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投稿ログ91 (No.1416 - No.1424)

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board2 - No.1416

Re1413:交渉決裂がもたらすリスクの問題

投稿者:冒険風ライダー
2000年09月21日(木) 12時25分

<確かに続は能力・識見から見ても交渉能力は充分でしょうが、それでも前にも言った通り「長兄の決定は、一家の方針」である竜堂兄弟に交渉を申し込むならば長兄である始と直接対話するのが自然であるのに、容姿で交渉相手を続に選んだレディLはやはり外交官としていささか資質を欠いているとしか思えないのですが。「支障がない相手」ではなく「より影響力のある相手」をこそ選ぶべきだったのでは?「トップとの会談」でなければならない理由は、この場合、「竜堂始が一家の中で絶対的な決定権を有している」と言う事でいいのでは?>

 いくら「竜堂始が一家の中で絶対的な決定権を有している」と言っても、竜堂続の外交交渉の成果を無視して反対の決断を下すわけにはいかないでしょう。それこそ竜堂兄弟の信頼に関わりますし、自分達の立場を著しく不利に陥れる事になってしまうのですから。もしそんなことをするのであれば、竜堂始もまた相当な愚か者と言うしかありません。「外交」とは交渉相手があってこそ初めて成立し得るものなのですから「自分が気にいらない」という単純な理由で独走するわけにはいかないものなのですよ。竜堂続のような短気で粗暴で感情的な思考法に基づいてしか動けない低能は、このあたりの常識を全く自覚していないから救いようがないのですが。
 まあ非常に身も蓋もない話をしてしまうと、あそこで竜堂続が交渉役に選ばれたのは、どちらかというと「相手を一方的に翻弄する竜堂続の毒舌ぶりを存分に発揮させる」という「ストーリー進行上の都合」の要素が大きいですからね。竜堂続の兄弟内における影響力や、その後の交渉過程と打算的な駆け引きなどを見ても決して非合理的な選択とは思いませんが、やや合理的な理由に欠けるところはあるのかもしれません。


<それでも最初から交渉を行うつもりでいたレディLと、食事をするつもりで来ただけの続とでは事情が異なるでしょう。最初から交渉するつもりであったレディLならば、当然竜堂兄弟についての情報も充分に収集していたはずですし、続が異常なまでに高いプライドの持ち主である事は充分にわきまえていたはずです。>
<これは一見甘い誘惑に思えますが、実の所「四人姉妹の下で?」という続の反問に対してレディLはそれを否定していないんですよね。この後で続は「あなたはぼくを南海紅竜王陛下と呼んだ。陛下と呼ばれる者が、誰かにひざを屈し、飼われてこころよしとするはずがないではありませんか」と言い放っています。これは確かに救い難いまでの露骨過ぎる自尊心の表現ですが、その自尊心の高さを事前に知っておきながら、「特権をくれてやるから四人姉妹の下につけ」などと言ったレディLも、相手の性格を充分に理解していなかったと言わざるを得ないでしょう。相手の心理を忖度出来なかったレディLはやはり外交官としては甘いのでは?どうせなら最初に「あなたがた兄弟の力と私の四人姉妹内の影響力を利用して、四人姉妹全体を簒奪してしまいましょう」とでも大胆な大風呂敷を竜堂兄弟に対して広げればよかったのに、と思うのですが(^^;)。>

 しかしいくら何でも、竜堂続があの自尊心の高さ「だけ」で、四人姉妹と同盟を組む利益や打算を何ら計算することなく相手との交渉を拒絶するとは、さすがのレディLも想定できなかったでしょう(笑)。むしろ相手を「聡明である」と評価するからこそ、日本の権力者集団を共通の敵とする共闘理由や同盟によって発生する利益を示せば話に乗ってくるだろうと考えるのが普通ですし、実際、あの場で竜堂続が四人姉妹との同盟を拒絶しなければならない合理的な理由など全くなかったのですから。
 それに「四人姉妹の下で」動かなければならないことがそれほどまでに拒絶しなければならないことですかね? 「組織の下で働く」なんて誰でもやっていることですよ。こんな理由で四人姉妹を拒絶するというのであれば、そもそも竜堂続はマトモに就職したりバイトで働いたりする事すらできないではありませんか(笑)。さらに「誰かの下につくこともイヤだ」というのであれば、竜堂続は普通一般の学校教育や自動車教習を受けることさえ全くできない事になります(爆)。「教育」というものは「教師の下についてものを教わる」事によって初めて成立するものなのですからね。
 レディLは確かに竜堂続の心理状態を忖度することができなかったのかもしれませんが、それは竜堂続の方が、常識の全く通用しない「狂人」だったからであって、「常識」に基づいて竜堂続と交渉し、利益と打算を提示する事で竜堂兄弟を味方につけようとしたレディLに非はないと思うのですがね。常識人が「キチガイ」の考え方や心理を忖度することなどできるわけがないのですし(笑)。


<別に楽観論を唱えている訳ではありません。ただ現実問題として、交渉が決裂したからといって後の外交の為の選択肢を迂闊に減らすような行為を行うのはどうか、という事です。交戦状態に入ったとしても、状況の変化によっては再び交渉を行う必要があるかもしれませんし。交渉が不首尾に終わったからと言って相手側の交渉人をその場で捕縛するなど、著しく礼儀に反しますし、相手に抜き難い不信感を与える結果になってしまいかねず、そうなれば再交渉を行う余地は少なくなります。何もあの場で続を捕らえずとも、後でも竜堂兄弟を捕らえる事は不可能ではないでしょう(現に第三巻では終がヘリで連れ去られています)。あの場で交渉が決裂したからと言って、後にあるかもしれない外交のチャンネルをレディLの方からせばめなければならない理由はないのでは?>

 もう何回言ったか分かりませんが、最初に一方的に交渉を拒絶し、四人姉妹を敵に回してしまったのは竜堂兄弟の方ですよね? その時点ですでに四人姉妹と竜堂兄弟との外交チャンネルは「竜堂兄弟側の手によって」断ち切られてしまっているではないですか。せっかく四人姉妹側が友好的に「対等の条件での外交交渉」を行おうとしていたにもかかわらず、それが竜堂続によって一方的に拒絶されてしまった以上、四人姉妹側が竜堂兄弟に対してそれ以上好意的に接触すべき理由など全くありません。両者の間で再交渉が行われるにしても、それはもはや「対等の条件での外交交渉」などではなく「一方が他方を脅迫する」ようなものにしかならないでしょう。だから「外交交渉」の観点から見ると、交渉が決裂した時点で竜堂続を捕縛しても、四人姉妹側にとってあまり大した影響はないのですよ。
 それと交渉を拒絶されたレディLが強攻策に訴えたのは、レディL個人の立場的な理由が大きいでしょう。たとえ如何なる理由があるにせよ、交渉を一方的に拒絶されて竜堂兄弟と敵対状態になってしまうという失敗を犯しておきながら、おめおめと手ぶらで帰ったら、レディLは上司(タウンゼントや四人姉妹最高司令部)から「無能者」の烙印を押されてしまうことになります。四人姉妹は「無能者」に対して全く容赦しませんから、レディLは「次善の策」で失点を挽回しようとしたのでしょう。実際、竜堂続がドラゴンに変身して力づくで脱出しようとしなければ、レディLの「次善の策」はそれなりに機能してもいたでしょうから、決して無意味な策であったわけでもありません。それが失敗したのはあくまでも「結果論」の話です。
 レディLにもレディL個人としての事情や立場による行動の限界というものがあるのですから、一連の行動はある意味ではやむを得ないものであったとも言えるわけで、特に必然的な理由があったわけでもない竜堂続の愚劣な対応以上に責められなければならないものであるとは思えないのですがね。

 それとこれは「染血の夢」計画における竜堂兄弟の愚劣な対応とも一部重なるのですが、あの時竜堂続は四人姉妹との交渉を一方的に拒絶する事に何らかの利益ないしは展望を見出すことができていたのでしょうか?
 理由はどうあれ、四人姉妹側は竜堂兄弟と同盟を組もうと接触してきたのに対して、竜堂兄弟側は日本の権力者集団に追われている立場にありました。そうであるならば、日本の権力者集団の権力に対抗することができる四人姉妹の申し出は、むしろ竜堂兄弟にとって都合の良いものであったはずです。
 しかもあの場で四人姉妹の申し出を断ってしまったら、ただでさえ日本の権力者集団を相手にしているところに四人姉妹まで敵に回る事になってしまい、自分達の生活がますます乱されることになってしまう程度の予測ぐらい、誰だって簡単に考える事ができるでしょう。竜堂続にはその程度の可能性についてさえ考える事ができなかったと言うのでしょうか?
 同盟を組む事によって生じる利益を捨て、交渉を拒絶する事によって発生するリスクを背負ってまで、四人姉妹との交渉を一方的に拒絶し、敵に回さなければならない合理的な理由(感情的な理由ではダメ)って一体どこにあるのでしょうか? この理由が明確なものにならない限り、レディLの失点は竜堂兄弟にとって有利な交渉材料(相手の失点を責める事によって自分達の主張が通りやすくなる)とはなり得ても、交渉を決裂させる要因にはならないのですけど。


<ところで、いまさら気付いたのですがこの一連の議論はどう結論が出ても創竜伝擁護にはなりませんね。どちらにしろ「創竜伝の登場人物は底が浅い」という結論になってしまうのですから(^^;)。>

 全くその通りですね(笑)。私も銀英伝やアルスラーン戦記などと違って創竜伝を擁護するつもりは全くないですし、アレだけ破綻思想と行動破綻を展開しているキャラクターをいくら叩き潰しても良心の呵責など全く覚えませんしね(笑)。
 もっとも、創竜伝のキャラクターがアレほどまでに阿呆の集団に仕立て上げられている責任は全て「とうちゃん」にあるのですから、彼らもある意味では「とうちゃん」の被害者であるとは言えるのかもしれないのですが。

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board2 - No.1417

創竜伝の職業を考える(ちょっと外れた横レス)

投稿者:本ページ管理人
2000年09月21日(木) 14時44分

>  それに「四人姉妹の下で」動かなければならないことがそれほどまでに拒絶しなければならないことですかね? 「組織の下で働く」なんて誰でもやっていることですよ。こんな理由で四人姉妹を拒絶するというのであれば、そもそも竜堂続はマトモに就職したりバイトで働いたりする事すらできないではありませんか(笑)。さらに「誰かの下につくこともイヤだ」というのであれば、竜堂続は普通一般の学校教育や自動車教習を受けることさえ全くできない事になります(爆)。「教育」というものは「教師の下についてものを教わる」事によって初めて成立するものなのですからね。


 また、よりによって続のバイトが「ホスト」なんですよね(^^;)
田中芳樹は超絶美形次男主人公だからホストなんかチョロいぜ~、とでも思ったのでしょうか?
 確かに美形であることは大変な武器でしょうが、「ホスト」という職業にとって、このことは実は決定打ではないですよね。それよりも、続の『あの』性格とホストという職業はまさに水と油だと言うことがよっぽど致命的だと思うんですけど…

 一体、どんな「仕事」をしているんでしょうか(笑)? わたしにゃまったく想像がつかん…
 なんとか頑張って想像して思いつくのが、続が野村サッチー風のマダムに迫られて爆発するシーン(^^;)
 想像力が足りないのでしょうか(笑)

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board2 - No.1418

Re: 更新しました Part2

投稿者:本ページ管理人
2000年09月21日(木) 14時59分

昨日の残りを更新しました。主にザ・ベスト関連です。
今回無くなった「秦檜」「涼子」「勝利の意義」「ヤンの責任1・2」は考察シリーズに統合されています。

それにしても、何度見ても大変な編集量です。
本当にありがとうございました。

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board2 - No.1419

Re: 大谷吉継とは違うでしょう

投稿者:不沈戦艦
2000年09月21日(木) 15時59分

Merkatzさんは書きました
> >ロイエンタールが杜撰な謀略に感情的になって乗ってしまい、結局順当に負けて死んでしまうってのはヒドイ。
>
> ここでしょうね。お互いの認識が違うのは。
> 私は「感情的になっ」たことを「ヒドイ」とは思っていないのです。
> だから、
>
> >「度し難いな」などと言いつつ支離滅裂な叛乱に邁進している事を自覚しながら、そのまま突き進んでしまうのでは、
> >さすがに庇えないのではありませんか?
>
> この部分に関してのみ、庇うというよりは違和感がないということです。
> 名将というのは能力面での評価であり、感情面での評価ではありません。
> だから短気で粗野でも名将はいます。
> 逆に人格的に円満=名将ではありません。
> ロイエンタールがラングに対する偏見から判断を誤ったというのは、
> 人間らしく自然であるといいたいのです。
>
> >別に追い詰められた訳でもないのに。「名将」なら、そのような判断はしないだろう、
> >さっさとフェザーンに出頭して、皇帝の下でオーベルシュタインとラングの非を訴えるのが筋、>とは思われませんかね?それを奨めたベルゲングリューンの判断の方が、
> >理性的だしマシな選択だと思いますが。
>
> だから、名将なら感情を排して常に理性的判断が出来なければおかしいとおっしゃる不沈戦艦さんの言い様は、人間らしくなく不自然に感じるのです。
> 例えば、三成の弱点を知りながら友情のため西軍に与した大谷吉継は、非理性的で愚かな判断をしたから、愚将であると言えますか?
> 大谷吉継は理性面では東軍勝利を予想していました。にもかかわらず西軍についた。
> 彼の後世の評価は愚将ですか?名将ですか?
>


 大谷吉継が評価されているのは、「石田三成への友情に殉じた」からですわな。自分の利益(家康に付けば家の滅亡はない)は抛って、友人への「義」を優先した訳ですから。さて、銀英伝の場合、ロイエンタールに「義」がありますか?何が何でも皇帝に刃向かって戦わなければならないせっぱ詰まった理由が。はっきり言って「皇帝と戦ってみたい」「自分が覇者になりたい」くらいでしょう?「私利私欲」なんですよね、ロイエンタールの心情は。私利私欲で物事を行う(しかも結果は、多大な流血ときたものでは)人は、普通はあまり高い評価はされませんわな。そういうことです。「皇帝が悪政をやっている」とかでないと、ロイエンタールの行動は正当化できないとは思いませんか?仮にロイエンタールが大義名分とした「オーベルシュタインとラングが国政を壟断している」が本当だしても、それによって大弾圧が発生して民衆が大虐殺された、とでもいうのならともかく、民の艱難辛苦が全く発生していな状況で、権力欲しさに戦乱を起こすような人間の行動は正当化できないのは当然でしょう。しかも、実質的に戦った場合の負けは解りきっており、なおかつその事態をロイエンタールの決断一つで避けることが可能(皇帝の下に出頭すればいいだけ)だとすれば、わざわざ自分が破滅する方向に突っ走っていったロイエンタールは、「名将」とは到底言えない(叛乱事件に関しては)と思いますけどね。




> ロイエンタールは将としては限りなく完璧に近いものでありながら、人間としての不完全さというアンバランスから破滅したのです。
> 彼の人間的部分について、名将だからこうでなければならない云々というのは筋違いというものでしょう。
>

 ちょっとその「人間としての不完全さ」は異常じゃないか?とは思いませんかね。別に私は「名将は完璧でなければならない」と言っている訳じゃないですよ。地球教とルビンスキー、ラングの謀略に対する対応が「あまりにも愚劣だ」と言っているだけで。

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board2 - No.1420

Re: 買う理由

投稿者:モトラ
2000年09月21日(木) 16時15分

> 例えば創竜伝ですけど、社会批評や中国礼賛など無駄な部分があっても、読者の側としては、竜堂兄弟の活躍(漫才?)を読むために、創竜伝を買うのでしょう。
>
> それを田中芳樹の方が、創竜伝は竜堂兄弟のキャラで売れているのではなく、批評・中国関係も含めて売れていると思っているかもしれないことが問題なのでは無いでしょうか?

恥ずかしながら、私は批評目当てで買っていました。
「銀英伝」「アルスラーン」「創竜伝」でブームが来た当時、購読していた「OUT」というアニメ雑誌では、たびたび読者投稿で構成された田中作品特集が組まれましたが、その内容からも、進歩的(反日的)社会観に共感する読者がかなりの割合で存在していたのは確実です。

その角度から見た田中芳樹の魅力は

・己の、バリバリ進歩的社会観を裏打ちしてくれる。
・大嫌いな保守派の権力者どもを、コテンパンにしてくれる。
・保守的な方に突っ込み入れられた時の反論のケーススタディになる。
・中国の歴史・近代日本史・現代社会の諸問題等の勉強になる(穴があったら入りたい…)

こんなところでしょうか。ろくに知る努力もせずノベルス読んでいっぱしの論客気取りになる読者と、ミスリードで勘違い野郎を大量生産する田中芳樹のコマッタ蜜月。

毎度の自分語り。
「ケルルン・クック」の体験がありながら、「ぴるる」話に対して何の疑問も持とうとしなかった、ファンであった頃の私は、宗教にはまった人間の行動パターンに近いものがあります。どんなに矛盾だらけの支離滅裂な内容でも「教祖様が言っているのだから間違い無い」と、信者だけの間で何百万部というベストセラーになるアレ。繰り返し教えを学び(何度も読み返す、新刊が出たそばから読み倒す)、日々布教に努め(興味の無い友人に、しつこく勧めて辟易される)、著者(教祖)や作品(教典)への批判をかたくなに拒絶し、時に自ら進んで盾となる…嗚呼。

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board2 - No.1421

Re:これもちょっと違う

投稿者:不沈戦艦
2000年09月21日(木) 16時22分

平松重之さんは書きました

> 第十巻ではオーベルシュタインはヴェルゼーデ仮皇宮にラインハルトを囮にして地球教の残党をおびき寄せる謀略を弄しています。まあ、この時点ではラインハルト自身はすでに死は免れない状態でしたが、仮皇宮にはラインハルトの死後皇帝となるアレクサンデル・ジークフリードと摂政となる皇后ヒルデガルドがいました。この二人が死んでしまえばローエングラム王朝は瓦解する事は分かりきっている事であるにも関わらずオーベルシュタインは策を実行していますけど…。これから考えれば「明らかにラインハルトの命が危険に晒された謀略は、オーベルシュタインのものではない」とは言えないのでは?


 いついかなる場合も「明らかにラインハルトの命が危険に晒された謀略は、オーベルシュタインのものではない」なんて私は言ってませんよ。「9巻の時点では、自分の理想を実施する為に必要な、唯一絶対の君主を危険にさらすことは、オーベルシュタインにはできない」と言っているだけで。10巻の時点では、極端な事を言えばオーベルシュタインにとってはもうラインハルトは「死んだ人」な訳でしょう?世継ぎがいますから、そちらが生存していればよろしい訳で。「地球教の残党を全滅させる為なら、ラインハルトが地球教に殺されても構わない」と思っているからこそ、ああいう事をするとは思いませんか。前提条件が違いますよ。それと、警備の兵は万全に配備していますし(諸提督も揃っている)、地球教残党の戦力もたかが知れています。ウルヴァシー事件の危機的状況(四面楚歌に近い)とは比較できないと思いますね。



>  更に言えば「明らかにラインハルトの命が危険に晒された謀略は、オーベルシュタインのものではない」と主張が正しいとしても、問題なのはロイエンタールが「ウルヴァシー事件」における皇帝襲撃の詳しい事情を知りえる立場にいなかった、という事です。(九巻のP124にはロイエンタールの元にもたらされる「ウルヴァシー事件」の情報について「量的に貧弱な上、いちじるしく整合性を欠いた」と書かれています。)となれば当然「本当に皇帝は命を狙われたのか?実はオーベルシュタインないしラングが仕組んだ謀略で、皇帝が生き伸びたのは奴らの緻密な計算通りではないのか?」という疑惑が生じる余地が出来るのでは?いかにルッツが死んだとはいえ、キルヒアイスが自分の進言が一因で死んでも超然とした態度を保っているオーベルシュタインならルッツを犠牲にしてまで謀略を断行しても不自然ではない、という事なのでは?

 キルヒアイスについては、オーベルシュタインは、キルヒアイスを殺そうと思って結果的に死に至らしめた訳じゃないでしょう?一緒にはできませんよ。「本当に皇帝は命を狙われたのか?実はオーベルシュタインないしラングが仕組んだ謀略で、皇帝が生き伸びたのは奴らの緻密な計算通りではないのか?」と言ったって、ロイエンタールは戦場の将なのですから、「自分が現場で戦闘指揮を行ったところで、予定通り行くとは限らない。突発的な事態でガラガラ崩れることもある」という事は百も承知だと思いますが。しかも、「オーベルシュタインの謀略」だとしたら、オーベルシュタインは現場にいない状態で、フェザーンから遠隔制御せねばならんのですわな。現場で直接指揮を執ってもうまくいくとは限らないようなものを、遠隔制御で精緻に行える(ルッツは殺しても皇帝は殺さないように)と思います?そう思い込んだとしたら、ロイエンタールはやはりおかしいのでは?



>  更には「ルビンスキーと地球教は、ウルヴァシー事件でラインハルトを殺すつもりはなくても、仮にラインハルトが死んだところで彼らの構想が全て終わってしまい、破滅することはない」という主張についてですが、果たして彼らは「破滅しないで済んだ」という消極的な結果で満足するような連中ですかね?ルビンスキーはこの時点で悪性の脳腫瘍を煩っていて死が近づいているのをうすうす感じていたでしょうから、「破滅しないで済んだ」なんて事で満足出来る訳ないでしょう。あの時点で破滅しなくてもいずれは数年以内に病気で死んでしまうんですから。地球教はというと彼らの悲願は地球教の教えを基本とした祭政一致の人類社会統一国家を樹立する事でしたから、彼らにしてみればその悲願が遠のいてしまうのを「破滅しなくて済んだからいいや」で済ませられはしないでしょう。何せ彼らは狂信者なのですから。
>

 あのー、言っている意味解っています?「破滅しないでいいや」じゃなくて、「地球教には、皇帝の命を危険にさらしても謀略を行う事に意味がある」けど、「オーベルシュタインには、9巻の時点では唯一絶対の皇帝の命を危険にさらす謀略は行えない」と言っているのですが。「狂信者」なればこそ、「皇帝は殺さずにやるのだ」と都合良く思い込んで、「皇帝の命を危険にさらす謀略」を行う事を、ためらいはしない、ということですね。逆にオーベルシュタインは絶対に行えない訳で。




>
>  この際問題なのはロイエンタールの主観でしょう。オーベルシュタインの謀略手腕に対しての過大評価・ラングの己への歪んだ憎悪に対する自覚・「ウルヴァシー事件」についての情報の不足等を総合してみれば「ウルヴァシー事件はオーベルシュタインないしラングの策謀である」という結論が生じたのはそれほど無理はないと思うのですが。
>  ついでに言えばオーベルシュタインがロイエンタールを失脚させようとする、というのはありえない事ではないと思います。というのもオーベルシュタインは強硬な「ナンバー2不要論者」ですから、「新領土総督」という強大な地位とそれに伴う権限(同盟の旧領の支配権及び三万隻の艦隊を擁し、しかも地位は各尚書に匹敵)を手に入れたロイエンタールを「ナンバー2」とみなし、勢力を削りにかかる事は充分にありえたのでは?そしてロイエンタールもそれは承知していたのではないでしょうか。

 どうにもこうにも銀英伝の登場人物(特にラインハルトの麾下の提督)は、オーベルシュタインを過大評価し過ぎだと思いますね。しかも、「戦乱が収まったら功臣は粛清される」という、中国史的な思いこみが激しいですし。「勢力を削りにかかる」となった場合、いきなり反乱者に仕立て上げるんですか?あまりに常軌を逸してませんかね。大体、オーベルシュタインは「戦乱を好む皇帝」に批判的だったのでは。何でオーベルシュタインが謀略で大乱を起こそうとする、となるのか。あまりに変なのでは。

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board2 - No.1422

Re: そろそろまとめませんか?

投稿者:平松重之
2000年09月22日(金) 03時21分

冒険風ライダーさん

>  しかしいくら何でも、竜堂続があの自尊心の高さ「だけ」で、四人姉妹と同盟を組む利益や打算を何ら計算することなく相手との交渉を拒絶するとは、さすがのレディLも想定できなかったでしょう(笑)。むしろ相手を「聡明である」と評価するからこそ、日本の権力者集団を共通の敵とする共闘理由や同盟によって発生する利益を示せば話に乗ってくるだろうと考えるのが普通ですし、実際、あの場で竜堂続が四人姉妹との同盟を拒絶しなければならない合理的な理由など全くなかったのですから。
>  それに「四人姉妹の下で」動かなければならないことがそれほどまでに拒絶しなければならないことですかね? 「組織の下で働く」なんて誰でもやっていることですよ。こんな理由で四人姉妹を拒絶するというのであれば、そもそも竜堂続はマトモに就職したりバイトで働いたりする事すらできないではありませんか(笑)。さらに「誰かの下につくこともイヤだ」というのであれば、竜堂続は普通一般の学校教育や自動車教習を受けることさえ全くできない事になります(爆)。「教育」というものは「教師の下についてものを教わる」事によって初めて成立するものなのですからね。
>  レディLは確かに竜堂続の心理状態を忖度することができなかったのかもしれませんが、それは竜堂続の方が、常識の全く通用しない「狂人」だったからであって、「常識」に基づいて竜堂続と交渉し、利益と打算を提示する事で竜堂兄弟を味方につけようとしたレディLに非はないと思うのですがね。常識人が「キチガイ」の考え方や心理を忖度することなどできるわけがないのですし(笑)。

これまでの議論の流れや二巻を読み返してみても、確かに竜堂続の病的なまでの自尊心の高さが事態を破局に追い込んだ一番の理由でしょうね。ですが自分としては今でもレディLの交渉に対する姿勢にも軽視し得ない失点があったという印象はぬぐえないです。

>  もう何回言ったか分かりませんが、最初に一方的に交渉を拒絶し、四人姉妹を敵に回してしまったのは竜堂兄弟の方ですよね? その時点ですでに四人姉妹と竜堂兄弟との外交チャンネルは「竜堂兄弟側の手によって」断ち切られてしまっているではないですか。せっかく四人姉妹側が友好的に「対等の条件での外交交渉」を行おうとしていたにもかかわらず、それが竜堂続によって一方的に拒絶されてしまった以上、四人姉妹側が竜堂兄弟に対してそれ以上好意的に接触すべき理由など全くありません。両者の間で再交渉が行われるにしても、それはもはや「対等の条件での外交交渉」などではなく「一方が他方を脅迫する」ようなものにしかならないでしょう。だから「外交交渉」の観点から見ると、交渉が決裂した時点で竜堂続を捕縛しても、四人姉妹側にとってあまり大した影響はないのですよ。
>  それと交渉を拒絶されたレディLが強攻策に訴えたのは、レディL個人の立場的な理由が大きいでしょう。たとえ如何なる理由があるにせよ、交渉を一方的に拒絶されて竜堂兄弟と敵対状態になってしまうという失敗を犯しておきながら、おめおめと手ぶらで帰ったら、レディLは上司(タウンゼントや四人姉妹最高司令部)から「無能者」の烙印を押されてしまうことになります。四人姉妹は「無能者」に対して全く容赦しませんから、レディLは「次善の策」で失点を挽回しようとしたのでしょう。実際、竜堂続がドラゴンに変身して力づくで脱出しようとしなければ、レディLの「次善の策」はそれなりに機能してもいたでしょうから、決して無意味な策であったわけでもありません。それが失敗したのはあくまでも「結果論」の話です。
>  レディLにもレディL個人としての事情や立場による行動の限界というものがあるのですから、一連の行動はある意味ではやむを得ないものであったとも言えるわけで、特に必然的な理由があったわけでもない竜堂続の愚劣な対応以上に責められなければならないものであるとは思えないのですがね。

 ですから、別にレディLの方が竜堂続よりも悪いとは言ってはいません。ただ状況を悪化させた責任の一端は、レディLにも少なからずあると主張しているだけなのですが。まあ確かに交渉技術に関してはレディLは「詰めが甘い」にとどまりますが、竜堂続と来たらそれ以前の問題ですね(^^;)。

>  それとこれは「染血の夢」計画における竜堂兄弟の愚劣な対応とも一部重なるのですが、あの時竜堂続は四人姉妹との交渉を一方的に拒絶する事に何らかの利益ないしは展望を見出すことができていたのでしょうか?
>  理由はどうあれ、四人姉妹側は竜堂兄弟と同盟を組もうと接触してきたのに対して、竜堂兄弟側は日本の権力者集団に追われている立場にありました。そうであるならば、日本の権力者集団の権力に対抗することができる四人姉妹の申し出は、むしろ竜堂兄弟にとって都合の良いものであったはずです。
>  しかもあの場で四人姉妹の申し出を断ってしまったら、ただでさえ日本の権力者集団を相手にしているところに四人姉妹まで敵に回る事になってしまい、自分達の生活がますます乱されることになってしまう程度の予測ぐらい、誰だって簡単に考える事ができるでしょう。竜堂続にはその程度の可能性についてさえ考える事ができなかったと言うのでしょうか?
>  同盟を組む事によって生じる利益を捨て、交渉を拒絶する事によって発生するリスクを背負ってまで、四人姉妹との交渉を一方的に拒絶し、敵に回さなければならない合理的な理由(感情的な理由ではダメ)って一体どこにあるのでしょうか? この理由が明確なものにならない限り、レディLの失点は竜堂兄弟にとって有利な交渉材料(相手の失点を責める事によって自分達の主張が通りやすくなる)とはなり得ても、交渉を決裂させる要因にはならないのですけど。

 確かに竜堂兄弟の行動原理は基本的に感情的な理由が大部分を占めている様に見えますね。あるいは竜種の鋭敏な「直感」に導かれているとか(^^;)。竜堂兄弟の行動原理についてぜひ彼ら自身に直接聞いてみたいものです。でもツッコミ過ぎると膝を蹴り砕かれるかも(^^;)。

>  もっとも、創竜伝のキャラクターがアレほどまでに阿呆の集団に仕立て上げられている責任は全て「とうちゃん」にあるのですから、彼らもある意味では「とうちゃん」の被害者であるとは言えるのかもしれないのですが。

 どうせなら敵役にオーベルシュタインの様なキャラクターを登場させれば多少は面白くなるかも知れませんね。もっとも、その分ストーリーをまとめるのが難しくなるでしょうが。

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board2 - No.1423

Re:地球教の事情とロイエンタールの認識

投稿者:平松重之
2000年09月22日(金) 04時42分

 不沈戦艦さん

>  いついかなる場合も「明らかにラインハルトの命が危険に晒された謀略は、オーベルシュタインのものではない」なんて私は言ってませんよ。「9巻の時点では、自分の理想を実施する為に必要な、唯一絶対の君主を危険にさらすことは、オーベルシュタインにはできない」と言っているだけで。10巻の時点では、極端な事を言えばオーベルシュタインにとってはもうラインハルトは「死んだ人」な訳でしょう?世継ぎがいますから、そちらが生存していればよろしい訳で。「地球教の残党を全滅させる為なら、ラインハルトが地球教に殺されても構わない」と思っているからこそ、ああいう事をするとは思いませんか。前提条件が違いますよ。それと、警備の兵は万全に配備していますし(諸提督も揃っている)、地球教残党の戦力もたかが知れています。ウルヴァシー事件の危機的状況(四面楚歌に近い)とは比較できないと思いますね。

 自分はちゃんとラインハルト死後に帝国の支配者となるアレク大公と皇后ヒルダが仮皇宮にいる事について言及していたはずですけど?ついでに言えば大公妃アンネローゼも一緒におり、ラインハルトの親族は仮皇宮に勢ぞろいしていたのです。彼らはラインハルトの傍らにいたのですから、ラインハルトが殺される時は彼らにも危害が及びますよ。「自分の理想を実施する為に必要な、唯一絶対の君主を危険にさらすことは、オーベルシュタインにはできない」ならば、二代皇帝となるアレクサンデル・ジークフリードを危険にさらしているのはどういう訳なのでしょうか?この点から考えれば「地球教の残党を全滅させる為なら、ラインハルトが地球教に殺されても構わない」という論法は少し変なのでは?
 また「警備の兵は万全に配備しており、地球教残党の戦力もたかが知れている」のに、オーベルシュタインが爆殺されてしまったのは何故なのでしょうか?これから考えればラインハルト一家に害が及ぶ可能性も高かったと言えるのでは?

>  キルヒアイスについては、オーベルシュタインは、キルヒアイスを殺そうと思って結果的に死に至らしめた訳じゃないでしょう?一緒にはできませんよ。「本当に皇帝は命を狙われたのか?実はオーベルシュタインないしラングが仕組んだ謀略で、皇帝が生き伸びたのは奴らの緻密な計算通りではないのか?」と言ったって、ロイエンタールは戦場の将なのですから、「自分が現場で戦闘指揮を行ったところで、予定通り行くとは限らない。突発的な事態でガラガラ崩れることもある」という事は百も承知だと思いますが。しかも、「オーベルシュタインの謀略」だとしたら、オーベルシュタインは現場にいない状態で、フェザーンから遠隔制御せねばならんのですわな。現場で直接指揮を執ってもうまくいくとは限らないようなものを、遠隔制御で精緻に行える(ルッツは殺しても皇帝は殺さないように)と思います?そう思い込んだとしたら、ロイエンタールはやはりおかしいのでは?

 いや、別にキルヒアイスの死とルッツの死を一緒にしているつもりはありません。 ただ自分の意見が一因でキルヒアイスが死んでも冷然としているオーベルシュタインならば、自分の策で結果的にルッツが死んでも平然としているだろうという先入観がロイエンタールにはあったのではないか、と言いたかっただけなのですが。
 それに謀略を考案した人間が直接現場で指揮を取るとは限らないでしょう。能力的に信頼できる部下に作戦を説明して送り込めばいい事です。送り出した後に考案者は大局的に成功した時と失敗した時の事を考えればいい訳で。

>  あのー、言っている意味解っています?「破滅しないでいいや」じゃなくて、「地球教には、皇帝の命を危険にさらしても謀略を行う事に意味がある」けど、「オーベルシュタインには、9巻の時点では唯一絶対の皇帝の命を危険にさらす謀略は行えない」と言っているのですが。「狂信者」なればこそ、「皇帝は殺さずにやるのだ」と都合良く思い込んで、「皇帝の命を危険にさらす謀略」を行う事を、ためらいはしない、ということですね。逆にオーベルシュタインは絶対に行えない訳で。

 ですから、あの時点でラインハルトに死なれては困るのは、オーベルシュタインも地球教もルビンスキーも同じでしょう。この辺りの認識にはいささかズレが生じていますね。地球教の実権を握っているド・ヴィリエは他の信者とは一線を画した非常に野心的な人物でしたので、ラインハルトが死んで自分の野望が潰えてしまう事を容認する事は出来なかったでしょうから、彼もラインハルトが死んでしまう様な策を弄する事はしなかったはずです。ウルヴァシーにおいての襲撃が粗雑だったのは単に現場で直接指揮していた信者がヘボかったからだと思います。あの教団、小説を読んだ限りではロクな人材がいないようでしたからね(笑)。その上内部にはささやかながら不協和音があり、一部にはラインハルト暗殺にこだわる信者もいました(第九巻P236下段)。ド・ヴィリエに皇帝を殺す気はなくとも、襲撃グループ内の近視眼な信者の中には皇帝を殺そうとした者もいて、それによりラインハルトの命が危険にさらされたとも考えられます。

> >  この際問題なのはロイエンタールの主観でしょう。オーベルシュタインの謀略手腕に対しての過大評価・ラングの己への歪んだ憎悪に対する自覚・「ウルヴァシー事件」についての情報の不足等を総合してみれば「ウルヴァシー事件はオーベルシュタインないしラングの策謀である」という結論が生じたのはそれほど無理はないと思うのですが。
> >  ついでに言えばオーベルシュタインがロイエンタールを失脚させようとする、というのはありえない事ではないと思います。というのもオーベルシュタインは強硬な「ナンバー2不要論者」ですから、「新領土総督」という強大な地位とそれに伴う権限(同盟の旧領の支配権及び三万隻の艦隊を擁し、しかも地位は各尚書に匹敵)を手に入れたロイエンタールを「ナンバー2」とみなし、勢力を削りにかかる事は充分にありえたのでは?そしてロイエンタールもそれは承知していたのではないでしょうか。
>
>  どうにもこうにも銀英伝の登場人物(特にラインハルトの麾下の提督)は、オーベルシュタインを過大評価し過ぎだと思いますね。しかも、「戦乱が収まったら功臣は粛清される」という、中国史的な思いこみが激しいですし。「勢力を削りにかかる」となった場合、いきなり反乱者に仕立て上げるんですか?あまりに常軌を逸してませんかね。大体、オーベルシュタインは「戦乱を好む皇帝」に批判的だったのでは。何でオーベルシュタインが謀略で大乱を起こそうとする、となるのか。あまりに変なのでは。

「中国史的な思いこみが激しい」のは、身も蓋もなく言ってしまえば作者の意図がキャラクターに繁栄しているのでしょう(笑)。まあロイエンタールは「フェザーンに出頭すれば俺は惨めにオーベルシュタインやラングごときに処断される」と思っていたので彼らに「先手を打った」つもりで挙兵したという事なのでしょう。この辺りのロイエンタールの心理や思考には確かに愚かしく、性急な点があったのは否定しませんが、ストーリー的・心理描写的にそれほど無理があったとは思えませんけどね。まあこの辺りは意見が分かれる所ではあるでしょう。どちらが正しい、とか無理に断定する必要もないと思います。

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board2 - No.1424

Re1417/1422:一連の論争まとめと竜堂続あれこれ

投稿者:冒険風ライダー
2000年09月22日(金) 13時39分

>管理人さん
<また、よりによって続のバイトが「ホスト」なんですよね(^^;)
田中芳樹は超絶美形次男主人公だからホストなんかチョロいぜ~、とでも思ったのでしょうか?
 確かに美形であることは大変な武器でしょうが、「ホスト」という職業にとって、このことは実は決定打ではないですよね。それよりも、続の『あの』性格とホストという職業はまさに水と油だと言うことがよっぽど致命的だと思うんですけど…>


 「ホスト」という職業で一番重要なのは「誠意ある接客」ですからね。そりゃ竜堂続には絶対に無理な話ですわな(笑)。
 しかし「ホスト」に限らず、竜堂続が「接客業」という職種をこなす事は絶対にできないように思いますね。「お客様は神様」という精神で客に接し、時には客からの苦情やクレームなども受けなければならないのですから。仕事を始めて一週間以内に、来店する客に全治1ヶ月以上の怪我を負わせ、クビにされるのがオチでしょう(笑)。
 だいたい竜堂続は相手に対して力を行使する際に「寸止め」とか「威嚇」といった手段を一切使わずに、イキナリ「実力行使」に走ってしまうのですからね~。少しは力の有効な使い方ぐらいきちんと考えろと言いたいところなのですが。
 竜堂続のあの性格でマトモにこなせそうな職種って一体どんなのがあるのでしょうかね? 私には「VIPのボディーガード」か「警備会社の警備員」ぐらいしか考えられないのですが。

<一体、どんな「仕事」をしているんでしょうか(笑)? わたしにゃまったく想像がつかん…
 なんとか頑張って想像して思いつくのが、続が野村サッチー風のマダムに迫られて爆発するシーン(^^;)
 想像力が足りないのでしょうか(笑)>


 創竜伝5巻に、竜堂続がホモッ気のある「神聖真理教団」の教祖に迫られて一方的に報復するシーンがあるのですが、その時に竜堂続はこう言っているんですよね。
「あいにくと、中年男は中年女以上に嫌いなんです。変態は変態どうしで仲よくしてください。正常な青少年を巻きこまないようにね」(創竜伝5巻 P38)
 こんな事を堂々と公言するような竜堂続に「ホスト」という接客業がマトモにこなせるとは思えないのですけどね~。「ホスト」という職種は「中年女」や「変態」を相手にしなければならない場合もあるというのに。
 ひょっとして竜堂続は、あの超人的な力を使って客を脅していたのではないでしょうか(笑)。そうとでも考えないとどうしても話の辻褄が合わないのですけど。



>平松さん
<これまでの議論の流れや二巻を読み返してみても、確かに竜堂続の病的なまでの自尊心の高さが事態を破局に追い込んだ一番の理由でしょうね。ですが自分としては今でもレディLの交渉に対する姿勢にも軽視し得ない失点があったという印象はぬぐえないです。>
<ですから、別にレディLの方が竜堂続よりも悪いとは言ってはいません。ただ状況を悪化させた責任の一端は、レディLにも少なからずあると主張しているだけなのですが。まあ確かに交渉技術に関してはレディLは「詰めが甘い」にとどまりますが、竜堂続と来たらそれ以前の問題ですね(^^;)。>

 まあ確かにレディLの交渉技術にも「詰めが甘い」といった要素はあるようなのですけど、それがあるならあるで竜堂続はそれを自分達に有利な交渉材料として利用すべきだったのですよ。上手くいけばそれでレディLを外交交渉で手玉にとることだってできたかもしれないのに。
 これがもう少しお互いの心理的駆け引きや外交カードを駆使する白熱した外交交渉であれば、レディLの「外交交渉上の失点」もある程度は問題になってくるのでしょうけど、あの交渉における竜堂続の対応は「外交交渉のイロハすら全くわきまえず、ただひたすら感情と個人的プライドに基づいて拒絶するだけ」なものでしかなかったのですから、そもそも外交交渉の技術を云々する以前の問題だったわけです。だからこの竜堂続の致命的な欠陥とレディLの失点は同列に論じられるものではなく、しかも竜堂兄弟側に四人姉妹との交渉や同盟の提言を拒絶しなければならない合理的な理由が全く見出せないからこそ、私は竜堂続の責任のみを問題にしていたわけです。そのあたりの認識の違いが平松さんと意見が対立した原因であったのでしょうね。
 まああえて言えば、レディLが竜堂兄弟を味方につけようとするのであればもっと良い方法がいろいろとあったようには思うのですけどね。たとえば、日本の権力者集団の手下に竜堂兄弟が襲われていたり、兵糧攻めで苦しんでいたりしているところに救いの手をさしのべ、竜堂兄弟に対して恩を売るとか。
 まああのバカ兄弟がそんなことで四人姉妹に恩を感じるかどうかははなはだ疑問なのですけどね。「渇しても盗泉の水を飲まず」などと言って援助の手を振り払うかもしれないし(笑)。


<確かに竜堂兄弟の行動原理は基本的に感情的な理由が大部分を占めている様に見えますね。あるいは竜種の鋭敏な「直感」に導かれているとか(^^;)。竜堂兄弟の行動原理についてぜひ彼ら自身に直接聞いてみたいものです。でもツッコミ過ぎると膝を蹴り砕かれるかも(^^;)。>

 連中は自分から積極的に「竜堂家の人間に無礼な口をきくときには、家族あてに遺書を書いておくんですね」だの「竜堂家の人間には兄弟の悪口いっちゃいけないんだ」だのと「自分達の絶対不可侵性」をアピールしているくらいですから、外部からの批判を受けつける気などそもそも最初からないでしょう(笑)。これで民主主義思想や言論の自由などを尊重するというのですから、何か醜悪な喜劇を見せつけられているような気がするのですけど。
 竜堂兄弟の独善性や閉鎖的な体質というのは、実は創竜伝における牛種や四人姉妹、それに日本の権力者集団と全く変わらないんですよね。体質が全く同じだからこそ連中は近親憎悪的な感情で対立する。私にはそう思えてなりませんね。


<どうせなら敵役にオーベルシュタインの様なキャラクターを登場させれば多少は面白くなるかも知れませんね。もっとも、その分ストーリーをまとめるのが難しくなるでしょうが。>

 むしろ私は主人公たる竜堂兄弟一派の方にいてほしいと思いますね。あのバカ兄弟を掣肘し、四人姉妹の政治的・経済的な世界戦略や謀略に対して理論的・現実的に対抗できる存在として。

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