- 親記事No.1005スレッドの返信投稿
- board2 - No.1099
Re: 反銀英伝 「大逆転! リップシュタット戦役」(5)
- 投稿者:不沈戦艦
- 2000年06月27日(火) 15時10分
更に続きを。
------------------------------------------------------------------------------
もちろん、シュタイナー少将としては、帝国軍最高司令官のみならず、帝国宰相の地位も最終的にはタンネベルク伯に担ってもらいたいと考えている。
「諒解しました。小官は、徹底的にキルヒアイス上級大将麾下の艦隊の行動を妨害し、閣下の艦隊への追撃が行われないよう、腐心することにします」
「ああそれと、私はすぐにでも1000隻を纏めてオーディンへ立つが、私が出発した後、最低1日程度、それと悟られないように頼む。オーディンへの距離は、ここよりローエングラム侯らが布陣している宙域の方が近いからな。キルヒアイス上級大将から、ローエングラム侯にすぐに連絡が入って、ミッターマイヤー中将に早駆けされたら、いくら私でも先にオーディンへの客となることはできぬのでね」
「それは何とかなるでしょうが、リッテンハイム侯の本隊にも協力していただきたいと思いますね。馬鹿正直に敵に肩すかしを喰らわせてオーディンへ向かうのではなく、一見キフォイザー星域を目指しているような航路を取り、その後相手を混乱させるような艦隊運動を行ってから、おもむろにオーディンへ向かってもらいたいと思います。そのようにすれば、いかにキルヒアイス上級大将と雖も、そう簡単にこちらの意図を見抜く事はできないでしょう」
「諒解した。本隊の艦隊行動案は、貴官が立案し、艦隊行動プログラムも提出しておいてくれ。出発前に、私の方からリッテンハイム侯に連絡し、実行させるようにする」
話が纏まると、タンネンベルク伯は連絡艇で、自分の旗艦である「クラウゼヴィッツ」へ向かう。オーディンへ向かう艦隊を集結し、なおかつリッテンハイム侯の領地へ、新皇帝になるサビーネを迎えに行く艦艇も選抜しなければならないのだ。ローエングラム侯らが現在いる場所とは、銀河の逆側にあたる宙域にリッテンハイム侯の領地はあるので、さほど危険はない筈だが、一応用心するにこしたことはない。とはいっても、目立ってしまってはそれはそれで困るので、どの程度の戦力を遣わすか、思慮が必要なところだ。
シュタイナー少将の方は、すぐに自分の幕僚を召集し、本隊の行動案を立案した。キフォイザー星域直前まで本隊は前進し、一旦反転して後退。4時間ほど待機してから、再度星域に入るそぶりを見せ、もう一度後退する。更に4時間待ち、三度目の進撃で今度こそ決戦と思わせておいて、直前で90度回頭、オーディンへ向かう本意を相手に見せる。その時間までに、シュタイナー少将の遊撃部隊が迂回行動を行ってキルヒアイス艦隊の側背に回り込み、こちらの意図を悟って慌てる敵に、一撃離脱を加える。その後は、リッテンハイム侯の本隊は一路オーディンを目指し、シュタイナー少将のみが徹底的に遊撃戦を展開することで、キルヒアイス艦隊の行動を妨害する。艦隊運動にかかる時間と合わせ、それで敵に気付かれるまで一日弱の時間が稼げる筈だ。あとは、タンネンベルク伯艦隊の速さと運が、全てを決することになるだろう。
----------------------------------------------------------
<以下続く?>
- 親記事No.906スレッドの返信投稿
- board2 - No.1101
Re: Re1087/1088/1091/1092:長文な色々レス
- 投稿者:智司
- 2000年06月27日(火) 20時18分
>私が言っているのは「民主主義国家における『通常の状態での』シビリアン・コントロールにおけるチェックシステム」についてなのですから、ファシズムなどという特殊事例を持ち出して反論するのは見当ハズレもいいところです。
『通常の状態での』シビリアン・コントロールにおけるチェックシステムであれば、その例にファシズムを挙げたのは不適切でした。そのために下記のようなことになったのかもしれません。
>行政府の暴走を放置するのは政治に携わる政治家としても国防を担う軍人としても最低
政治家に関しては否定していません。これは、はっきりと述べていますよね。行政府と立法府の牽制etc。問題の軍人ですが、ここに相互に誤解が(もっとも私の言い方がまずいだけかもしれませんが)あるかもしてません。私は軍人が能動的に議会に働きかけることは、一概には認められないとしているだけです。もし軍人が能動的に議会に働きかけるのであれば、制度でそれが保障されていなければならないと考えるのです。民主制には、手続き(制度)が必要でしょう。それを守らなければ、正当性はないでしょう。
そして軍人は、議会との関係において単なる諮問機関にすぎないのだから、パワーゲームのプレイヤーではないとしているのです。行政・立法というプレイヤーとノンプレイヤーである軍部を同じ次元で考えるのは疑問があるということです。まさに冒険風ライダーさんが「議会が全ての主導権を握っている」と述べていますよね。この意味で、行政・立法・軍部の相互牽制という表現はおかしい(誤解を与える)と考えるのです。なぜなら、この表現ですと軍部の恣意的行動まで許すと解釈できてしまうからです。もちろん冒険風ライダーさんは、これを認めてはいないですが。
>軍部が議会に対して意見陳述するその内容は戦略でも戦術でもありません。それよりもさらに上位に位置する「政治」、特に「予算・人事問題」です。というのも、これらは「政治」であるにもかかわらず、軍隊指揮・統率・管理にも重大な影響を与えるからです。
冒険風ライダーさんは「政治」、特に「予算・人事問題」を想定していたわけですね。上で述べた軍人は議会との関係において単なる諮問機関は、「戦略や戦術」ではいえますが、「予算・人事問題」ではいえないということなのでしょうか。
まず「予算」ですが、これは特に「戦略」と関わりますよね。極東の平和のためには沖縄に米軍基地がなければならないというのは「戦略」に基づくものであり、予算要求の際の説明に用いられるのではないですか? 「戦略や戦術」は一概には否定できませんよ。「人事問題」は、軍部の独立性を守るために必要なものですが、軍部は人事案を提出し議会がこれを承認するというものですよね。これは、どうしても軍部の能動的行為としては考えられないのですよ。あくまでも制度としてのものとしか考えられないのです。だから議会の諮問機関とみなすのですが。
いろいろ書きましたが、結局、行政・立法・軍部の問題に関していえば、ほとんど考えに差はないと思います。冒険風ライダーさんの考えは、軍部の独立性を保持するために必要な事があって、それが破られそうになったときに軍部はそれを是正するために動くべきだというものですよね。私は、軍部の独立性は制度で保障するべきで、軍部の判断に委ねてはならないと考えているのです。例えば議会に対する意見陳述は、軍部の判断で行うのか、制度にのっとって軍部が行うのかという違いです。どちらも軍部独自の判断を述べるのには違いはないのですが、内容ではなく意見陳述する/しないという意志の有無の違いがありますよね。私は、その意志がともすれば軍部の恣意になるのではないかと考えているのです。
>私は「代表されるものと代表するものの関係の喪失」という原因など全く信じていません。しょせん人間は「民主主義の理念」などよりも「自分の生活」の方が大事なのです。
何度もいってますが「民主主義の理念」という文脈で捉えないで欲しいのですが。冒険風ライダー自身もヒトラーに関して「行政権力の権力の弱さによって深刻な政情不安に対応できなかったために国民自身が独裁者の出現を望んでいたという事情がある」と述べていますが、独裁者の出現を望んで、ヒトラーを民主的にその地位に登らせたのは国民ですよね。私のいう「代表されるものと代表するものの関係」とは、この意味なのですよ。これは理念でも何でもなく、ただ単に、国民がヒトラーを「自分の生活」を守ってくれる(国民の利益代表である)としたという現実を指しているだけです。別に「民主主義の理念」に基づいてヒトラーを選んだといっているわけではないのです。
>「政治的な権利とやらよりも先に、生きる権利を与えてほしいもんだね。食糧がないんだ。赤ん坊のミルクもない。軍隊がみんな持っていってしまった。自由や平等より先に、パンやミルクを約束してくれんかね」
このようにいった農民は、自分の生活を保障する人物あるいは政府を、自分の代表とするのですよね。この関係が「代表されるものと代表するものの関係」ですよ。「民主主義的理想とは無関係」なのです。独裁者と国民の間にも「代表されるものと代表するものの関係」は成り立つのです。その例としてファシズムをあげたのです。要するに国民が、時の政権を自分たちの代表だと考えていれば、その政権がどんなものであろうと「代表されるものと代表するものの関係」は、そこにあるのです。誤解していませんか? 私はむしろ Democracy の問題を指摘しているのですよ。
>もちろん、行政府の暴走を事前に食い止めるための方策も重要ですが、それと同時に、万が一行政府が政治的に暴走してしまった時にその暴走を食い止めるための努力を、国民や政治家は行わなければなりません。そして民主主義国家では、そのためにこそ立法府があり、言論の自由を謳歌するマスメディアがあり、国民の権利を守るための司法などといった様々なチェックシステムがあるのではないですか。
私は行政の暴走ということで、軍事力を背景に立法府もマスメディアも行政に掌握されている状況を想定していたのです。だからどうしようもないと考えたのです。立法府もマスメディアも正常な状態であるなら、冒険風ライダーさんのご意見の通りです。私もそのとおりだと思います。
ただ冒険風ライダーさんがいっているように国民は「自分の生活が大事」なのだから、軍事力によって脅迫されたとしたら、どうしようもないと考えるのではないでしょうか。少なくとも多くの国民はそうでしょう。そして私は、冒険風ライダーさんのように、それでも民主主義的理念に基づいて活動する等とは明言できないのです。そうありたいという思いはありますが、その時になってみないとわからないですから。長いものには巻かれろとなるのでしょうか。私は、銃を前にしても言い切れるほど立派な人間ではありません。それを「似非民主主義」と非難されようと、甘んじて受けるしかないのです。
>私がいつ「立法府が弱く行政府が強い事は是とする」なんて事を言いました?
>行政権力が強く、かつ立法府のチェックシステムが完璧に確立されてさえいれば、政治形態は大統領制だろうが議院内閣制だろうが別に何でも良いのですけどね。だからこそ私は政治形態にはあまり拘らなかったのですけど。
まず独裁者の台頭という文脈で「権力の強弱」を述べていたわけでしょう。それに行政府の権限を強くすれば、相対的に立法府の権限が弱くなるのは当たり前です。大統領制と議院内閣制の違いから分かりますよね。制度上、大統領制は行政の権限が強く、議院内閣制は弱いのです。だから行政権力が強い=大統領制と考えるのは自然であり、冒険風ライダーさんもヒトラーに関して行政権力が弱かったからだといっていたので、そう捉えたのです。
なにせ「行政権力は強くなければならないからこそ、立法府のチェックシステムは確立されるべきである」と発言しているわけですから。それなのに「政治形態は大統領制だろうが議院内閣制だろうが別に何でも良い」というのは、矛盾しているとしか考えられません。「政治形態は大統領制だろうが議院内閣制だろうが別に何でも良い」というのであれば、「行政権力の強弱はどうでもよく、立法府のチェックシステムさえ確立されていれば良い」ということになってしまいます。
大統領制は、行政に政治的諸問題を処理するのに十分な権限を与えなければ、政治的不安定が生じので、それを回避するため制度です。議院内閣制は、行政に強大な権限を与える事は、行政の独裁化につながるので、それを回避するための制度です。つまり行政権力の強弱は(大統領制も議院内閣制も)一長一短あり、どちらが良いとはいえません。一概に一方でなければならないとするのは、それがはらんでいる問題を正しく認識していないからなのです。いうまでもなくチェックシステムは、権限の強弱に関係なく必要です。
これを踏まえた上で、行政権力の強弱のどちら(大統領制か議院内閣制か)を選択しますか(好きですか)という問題なのですよ。で、冒険風ライダーさんは、行政権力の強い大統領制を選択しているわけです。民主制は、大統領制と議院内閣制に大別されるわけだし。
上記の大統領制と議院内閣制の説明から分かるように、独裁政権の誕生は、権限の強弱とは関係がないのです。どちらも問題を孕んでいる訳で、それゆえ様々な制度(法律・手続き・機関)によって、その危険性を回避しようとしている訳でしょう。「行政権力は強くなければならない」などという発言は、Democracy に真摯に取り組んだ人たちへの暴言です。
それから「銀英伝世界における立法府の弱さ」は、これから読みますが、今のところは必然性を感じていまん。
- 親記事No.1074スレッドの返信投稿
- board2 - No.1102
要塞について
- 投稿者:そうま
- 2000年06月27日(火) 20時47分
不沈戦艦さん、御返答ありがとうございます。
えーとレス中に可動要塞を作らなければならないとありましたが、イゼルローン要塞の射程外にあらためて作ればよい、と思うのです。
また、銀英伝の中での主要兵器は確か(手元に原作がないので記憶で書いてますが)レーザー水爆、荷電粒子砲、それとレールガンだったように思います。前の二つは威力および技術的な(大きさそのものの)面で困難をともなうが、レールガンは他2例に比べ技術的にもさほどの困難ではないのではないかと思います。レールを装備した艦船を射程外でつなげれば良いだけですし。
さらにいえば必ずしも要塞の外壁をぶち破るようなものを作らなければならないというわけでもありません。イゼルローン要塞内に艦隊が駐留しているということは、要塞単独だけでは防衛が困難ということを意味してると思います。そうとすれば、外で怪しげな作業をしているだけ(かつ帝国側の艦隊よりも勢力の大きな護衛をつけておくことで)で駐留艦隊は無謀の出撃をするか、本国からの増援を待って作業の妨害をするしかありません。同じ事はイゼルローンを奪取されたあとの帝国軍にもいえます。要するに、地球上よりもはるかに巨大建造物の建設の容易な宇宙空間では、機動性の皆無といってよい要塞には何の意味も無いのではないのではないかということなのです(まあ一時的に敵の侵攻を防ぐことは出来ますが、全体の戦力の劣っている側にはあまり意味が無い)。前回の文章ではこう書きたかったんですが拙いもんで、うまく書けませんでした、すいません。
- 親記事No.906スレッドの返信投稿
- board2 - No.1104
Re1097/1101:銀英伝の世界設定における人口と大量亡命の関係その他
- 投稿者:冒険風ライダー
- 2000年06月28日(水) 15時33分
>平松さん
<「50億人分の食糧」と言うのは1年間に50億人を養えるだけの量という意味なのでしょうか? だとすれば、年間の帝国の全人口の5分の1の食料をフェザーン資本が握っているという事になりますが、ダミーとはいえ、たった3つの民間企業にそれだけの食糧増産計画を任せたりするでしょうか?「50億人分の食糧」と言われてもどのくらいの期間食べられる量なのかよく分かりませんが、これも解釈が分かれる所でしょう。>
「3つの民間企業」については、素直に「フェザーンの巧妙な政策によるもの」と解釈して良いのではないですか? 別にそれで全然支障はないかと思いますけど。
「50億人分の食糧」の方も、普通に解釈すると「50億人が一年間に食べるだけの食糧」しか考えられませんし、8つの惑星からそれだけの食糧生産を行うのもそれほど難ししいことでもないでしょうから、これで良いのではないですか?
<技術的には問題がない事は理解出来ました。ですが、定員が200人程度なら、自分達の数倍の居候を密かに管理するのはやはり難しいのでは?前にも書きましたが、仮に事故による混乱や暴動などが起こったら手がつけられないでしょうし、万一伝染病などが蔓延したら船医だけでは手が足りなくなるでしょう。通常の客船なら近くの惑星に寄港するか当局に連絡すればいいでしょうが、亡命者を大量に輸送していてはそうもいきません。この意味でも亡命者は少数の方が管理・統制しやすいのでは?>
ですからこれは前にも言ったとおり、亡命者達を船内の中で50~100人程度の小集団に分け、さらに複数の隠し部屋を作って別々に隔離して管理していけば問題はないのではないですか? 船内にはそれだけのスペースは充分にありますし、この方法を使えば暴動などが起こってもかなり楽に対処する事ができます。さらに亡命者達の隠し部屋の扉を外側からしか開けられないようにしてしまえばますます効果的です。
また伝染病などについては、乗船する前に予防接種や診断を受けるなどの対策を練るという方法もありますし、前述の複数小集団管理方式であれば、仮に万が一伝染病が蔓延したとしても被害を最小限に食い止める事も可能です。
このように色々な技術的な工夫や分割管理方式を採用すれば、たとえ小集団であっても大集団を管理する事は充分に可能なのです。刑務所などもこのような管理方法を使って少数人数で多くの囚人を管理しているのです。これと同じように考えて良いのではないですか?
<年間の亡命者数は…うーん、これは帝国内の非合法の亡命者輸送業者及び亡命者輸送を兼業としている帝国・フェザーンの商船の数及び規模が分からないので何とも言えません。彼らも年がら年中亡命者の輸送ばかりを行っている訳でもないでしょうから、大した数ではないのでは?>
実は同盟の人口について少し調べてみたのですが、同盟建国時の人口は「長征一万光年」を生き延びた16万人からスタートしているにもかかわらず、銀英伝本編では130億人にまで跳ね上がっているのです。つまり、たった250年の間に人口が81250倍も増大していることになります。いくら同盟における出生率が飛びぬけて高かったとしても、ただそれだけの理由ではこの増加率を全く説明する事ができません。そこで「帝国からの大量亡命による人口増大」という説が必要となるわけです。
帝国から同盟への大量亡命が可能となるのはダゴン星域会戦以降の事ですから、それから銀英伝本編までの約130年間の間に、大量亡命と出生率の2つを駆使して人口を130億にまで引き上げなければなりません。それから考えると、年間の亡命者の数は最低でも数千万~1億、最盛期に至っては5~10億近くの人間が同盟に亡命していなければならないのです。そうでなければ同盟の人口増大の謎が全く説明できなくなります。
私が大量亡命にこだわる理由はまさにここにあるのですよ。これで説明できないとなると、銀英伝には設定上における致命的な矛盾が残ってしまう事になるため、私は必死になって弁護論を考えているわけです。
>智司さん
まず最初に言っておきたいのですが、論争する過程で論点を移動・縮小していくクセはやめていただきませか? 最初の論点と現在の論点が全く違ってしまっているではありませんか。
特にシビリアン・コントロールについては、
軍部が立法府に意見を述べるのは行政府と立法府の癒着なのではないか?
↓
軍が独自に動いて議会に政策の是正を働きかけるのはおかしいのではないか?
↓
「相互牽制」という表現には誤解があるのではないか?
と言ったように、私に反論していく度にどんどん論点が移動・後退しています。しかも最後の主張に至っては優馬さんのNo.1091の単なるパクリでしかないではありませんか。そのことについては私はすでにNo.1095において返答しております。したがってこれに関してはすでに論点自体がありません。
私に反論したいのであれば、このスレッドにおける私の投稿を最初から全て読んでいただき、その上で最初の段階で「あなたの考え方はここが違う」という「論争における論点」をきちんと述べた上で反論すべきではないのですか? あなたの投稿を見ていると、私の反論に合わせて論点をどんどんこちら側にずらし、論点を縮小させているようにしか見えません。これではまともな議論などできるはずがないではありませんか。
それなのに何ですか、これは↓
<それから「銀英伝世界における立法府の弱さ」は、これから読みますが、今のところは必然性を感じていまん。>
あなたはまさかこのスレッドにおける私の最初の投稿すらも全く読まずして私に論争を挑んだわけではないでしょうね。私のこのスレッドにおける投稿は全て「最初の投稿」を前提にして書いているのです。私に反論するには最低でもそれだけは読んでいただかないと話にならないのですけど。
それから「代表されるものと代表するものの関係の喪失」についてですけど、普通このような言葉から連想されるのは「民主主義国家における国民と政治家との関係」ですし、また大統領制について「直接投票によって選ばれた国民の代表であり、そこには確固とした代表されるものと代表するものの関係が存在する」などと言われれば、そりゃこれだと確信しますよ。これはそちらの説明不足の問題でしょう。
はっきり言ってこんな細かい事は私にとってはどうでも良い事なのです。私にとって「政治は結果が全て」であり、結果をもたらした「原因」や「背景」こそが重要であると考えているのですから。よくもまあこんな細かい事を持ち出して私に反論しようと考えましたね。
あなたがわざわざ「大統領制と議院内閣制について勉強しましょう」などと竜堂続のコピーみたいな事をのたまっていたから「はてさて、どういう御説を披露してくれるのだろうか」と楽しみにしていたら、実は自分と全く同じ考えだったというオチなわけですか。はっきり言って醜悪な結末でしかありませんね。
<私は行政の暴走ということで、軍事力を背景に立法府もマスメディアも行政に掌握されている状況を想定していたのです。だからどうしようもないと考えたのです。立法府もマスメディアも正常な状態であるなら、冒険風ライダーさんのご意見の通りです。私もそのとおりだと思います。>
アレほどまでにNo.1086で私が、
<末期同盟における帝国領侵攻作戦を「選挙目的」などという理由で強行した同盟政府やトリューニヒト一派の軍部支配、銀英伝6巻におけるレベロの暴走、現実世界ならばアメリカ・ベトナム戦争における大統領府の軍部に対する過剰な政治的干渉や、日本における政治家・官僚の自衛隊支配などについて>
と、わざわざ具体例まで挙げていたというのに(特に銀英伝の方はすぐに分かるでしょう)、そこは完全に読み飛ばしてしまっていたわけですか。人様に「誤読、誤読」と言っておきながら、自分の方こそが完全に誤読しているではないですか。
それにここからも、このスレッドにおける私の投稿を全然読んでいないという事が手に取るように分かりますね。私の投稿を読んでいたのであれば「行政府の暴走」で「軍事力を背景に立法府もマスメディアも行政に掌握されている状況を想定」などするはずがありません。まさにそうならないためにこそ立法府のチェックシステムが重要であると私は主張していたわけなのですから。
私の投稿を「誤読」どころか「全然読んでいない」からこんな誤解をするのです。論争の基礎が全然なっていませんね。
<まず独裁者の台頭という文脈で「権力の強弱」を述べていたわけでしょう。それに行政府の権限を強くすれば、相対的に立法府の権限が弱くなるのは当たり前です。大統領制と議院内閣制の違いから分かりますよね。制度上、大統領制は行政の権限が強く、議院内閣制は弱いのです。だから行政権力が強い=大統領制と考えるのは自然であり、冒険風ライダーさんもヒトラーに関して行政権力が弱かったからだといっていたので、そう捉えたのです。
なにせ「行政権力は強くなければならないからこそ、立法府のチェックシステムは確立されるべきである」と発言しているわけですから。それなのに「政治形態は大統領制だろうが議院内閣制だろうが別に何でも良い」というのは、矛盾しているとしか考えられません。「政治形態は大統領制だろうが議院内閣制だろうが別に何でも良い」というのであれば、「行政権力の強弱はどうでもよく、立法府のチェックシステムさえ確立されていれば良い」ということになってしまいます。>
バカバカしい解釈をする前に私の主張の主旨をきちんと理解してくださいよ。何度も言うように私の主張の主旨は、
「行政府の権限が強くなければならないからこそ、立法府のチェックシステムは確立されるべきである」
であって、大統領制についても議院内閣制についても一言半句も触れていないではありませんか。自分の硬直した公式論を振り回して勝手な解釈をするのはやめていただきたいものなのですが。
それに最近は議院内閣制を行っている国でも「行政権力が弱い」というのが弱点であることに気づき、行政権力を強化しつつあるという事実を知っているのですか? 議院内閣制を採用しているはずの日本でも「内閣や首相の権限強化」が唱えられており、行政府の権限は強化されつつあります。つまり「行政権力が強い=大統領制」という公式自体がすでに成り立たなくなってきているです。だからこそ私は政治形態については特に言及していなかったのですけど。
あなたの頭の中では「行政権力の強い議院内閣制」とか言ったものが全然想定できないのですか? これは全然矛盾しない政治形態なのですけど。
<「行政権力は強くなければならない」などという発言は、Democracy に真摯に取り組んだ人たちへの暴言です。>
人様の発言を「暴言」呼ばわりする前に、まずは論争相手の主張内容をまともに読もうとすらせず、頑迷な公式論と勝手な解釈を振りまわし、挙句の果てには「論争の論点」を勝手に移動させている自分の論争姿勢を少しは顧みてはいかがです? 思い当たるフシは多々あると思うのですけど。
- 親記事No.1005スレッドの返信投稿
- board2 - No.1105
Re: 反銀英伝 「大逆転! リップシュタット戦役」(6)
- 投稿者:不沈戦艦
- 2000年06月28日(水) 15時37分
更に続き。
------------------------------------------------------------------------------
あとは、タンネンベルク伯艦隊の速さと運が、全てを決することになるだろう。
「よろしい。準備は終了した。これより行動開始とする。作戦名は・・・・そうだな、『ブラウ』としよう。『ブラウ作戦』開始だ!」
数時間後、タンネンベルク伯爵は「クラウゼヴィッツ」の艦橋にて、行動開始を命令した。作戦名は「ブラウ(青)」。タンネベルク伯の旗艦「クラウゼヴィッツ」は、灰色がベースなのは他の艦と同じだが、一部に群青色のストライプが入っている。タンネベルク家の家紋も、青がベースになっているからだ。そこから取った作戦名である。この策に賭ける、伯の自負と矜持を示していると言えよう。
伯の命令と同時に、麾下に組み入れられた1000隻の艦艇群は行動を開始した。とはいえ、オーディンへ長征する1000隻が、一斉に艦隊行動を行う訳ではない。10隻単位の集団が百個、しかも移動を開始するのは一隻ずつポツポツと、という慎重さだ。集結地は別の宙域を選んでいるのである。あくまで「目立たないこと」、それに細心の注意を払っての行動だ。もし、大っぴらにリッテンハイム艦隊から、1000隻もの戦力が離脱した場合、万が一にも敵の偵察隊に覗かれていた場合、行動を隠す事はできなくなる。「離脱した1000隻の戦力」が何を行う為に分離したのか?を考えぬキルヒアイス上級大将ではない、ということくらいタンネンベルク伯は先刻承知である。1000隻では、別働隊としてキルヒアイス艦隊に迂回攻撃を掛ける戦力としては少なすぎる。シュタイナー少将の9000隻の戦力ならそうでもないが、「1000隻の艦艇を何に使うつもりか?」と考え、「帝都オーディンへの直行作戦」と思いつく可能性は少なくない。いや、切れ者のキルヒアイス上級大将なら、気付いて当然だ、と伯は考えていた。カストロプ動乱、アムリッツァ会戦におけるキルヒアイスの指揮振りは、凡将の成せる業ではない、とタンネンベルク伯は見抜いていたからである。
「さて、これで戦役の帰趨が決まるか否か。ある程度は賭けの要素もあるのだが・・・・・いずれにせよ、賽は投げられた。あとは突き進むのみだ」
タンネベルク伯の旗艦「クラウゼヴィッツ」も、程なく移動を開始した。
ジークフリード・キルイヒアイス上級大将麾下の艦隊は、キフォイザー星域にてリッテンハイム侯の艦隊が現れるのを待ち受けていた。「本隊として800隻を率います」と断言し、ワーレン・ルッツ両提督を驚かせたキルヒアイス上級大将の戦術案は、相手が本質的に「烏合の衆」である事を見抜いた上での物である。しかし、その見込みが根本的に変更を余儀なくされようとは、思ってもいなかった。
----------------------------------------------------------
<以下続く?>
- 親記事No.906スレッドの返信投稿
- board2 - No.1106
Re: 軍人と政治家の関係の参考として
- 投稿者:かっつ
- 2000年06月29日(木) 02時59分
かっつです。シビリアンコントロールに関する議論、興味深く拝見しています。
Merkatzさんは書きました
> 民主主義(シビリアンコントロール)とは違いますが、
> 軍人と政治家の在り方として、WWIIのドイツにおける、ヒトラーに対するマンシュタインの態度は興味深いものがあります。
> 軍の中にはナチスに傾倒するものもいましたが、
> 多くのドイツ軍人は職業軍人として時の政府(すなわちナチス党)に従ったまでで、
> 特別、ヒトラーの思想に敬服していたわけではありません。
> その最たる例がマンシュタイン元帥です。
> 彼はプロフェッショナルとしてヒトラーに度々進言しています。
> 有名な「マンシュタイン作戦」(アルデンヌの森を突破しフランスを電撃的に陥落させた)にしても、
> 軍事的見地から「決戦を求めずに最終的勝利は得られない」と言い続け、
> 博打的要素を恐れるヒトラーに了承させることに成功しています。
> また、対ソ戦においてもドン軍集団司令官としてその責任を全うしようと度々ヒトラーと衝突しています。
> しかしヒトラーの不興を買い、解任されました。
> 彼の回想録を読んで印象深いのは、まず熱心に手紙を書いているという点です。
> ヒトラー宛に何通も、作戦に関する自分の見識やどのようにすれば最善であるか、また、さしあたり必要な処置などを懇切丁寧に書き送っています。
> さらに部下や自分自身がヒトラーの元に赴き説明をすることもしばしばで、
> なんと半日もヒトラーの説得に費やすこともありました(結局、そのような説得が功を奏したことは一度とて無かったが)。
> マンシュタイン自身、そのような作戦外の「手間」にウンザリしていることを書き記していますが、
> それでも彼は最後まで、自分の責任を放擲することはありませんでした。
>
> 果たして、たとえ相手が独裁者と雖も自分に負わされた将兵達の運命に対して最後まで諦めなかったマンシュタインと、
> 民主国家の軍人でありながら、「給料分の仕事はしたさ」で簡単に諦めてしまうヤンとでは、
> どちらが「与えられた責任を投げ出そうとしない」(byフレデリカ)と言えるのでしょうね。
…確かに一理あると思います。しかし、民主主義というのは手続が非常に大切な政治形態です。
Merkatzさんが例にあげるこの時期は、独裁者であるヒトラーが、既に国防軍最高司令官、陸軍最高司令官などを兼任しており、集団軍司令官であるマンシュタインの直接の上司だった(直属していた)ということは重要です。
同盟崩壊に至るまで、ヤンの地位は、政治的指導者に直接属する立場でなく、間に統合作戦本部長(でしたっけ?手元に資料がないから忘れてしまいました)や宇宙艦隊司令長官を介しています。小牧さんが仰っていたとおり単なる辺境の一軍人に過ぎません。このような立場の者が恣意的に個別の政治家と結びついたら、それこそ民主主義の危機なのではないでしょうか。
ヤンはその地位の制約の中で、手続きを踏んで民主主義の擁護に努めていると思います。クーデターの時は、上司である宇宙艦隊司令長官ビュコックを通じて、善処を依頼したし、「神々の黄昏」のときには、やはり上司である国防委員長アイランズの要請に応じて諮問に答えているではありませんか。
近代国家であるアメリカやには、軍事と政治を結びつける機関がありました。日本でも、陸海軍に政治との連絡を任務とする「軍務局」が置かれていました。。ヤンはそのような機関に属していた様子もありません。政治と無関係の任務に付いている軍人が、政治に過剰に関心を持ち、立憲政治を壊してしまったのが、戦前日本の歴史です。それを考えると、ヤンも人間ですから不完全なところはありましたが、出来る範囲で精一杯やっていたと認めてもいいのではないかと思います。
- 親記事No.906スレッドの返信投稿
- board2 - No.1107
Re1104:帝国における食糧・亡命・人口の諸問題
- 投稿者:平松重之
- 2000年06月29日(木) 03時41分
冒険風ライダーさん
> 「3つの民間企業」については、素直に「フェザーンの巧妙な政策によるもの」と解釈して良いのではないですか? 別にそれで全然支障はないかと思いますけど。
> 「50億人分の食糧」の方も、普通に解釈すると「50億人が一年間に食べるだけの食糧」しか考えられませんし、8つの惑星からそれだけの食糧生産を行うのもそれほど難ししいことでもないでしょうから、これで良いのではないですか?
自分が言いたかったのは、人口の5分の1にあたる50億人もの人口を1年間養えるだけの食糧増産計画をたった3つの民間企業に寡占させるのは様々な意味で危険なのではという事と、帝国政府がそういった懸念を抱かなかったのか、という事です。まあ、このあたりを考え過ぎるとまた深みにはまりそうなので(^_^;)やめた方がいいですね。
> ですからこれは前にも言ったとおり、亡命者達を船内の中で50~100人程度の小集団に分け、さらに複数の隠し部屋を作って別々に隔離して管理していけば問題はないのではないですか? 船内にはそれだけのスペースは充分にありますし、この方法を使えば暴動などが起こってもかなり楽に対処する事ができます。さらに亡命者達の隠し部屋の扉を外側からしか開けられないようにしてしまえばますます効果的です。
> また伝染病などについては、乗船する前に予防接種や診断を受けるなどの対策を練るという方法もありますし、前述の複数小集団管理方式であれば、仮に万が一伝染病が蔓延したとしても被害を最小限に食い止める事も可能です。
> このように色々な技術的な工夫や分割管理方式を採用すれば、たとえ小集団であっても大集団を管理する事は充分に可能なのです。刑務所などもこのような管理方法を使って少数人数で多くの囚人を管理しているのです。これと同じように考えて良いのではないですか?
確かに分割管理方式を採用すればかなり楽にはなるでしょうが、それでも危険が大き過ぎる事にあまり変わりはないのでは?乗組員も刑務所内の獄吏とは違って亡命者に対してあまり高圧的な態度に出れるはずもないですし、やはり1000人を無事にかつ密かに運ぶのは難しいのではないでしょうか。密航幇助などというやばい仕事である以上、身の安全を第一に考え、無難に少数の亡命者しか扱っていなかったと思うのですが。
読み返してみるとどうも堂々巡りになっている様な…(^_^;)。「帝国後期において大量亡命は可能か否か」という問題についてはひとまず保留という事にしませんか?智司さんへのレスも大変でしょうし…。
> 実は同盟の人口について少し調べてみたのですが、同盟建国時の人口は「長征一万光年」を生き延びた16万人からスタートしているにもかかわらず、銀英伝本編では130億人にまで跳ね上がっているのです。つまり、たった250年の間に人口が81250倍も増大していることになります。いくら同盟における出生率が飛びぬけて高かったとしても、ただそれだけの理由ではこの増加率を全く説明する事ができません。そこで「帝国からの大量亡命による人口増大」という説が必要となるわけです。
> 帝国から同盟への大量亡命が可能となるのはダゴン星域会戦以降の事ですから、それから銀英伝本編までの約130年間の間に、大量亡命と出生率の2つを駆使して人口を130億にまで引き上げなければなりません。それから考えると、年間の亡命者の数は最低でも数千万~1億、最盛期に至っては5~10億近くの人間が同盟に亡命していなければならないのです。そうでなければ同盟の人口増大の謎が全く説明できなくなります。
> 私が大量亡命にこだわる理由はまさにここにあるのですよ。これで説明できないとなると、銀英伝には設定上における致命的な矛盾が残ってしまう事になるため、私は必死になって弁護論を考えているわけです。
No,1046で冒険風ライダーさんご自身がおっしゃった通り、ダゴン星域会戦直後の頃に大量の共和主義者が亡命していったのと同じく、一般の亡命者も帝国上層部の政変やそれに伴う混乱が続いていたこの時期に大量に(それこそ数十億という単位で)同盟へ亡命していったという事で説明がつくのでは?で、帝国内の混乱が徐々に鎮静化していき、それに伴って頻繁な大量亡命が不可能になったという事なのでは?