2代目掲示板過去ログ

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投稿ログ80 (No.1300 - No.1309)

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board2 - No.1300

お返事

投稿者:不沈戦艦
2000年08月22日(火) 15時57分

冒険風ライダーさんは書きました
>
>  これについてはオーベルシュタインの性格からある程度の説明ができるのではないでしょうか。
>  いくらオーベルシュタインがラインハルトを傀儡にしているといっても、オーベルシュタインに私心がなく、また自己の保身を図る事もないという事をロイエンタールは承知しています。そしてオーベルシュタインの忠誠心がラインハルトではなく「ローエングラム王朝」に向けられているという事もまたロイエンタールは察知しています。この事からロイエンタールは、
> 「オーベルシュタインはローエングラム王朝の存続を妨害するような邪魔者を始末するためならば、ラインハルトをすら平気で囮にするような男だから油断はできない」
> と考えていたのではないでしょうか。ロイエンタールは常にオーベルシュタインをそのように評価していましたし、実際、ロイエンタールの死後になりますが、オーベルシュタインは地球教徒をおびき寄せるためにあえてラインハルトを囮にする謀略を使っています。したがってこの考え方は、すくなくとも「ロイエンタールにとっては」充分に説得力を持つものだったのではないでしょうか。
>  また前述のように、オーベルシュタインには「自己一身の安全を図る」という発想がありませんから、
> 「ラインハルトを傀儡にしているならば、自分の手元で操るため、また(ローエングラム王朝存続における)邪魔者を油断させて排除するために、あえて危険を犯してでもオーベルシュタインは同行してくるはずだ」
> ともロイエンタールは考えていたのでしょう。したがってロイエンタールとしては「ラインハルトにオーベルシュタインが同行しているか否か」で流言の真偽を確認しようとしていたのではないでしょうか。
>  ロイエンタールのオーベルシュタインに対する過剰な敵意と「冷酷非常で手段を選ばない謀略家」という評価が、あの流言をロイエンタールが信じこんでしまい、しかも相手が「あの」オーベルシュタインであったがために、ロイエンタールは必要以上にラインハルトの反応に用心せざるをえず、その結果あのような叛乱に追い詰められたのではないかと考えるのですが、これで説明できないものでしょうか?
>

 いやしかし、新領土に行った皇帝がロイエンタールに拘禁されて(ロイエンタールが本気で叛乱起こす場合。ロイエンタールに野心は充分ある、とオーベルシュタインは判断していたと思いますので)、皇帝の名の下に新領土総督から命令が発せられるようになったら、どうする気なんでしょうかね?オーベルシュタインは。当然その場合、ロイエンタールは軍を率いてフェザーンに侵攻してきますが、その場合は皇帝を押さえられているので手も足も出せないでしょう。仮にオーベルシュタインが、「皇帝を攻撃する事になっても、新帝国の秩序維持の為にやむを得ない」と言ったところで、皇帝に銃を向けろというような命令を兵隊が聞く筈もないでしょう。銀河帝国軍の兵士は、基本的にラインハルトに心酔しているんですから。結局、戦わずして敗れ、オーベルシュタインとラングはロイエンタールに逮捕され、処刑される羽目に陥るのでは。その後に来るのは、ロイエンタールが好き放題に出来る独裁体制でしょう。

 そんなチャンスをオーベルシュタインともあろう者が、ロイエンタールに呉れてやる筈もないと思うんですけどね。つまり、皇帝が新領土へ巡幸する、ということは、その判断は完全に皇帝自身の意志であり、かつ健康上も差し当たっては問題なく、皇帝自身は新領土総督を信頼している場合、に限られるのではないでしょうか。それはロイエンタールも理解できる筈だ、とは思いませんか?



>
>  やはりそこなんですよね、あの作戦構想で一番難しいのは。しかしここで簡単にダウンしてしまっては銀英伝における設定矛盾がそのまま残ってしまう事になってしまうので、苦しいながらも一応の擁護論を考えてみることにしますか。
>  まず指揮官の方ですけど、一応同盟領を利用したゲリラ戦自体にある程度の効果があることはヤンが証明していますし、銀英伝7巻において同盟軍のビューフォート准将が少数兵力によるゲリラ戦法によってビッテンフェルト艦隊の補給戦を一時的ながら断つという戦績を上げています。同盟軍における無名の准将が孤軍でゲリラ戦を行ってさえそれだけの事ができるのですから、単にゲリラ戦を行うだけであるならば、帝国軍の少将・中将クラスでも充分に可能なのではないかと思います。
>  もちろん、これを効率良く行うためには、不沈戦艦さんが仰るように情報・通信システムが整備されている事が絶対条件です。そこでこの作戦における情報・通信システムについて少し考えてみました。
>  この作戦において一番重要な事は、いくら任期が短かったとはいえ、ロイエンタールが一応新領土総督に就任して同盟領を掌握する事ができた立場にあり、同盟領における旧同盟軍の補給基地や通信基地などを抑える事が可能であった事です。ロイエンタールのこの立場を利用すれば、同盟領内における部隊間の相互連絡は以外と簡単に行うことができるのではないでしょうか。
>  銀英伝世界には「超光速通信」なるものが存在します。銀英伝の記述によると、この通信はイゼルローン-ハイネセン間の一万光年もの距離におよぶ交信をリアルタイムで行う事すらも可能としているようです。そこで連絡を行う艦艇が通信が敵側に傍受される危険性のない宙域まで移動し、そこから同盟領に点在している通信基地を使ってミッターマイヤー軍が存在する宙域を大きく迂回させて情報を伝達していけば、ミッターマイヤー軍に全く傍受・妨害される事なく、しかも限りなくリアルタイムに近い情報伝達が可能となります。「巨大な宇宙版インターネット・ネットワーク」のようなものだと言えば分かりやすいでしょうか。
>  既存の通信基地だけでは不充分であるのであれば、超光速通信の中継拠点の要所要所に連絡用の艦艇を配置しておくという方法もあります。これならば移動も容易ですし、ミッターマイヤー軍に情報源を補足される可能性も限りなくゼロに近くなります。
>  侵攻軍たるミッターマイヤー軍は、ロイエンタール軍による傍受の危険性からまともな超光速通信が行えず、自分達がいる宙域以外で何が起こっているかを把握する事ができない立場にあるのに対し、旧同盟領をとにかくも掌握し、かつこの作戦においてミッターマイヤー軍を常に監視することができる立場にあるロイエンタール軍には「旧同盟領そのものを利用した大規模な通信ネットワークが使える」という非常に大きな軍事的利点があります。この長所を大いに活用すれば、相手の手が届かない所で部隊間のリアルタイムな相互連絡を行うことができます。
>  しかもこの通信ネットワークを使用すれば、ハイネセンにいながらにしてロイエンタールが前線の小艦隊群と連絡を取り合い、命令を伝達させることもできます。小艦隊群の統合運用の観点から言っても、ロイエンタールの部下に対する不安から言っても、これは大きな利点として作用する事でしょう。
>  以上の事から、ロイエンタールが最初から周到な準備を行った上であの作戦を発動させていれば、すくなくともミッターマイヤー軍を少ない兵力で翻弄し、長期戦に持ち込む事ができたのではないかと考えるのですが、さてどんなものでしょうか。
>


 もう一つの問題はどうします?「そんな複雑な兵力運用が可能なのか?」ということ。複雑怪奇な作戦を立てると、失敗する可能性は高くなりますよ。ミッドウェーで南雲艦隊に二重の目的(米機動部隊の撃滅とミッドウェー島の攻略)を与えただけでも、ものの見事に失敗しましたし、マリアナのスプルーアンスだって、兵力が絶大だから勝ったものの、これも「島の攻略と敵艦隊の撃退」の二つの任務を割り当てられ、実際のところはかなり混乱した戦闘指揮になってしまっています。機動部隊グループの一つは、日本の攻撃隊が上空に来たのに、島への攻撃隊に出してしまったので、味方の戦闘機が上空に一機もいない、ってな状況もあった程です。密雲が厚くたれ込めているので助かりましたが(レーダー無しの日本機には、密雲の下の米艦隊を発見することは出来なかったので)。

 多兵力でもこんなことになるのですから、少数兵力を分散させ、遠方から精緻にコントロールしようなど、無理筋もいいところだと思いますわ。実行し始めた時から計画から狂い初めて、ついに一度も計画通り行われないまま、兵力を無駄に損ない、「やらない方がマシだった。ランテマリオで全兵力で待ち受けていた方が良かった」ってな事になるような気がしますけど。本気でやったら。




>
>  あれ? 確かNo.1256において、
>
> <何しろ、同盟領は帝国みたいに、奥深いようには見えないので。いかにフェザーンで入手した航路図があるとは言え、ラインハルト軍には簡単にガンダルヴァ星系まで来られてしまっていますからね。ハイネセンまでもそう難しくはないでしょう。領土の奥深さは、同盟がナチス・ドイツで、帝国がソ連という感じがしますけど。>
>
> と「同盟領の物理的な広さ」について言及していませんでしたっけ? しかも「いかにフェザーンで入手した航路図があるとは言え」と航路図についてまで言及していましたし、ナチス・ドイツとソ連との比較まで行っていましたから、「これは同盟領の広さの事か」と解釈したのですが。
>  それに銀英伝における世界設定を見てみると、イゼルローン-ハイネセン間の距離を走破するには、銀英伝世界における艦船を使用しても、移動にかかる時間がだいたい半月~1ヶ月前後はかかりますし、フェザーン-ハイネセン間はこれよりもさらに長い距離があるようです。いくら精密な航路図があるとはいえ、片道移動だけでこれだけの時間がかかる広大な旧同盟領を「帝国軍が狭いと認識している」という事はちょっと考えられないのではないでしょうか。
>  さらに同盟領における航路図を抑えている立場はロイエンタールも同様ですし、しかも彼は新領土総督の立場によってとりあえずは同盟領を掌握しているのですから、地の利はやはりロイエンタールの方にあるのではないかと思うのですけど。


 失礼。もともと、「物理的広さ」だけに言及したつもりじゃなかったんですけど、上の引用ではそう言っているように見えますね。最初から「航路図を手に入れていて自由に行動出来る以上、帝国軍に取っては同盟領は狭い」というつもりでした。しかしいくら何でも「地の利はロイエンタールにある」は無茶では?駐留軍が馴染む程、長期間駐留していましたっけ?同盟が崩壊してから。一年や二年では「馴染んだ」とはなかなか言えませんよね。五年、十年と過ごせば、そりゃそうでしょうけど。地の利はどちらにもない以上、兵力が大きい方が有利なのは、言うまでもないでしょう。

 それに広さはあるとしても、ヤン艦隊みたいに、ロイエンタールが「同盟領そのものを利用した不正規戦」を行える訳じゃないですよね。結局帝国軍がハイネセンに来る前に、ランテマリオで迎え撃たなければならなかった訳で。同盟領の広さを利して、新領土総督軍が逃げ回ったりしましたっけ?毛沢東の共産党の「大長征」みたいに。帝国軍にしてみれば、取り敢えずハイネセンに到達するのは難行ではない。後方の連絡線を脅かせる兵力も新領土総督軍にはない、相手が延々と逃げる訳でもない、となれば「楽」とは言わないまでも、負ける可能性はほとんどあり得ませんよ。将帥の能力も、ロイエンタールに匹敵するミッターマイヤーがいますし、それ以上の皇帝自身だっているのですから。逆に考えれば、ロイエンタールだってそれが判らない訳はありませんから、正気ならばあんな叛乱起こす筈もない、ということですね。

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board2 - No.1301

Re: 反銀英伝 「大逆転! リップシュタット戦役」(32)

投稿者:不沈戦艦
2000年08月22日(火) 16時02分

更に続き。

------------------------------------------------------------------------------

 辛辣な参謀長を前にして、黙っている以外にはやりようがなかったのだ。


「申し上げた通り、ミッターマイヤー提督は間に合いませんでした。しかし、これは彼の責任ではありますまい。最初から物理的に不可能だった、ということでしょう。この件に関しては、閣下の見通しが甘い、とはっきり申し上げましょう」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「タンネンベルク伯爵は、はっきりグリューネワルト伯爵夫人の命を盾に、ミッターマイヤー提督を脅したのだそうです。囚われの身になった伯爵夫人の映像を通信スクリーンに出した上で。ところで、どうなさいますか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「もう一度申し上げておきましょう。グリューネワルト伯爵夫人一人の命がいかに大事とはいえ、我が軍全体の命運とは引き換えにできませぬ。直ちに、ミッターマイヤー提督に、オーディンから敵を排除するよう命令なさるべきと心得ますが。その際、グリューネワルト伯爵夫人が犠牲になったところで、やむを得ぬことです」

「・・・・・駄目だ。それだけは許可できない。こうなったら、何としても姉上をお救い申し上げるのだ!」

 相変わらずオーベルシュタインの「グリューネワルト伯爵夫人を犠牲にせよ」という提案を受け入れる気のないラインハルトであった。これだけはどうしても譲れないのである。

「しかし、グリューネワルト伯爵夫人を救出すると言っても、具体的には今のところやりようがありませぬな。敵をオーディンから追い出そうにも、伯爵夫人の命を盾に脅迫されるだけです。誰か陸戦の専門家を潜入させて救出作戦を実施するしかありませぬが、敵の目を眩ましての拠点の確保、伯爵夫人の救出行動、更にその後の脱出と、難行が山ほどありましょう。相当に時間がかかることが予想されますが。その間、タンネンベルク伯が黙って事態の推移を見ているだけ、ということは更にありそうに思えませぬ」

「ではオーベルシュタイン、卿は一体どうしろと言うのだ?!」

 苛立ちを募らせるラインハルトに、オーベルシュタインは自分の案を告げた。

----------------------------------------------------------


<以下続く?>

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board2 - No.1303

Re: 初めまして&創竜伝12巻

投稿者:A.Na
2000年08月22日(火) 16時35分

モトラさんは書きました
> 座談会では、案の定「神の国」発言が。
>
> 「神の国」発言と「密室での総理選び」を強引に結びつけて「選挙で国家の首班を選ぶ西欧諸国は悪魔の国なんだろう」(始談。うろ覚え)などと相変わらずむちゃくちゃな皮肉を述べてました。

 しかし、衆議院の解散・総選挙によって、正式に総理大臣が選出された訳ですから、
いよいよ日本も悪魔の国の仲間入りですな(笑)。

 それとも著者は、最高指導者を直接選挙で選ばないのは民主主義ではない、とでも
主張するつもりなんでしょうか?(多分、そこまで深く考えてないだろうけど。)

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board2 - No.1304

Re: さほどずれている訳でもないでしょう

投稿者:不沈戦艦
2000年08月23日(水) 15時17分

平松重之さんは書きました

>  うーん、大軍を擁していたナポレオンは補給を断たれ、地の利があるロシアに持久戦に持ち込まれた時点で速やかに撤退すべきだったと思います。いかに常識外であったとはいえ、戦略的な判断によって被害を食い止める事は可能だったのでは?プライドに固執して戦略的な過ちを最小限に抑えられなかったという点ではロイエンタールと似ていると思うのですが。…と、何だか「ロイエンタールの叛乱」についての議論からズレてしまいましたね(って、自分のせいか(^^;))。いい加減ここまでにしておきましょう。



 結局ここで私が言いたい事は、以下の通りです。

ナポレオン

1.諸国の軍隊をかき集めたとはいえ、相手を遙かに上回る大軍を擁していた。

2.ナポレオン自身、ロシア相手ならと絶対的な自信を持っていた。現にアウステルリッツ会戦で、相手を誘いだして中央突破を掛ける、という戦術で、ロシア軍を完膚無きまでに撃破している実績があった。但し、自信を持ちすぎていた感は否めない。

3.常識外の不運(6月の雪)と、常識外の戦法(モスクワまで平然と焼くような焦土戦術)に遭ってしまった。


ロイエンタール

1.最初から戦力は少数。どうあがいても、帝国本国軍には数の上では歯が立たない。もしイゼルローン軍を味方に付けられたとしても、それでも戦力比は論外。

2.ロイエンタール自身、「皇帝と戦いたい」という欲望はあっただろうが、皇帝やミッターマイヤーに「絶対に勝てる」をいう確信までは無かった筈。ただでさえ戦力的には少数なのに、ロイエンタールに匹敵する戦術指揮能力を持つ者が、少なくとも二人はいる状況である。ロイエンタールは、これで戦いの行方を楽観視するような性格ではない。

3.ミッターマイヤーが急進してきたのが予想外だったとは言うものの、「常識外」という程の話ではない。ミッターマイヤーの快速ぶりは、ロイエンタールは味方としてはよく知っていた筈。思ったより若干速かった、というだけ。


 だいぶ条件が違うと思われますので、同一視はできないでしょう、ということですね。ナポレオンがロシア遠征に突っ走っていった狂気はまだ理解できるけど、ロイエンタールが陰謀家たちの下手な演出に乗って、そのまま叛乱路線を突っ走っていってしまった狂気は、さすがに理解できかねる、ということです。

board2 - No.1305

田中芳樹って左翼か?

投稿者:孟徳
2000年08月23日(水) 15時24分

 なんだか田中芳樹氏と朝日新聞を同列に論じているような人が、
いるようです。一作品だけとりあげて、「アイツは左翼だの右翼だの」と、決め付けるのは、あんまり頭の良い人がやることではないとおもうのですが。
以前、司馬氏の作品に対する批判としてたまに挙げられる「英雄崇拝」
に関して以下のように弁護していました。
「英雄崇拝、英雄崇拝と批判するけれど、それじゃ、その英雄を
崇拝する民衆は、いったいなんなんだろう...。左翼的歴史観って
奴は絶対に民衆の指示を得られないだろうな。」

上記のようなコメントが何かの雑誌に載っていたような覚えが
あります。雑誌名は忘れましたけど(笑)
ここの掲示版では「創竜伝」に関する批判が多いようですね。しかし
作中には中国共産党を批判する個所や、日清戦争時に略奪行為を
一切やらなかった当時の日本軍を立派な軍隊だ、などど賞賛している箇所もあるわけです。ようするに田中氏は立派な軍隊が好きなのであって
民衆を害するような駄目駄目な軍隊が嫌いなんでしょうよ。この人が、
絶対的な平和主義者ではないことは周知の事実ですが。
そう言えば、創竜伝に関して田中芳樹は、「ちょっと左翼的なものでも書いて見るかなと思いまして...」という趣旨の発言をしてました。
作品として面白おかしく書いてみるかという感じでしょうか。
要するに、この人の作品を読んで作者の思想ウンヌンを真面目に論じる
のは、時間の無駄だと思います。
だって作者は、今の日本の権威をこきおろして書けばきっとおもしろいぞ。というノリで書いているんですから。
したがって、創竜伝を読んだ右翼寄りの人が反発すればするほど作者は、喜んでるのです。この人は単なる物語作家であって、文化人でも思想家でもないわけです。

脈絡の無いくだらない意見ですが、偶然この掲示板を見つけたので
書き込んでみました。(笑)

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board2 - No.1306

Re1300:だんだん難しくなってきた(T_T)

投稿者:冒険風ライダー
2000年08月23日(水) 17時59分

<いやしかし、新領土に行った皇帝がロイエンタールに拘禁されて(ロイエンタールが本気で叛乱起こす場合。ロイエンタールに野心は充分ある、とオーベルシュタインは判断していたと思いますので)、皇帝の名の下に新領土総督から命令が発せられるようになったら、どうする気なんでしょうかね?オーベルシュタインは。当然その場合、ロイエンタールは軍を率いてフェザーンに侵攻してきますが、その場合は皇帝を押さえられているので手も足も出せないでしょう。仮にオーベルシュタインが、「皇帝を攻撃する事になっても、新帝国の秩序維持の為にやむを得ない」と言ったところで、皇帝に銃を向けろというような命令を兵隊が聞く筈もないでしょう。銀河帝国軍の兵士は、基本的にラインハルトに心酔しているんですから。結局、戦わずして敗れ、オーベルシュタインとラングはロイエンタールに逮捕され、処刑される羽目に陥るのでは。その後に来るのは、ロイエンタールが好き放題に出来る独裁体制でしょう。
 そんなチャンスをオーベルシュタインともあろう者が、ロイエンタールに呉れてやる筈もないと思うんですけどね。つまり、皇帝が新領土へ巡幸する、ということは、その判断は完全に皇帝自身の意志であり、かつ健康上も差し当たっては問題なく、皇帝自身は新領土総督を信頼している場合、に限られるのではないでしょうか。それはロイエンタールも理解できる筈だ、とは思いませんか?>


 確かにその危険性は充分過ぎるほどありますし、オーベルシュタインもロイエンタールも簡単に察知する事ができるものでしょう。しかし、もしロイエンタールが人質にしたラインハルトが本物ではなく、影武者による偽者であったとしたらどうなるでしょうか?
 つまりロイエンタールの招請状を受け取ったオーベルシュタインは、この機会にロイエンタールを不意打ちによって処断するためにあえてラインハルトに招請に応じさせ、その上でラインハルトをどこか安全な場所に隠蔽し、自分がでっち上げた影武者を従えてハイネセンに向かうのです。もちろん外部にはその事を一切秘密にした上で。
 これならば万が一ロイエンタールが強行手段に訴えたとしてもオーベルシュタインにとっては痛くも痒くもありませんし、それを口実にしてロイエンタールを処断する事さえ可能になります。ロイエンタールが影武者に気づかずに黙って従えば、その時こそオーベルシュタインによって一方的に処断される運命が待っているだけです。ラインハルトをあえて囮にして油断と誘惑を誘った上で、ロイエンタールがラインハルトを操る危険性を完全に排除するために影武者を使い、邪魔者を始末する。これはむしろオーベルシュタインだからこそ却ってやりかねないような謀略でしょう。
 そしてロイエンタールもまたそのようなオーベルシュタインの手段を選ばない謀略家ぶりと、自分自身すらも犠牲にする事に躊躇しない性格志向を知り尽くしているからこそ、却って「オーベルシュタインは何をするか分からない」と考えて必要以上にオーベルシュタインの動向に注意せざるをえなくなったため、ハイネセンでラインハルトと会見することによって流言の是非を確認する必要性を感じていたのではないでしょうか。


<もう一つの問題はどうします?「そんな複雑な兵力運用が可能なのか?」ということ。複雑怪奇な作戦を立てると、失敗する可能性は高くなりますよ。ミッドウェーで南雲艦隊に二重の目的(米機動部隊の撃滅とミッドウェー島の攻略)を与えただけでも、ものの見事に失敗しましたし、マリアナのスプルーアンスだって、兵力が絶大だから勝ったものの、これも「島の攻略と敵艦隊の撃退」の二つの任務を割り当てられ、実際のところはかなり混乱した戦闘指揮になってしまっています。機動部隊グループの一つは、日本の攻撃隊が上空に来たのに、島への攻撃隊に出してしまったので、味方の戦闘機が上空に一機もいない、ってな状況もあった程です。密雲が厚くたれ込めているので助かりましたが(レーダー無しの日本機には、密雲の下の米艦隊を発見することは出来なかったので)。
 多兵力でもこんなことになるのですから、少数兵力を分散させ、遠方から精緻にコントロールしようなど、無理筋もいいところだと思いますわ。実行し始めた時から計画から狂い初めて、ついに一度も計画通り行われないまま、兵力を無駄に損ない、「やらない方がマシだった。ランテマリオで全兵力で待ち受けていた方が良かった」ってな事になるような気がしますけど。本気でやったら。>


 う~ん、私が考えた情報・通信システムを使えば、常にミッターマイヤー軍に関する情報がリアルタイムにロイエンタールにもたらされ、それに基づいて分散させた諸部隊に対して命令や合図を臨機応変に出すことも可能になるわけですし、前線の諸部隊も「一」「二」「三」でそれぞれやる事がひとつに決められているのですから、それほど複雑な兵力運用を行うわけではないと思うのですが。諸部隊によって集められた情報に基づいてロイエンタールが全体的な戦局から見た戦略目標を決定して各部隊に命令を下し、現場はそれに基づいた戦術指揮と移動をのみ行えば良いのですから。
 第二次世界大戦時における日本軍やアメリカ軍の場合は、与えられた複数の任務の優先順位を「現場で」判断せざるをえなかったわけですから、ロイエンタールの作戦とは若干ケースが違うのではないでしょうか。


<しかしいくら何でも「地の利はロイエンタールにある」は無茶では?駐留軍が馴染む程、長期間駐留していましたっけ?同盟が崩壊してから。一年や二年では「馴染んだ」とはなかなか言えませんよね。五年、十年と過ごせば、そりゃそうでしょうけど。地の利はどちらにもない以上、兵力が大きい方が有利なのは、言うまでもないでしょう。>

 別に駐留期間に関係なく、ロイエンタール側には次のような有利な条件が付加されます。

1. ミッターマイヤー軍が「攻撃側」であるのに対し、
  ロイエンタール軍は「迎撃側」の立場にある
2. ロイエンタール軍は旧同盟領に点在している補給・通信基地を使用できる
3. 「1」と「2」の条件から、ミッターマイヤー軍が行軍する進路を事前に特定する
  ことができ、要路に監視・ゲリラ戦のための兵力を配置する事ができる
4. 旧同盟領そのものを使用した情報・通信ネットワークが使用できる。
5. 「3」と「4」から、ロイエンタール軍は情報戦略においてミッターマイヤー軍
に対して圧倒的優位に立つことができ、かつ、ミッターマイヤー軍を同盟領奥深く
に誘い込む事によって後方の補給線と連絡を遮断する事が容易にできる

 それからミッターマイヤー軍と後方の連絡を絶つことは実は非常に簡単です。超光速通信が絶対に使用できないように、ミッターマイヤー軍を妨害電波の網で包囲してしまえば良いのです。最初からミッターマイヤー軍の位置は補足する事が容易なのですから、要所要所を抑えて通信を封鎖する事もまた容易なことです。長期戦に持ちこめば、この「情報封鎖」がボディーブローのように効いてきますし、ニセ情報を流してミッターマイヤー軍を混乱させる事もできです。
 それとロイエンタール軍が短期間しか旧同盟領に駐留していなかったといっても、すくなくとも「旧同盟領における航路の安全確保」と「補給・通信基地の掌握」ぐらいは、統治の観点から言っても、帝国との連絡線を確保するためにも「最優先事項」として行っていたでしょうから、航路図を掌握している事と合わせて、さしあたって上記の5条件における戦略的優位を確保する事ぐらいは充分に可能だったのではないでしょうか。政治的優位を確立する事はさすがに難しいでしょうけど。
 ちなみにロイエンタールが新領土総督に就任してから叛乱に追いやられるまでの期間はだいたい3~4ヶ月前後です。1年どころか、半年にも満たない短期間ですね。


<それに広さはあるとしても、ヤン艦隊みたいに、ロイエンタールが「同盟領そのものを利用した不正規戦」を行える訳じゃないですよね。結局帝国軍がハイネセンに来る前に、ランテマリオで迎え撃たなければならなかった訳で。同盟領の広さを利して、新領土総督軍が逃げ回ったりしましたっけ?毛沢東の共産党の「大長征」みたいに。帝国軍にしてみれば、取り敢えずハイネセンに到達するのは難行ではない。後方の連絡線を脅かせる兵力も新領土総督軍にはない、相手が延々と逃げる訳でもない、となれば「楽」とは言わないまでも、負ける可能性はほとんどあり得ませんよ。将帥の能力も、ロイエンタールに匹敵するミッターマイヤーがいますし、それ以上の皇帝自身だっているのですから。逆に考えれば、ロイエンタールだってそれが判らない訳はありませんから、正気ならばあんな叛乱起こす筈もない、ということですね。>

 このあたりはやはり「追い詰められた挙句、準備不足の状態で叛乱を起こさざるをえなかった」というのが大きかったでしょうし、ハイネセンを占領される事が政治的・戦略的にロイエンタールにとって致命的なマイナス効果(兵士の離反など)をもたらすという事情もあったでしょう。ハイネセンの弱点をクリアするには、それこそロイエンタールに時間がなさ過ぎましたし。
 また、ロイエンタールはイキナリ自分でも想定していなかった叛乱に追いやられたため、初期の戦略決定に際して、やや決断と精彩を欠いていたという事情もあったのかもしれません。

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board2 - No.1307

Re: 田中芳樹って左翼か?

投稿者:芥郎
2000年08月24日(木) 01時26分

孟徳さんは書きました

> だって作者は、今の日本の権威をこきおろして書けばきっとおもしろいぞ。というノリで書いているんですから。
> したがって、創竜伝を読んだ右翼寄りの人が反発すればするほど作者は、喜んでるのです。この人は単なる物語作家であって、文化人でも思想家でもないわけです。
>

おっしゃる通りです。作者の思想には私も関心はありません。
読んで面白い小説を提供してくれればいいんです。

ただ、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」のように、
物語作家なりの人気に応じた執筆活動を果たしていない
ため、作品の質や作中で語られる作者の考えにまで批判
が広がってしまったのではないでしょうか?

今更ですが例として

・タイタニアの再開待ち。
 未完の大作として終わってしまうのでしょうか?
 個人的には再開した時の帯のセリフが楽しみ
 「待望の再開」「怒涛の新展開」「お待たせしました!!」     etc・・・

・アルスラーンの遅筆。
 後書きの言い訳分でもいいから内容を増やして欲しい。

・七都市物語の未完?
 続きがありそうな思わせぶりな終わり方はしないで、
 あのまま完結と言い切ってしまった方が良かったのでは?

小説家として続きを待ち望んでいる読者に対する対応では
「グイン・サーガ」の栗本薫先生の方が誠意があると思い
ます。(でも100巻まで無事たどり着けるもかちょっと不安・・・)


「カルパチア協奏曲」のつまらなさに
完読せずに返却した芥郎より

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board2 - No.1308

Re: 田中芳樹って左翼か?

投稿者:モトラ
2000年08月24日(木) 03時50分

> だって作者は、今の日本の権威をこきおろして書けばきっとおもしろいぞ。というノリで書いているんですから。

作中でさんざん「品性」に言及している作者が、ただ「面白い」というだけの理由で、現実にモデルが存在することが明白な人物を劇中に登場させて、より貧相に描いた挙句罵倒の限りを尽くす…読者層の中心である、中高生への自らの筆の影響力も考えずに。
現状では、「創竜伝」を執筆している田中自身が、劇中の悪役政治家や官僚以上に醜いと言わざるをえません。

> したがって、創竜伝を読んだ右翼寄りの人が反発すればするほど作者は、喜んでるのです。この人は単なる物語作家であって、文化人でも思想家でもないわけです。

品のある大人のすることではありませんね。

board2 - No.1309

対談

投稿者:機械仕掛けの珈琲
2000年08月24日(木) 10時02分

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが
「ダヴィンチ10月号」で田中芳樹氏と荻野目悠樹氏が
新刊について対談なさるそうです。
 創竜伝12巻について、氏のスタンスが分かるかも?

荻野目悠樹氏については
 ttp://www.pluto.dti.ne.jp/~oginome/

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