しないことについては、涼子はよく正論を吐くのである」からです。
「オカルトに依存しながらオカルトを否定する滑稽な図式」として摩天楼の冒頭のレストランで呪いとか風水を信じてないとか出してましたが、デートの最中(泉田はともかく、お涼の主観ではそうでしょう)に、支配人が下らない話をしだしたら、さっさと打ち切って、デートの相手との甘い会話に戻りたいじゃないですか。もっとも旧日本軍の呪いは「信じているの」とは聞いたが別に否定していないですがね。
泉田の底の浅い社会評論もノンキャリが政治家や上司や官僚組織をバカにしているだけなので、ストーリーを破綻するほどでもないと思います。というか、そもそも最初からストーリー破綻してませんかこれw。
事件発端、泉田お涼の愚痴(ただのノロケ)を言いながら登場
事件捜査という名のデート
犯人(怪物)と接触
二人で食事(デートの続き)
腹ごなしに襲ってきた犯人達と立ち回り(ここまでで、メイド部隊とお由紀部隊と接触)
独断と偏見と勘で真犯人を解明(でっち上げでも発見でもいい)
敵地に乗り込み大暴れ、犯人退治
毎回これだもんな、よくこんなもの批判する気になりますな。頭が下がります。
> 「警察と科学者がオカルトを認めちゃいけないの」的な対応を警視総監に迫っていた張本人はどこの誰でしたっけ? しかも警視総監は、怪物の存在を公にして事実を公表していれば辞任せずに済んだにもかかわらず。
> それに「四角四面の堅物」ならば、警察官としてはオカルト云々よりも先に法律違反についてこそ目くじらを立てるべきだと思うのですけどね。自分達がやっていることは冤罪行為そのものである、ということを、まさか自覚できていなかったわけではないでしょうに。
> 自分の目の前にオカルトが存在するにもかかわらず「怪物の存在は絶対に認められない」「警察と科学者がオカルトを認めちゃいけない」などという固定観念を頑固に持ち続けた挙句、警察に冤罪のススメなどを促している真のバカこそが、薬師寺涼子に他ならないのですがね。あの美神令子の出来損ないが余計なことをしなければ、警察はすくなくとも支離滅裂な理由で冤罪行為をやらかすことはなかったというのに。
これは違いますね。「怪物の存在は絶対に認められない」と言ったのはお由紀です。お涼はこう言ってます。P177「今夜の事件について、公式発表の内容を良く考えていてください。合理的な説明でつじつまを合わせていただきたいんです」
じゃあなんでこんなことを言うのか。要は自分が大暴れした後に責任を負いたくないから、こう言ってるんですね。
同じページに「涼子が席を譲るのは、譲った相手に責任を押し付ける場合にかぎるのだ。要するに涼子は派手なアクションを引き受ける代わりに、地道な捜査や尋問は由紀子に押し付けることにしたわけだ」と書いてあるとおりで、説明責任を果たしたくないから、上司に「合理的な説明」を押し付けたわけです。その裏には(どうせバカな警察官僚は怪物の仕業なんて言えないでしょ)と官僚組織をバカにしきった態度があるからです。
ちなみに巻を追うときちんとお涼の行動原理が説明されて「いま警察に通報すると、好き勝手ができない。だから知らん顔で、まずカタをつけた上で、後始末だけ警察にさせる気ですね」となるわけです。
ただ警視総監とお由紀の対応は問題ありますねえ。特にお由紀。でも警視総監に命令されたらあんなものじゃないですか。彼女は上役には従うし。このエピソードは日本の警察は無能で真実を見いだせなくて迷宮入りするのが関の山という田中センセの認識がでているんでしょうね。
お涼は何度も言うように自分が楽しめればそれでいいので、「法を捻じ曲げ、無実の人間を牢獄に放り込む。これこそ権力者で無ければ出来ない楽しみじゃなくって?」とほざいている人間に良識を求めても無駄でしょ。大体真実にもあまり興味ないし(金儲けには凄く興味がありますがね)
話は変わりますが「美神令子の出来損ない」というのはいやですね。美神令子は顔が嫌いだし、横島はまさに邪まなところが嫌いですから。「絶対可憐チルドレン」は面白いんですけどね。この辺は好みの差だと思います。ジパングなんてあほらしくて連載やめろと思ったし。まあ、お涼シリーズはお涼と泉田のコンビが気に入るか、気に入らないかで激しく評価が変わるので無理して読む必要ないと思いますけどね。辛いでしょ。こんな主人公。僕は大好きだけどw
ちなみに最近はこのシリーズ「長編新伝奇小説」と銘打たれていまして、伝奇小説とはwikiによれば「フィクションの根拠に、史実とは異なる歴史や血筋あるいは奇異な伝承・民話などを用いる小説の形式。たとえば「封印されていた古文書」であるとか「呪われた旧家の血筋」であるとか「某地方に伝わる風習」であるとか「歴史の裏舞台で暗躍した秘密組織」などを軸に何らかの超常現象や超能力も関与しながら物語が展開する。」となっています。更にそれに「新」がつくわけですから、小説の形態で批判するのはお門違いのような気がします。