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投稿ログ77 (No.1252 - No.1265)

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board2 - No.1252

Re: 反銀英伝 「大逆転! リップシュタット戦役」(29)

投稿者:不沈戦艦
2000年08月11日(金) 15時18分

更に続き。

------------------------------------------------------------------------------

 それこそ、オーベルシュタインが乗り移ったとしか思えないようなタンネンベルク伯の言いように、ミッターマイヤーは返す言葉を失った。


「おそらくオーベルシュタイン中将は、『グリューネワルト伯爵夫人を犠牲にしてでも、帝都を奪還すべし。躊躇せずに即刻タンネンベルク軍を撃滅せよ』と主張するだろうが、それはローエングラム侯が容れまい。卿は撤退するしかなくなると思うがな。そういうことであるので、卿の艦隊は、早急にヴァルハラ星系から退去されよ。2時間以内に退去を開始せぬ場合、グリューネワルト伯爵夫人の安全は保障できぬ、とローエングラム侯にも申し伝えるがよい」

 タンネンベルク伯爵は、それだけ言うと通信を切る。ミッターマイヤーは、苦悶の表情で、しばらくは微動だにしない。いや、微動だにできなくなってしまったのである。グリューネワルト伯爵夫人を人質に取ったタンネンベルク伯のやりように対する憤りと、容易ならざる事態に陥ってしまったことに対する不安、ローエングラム侯に一体どう報告したらよいのか・・・・・ミッターマイヤーの想いは千々に乱れ、纏まりがつかなくなってしまったようだ。




「帝都地区の制圧に成功。皇帝陛下及びグリューネワルト伯爵夫人の身柄、いずれも無事確保しました!」

 シュタウフェンベルクの弾んだ声が「クラウゼヴィッツ」のタンネンベルク伯に届いた。すでに、オーディン近辺の宇宙空間では、タンネンベルク艦隊とミッターマイヤー艦隊の交戦が始まって一時間近く経っている。タンネンベルク伯にとっては、待ちに待った朗報、というところである。ミッターマイヤー提督自身が率いる先遣隊は何とか叩いたものの、すでに後続がヴァルハラ星系に到着していた。今後、一万隻以上の戦力が、五月雨式にやってくることは間違いないのだから、さすがのタンネンベルク伯爵と雖も、その場合は尻尾を巻いて退散せざるを得なくなる。いや、退散できれば幸運、という話だろう。

「大佐、ご苦労だった。早速だが、グリューネワルト伯爵夫人の映像を、こちらに送るのだ。それでこちらの戦闘も終結する」

 アンネローゼの映像は、すぐに「クラウゼヴィッツ」に送られ、ミッターマイヤー提督、いやラインハルト軍に対する効果的な脅迫となる。ミッターマイヤー艦隊からの攻撃は完全に止み、さほど時間が経たない内に退却を開始した。現時点では、形勢不利を認め、退いたということだろう。タンネンベルク伯のオーディン直撃作戦、ブラウ作戦は成功したのである。

「では、これから私もオーディンへ降りる。シャトルの用意をせよ。『クラウゼヴィッツ』は、このまま臨戦待機すること。艦隊の指揮はクライスト准将に一時委任する。当分の間艦隊戦闘はないと思うが、私が『クラウゼヴィッツ』にいないことは秘匿するのだ」

 早速シャトルへ搭乗する為、「クラウゼヴィッツ」の艦橋を後にするタンネンベルク伯である。落ち着きがない、とか忙しない、ではない。決断したら即行動、それも、伯の指揮官としての優れた資質だった。いつまでもぐずぐずと決断を引き延ばし、行動も遅いのではどうしようもない。可能な限り収集した情報を元に、即断即決し、すぐ行動に移す。何も軍人にのみに限った話ではなく、企業経営者だろうが国家の舵取りだろうが、人の上に立つ者が必要とする資質と言ってもいいだろう。もちろん、その判断が間違っていた場合はどうしようもないが、現在のところタンネンベルク伯の決断は、どれもこれも状況に合致したものばかりだった。

 三十分後には地上に降り立ったタンネンベルク伯は、先ずはリヒテンラーデ公爵邸に向かった。すでに公爵邸の警備兵は排除され、公爵自身は自室に軟禁されている。タンネンベルク伯は、警護の兵とともにリヒテンラーデ公爵に面会し、通告した。

「リヒテンラーデ公爵閣下。地位と権力に執着するあまり、晩節を汚されましたな。帝国貴族主流の立場にありながら、成り上がりの体制破壊者に与するとは。先帝陛下の崩御とともに隠居なさっておられれば、今日の日を迎えることもなかったでしょうに」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「言うまでもないことですが、公爵閣下はこの始末を自身でお付けになるべきです。私の言っている意味は、一々説明しなくてもよろしいですな?」

 もちろん、タンネンベルク伯の言っている意味は、「自決しろ」である。金髪の孺子に付いたリヒテンラーデ公爵に、「名誉ある自決」を認めるということだけでも、貴族連合軍にとっては十分な譲歩であるのだ。

----------------------------------------------------------


<以下続く?>

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board2 - No.1253

Re: どうにもこうにも変?ロイエンタール元帥の叛乱

投稿者:小村損三郎
2000年08月11日(金) 23時31分

不沈戦艦さんは書きました
> 1.ロイエンタールが叛乱を起こす動機

そもそもロイエンタールの野心の根元にあるものが
「俺より強い奴と戦いたい」
という、まるでジャンプ漫画か格闘ゲームのキャラクターのような幼稚で漠然としたものだった為、その後の行動や描写にイマイチ説得力と陰影を持たせられなかったことが物語としての大きな弱点になった感じです。
ラインハルトの場合は姉を奪われるという具体的な体験が根っこにある上「ゴールデンバウム王朝の腐敗と社会の不公正」という背景を強調することで説得力を持たせていましたが。


でも、個人的にはこっちよりも4巻のエルウィン・ヨーゼフⅡ世の亡命を受け入れた同盟市民がこぞって騎士症候群に駆られ、世論が皇帝保護・ラインハルト打倒一色になってしまう、という展開の方が強引だと思いました。

「人道だと?ゴールデンバウム家の奴らが、人道なんぞ主張する権利を持っているとでも言うのか。ルドルフとその子孫どもが、何百億人の民衆を殺したか、歴史の教科書を読み返してみるんだな。」

というポプランの反応の方が普通だろ、どう考えても(^^;;)。

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board2 - No.1254

Re: 公約違反の受け止め方

投稿者:小村損三郎
2000年08月11日(金) 23時44分

モトラさんは書きました
> マスコミは基本的に判決に対しては批判的でした。しかし、もしこれが全く逆、万博賛成から反対に転じ、政権党から野党に(もしくは無所属に)鞍替え…という事態だとしたら、マスコミの反応はどうだったのか。支持者に対する背信行為という点では同じでも、ニュース23やNステあたりは当の議員を英雄扱いしていたのでは?

「今日の特集です。」
(ナレーション)「愛知万博賛成を唱えて選挙を戦ったS議員。
彼女は
「支持者を裏切ることになるのでは。」
と悩みながらも何故万博反対の声を上げることを決意したのか。
その心の軌跡を追います・・・。」

↑こんな感じで本人への取材フィルムを交えながらバンバンヨイショしてくれることは間違いないでしょう(^^;;)。
あの人たちのやり口は何年たっても進歩しませんね。

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board2 - No.1255

名将とは?及びその他

投稿者:平松重之
2000年08月12日(土) 02時49分

 不沈戦艦さん

>  どう考えたって不可能な条件ばかりなのに、それでも「叛乱」に酔ってそちらに邁進してしまうロイエンタール元帥ってのは、一体何なのでしょうか。これは、到底「名将」の成す業ではないと思いますわ。これでは、単なる阿呆にしか思えません。結局、田中芳樹が「ロイエンタールには叛乱させる」と最初から決めていて、合理的な理由を思いつかず、無理がある筋書きにしてしまった、というだけではないでしょうか。

 まあ必ずしも「名将」=「最終的な成功者」「常に理知的」という訳ではないですからね(ナポレオン・ボナパルトがいい例です)。

 話は変わりますが、「大逆転!リップシュタット戦役」の中でミッターマイヤーの階級が「中将」と書かれていますが、レンテンベルク要塞でロイエンタールと一緒にオフレッサーを罠に落とす際の台詞(第二巻P109)に、

「おれたちふたりは大将だ。オフレッサーの化物は上級大将。つりあいがとれていていいだろうが」

とありますので、あの時点ではすでに「大将」になっていたのではないですか?(細かいツッコミですいません)
 何はともあれ、毎回楽しく拝見させてもらっています。これからも頑張って下さい。

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board2 - No.1256

どうでしょ?

投稿者:不沈戦艦
2000年08月12日(土) 17時06分

冒険風ライダーさんは書きました

>  一応ロイエンタールがラインハルトに対して新領土への来訪を要請する招請状を送った理由については、銀英伝において次のように記述されています。
>
> 銀英伝9巻 P106上段~下段
> <いずれにしても、ロイエンタールは、オーベルシュタインやラングの風下に立つ意思は皆無であったし、そうであれば当然、自分の未来に対して楽観的ではいられなかった。
>  フェザーンに流れる不愉快な噂を知りながら、あえて皇帝に招請状を送ったのも、ひとつには皇帝の反応が知りたかったからである。皇帝がフェザーンを動かぬ、となれば、皇帝は噂を信じ、ロイエンタールを疑っている、ということになる。ロイエンタール自身に言わせれば、「皇帝はオーベルシュタインやラングの木偶になりさがった」というわけだ。不愉快ではあるが、事態は明確になる。ところで、皇帝が招請に応じて新領土へ行幸すれば、それはロイエンタールに対する信頼を証明する事になるのだろうか。残念ながらそうではない。ロイエンタールを油断させておいて、にわかに彼を捕縛し、処断するつもりかもしれぬではないか。これは皇帝ラインハルトらしからぬ詭計ではあるが、オーベルシュタイン、ラングあたりなら弄しかねない。>

>
>  というわけで、ロイエンタールはラインハルトの反応を見てみたかったがためにあえて招請状を送ったという事が書かれています。したがって、ロイエンタールが招請状を送ったのは「流言が正しいかどうかを確認する」という意味合いが強かったのではないでしょうか。
>  また、これに応じたラインハルトにはまた別の事情があります。ロイエンタールに流言(ちなみにこの「流言」というのはラングが流したウソです)が流れていたのと同じ時期に、フェザーンでもまた「ロイエンタールが皇帝に対して叛意を抱いている」という逆の流言が流れており、そんな時にロイエンタールの招請状が来てしまったため、ラインハルトの性格からいっても立場からしても、ラインハルトはそれに応じざるをえなくなってしまったのです。ロイエンタールに対する噂が流れている状況下でラインハルトが招請状を拒絶したら臆病者呼ばわりされますし、噂の信憑性を証明する事になってしまいますから。
>  それにロイエンタールには、以前にリヒテンラーデ公の一族を身辺においていたために叛逆の疑いをかけられた前科があります。その疑いを再現させないためにも、あえてラインハルトは新領土へ行幸する必要性を感じていたのでしょう。
>  そういうわけで、ロイエンタールがラインハルトを誘い出させるというところまでは、地球教徒の陰謀はそれなりに筋が通っていたのではないでしょうか。もっとも、ウルヴァシー襲撃あたりの構想は私も相当に支離滅裂だと思うのですけど。
>

 そりゃそうなんでしょうけど、「皇帝が招待を受けてやってきた」という事実自体が、「皇帝は病弱ではない」という事を証明していませんかね。病弱でもない皇帝が、何でオーベルシュタインやラングの専横を許さねばならないのか。ラインハルト・フォン・ローエングラムとは、そんなに甘い人物ですかな。それなのに後で「皇帝は病弱だから、オーベルシュタインやラングの専横を許している」となってしまう。矛盾していると思うんですけど。



>
>  おそらくロイエンタールは「流言が完全に事実である」という「ロイエンタールにとって最悪の場合の想定」に基づいて行動してしまったのではないでしょうか。結局のところ、ロイエンタールはラインハルトがオーベルシュタインとラングの傀儡になっているかどうかを確認する事ができなかったのですから、最悪の事態に備えてオーベルシュタインを警戒しなければならなかったわけです。
>  そしてその傾向を助長したのが、ロイエンタールのオーベルシュタインに対する偏見と反感、それにロイエンタールの乱世志向の性格ですね。したがって、ロイエンタールの性格がかなり判断力を狂わせてしまった可能性も高いのではないかと思います。
>
>
>  それとロイエンタールがラングの流言に簡単に引っかかってしまった件についても、一応銀英伝の中にそれなりの理由が明記されています。
>
> 銀英伝9巻 P103上段~下段
> <ロイエンタールは、かなり辛辣な政略的観察のできる男ではあったが、ラングがロイエンタールに「知らせる」ため、誇張と捏造をおこなっているとは気づかなかった。彼は本来、武人であって、叛乱が支配者にとってはマイナス要因であるという観念があった。最初から鎮定を条件とした叛乱の誘発――という発想はなじみにくいのである。そもそも、ロイエンタールは用兵には自信があったし、皇帝と自分との信頼関係を損ねようとする動きに平静でいられようもない。さらには、ラングという人物に対する先入観もある。ラングは皇帝を内心で尊敬してもおらず、ロイエンタールに対して害意をいだいている、という先入観である。しかも、その先入観は正しかった。ラングの策に、結果としてロイエンタールが乗せられたゆえんであった。>
>
>  このように、ロイエンタールの発想的に陰謀を見抜く事ができなかったという要素も大きく、まさに「結果として」ロイエンタールは叛乱を起こすに至ったのではないでしょうか。
>

 その「流言が完全に事実である」とロイエンタールが受け取ってしまった、という事が奇妙だと思うのですが。

「結局のところ、ロイエンタールはラインハルトがオーベルシュタインとラングの傀儡になっているかどうかを確認する事ができなかったのですから、最悪の事態に備えてオーベルシュタインを警戒しなければならなかったわけです。」

 との冒険風ライダーさんの意見ですが、「皇帝が自分でロイエンタールを信じようとして新領土にやってきた」という事実自体が、そんな判断をする根拠を否定していませんか。新領土に自らやって来られる以上、皇帝が病弱である筈もないし、病弱でないのならオーベルシュタインやラングの専横を許す筈もない。客観的情勢に対する判断力をロイエンタールが持っていない、というのはさすがにどうかと思いますが。


>
>  これについては、一応ロイエンタールもそれなりの対処法を考えてはいたようです。
>
> 銀英伝9巻 P171上段~下段
> <ロイエンタールが最初、立案し実行しようとした作戦の大略は、つぎのようなものであった。
>  一、ミッターマイヤー軍の進行にあたっては、新領土各所に配置した兵力を持って、幾重にも防御線をつくり最大限の損害を強要し、その前進速度を鈍化させる。
>  二、敵主力を深く惑星ハイネセンまで引きずりこみ、その後方を遮断する、もしくはそれをよそおって敵の後退をさそう。
>  三、敵の後退に際しては、各所に配置した兵力を再結集して要路をさえぎり、ハイネセンよりの主力と呼応しつつこれを前後より挟撃して敗北にみちびく。
>  右のような基本的計画であった。
>  ロイエンタールの戦略的構想と戦術的技量の双方を後世に知らしめる、壮大で緻密な作戦であったといえる。ただし、この作戦が完全な成功をおさめるには、ふたつの条件が必要であった。ひとつは、この作戦が完了するまで、イゼルローン方面からの敵兵力の侵入がなく、二正面作戦を強いられないこと。いまひとつは、新領土各地に配置された兵力を運用し、再結集する指揮官に人材をえること、である。>

>
>  これって不沈戦艦さんが主張している作戦とほぼ同じものなのではないでしょうか。そして2つの難題のうち、前者はムライをイゼルローンに派遣する事によって解決を図り、後者はロイエンタールがもっとも信頼を寄せていたベルゲングリューン大将をその任に当てています。
>  また、叛乱を長期化させてしまえば、新領土において民主共和主義者による暴動が発生し、それがロイエンタールの味方につくという計算もあったかもしれません。
>  もっとも、この作戦はミッターマイヤー軍が神速のスピードで進行してきたために実行に移す事ができず、ロイエンタールとしては時間的余裕が与えられることなく短期決戦を行わざるをえなくなってしまったのですが、これは泥縄式に叛乱に追いやられてしまい、入念な準備ができなかったという要素も大きかったでしょう。
>
>

 先ずは一.ですけど、「新領土各所に配置した兵力を持って、幾重にも防御線をつくり最大限の損害を強要し、その前進速度を鈍化させる。」って、タダでさえ相手より兵力が少ないのに、何でわざわざ分散配置をやろうとするのでしょうか?各個撃破されるのは目に見えていませんか。負けようとしてやっているとしか思えませんね、この案は。次には二.「敵主力を深く惑星ハイネセンまで引きずりこみ、その後方を遮断する、もしくはそれをよそおって敵の後退をさそう。」ですけど、後方を遮断する予備兵力がありますかね?ロイエンタールの手元に。それと、そういう戦術機動を行うのなら、相手以上の迅速なる行動力が必要ですが、「疾風ウォルフ」、ミッターマイヤー相手にそれが可能だと判断するほど、ロイエンタールが自惚れ屋とも思えません。そして三.「敵の後退に際しては、各所に配置した兵力を再結集して要路をさえぎり、ハイネセンよりの主力と呼応しつつこれを前後より挟撃して敗北にみちびく。」ですが、一.二.で敵の後退があり得ない以上、三.の結論にはならないと思いますわ。

 結局、どうあろうと長期戦には持ち込めないのでは、と思う訳です。何しろ、同盟領は帝国みたいに、奥深いようには見えないので。いかにフェザーンで入手した航路図があるとは言え、ラインハルト軍には簡単にガンダルヴァ星系まで来られてしまっていますからね。ハイネセンまでもそう難しくはないでしょう。領土の奥深さは、同盟がナチス・ドイツで、帝国がソ連という感じがしますけど。


>
>  これはロイエンタールもその危険性は考えていて、とりあえず「君側の奸を討つ」という論法で一応将兵達を繋ぎ止めていたようです。そして一度でも敗北したら将兵が離反していく事もまたロイエンタールは知っていたように見えます。
>  しかしロイエンタールの叛乱はそもそも「自発的に起こした」ものではなく「他者に乗せられた」ものですから、すくなくとも「ロイエンタールの主観的には」他に選択肢がなかったといえるものなのではないでしょうか。
>

 いや、ですから「他者に乗せられての叛乱」にロイエンタールが乗ってしまうのが奇妙なんですよ。ちゃんと状況を判断する材料はあったと思える(皇帝が病弱でない以上)ので。「他者に乗せられての叛乱」など拒否すると思うんですよね、ロイエンタールの性格なら。



>
>  まさにそう思ったからこそ、イゼルローン勢力はロイエンタールの叛乱に加担しなかったのでしょう。そしてロイエンタールにしても、とりあえず時間稼ぎさえしてくれれば良いという程度にしか考えていなかったようで、だからこそ「協力してくれたら旧同盟領全部とトリューニヒトの身柄をくれてやる」という、非常に気前の良い条件を提示していたように思うのですけど。

 結局イゼルローンの勢力は、回廊を押さえているという以外には、はっきり言って「ゴミ」レベルなので、決定的な役割は果たせません。こっちはあんまり気にする必要はないでしょう。イゼルローンの兵力が5個艦隊くらいあって、という話ならロイエンタールがそれを味方に付けられれば勝てるかも、と思っても不思議はないと思うのですが。

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board2 - No.1257

Re: ありゃりゃ

投稿者:不沈戦艦
2000年08月12日(土) 17時18分

平松重之さんは書きました
>
>
> >  どう考えたって不可能な条件ばかりなのに、それでも「叛乱」に酔ってそちらに邁進してしまうロイエンタール元帥ってのは、一体何なのでしょうか。これは、到底「名将」の成す業ではないと思いますわ。これでは、単なる阿呆にしか思えません。結局、田中芳樹が「ロイエンタールには叛乱させる」と最初から決めていて、合理的な理由を思いつかず、無理がある筋書きにしてしまった、というだけではないでしょうか。
>
>  まあ必ずしも「名将」=「最終的な成功者」「常に理知的」という訳ではないですからね(ナポレオン・ボナパルトがいい例です)。
>
>  話は変わりますが、「大逆転!リップシュタット戦役」の中でミッターマイヤーの階級が「中将」と書かれていますが、レンテンベルク要塞でロイエンタールと一緒にオフレッサーを罠に落とす際の台詞(第二巻P109)に、
>
> 「おれたちふたりは大将だ。オフレッサーの化物は上級大将。つりあいがとれていていいだろうが」
>
> とありますので、あの時点ではすでに「大将」になっていたのではないですか?(細かいツッコミですいません)
>  何はともあれ、毎回楽しく拝見させてもらっています。これからも頑張って下さい。


 こりゃ勘違いですね。確かに言われてみればそうでした。ミッターマイヤーとロイエンタールだけは大将でしたっけ。キルヒアイスが上級大将で、他は全部中将だったと思い込んでいたもので。


>まあ必ずしも「名将」=「最終的な成功者」「常に理知的」という訳
>ではないですからね(ナポレオン・ボナパルトがいい例です)。

 ナポレオンも、一旦権力を失う前に、連合国(ロシア、プロイセン、オーストリアなど)との停戦交渉で「イタリアは絶対に譲らない」と強弁して、結局全てを失う羽目になってしまったそうですから、確かにそうは言えますね。フランス本土だけでそれ以上欲張らなければ、停戦条約が締結されてフランスだけの皇帝の地位にはいられたそうなので。

 しかし、ナポレオン最後の戦場、ワーテルローはどうでしょう。客観的に全く勝算がなく始めた訳ではないと思いますけど。リニーの前哨戦ではプロイセン軍を叩いて、相手は逃げ出していますし。どう見ても勝ち目のない戦いを始めたという訳ではないと思いますが。ウエリントン卿の馬防壕の罠に騎兵隊がはまらず、どうやら命令が間違って伝わったというネイ元帥の騎兵だけの突撃(歩兵や砲兵と連携するのが当然)がなく、プロイセン軍を追撃したグルーシー元帥の3万5千の兵力が、相手を深追いし過ぎて最後の戦場に到達できなかったのに、リニーから逃げたプロイセン軍の方は決定的瞬間にワーテルローの戦場に到着した、というミスがなければ(ほとんど柘植久慶氏が言っていることですが)、ナポレオンが勝った可能性もあったのでは?、ということですので。ちょっとロイエンタールの話とは違うような気がします。

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board2 - No.1258

Re: わはははは

投稿者:不沈戦艦
2000年08月12日(土) 17時31分

小村損三郎さんは書きました

> そもそもロイエンタールの野心の根元にあるものが
> 「俺より強い奴と戦いたい」
> という、まるでジャンプ漫画か格闘ゲームのキャラクターのような幼稚で漠然としたものだった為、その後の行動や描写にイマイチ説得力と陰影を持たせられなかったことが物語としての大きな弱点になった感じです。
> ラインハルトの場合は姉を奪われるという具体的な体験が根っこにある上「ゴールデンバウム王朝の腐敗と社会の不公正」という背景を強調することで説得力を持たせていましたが。
>

 その「強い奴と戦いたい」って願望があるにしても、もうちょっと主体的にやってもらいたかった、と思ったもので。陰謀家たちの筋書きにズルズルと流されてしまい反逆者になりおおせる、だなんて全然ロイエンタールらしくないと思うので。



>
> でも、個人的にはこっちよりも4巻のエルウィン・ヨーゼフⅡ世の亡命を受け入れた同盟市民がこぞって騎士症候群に駆られ、世論が皇帝保護・ラインハルト打倒一色になってしまう、という展開の方が強引だと思いました。
>
> 「人道だと?ゴールデンバウム家の奴らが、人道なんぞ主張する権利を持っているとでも言うのか。ルドルフとその子孫どもが、何百億人の民衆を殺したか、歴史の教科書を読み返してみるんだな。」
>
> というポプランの反応の方が普通だろ、どう考えても(^^;;)。
>

 これは確かに。同盟市民もそうですけど、トリューニヒト政権もおかしなものですよね。何でフェザーンの危険な提案にホイホイ乗ってしまうのか。一応、「危機を見抜いて近寄らない」って程度の知恵は、トリューニヒトにはあった筈なんですけど。アムリッツァの失敗をちゃんと予想しているくらいなのですから。トリューニヒトが断固として「皇帝の亡命」を受け入れなかったら、フェザーンはどうするつもりだったんだろ。あるいは「人道的見地から亡命は受け入れ同盟への居住は許可するが、亡命政権の樹立は認めない」とやらかしたら。そこまでフェザーンが同盟政府を意のままに動かせた、というのもおかしなものなのでは。

board2 - No.1262

p

投稿者:
2000年08月13日(日) 09時43分

8/09 - ttp://www1.u-netsurf.ne.jp/~nirosato/FE/priest/B_crash04.htm
08/09 - ttp://www3.org1.com/~zumio/diary.htm
08/09 - ttp://www01.u-page.so-net.ne.jp/ca2/marina/danger.html
08/09 - ttp://www2.wbs.ne.jp/~ginsiro/48te.htm
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08/09 - ttp://hpcgi1.nifty.com/tousikeiba/bbs/petit.cgi
08/09 - ttp://www.aaacafe.ne.jp/free/k078/main.bbs
08/09 - ttp://members.fortunecity.com/mixribdf/image/1159.htm
08/09 - ttp://www.facialfactory.net/seventeen/seventeenindex.php3
08/09 - ttp://www.geocities.com/hanbai_2000/free/adlut.htm
08/09 - ttp://www.geocities.com/hanbai_2000/free/hiros.htm
08/09 - ttp://anon.free.anonymizer.com/ttp://members.tripod.co.uk/~yuriyuri/iecrash.html
08/09 - ttp://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/show/aboutme?userID=burakura502
08/09 - ttp://www.e21-world.com/~xyz/crash1.html
08/09 - ttp://www.e21-world.com/~xyz/crash2.html
08/09 - ttp://search.fresheye.com/?go=file://.htaccess/BCC/bcc.cgi?ttp://search.fresheye.com/?go=file:/.htaccess
08/09 - ttp://members.tripod.co.uk/~yuriyuri/iecrash.html
08/09 - ttp://www.nurs.or.jp/~ogochan/
08/09 - ttp://gesu9.virtualave.net/fcd.jpg/
08/09 - ttp://bbslite.softwind.ne.jp/Dual//
08/09 - ttp://gesu9.virtualave.net/fcd.jpg
08/09 - ttp://bbslite.softwind.ne.jp/Dual//./
08/09 - ttp://www.geocities.com/Colosseum/Pool/5503/nyahahahahahaha.htm

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board2 - No.1264

Re: 返答ありがとうございます

投稿者:ROMsya
2000年08月13日(日) 09時48分

やまださんは書きました
> 本ページ管理人さんは書きました
>
> > 批判とバカにすることは全く違うと私は考えています。
>
> 私もそう思います。ただ中傷としか思えない意見が随所にあるような気がします。せっかくのHPがその事によって、管理人さんの考えを潰しているのではないでしょうか。非常にもったいなく思います。
>

いいんだよ
ここは。現実社会でストレスためてるウヨクゴミのガス抜き場
なんだから。説得しても豚のみみに念仏だし、日本茶と常連が
かさなってるところからも明らかだろ?
どうしてもやめさせたいんなら石井由助と御仲間倶楽部の常連
始末するしかないな

親記事No.1005スレッドの返信投稿
board2 - No.1265

Re: 反銀英伝 「大逆転! リップシュタット戦役」(30)

投稿者:不沈戦艦
2000年08月13日(日) 15時51分

更に続き。

------------------------------------------------------------------------------

金髪の孺子に付いたリヒテンラーデ公爵に、「名誉ある自決」を認めるということだけでも、貴族連合軍にとっては十分な譲歩であるのだ。


「・・・・・・・・・・一つだけ聞きたい。わしが命を絶った後、わが公爵家はどうなる?」

 オーディンを貴族連合軍に制圧されてしまい、逃げることも適わなくなった以上、リヒテンラーデ公爵の命は助かりようがない。せめて家の存続だけでも、と公爵が考えるのも無理のないところだろう。

「ご心配なさるな。もちろん、公爵家の係累は当分の間公職からは追放になりますし、階位も元の侯爵家に、一段階下げていただきます。それだけではなく、争乱の責任ということで領地を一部召し上げは致しますが、リヒテンラーデ侯爵家自体を取り潰すつもりはありませぬ。公爵閣下の自決後、ご子息への侯爵家の継承は認めましょう。ローエングラム侯に与する、などという誤った判断を行った責任は公爵閣下ご自身のみにあります。親族まで処罰する気は、少なくとも私にはありませぬので」

「・・・・しかし、卿がそう言ってくれても、他の者がどう思うかな。リッテンハイム侯などは、快く思わないのではないか」

「それは、私を信用してくれ、としか言いようがありませぬな。タンネンベルク伯爵家の名に賭けてお約束する、という事でご納得いただくしかありませぬ」

「・・・・・・・・・・・・わかった。卿の言うとおり、わしは自決する。後はよろしくお願いしたい」

 リヒテンラーデ公爵はそう言うと、タンネンベルク伯に向かい、深く一礼した。公爵自身の命を奪っても、侯爵家自体は潰さない、というタンネンベルク伯の判断に感謝の意を表したのだ。実際、タンネンベルク伯爵としては、ローエングラム侯に与した者に対しても、降伏した者には寛大な措置を、と考えている。その宣伝効果があれば、形勢によっては日和見して貴族連合の方に転ぶ者も出てこよう。一旦その傾向が出てくると、あとは雪だるま式に味方に付く者が激増し勝負が付く、と伯は考えていたのである。

 次に伯爵は、マリーンドルフ伯爵邸に向かった。これも、ローエングラム侯に付くことを決断した家である。とは言っても、マリーンドルフ伯フランツが、何か要職に付いていたり、ローエングラム陣営の主役として活躍していた訳ではない。タンネンベルク伯も、マリーンドルフ伯を厳罰に処すべしと思っている訳ではなかった。タンネンベルク伯は、マリーンドルフ伯本人と言うより、ローエングラム陣営に接近することを判断した、伯の娘ヒルデガルドに興味を持った、というだけである。

「フロイライン、聡明な貴女が、何故ローエングラム侯に付く事を決断なさったのかな?私としては、その過程に相当な興味を憶えるが」

 タンネンベルク伯とさしでやり取りしていても、ヒルダは臆した様子は全く見せなかった。

「言うまでもありませんわ。この戦、ローエングラム侯が勝つ、と判断した為です。家の生き残りの為ですわ」

「ほう、しかし今現在の状況は、フロイラインの判断とは大分違うようだが、それについてはいかにお考えかな?」

「それは、全くの想定外の事態です。タンネンベルク伯爵閣下の介入は、予測因子の中に入っていませんでしたので。わたくしも驚いていますわ。しかし、まだ終わった訳ではありませんわね」

「ふむ、確かにフロイラインの言う通りだな。わが貴族連合は、まだ勝った訳ではない。取り敢えずオーディンを押さえて、ローエングラム侯の油断をものにした、というだけだ。また、貴族連合軍自体も、全体の兵力はローエングラム侯軍より上とはいえ、意思統一が図れているとは言い難い。何しろ、リッテンハイム侯がブラウンシュヴァイク公と喧嘩別れしたからこそ、分派活動が可能になり、私のオーディン直撃戦略が行える、という皮肉な結果になったのでな。フロイラインがローエングラム侯有利と判断した理由も、そのあたりではないかな?貴族連合は勝手に分裂して自滅する、と予想して」

「・・・・・・・・・・・・・・」

 平然と貴族連合の問題点をも指摘してみせるタンネンベルク伯に、ヒルダは無言で頷いてみせるだけだった。しかし、内心では驚きと不安があった。そこまでちゃんと理解しているのに、貴族連合に荷担するタンネンベルク伯。一体この人物は何を考えているのだろう、何か勝算があるのだろうか?と不気味に思ったからである。

「フロイラインの次の疑問は当然そこだろうな。『一体、タンネンベルクなる男は、この後何をどうするつもりなのか?』と。今のところの状況としては、グリューネワルト伯爵夫人を人質に取れたところで、私にはかなりの時間が与えられた訳だ。何か手を打つのに充分な時間がな。それを精々有効活用させてもらう事にする、というだけだ。成功すれば、おそらくフロイラインの思った結果とは、逆になることだろうな。さすがに、一応敵方に付いているフロイラインには、具体的に何をどうするかまでは教えてはやらぬが」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「まあ、我らが勝ちローエングラム侯が敗北した場合でも、フロイラインはさほど心配せずともよい。もちろん、マリーンドルフ伯爵家には、領地を削るか罰金程度の懲罰は当然行うが、それ以上伯爵の命を差し出せ、などの無体な要求をするつもりは持っておらぬ。リヒテンラーデ公とは違い、伯爵やフロイラインが、重要な地位や立場でローエングラム侯に与力した、とは言えぬしな。我らの目的は、帝国の根幹たる貴族階級に挑戦した不逞の輩を討伐する事であって、日和見した貴族階級に対してまで、厳罰をもって律する、ということではない。見せしめはリヒテンラーデ公爵一人で充分だということだ。また逆に、ローエングラム侯が勝利した場合は、フロイラインは『タンネンベルク伯により軟禁されていた』と主張すればいいだけだろう。まあ、今回フロイラインには、このままご自宅に籠もって、戦役の行く末を黙って見ていていただくとしようか。残念ながら、何かの役割を果たすことは適わぬ。フロイラインのように、切れる人物に帝都で蠢かれるのは、背後を脅かされて危険なのでね。外出も通信も許可できない」

 それだけを言うと、タンネンベルク伯は、ヒルダとの会見を打ち切って、マリーンドルフ伯爵邸を後にした。

「これは本当に予想外の事態だし、ひょっとするとひょっとするかも知れないわね。タンネンベルク伯爵の手並みは、驚く程のものよ。ローエングラム侯爵といい勝負、いえどちらが上かは私にも解らない。所詮は現体制を肯定するだけの、時代の流れに付いていけない旧勢力と侮ったのは間違いだったのかしら?」

 タンネンベルク伯の姿が消えたあと、しばらく考え込んでしまったヒルダである。

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<以下続く?>

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