4代目掲示板過去ログ

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投稿ログ206 (No.3540 - No.3548)

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board4 - No.3540

Re:あのですね・・・・・・

投稿者:六三
2003年02月01日(土) 16時51分

それこそあのですね・・・・・・と言えますね。
銀英世界は別に現代物理学から逸脱した世界ではないでしょう。
兵器群は根拠の無い魔法兵器ではありませんし、核融合も既存理論には存在します。跳躍航法はSFでは珍しくありませんし、現代物理も否定している訳ではないですよ。
前提が違うと言うのもおかしいですね。前提が正しいかどうかを観察中・・・さんは考察していた訳ですから。
それを否定する論拠として全く違う世界を挙げる方が、余程おかしな事でしょう。銀英世界で平面宇宙は語られていませんよ。
銀英世界でもニュートン力学や相対性理論は姿を見せていますし、宇宙の構造が違うだの惑星や恒星は全く違う法則で成り立っているとは表現されていません。むしろその辺りは現在の常識で成立していると思えます。
一貫したテーマとして補給、修復や人材の大切さが描かれているのですし、無限無補給という言葉に異議が唱えられるのはむしろ当然ではないでしょうか。
あなたの意見は「自分の信じる理論が絶対正義。自分が気に入らない意見は言うな。都合が悪いのはファンタジーだ。物理が違うんだ」と言ってるようにしか見えません。立場こそ逆ですが某柳田氏にそっくりと映ります。余程空想科学読本的です。自己正義を押し通すために都合良く他作品をむしり取ってくる態度は、むしろあなたのような方が支持する側を侮辱するだけでしょう。
論点を捻じ曲げて自分が気に入らないものを排除する意見が出てくる場だとは思ってませんでした。それでは、さようなら。どうぞお望みどおりの反論者のいない世界を満喫してください。

親記事No.3482スレッドの返信投稿
board4 - No.3541

かなり出遅れてしまいましたが、ちょっと言わせてくださいね

投稿者:ななえ
2003年02月01日(土) 17時12分

 はじめまして。
 へのへのもへじさんはすでに謝罪をされているのに今更なんですけど、ちょっと私にも口を挟ませてくださいね。

 「王としてどうか」とか「将としてどうか」といった事柄についてお考えになったりご意見を述べられるなら,マキャヴェリの「君主論」や「孫子」をお読みになる事をお奨めします。
 上記2冊の名著は、「なぜアルスラーンたちがあんなに強いのか」についてのヒントがてんこ盛りですから。
 誰が言ったのかは忘れてしまいましたけれど「アルスラーン戦記は田中芳樹版君主論である」といった表現をした人もいましたしね。
 ちょっと例を挙げてみますね…

 「君主論 第22章 君主が身近に置く秘書官について」より抜粋
 『君主にとって側近たちの選定は少なからず重要である。彼らが適任か否かは君主が明敏か暗愚かに関わる問題であるから。そして、君主の器量を知りたければ君主の周りにいる者たちを見ればよい。
 側近たちが有能で忠実であるなら明君と見なしてよいだろう。なぜなら、有能で信頼できるか否かを見極める眼と忠実に仕えさせる力を君主は持っている、という事なのだから。だが、側近たちが無能で不実ならば暗君と判断してもよい。なぜなら、信頼できる者か否かを見極める眼すら君主は持ち合わせていない、という事だから』

 「君主論 第23章 どのようにして追従者から逃れるべきか」より抜粋
 『かの君主が善政を行い思慮深いのは君主生来の資質から来るものではなく善き助言者たる側近たちのおかげである、などと言い立てる者も多々いるようだが、これは疑いなく誤りである。なぜなら前章でも述べたように、まずは君主に彼らの能力や信頼できる者か否かを見抜く眼や彼らを従えて仕えさせる力が無ければ彼らからの善き助言など受ける事など叶わないからだ。』

 上の二つの記述に基づくと、英雄王カイ・ホスローはもちろん、善き助言者や協力者に恵まれた解放王アルスラーンも「明君の要件を満たしている」のは間違いありませんよね?
 君主に求められる能力と将軍に求められる能力は全く別のものです。
 他の皆さんもおっしゃってらっしゃるように、アルスラーンが戦闘指揮官あるいは戦士として優れている必要は無い、と私も思います。
 むしろ、なまじ君主という立場にいながら腕に覚えがあれば、アンドラゴラスやイルテリシュのように様々な問題を武力によって解決を図りたがる傾向に陥りやすくなる危険性をはらんでいるのでは?

 ただ、下記の3469のログのご意見には真っ向から反論させていただきます。

<カイ・ホスローは足掛け七年戦いました。それに対してアルスラーンが戦った期間は一年以下です。
 だから私はカイ・ホスローの武勲をアルスラーンの武勲よリ高く評価しているのです。>


 「孫子 作戦篇」
 『孫子は言う。およそ戦争というものは莫大な費用が掛かるものだ。それ故に戦争を無闇に長引かせればより一層に人命や物資を消耗させ軍は疲弊し士気も衰えさせる事になる。戦力が底をつくばかりか悪くすれば国の財政をも危うくしかねない。たとえ勝利を収める事が叶っても長期に渡って戦争をすればロクな結果を招かないのだ。他国に弱体化した隙をついて攻められる危険すらある。こういった事態に見舞われればどんな知恵者であっても好転させるのは無理というものだろう。
 「兵は拙速を聞く」つまり拙いながら短期間で収束させて良かった例は聞いた事はあっても、「巧久」つまり上手いが戦いが長引いて良かった例を知らない。
 要するに戦い方が多少拙くても構わないから戦争を出来る限り早く終わらせる事を心がけねばならない、という事だ』

 まあ、時代も状況も全然違うカイ・ホスローとアルスラーンの武勲の比較する事自体が無意味だ、と私も思いますけど、「戦いを収束させるのに何年掛かったか、という条件だけで孫子の記述に基づいて見たら、七年掛かったカイ・ホスローよりも一年以下で収束させる戦上手を始めとする有能で忠実な部下たちを得たアルスラーンの方が上」となるのでは?
 理由は上記の「孫子」にありますから割愛させていただきますね。


<私は、アンドラゴラス夫妻とヒルメス夫妻のファンです。よって旧王家びいきです。
 だからアンドラゴラスの子孫にパルスの王統を継いでもらいたいと強く願っています。
 カイ・ホスローがアルスラーンよりも優れた武勲の持ち主であると執拗に主張したのもそのためです。>


 これは、このサイトでおっしゃるよりも角川書店経由で田中芳樹氏におっしゃった方が良かったのでは?


 <私は自分の感情から、客観的な説得力のないことを言っていたことを認めます。
 そのためにみなさんに不愉快な思いをさせてすいませんでした。>


 こちらこそ今頃しゃしゃり出てきてご不快に思われたら申し訳ありませんm(_ _)m

 では失礼を。

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board4 - No.3542

Re:無茶苦茶だな

投稿者:不沈戦艦
2003年02月01日(土) 18時18分

> それこそあのですね・・・・・・と言えますね。
> 銀英世界は別に現代物理学から逸脱した世界ではないでしょう。
> 兵器群は根拠の無い魔法兵器ではありませんし、核融合も既存理論には存在します。跳躍航法はSFでは珍しくありませんし、現代物理も否定している訳ではないですよ。
> 前提が違うと言うのもおかしいですね。前提が正しいかどうかを観察中・・・さんは考察していた訳ですから。
> それを否定する論拠として全く違う世界を挙げる方が、余程おかしな事でしょう。銀英世界で平面宇宙は語られていませんよ。
> 銀英世界でもニュートン力学や相対性理論は姿を見せていますし、宇宙の構造が違うだの惑星や恒星は全く違う法則で成り立っているとは表現されていません。むしろその辺りは現在の常識で成立していると思えます。
> 一貫したテーマとして補給、修復や人材の大切さが描かれているのですし、無限無補給という言葉に異議が唱えられるのはむしろ当然ではないでしょうか。
> あなたの意見は「自分の信じる理論が絶対正義。自分が気に入らない意見は言うな。都合が悪いのはファンタジーだ。物理が違うんだ」と言ってるようにしか見えません。立場こそ逆ですが某柳田氏にそっくりと映ります。余程空想科学読本的です。自己正義を押し通すために都合良く他作品をむしり取ってくる態度は、むしろあなたのような方が支持する側を侮辱するだけでしょう。
> 論点を捻じ曲げて自分が気に入らないものを排除する意見が出てくる場だとは思ってませんでした。それでは、さようなら。どうぞお望みどおりの反論者のいない世界を満喫してください。


 銀英伝が「科学理論的に問題が多い」なんてことは、今更言うまでもなく、何度もここで議論されてることでしょうに。その「科学理論的に問題が多い」世界を前提にして、銀英伝は成り立っている訳ですよね。そこで「銀英伝世界の作中設定を『事実』とした上で・・・・」と断ってやっている議論に対し、「科学理論としては問題が多いじゃないか!」なんていったところで、何の意味もないでしょう。それでは、そもそも「科学理論的に問題が多い」銀英伝の存在そのものすら、否定してしまっていることになるではないですか。私は、「科学理論ベースで、冒険風ライダー氏の意見を批判することは、議論として全く噛み合ってないので無意味」と、それを理解できずに延々と続けようとしている方々に、忠告しているだけですよ。何でまたここまで、「銀英伝には何が何でも既存の科学理論を適用しなければならないんだ!」という信念を、捨てることができないんですかねぇ。


「論点を捻じ曲げて自分が気に入らないものを排除する意見」という言葉は、そっくりあなたにお返しいたします。

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board4 - No.3543

Re:あのですね・・・・・・

投稿者:a-ru
2003年02月01日(土) 18時32分

はじめまして、不沈戦艦さん。

まず私の立場を明確にしますが、冒険風ライダーさんが指摘した『銀英伝考察3銀英伝の戦争概念を覆す「要塞」の脅威』の二つの事項(移動要塞とイゼルローン要塞の構造的な独裁権力者)に関する指摘は重要な指摘であり、物語世界の一部を破綻させているのではないかと私自身は考えています。そして、冒険風ライダーさんは、二つの事項によって起こりうる可能性を詳細に論じたことも高く評価しています。
 私が反論したいのは、移動要塞は可能である。しかし、実際に運用し、要塞内人民の掌握、士気の維持がはたして可能なのか?という事です。それが可能であるかどうかは、氏の指摘された2事項を一緒に考えてみると良いのではないでしょうか。私には矛盾が生じているように思えますがいかがでしょう。これが以前の私の2つのレスでも指摘した(説明不足かもしれませんが)理由の一つだと考えます。
私は移動要塞が有機的に運用することは出来ると思いますが、ラインハルトが帝国を掌握した時点では、必要でないと断言します。
冒険風ライダーさんは、「移動要塞」に囚われて戦術・戦略的運用を見落としているよう思いますがどうでしょうか?

不沈戦艦さんの「星界の紋章」の例
この例もこの反論の例としては的外れのように思えます。
星界シリーズでの「平面宇宙」は森岡氏が平面宇宙と帝国設立その他すべてにおいて密接に結びついているので詳細に述べています。ところで、銀英伝では、田中氏はそれについて説明していないわけです。そうなると現実世界と同じと考えるでしょう。それをひっくり返すことを指摘したのが冒険風ライダーさんの功績だと思います。

私はこのHP・掲示板は、熱い議論をしつつ、冷静な理論と風潮を保っていることに、管理人・レギュラーの皆様に敬意を持っています。しかし、私の意図しないところについて述べられたことは少し残念です。
私自身は掲示板は話し言葉とは違い文字として残るので発言を配慮しようと思ってます。

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board4 - No.3544

Re:追伸

投稿者:不沈戦艦
2003年02月01日(土) 18時45分

 何だかいつの間にか、「空想科学読本的」って表現が、「悪いイメージを与えようとレッテル貼りしている」と、解釈されているようですけど、それこそとんでもありませんよ。

 そもそも、「空想科学読本」ってのは、「設定がトンデモ」な作品に、「科学的なツッコミを入れ、笑いを取ろう」って代物でしょ。ここで私は、冒険風ライダー氏の「銀英伝世界をベースにした議論」に対して、「空想科学読本的ツッコミを入れている」と言っている訳ですから、「トンデモな設定」というのは、冒険風ライダー氏が主張している「銀英伝世界の設定」に他なりませんよ。「移動要塞論」なんぞ、「トンデモな設定から出てきた、トンデモない結論」以外の何でもないんです。

 ですがね、冒険風ライダー氏は、それは最初から承知の上で「トンデモ世界のトンデモ設定を突き詰めていくと、こうなるはず」と言っている訳です。それに対して、「そんなトンデモな設定は認めない!存在する訳がない!!」と言い張ってるばかりでしょ。「そんなトンデモな設定は存在しない」なんて現実は、冒険風ライダー氏も私も、否定しやしませんよ。

「トンデモな設定」に対して「それはトンデモだから駄目」と言うことは、「空想科学読本的」とでも評するしかないじゃないですか。「空想科学読本的」という表現は、悪い意味で使っているんじゃありませんよ。むしろ、「トンデモ設定にツッコミを入れる、正義の立場」のつもりで使っているんです。「トンデモ」なことをやっているのは、明らかに冒険風ライダー氏の方なんですから。それなのに、「悪のレッテル貼りをやろうとしている」扱いされるってのも、どうも理解できませんね。「トンデモ」な設定を前提にして、「トンデモ」な議論をやっているんですから、「トンデモ」な設定より科学理論を優先してしまうと、何の意味もなくなってしまうということを、いい加減理解して下さいや。

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board4 - No.3545

Re:追伸

投稿者:a-ru
2003年02月01日(土) 19時47分

「空想科学読本」のコンセプトが分かっているのに、なぜ反論している人たちがいるのかという事を理解していないと思います。
 この本は「空想世界設定を現実にあてはめて起こる矛盾を『笑い飛ばす』」からこそ受け入れられているのです。この『笑い飛ばすことが重要なんです』。まじめに論じてしまえば大反論が起こるでしょう。
 あなたが言っている事は、例えば、サッカーでマラドーナがハンドしてもゲームとして認めらたれました。しかし、観客によるごみの投げ入れやテロによる中止は、サッカーが出来なくなります。もう一つの例をあげると、将棋では、「二歩」という一列に二つ以上歩兵を並べると反則負けというルールがありますが、相手が気づかないうちに歩兵をト金にすることが出来れば、負けにはなりません。しかし、負けそうなときに将棋盤をひっくり返すという事をすればゲーム自体が成り立たなくなってしまうのです。
 あなたが言っていることはこれに類することだと思います。ただし、それが悪いとは絶対にいえません。そういう必要性があることは多々ありますから。(政治革命などが好例)
 皆さんが反論するのは、そのことを受け入れてしまうと、その世界自体が霧散してしまう可能性があると本能的に考えているからだと思います。なぜなら、補給の概念の導入は物語のコンセプトの一つだからです(私自身は勝手に思っているだけですけど)。銀英伝世界の科学的矛盾を重々承知で反論している皆さんは、この論は物語世界を破壊する可能性があるからこそ、銀英伝世界を守るために反論するし、受け入れたくないと思っているのではないでしょうか。
まあ、一番悪いのは、爆弾を作った田中芳樹氏ですけどね。
私自身はヤン&ギャッセルヌの会話を「伊達と酔狂な」笑い話にしてしまえば良いんじゃないかと思うんですけど。

もう一つ、私自身は1年ほど観察して得た結論は、銀英伝はスペースオペラとはいえても、SFとはいえないと思ってます。ですから、科学的矛盾については、多少は知らん振りするしかないです。なぜなら、そういうことは銀英伝世界のコンセプトではないのですから。だからといって科学技術的なことを論じることは楽しいことですし、意義のあることであると付け加えておきます。

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board4 - No.3546

お返事

投稿者:八木あつし
2003年02月01日(土) 21時01分

どうも皆さん。八木でございます。
議論が盛り上がっていますね。やはりタナ撃つはこうでなければなりません。これでなければ初レス以来、試験勉強そっちのけでタナ撃つ向けのレスを考えていた私がうかばれません。(^^;)

冒険風ライダーさんには、丁寧なレスをありがとうございます。私の文章は、誤字が多くお目を汚しました。
あとやはり冒険風ライダーさんは、うちに来ていましたか。ログから多分そうだろうな~と思っていたのですが、BBSに何の書き込みもなかったので自身がもてませんでした。私もIKさんも「田中芳樹」という枠外で、ここの皆さんとお話をしたいと思っているので是非レスでもしていってください。(^^:)
Kenさんへ燃料問題について返答をされていましたが、銀英伝世界の宇宙艦船の燃料事情には冒険風ライダーさんの説に賛成します。私の考えとほぼ同じですね。私は未来世界の核融合だから、無限のエネルギーなんだろうと普通に思っていましたが(笑)。
冒険風ライダーさんは、ライダーさんの考える銀英伝世界観の範囲で理路整然として説を主張されています。私も私なりに銀英伝世界観を自分なりに解釈(空想ともいう)してお答えします。

< 確かにアニメ版のガルミッシュ要塞は八木さんが仰る通りの形状をしているのですけど……。この場合はどちらの設定を重んじれば良いのでしょうね?>

はい。アニメ版を優先するべきです。別に私の主張だからではないですよ(笑)。理由はアニメ版の方が、原作小説よりも後だからです。それにアニメも「原作田中芳樹」であり、田中芳樹がその設定に反論しない以上、後からの方が強いです。
またアニメ版銀英伝で艦艇や要塞などのメカニック部分を造ったのは、スタジオぬえの加藤直之です。2巻でガルミッシュ要塞の挿絵を描いた加藤直之が、アニメで新しくガルミッシュ要塞を作り直したのであれば、アニメ版を優先していいと思います。
とここまで書きましたが、別にどちらでもいいですよ(笑)。原作とアニメのどちらを優先させるべきかは、ケースバイケースですね。
もし私たちが銀英伝世界の星間地図を思い浮かべるとすれば、アニメやゲームを知っている人は、まずそれに出てきた星間地図を思い浮かべるでしょう。それはアニメ版で原作小説にない部分を補完できるからです。本筋とさほど関係がないかぎりは、各人が決めればいいと思います。

< いや、たとえこれでも立派に役には立つのではないですか? すくなくとも3000隻分の艦船と人員の補給をまかなうことはできるのですし、「ゲリラ戦に使える」という用途も相変わらず存在するのですから。
いっそのこと、この手の小規模要塞を「移動する後方補給基地」として大量に活用して補給事情を一気に解消してしまうという手もできなくはないでしょう。ラインハルトは門閥貴族から没収した豊かな財源があるのですし、要塞改造という「公共事業」を大々的に展開することによって「平民向けの景気対策」とすることだって可能です。
 これが「銀英伝の戦争概念を覆す」ことはまず間違いありません。>


帝国内戦でブラウンシュヴァイク公が、ガイエスブクルへの航路に9ヶ所の軍事拠点を設けようとしました。このことからレンテンベルク・ガルミッシュを除き、最低でもあと7個は何らかの要塞があると推測できます。とすると1個か2個は球体要塞がありそうだなぁ。
う~ん難しい。でも銀英伝開始時の銀河帝国全要塞で球体型は、イゼルローンとガイエスブルクだけだったと仮定させてください(笑)。一応理由付けとしては、トゥールハンマー、ガイエスハーケン級のエネルギー集束型要塞主砲を装備するには球体でないと駄目だった。(^^;)
え、駄目? いやいや銀英伝の原作に他の要塞が出てこない限り、私の想像を否定できませんよ(笑)。
それでは帝国軍は、なぜ球体型小型要塞を大量に造り移動型補給基地としなかったのか?
それは要塞を造るための生産ラインが無かったからだと思います。なぜかと言うと、帝国が最後に造ったと思える要塞はイゼルローンだからです。難攻不落の要塞を造り、帝国本土への叛乱軍の侵攻がまず不可能になれば、国内守備用に新たな要塞を造る必然性もなく、ガイエスブルク・レンテンベルク・ガルミッシュなどの既存要塞だけで十分だからです。それならば、要塞生産ラインがあったとしても、艦艇生産ラインに変更するでしょう。
イゼルローン要塞建設から早30年余。当時の要塞建設を行った技術者たちも、すでに第1線を退き隠居しています。多分、「俺たちが造った要塞をよくも奪いやがってこの叛乱軍ども」とでも庭先で茶をすすりながら思っていそうです(笑)。
またガイエスブルク要塞を移動要塞化したとき、数万人の工員動員していましたが、要塞建設には全く足りないでしょう。ガイエスブルクに既存の12個のエンジンを取り付けるだけで、それだけの工員を必要としたとなら、要塞建設には少なくともその10倍から50倍の工員が必要でしょう。厳格な身分制を引いていると思われる銀河帝国では、軍艦建造などに従事できる工員をすぐさま増員できるとはとても思えません。そもそも軍事国家でもある銀河帝国では、工員・技術者は民間よりも軍の方が多そうです。もはや増員しようがありません。
「しかし大型要塞はともかく小型要塞なら建設できるだろう」 この疑問にも答えがあります。
艦隊の再建のため、新艦隊の編成のため、帝国の軍事工場ではせっせせっせと軍艦を造っており、とても小型要塞などを造る余力がなかったからです。
銀英伝2巻の終了時点において、帝国軍の正規編成の艦隊はどれだけあったでしょうか? ラインハルト・ミッターマイヤー・ロイエンタール・ケンプ・ルッツ・ワーレン・メックリンガー・ビッテンフェルト・ミュラー・ケスラーぐらいですか。シュタインメッツは半個艦隊未満ですね。
そしてほぼ1年後のラグナロック作戦時の帝国正規艦隊です。
フェザーン侵攻軍=ラインハルト・ミッターマイヤー・ミュラー・シュタインメッツ・ワーレン5個艦隊
予備兵力=ビッテンフェルト・ファーレンハイト2個艦隊
イゼルローン方面軍=ロイエンタール・ルッツ・レンネンカンプ3個艦隊。
本国兵力=メックリンガー・ケスラー・アイゼナッハ3個艦隊
帝国軍は要塞決戦で1個艦隊を失いないました。しかしそのミュラー艦隊は半年後には再建されました。
また新たにシュタインメッツ艦隊が正規編成になり、さらにファーレンハイト・レンネンカンプ・アイゼナッハの3個艦隊が新設されています。半年~1年で帝国軍は、7万隻余の新造艦で5個艦隊を再建・編成しました。さらにリップシュタット戦役では、国内全艦隊が動員され各艦隊がそれなりの損害を受けています。貴族連合軍の降伏した艦での補充以外にも、新造艦がさらに1万隻近くは必要だと思います。
同盟軍が約1年の間に、要塞決戦後のヤン艦隊の補充、第14・15艦隊の新設で、約2万5000隻の新造艦建設だったことを考えると、帝国軍は同盟の3倍以上である約8万隻の新造艦を造っています。
帝国と同盟の国力は、アスターテ会戦時では6:5でした。艦艇建造のレベルも似たようなものでしょう。しかし同盟はアムリッツア敗戦で社会体制がガタガタになりました。それに対して帝国は内戦が起こったものの社会体制はどうにか現状維持を守りました。しかも内戦の勝利で貴族財産を奪ったことで、財政赤字が解消され社会インフラの整備に資金を回せるようになりました。だからといって、早急にインフラ整備資金や軍事費の増加で、すぐさま新しい軍事工場が次々と出来るわけはありません。これまでの工場をフル稼働させはじめたのでしょう。帝国の急速な艦艇建造は、資金が出来たのことで資金難から動かせなかった生産ラインが可動しはじめた結果だと思っています。もともと艦艇生産ラインだから、要塞は無理だった。それに帝国軍の艦隊編成要求を満たすためには、他のことをやるだけの時間も手間もなかった。
え~、ちなみに5巻のバーラトの和約以降ですが、この後も要塞の建設は無理です。
同盟軍のヤン艦隊の手によって大損害を被った艦隊の再建がまっているからです。シュタインメッツ艦隊・レンネンカンプ艦隊・ワーレン艦隊・ミュラー艦隊・ラインハルト直属艦隊の5個艦隊。またランテマリオ会戦でも一番被害を受けたビッテンフェルト艦隊を始めとして、全ての艦隊が大小の損害を負っています。造ったそばから破壊されてはキリがありません。
ラグナロック作戦前に1年間で5個艦隊相当の艦艇を建造したのに、またも5個艦隊相当の艦艇を建造するはめになった帝国軍事工場。2年近くも休日返上で働かせられる工員たちの涙と苦しみは、如何ほどだったでしょうか。(T T)

と言うわけで、帝国の軍事工場は常に艦艇を建造せざるを得ず、要塞を造るだけの余力は全くなかったと私は確信しています。
これが帝国軍が移動要塞を造れなかった真相なのです。(人物面の理由ではなく、国内設定面での理由ね) 軍事工場に余力が出来たときには戦争は終結し、移動要塞は無用になっているでしょう。

< 前にも引用しましたが、銀英伝外伝2巻P41の記述によると、イゼルローン要塞は4年ほどで建造できたようですので、豊かな財源を持つラインハルト政権が、大規模な公共事業として複数の要塞を一度に建造させてしまえば、遅くとも5年以内には5~10前後のイゼルローンクラスの要塞を建造することも不可能ではないのではないでしょうか。それこそイゼルローン要塞の設計図でも使って同一規格の要塞でも建造してしまえば良いわけで。あるいは前述のように、小規模の「移動する後方補給基地」を大量に建造するという手段も考えられます。兵器も水準レベルの武装でも搭載させておけば、ある程度は敵の奇襲などにも対抗できるでしょうし。
 まあこれでも銀英伝のストーリー展開に追いつくのは難しいでしょうが、すくなくとも長期的視野に基づいてこのような計画を検討するなり発動させるなりくらいは、ラインハルトも絶対やるべきだったのではないかと思うのですけど。>


イゼルローン要塞の建設期間は、私の思い違いでした。頭の中では20年ぐらいかかったと思いこんでいまして……。きちんと確認をするべきでした。ここは全面的に私の間違いです。m(_ _)m
要塞建設部分は、上記の私のレスが回答となります。大規模も小規模も長期的にも短期的にも工場には造る余裕はありません。指示をしたところで、「艦艇建造が大幅に遅れますよ」と回答されて、指示を撤回するしかないでしょう。
もし要塞建設を強行すれば、今度は艦艇が不足するため、アイゼナッハやシュタインメッツあたりは正規艦隊を編成できなくて活躍の機会がなかったかも(笑)。

< ただ、八木さんの主張では言及されていないのですが、「シャフトに移動要塞論を提唱された時点で、本来軍事的天才であるはずのラインハルトはその大いなる可能性に気づくべきだった」に関してはいかにお考えでしょうか? もしラインハルトがこれに気づいていれば、そもそも「貴重なガイエスブルク移動要塞が、あんな無意味な戦いで優秀な人材共々無為に失われること」自体が未然に防止できたのではないかと思うのですけど。>

確かにラインハルト・フォン・ローエングラムは、戦争の天才です。一瞬のことから、軍事に関しては何でもすぐに見抜くかも知れません。しかしここで考えてもらいたいのは、ラインハルトという人物についてです。冒険風ライダーさんや他の皆さんもラインハルトの性格・態度が、実はおかしいことを何度も主張されております。いわゆる「皇帝失格」だと。例えば、イゼルローン要塞に籠もるヤン一党を倒すべく大艦隊をもって回廊内で闘い、数百万将兵を無駄に殺しました。全てはラインハルトの戦争したい病のためです。第2次ラグナロック作戦時のマル・アデッタ星域の同盟艦隊も無視して良かったはずです。そして第1次ラグナロック作戦でも、ヤン艦隊を放っておいて首都ハイネセンを真っ直ぐ突けば、ラインハルト直属艦隊とミュラー艦隊将兵の7割近くが死なずにすんだかもしれません。
このように政治的に解決出来ること判りつつ、敢えて軍事的に解決しようとして死者を大量生産したのがラインハルトです。自分の戦争したい病が満足できれば、将兵がいくら死んでも「後で」後悔すればいいのです。
しかしこれは仕方がないことです。ラインハルトは戦争の天才であると同時に、「軍事的ロマンチシズム」の塊なのですから。キルヒアイスが死んでから、この「軍事的ロマンチシズム」を止めることが出来る人物がいなくなりました。ラインハルトを敵対視していたフレーゲル男爵が、「帝国貴族の滅びの美学」を完成させようとしたように、ラインハルトも常に自分の戦争美学を追求しているのです。常に戦争で競いたい、より強い敵と戦いたい、美しく敵に勝利したい、などなど。だからこそラインハルトは、ヤン・ウェンリーに「いっそ5個艦隊でも与えてみたいものだな」と、のたまえるのです。
バーミリオン会戦で敢えて1個艦隊対1個艦隊の会戦を挑んだのは、ヤンのような強大な敵とは互角の条件で戦ってみたいという、ラインハルトの願望が戦略・戦術の枠を超えたからでしょう。
軍事的ロマンチシズムで艦隊決戦至上主義者のラインハルトには、移動要塞に確かに戦略性(戦術性は護衛艦隊がないとどうしようもないから駄目)を感じたとしても、むしろ大艦巨砲主義の権化のように見えたのではないでしょうか。自由惑星同盟には要塞がなく(イゼルローンは除く)はなく、無理に使ったところで自意識は満足しません。本人が移動要塞に乗って戦うのはより我慢ならないでしょう。補給面での戦略性も、今まで通りの補給艦による計画の方が「より」美しいではないですか。
もともと移動要塞など無くても同盟は勝てる相手です。相手が移動要塞を持たない限りは、ラインハルトは移動要塞を使う気にはならなかったのでしょう。

実はもう一つ考えがあります。こちらの方が激情家のラインハルトらしいかな。
自らの半身が死んだガイエスブルク要塞、自分から半身を奪ったガイエスブルク要塞。そのようなものは、この宇宙から消えてしまえばいい……。
この考えに支配されたのなら、出来たてほやほやの移動要塞をすぐに運用したのも、ぶつけてしまえと言ったのも納得できます。もしイゼルローンを奪えば、そこにガイエスブルクを置きっぱなしにしておくことで自身の眼に2度と触れることもありません。本人はフェザーンに行くのですから。
とここまで書きましたが、実はラインハルトがどう考えたのかはさっぱり解りません。上記の2つも帯に短し、たすきに長しというところですし。原作の通り、ラインハルトにとって同盟への嫌がらせ程度に考えて出兵したのかな。
今回はここまで。長々と失礼しました。

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board4 - No.3547

Re:Re3523:移動要塞の燃費問題

投稿者:Ken
2003年02月01日(土) 22時28分

冒険風ライダーさん、
再び、丁寧な回答をいただきありがとうございます。

レスを返す前に、2つの点を明らかにしておきたいと思います。

1.一つ目は、冒険風ライダーさんのスタンスに関する確認です。ライダーさんは、移動要塞を使用できる「可能性がある」と言われているのではなく、「絶対に使用できる」、言い換えれば「使用できないという可能性はない」と言われていると、考えてよろしいでしょうか?したがって、論争相手に求めるのは、「使用できないことを証明する」ことではなく、「使用できる、という理論に穴を開けること」、言い換えれば、「できるかできないか分からない」という結論へもってゆくことだと?

2.次は、銀英伝世界の設定に関する私自身のスタンスです。私は、銀英伝は、私たちの世界と同じ物理法則が成立する世界として捉えています。「ロード・オブ・ザ・リングス」で描かれるような完全な架空世界でも、「スターウォーズ」の冒頭に現れる「大昔の銀河系、すごく遠いところ」でもありません。私たちの歴史を1600年延長しただけの、宇宙規模では「近未来」に属する世界です。不沈戦艦さんは、銀英伝世界がファンタジーであることの理由として、ワープ航法を挙げられましたが、それだけでは根拠が弱いと、私は思います。そもそも、現代物理は、例えば永久機関を否定するのと同列に、超光速飛行を否定しているわけではありません。相対論は、私たちが高校で教わる「f=ma」つまり物体を押したり引いたりして加速していっても、光速に達することはできない、といっているだけです。

以上の前提をおいた上で、「移動要塞は使えないかもしれない」と考える論拠を述べてみます。

これまでの議論で、私が「要塞の移動には艦船よりも大きなエネルギーを費消する」と言ったことに対し、冒険風ライダーさんが「銀英伝は、宇宙艦船を動かすエネルギーは、問題にならない世界である」と回答されました。根拠とされたのは、「補給を重要視する登場人物が、艦船のエネルギーには言及しない」という点です。ライダーさんはそこから展開し、艦船も要塞も同種のエンジンを使用するから、艦船で成り立つことは要塞にも成り立つ、と言われていると思います。

これに対して、私はやはり、「艦船と要塞とでは質量が異なる」というこれまでの主張にこだわりたいと思います。小質量の物体に関して成り立つことでも、大質量の物体には通用しない、というケースは現実にあるからです。

奇しくも、ライダーさんを含む数名の方が持ち出した「バサード・ラム・ジェット」もその例です。ご存知の通り、これは宇宙船が宇宙空間を進むことで途上の星間物質をすくい取り、それを新たな推進燃料とするものです。問題は、観察中さんが挙げておられるとおり、星間物質の分布密度です。加速対象の物体が大質量であるほど、必要な量の星間物質を確保するのに、より広範囲からすくい取らねばならず、すくい取るためのエネルギーと、すくい取った星間物質から得られるエネルギーが、どこかでかならずクロスします。そのクロスポイントが、宇宙船よりは大きく要塞よりは小さい「どこか」にあれば、艦船の補給を心配する必要がなくても、要塞は事情が異なる、という結論になります。

しかし、ガイエスブルグは宇宙を航行しました。上で述べた理論が正しければ、ガイエスブルグは、燃料を宇宙空間から取り込むのではなく、自分で持っていたことになります。つまり帝国軍はガイエスブルグを補給基地に寄港させて、燃料を入れねばなりません。その燃料が、非常に膨大なもの、あるいは非常に高価なものであれば、ライダーさんが指摘されるとおり、ラインハルトたちが問題にするはずだし、わざわざオーディンまで「寄り道」をさせるのは愚かな行為で、まっすぐにイゼルローン回廊をめざすべきです。

しかし、もう一つの可能性があります。燃料は豊富にあり高価でもないが、ガイエスブルグの積載能力に限界がある、というものです。つまり、燃料補給は簡単ですが、「こまめに」せねばなりません。そしてひとたび帝国本土を離れ、イゼルローン回廊や同盟領へ乗り込むと補給を受けられないので、満タン燃料で航行できる距離を航行したら、そこまでです。その距離が、イゼルローン要塞までの距離よりは大きく、ランテマリオ星域までよりは小さければ、イゼルローン攻略に投入した要塞を、ラグナロックでは使用できなかった理由になります。

ヤンに関していえば、そもそもイゼルローン「移動」要塞に補給をしてくれる基地が存在しません。

以上をもって、「移動要塞が使用できるとはいいきれない」と考える論拠とさせていただきます。

今回の私の発言は以上です。

親記事No.3524スレッドの返信投稿
board4 - No.3548

Re:ちょっと別の視点から・・・

投稿者:めじろぱーまん
2003年02月02日(日) 12時38分

> 離脱を宣言したので最後にここだけ。えと、自分ではミサイルを狭義的な意味で解釈してたので、小惑星攻撃なら有効です。小惑星を搭載してるかどうかはまた別の話ですが、ロケットをつけなくてもマスドライバーでOKかなと思います。加速された大質量小惑星を一撃で砕くにはそれこそ要塞砲並の火力がいるのではないでしょうか。銀英世界では惑星防衛兵器が首都星以外にはなさそうですので、とても有効な手段だと思います。ただ、占領価値は下がってしまいますけど(笑)。

 小惑星による攻撃は、純粋に攻撃力という観点から見れば、私も有効な手段だと思います。ですが、このような攻撃はラインハルトも、ヤンも選択しない、というか絶対に選択できないのではないでしょうか。

 だって、こんな手段とった日には、銀河「英雄」伝説じゃなくなってしまいますもの。(笑)

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