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board4 - No.2981

Re:続・経済学的に正しい銀英伝

投稿者:Ken
2002年10月06日(日) 09時36分

SAIさん、

人口論議で考えをまとめるのに没頭し、ここ数日他のスレッドをじっくり読みませんでしたが、#2964のご発言を拝読し、ひと言申し上げたくなりました。ここでのご発言は、親米派(であることを認めます)の私としては、看過できません。

この中でSAIさんの論点を整理すると、

1.アメリカは資本主義の国である。
2.資本主義は利己主義である。
3.故に、アメリカでの差別はなくならない。
4.自由惑星同盟は、アメリカがモデルである。
5.故に、同盟は帝国からの亡命者を差別する。

ということを、述べておられるのだと思います。(誤解があれば、訂正をお願いします。)

「アメリカは資本主義の国である。」
確かに資本主義の国ですが、資本主義「だけ」の国ではありません。キリスト教の信仰が大きな影響を持つ国でもあります。国民の9割が神を信じ、日曜日の教会は老若男女で埋まります。日本のお寺やヨーロッパの教会のように老人ばかりの場にはならず、若夫婦が幼児を連れてやってくる光景が、普通に見られます。牧師さんの話も皆、まじめに聞いています。また、人々の信仰の指標として、教会の持つ巨大な集金力があり、教会の運営する学校、病院、地域サークル等が社会の重要な機能を担います。なお、人々が教会に行う寄付は、日本の檀家組合が集める組合費とは異なり、払ったこと(払わなかったこと)が他人に知られることはありません。皆、「世間体」を気にして、払っているのではないのです。(檀家組合費が世間体だけで払われている、と言っているのではありませんよ。念のため。)

「資本主義は利己主義である」
利己主義は資本主義の産物ではなく、人間の普遍的な通弊でしょう。資本主義にあっては、利己主義が資本主義的な表れ方をするだけで、社会主義では社会主義的な、絶対主義では絶対主義的な、封建主義では封建主義的な形をとって表れます。むしろ、資本主義のユニークな特徴は「自由競争」と「実力主義」にあります。そして、自由競争と実力主義は、差別、つまりある人間が別の人間に対して、生まれながらに持つ特権と戦うためには、人智がこれまでに考え出した中では最強の武器ではないでしょうか?100万ドルの損失を出す白人経営者と、100万ドルの利益を出す黒人経営者がいる場合、前者を社長に迎えるのが差別であり、後者を迎えるのが資本主義です。たしかに「資本主義国」と称される社会でも、「差別」や「談合」や「縁故主義」はあります。しかし、それは資本主義が未完成なために、前近代の習慣が根絶されずに残っているのだ、というのがアメリカの考え方です。そして、アメリカ自身にも前近代の習慣があることをアメリカ自身が承知しています。ただ、他国よりもずっと少なく、世界のどこよりも自由だとも考えており、この点は、私も同感です。

「故に、アメリカでの差別はなくならない」
人々の中の差別感情はなかなか根絶できず、アメリカ自身も苦しんでいるし、建国の父たちも天国で泣いているでしょう。私の5年の滞米中にも、いくつかのニュースが世間を騒がせました。例えば、ある白人男性がアパートを借りようと管理事務所で話をし、合意ができたので、本契約をしようと妻を伴って赴いたら、その妻が黒人であるのを見た管理者側が、入居を拒否した、などというのもありました。もっとひどいのは、3年ほど前に全米を騒がせたある私学のニュースでした。そこの学長は、入学生を白人に限定し、しかも異人種とはデートをしないことを誓約させた上で入学を許していたのです。逆説的ですが、自由の国には自由に反対する自由もあるのです。この私学が方針を変更したというニュースは今に至るまで耳にしません。

一方、このような例もあります。私は現地の日系企業で、情報システム部門の責任者を勤めましたが、部下にアフリカから移民してきた黒人女性がいました。私は彼女の仕事ぶりに不満をもち、更迭まではゆかなくとも、彼女のジョブの一部を自分でやろうとしたことがあります。ところが、その途端に人事部に呼びつけられ、人事部長(白人男性)から「危険なことをするな」と注意されました。人事部長が言うには、もしその女性が訴えを起こし裁判になったら、会社が負け、数百万ドルの賠償金を取られるかもしれない、というのです。私は自分の判断の正しさを説明しようとしましたが、人事部長は耳を貸さず、「要は陪審員が君と彼女のどちらの言い分を聞くかだ。そして、彼女は黒人であり、それだけで君にも会社にも勝ち目はない」と言いました。ちょうどY2Kを始め、情報部門の問題が山積していたころで、私は非常に悩み、会社とは無関係の数人の友人に相談しました。この時の相談相手は皆60歳以上の白人男性で、私のことを息子のように面倒をみてくれた人たちでしたが、話を聞くと一様に難しい表情をし、「それは人事部長の言うことが正しい」と忠告してくれました。結局、私はその黒人女性の仕事ぶりと、それに伴う問題を甘受せざるをえませんでした。

これは私の個人的体験ですが、人事部長や友人たちが私に言ったことは、もっと一般的な社会の状況を表しているのだと思います。

実は、この一件があった数ヵ月後に、NPRという公共放送ラジオが、問題のある黒人社員をもつ企業の苦悩について語っていました。事情は私自身の体験と全く同じで、私はそれを聞いて、あ、みんな同じ悩みをもっているのか、と思ったものです。ちなみに、NPRは9/11の後でもアラブを擁護するなど、非常にリベラルなスタンスをとり、通常は黒人の側に同情することが多い局です。

何を言いたいかというと、アメリカには差別があるが、アメリカ人は白人を含めて、そのことを問題だと考えており、決して「自分は損はしないのだから」と、差別を放置してもいない、ということです。SAIさんは、

> 司法サイドから違憲判決がでるのがセキのヤマです。

という准提督さんの発言に、

> でません。彼らも同盟市民です。同盟市民に有利な判決をくだします。

と、回答されましたが、「同盟市民」を「白人」と置き換えると、前期の人事部長や友人たちが言ったことと、大変に矛盾します。

「自由惑星同盟は、アメリカがモデルである」
「故に、同盟は帝国からの亡命者を差別する」

私は、建国から150年くらい、第一次大戦までのアメリカは、自らを「辺境」と考えていたと思います。世界情勢はヨーロッパの諸帝国が動かしており、アメリカにはどこにもない自由があるが、この自由をヨーロッパの帝国に侵させないためには、アメリカは辺境で孤立しているべきだという考えです。ダゴン以前の自由惑星同盟と同じ状況というべきでしょう。皮肉なことに、アメリカの多くの差別は、この時代に作られ、人々の意識に刷り込まれました。第一次大戦後のアメリカは、既に世界最強の国力を有していましたが、アメリカ人の意識はその変化に追いつかず、孤立を求め、世界情勢に関与しようとするウィルソンやローズヴェルトの試みを常に掣肘しました。そして、黒人や移民は依然として差別され続けました。

第二次大戦後、アメリカ人は孤立主義を捨てます。増大する共産主義の脅威に立ち向かう、自由のチャンピオンとしての自己を認識したからです。まさにダゴン以後の同盟の姿です。かつてアメリカを抑圧したヨーロッパは衰退し、アメリカの援助と保護がなければ、そのまま共産主義に呑み込まれる、という意識が隅々まで浸透します。

そして、差別との戦いも、この時大きな転換点を迎えます。自由のチャンピオンとして、世界を導く国が、国内に差別を抱えてよいのか、という声が(白人を含めた)多数の支持を集めたからです。これを60年代の「Civil Right」運動と称し、黒人の参政権が保証され、ヨーロッパ以外からの移民が解禁されました。「白黒共学」に抵抗する南部州を屈服させるべく、軍隊が動員されたのもこの時です。

今回の発言は、アメリカの弁護をするのが目的でしたが、このスレッドの本題に関して発言しますと、

同盟は帝国からの移民を受け入れ、様々な差別問題を抱えながらも、差別の解消に努力し、その努力は多数派の支持を集めただろう。特に帝国との戦いの中にあっては。

と、私は考えます。

親記事No.2978スレッドの返信投稿
board4 - No.2982

Re:続・続・経済学的に正しい銀英伝

投稿者:SAI
2002年10月06日(日) 10時30分

では准提督さん、はじめましようか。

まず結論から申し上げましょう。私も自説を訂正する必要を全く認めません。理由を以下に示します。

> >この4つを頭にいれておいてください
> ですが、無論のこと存じております。私の書きこみもそれらの事柄を当然の前提として進めたのですが、伝わっていないようですね。

そうなんですか?あなたがそう言うならそうなんでしょう。私は全然そう思いませんが。

>
> では続いて、640年のダゴン星域会戦直後の同盟における差別立法の成立過程を考察して見たいと思います。
> (他の人権も制限されるというなら、その制限される人権とその法的理由付けを提示して下さい)。

なんでも制限されます。法的理由ですか?そんなものは同盟市民の帝国からやってきた連中に力を与えて自分達の生活を脅かされたくない、亡命者は不気味。
この感情を正当化するためならなんとでもつけられますよ。感情と理性が戦えば感情が勝つんです。理性とか理念ではありません。

> さて、この法案について「元々の同盟市民」は諸手をあげて賛同するでしょうか?答えは「ノー」です。理由は二つあります。一つは同盟の民主主義教育を受けて育った人々の良識。もちろんこれだけでは充分ではありませんが、この要素を無視する事はできません。二つ目は、SAIさま好みの「利己的」な理由、即ち立法の暴走に対する恐怖です。今回はたまたま規制されるのが亡命者だからいいものの、これで味を占めた立法者たちが今度は自分たちの人権を制限しようとするのではないか、と考えるのです。

良識派は常に少数派です。さらにほとんどの人間はそのようなことは決して考えませんし、行動しません。現実世界でも、暴力団対策法ができたとき、そんなこと考えました?何か行動しましたか?組織犯罪法の時は?盗聴法の時は?民主主義を自認するアメリカでも事実上の治安維持法で、人権を制限するテロ対策法は圧倒的賛成多数で成立しましたよ。

もちろんその法律は後々同盟市民の人権を制限するために使われます。
そのときになって後悔することになりますが、成立するときはほとんど何の抵抗もなく成立します。

> さて、このスレをご覧になっている皆様(いれば、ですが)はおそらく疑問に思っているのではないでしょうか?「この問題と差別問題と、どう関係しているのだ」と。
> 要するに、同盟国民は「640年組」の子女も含めてみな、民主主義礼賛の教育を受けている、という当たり前の事を延々と証明して見せただけです。

現実に差別があり、教育されている理想と現実が乖離していればいるほど亡命者達の反発は強まり、教育を信じなくなります。
あるものをないといい、ないものをあるといって民主主義礼賛の教育をするならそれは北朝鮮の洗脳教育と本質的に変わりません。

理想と現実の間には距離があるって本当にわかってますか?

> >合憲判決が出るでしょう。
> とおっしゃるならSAIさま、逆にお尋ね申し上げますが、その場合同盟の司法府はいかなる法的理論によって合憲判決を下すのでしょうか?それを提示して頂かない事には、あなたの説は全く説得力がありません。

前述しましたが、亡命者を排除したいという感情を正当化するために法的理論を作り上げるんです。もとから結論は決まっている。ただ、おまえらは不気味で、俺達と同じ立場にたつなんて耐えられないと本当の理由を面と向かって言えないから、それらしいものをでっちあげるだけです。
これと同じようなものが今現実にどれほど横行しているか知らないとは言わせませんよ。言うなら不勉強です。
現実にそういう事態があまたある以上、あなたの説は全く説得力がありません。

> また、違憲判決を出さざるを得ない、SAIさまお待ちかねの「利己的」理由も存在します。極めて簡単な話で、もし合憲判決が出たらどうなるかをちょっとばかり想像して見ればよいのです。同盟全土で亡命者が大暴動を起こすでしょう。労働力の圧倒的多数を占める亡命者が全土で無期限のゼネストに移行するでしょう。結果、経済と社会は大混乱に陥ります。帝国軍はこの絶好の機会を逃さず大挙侵攻してくるでしょう。そしてそれを阻止すべき同盟軍は、やはり将兵の圧倒的多数を占める「640年組」のほとんどが士気喪失して、まともな勝負にならないでしょう。この点、2638番のKenさまの見識に私は全面的に賛同します。

そう言う状況を同盟が帝国にのっとられたといい、同盟が帝国化してしまいます。私は何度同じ事を言えばいいんでしょうね。

>彼らには共和主義にかぶれた者も少なくないはずです。
誰が教えるんです?640年の時点で帝国のどこに共和主義者がいるんですか?この時点では帝政が当たり前なのであり、共和制は非常識でしょう。いたとしても極少数です。よって続く議論も否定されます。

>わざわざ帝国でのそれよりも低い扱いを受けるために地位をなげうち密航のリスクを犯してまで亡命しようとするでしょうか?もちろんそんなわけありませんね。

やってきます。この時点においては同盟は拡大期にあたり、亡命者がのし上がるチャンスはいくらでもあった。停滞するのは後の話です。彼らは経済的な力をつけていきます。彼らの社会的地位が向上するとともに今度は彼らが自分達の後にきた亡命者を差別します。
差別の連鎖です。元々の同盟市民→前期亡命者→後期亡命者
私ははじめから同じ事を言ってます。何度も同じ事を言わせないでください。

> 大体一旗組だけなら、同盟よりもフェザーンに取られてしまうに決まっているではありませんか(あ、もちろんフェザーン建国後の話ですが)。
フェザーンではだめです。そもそも物理的に亡命者を受け入れるスペースが同盟よりはるかに小さいんですから。そういう常識以前のことを言わないでください。

続く

親記事No.2978スレッドの返信投稿
board4 - No.2983

Re:続・続・経済学的に正しい銀英伝

投稿者:SAI
2002年10月06日(日) 12時16分

>惑星オシアナ(仮称)を考えて見ましょう
それを同盟が帝国にのっとられたといいます。この場合なら一星系にすぎないが同盟の中に帝国ができてしまいます。そうなるまで星系政府はなにもしないでしょうか?星系政府ではどうにもならなくなったとしても、同盟政府がなにもしないとでも?

コソボという地名覚えてますか?どういう現状か知ってます?

>鉄骨運びをしていたにーちゃん
もちろん彼にやれといっても無理です。それでも彼は亡命者がやる仕事には決してつきません。本当になければ彼は社会保障で遊んで生きることになります。これが同盟亡国への道の一歩です。ま、これは余談で直接関係ありませんけど。
このモデル場合どうなるかというと、高級公務員だけが同盟市民、それ以下が亡命者となるでしょうね。もちろんそんな状況非常に危険で亡命者に、つまりは帝国に同盟がのっとられるでしょうが。

そしてそうなれば今度は大多数の亡命者達が少数の同盟市民達を差別することになります。

>反差別法が制定されているでしょう
反差別法が制定され、公的に禁じても差別はなくならないといったはずですが。法律は理性、差別は感情です。法律で感情を規制することなど
できないのですから。

>それにこの頃には同盟の権力者たち内かなりが
いえ、決してそれはありません。むしろ権力中枢に近いほど長征一万光年の子孫で占められることでしょう。彼らは閨閥で結びつき、異分子を排除します。

>大体SAIさまのおっしゃる通りであれば、今アメリカの議会に黒人議員は一人もいないことになりますよ

彼らはいわばアメリカは自由の国だということを示すためのショーウインドー的存在です。決して実権はあたえません。今の国務長官のコリンパウエル氏とてほとんど実権はなく、ラムズフェルドやチェイニー副大統領ら極右派が実権を握っているという状況です。

>私が申し上げているのは、「資本主義経済と封建的経済、どちらが効率的(or非効率的)ですか」という点です。

それは最初に言いました。同じ程度に不効率だと。資本主義経済も封建的経済も似てくると。
経済が効率的でないかどうかは、ひっきょう必要な物が必要なところに
あるかどうかです。資本主義経済も封建的経済も運営を間違えると、必要なところに必要なものが届かなくなり、不効率になると。
そしてそれはよく間違うと。なぜ間違うのかは今まで散々説明しました。

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board4 - No.2984

Re:続・経済学的に正しい銀英伝

投稿者:SAI
2002年10月06日(日) 14時59分

Kenさん、アメリカ体験記どうもです。
>
> 「資本主義は利己主義である」
>資本主義のユニークな特徴は「自由競争」と「実力主義」にあります
実はこれを進めると金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏になることがわかっています。これは経済学的にも社会学的にも有害なんですが、権力を握っている金持ちたちはやめようとしません。
この状況では数少ない例外以外生まれたときに生涯が決まってしまうということになり、むしろ差別と戦うには最悪の武器なんです。

>世界のどこよりも自由だとも考えており
その前にお金がある人間にとってはという形容詞をつければそれは正しいです。

>一方、このような例もあります
その場にいたわけではないからひょっとしたら違うのかもしれませんが、話を聞く限りでは厄介ごとにかかわりたくないから、見てみぬふりをしようという風にかんじられました。それは差別ではないでしょうか?

>回答されましたが、「同盟市民」を「白人」と置き換えると、前期の人事部長や友人たちが言ったことと、大変に矛盾します。

矛盾しません。アメリカは陪審制だからです。アメリカの陪審員というのは一日わずか4ドル程度の薄給で、裁判終了まで外界から隔離されます。一般のアメリカ人はそんなのに時間をとられるのがいやで、簡単に終わる極小さな事件の裁判の陪審員になりたがります。Kenさんのようないわば普通の裁判の場合、陪審員になるのはその4ドルがほしい人々、つまりは極貧の黒人達で占められるというのが現実です。
そんな状況では人事部長達や友人達がそうKenさんに忠告するのも当然だと思います。

私個人の感想を言わせてもらえばそんなことで数百万ドルをとる社会というのはどこかおかしいとしか思えません。


>同盟は帝国からの移民を受け入れ、様々な差別問題を抱えながらも、差別の解消に努力し、その努力は多数派の支持を集めただろう。特に帝国との戦いの中にあっては。

経済が順調なうちはいいんです。さまざま矛盾があってもなんとかなりますから。その間はKenさんのいうとおりになったと思います。
だが一度おかしくなると普段はでてこなかったさまざまなものが出てきます。文字どおりパンドラの箱が開くんです。特に経済がおかしくなった後、帝国に大敗したとなると非常に危険な状況になると思います。

親記事No.2889スレッドの返信投稿
board4 - No.2985

Re:銀英伝第2部・ジーク2世VSユリアン

投稿者:八木あつし
2002年10月06日(日) 16時07分

いつのまにか第2部になっていました。(^^;;)
ここの掲示板は、たくさんの人が書き込みをするので、直ぐに下がってしまい、トップから見られなくなってしまうのがツライですね。

イッチーさんとソルジャー大佐さんの考えにほとんど賛成なのですが、私は少し違うところがあります。

ジーク2世をヤンが知っているのか?という点です。
ラインハルトはラグナロック作戦時ではまだ皇帝ではなく、帝国宰相・帝国軍最高司令官・ローエングラム公爵です。ローエングラム王朝成立後は、後継者指名が有り得ます。しかしこの時点では、ラインハルトがジーク2世を後継者に指名する意味がありません。そのためジーク2世の存在が、この時点で同盟側に伝わるとは思えないのです。
しかしこれでは史実通りになってしまう。そこでフェザーンが帝国正統政府にジーク2世情報を伝え、それをメルカッツ提督がヤンに伝えたとします。

そして首都星ハイネセンです。すでにロイエンタール・ミッターマイヤー両艦隊が展開しており、同盟政府に降伏勧告を行っています。そして同盟政府はそれを受諾しました。ヤンがバーミリオン会戦で停戦命令を破りラインハルトを倒せば、同盟政府は降伏の条件を破ることになります。こうなると降伏は無意味になり、激怒したミッターマイヤーがハイネセンへ報復攻撃を行う可能性が高いと思われます。
ヤン艦隊がハイネセンに戻ったとき、廃墟になった惑星を見ることになるかもしれません。もちろん同盟政府及び同盟軍司令部は、帝国軍の攻撃で消滅しているでしょう。ほとんどの政治家はこれで死にます。
そのため隣の惑星テルヌーゼンにて、ヤンが臨時政府を建設。そしてシェーンコップとアッテンボローの策略?で自由惑星同盟臨時総統(総統って名称が私は好きなんです)にでも就任し、艦隊再建・議会再建・社会再建を行うことに。

もう一つ。ラインハルト死後にジーク2世をその後継者にするのは良いとして、彼をすぐに皇帝に出来るかという点です。
ラインハルトには、貴族連合軍を打ち倒し民衆を解放、フェザーンを占領、自由惑星同盟を降伏させる、と誰からも文句は言えない大戦果を上げ、ゴールデンバウム王朝から帝位を簒奪しました。いわば実力から帝位簒奪を国民に認めさせたのです。
ではジーク2世です。彼はラインハルトの直系の子供ではなく、姉のアンネローゼの子供であり傍流にすぎません。帝国軍指導部の忠誠の対象にはなっても、皇帝として国民の忠誠の対象になれるのでしょうか?ジーク2世を帝国軍が支持したとしても、その帝国軍は司令官ラインハルトを死なせ同盟領から撤退したことで威信は低下しています。
1歳未満の子供から2歳の子供への帝位継承を行うぐらいなら、ロイエンタールが直ぐに実権を握った方が、国民はまだ納得するかも知れません。
そこでジーク2世が皇帝になるにはどうしたら良いか? 現ゴールデンバウム家当主カザリン・ケートヘン皇帝との結婚です。婚姻によってゴールデンバウム家をグリューネワルト家に取り込むことで、新皇帝として立つのがベターかと。簒奪するだけの実力を見せられない限りは、婚姻などで正当性を見せないと帝位移動は難しいと思います。

あとは、イッチーさんの考え通り進むのではないかと思います。20年後、銀河英雄伝説第2部が始まります。問題はジーク2世22歳対して、ユリアン39歳というところですか。ちょっとユリアンが主人公の年齢的にやばいことになってしまうかも……。
それでは今回はこのあたりで。(^-^)/~~

board4 - No.2986

人口論議よりはるかに重大

投稿者:Ken
2002年10月06日(日) 17時36分

・・・SAIさま、

ぜひお伺いしたいのですが、SAIさんは、差別をはじめ世の不合理と戦うための武器として、アメリカ型民主主義以上の社会形態があると考えておられるのでしょうか?そうだとすれば、それがどのような社会なのか、具体的にどのように優れているのか、数字を挙げて教えていただけませんでしょうか?何の数字を挙げるかは、お任せします。私自身は、例えば、移民の受け入れ数とか、社会的流動性とか、人種的多様性とかがよいと考えますが、その指標自体がアメリカ式で、間違っていると言われるのでしたら、どうかSAIさん自身が適当と思われるものを挙げてください。それができれば、私たちの議論もずっと具体的で建設的なものになると思います。

陪審員制度の問題点についてご指摘をいただきありがとうございました。

ちなみに、私が勤務したのは、100名程度の小さな事業場でしたが、私の短い滞在中にも、陪審員を勤めるために裁判所から召集を受け、一週間ほど会社に出なかった社員が2名いました。二人とも白人でしたが、少なくともはたから見る限りでは、いやがりもせず、市民の義務を果たしに行きましたが。

そんなことよりも、私がひっかかるのは、SAIさんの言われたことは、私が提議した問題への解答になっているのでしょうか?

陪審員が白人にせよ、黒人にせよ、裁判で決まったことは強制力をもちます。「百万ドルの賠償をせよ」と命令が出たら、百万ドルを支払わねばなりません。その場合、差別をする社会の差別をする側は、そのような重大な影響力を及ぼすポジションに、差別をされる側を着けないように、注意を払います。Civil Right以前のアメリカとくに南部が、まさにそうで、黒人の陪審員などありえませんでした。いま、陪審員が黒人ばかりで、そのために黒人に有利な判決が出るなどということが本当にあるなら、多くのアメリカ人は、それこそアメリカ社会が差別の克服へ向かって進んできたことの結果だというでしょう。

また、SAIさんは、准提督さんへの回答の中で、アメリカの黒人議員はショウウィンドウで、実権がないと、書かれましたが、「実権がない」とは、具体的にどういう事態を指すのでしょうか?黒人議員の投票は、カウントしないのですか?黒人議員の賛成で可決した法律は、施行しないのですか?黒人議員には、質問やスピーチをする時間を割り当てないのですか?

SAIさんがどう思われるか分かりませんが、私にとっては、この問題は人口論議などよりもはるかに重要です。これに比べたら、中世の人口減少の秘密など、知的なお遊びにすぎません。ぜひ、こちらの議論に力を集中しようではありませんか。(ただし、人口論議を続けたい方がおられて、私に疑問や反論を投じられる場合には、できるだけ応じさせていただきますが。)

最後に、管理人様。

この議論は、銀英伝とも田中芳樹先生ともかけ離れた方向へ進む可能性があります。できるだけそうならないようには努めますが、私の関心は、この件に関しては1600年後の自由惑星同盟ではなく、現代のアメリカ及び世界にあることを申し上げねばなりません。よって、本掲示板の主旨と外れるという判断をされる場合には、議論を打ち切りますので、どうかお知らせください。

よろしくお願いします。

親記事No.2889スレッドの返信投稿
board4 - No.2987

Re:銀英伝第2部・ジーク2世VSユリアン

投稿者:イッチー
2002年10月06日(日) 20時23分

ソルジャー大佐さま、八木あつしさま、レスありがとうございます。先ほど、お二方の意見を取り入れて、バーミリオン直後と20年後の設定の修正版を投稿したのですが、長すぎたためか、投稿できず、消えてしまったため、今度は2つにわけて投稿しますね。

 ヤンはハイネセンの無条件停戦命令を無視した。ヤン艦隊からビームが雨あられのように降り注がれ、ラインハルトの旗艦「ブリュンヒルト」は炎上した。ラインハルトと同乗していたオーベルシュタイン、キスリング、エミールも戦死し、救援に駆けつけたミュラーも壮烈な戦死を遂げた。後にヤンは語っている。「もしもローエングラム公に後継者がいなければ、私はためらったかもしれない。指導者を失った帝国が混乱し、人民が塗炭の苦しみを味わうことが目に見えていたからだ。しかし、後継者が存在する以上、帝国が分裂することはないだろう。それに後継者はまだ乳児だ。その子が成人するまで、同盟は戦争を休むことが出来る・・・と私はとっさに判断した」
 ラインハルト戦死の報はハイネセンにすぐさま伝わった。「こうなれば、約束不履行の非をならし、叛乱軍どもを血祭りにあげようぞ!」と逆上するミッターマイヤーをロイエンタールは「民衆に罪はない。同盟政府と銀河帝国正統政府の要人たちに罪をあがなってもらえばよかろう」と制した。
 逃亡をはかったトリューニヒトはロイエンタールに射殺された。最高評議会ビルではアイランズ、ドーソンが自決し、ビュコックは「責任は老人1人が全部負う。若い者を許してやって欲しい」と主張して、帝国軍の銃口に倒れた。チェンもまた「私の死と引き換えに他の将兵の罪を許されたい」という遺書を残して、自決した。
 銀河帝国正統政府ではレムシャイド伯が自決。ランズベルク伯は皇帝を連れて逃亡することを主張するが、天使のようなエルウィン・ヨーゼフの人柄にほれ込んだシューマッハーは「みじめな生涯を送らせるよりも美しいままお亡くなりになられたほうが帝王としてふさわしい」と毒入りジュースを皇帝に勧め、自らも自決した。無謀にも帝国軍に単身乗り込んだランズベルク伯は「金髪のこぞうの死は皇帝陛下に反逆した報いだ」と叫んで、ロイエンタールに射殺される。
 ミッターマイヤー、ロイエンタール軍が撤退した後、ハイネセンに上陸したヤンが見たものは政府・軍の要人の死屍累々であった。ビュコックとチェンの最後の様子を聞かされたヤンは一人涙する。
 ヤンは野にくだっていて難を逃れたレベロとルイを探し出し、レベロを議長に、ルイを国防委員長に据える。ルイはヤンを統合作戦本部長、アッテンボローを宇宙艦隊司令長官、キャゼルヌを後方勤務本部長に任命する。ヤンはシェーンコップとメルカッツに策を授けてイゼルローン要塞を再奪取させ、シェーンコップをイゼルローン要塞司令官、メルカッツを駐留艦隊司令官代理に任命。(亡命者のために正式な司令官になれず)
 一方、帝国ではラインハルト陣営がジークフリード・フォン・グリューネヴァルト伯爵を中心に団結するすことで一致。とりあえず、ロイエンタールがラインハルトの後継者として帝国宰相に就任した。ロイエンタールはミッターマイヤーを軍務尚書、メックリンガーを統帥本部長、ワーレンを宇宙艦隊司令長官に任命した。また、カザリン・ケートヘンとジークフリードの婚約を発表し、帝位簒奪の布石をうった。

その後20年間の間におこったこと。
帝国
ロイエンタールは山荘で休息をとっているときに自分を暗殺しようとしたエルフリーデを無理やり愛人にする。エルフリーデはフェリックスを出産後、失踪。やむなくフェリックスを引き取り男手一つで育てる。ミッターマイヤーには子供が出来ず、ロイエンタールの近侍のハインリッヒを養子に迎える。アンネローゼの近侍のモーデル少年は士官学校に入り、軍人となる。ヒルダはラインハルトを救えなかった自責の念からジークフリードの教育係を買って出、ジークフリードの教育に自らの生涯を賭ける。そのかいあってか、ジークフリードは軍事・政治ともに天才的な才能を発揮する。ジークフリードは21歳のときにカザリン・ケートヘンと結婚し、帝位を譲られ、第39代ゴールデンバウム王朝皇帝となった。しかし、ジークフリードにはゴールデンバウム家の血は一滴も流れておらず、実質的にゴールデンバウム家の支配はここに終わりを告げた。

同盟
ヤンとフレデリカは結婚し、翌年、娘のランファ(仮)が誕生。ヤンの結婚直後、ユリアンはイゼルローン要塞再奪取作戦に参加し、そのままイゼルローン勤務を申し出る。そのとき知り合ったカリンと20歳のときに結婚。翌年、息子のカール(仮)が誕生。
アッテンボローは34歳のときにキャゼルヌ夫人の仲介で見合い結婚し、翌年、息子のチャールズ(仮)誕生。
同盟は戦争が休戦状態になったこととフェザーンが帝国に占領され、債務が帳消しになったことで経済を再建し、レベロ・ルイの両議長時代に繁栄を取り戻す。それを見て、ヤンは軍の退役を申し出るが、同盟政府は交換条件として選挙への出馬を要請。キャゼルヌらに説得され、やむなくテルヌーゼン惑星区から出馬。圧倒的な知名度を生かして、同盟議長にまで祭り上げられる。キャゼルヌもヤンにつきあう形で自分の故郷から出馬し、当選。国防委員長に就任。

20年後の設定はまた改めて。

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board4 - No.2988

興味深い議論だと思います

投稿者:本ページ管理人
2002年10月07日(月) 03時29分

銀英伝のテーマの一つである「民主主義は果たして正しいのか?」というテーマを、はからずも原作者の田中氏が意図しなかった方向から照らし出す面白い議論だと思います。
是非続けてください。

一応私からは…
・完全な「自由」「平等」を確立した、つまり純粋な「民主主義」を確立した国家は未だ無い(たぶんこれからもない)
・どんな民主主義国家でも、独裁状態を経ないで成立したことはない。
・そもそも原理的に言えば「指導者」という存在こそが民主主義の理念に反するが、指導者無くして行政は成立しない
を指摘しておきます。

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board4 - No.2989

Re:続・続・経済学的に正しい銀英伝

投稿者:倉本
2002年10月07日(月) 04時23分

飛び入りすいませんが。
私が2957番の書き込みに書いた亡命者は同盟国籍を持っていないのではないかという意見に対して何か意見はないのでしょうか。
これなら何の問題もなく亡命者を差別できますけど。

親記事No.2978スレッドの返信投稿
board4 - No.2990

Re:続・続・経済学的に正しい銀英伝

投稿者:准提督
2002年10月07日(月) 05時42分

> 飛び入りすいませんが。
> 私が2957番の書き込みに書いた亡命者は同盟国籍を持っていないのではないかという意見に対して何か意見はないのでしょうか。
> これなら何の問題もなく亡命者を差別できますけど。

ちょっと時間ないのでまずこの問題についてのみレスします。SAIさまの方はまた後刻。
来るかなぁ、来るかなぁ、と思っていたんですよ、これ(^^)そう、亡命者は入国の時点では同盟国籍を有せず、「外国人」の扱いなのです。
ただ、民主主義国家においては外国人だからと言って無条件に人権を制限する事はできません。これは人権の前国家的権利性(人権は国家や法律によって与えられるのではなく、生まれながらにして持っているのであり、法律はそれを確認しているに過ぎない)によるものです。従って性質上可能な限り外国人にも人権は保障されます。「性質上保障されない」人権としては、参政権(国民主権に反するから)があります。また社会権については、現実世界では「国籍国がまず社会保障の責任を持つsべきである」という理論から外国人には認められていませんが、そもそも同盟の場合「国籍国」たる帝国の存在を認めていませんから、どう扱われるかは微妙です。
いずれにせよ参政権は制限されます。社会権は不明です。他の人権は保障されます。

親記事No.2986スレッドの返信投稿
board4 - No.2991

Re:質問

投稿者:敬
2002年10月07日(月) 10時06分

自由惑星同盟は民主主義国家ですか?
まあ、北朝鮮でも看板は同じものですが。

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