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- board2 - No.1108
貴族制度の正当性(実はルドルフは正しかった!・・・かもしれない)
- 投稿者:北村 賢志
- 2000年06月29日(木) 03時56分
銀英伝はもとより、現在では多くの書籍で「貴族制度」(ここでは大雑把に「出生により人生が決まる」制度とします)は否定されています。
しかし考えてみれば人類の歴史はむしろ「出生により全てが決まる」時期の方が遥かに長かったわけで、すなわちそう言うやり方が支持される合理性と理念があったと見るべきでしょう。
出生で人生の全てが決まると言う事は、必然的に生まれた時から一本のレールを走っていればよい事になります。
そうなれば幼い頃から一つのやり方だけを教わることになりますから、少々の向き不向きなど関係無く、成人する頃にはそれなりに一人前になっているわけです。
職業が生まれで決まっている以上、競争相手が出てくる可能性も少ないですから、一生その仕事だけをやって食べていけます。
選択肢がないからこその利点と言うものが「貴族制度」にはあるといえます。
しかし当然ですが社会の進歩が遅く、先人のやり方を踏襲していれさえすれば良かった時代ならこのやり方で何ら問題はありませんが、一世代どころか数年で飛躍的な進歩を遂げる現代ではこのようなやり方は通用しません。それゆえ「貴族制度」は廃れたわけです。
(「能」や「華道」の家元制度も、現代では一見非合理に見えますが、何十年もやらねば一人前になれない世界において、実は合理的なものだと言えます)
しかるに「銀英伝」の世界では、社会の進歩は停滞し、何百年も革新的な進歩が無い事が描かれています。言いかえれば「貴族制度」が機能しうる下地があったということになるのです。
まあ田中氏がそこまで考えていたのか分かりませんが、少なくともルドルフの貴族制度は「銀英伝」世界の設定からすれば、それなりに合理的だったと思われます。
-
- board2 - No.1109
さくらやらない?
- 投稿者:りお
- 2000年06月29日(木) 09時32分
みなさんはテレホンレディーというお仕事を知っていますか?さくらと言われている、
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- 親記事No.1109スレッドの返信投稿
- board2 - No.1110
なんでしょうね、これ
- 投稿者:本ページ管理人
- 2000年06月29日(木) 15時11分
ウチのサイトなんかで宣伝してもあんまり効果はないのでは(苦笑)
一応こんなのも来ているという記録で残しておきますが、次からは削除します。
- 親記事No.906スレッドの返信投稿
- board2 - No.1111
Re1106/1107:ヤンの責任と亡命問題
- 投稿者:冒険風ライダー
- 2000年06月29日(木) 15時16分
>かっつさん
<同盟崩壊に至るまで、ヤンの地位は、政治的指導者に直接属する立場でなく、間に統合作戦本部長(でしたっけ?手元に資料がないから忘れてしまいました)や宇宙艦隊司令長官を介しています。小牧さんが仰っていたとおり単なる辺境の一軍人に過ぎません。このような立場の者が恣意的に個別の政治家と結びついたら、それこそ民主主義の危機なのではないでしょうか。>
しかしヤンには「民主主義擁護」という明確な目的意識があったのでしょう? そうであるのならば「辺境の一軍人」になど甘んじていないで、自分がそれなりの影響力を発揮できるような地位につけるように努力するべきだったのではないですか? そして銀英伝3巻以降における同盟政府の軍部に対する過剰な政治的干渉を食い止め、健全な国防運営を行わせることができたのはヤンしかいなかったのです。にもかかわらず、ヤンは自分がそれなりの影響力を行使できるだけの地位にのし上がっていくための努力すら全く行っていません。
イゼルローンに閉じこもっているだけではラインハルト率いる帝国軍から同盟を守る事ができないということが理解できていなかったわけではないにもかかわらず、また政府の愚劣な政治的行為について知っていたにもかかわらず、そして自分が同盟軍最高指揮官になればかなり有益な国防運営ができる確信があったにもかかわらず、ヤンは自分の影響力を行使するどころか出世しようとすらせず「辺境の一軍人」などに甘んじていたのです。これは民主主義国家を守る軍人の立場から言っても職業倫理からしても非常に無責任な態度ではないのですか?
<ヤンはその地位の制約の中で、手続きを踏んで民主主義の擁護に努めていると思います。クーデターの時は、上司である宇宙艦隊司令長官ビュコックを通じて、善処を依頼したし、「神々の黄昏」のときには、やはり上司である国防委員長アイランズの要請に応じて諮問に答えているではありませんか。>
ではバーミリオン会戦時におけるヤンの無条件停戦命令違反は? 同盟政府の艦船を奪うようにメルカッツ提督に要請した件は? エル・ファシル独立政府やイゼルローン共和政府における非民主的な成立過程や政治形態は? そしてそれらの「民主共和政体」の存続に加担し、帝国との無謀な戦争を行ったヤンやヤン・ファミリーの行動は?
これらの行動は全て民主主義の手続きなど踏んでいませんし、ましてや民意に基づいたものですらありません。エル・ファシル独立政府やイゼルローン共和政府は成立過程を見ても政治形態からしても「民主共和政体」とはとても言えませんし、前二者の件に至っては同盟滅亡の直接原因にすらなっています。これでもヤンは「民主主義の擁護者」と言えるのですか?
<近代国家であるアメリカやには、軍事と政治を結びつける機関がありました。日本でも、陸海軍に政治との連絡を任務とする「軍務局」が置かれていました。。ヤンはそのような機関に属していた様子もありません。>
というよりも、同盟における政治システム自体にこのような制度があったとは思えませんね。帝国領侵攻作戦に反対していた統合作戦本部長のシトレ元帥の意見でさえ、同盟政府の愚劣な政治決定に対して全く無為無力だったあたりからしてもそのように見えるのですが。
国防・軍事問題に関して、専門家たる軍人の意見が全く考慮されないという体制ははっきり言って異常です。そのあたりから見ても、どうも同盟の政治体制自体に致命的な欠陥があったとしか思えないのですが。
>平松さん
<確かに分割管理方式を採用すればかなり楽にはなるでしょうが、それでも危険が大き過ぎる事にあまり変わりはないのでは?乗組員も刑務所内の獄吏とは違って亡命者に対してあまり高圧的な態度に出れるはずもないですし、やはり1000人を無事にかつ密かに運ぶのは難しいのではないでしょうか。密航幇助などというやばい仕事である以上、身の安全を第一に考え、無難に少数の亡命者しか扱っていなかったと思うのですが。>
しかし最低でもそれだけの大量輸送をしていかないと、
<No,1046で冒険風ライダーさんご自身がおっしゃった通り、ダゴン星域会戦直後の頃に大量の共和主義者が亡命していったのと同じく、一般の亡命者も帝国上層部の政変やそれに伴う混乱が続いていたこの時期に大量に(それこそ数十億という単位で)同盟へ亡命していったという事で説明がつくのでは?>
というのと矛盾してしまうんですよね。
一隻の商船が年二回往復で亡命者を輸送すると仮定し、そのサイクルで年間10億人を輸送するとなると、一回の航行でたった50~100人しか輸送しない場合、最低でも輸送するための艦船が500~1000万隻以上必要となり、様々な点で不都合が生じてしまうという問題があるのです。何しろ500~1000万隻と言えば単純に数だけを見ても恐るべき数字であり、また銀英伝における艦船事情から言っても「それだけの艦船を作るだけの余裕があるの?」という問題が出てきます。このあたりの問題点を整合させるためにも「500~1000人クラスの大量亡命は可能」という設定が必要となったわけです。実は本音を言うとこれでもまだ少ないぐらいなのですが、ちょっとこれ以上はさすがに無理だと思うので(^_^;;)。まあ貨物スペース全てを割いて亡命者を押し込めてしまえば、1万~2万人クラスの輸送能力は充分にあったでしょうけど。
まあこの亡命問題をこれ以上やっていると、さらにどんどん深みにハマッていくような気もしますので(^_^;)、平松さんの仰る通り、このあたりで「保留」という事に致しましょうか。
- 親記事No.1005スレッドの返信投稿
- board2 - No.1113
Re: 反銀英伝 「大逆転! リップシュタット戦役」(7)
- 投稿者:不沈戦艦
- 2000年06月29日(木) 15時34分
更に続き。
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しかし、その見込みが根本的に変更を余儀なくされようとは、思ってもいなかった。
「敵艦隊、退却?後退します!」
一旦はキフォイザー星域に侵入するかと思われたリッテンハイム艦隊は、星域の入り口で全艦が一斉に回頭反転し、後退を開始した。狐につままれたようなキルヒアイス艦隊を無視して、一旦距離を取った後に、艦隊陣型の再編を開始する。とは言っても、一応秩序だったものなので、キルヒアイスと雖も突っかける訳にはいかない。敵の攻撃を十分予期し、反撃体勢を整え、安全距離を取った上での陣型再編なのである。これは、シュタイナー少将の考案した通りの、艦隊運動であった。
「提督、敵の通信を傍受しました。『リッテンハイム侯よりの命令である。艦隊の陣型を再編する。今のままでは、美しい陣型ではないので、艦隊陣型をBパターンに変更するのだ』、という事です」
ベルゲングリューン准将は、苦笑しながらキルヒアイス上級大将に報告した。「美しくないから艦隊の陣型を変更する」など、いかにも大貴族特有の、我が儘を剥き出しにしただけ、としか思えなかったからである。それを聞いてキルヒアイス上級大将は、にっこり微笑む。
「そうですか。リッテンハイム侯は変わった事にこだわるのですね・・・・・まあいいでしょう。敵が納得する陣型を整えるまで、待つことにしましょうか」
若干、腑に落ちない点が無きにしも非ず、と不審に思わぬでもないキルヒアイスだったが、特に難点がある訳でもないので、大人しくリッテンハイム艦隊の再進撃を待つ事にする。こちらから突っかけるのは無理そうであるし、敵が逃げる訳でもないからだ。
八時間後、陣型を再編し終わったリッテンハイム艦隊が、キフォイザー星域への再突入を開始した。キルヒアイス艦隊にも緊張が走り、交戦寸前の様相を見せる。
ところが、またしてもリッテンハイム艦隊は後退を開始した。今度は、後ろを見せずに逆進してそのまま後退していくのだ。二度までも肩すかしを喰わされたキルヒアイス艦隊では、いっぺんに緊張感が解けてしまう。
「提督、また敵の通信を傍受しました。『Bパターンも今ひとつなので、Cパターンに変更する。やはりCパターンの方が美しい。艦隊は逆進して後退し、再度艦隊陣型の変更を行え。これはリッテンハイム侯直々の命令である』・・・・・・以上です」
ベルゲングリューンはいかにも「呆れ果てた」と言いたげに、肩を竦めながらキルヒアイスに報告する。いかにリッテンハイム侯が我が儘だと雖も、いくら何でも度が過ぎている、と思ったからだ。
「いくら何でもおかしいですね。何か策略を立てているのではないでしょうか・・・・・・」
キルヒアイスの目に、事態を憂慮する色が加わった。いくら何でも、リッテンハイム侯の我が儘があったとしても、ここまで酷い事はないだろう。
「閣下。どうも敵の艦の数が、若干少な目のような気がするのですが・・・・・」
ビューロー准将が意見を述べる。情報では、リッテンハイム侯の艦隊は、五万隻余りを数えていた筈だ。ざっとの計算で、四万隻ほどしか確認されていない。
「と、いうことは、伏兵が迂回機動してくる、という事か?側背攻撃を行う為に」
ベルゲングリューンが、ビューローの言葉に直ぐに反応する。
「ワーレン提督と、ルッツ提督に連絡。『敵の伏兵による、側背攻撃に注意!』、一応、二人とも気付いてはいるでしょうが、確認の為に連絡しておいて下さい」
----------------------------------------------------------
<以下続く?>
- 親記事No.906スレッドの返信投稿
- board2 - No.1115
創竜外伝--副題・ある軍人の責任
- 投稿者:新Q太郎
- 2000年06月29日(木) 16時57分
冒険風ライダーさんは書きました
> 健全な国防運営を行わせることができたのはヤンしかいなかったのです。にもかかわらず、ヤンは自分がそれなりの影響力を行使できるだけの地位にのし上がっていくための努力すら全く行っていません。
> ヤンは自分の影響力を行使するどころか出世しようとすらせず「辺境の一軍人」などに甘んじていたのです。これは民主主義国家を守る軍人の立場から言っても職業倫理からしても非常に無責任な態度ではないのですか?
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今、不沈戦艦氏の本格的仮想小説が続いているから、私のインチキ話は大変やりにくいのだが(笑)、これに関係したフィクションを書いてみようと思います。
「創竜外伝」
ある日、竜堂兄弟の家を、前ぶれもなく訪れた老人がいた。
かなりの年配者だが、背筋はぴんと伸び、足取りはしっかりしている。
風雪を経てきたものだけが持つ威厳を、その老人は身にまとっていた。
「君達が、4人のお孫さんだね」
「あの…失礼ですがどちらさまでしょうか」
続が、警戒を解かずにたずねる。
「これは失礼した。私は君達のお爺さんに、大陸で大変お世話になった者です。
たしか今日は彼の命日の筈だ。
いきなり訪れて恐縮だが、線香の一本もあげさせてもらえんかね」
「これはわざわざ…どうぞお上がりください」始が促した。
虚飾を嫌う竜堂家は、命日だからといって仏壇をごてごて飾り立ててはいないが、それなりの供え物はしている。その前で線香の煙につつまれながら、老人はいつまでも目を閉じていた。そして、大粒の涙をこぼした。
「ひょっとして、陸軍の磐田中佐…でいらっしゃいますか」
始はかつて、祖父から「わしの会った陸軍の男で、利巧で良心的だったのは磐田ひとりだ」という話を聞いていたのだ。
「そうだ…彼は、私の一番の友人だった。
始さんといったね。君達のお爺さんは、まさに野の遺賢だった。そして、彼の先見を知るものは私だけだったろう。夜を徹して議論しては、我々は祖国が間違った道をまっしぐらに進んでいることを慷慨していたのだ。そして、あるべき姿を二人で模索していた。
まず小さい範囲では、乱れた軍律を厳罰で正す事。次に国際法を兵士に周知徹底させること、占領地において衛生・医療を住民に解放する事、外国ジャーナリストの安全と活動を保障し、世界世論を抑止力にすること、地元の知識人と資本を尊重すること。
大きくは、各民族の融和と、何より和平と撤退の道を探ること……どれもこれも、我々の考え方は正しかったと思う。あの通りに少しでも進めば、わずかなりとも悲劇を減らすことができただろうに」
その一種他人事のような言い方に、軽い反発を覚えた始は、意地悪な質問をしてみた。
「じゃあ、なぜそれを実行しようとしなかったんです」
「提案した。却下された。それで『給料分の仕事はした』んであとは黙ってた」
「……ごもっともです」
おわり
- 親記事No.906スレッドの返信投稿
- board2 - No.1116
Re1111:亡命問題ひとまず保留
- 投稿者:平松重之
- 2000年06月30日(金) 02時54分
冒険風ライダーさん
> まあこの亡命問題をこれ以上やっていると、さらにどんどん深みにハマッていくような気もしますので(^_^;)、平松さんの仰る通り、このあたりで「保留」という事に致しましょうか。
長かったですねぇ(^^;)。このままズルズルと続けても様々な部分で支障が出て来そうでしたので…。気長にお付き合い頂きありがとうございました。今後の創竜伝への鋭い批評を楽しみにしていますので(さすがにあの作品を擁護する気にはあまりなれません(^^;))、これからも頑張って下さい。自分も今少し勉強して出直してきます。
- 親記事No.1005スレッドの返信投稿
- board2 - No.1117
Re: 反銀英伝 「大逆転! リップシュタット戦役」(8)
- 投稿者:不沈戦艦
- 2000年06月30日(金) 17時17分
更に続き。
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『敵の伏兵による、側背攻撃に注意!』、一応、二人とも気付いてはいるでしょうが、確認の為に連絡しておいて下さい」
キルヒアイスの命令で、通信が飛びワーレンとルッツに伝えられた。そうは言っても、ワーレン隊もルッツ隊も、側背攻撃の危険性は十分考慮して布陣している。警戒をいっそう厳重にする、という以外に何もやりようがない。
敵の奇妙な行動に対し、一応対処はしているものの、キルヒアイスの心中の不安は、一向に消去されはしなかった。どろどろした黒い物が、胸の中でとぐろを巻いているような気分である。暗い洞窟に閉じこめられ、出口がまるで見えない状況、と言ってもいいだろう。不安感だけが堆く積み上がっていくのだ。
敵の後退後、何も起こらないまま、また八時間が過ぎた。再々度の艦隊陣型変更を行ったリッテンハイム艦隊は、またもや進撃を開始する。最初の陣型で交戦を開始していたら、とうの昔に決着がついていたかも知れない。事実、一日近く、時間を無駄に経過させただけだったからだ。また、そこまで時間を費やしているのに、敵の別働隊が側背から姿を現す訳でもない。全くもって、何の為にここまで時間を潰したのか、さっぱり解らなかった。
「敵艦隊、接近!」
ようやく交戦が開始されるか、と「待ちくたびれた」と言わんばかりのキルヒアイス艦隊の目前で、それは起こった。
「て、敵艦隊、射程外にて90度回頭!」
リッテンハイム艦隊は、まだ射程の倍はある距離で、一斉に左90度回頭し、整然と航進を開始した。それ以上接近しては来ず、交戦する気配はまるでない。いや、徐々に遠ざかりつつあるようだ。戦闘を目的とした艦隊行動ではないことは、明白だった。
「敵艦隊、帝都方面への航路を取ります!」
それを聞いてようやくキルヒアイスは敵の意図を悟った。
「まさか・・・・帝都に向かうつもりなのですか?」
キルヒアイスは驚く。まさかリッテンハイム侯が、そのような事を考えつくとは思ってもいなかったからである。まさに、「意表を突かれた」というところだった。しかも、リッテンハイム艦隊は、整然とした行動で、一直線に帝都オーディンの方向へ移動している。
もちろん、キルヒアイスは、このままリッテンハイム艦隊をオーディンへやる訳にはいかない事くらい解っている。戦力的には空の帝都に入城されてしまった場合、皇帝とアンネローゼの身柄をリッテンハイム侯に押さえられてしまう。皇帝はまだしも、アンネローゼがそのような目に遭う、というのはラインハルトのみならず、キルヒアイスにとっても悪夢以外の何物でもない。
「敵をオーディンへ到達させる訳にはいきません。全艦、全速突撃!敵の帝都への侵攻意図を挫くのです!!」
キルヒアイスにしては珍しく、かなり慌てて命令を下した。司令官の感情が伝染したのか、キルヒアイス艦隊の全艦は、雑然とした突進を開始する。かなり距離を離されたので、何とか追いつかなければならず、命令を受けた側も慌てた為だった。それでも、キルヒアイス艦隊は、隊形を崩しながらではあるものの、リッテンハイム艦隊との距離を急速に詰め、射程距離に到達しつつある。何とか射程に納められれば、待避中の敵の斜め後方から襲撃する事になるので、多少陣型が崩れていても問題は無いはずだ。
「ふむ。さすがのキルヒアイス上級大将と雖も、焦りを誘えばこんなものか。まだまだ若いな」
高速戦艦「ダンツィヒ」の艦橋にて、シュタイナー少将は一人呟いていた。シュタイナー別働隊は、すでに迂回機動を終え、キルヒアイス艦隊の左舷下方に位置している。探知可能距離ぎりぎりで、敵が慌ててリッテンハイム艦隊に突っかかるのを待っていたのだ。今となっては、完全にキルヒアイス艦隊からは盲点の位置にいると言っても間違いはない。突然進路を変え、オーディンへ向かおうとするリッテンハイム艦隊に気を取られ、周りに注意している様子は全くなかった。しかも慌てて追っているので、キルヒアイス艦隊の艦列は崩れつつある。攻撃するには絶好の機会であろう。
「全艦、突撃開始!全速で接近し砲撃を加え、敵の真っ直中を喰い破る。上方に突き上げつつ反対側に抜けて、距離を取ってから反転し、再度攻撃だ!続け!!」
一際大きな声で命令を下すと、シュタイナー隊は「ダンツィヒ」を先頭に突撃を開始した。高速戦艦、巡航艦、駆逐艦だけで編成した部隊なので、速度はかなりのものだ。あっという間に距離を詰め、キルヒアイス艦隊に迫る。
----------------------------------------------------------
<以下続く?>
-
- board2 - No.1118
マンフレート晴眼帝よ!
- 投稿者:ペトローヴィッチ
- 2000年07月01日(土) 08時50分
オーベルシュタインが亡命するのならば、という大胆な
発想に打たれ、私も考えたのは、
マンフレート晴眼帝が統べる、宇宙です。
幼少のみぎりに共和政体を肌で知り、かつ宮廷政治の
陰険さで晴眼を失った帝ならば、叛徒の首魁との
和平は少なくとも可能だったのではないか、
さらに地球教徒の影響も最小限に押さえられたのでは、
と夢想します。
田中芳樹の説く、中華帝國の持つ、
国家としての徳性、王道中の王道が、
マンフレート帝の”叛徒との限局的和平”
では無かったのではないでしょうか?
- 親記事No.1005スレッドの返信投稿
- board2 - No.1120
Re: 反銀英伝 「大逆転! リップシュタット戦役」(9)
- 投稿者:不沈戦艦
- 2000年07月01日(土) 14時53分
不沈戦艦さんは書きました
更に続き。
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あっという間に距離を詰め、キルヒアイス艦隊に迫る。
「撃て!」
9000隻の艦から光の矢が放たれ、キルヒアイス艦隊に降り注いだ。第一撃は全艦をもっての、一点集中砲火である。突入点を先ずこしらえ、その後連続砲撃で破孔を拡大するのだ。
シュタイナー隊の一点集中砲火が着弾すると、たちまち連鎖爆発が発生し、キルヒアイス艦隊の艦列は大幅に崩れ、大穴が開いてしまう。そこへ「ダンツィヒ」を先頭に、シュタイナー隊が入り込み、全速前進しながら、更に攻撃を加え破孔を拡大してゆく。渾身の力を込め、鋭い錐を突き刺したような突撃、とでも言ったら解りやすいだろうか。キルヒアイス艦隊の左舷後方天底方向から、右舷前方天頂方向に向かう、下から斜め上に突き上げるような突撃である。
「なっ・・・・・・・」「なにっ・・・・・」「なんだと!・・・・・」
キルヒアイス、ワーレン、ルッツの3人はほとんど同時に絶句した。一瞬気を放した隙に、高速部隊が突入してくる。考えもしなかった事態であり、完全に意表を突かれたからだ。
「突入した敵戦力は、およそ9000!」
「高速戦艦、巡航艦、駆逐艦による快速部隊!」
「左舷後方、敵突入部に配置された部隊は壊滅的被害を受けました!艦列が突き崩されつつあります。被害甚大!!」
「敵は味方を蹂躙しつつ、突き上げるようにこちらへ向かってきます!」
味方の苦戦の報告が、キルヒアイスの旗艦「バルバロッサ」に相次いで届いた。
「リッテンハイム艦隊への追撃中止!陣型を再編し、突入してきた敵部隊の迎撃に移って下さい!!」
キルヒアイスは即座に対処を指示するが、それどころではなかった。そう言っている間にも、シュタイナー隊はキルヒアイス艦隊の真っ直中を突き抜け続けている。対処する暇もなく、右往左往しているだけの艦が圧倒的に多い。いかにキルヒアイス、ワーレン、ルッツの戦術指揮能力が秀でているにしても、一旦混乱の渦に陥った味方を立て直すのは容易ではなかった。何しろ、下級指揮官はキルヒアイスでもルッツでもワーレンでもないのだ。そのレベルに、上級の提督と同じ能力を期待するのは酷というものだろう。
「敵艦隊、本艦の至近距離を通過中!」
キルヒアイスが「バルバロッサ」の窓外を眺めると、斜め下から突き上げるかのように突進して行く敵の高速艦集団と、その周囲に広がる、爆発した味方艦による光の輪が目に入った。キルヒアイスには解らなかったが、その集団の中にシュタイナー少将の「ダンツィヒ」の姿もあったのである。
・・・・・・驚くべき事に、敵艦隊が嵐のように通り抜けて行ったたった十数分の間に、キルヒアイス艦隊は4000隻からの損害を受けていた。小中破まで含めると更に増え、6000隻余りになる。しかも敵に与えた損害は、ほとんどない。キルヒアイス艦隊が一方的に蹂躙されただけである。シュタイナー別働隊の突進力を破壊力が、いかに優れていたか、キルヒアイス艦隊がいかに混乱したか、を如実に現していよう。
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<以下続く?>
- 親記事No.906スレッドの返信投稿
- board2 - No.1122
Re: Re1097/1101:銀英伝の世界設定における人口と大量亡命の関係その他
- 投稿者:智司
- 2000年07月01日(土) 18時30分
>①軍部が立法府に意見を述べるのは行政府と立法府の癒着なのではないか?
↓
②軍が独自に動いて議会に政策の是正を働きかけるのはおかしいのではないか?
↓
③「相互牽制」という表現には誤解があるのではないか?
便宜上、番号を振りました。
①は、軍部を行政の下部組織と考えた場合ですが、軍部の独立性を理由に説明されました。それゆえ行政・立法・軍部をプレイヤーとして見なす(②)のであれば、官僚が議会を動かすのと同様に、軍部が議会を動かす、つまり官僚政治に習っていえば軍部政治になる可能性があるということです。これは優馬さんの言葉を借りてもいえることだといったまでですし、軍部を諮問機関と捉えるのであれば、当然のことではないですか。だからこそ行政・立法・軍部の相互牽制は、おかしいのだと主張しているのですよ。①は私の印象が誤りのためですし、②=③でしょう。
あくまでも私は「相互牽制」という言葉から受ける印象(軍部の恣意を許しかねないというもの)に関して述べていた訳ですし、それに対して、冒険風ライダーさんは軍部独自の判断に基づく行動を認めると主張してきた訳でしょう。この対立構造は、一貫して変わっていませんよね。
それに冒険風ライダーの意見が、軍部の独自の判断を認めるといっておきながら、一方で当たり前といえば当たり前だけれども、例えば行政が軍部を抑圧した際に、議会へ訴えるということなどに限定していますよね。これを私は軍部の恣意性を認めないと解釈したのですが、違うのですか? 私は前者だけで当初は議論していたけれど、後者の意見が途中で出てきたので、これを考慮するのは当然ではないですか? それとも私に冒険風ライダーさんの意見の一方的決め付けという醜悪なことをしろとでもいうのですか?
それから、この問題に関しては、これ以上の議論は無駄だと思います。ただ、恣意的解釈の危険性(戦前の日本の軍部の暴走が、統帥権=天皇のためであれば何でも許されると解釈したことに発していた事など)が、私の念頭にはあったことは述べておきます。冒険風ライダーさんの発言だと、こうした解釈を許してしまいかねないので。というよりそのまま制度化されたら、悪意のある人間だったら、必ずするでしょう。だから厳密にいえば、同じ意見ではありません。こうした一見瑣末な部分をきちんとしておかないとマズイと考えている訳です。冒険風ライダーさんは、人間の善性に委ねているように見えるのですよ。
でも、これを醜悪な結末というのであれば、フレームの方が良かったんですか?
>「代表されるものと代表するものの関係の喪失」についてですけど、普通このような言葉から連想されるのは「民主主義国家における国民と政治家との関係」ですし
ファシズム(ルイ・ボナパルト)を最初から出していますが、これを民主主義的理想に基づく代表されるものと代表するものの関係と判断されたのであれば、冒険風ライダーさんの理解不足でしょう。まさかファシズムが民主主義的理想に基づく等と考えている訳ではないでしょうに。
>はっきり言ってこんな細かい事は私にとってはどうでも良い事なのです。私にとって「政治は結果が全て」であり、結果をもたらした「原因」や「背景」こそが重要であると考えているのですから。
つまり、自分が関心のない意見は、どうでもいいという訳ですね。政治学は細分化されているとはいえ、代表されるものと代表するものの関係は、重要なテーマの一つなんですが、そう思うなら御自由に。でも私の意見はアレントやハイデッガーがまさに述べている事なんですけどね。もともとはマルクス?だったかな。いずれもファシズム研究の第一人者ですが、たぶん彼らよりも冒険風ライダーさんの方が賢いのでしょうね。
>「行政府の権限が強くなければならないからこそ、立法府のチェックシステムは確立されるべきである」
であって、大統領制についても議院内閣制についても一言半句も触れていないではありませんか。
おやおや、冒険風ライダーさんが、ファシズムは議院内閣制からしか生じていないということを受けて、行政府の権限が弱いと言及し、行政府の権限が強いものとして大統領制をあげていた訳でしょう。だからそれにのって議論したのですよ。だいたい「行政府の権限が強くなければならないからこそ、立法府のチェックシステムは確立されるべきである」というのは、私が大統領制だから(行政の権限が強いから)といって必ずしもいいとは限らないと指摘してからの言説です。それで、この矛盾をどう説明してくれるのかなと思った訳です。
もともと行政府の権限の強弱を問題にしていたのは、独裁者の誕生の回避と行政権力の強弱の関係だったはずです。互いに熱くなったのか少々ずれてきていますが。これに関して、行政府の権限が強ければ独裁者は生まれないとしてきたのが、冒険風ライダーさんでしょう。それに対し、私は、行政府の権限の強弱と独裁者の誕生は無関係だといってきた訳ですよね。まあ、この件に関しては、フセイン大統領の例を挙げたらレスがなく「政治体制は何でもいいのだ」と述べている訳ですから、否定できなかったんでしょうけど。
現在の議院内閣制における行政権力の強化の流れは、「意思決定のスピード」という問題に関してですよ。独裁者の誕生とは関係のないところから出てきたことですし、私に何をいえというのでしょうか? こんなことを持ち出すなんて、おかしくないですか?
独裁者の誕生と行政府の権限の強弱は関係ないのであり、この流れで「行政権力は強くなければならない」と言い切ることはできないと主張するのが、どこがおかしいのでしょうか? それは相対的にしか言えないことなのだといっているだけなのに、馬鹿馬鹿しい解釈云々とは、理解に苦しみますね。
冒険風ライダーさんこそが、「論争の論点」を勝手に移動させているではないですか。
>人様の発言を「暴言」呼ばわりする前に、まずは論争相手の主張内容をまともに読もうとすらせず、頑迷な公式論と勝手な解釈を振りまわし、挙句の果てには「論争の論点」を勝手に移動させている自分の論争姿勢を少しは顧みてはいかがです?
という前に、私の意見を決め付けて、似非民主主義者呼ばわりした人に言われてもね。私は、少なくとも間違っていると思えば、その都度訂正していたけれど、冒険風ライダーさんにいたっては、何一つ訂正しないし、中傷までするのですから。
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- board2 - No.1123
モノの見方
- 投稿者:モトラ
- 2000年07月01日(土) 19時25分
お二人の議論を傍聴させていただいたところ、冒険風ライダーさんの姿勢は「ある事象に対する仮説を立てて、その検証を重ねて正誤を確認する」智司さんは「ある事象に対して、予め用意した結論に合わせて解釈する」…といったところでしょうか。
>という前に、私の意見を決め付けて、似非民主主義者呼ばわりした人に言われてもね。私は、少なくとも間違っていると思えば、その都度訂正していたけれど、冒険風ライダーさんにいたっては、何一つ訂正しないし、中傷までするのですから。
中傷ではなく、批判です。冒険風ライダーさんは、現状、何一つ訂正する必要がないからそうなさっているのでしょう。自分自身の考えを疑う謙虚さが、智司さんには不足しているように思われます。