-
- board2 - No.1027
LYCOSに登録されました!
- 投稿者:本ページ管理人
- 2000年06月15日(木) 12時16分
「田中芳樹を撃つ!」がLYCOSのディレクトリサービスに選ばれました。
16日の更新から、掲載される予定です。
【タイトル】田中芳樹を撃つ!
【URL】ttp://club.pep.ne.jp/~yusuke.i/
【カテゴリ】芸術と人文科学 > 文学 > SF・ホラー・ファンタジー > 田中芳樹
ここは前々から選ばれているサイトや分類の仕方が渋いとは思っていましたが、ついに選んでくれました。ありがたいことです。
いままで「知る人ぞ知る」的サイトであった本ページが、メジャーな権威であるライコスのディレクトリサービスに選ばれたことはとても意義あることだと思います。
もちろん、権威に固執して、そのことをひけらかすのは愚かです。しかしながら、田中芳樹氏や、その取り巻く環境が無視できない意見、勢力になるには、このことは大きな力になると思います。
これは、このサイトを引き立て、盛り立ててくださった皆さんのお力添えの結果でもあります。
この場を借りてお礼申し上げると共に、このサイトが、少しでも現状を変える言葉として役に立つことを願いたいと思います。
ヤフーを捨てライコスへ出よう!(笑)
- 親記事No.1005スレッドの返信投稿
- board2 - No.1028
Re: 面白いと思ったのですが付きませんね
- 投稿者:不沈戦艦
- 2000年06月15日(木) 15時44分
北村 賢志さんは書きました
> 皆さんもご存じの通り、田中氏の作品はどうも悪役キャラの底が浅く、主役級と比べて大幅に見劣りするため、今ひとつ話に深みが足りません。そこで一つ「こんなのがいた方が銀英伝にもっと深みがでただろう」キャラを考えてみました。
>
> 1,有能な大貴族の御曹司
> ご存じのように銀英伝の大貴族は全員が無能者揃いで、ラインハルトの敵としてあまりに情けない印象があります。
> ここは一つラインハルトに相対するに足る大貴族がいれば、話が盛り上がったのではないかと思います。
>
> ・士官学校でのラインハルトの先輩。在学中、シミュレーションでただ一人ラインハルトに勝利した経験があるといった逸話を入れる。指揮官としても有能だが、ラインハルトより階級は下(メルカッツと並ぶのも何なので大将ぐらいが適当)。
> ・大貴族中ただ一人ラインハルトの能力を見抜き高く評価している。ラインハルトが自分より階級が上になっても、当然のこととして受け止めるシーンを用意する。
> ・自分の理想と信念がある。ただしそれはあくまでも「ゴールデンバウム王朝を立て直す」という枠内に止まったものであり、ラインハルトとは敵対せざるをえない。
> ・内戦には批判的だが無能な父親を説得出来ず、やむなく貴族連合に参加。ここは肉親の情に引きずられる人間的な甘さを演出する。
> ・大貴族出身のため警戒され、メルカッツ以上に貴族連合内では足を引っ張られるため、正しい戦略眼を持っているがそれを生かす機会を与えられない。
> ・最後は当然、絶望的な戦闘にかり出され敗死。ただし大貴族中ただ一人、死後も階級を剥奪されることなく葬られたことがラインハルトの敬意を示す。
> ・話を大幅に変えるなら、ラインハルトの対抗馬となって共に同盟に侵攻するという形でのライバル関係もあり。
>
> というところでしょうか。ポイントは有能でありながら、あくまでも「旧体制の人間」であるというところです。
>
うーむ、確かにリップシュタット戦役は、ラインハルト軍が簡単に勝ち過ぎだ、と思ってました。大貴族連合軍が無能過ぎて、唯一善戦するのはメルカッツ上級大将だけ。シュターデンはミッターマイヤーに遊ばれただけですし。どうも両勢力の実力に懸隔がありすぎて、「戦闘」としてはあまり面白くないんですよね。まだ同盟の「救国軍事会議のクーデター」で発生した、ヤン艦隊と第十一艦隊の戦闘の方が、面白みがあります。
それで、北村さん考案のキャラを出した場合ですけど、あんまりあっさり負けにしてしまうと、面白みが減退するのではないかと思いましたけどどうでしょう?名無しなのもやりにくいので、仮に「フォン・タンネンベルク伯爵(大将)」とでもして(by 柘植久慶)、私流に話を考えてみましょう。
タンネンベルク伯は一個艦隊を与えられ奮闘し、ビッテンフェルトかケンプ、ミュラーあたりには快勝。シュターデンを破ったミッターマイヤーも勝てずに退却を余儀なくされます。ラインハルト軍を散々苦しめるタンネンベルク伯。対処に困ったラインハルトは、自らが出馬してタンネンベルクを倒そうとしますが、そこへ大貴族への不満が高じての、「ヴェスターラントの反乱」が発生。これに援助を与えず見殺しにせよ、というオーベルシュタインの提言を、ラインハルトは説得されて採用してしまいます。ここにこんなセリフを入れると面白いのでは。
「オーベルシュタイン、小賢しげな提案をするな。私がタンネンベルク伯と正面から渡り合って、勝てぬと云うのか。他人任せにせず、宇宙をこの手で掴むのが、私の生きる道なのだ」
「公爵閣下の信念は結構。しかし、それも敗れてしまっては、何物にもなりはしないでしょう。タンネンベルク伯は強敵です。公爵閣下もそれはよくご存じの筈。未だ、この戦役においては、我が軍は優位を確保してはおりません。万が一、公爵閣下がタンネンベルク伯に敗れた場合は、我が軍は終わりです。しかし、この提案を実施すれば、ヴェスターラントの民衆は犠牲にはなるものの、大貴族たちの基盤が崩壊する事は疑いありません。タンネンベルク伯も、その実力を発揮するどころではなくなるのです。支配者の感情だけで、敵との正面決戦を受けるなど愚の骨頂。我が軍の戦力と兵士の命は、公爵閣下の私物ではありません」
辛辣にラインハルトを批判するオーベルシュタインに、ラインハルトは何も言えなくなってしまいます。そして、しぶしぶではありますが、ヴェスターラントの見殺しを指示。「ヴェスターラントの虐殺」の宣伝によって、大貴族軍は一般兵士に反乱が続出し、ようやくラインハルト軍が優位を得ます。タンネンベルク伯はこの虐殺行為に激しく反対したものの、ブラウンシュヴァイク公に押し切られ、遂には疎まれてしまういます。最期は絶望的な戦闘への参加を強要され、「ゴールデンバウム王朝も終わったな」と自嘲しつつ、自分の旗艦と運命をともにします。
と、まあこんなところでどうでしょう?「大貴族中ただ一人、死後も階級を剥奪されることなく葬られたことがラインハルトの敬意を示す。」って北村さんの案は、いただいておきます。でも、このタンネンベルク伯を出すと、メルカッツ上級大将の存在が、霞んでしまいそうですね。
> 2,疎まれた同盟軍提督
> 3巻以降同盟軍の人事はトリューニヒト閥に専横されたとありますが、劇中はヤンやビュコックを少々いびる程度で、実際にワリを喰ったキャラが元々出番のないクブルスリー以外しかいないので、今ひとつ実感をつかみにくいところがあります。
> そこで実際にトリューニヒト閥に疎まれて、不遇な立場に置かれた同盟軍提督を一人出した方が良かったと思われます。
>
> ・年齢はどの世代でも可。艦隊司令官という地位にあるとすればヤンより年上が適当。ただフォークと同年輩でありながら、アムリッツァで活躍して昇進というのが後の「不幸」を際だたせる為に面白いかも。
> ・当然、指揮官としては有能で政治的にも無色。
> ・内戦時は首都にあり、身柄を拘束される。
> ・内戦終結後、艦隊司令官の職を解かれ左遷される。ビュコックが復職を要請するも、相手にされない。
> ・帝国軍の侵攻後にようやく復職するも、もはや時既に遅く以後は絶望的な戦闘を強いられる。最後はどこででもいいですが壮絶に戦死するでしょう。
> ・なお左遷先はフェザーンの駐在武官というのもあり。この場合、帝国侵攻時にはユリアン達に情報の消去を指示しつつ、自分はフェザーンの航路局のデータを消去せんとし、失敗して殺されるというのも面白い。当然、彼の死体を見ながらラインハルトは有能な提督にこのような仕打ちをする同盟政府への軽蔑をあらわにすることになる。
>
> 同盟政府の理不尽さを際だたせるためだけに存在するような不幸キャラであり、書いていて我ながらヒドイ扱いです。
>
> こういった「出てきた方がよかった」キャラは他にもいろいろと考えられると思います。そんなキャラを含めて「真・銀英伝」というのも考えてみるのも面白いかも知れません。
私は同盟軍の方は、あまりにあっさりトリューニヒト閥にいいようにされ過ぎだ、と思いましたけど。いじめられキャラより、閥に抵抗して軍の建て直しに邁進する、ビュコック以外の提督が欲しいと思うんですが。それこそ、ヤンも安心して任せられるような。救国軍事会議のクーデター以降、同盟軍が弱体化し過ぎなので、今ひとつだと思っていますので。ちょっとここは北村さんとは違いますね。
- 親記事No.906スレッドの返信投稿
- board2 - No.1029
Re1025:亡命は至難か容易か?
- 投稿者:平松重之
- 2000年06月16日(金) 03時20分
冒険風ライダーさん
> 帝国は建前上「人類社会における唯一絶対の支配国家」であると自称していますし、ダゴン星域会戦で同盟に敗北するまではその建前が完全に事実であると信じこんでいたのですから、そもそも「国家の税関」だの「入国管理などのチェックシステム」なんて存在していなかったのではないでしょうか。そして、そのような事情もあったからこそ同盟に亡命しやすかったという事情もあったのかもしれません。
> そして何よりも帝国側は亡命者の検挙にそれほど熱心ではなかった、これが大量の亡命者が同盟に逃げ込めた一番大きな理由だったでしょうね。
第四巻(トクマノベルズ)のP15には、エルウィン・ヨーゼフ二世を誘拐(救出)する為にオーディンに潜入したランズベルク伯とシューマッハ大佐がフェザーン自治政府発行の旅券と入国査証を有していた事が書かれているので、フェザーンへの入国管理や税関などのチェックシステムが存在した事は確かです。それなのに社会秩序維持局にマークされているはずの共和主義者が大量に亡命できるのでしょうか?また、同じく第四巻のP154からP155にはゴールデンバウム朝における最後の社会秩序維持局局長であったハイドリッヒ・ラングは職権を濫用して私服を肥やさなかった為に門閥貴族から変人扱いされ、「猟犬」と評されるほど職務に熱心で忠実であった事が書かれていますので、同盟に亡命する共和主義者だけを見逃していたとは考えにくいのでは?
- 親記事No.1005スレッドの返信投稿
- board2 - No.1030
Re:仮想リップシュタット戦役
- 投稿者:平松重之
- 2000年06月16日(金) 04時15分
リップシュタット戦役の話題が出て来た所で自分も一つ。不沈戦艦さん名づける所のフォン・タンネンベルク伯がリッテンハイム侯の幕僚であったという設定にして考えてみます。
ブラウンシュヴァイク公と袂を分かってガイエスブルク要塞から出撃し、辺境のキルヒアイス艦隊を討伐せんとする侯爵に対しタンネンベルク伯が進言する。
「閣下。このまま辺境星域に向かわず、首都星オーディンを直撃すべきです。ローエングラム侯はオーディンにはわずか3万の警備兵しか配置しておらず、占領は容易です。そうすれば皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世陛下を擁し奉って大義名分を奪う事が出来る上、ローエングラム侯の姉であるグリューネワルト伯爵夫人を人質とする事も出来ます。高速戦艦部隊を編成して本隊に先行させ、速やかに実行すべきです。閣下。ご決断を!」
リッテンハイム侯の功名欲に巧みに訴えたこの進言は直ちに採用され、タンネンベルク伯自らが編成し、指揮官となった高速起動艦隊がオーディンに向かう。それに気付いたラインハルトは慌ててミッターマイヤーを派遣して阻止しようとするが、さしもの「疾風ウォルフ」の快足をもってしても間に合わず、オーディンは占領されてしまう。宰相リヒテンラーデ公は自殺に追い込まれ、アンネローゼは捕らわれてしまう。かくしてリッテンハイム侯爵はエルウィン・ヨーゼフ二世を擁立し、勅命により公爵に進み、更に帝国宰相に就任しラインハルトから侯爵位、帝国軍最高司令官の地位を剥奪し、「賊軍」の烙印をそのまま返してしまう。タンネンベルク伯は功績によって侯爵に進み、上級大将ないし元帥に昇進。更に帝国軍最高司令官に新たに就任しリッテンハイム軍の指揮権を一手に握る。やがてはエルウィン・ヨーゼフ二世は退位し、リッテンハイム「公爵」の娘サビーネが初の女帝として即位する…。
果たして大義名分を奪われ、姉アンネローゼを人質に取られたラインハルトはどう動くのか?アンネローゼの身を心配するキルヒアイスは?出し抜かれ激怒するブラウンシュヴァイク公や他の門閥貴族の動向は?あるいは反リッテンハイムを旗に掲げローエングラム・ブラウンシュヴァイク連合成立か?(笑)こうして戦役が長引いてしまっている間に救国軍事会議のクーデターを鎮圧し、イゼルローンに帰還したヤン・ウェンリーに介入する余地は?
…失礼しました。話が脱線してしまいましたね。これじゃ反銀英伝だ(^_^)。
- 親記事No.906スレッドの返信投稿
- board2 - No.1031
Re1029:帝国の入出国事情と社会秩序維持局の活動
- 投稿者:冒険風ライダー
- 2000年06月16日(金) 08時53分
<第四巻(トクマノベルズ)のP15には、エルウィン・ヨーゼフ二世を誘拐(救出)する為にオーディンに潜入したランズベルク伯とシューマッハ大佐がフェザーン自治政府発行の旅券と入国査証を有していた事が書かれているので、フェザーンへの入国管理や税関などのチェックシステムが存在した事は確かです。それなのに社会秩序維持局にマークされているはずの共和主義者が大量に亡命できるのでしょうか?また、同じく第四巻のP154からP155にはゴールデンバウム朝における最後の社会秩序維持局局長であったハイドリッヒ・ラングは職権を濫用して私服を肥やさなかった為に門閥貴族から変人扱いされ、「猟犬」と評されるほど職務に熱心で忠実であった事が書かれていますので、同盟に亡命する共和主義者だけを見逃していたとは考えにくいのでは?>
平松さんが挙げているのは「フェザーンへの」ではなく「帝国への」入国管理や税関ですね。これはむしろありえる事ですよ。帝国へ入りこもうとする同盟やフェザーンあたりの不穏分子やスパイなどを摘発するためにも、また帝国が掲げている単一国家としての矜持にかけても「帝国へ入る人間に対する入国管理」は厳重に行う必要性があります。そもそも帝国から出国・亡命していく者はたくさんいるでしょうが、わざわざ入国しようとするような人間は商売目的のフェザーン人以外はあまりいないでしょうから、なおのこと「帝国に入るための入国管理」は徹底しておく必要性があるわけです。
しかし「帝国から出国する」となればそんな心配は全くないわけですし、亡命者達の件にしても、余程の事情でもない限り彼らはかつて一回入国してきたフェザーン商人の艦船に乗りこんでいるわけですから、それほどチェックも厳しくなかったのでは? あまり商人に対する監視を強化すると、フェザーン商人とフェザーン自治政府の帝国に対する態度が硬化してしまう恐れがありますから、それほどチェックを厳しくもできないのですよ。フェザーン商人と関係のある帝国内の商人や貴族からの圧力もあったでしょうしね。
したがって、入国と出国とでは帝国の管理体制が違ったのではないでしょうか。
それから共和主義者に対する取締りの件ですが、いくら社会秩序維持局が共和主義者を監視し、取締らなければならないとはいえ、何も全ての共和主義者を捕まえてくる必要性もないわけですよ。「処分の手間」がかかりすぎますし、そもそも現実問題としてそんな事はまず物理的に不可能ですから。
ですから、彼らが捕まえなければならない共和主義者とは、
1. 実際に帝国に対するテロ・ゲリラ活動を行った実行犯
2. 1の実行犯に指示を下した共和主義者の教唆犯ないしは組織的リーダー格
3. 密告によって挙げられた共和主義者
4. 社会秩序維持局の捜査官にマークされた共和主義者
(3・4には無実の人間も含まれる)
といったところでしょう。そして必要な時期に彼らを捕まえ、社会秩序維持局の存在感をアピールすれば、それで社会秩序維持局や帝国の面目も保てますし、共和主義者に対する示威・威嚇・抑止活動としても充分な効果を発揮します。
もちろん、上記に挙げた共和主義者たちは絶対に逃してはいけません。彼らの逃亡を許してしまったら社会秩序維持局や帝国政府の面目まる潰れですから、彼らに対しては何ら容赦なく捜査の手が加えられ、検挙されていった事でしょう(それでも逃亡に成功した者はいるかもしれませんが)。
しかし特に前科もなく、帝国の目をはばかって自分の意見表明を何ら行っていない「隠れ共和主義者」たちや「潜在的な不満分子」には、さしもの社会秩序維持局といえども手の出しようがないでしょう。彼らを検挙する理由が全くないですし、しょっちゅうそんなことをやってるような余裕もないですからね。だからそのような人達には監視の目は緩く、したがって亡命もしやすかったというわけです。
もっとも亡命者に対する威嚇として、時々思い出したように艦船に対する大規模かつ徹底的な臨検や共和主義者の大量検挙などがあったのかもしれません。警察の「ねずみ取り」のようなものと同じであると考えれば分かりやすいでしょうか。あまり効果があったとは思えませんけど。
-
- board2 - No.1032
通りすがりです
- 投稿者:シリウス
- 2000年06月16日(金) 20時53分
はじめまして、シリウスと申します。
何気に「田中芳樹」で検索を掛けたら此処に到着しました(笑)
私、実を申しますと皆さんと(どちらかと言えば)反対の人で、
田中先生(敢えて”先生”と称させて下さい)の単純なファンです。
おまけに「創竜伝」も好きです。でも此方では評判悪いですね。
私みたいなのは少数派なのでしょうか?まぁ、いいんですけど(苦笑)
本当は「単純なファン」として皆さんの御意見に反論すべきなので
しょうが、あまりに面白く読ませて頂いたのでやり難いったら。
大体、皆さん程知識も教養も有りませんし(笑)でも、折角なので
簡単な質問を。
皆さんにとって「小説」とはどういうものですか。私にとっては
「娯楽」以外の何物でもありません。勿論そこから影響を受けないと
言ったら語弊が有りますが、あくまでも楽しむ事を前提に読みます。
なので、此処で問題にされている「作品からの影響」というものは
少なくとも私には大した問題ではありません。皆さんは、作品から
大きな影響を受けられるのでしょうか?
何故こんな質問をするのか。
田中先生が「権力」の側にいて「影響」を与える「強者」であると
言う主旨の言が「緒言」や「田中芳樹の本が発禁になる?」の中に
ありましたが果してそうでしょうか?と思いまして。あの発言の
中では、政治(家)と同列であるかのように言われていましたが、
影響力の普遍性という意味で異なるように思うのですが。例えば、
政治によって「消費税率を上げる」となった場合、殆どの国民が
影響を受けますよね。でも「消費税率を上げるべきだ」と作品中に
書いた所で、どの程度の賛同を得られるでしょう?何より作品を
読んでいない人には何の影響も無い(笑)ちょっと例えが悪かった
ですね。要するに、「小説」(他のメディアでも可)から受ける
影響は、受け手次第だと思うと言いたい訳です。そこに示された
モノを盲信せず、自分で考える事を放棄しなければ良いのでは、と。
以上です。長文・乱文、申し訳有りません。宜しければソフトな
ツッコミを御願いします(苦笑)
- 親記事No.1005スレッドの返信投稿
- board2 - No.1033
旧帝国と同盟の人材難
- 投稿者:新Q太郎
- 2000年06月17日(土) 03時00分
> > 1,有能な大貴族の御曹司
> > ここは一つラインハルトに相対するに足る大貴族がいれば、話が盛り上がったのではないかと思います。
> > ポイントは有能でありながら、あくまで「旧体制の人間」であるというところです。
これって幕末でいうところの川路としあきら(「落日の宴」)小栗上野之介(「はんぱもの維新」)みたいな役どころでしょうか。でも、小栗が一般人気ぜんぜんないしなあ。
> >
> > 2,疎まれた同盟軍提督
> > 3巻以降同盟軍の人事はトリューニヒト閥に専横されたとありますが、劇中はヤンやビュコックを少々いびる程度で、実際にワリを喰ったキャラが元々出番のないクブルスリー以外しかいないので、今ひとつ実感をつかみにくいところがあります。
> いじめられキャラより、閥に抵抗して軍の建て直しに邁進する、ビュコック以外の提督が欲しいと思うんですが。
「銀英伝」の謎としてよく挙がるのが「♪同盟の名将 数えたら 片手でもあまる~帝国の名将 数えたら 両手でも たりない~」ちゅうアンバランスさ(元ネタわからんか?)。あのおかげで、シュミレーションゲーム作る人はえらく苦労したと思うんだが
- 親記事No.1005スレッドの返信投稿
- board2 - No.1034
レス有り難うございます
- 投稿者:北村 賢志
- 2000年06月17日(土) 05時27分
不沈戦艦さんは書きました
>でも、このタンネンベルク伯を出すと、メルカッツ上級大将の存在が、
>霞んでしまいそうですね。
私としては政治的に無色透明で「純粋な軍人」であるメルカッツはあのままで良いとして、仮称「タンネンベルク伯」に貴族側の正当性と理念を語ってもらいたいところです。
貴族制度そのものは歴史上、民主主義より遙かに長い期間存在したわけで、それなりの正当性と理念が有ったわけです(過去形ですが)。
ところが劇中、帝国の上流貴族階級は、無能で矮小な小悪党に過ぎず、ラインハルトに抗しうるものを何一つ示していません。
つまり有能な貴族の存在はリップシュタット戦役を、単に情けない悪役が格好いい主役になぎ払われるのではなく、理念同士の激突(まあヴェスターランドの一件はありますが)として話に深みを出するために必要だと思うのです。
そうだとすると士官学校を卒業したばかりのラインハルトを「共に帝国を立て直そう」と言って部下に誘うが、彼の理念を拒絶するラインハルトがそれを蹴るというエピソードもあれば面白いですね。
> 私は同盟軍の方は、あまりにあっさりトリューニヒト閥にいいよう
>にされ過ぎだ、と思いましたけど。いじめられキャラより、閥に抵抗
>して軍の建て直しに邁進する、ビュコック以外の提督が欲しいと思う
>んですが。それこそ、ヤンも安心して任せられるような。救国軍事会
>議のクーデター以降、同盟軍が弱体化し過ぎなので、今ひとつだと思
>っていますので。ちょっとここは北村さんとは違いますね。
ここは出発点は同じですが、視点が異なりますね。
私も不沈戦艦さん同様、あのままでは「同盟軍の弱体化の説明が不十分」だと思いました。そこで、それを説明できるキャラとして「いじめられ役」が必要だと判断したわけです。
元の話を出来る限りいじらない事を心がけると、あまり活躍させるわけにいかなくなってしまうため、どちらもさっさと消え去ることを意識しましたが、有る程度出番と活躍があることを前提に考えると確かにいろいろと面白いですね。
- 親記事No.906スレッドの返信投稿
- board2 - No.1035
Re1031:帝国の出国管理と社会秩序維持局の内情
- 投稿者:平松重之
- 2000年06月17日(土) 06時26分
冒険風ライダーさん
> 平松さんが挙げているのは「フェザーンへの」ではなく「帝国への」入国管理や税関ですね。これはむしろありえる事ですよ。帝国へ入りこもうとする同盟やフェザーンあたりの不穏分子やスパイなどを摘発するためにも、また帝国が掲げている単一国家としての矜持にかけても「帝国へ入る人間に対する入国管理」は厳重に行う必要性があります。そもそも帝国から出国・亡命していく者はたくさんいるでしょうが、わざわざ入国しようとするような人間は商売目的のフェザーン人以外はあまりいないでしょうから、なおのこと「帝国に入るための入国管理」は徹底しておく必要性があるわけです。
> しかし「帝国から出国する」となればそんな心配は全くないわけですし、亡命者達の件にしても、余程の事情でもない限り彼らはかつて一回入国してきたフェザーン商人の艦船に乗りこんでいるわけですから、それほどチェックも厳しくなかったのでは? あまり商人に対する監視を強化すると、フェザーン商人とフェザーン自治政府の帝国に対する態度が硬化してしまう恐れがありますから、それほどチェックを厳しくもできないのですよ。フェザーン商人と関係のある帝国内の商人や貴族からの圧力もあったでしょうしね。
> したがって、入国と出国とでは帝国の管理体制が違ったのではないでしょうか。
入国時のチェックが厳しいのならば、出国のチェックを厳しくした所でフェザーン側の反発が生じるとは考えにくいのでは?出国時にしても、亡命者の摘発以外にも機密漏洩の防止やスパイ網の連携への牽制など、厳重なチェックを行う大きなメリットはあると思うのですが。
> それから共和主義者に対する取締りの件ですが、いくら社会秩序維持局が共和主義者を監視し、取締らなければならないとはいえ、何も全ての共和主義者を捕まえてくる必要性もないわけですよ。「処分の手間」がかかりすぎますし、そもそも現実問題としてそんな事はまず物理的に不可能ですから。
> ですから、彼らが捕まえなければならない共和主義者とは、
>
> 1. 実際に帝国に対するテロ・ゲリラ活動を行った実行犯
> 2. 1の実行犯に指示を下した共和主義者の教唆犯ないしは組織的リーダー格
> 3. 密告によって挙げられた共和主義者
> 4. 社会秩序維持局の捜査官にマークされた共和主義者
> (3・4には無実の人間も含まれる)
>
> といったところでしょう。そして必要な時期に彼らを捕まえ、社会秩序維持局の存在感をアピールすれば、それで社会秩序維持局や帝国の面目も保てますし、共和主義者に対する示威・威嚇・抑止活動としても充分な効果を発揮します。
> もちろん、上記に挙げた共和主義者たちは絶対に逃してはいけません。彼らの逃亡を許してしまったら社会秩序維持局や帝国政府の面目まる潰れですから、彼らに対しては何ら容赦なく捜査の手が加えられ、検挙されていった事でしょう(それでも逃亡に成功した者はいるかもしれませんが)。
> しかし特に前科もなく、帝国の目をはばかって自分の意見表明を何ら行っていない「隠れ共和主義者」たちや「潜在的な不満分子」には、さしもの社会秩序維持局といえども手の出しようがないでしょう。彼らを検挙する理由が全くないですし、しょっちゅうそんなことをやってるような余裕もないですからね。だからそのような人達には監視の目は緩く、したがって亡命もしやすかったというわけです。
> もっとも亡命者に対する威嚇として、時々思い出したように艦船に対する大規模かつ徹底的な臨検や共和主義者の大量検挙などがあったのかもしれません。警察の「ねずみ取り」のようなものと同じであると考えれば分かりやすいでしょうか。あまり効果があったとは思えませんけど。
第六巻のP195ではブルームハルトが「祖父は単なる不平屋だったのに、共和主義思想家という事にされ帝国内務省に捕らわれて獄死した」と言っていますので、内務省内の社会秩序維持局は結構節操なく、証拠もなしに「共和主義者」を摘発していたのではないでしょうか。そもそも他者を監視し、抑圧する事を目的として設立された組織が些細な事例でそんな慎重に共和主義者の摘発にあたっていたでしょうか?充分な証拠もなく他者に罪を着せるのこういった組織(特高やゲシュタポなど)ではよくある事なのでは?むしろノルマ達成のために偏執的に共和主義者を摘発していた可能性が高く、ささやかな情報にも過敏になっていたと思うのですが(でなければ密告を奨励している意味がない)。
- 親記事No.1032スレッドの返信投稿
- board2 - No.1036
Re: 通りすがりです
- 投稿者:優馬
- 2000年06月17日(土) 07時37分
シリウスさんへ。
> 皆さんにとって「小説」とはどういうものですか。私にとっては
> 「娯楽」以外の何物でもありません。勿論そこから影響を受けないと
> 言ったら語弊が有りますが、あくまでも楽しむ事を前提に読みます。
> なので、此処で問題にされている「作品からの影響」というものは
> 少なくとも私には大した問題ではありません。皆さんは、作品から
> 大きな影響を受けられるのでしょうか?
はい、結構、無意識なところで影響受けていました。(過去形)
特に、消費税云々の個別のイシューではなくて、「ものの考え方」のパターン的な部分で。「久米宏的正義」にどっぷり浸かっていた間は、創竜伝も気持ちよく読めたのですが・・。「風潮としての正義」に違和感を感じるようになったら、とたんに創竜伝がつまらなくなりました。
自分が築いてきた世界観と、田中氏のそれが齟齬をきたすようになっていることに、ある日突然気がついたのですね!厳密には当サイトを訪れて初めて自覚しました。「好きな作家」を「ダメな作家」に区分し直すことの心理的抵抗は、ずいぶん大きかったですよ。
その驚きと落胆。(「私の青春を返して!」)
「批判」についつい力が入ってしまうのは、こういうルサンチマンがあるからだと思います。私の場合は、ですが。
私にとって、田中芳樹は「宇宙戦艦ヤマト」に似ています。
最初に熱狂させられて、のち死ぬほど失望させられるという・・・。
- 親記事No.906スレッドの返信投稿
- board2 - No.1037
Re1035:亡命問題いろいろ
- 投稿者:冒険風ライダー
- 2000年06月17日(土) 16時24分
<入国時のチェックが厳しいのならば、出国のチェックを厳しくした所でフェザーン側の反発が生じるとは考えにくいのでは?出国時にしても、亡命者の摘発以外にも機密漏洩の防止やスパイ網の連携への牽制など、厳重なチェックを行う大きなメリットはあると思うのですが。>
それだと帝国の貴族や皇族までが亡命できている事の説明がつかないのですよ。特に「機密漏洩の防止」という点では、彼らが亡命する事の方がよっぽど帝国にとって深刻な事態を招来させてしまうではないですか。何しろ彼らはかつて「帝国の中枢」にいて、帝国の内情についての詳細な情報を握っているはずなのですから。その彼らが大量に亡命できている事自体、帝国の出国チェックがそれほど厳しくなかった(あるいは「臨検側の規律が緩かったために相当に手が抜かれていた」)という何よりの証明でしょう。
それに亡命者を輸送する立場にある亡命者輸送業者達(よく考えてみたら、これは何もフェザーン商人だけであるとは限りませんね。帝国内の商人や亡命者を斡旋する「蛇頭」のような非合法的組織などもあったでしょうし)も帝国の臨検や捜索に対する対処のノウハウぐらいは身につけているでしょうし、臨検する側も亡命者輸送業者達からの賄賂や贈与に相当な期待をかけていたはずです。まあこんな事を期待する事自体、帝国政府や帝国軍の規律が相当に緩んでいる証明なのですけど、こんな事情があれば、余程重大な非常事態(重大事件の指名手配犯が逃走中で、彼らを逃すと自分たちの責任が問われかねないとか)でもない限り、出国に関しては臨検がおざなりで、そこを亡命者輸送業者達に巧妙に突かれてしまうために、大量の亡命者が出た可能性が高いのではないでしょうか。その程度の才幹を亡命者輸送業者達に期待しても良いはずです(でないと商売になりません)。
表面だけは厳しいように見えるが実態はいくつもの抜け道がある、というのはよくある事です。帝国の亡命者取締りの事例もそれに当てはまるのではないでしょうか。
<第六巻のP195ではブルームハルトが「祖父は単なる不平屋だったのに、共和主義思想家という事にされ帝国内務省に捕らわれて獄死した」と言っていますので、内務省内の社会秩序維持局は結構節操なく、証拠もなしに「共和主義者」を摘発していたのではないでしょうか。そもそも他者を監視し、抑圧する事を目的として設立された組織が些細な事例でそんな慎重に共和主義者の摘発にあたっていたでしょうか?充分な証拠もなく他者に罪を着せるのこういった組織(特高やゲシュタポなど)ではよくある事なのでは?むしろノルマ達成のために偏執的に共和主義者を摘発していた可能性が高く、ささやかな情報にも過敏になっていたと思うのですが(でなければ密告を奨励している意味がない)。>
私が言っているのが「全ての共和主義者を摘発するのは物理的に不可能である」という事にあるのは分かっていただけているのでしょうか? それに私は「隠れ共和主義者」とか「潜在的な不満分子」といった言葉を使っていたではないですか。公然と運動していたり、あるいは密告や社会秩序維持局に何らかの形でマークされているような人間であればともかく、そうでない者が自分の正体を隠すのはそれほど困難な事ではありません。ましてや、言論の自由がない帝国では「表面的には帝国に忠誠を誓っているフリをして実は……」という処世術を身につけていた人間も多かったでしょうしね。人間の内心なんてそんな簡単に分かるものでもないでしょう。
いくら社会秩序維持局が辣腕を振るったところで、彼らのような人間を全部監視・摘発するのは現実的にも物理的にも不可能です。彼らにできる事は、それがどのような形であれ(もちろんこれは「密告や捜査員の主観に基づいた摘発」も含まれます)、あくまでも「表面に出てきた容疑者」を監視・摘発する事だけなのですよ。そして、その辺りの隙を突いて「隠れ共和主義者」や「潜在的な不満分子」達が大量に同盟に亡命していったと私は考えているのですが。