- 親記事No.3181スレッドの返信投稿
- board4 - No.3184
Re:スールズカリッターって変?
- 投稿者:Ken
- 2002年10月31日(木) 14時59分
太郎さん、こんにちは。
>久しぶりに書き込みしてみます
そうですか。ようこそ、「タナうつ」へ、お戻りなさい。(と、管理人さんの代わりに、言ってもいいのかな?)
>「スールズカリッター」ってそんなに奇妙で変な姓なのでしょうか?
>日本の姓としては確かに奇妙なものですが、果たしてその国でも奇妙な姓として認識される姓なのでしょうか?
>あくまで田中芳樹氏の感覚の問題なのか?それとも何か元ネタがあっての描写なのか?
>どなたかその辺の事情をご存知の方がおられたらご教授ください。
100%の確信はありませんが、奇妙というよりも、本当にそんな姓があるのか、疑問に思ってます。
実は、私は数年前から、銀英伝に登場する人物の名前を「正確にはどう書くのか」を調べているんです。太郎さんが、アニメの方の銀英伝を見ておられたら、登場人物の名前が字幕で出ているのを、ご覧になったことがあるでしょう?例えば、「ラインハルト・フォン・ローエングラム」や「ジークフリート・キルヒアイス」は、「Reinhard von Lohengramm」、「Siegfried Kircheis」と出てきます。このような綴りは、原作には出てきません。アニメを製作した人たちが時間と労力をかけて調べたもので、私は高く評価しているのですが、ただ、どうしても間違いはあるのです。(あって当然です。)ですから、私はインターネットで、個々の名前について、本当にそのような名前があるのか、正しい綴りはどうなのか、調べてきました。
調べてみると、字幕のとおりの名前がある場合が、やはり断然多いのです。「キルヒアイス=Kircheis」、「ロイエンタール=Reuental」、「アッテンボロー=Attenborough」、「ルビンスキー=Rubinsky」などは、字幕どおりの名前がちゃんとあります。
少しだけ間違っているが、元の名前がすぐに分かるのもあります。レンネンカンプは字幕では「Lennenkanpt」と出てましたが、正しくは「Rennenkampf」です。LとRを混同するのは、日本人の宿命ですね。シトレ元帥は「Sitolet」と出てましたが、この綴りでは見つからず、「Sitole」でヒットしました。なぜ、わざわざ「t」をくっつけたんでしょうね?
ところが、いくら探しても、それらしい名前がさっぱり見つからない場合があるのです。私にとっては、今のところ、「オフレッサー=Ovlesser」、「クブルスリー=Kubersly」、そして「スールズカリッター=Soulzzcuaritter」がそうです。スールズカリッターの場合、LをRに変えたり、zを一つにしたり、いろいろ試してみましたが、だめでした。
他の名前が簡単に見つかる中で、どうしてもこれらが見つからないので、今のところ田中先生が創作したか、もしくは元の名前が分からなくなるほど、(故意またはうっかりして)変えてしまったのだと思っています。
ただし、それが私の誤解で、本当にそんな名前があるのかもしれません。例えば、外伝4に登場する「ケーフェンヒラー」は、長い間見つからず、創作された名前かと思っていましたが、最近になって、マリア・テレサに仕えた廷臣に「Khevenhüller」という人がいたことを教えていただきました。「ケーフェンヒューラー」と読むそうです。ですから、スールズカリッターだって、いつかは見つかるかもしれません。田中先生ご自身が、「どこから取ってきた名前なのか」を言ってくれるといいんですが。
- 親記事No.3181スレッドの返信投稿
- board4 - No.3185
Re:スールズカリッターって変?
- 投稿者:僧侶T
- 2002年10月31日(木) 15時06分
始めまして、僧侶Tです。拙僧にも言語学的な知識は乏しいので、「スールズカリッター」という姓がどう変なのかはまったくわかりませんが、徳間文庫版銀英伝第5巻P136には、次のような記述があります。
「彼が名乗ると、聞いたものは、必ず口の中で、その異様なひびきを持つ言葉を反芻し、どういう綴りか、と興味をたたえて質問するのだった。また、先に『SOULZZCUARITTER』という綴りをしめされた者は、例外なく眉をひそめて読みなおし、いったいどう発音するのか、と問うのである」
確かにアルファベットの綴りはかなり奇妙なもののように思えます。
それから、この掲示板の情報によると、田中氏の夢に出てきた綴りがそのまま使われているそうです。確かザ・ベストの中にあったと思いますが。
- 親記事No.3175スレッドの返信投稿
- board4 - No.3186
Re:宇宙暦799年6月1日付 自由惑星同盟国防委員会辞令
- 投稿者:八木あつし
- 2002年10月31日(木) 15時46分
今更ですが、ロックウェル大将やベイ少将って自分から辞表を出すタイプとは思えないのですが。
まぁロックウェル大将は、上司であるドーソン元帥やビュコック元帥が連行される中、自分1人で逃げそうですね。そこを責められ最後は辞任に追い込まれると思います。
ただベイ少将の場合は、どうでしょう。階級は少将なので帝国軍に捕まる可能性は五分五分。ただトリューニヒト議長の警護室長だったはずなのでトリューニヒトと一緒に捕まりそうですね。
まぁ議長を見捨てて逃げるかもしれませんが、これで引責辞任させられるのか、上手く立ち回って軍に残るのか。これも五分五分かな。
むしろベイ少将あたりには同盟軍に残ってもらい、20年後にトリューニヒトJrと何かやらかして欲しいものです。
第2部の概略は私なりに考えてまとまってきたので、時間がとれたら書いてみます。
- 親記事No.3175スレッドの返信投稿
- board4 - No.3187
Re:宇宙暦799年6月1日付 自由惑星同盟国防委員会辞令
- 投稿者:イッチー
- 2002年10月31日(木) 16時56分
> 文庫版第5巻のP137には、「この戦い(第1次ランテマリオ星域会戦)のとき、まだ彼はまだスーン・スールズカリッター少佐である」との記述があります。
そうですか。それはうっかりしていました。
>
> > 私が一番好きなのは、マル・アデッタ星域会戦での「民主主義に乾杯!」の場面なのですが、この場面はロイエンタール、ミッターマイヤーが銃殺を執行する前に、言ったことにすればいいですね。
> これを実現させるために少し考えてみました。
> 宇宙艦隊司令部ビルに戻ったビュコックは部下たちから逃亡を進められたがそれを拒否し、逆に部下たちに逃亡するように命じた後、チュン大将とともに執務室へと引きこもった。部下たちの多くは命じられたとおり逃亡したが、スール少佐をはじめとする部下たちは玄関ロビーなどに陣取り、帝国軍を阻止しようと試みた。
> だが完全武装の陸戦部隊にかなうはずもなく、激しいが短く一方的な戦いの後、重傷を負い意識不明となったスール少佐を除いて全員戦死を遂げる。抵抗を排除した帝国軍はロイエンタール提督(別にミッターマイヤーやヒルダでもいいですが)を先頭に執務室へとなだれ込んだ。そこではビュコックとチュンが、泰然としてブランデーを酌み交わしていた・・・。
> といったところでしょうか。
そういったところが妥当だと思われます。ただ、部下の一部が激しい戦闘をしている中、のんきに酒盛りをしている二人とも思えませんので、こんな感じになるでしょうか。(先のロックウェルやベイの件ですが、私は八木さまと同じで逃亡すると思います)
ラインハルト戦死の報が伝わると、ロイエンタールは同盟政府の閣僚と軍の高官の身柄を拘束し、銃殺するよう命じた。軍の一部は激昂し、ハイネセン市民の殺戮に走ったが、ロイエンタールもミッターマイヤーも積極的には止めようとせず、黙認した。
ミッターマイヤーがビュコックとチェンらの身柄を拘束しようと同盟軍司令部に赴いたとき、スールズカリッター少佐率いる部隊の一部が激しく応戦した。しかし、応戦むなしく部隊の多くは戦死し、スール少佐も重傷を負って、意識を失って倒れた。「くそ!仲間の敵だ!」一人の兵士がスール少佐にとどめを刺そうとしたとき・・・。「やめてくれ・・・。私たちは逃げも隠れもしない。しかし、これ以上、部下の命を失うのだけはやめてくれ」現れたのはビュコック元帥だった。ミッターマイヤーは帝国軍兵士たちに攻撃の中止を命じた。「わしとチェン総参謀長は既に覚悟を決めておる。それにドーソン統合作戦本部長の3人が犠牲になれば、諸君の名目もたつじゃろう」「・・・」「しかし、条件が2つある。聞いてもらえるか」「条件によりますが」「1つは帝国軍による一般市民の殺戮を中止してもらいたいということ。軍の高官が責任をとる以上、一般市民を巻き込むことはないじゃろう」「・・・わかりました。確かに我々も無用な血は流したくない。各部隊に徹底させましょう」「そうか。そして、もう1つは・・・」「もう1つは?」「ウイスキーを1杯だけ飲ませてもらえないだろうか」「・・・?」怪訝な表情を浮かべながら、ミッターマイヤーがビュコックに後に続いて、司令長官室に入るとチェン総参謀長が1本のウイスキー瓶と2つの紙コップをかかげた。ビュコックは手を伸ばして、紙コップを受け取ると、悠然と乾杯のしぐさをしてみせた。
「ビュコック提督。死にいたっても見事な態度。感服いたしました。出来れば、敵としてではなく、同じローエングラム候の臣下として卿とまみえたかった」
「ローエングラム候・・・。わしは彼の才能と器量を高く評価していたつもりだ。孫を持つなら、彼のような人物を持ちたいものだ。だが、彼の臣下にはなれん」
ビュコックは一口、ウイスキーを流し込むと、言葉を続けた。
「なぜなら、えらそうに言わせてもらえば、民主主義とは対等な友人をつくる思想であって、主従をつくる思想ではないからだ」
ビュコックはさらにウイスキーを流し込んだ。
「わしはよい友人がほしいし、誰かにとってよい友人でありたいと思う。だが、よい主君もよい臣下も持ちたいとは思わない。だからこそ、あなたとわしは同じ旗をあおぐことは出来なかったのだ」
「・・・民主主義に乾杯!」
総参謀長はコップを高く掲げると、彼もまたウイスキーを飲み干した。死を目前にして彼らは淡々とすらしていたが、老人の顔にやや照れくさげな評定がうかんでいた。柄にもない説教をしたといいたげであった。
好意を拒絶されたにもかかわらず、ミッターマイヤーの心に怒りはなかった。わずかに存在したとしても、それを圧倒する別種の感情が、静かに、だが豊かに彼の精神の大地を浸しつつあった。つまるところ、みごとな死というものはみごとな生の帰結であって、いずれか一方だけが孤立することはないように思える。彼の主君であったローエングラム候もまたそうだったではないか。
ビュコックとチェンは紙コップを机の上に置くと、敬礼の姿勢をとった。ミッターマイヤーは銃殺の合図をとった。彼の目の前に二人の同盟軍首脳はブラスターで全身を撃ち抜かれて、絶命した。
スーン・スールズカリッター少佐が軍病院の一室で目を覚ましたのは、数日後のことであった。ベッドのそばには、若く美しい女性が立っていた。
「帝国軍幕僚総監のヒルデガルド・フォン・マリーンドルフです。帝国軍は本日をもってハイネセンから撤退します。そのお知らせに参りました」
「アレクサンドル・ビュコック元帥はどうなった!?」
「元帥は・・・、ハイネセン市民の命の保証と引き換えに・・・お亡くなりになりました。立派なご最後でした・・・」
「そうか・・・私だけが生き残ってしまったか・・・」
「あなたにはヤン艦隊が帰還するまでの間、同盟軍の指揮をするという役目があります。おかしな考えをお持ちにならぬよう」
「何を言う。私は一介の少佐だ。ほかにも高官はたくさんいるだろうに」
「チェン中将はビュコック元帥と運命をともにされ、ドーソン元帥は自殺されました。他の高官は・・・行方不明です」
「そうか・・・はは・・・情けないものだ」スール少佐は力なく笑った。
「ビュコック元帥の副官であったあなたに同盟軍を託し、帝国軍は撤退します。同盟市民の安全を守るというのが、ビュコック元帥との約束でしたので、事後処理を終えた上で帝国軍は撤退したいと思います」ヒルダは敬礼した。「了解した」スール少佐も敬礼を返した。その日、帝国軍はハイネセンから撤退した。
逃亡していた同盟軍の高官たちが姿を現したのは、ヤン艦隊が帰還した後であった。さすがに、周囲の非難に耐え切れなかったのか、ロックウェルとベイは辞表を提出した。
- 親記事No.3158スレッドの返信投稿
- board4 - No.3189
Re:銀英伝世界で人工知能はどれ位発達しているか?
- 投稿者:Ken
- 2002年10月31日(木) 17時21分
いつもながらの「科学解説」をしていただき、ありがとうございます。自分の教養が豊かになってゆくようで、喜んでいます。
コンピュータ能力の「量子論的限界」という話は面白いですね。超伝導を利用したコンピュータも考えられているようですが、不確定性原理の壁はやはり厳存しますからね。
ただ、言われるような意味での計算能力の限界の問題は人間だって持っているはずですから、最初に提議された「コンピュータが人間に勝てるか?」という問題に関しては、コンピュータ側の限界のみを論じて、不可能と結論することもできないのではないでしょうか?もしもチェスの「強さ」が計算能力だけで決まるなら、例えば、ディープブルー1台が人間のチャンピオンを相手に勝ったり負けたりするのなら、ディープブルーを100台つないで、分散処理をさせたら、人間を圧倒する、という考え方はできませんでしょうか?(そもそも、チェスや将棋や囲碁の達人は、「なぜ」強いんでしょかね?短時間に多くの手を読む能力に優れているから強いのでしょうか?)
ただし私の論点は、銀英伝の世界では、優秀なコンピュータが作れないのではなく、「作らせないだろう」というものでした。全体として、古典SFファンさんの発言は、SAIさんの発言に対する回答になっており、それはそれで結構なのですが、私自身としては、
1.科学技術は政治的な事情で、退歩することがある
2.とくに情報技術は、非民主的な権力との、両立が困難である
ということを述べたつもりでした。1に関しては、例えば徳川時代の造船技術が頭にありました。信長や秀吉の時代には、日本の船は東南アジアまで航海していたのに、徳川幕府の政策のために技術が一挙に退歩して、三陸沖の航海すらできなくなってしまいました。なにしろ松前藩の物産を江戸へ運ぶ船が、わざわざ日本海側を南下し、下関を周り、瀬戸内海から大阪を経由して江戸へ向かっていたのですから。
2に関しては、古今東西の政府が大量に「発禁書」を指定したこと、中国政府がインターネット経由で「好ましくない」情報が入るのを規制しているというニュースなどが頭にありました。なにしろ、情報が自由に伝わると、「今の王様よりもっといいリーダーがいるかもしれない」と民衆が探し始めるので、権力者には都合が悪いでしょう。(それにしても、「好ましくない」ネット情報だけ規制するなんて、具体的にどうやるんでしょうか?特定サイトのIPアドレスをもつパケットだけを、ルータにはじかせるのかな?)
いや、他人の国のことを言っている場合ではありません。不良債権を隠し続けた大蔵省、薬害エイズを隠し続けた厚生省、原子炉の事故を隠し続けた通産省・・・「民は寄らしむべし、知らしむべからず」と考える現代の「王様」はいるのですから。こういう人たちは、インターネットなどなくなってほしいと、考えているのでしょうね。
- 親記事No.3175スレッドの返信投稿
- board4 - No.3190
Re:宇宙暦799年6月1日付 自由惑星同盟国防委員会辞令
- 投稿者:イッチー
- 2002年10月31日(木) 17時35分
生き残った同盟軍兵士たちに対して、むろんヤンは無原則に寛大であったわけではない。彼にとってその日最後の公務は、バーミリオン直後に逃亡した軍の高官たちを面接することであった。ヤン艦隊の主な幹部は市内の治安や任務引継ぎにあたっていたため、最高司令官の傍にある高級軍人は首席副官のグリーンヒル中佐とヤン艦隊到着までハイネセン警備にあたっていたスールズカリッター少佐だけであった。
逃亡者たちに面接したヤンは、最初から侮蔑の意思をかくそうともしなかった。彼にしては珍しく、轟然と脚を組んで、ロックウェル元大将以下、11人の逃亡した士官を見下ろした。ぎこちなく敬礼した男たちに、氷点を下回る声を投じる。
「諸君らのためにさく時間は、私には貴重すぎる。ひとつだけ聞いておこう。諸君らが逃亡をはかったとき、君たちの羞恥心はどの方角をむいていたのか」
ロックウェル元大将は動揺と不安にサンドイッチされた顔をかろうじて若い最高司令官にむけたが静かな怒りに燃えた瞳に対抗するのは容易ではなかった。
「我われが恥知らずな者どもだとおっしゃるのですか、閣下」
「それ以外のことを言ったように聞こえたら、私の言い方が悪いのだろうな」
「閣下のお側にいるスールズカリッター少佐にしても、ビュコック元帥をお守りできず、あまつさえ帝国軍に命を助けられ、その後も軍務を続けております。我われは既に責任をとって軍を退役しております。であれば我われにも寛大なご処置をたまわってもよいと思いますが」
ヤンは冷笑で氷の竪琴をかきならした。
「聞いたか、スールズカリッター少佐、このものたちは、自ら少佐の同類だと称しているぞ」
「・・・まことに光栄のきわみ」
少佐の水色の瞳が怒りの蒸気をたゆらせつつ逃亡者たちを直視した。彼はビュコック元帥から逃亡するよう求められても、ビュコックの側を離れず、死ぬ覚悟で彼の命を助けようとしたのだ。彼が未だに自殺せずにいるのは、ヤン艦隊までハイネセンの治安を守らねばならないという責任感からにほかならない。逃亡者たちから同類とみなされる不快感はたとえようもなかった。その表情を見やって、ヤンはうなずいてみせた。
「よろしい、スールズカリッター少佐、私の心も君のそれにひとしい。本来、戦場の外で流血をなすのは君の本意ではあるまいが、とくに少佐に命じる、この薄汚い二本足のハイエナどもを処理して、せめて宇宙の一隅だけでも清潔にせよ」
「は!この者たちを敵前逃亡および軍務放棄の容疑で軍法会議にかける。連行せよ!」
最高司令官のことば半ばにして、すでに逃亡者たちは色を失っている。スールズカリッター少佐が片手をあげると、人の輪が11人の男たちの周囲に軍服の壁をつくった。
「・・・法の保護を!」
放った悲鳴はスールズカリッターの一喝にはじき返された。
「前政権ならいざ知らず、トリューニヒト派が排除された今となっては裏切り者を保護すべき法はない。無益な哀願をするな」
- 親記事No.3175スレッドの返信投稿
- board4 - No.3191
Re:宇宙暦799年6月1日付 自由惑星同盟国防委員会辞令
- 投稿者:八木あつし
- 2002年10月31日(木) 18時08分
イッチーさん。ここまでいってしまうと、何か独裁者ヤンになってしまうような気が……。ヾ(;´▽`A``<
としてもヤン議長よりヤン総統を期待しているのですが、さすがに今回は設定が違うので。( ̄~ ̄;)<
~ン。ラインハルトと同じセリフではなく、もう少しヤンらしいセリフに変えてみたら良かったと思います。<
と実際問題として、トリューニヒト議長が出した停戦命令にロックウェル大将は従ったはずです。そしてビュコックは会議の場で地球教徒に防がれたものの、議長に対して実力行使に出ようとしました。ヤンは、命令を無視してラインハルトを倒しました。<
果論を考えずに原則論で考えれば、民主共和制軍隊の指揮官として、国民に選ばれた元首の命令に逆らったヤンとビュコックの方が問題があるとなります。無謀な侵略を行う訳ではなく、国民の生命を守るため停戦するという大義名分もあるからです。<
の部分を隠すためにも、ロックウェル大将は哀れスケープゴートになってしまった……と考えても良いかも。これじゃあ、ますます独裁者ヤンだ(笑)
- 親記事No.3175スレッドの返信投稿
- board4 - No.3192
Re:宇宙暦799年6月1日付 自由惑星同盟国防委員会辞令
- 投稿者:イッチー
- 2002年10月31日(木) 18時40分
> イッチーさん。ここまでいってしまうと、何か独裁者ヤンになってしまうような気が……。ヾ(;´▽`A``<
gt; 私としてもヤン議長よりヤン総統を期待しているのですが、さすがに今回は設定が違うので。( ̄~ ̄;)<
gt; ウ~ン。ラインハルトと同じセリフではなく、もう少しヤンらしいセリフに変えてみたら良かったと思います。<
gt;<
あ、それだけビュコックの死に直面したヤンの怒りが大きかったということで。(笑)実際には、ヤンは憲兵総監のムライ大将に「彼らのことは任せた」とか言って、終わりにしそうですが。(笑)<
gt; あと実際問題として、トリューニヒト議長が出した停戦命令にロックウェル大将は従ったはずです。そしてビュコックは会議の場で地球教徒に防がれたものの、議長に対して実力行使に出ようとしました。ヤンは、命令を無視してラインハルトを倒しました。<
gt; 結果論を考えずに原則論で考えれば、民主共和制軍隊の指揮官として、国民に選ばれた元首の命令に逆らったヤンとビュコックの方が問題があるとなります。無謀な侵略を行う訳ではなく、国民の生命を守るため停戦するという大義名分もあるからです。<
gt; その部分を隠すためにも、ロックウェル大将は哀れスケープゴートになってしまった……と考えても良いかも。これじゃあ、ますます独裁者ヤンだ(笑)<
の問題をどのようにヤンが解決したかについては同盟最高裁判例をご参照ください。(笑)<
ところで考えてみたら、ハイネセンに残留していたであろう同盟軍首脳で逃亡しそうもない人にパエッタ中将がいたんですよね。帝国軍撤退後の暫定的な司令官にはパエッタが就任する可能性が高いですね。ただ、帝国軍には同盟軍の序列とかはよくわからないでしょうから、ビュコックの副官だったスール少佐に事後処理を押し付けて撤退したということで。(笑)
- 親記事No.3175スレッドの返信投稿
- board4 - No.3193
自由惑星同盟最高裁判所判例
- 投稿者:イッチー
- 2002年10月31日(木) 19時08分
主文
ヨブ・トリューニヒト・ジュニア氏による「無条件停戦命令を無視したヤン・ウェンリー元帥の行動は違法で無効であり、ジョアン・レベロ政権の成立、およびロックウェル元大将・ベイ元少将らに対しておこなわれた軍法会議も無効である」という訴えはこれを棄却する。
判決理由
自由惑星同盟の主権を売り渡し、自らの安全をはかろうとする無条件降伏を同盟議会の同意も得ずして、おこなおうとしたトリューニヒト最高評議会議長の決定は、それ自体が同盟国民の権利を踏みにじり、同盟憲章の趣旨とは到底合致し得ないものである。ヤン・ウェンリー元帥の行為はこのような同盟国民の権利の侵害に対して、同盟憲章の抵抗権規定すなわち「同盟政府が人民の権利を不当に侵害した場合は、同盟国民はこれに抵抗することが出来る」という規定にのっとり、同盟国民の権利の回復につとめたものであって、同盟軍人として当然の行為である。そもそもトリューニヒト政権の無条件停戦命令は同盟議会の同意を得ておらず、合法性に問題がある。そのうえ、同盟国民全体の利益に反し、国家の主権を売り渡そうとしていた時点で、既にトリューニヒト政権の存在自体が合法性を失っていると見なさなければならない。よって、ジョアン・レベロ氏を議長とする新政権が樹立されたのは当然の結果であって、何ら問題はない。
ロックウェル元大将、ベイ元少将らについては、同盟軍人として同盟国民の生命安全を守る責務を有し、悪逆非道なる帝国軍によるハイネセン市民虐殺に対しては身を呈して、これを防ぐ責任があったにもかかわらず、それを怠ったことは軍法会議にかけられても当然といわざるを得ない。トリューニヒト議長の無条件停戦命令に従っただけだという訴えにも一理あるが、彼らは同盟軍司令部からも逃亡し、ハイネセン・ポリス郊外で身を隠していたことが今日、明らかになっている。これだけでも、軍務放棄と見なされても致し方ないと思われる。よって、ヤン・ウェンリー元帥およびジョアン・レベロ議長による決定はすべて合法であり、いささかも覆されることは許されないのである。
宇宙暦800年11月1日
自由惑星同盟最高裁判所長官 ルイス・マックロイ
まあ、権力を握ってしまえば、どうにでも正当化できるものです。(笑)
- 親記事No.3158スレッドの返信投稿
- board4 - No.3194
Re:銀英伝世界で人工知能はどれ位発達しているか?
- 投稿者:古典SFファン
- 2002年11月01日(金) 06時11分
Kenさん:
>いつもながらの「科学解説」をしていただき、ありがとうございます。自分の教養が豊かになってゆくようで、喜んでいます。
いえいえ・・
本来の意味での自然科学的な説明をするには数学的なスキルが不足していますので、
正確なイメージを描写できているかどうか・・・(--;;
>コンピュータ能力の「量子論的限界」という話は面白いですね。超伝導を利用したコンピュータも考えられているようですが、不確定性原理の壁はやはり厳存しますからね。
情報を運ぶキャリアとしての電流や電磁波と、信号に関する問題は、古く石原藤雄
さんの短編集「ハイウェイ惑星」で指摘されています。
計算機の能力の量子論的限界は、色々な資料からですが、小説的には故アイザック・
アシモフの「ファウンデーションの彼方へ」で、自らを改良しつづけたR.ダニール・
オリヴォー(「鋼鉄都市」に登場。SF史上初?のロボット刑事)が遭遇した問題
です。
彼は人間型ロボットで、自分の頭部に陽電子頭脳(笑)を積んでいるため、2万年に
渡って自己改良を続けた挙句、それ以上集積化すると不確定性原理により情報を失って
しまう点まで到達してしまいました。
>ただ、言われるような意味での計算能力の限界の問題は人間だって持っているはずですから、最初に提議された「コンピュータが人間に勝てるか?」という問題に関しては、コンピュータ側の限界のみを論じて、不可能と結論することもできないのではないでしょうか?(中略)
そもそも、チェスや将棋や囲碁の達人は、「なぜ」強いんでしょかね?短時間に多くの手を読む能力に優れているから強いのでしょうか?)
推定になりますが(笑)幾つかに分けてお答えできます。
・私は、「コンピュータは人間に勝てない」とは云っていません。
「航路局のコンピュータが、銀河3Dチェスチャンピオンに勝てるようなシステムを
組めるとは限らない」
というのが、先のレスの要旨です。
・何故そうなるのかという点に関して云えば、
「3Dチェスのルールが天文学的な計算量を要求し、航路局のコンピュータがそれを
チェスの持ち時間内に応答できるようなターンアラウンドタイムを持たない場合」
チェスプレイヤーとしては、航路局コンピュータは負けるかも知れないと云う事
です。
ディープ・ブルーはそもそも通常のチェスで、プレイヤーとしての条件を満たし、
必ず所定の時間で応答するように作られたシステムですから、話がまた異なります。
時間を掛ければ、航路局のコンピュータは必ず最適解に達するでしょうが、
問題を解けると云う事と、プレイヤーとして強いという事はイコールでないと云う
見解です。
が、この問題は、「3Dチェスのルール」が明らかにならないと解けないので、
私の回答可能なのはこんなものです(笑)。
・人間のプレイヤーが何故強いのかというのは、本来私には全く回答不能の問いです。
ご存知の通り(笑)私はシステム屋で、脳の研究者ではありません。
が、興味の種として一つ、以前見た記事を出しておきます。
粘菌は、脳も神経もないのに、迷路の最短距離問題を解決する能力があります。
ttp://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2000/000926/
その秘密は、彼らの細胞が計算ではなく、リズムやパターン(物理・化学・
幾何学的な物性)を使って迷路問題を解く能力を持っている事にあります。
ある種の問題は、計算(特にコンピュータに代表されるブール代数的演算や、数学
的演算)を用いずとも近似的に解決する方法があると云う事です。
この例に漏れず、人間(生物)の脳や肉体には、計算によらない、まったく
別種の問題解決システムが備わっているのかも知れないと、私は考えています。
(粘菌と同じ手を使っているとは限らない。もっともっと、驚くべきものを備えて
いるかも知れません)
われわれはまだ、この種のシステムとしては計算機しか知らないので、ついそれだけ
を基準に考えてしまいがちですが、45億年掛けて作られた生物の体は、まだまだ
多くのびっくり箱を用意しているのかも知れません。
>1.科学技術は政治的な事情で、退歩することがある
>2.とくに情報技術は、非民主的な権力との、両立が困難である
江戸時代の例は、よく分かります。
特に銀河帝国には「外部」がなかったため、鎖国状態の日本宜しく、一部の分野に
ついては必ずしも進歩する必要がなかったとはいえます。
が、コンピュータに付いては、それ自体が反逆材料になり、抑圧される対象と
なるかというと、ちょっと違う気もします。
現在も、実際に抑えようとしているのは、特定コンテンツへのアクセスであり。
コンピュータの計算能力などではありません。
広く情報技術というならば、例えば
「帝国標準倫理プロトコル(笑):このコンテンツを見たら死刑」
のようなものを装備したチップが、ありとある情報機器に装備されているかも
知れません。
(中身はフェザーン資本の会社が廉価で量産していたりして・・・)。
- 親記事No.3158スレッドの返信投稿
- board4 - No.3195
Re:銀英伝世界で人工知能はどれ位発達しているか?
- 投稿者:SAI
- 2002年11月01日(金) 11時42分
> >ただ、言われるような意味での計算能力の限界の問題は人間だって持っているはずですから、最初に提議された「コンピュータが人間に勝てるか?」という問題に関しては、コンピュータ側の限界のみを論じて、不可能と結論することもできないのではないでしょうか?(中略)
> そもそも、チェスや将棋や囲碁の達人は、「なぜ」強いんでしょかね?短時間に多くの手を読む能力に優れているから強いのでしょうか?)
コンピュータのほうは古典SFファンさんが説明したので、私は人間のほうを。
人間はコンピュータと違い、すべての状況を考慮しません。無意識のうちに感情がほとんどのものを弾く。弾かれなかった残りを人間は意識的に考えます。
チェスや将棋や囲碁の達人はもちろん、普通の人に比べれば短時間に多くの手を読む能力に優れてますが、今のコンピュータに勝てるほどではない。が、コンピュータと違いすべての状況を考慮しなくても最適であろう答えの数を3つ、4つぐらいに絞れるわけです。
これは人間ならみんなそうやって生きてます。
> >1.科学技術は政治的な事情で、退歩することがある
> >2.とくに情報技術は、非民主的な権力との、両立が困難である
江戸時代の例については、問題解決法はひとつではない。
人間物事がうまくいっている限り今までのやり方を変えようとは思わない。必要がない技術は発達しない。
の例だと私は思います。
>
> が、コンピュータに付いては、それ自体が反逆材料になり、抑圧される対象と
> なるかというと、ちょっと違う気もします。
> 現在も、実際に抑えようとしているのは、特定コンテンツへのアクセスであり。
> コンピュータの計算能力などではありません。
> 広く情報技術というならば、例えば
> 「帝国標準倫理プロトコル(笑):このコンテンツを見たら死刑」
> のようなものを装備したチップが、ありとある情報機器に装備されているかも
> 知れません。
> (中身はフェザーン資本の会社が廉価で量産していたりして・・・)。
>
特定コンテンツのアクセスの禁止も、帝国が繁栄し、自信に満ちていた時代はやらないでしょう。そう言うときは国民が何を見ようが、社会が揺らぐことはないので。情報が自由に伝わると、「今の王様よりもっといいリーダーがいるかもしれない」と民衆が探し始めるわけじゃないです。
社会が安定し、未来に希望があって安心があるならそういうことを考えるのは極少数の異端者だけです。
衰退期に入り、自信がなくなればやると思います。帝国標準倫理プロトコル(笑)を使うのか、もっと巧妙にやるのかは書いてないからわかりませんが。
- 親記事No.3158スレッドの返信投稿
- board4 - No.3196
Re:銀英伝世界で人工知能はどれ位発達しているか?
- 投稿者:Ken
- 2002年11月01日(金) 13時23分
>計算(特にコンピュータに代表されるブール代数的演算や、数学的演算)を用いずとも
そういえば、ニューロコンピュータなど、どうなったのでしょうね。ひと昔前はエアコンや掃除機まで「ニューロ」だ「ファジー」だと謳っていましたが・・・。イメージ先行のブームが去って、地道な開発プロセスに戻ったのかな?
>45億年掛けて作られた生物の体は、まだまだ多くのびっくり箱を用意しているのかも知れません
コンピュータ技術のブレークスルーの可能性の一つに、生物の仕組みを取り入れる、なんてのもあったのではないでしょうか?ジェネティック・アルゴリズムも、(少なくとも名前だけは)技術者なら誰れでも知ってるでしょうし。0(断電)と1(通電)しかない電子素子の代わりに、DNA塩基のような4つの状態を取りうる素子を用いれば、素子の数は半分、結線の数は3分の1以下になって、「ダニールの死」がずいぶん先に延びるのでは?
理研の記事を読んできました。この記事の通りなら、粘菌は一旦は迷路の隅々まで入り込む(つまりすべての経路を探索する)ので、「巡回セールスマン問題」というのは、吹いているような気もしますが・・・。ただ、コンピュータ型の知能活動を行わずに、最適経路を見つけ出すというのはそのとおりかと思います。(考えてみれば、無生物である水だって、最も効率よく位置エネルギーを減らす経路を「発見して」流れますしね。)
>鎖国状態の日本宜しく、一部の分野については必ずしも進歩する必要がなかったとはいえます
これは、私が言おうとしたことを、ずいぶんと「穏やかに」解釈されたと思います。(慎重になられる気持ちは分かりますが。(笑))幕府は、北海道の物産を下関回りで江戸へ送るという、大変な不便を甘受してまで、造船技術の退化を強制したのです。「技術」というものが、人間の合理精神を刺激し、結局は封建制という非合理な体制の否定につながることを、理解していたのではないでしょうか?「飛び道具とは卑怯なり」という珍妙なせりふをはやらせて、銃火器の技術を圧殺したのもこの時代です。サミュエル・コルトの量産型拳銃が「great equalizer」と称されたように、強者と弱者の立場を、より対等に近づける技術の存在は、デモクラシー以外のどんな体制とも、本質的に矛盾するのでは、と私は思います。(別に、NRAの先棒を担いで、銃器の所有を自由化せよなどと、主張しているのではありませんので、念のため。)
>穿ってみれば、帝国時代に人口が減少したのも、テクノロジーの衰退に一因があると云う考えも成り立つでしょう。
硬直的社会を維持するため科学を弾圧→テクノロジーが衰退→人口減
というパターンなら、私の理解と非常に一致します。
そもそも「権力」とは、人間を意のままに動かす影響力のことであり、機械には通用しませんので(皇帝が操作しようが、Kenが操作しようが、同じ機械は同じように働く)、非民主的権力者が民衆に対する相対的優越を維持しようとすれば、機械が人間に取って代るのを好まないと思います。
ところで、非民主的社会がインターネットをどう扱うかに関して、何ともタイムリーな記事が、朝日のサイトにありました。消えないうちに、ぜひ、ご一読されてはいかがでしょうか?
ttp://www.asahi.com/international/aan/issen/issen18.html
-
- board4 - No.3197
中国について
- 投稿者:IK
- 2002年11月01日(金) 14時11分
横レスですが…
中国でのインターネット普及は確実に中国社会の根幹を変えつつあると思います。
現在の中国社会が民主的なものとは決して言えないと思いますが、果たして民主的であることが至上の価値なのでしょうか。
無論、Kenさんの論旨とずれていることは承知していますが、
中国当局の一部の旧態依然たる態度にも関わらず、
中国は中国なりの近代化、民意の反映を成しつつあると考えています。決してアメリカの方式から言えば百点満点ではないでしょうが。取り敢えず、Kenさんに紹介いただいたサイトとは別の視点を提供する意味で、やや古いのですが、
ttp://home.att.ne.jp/sigma/tsugami/0004.htm
も紹介します。