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- board4 - No.3198
Re:銀英伝世界で人工知能はどれ位発達しているか?
- 投稿者:八木あつし
- 2002年11月01日(金) 14時28分
> > 銀英伝に話を戻しますと、ゴールデンバウム家の銀河帝国は、上に挙げた理由で、科学技術を進歩させる最も大切な社会条件と、本質的に矛盾する体制をとっています。これでは、技術は衰えるばかりです。特にコンピュータ技術のような、帝国の支配構造を揺るがす性質のものは、決して進歩しないように、二重三重の封印をかけたと思います。
>
> それでは巨大星間国家たる帝国は維持できないでしょう。維持するためには封印などできないと思います。もし衰えるなら、それは文明の崩壊という事態がおきている状況でしょう。
横レス失礼します。
銀英伝式未来の科学技術がどうっているのかは、何とも私には想像が付きません。
ただ科学技術が衰退、もしくは封印されたいう考えは一部では当たっていると思います。
それは人工知能を積んだ自立思考型のロボット技術です。あれはルドルフ大帝が科学技術史から消したとしか思えません。
現在、軍事技術の中においてロボット兵器が開発されつつあり、一部では実用化もされています。将来はそれが応用され、より進化した警備ロボットなどが生まれるでしょう。それがさらに発展してメイド・ロボ(笑)も生まれると思います。
しかし帝国歴5世紀末、銀河帝国のノイエ・サンスーシーには一台の召使いロボもなく大勢の侍従・女官が仕えています。広大な宮殿の警備もまた警備ロボではなく、かつてあった近衛旅団こそないものの衛兵によって行われています。
ノイエ・サンスーシーには、ルドルフ大帝が「自分の足で歩けないような人物が帝国を支えることは出来ない」ということからエスカレーターのような自走機械は置いてありません。(たしか)
そして人による奉仕をルドルフが求めた結果、ノイエ・サンスーシーに大勢の侍従、女官が仕えることになり、メイド・ロボ(笑)は消えていったと思います。
皇帝がロボではなく人による召使いを大量に持てば、貴族も追従します。皇帝・貴族がロボを使わなくなったら富裕市民も使わなくなり、やがてロボ市場が廃れ消えていったのかもしれません。
軍事ロボも、ルドルフが「戦いは人間が行うべきもの!」とでも考えて陸戦兵器から消したのかもしれないですね。まぁ、陸戦がロボット兵器戦ならシェーンコップとオフレッサーに活躍の場がなくなるので丁度良いのでしょう。
私はゴールデンバウム朝銀河帝国は、アイザック・アシモフのファウンデーションシリーズに出てきた銀河帝国にかなり似ていると思います。バランス感覚の無い支配層。疲弊した市民。一部の有能な軍人。皇帝が死ぬと事実上国家が分裂崩壊したところ。軍事力は宇宙艦隊ぐらいで、ロボット兵器が無いこと。
そんなこんなの科学技術力だと仮定しました。
もっともハイテク戦争しかない銀英伝は、面白味に欠けますね。
-
- board4 - No.3199
あずぎんが英雄伝説再び(笑)
- 投稿者:Trindskallarna
- 2002年11月01日(金) 14時55分
どうも、先日挨拶の書き込みをさせて頂いたTrindskallarnaです。
新Q太郎さんのパロディ集を拝読していて、私も拙いながら
思いついたのでご照覧下さい。
新Q太郎さんのご作品には及ぶべくもありませんが…(^^;
ヤン「半個艦隊であのイゼルローンを攻略せよと仰るので?」
シトレ「そうだ」
ヤン「可能だとお考えですか?」
シトレ「可能かどうかはどうでもいい。イゼルローンを攻略するんだ」
ビュコック「我々は敵の侵攻を防ぐのが精一杯だ」
ホーランド「そんな低い志ではダメです!」
ビュコック「そ、そうなのか?」
ホーランド「私の戦いを!生き様をご照覧下さい!」
ビュコック「はあ…」
…戦闘後
ウランフ「…この生き方はダメです」
ビュコック「わしもそう思う」
- 親記事No.3175スレッドの返信投稿
- board4 - No.3200
Re:宇宙暦799年6月1日付 自由惑星同盟国防委員会辞令
- 投稿者:僧侶T
- 2002年11月01日(金) 16時41分
ロックウェルとベイは逃走ですか・・・。となると、ハイネセンの虐殺が起こった理由には、
1、「解放者」ラインハルトの死の報に帝国軍の兵士や、下級幹部が理性を失った
2、突発的に決められたことだったので、抹殺リストが整備されていなかった(だからレベロやルイといった重要政治家も、現在政府の公職についていないという理由だけで見逃された)
のほかにも、3、軍・政府の幹部の多くが逃亡していたため、拘束に向かった帝国軍が逆上してしまった
というものがあることになりますね。となると、結果的にせよ火に油を注いでしまったのですから、逃亡した政府の幹部は公職追放に、軍の幹部は軍事裁判にかけられても仕方ないですね。
でも、ロックウェルはともかく議長警護室長のベイでさえ逃げられるのなら、トリューニヒトも逃げられるのではないか、と思えます。救国軍事会議のクーデターのときを思えば、トリューニヒトがおとなしく拘束されるまで待っているとは思えません。そこで、いくつかの説明を考えてみました。
1・突然、使命感に目覚めて民衆を救うために自ら犠牲になった
一番ありそうにない説。トリューニヒトの本質はエゴイストの怪物ですから、「私が犠牲になったからといって暴虐な帝国軍が虐殺をやめるわけがない」といって逃亡しそうです。
2・いったんは逃亡したが、今回も頼ろうとした地球教に密告された
地球教は救国軍事会議の際トリューニヒトを助け、今回のトリューニヒトの逆クーデターにも加担しています。しかし、地球教はこの前後、それまでの方針を変え、自らの武力をもっての宇宙再制覇へと方針を転換しています。武力育成の時間を稼ぐためには、帝国から疑惑の目を向けられるわけにはいきませんからこうするでしょう。
この2にもそれなりの説得力がありますが、拙僧にとっての本命は次の3です。
3・トリューニヒトが、ハイネセンの虐殺の犠牲者第1号であったことにする
具体的には、
まず、ハイネセンの衛星軌道上を制圧した帝国軍は、まさかと思いつつも同盟政府が救援要請を行えないよう通信封鎖を行っていた、ということにします。そのためにヤンが停戦命令を無視し、ラインハルトを戦死させたことは帝国軍しか知りえませんでした。帝国軍は、それを利用して報復のための同盟の政府、軍の指導部抹殺をたくらみます。
「停戦命令にヤンが従ったことは確認された。われわれは、これから総司令官、ローエングラム公からの命令に従って同盟政府の降伏を受理し、それ以降、ハイネセンの治安を維持するために降陸を開始する」とでも命令文を送りつけ、軍・政府の首脳が安心してるところを急襲して一網打尽にしようとしたわけです。
・・・が、宇宙港に出迎えのため現れたトリューニヒトを、帝国軍の兵士の一人が「ローエングラム公の仇だ!」と叫んで射殺してしまいます。この報は、命からがら逃げ延びた随員の一人によって、トリューニヒトの逆クーデターにより、監禁されていた軍・政府の高官の元に届けられました。それによって、ヤンが停戦命令を無視したこと、帝国軍はその報復のため軍・政府の高官を抹殺しようとしている事を知った高官たちは、アイランズとドーソン、ビュコックほか数人を除いてすべて逃亡してしまいます。
アイランズは自ら犠牲になるために、ドーソンは精神が崩壊したも同然になったために、自らそこに残りました。そしてビュコックは宇宙艦隊司令部に戻ると、中将以上の幹部たちにはこのままここにいて一般市民のために犠牲になることを求め、それ以下の部下たちには逃亡を勧めました。しかし、ロックウェル大将はそれに逆らって逃亡し、スールズカリッター少佐以下、少数の部下たちは逃亡の勧めを拒否し、ビュコックを守るために絶望的な先頭を挑むことを決意した。
一方、計画が崩れ去った帝国軍は方向性を見失い、一般市民の虐殺に走っていた。このために軍・政府の高官のほとんどは逃亡し、「ハイネセンの虐殺」に被害者のほとんどが一般市民であるという結果を招くこととなる。
と、こんなところでしょうか。3の欠点はトリューニヒトが射殺される際に、そばにつきしたがっていたであろうベイも一緒に射殺されるであろうことぐらいでしょうか。
- 親記事No.3175スレッドの返信投稿
- board4 - No.3201
Re:自由惑星同盟最高裁判所判例
- 投稿者:僧侶T
- 2002年11月01日(金) 16時59分
> 自由惑星同盟の主権を売り渡し、自らの安全をはかろうとする無条件降伏を同盟議会の同意も得ずして、おこなおうとしたトリューニヒト最高評議会議長の決定は、それ自体が同盟国民の権利を踏みにじり、同盟憲章の趣旨とは到底合致し得ないものである。
それ以前に、無条件停戦命令は軍・政府の高官による国防調整会議においても賛成を得られなかったため、地球教徒の力を借りての逆クーデターを起こすことによってようやく出されたものです。(徳間文庫版第5巻P330~334)である以上、
「民主制の手続きを無視し、逆クーデターによって民主制を実質的に崩壊させた当時のトリューニヒト政権は、その存在それ自体が同盟憲章に違反していた。したがってその命令も無効である。ゆえに、ヤン提督は命令に違反したとはいえないし、本来無効である命令に従ったロックウェル大将らは、その不見識に対する批判と、無気力な行動に対する処罰とを甘受しなければならない」
といった判決になると思います。
- 親記事No.3175スレッドの返信投稿
- board4 - No.3202
Re:宇宙暦799年6月1日付 自由惑星同盟国防委員会辞令
- 投稿者:イッチー
- 2002年11月01日(金) 18時15分
僧侶Tさんの3の設定が一番ありそうな「ハイネセンの虐殺」の過程だと思います。
と、こんなところでしょうか。3の欠点はトリューニヒトが射殺される際に、そばにつきしたがっていたであろうベイも一緒に射殺されるであろうことぐらいでしょうか。
>
警護室長はいつも議長の側にいるわけではないでしょう。いつも議長の側にいるのは部下のSPで、自分は執務室でふんぞり返っていると思います。3の場合、空港の入り口で帝国軍幹部と一緒に出てくるであろう議長を待っていたベイが、逃げ出してきた随員からことの顛末を聞き、無線または携帯電話で仲間の軍の高官に逃げるよう伝えて、自分も逃げたということにすればよいのではないでしょうか。(SPは全員殉職)
- 親記事No.3175スレッドの返信投稿
- board4 - No.3203
Re:自由惑星同盟最高裁判所判例
- 投稿者:イッチー
- 2002年11月01日(金) 18時18分
> 「民主制の手続きを無視し、逆クーデターによって民主制を実質的に崩壊させた当時のトリューニヒト政権は、その存在それ自体が同盟憲章に違反していた。したがってその命令も無効である。ゆえに、ヤン提督は命令に違反したとはいえないし、本来無効である命令に従ったロックウェル大将らは、その不見識に対する批判と、無気力な行動に対する処罰とを甘受しなければならない」
すばらしい文章ですね。こちらのほうが最高裁判決にふさわしいと思います。
-
- board4 - No.3204
ハイネセンの虐殺、その後
- 投稿者:イッチー
- 2002年11月01日(金) 18時50分
前スレが長くなったので、新たなスレをたてます。
アレクサンドル・ビュコックとチャン・ウー・チェンがハイネセン市民の身代わりに帝国軍の銃口に倒れたとき、第一艦隊司令官パエッタ中将は市民の殺戮を食い止めるため、寡兵ながらも帝国軍に戦いを挑んでいた。パエッタは旗艦に攻撃を食らって重傷を負い、戦死を遂げるのは時間の問題だったが、ミッターマイヤー提督より市民の殺戮禁止の厳命が出たために帝国軍が攻撃を中止し、パエッタは死を免れた。視野の狭さをとかく指摘されるパエッタであったが、軍人という職務に対しては盲目的に忠実だったのである。
パエッタのような例は同盟軍高官のなかでは特異なものである。高官の多くは同盟政府首脳とともに逃亡し、市民の安全のために立ち上がった者の多くはスールズカリッター少佐のような下級将校や名もなき兵士や警察官、そして中下級の官僚であった。
ハイネセン首都政庁の参事官、ビジアス・アドーラは「ローエングラム公の復讐」を叫ぶ帝国軍兵士たちに対して、「ローエングラム公とは誰のことか。自由惑星同盟では人民は法の下に平等であり、公爵なる身分は存在しない。よって、我われはローエングラム公なる者の死の責任を問われる筋合いはない」と叫び、激昂する帝国軍兵士によって撲殺された。
財政委員会事務局国庫課長のクロード・モンテイユは、財政委員会に侵入してきた帝国軍兵士の前に立ちふさがり、女性職員を裏口から逃がした。「私はじつのところこわい。生命が惜しい。しかし、ひとたび公僕となったからには市民の安全のために立ち上がらざるを得ない」と部下に語ったと伝えられている。彼は帝国軍兵士によって射殺された。
最高評議会書記局の二等書記官グレアム・エバート・ノエルベーカーは最高評議会への帝国軍兵士の侵入を「自由惑星同盟の国民以外はこの建物に入る資格はない」と阻止しようとして、帝国軍兵士によって射殺された。
後に報告を聞いたヤンは「りっぱな男たちだ。そのような者たちが中堅以下の地位にとどまっているようだから、同盟は今日のような危機を迎えたのだ。彼らの家族には十分な補償をしなくてはならないな」と述べた。実際、ハイネセンの虐殺の具体的な犠牲者リストが作成されてみると、被害者のほとんどが名もなき一般市民や警官・兵士であった。政府・軍の高官で被害者リストに載っているのは、トリューニヒト議長・アイランズ国防委員長・ドーソン統合作戦本部長・ビュコック宇宙艦隊司令長官・チェン宇宙艦隊参謀長ぐらいのものであった。同盟軍の高官にいたっては市民の代わりとなるため、中将以上は司令部に残るようビュコック元帥から厳命されていたにもかかわらず、パエッタ中将以外、逃亡するていたいらくであった。さすがに温厚で知られるヤン元帥もこの被害者リストを見たときには、厳しい表情をしていたと言われる。のちにユリアンは「私はヤン提督がここまで激しく怒った顔をみたことがなかった。それは心底からの情けなさとか弱い市民を見捨てて逃亡した軍首脳に対する憎悪がないまぜになっているように思われた」と回想している。
- 親記事No.3204スレッドの返信投稿
- board4 - No.3205
Re:ハイネセンの虐殺、その後
- 投稿者:イッチー
- 2002年11月01日(金) 19時19分
ヤンは「ビュコック元帥をお守り出来なかった」としてスールズカリッター少佐から提出されていた辞表の受け取りを拒否し、引き続き新任の宇宙艦隊司令長官の副官をつとめるよう命じた。「それがビュコック元帥の恩に報いる唯一の道だと思う」そう語るヤンの言葉にスールズカリッターは涙した。
生き残った兵士たちに対して、ヤンは無原則に寛大であったわけではない。彼にとってその日最後の公務は、バーミリオン直後に逃亡し、その後退役を申し出た軍の高官たちを面接することであった。ヤン艦隊の幹部の多くが新たに同盟軍の要職に任命され、任務引継ぎに忙殺されていたため、ヤンの傍にある軍最高首脳は第一艦隊司令官の留任が決まったパエッタ中将だけであった。
逃亡者たちに面接したヤンは、最初から侮蔑の意思を隠そうともせず、頭のベレー帽さえ脱ごうとはなく、逃亡した高官たちを見下した。ぎこちなく敬礼した男たちに、氷点をはるかに下まわる声を投じる。
「私はこう見えても忙しい身でね。あなたがたに割く時間も実は惜しいのですよ。ひとつだけ聞いておきます。みなさんが逃亡をはかったとき、みなさんの羞恥心はどちらの方角を向いておられたのですか」
ロックウェル大将は動揺と不安にサンドイッチされた顔をかろうじて若い最高司令官にむけたが、怒りに燃えるその瞳に対抗するのは容易ではなかった。
「我われが恥知らずとでも言うのですか、元帥」
「それ以外のことを言ったように聞こえたのなら、私の言い方が悪いのでしょうな」
「元帥のお側に控えているパエッタ中将にしても、ハイネセンの虐殺を食い止められず、あまつさえ帝国軍に命を救われ、軍務を続けている。私たちは責任を感じて辞表を提出した。寛大な処置があってもいいと思うのだが」
ヤンは冷笑で氷の竪琴をかきならした。
「聞きましたか、パエッタ中将。このひとたちは自ら中将の同類だと称していますよ」
「・・・まことに光栄のきわみだな」
かねてより勇将の名をほしいままにし、ハイネセン市民の安全のために身を呈して戦ったパエッタが、今日までおめおめと生き続けたのは、ヤン艦隊到着までハイネセンの治安を維持するためにほかならなかった。逃亡者たちから同類とみなされる不快感はたとえようもない。その表情をみやって、ヤンはうなづいてみせた。
「本来は憲兵総監のムライ大将の仕事なのでしょうが・・・。今回は同盟軍最高司令官として、このひとたちの処遇を中将に一任します」
「うむ。敵前逃亡および軍務放棄の疑いでこのものたちを軍法会議にかける。連行せよ!」
最高司令官のことば半ばにして、すでに逃亡者たちは色を失って立ち上がっている。パエッタが片手をあげると、人の輪が逃亡者たちの周囲に軍服の壁をつくった。
「・・・法の保護を!」
放った悲鳴はパエッタの一喝にはじきかえされた。
「前政権ならいざ知らず、トリューニヒト派が排除された今となっては卑怯者を保護すべき法はない。無益な哀願をするな」
- 親記事No.3197スレッドの返信投稿
- board4 - No.3206
Re:中国について
- 投稿者:Ken
- 2002年11月02日(土) 01時44分
IKさん、
おひさしぶりです。(と、いっても最後に投稿されてから2~3週間ですか?なにしろ、1週間投稿を「怠ける」と、indexからも名前が消えるような掲示板ですからね。:-))
中国のインターネット事情の紹介をいただきありがとうございます。
中国共産党の指導者たちは、今、難しい選択を迫られているかもしれませんね。科学技術ひいては経済のためにインターネットが必要なことは分かる、が、それが民衆に政府を批判する材料を提供するのは困る、と。彼等は、政府や官僚が主導して供給者(政治というサービスの供給者も含む)を保護し、消費者(民衆)の自由を制限することで、経済発展が可能だった時代に資本蓄積ができた先進国がうらやましいでしょうね。(たしか以前にIKさんご自身が、「傾斜生産」という言葉を使用されたと記憶しています。)
私が今いえることは、技術や経済のためには、自由に使わせる方がいいに決まっているインターネットの開放にここまで(つまり朝日の記事に書かれるほど)悩むということは、よほどそれが権力にとって危険であると、恐れているのでしょう。そういえば、清末に康有為らの変法自強運動を弾圧した西太后や袁世凱も、国を強くするには旧態を変革しないといけないことが理解できないような馬鹿ではなかったでしょう。ただ、変革が自己の権力を突き崩すことも承知しており、結局弾圧するしかなかったのでしょうね。
少し話が変わりますが、2年ほど前のNYタイムズに、中国に対してアメリカ人がもつ誤解を指摘する社説が載りました。論旨を要約すれば、「多くの米国人は、中国はコミュニズム、マオイズムが支配する社会だと考えているが、そうではない。今、中国で最も強いのはナショナリズムである」というものでした。また、今はなくなりましたが、当時CNNのサイトにはテーマごとに分かれた掲示板があって、世界中から書き込みが行われていたのですが、中国だけでなく、日本をテーマにした掲示板でも、中国人を名乗る投稿で埋め尽くされており、内容はアメリカや日本に対する罵詈の嵐でした。「down with america」、「shame on japan」などという言葉が氾濫していたのです。もちろん、「アメリカ側」「日本側」からの応酬もありましたが、数で圧倒されていました。(他のテーマでもそうでしたが、「タナうつ」と比べると、あまりにも投稿文の品性が下劣で、CNNが掲示板を廃止したのもうなずけます。今なら、yahooの掲示板「ttp://news.messages.yahoo.com/index.html」へ行ってみるとよいかもしれません。日本の経済的没落に快哉を叫んでいる発言など、いくらでも見つかります。)
中国の指導者は、情報の自由化が進む中で、なおかつ民衆に政府を支持させる唯一の手段として、民族主義を煽っている可能性があります。(ただし「新しい教科書」の西尾幹二さんが「1930年代型のナショナリズム」などと呼んでいるのは、言い過ぎだと思います。1930年代といえば、世界恐慌から世界大戦へ向かって時代が進む中で、どの国も徹底した保護主義に陥っていました。理由はともかく、今の中国が日本などよりも、はるかに外国資本に門戸を開放している事実はあるのですから。)
もう一つ、これも私の想像に過ぎませんが、中国では宋代の新法旧法闘争以来、最高権力者が交替すると、政策が180度転換する事例が多くありましたので、権力機構の実務レベルの担当者たちは、いざとなったらインターネットを禁圧する準備だけはしているかもしれません。技術的には、ファイアウォールの応用ですから、その気があればできるでしょう。
>果たして民主的であることが至上の価値なのでしょうか
私自身は至上と考えており、「人民を害する権利は人民にしかない」というヤンの言葉に深い感銘を受けました。
ただ、同時に、私はこれが主観的なものであることも承知しているつもりです。IKさんの切り口とは少し異なるかもしれませんが、私は3066の投稿で、「自由・自立・自主・自尊」を選ぶか、「安定と安心」を選ぶかは、つまるところ「赤い色が好きか、青い色が好きか」という問題である、と発言しました。ですから、例えば徳川期の造船のように、政府の規制が人民の不幸につながった事例の紹介は熱心にやりますが、それですべてが証明されたとは、(とてもではないが)いえません。
- 親記事No.3197スレッドの返信投稿
- board4 - No.3207
Re:中国について
- 投稿者:IK
- 2002年11月02日(土) 02時19分
Kenさんこんにちは。
もちろん私もヤンの数々の至言に感銘を受けたひとりですし、ヤンという存在がなければ銀英伝はここまで何年も考察に値する作品とはならなかったでしょう。
しかしヤン自身が幾つかの矛盾を抱えていたように、今では私も必ずしも民主主義万歳と素直には言えなくなりました。実際的には民主主義を支持していますが、民主主義に懐疑的であるのも事実です。
国家というのは法を定めること、法に従わせること、国民を食わせること、これが何よりも重要だと思います。民主主義が成立する以前から国というのは存在して来たのですし、民主主義というのは国家の目的ではなくて手段ですよね。
経験則的に民主主義が比較的合理性の高い政治制度だというのは言えるでしょうが、それがイデオロギーにまでなってしまうとかえって危うい感じもします。
中国の例で言えば、中国共産党に様々な問題があり、北京政府に非道な振る舞いがしばしばあるのも事実ですが、では現在の政府を否定して、果たしてそれに代わるものがあるかというと疑問です。民主主義というものがいかなる時代、いかなる地域においても適用出来るかどうか、今ひとつ確信が持てません。
中国共産党のような政権でさえも、ないよりはあったほうがいいというのが私の考えです。
中国脅威論が高まり、過激な民族主義者が増えているのも事実ですが、それでも底流の部分で中国は変わりつつあると私は考えています。以前、書いた中国史の考察と少々矛盾するかも知れませんが、秦の始皇帝以来のかたくなな安定構造そのものが揺れ動いているのではないでしょうか。これは直接的には一人っ子政策の影響とそれに伴う中産階級の出現と拡大に由来するのですが、それは中国共産党の独裁をもってして初めて可能だった、だとすると民主主義を必ずしも至上のものとはすることが出来ないという私の態度のひとつの根拠になり得ると思います。
いずれ中国も民主化されることは間違いないでしょうが、それは経済成長が充分な成果をもたらしてから初めて可能になるのではないかとも思います。
インターネットで跋扈する中国民族主義者の声は大きいですが、同時にインターネットによって彼らは世界の現実と、相手の言い分にもふれてきており、中国人自身の中からこうした態度に対する反省の声も徐々に広がっています。
日本が戦後戦争をしなかったのは平和主義云々以前にそうするだけのメリットがなかったからですよね。中国も持てる国になることによってそうした安定勢力へと移行していくと考えられます。その間、紆余曲折はあるでしょうが、「作る会」の人たちなどから中国の手先呼ばわりされる人たちの中にはそうした考えでやっている人も多いでしょう。
一国の政治道徳を賞賛するにしろ断罪するにしろ、長い期間を考察する必要があると思いますよ。
言っては何ですがアメリカだって最初は不道徳なことをやって原資資本を蓄積してきたのですからね。
- 親記事No.3158スレッドの返信投稿
- board4 - No.3208
Re:銀英伝世界で人工知能はどれ位発達しているか?
- 投稿者:Ken
- 2002年11月02日(土) 02時20分
八木あつしさん、
>それは人工知能を積んだ自立思考型のロボット技術です。あれはルドルフ大帝が科学技術史から消したとしか思えません
ご発言の全体的な主旨には賛同いたします。皇帝や貴族の命令だけをきく人間とはちがい、だれの命令でもきくロボットは、銀河帝国のような体制にとっては、本質的には矛盾する存在です。(それで、思い出しましたが、「スターウォーズ」でもロボット技術の退化が描かれているようですね。ルークの時代のロボットより、アナキンの時代のロボットの方が、どうみてもはるかにハイテクを使っています・・・・って、これはジョークですが。)
ただ、銀英伝にロボットが登場しない理由はもっと単純で、あれはSF小説ではなく歴史小説だからだと、私は思うのですが、いかがでしょうか?ですから、登場人物はあくまでも人間だけでなくてはならず、未来テクノロジーも、宇宙を舞台にする上でどうしても必要な、ワープや重力制御などを除き、できるだけ出さないように努めています。
また、銀英伝がモデルにした(と、私は信じる)アジモフの銀河帝国シリーズにも、ロボットは登場しません。もっとも、アジモフは晩年に作品世界の設定を大変更し、ロボットシリーズと銀河帝国シリーズを融合させて、なぜロボット技術が消滅したのかを詳しく説明した挙句に、最後の最後になって、実は、たった一人のロボットR・ダニール・オリヴォーが人類を導いていたのだということにしてしまいましたが。
- 親記事No.3158スレッドの返信投稿
- board4 - No.3209
Re:銀英伝世界で人工知能はどれ位発達しているか?
- 投稿者:SAI
- 2002年11月02日(土) 02時20分
> 横レス失礼します。
> 銀英伝式未来の科学技術がどうっているのかは、何とも私には想像が付きません。
> ただ科学技術が衰退、もしくは封印されたいう考えは一部では当たっていると思います。
> それは人工知能を積んだ自立思考型のロボット技術です。あれはルドルフ大帝が科学技術史から消したとしか思えません。
> 現在、軍事技術の中においてロボット兵器が開発されつつあり、一部では実用化もされています。将来はそれが応用され、より進化した警備ロボットなどが生まれるでしょう。それがさらに発展してメイド・ロボ(笑)も生まれると思います。
> しかし帝国歴5世紀末、銀河帝国のノイエ・サンスーシーには一台の召使いロボもなく大勢の侍従・女官が仕えています。広大な宮殿の警備もまた警備ロボではなく、かつてあった近衛旅団こそないものの衛兵によって行われています。
> ノイエ・サンスーシーには、ルドルフ大帝が「自分の足で歩けないような人物が帝国を支えることは出来ない」ということからエスカレーターのような自走機械は置いてありません。(たしか)
> そして人による奉仕をルドルフが求めた結果、ノイエ・サンスーシーに大勢の侍従、女官が仕えることになり、メイド・ロボ(笑)は消えていったと思います。
> 皇帝がロボではなく人による召使いを大量に持てば、貴族も追従します。皇帝・貴族がロボを使わなくなったら富裕市民も使わなくなり、やがてロボ市場が廃れ消えていったのかもしれません。
失業者対策でもあったのでしょう。ロボットは税金を払いませんが、人間は払います。いつでも技術革新すればいいというものではないんです。技術革新すれば、経済、つまり社会にとって有害な状況というのも
存在します。つけくわえるなら、国家の目的は技術革新ではないんです。それは目的を達成するための手段です。
> 軍事ロボも、ルドルフが「戦いは人間が行うべきもの!」とでも考えて陸戦兵器から消したのかもしれないですね。まぁ、陸戦がロボット兵器戦ならシェーンコップとオフレッサーに活躍の場がなくなるので丁度良いのでしょう。
これは軍事的必要があったと思います。以前考察した通り、ルドルフの治世の初期の軍事行動は治安活動が主であり、それにロボットは使えないんです。ロボットはあまりにも高価すぎるので。特に経済が崩壊した惑星や未開発惑星ではロボットは故障しても部品が手に入らずあっというまにスクラップになるか、でなければそこの住民に動く金塊として狙われる事になると思います。
小説的にはロボットが戦うのではかっこよくないですね。
横レスですみませんがKenさん
>「これは、私が言おうとしたことを、ずいぶんと「穏やかに」解釈されたと思います。(慎重になられる気持ちは分かりますが。(笑))幕府は、北海道の物産を下関回りで江戸へ送るという、大変な不便を甘受してまで、造船技術の退化を強制したのです。「技術」というものが、人間の合理精神を刺激し、結局は封建制という非合理な体制の否定につながることを、理解していたのではないでしょうか?「飛び道具とは卑怯なり」という珍妙なせりふをはやらせて、銃火器の技術を圧殺したのもこの時代です。サミュエル・コルトの量産型拳銃が「great equalizer」と称されたように、強者と弱者の立場を、より対等に近づける技術の存在は、デモクラシー以外のどんな体制とも、本質的に矛盾するのでは、と私は思います。(別に、NRAの先棒を担いで、銃器の所有を自由化せよなどと、主張しているのではありませんので、念のため。)
どうして、ある特定の分野に関してだけ事実とか真実とかではなくて、宗教的信念のようなものを述べるのでしょうか?
私は不思議に思います。
- 親記事No.3197スレッドの返信投稿
- board4 - No.3210
Re:中国について
- 投稿者:Ken
- 2002年11月02日(土) 02時31分
これは、私の言い方が悪くて、「アメリカ型が善、中国型が悪」と決めつけているように、受け取られたのでしょうか?
私が言いたかったのは、私自身は「主観的に」そうだと思っているが、それが「客観的な」真理だと証明されたわけではないことも承知しています、というものでした。
>ただ、同時に、私はこれが主観的なものであることも承知しているつもりです。IKさんの切り口とは少し異なるかもしれませんが、私は3066の投稿で、「自由・自立・自主・自尊」を選ぶか、「安定と安心」を選ぶかは、つまるところ「赤い色が好きか、青い色が好きか」という問題である、と発言しました。ですから、例えば徳川期の造船のように、政府の規制が人民の不幸につながった事例の紹介は熱心にやりますが、それですべてが証明されたとは、(とてもではないが)いえません。
と、いう書き方で、その意図が伝わったかと思っていましたが、書き方が悪かったようですね。申し訳ありませんでした。
- 親記事No.3197スレッドの返信投稿
- board4 - No.3211
Re:中国について
- 投稿者:IK
- 2002年11月02日(土) 02時43分
いえいえ、こちらこそすいませんでした。誤読したようですね。
ところで、
>「スターウォーズ」でもロボット技術の退化が描かれているようですね。ルークの時代のロボットより、アナキンの時代のロボットの方が、どうみてもはるかにハイテクを使っています・・・・
というのには爆笑しました。その通り、その通り。
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Re:スールズカリッターって変?
- 投稿者:太郎
- 2002年11月02日(土) 09時47分
僧侶Tさん、はじめまして。
> 確かにアルファベットの綴りはかなり奇妙なもののように思えます。
仮に「SOULZZCUARITTER」という姓が実在したとして、その母国の者にとってもそんなに奇妙で珍しい姓なのかな?というのが疑問だったのですが、いずれにしてもある集団の中で相当な少数派であまり知られていない聞きなれないような姓でしたら多くの人が奇妙に思うというのは当然のことかもしれませんね。
> それから、この掲示板の情報によると、田中氏の夢に出てきた綴りがそのまま使われているそうです。確かザ・ベストの中にあったと思いますが。
なるほど、そうでしたか。それでしたらしょうがないですね。
たしか銀英伝だかアルスラーンだかのあとがきにキャラクターの名前は人名辞典などから見つけているというようなことが書かれてあったので、「SOULZZCUARITTER」が実在する姓であって、その姓を持つ誰かが改名したというような逸話があるのかなと思ったのですが、どうやらそれはないようですね。
レス、どうもありがとうございました。
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Re:スールズカリッターって変?
- 投稿者:太郎
- 2002年11月02日(土) 10時03分
Kenさん、どうもはじめまして。太郎と申します。
> 100%の確信はありませんが、奇妙というよりも、本当にそんな姓があるのか、疑問に思ってます。
僧侶Tさんのレスによると、「スールズカリッター」というのはどうやら田中氏の創作によるもののようですね。
> 実は、私は数年前から、銀英伝に登場する人物の名前を「正確にはどう書くのか」を調べているんです。太郎さんが、アニメの方の銀英伝を見ておられたら、登場人物の名前が字幕で出ているのを、ご覧になったことがあるでしょう?
はいはい。
> 例えば、「ラインハルト・フォン・ローエングラム」や「ジークフリート・キルヒアイス」は、「Reinhard von Lohengramm」、「Siegfried Kircheis」と出てきます。このような綴りは、原作には出てきません。アニメを製作した人たちが時間と労力をかけて調べたもので、私は高く評価しているのですが、ただ、どうしても間違いはあるのです。(あって当然です。)ですから、私はインターネットで、個々の名前について、本当にそのような名前があるのか、正しい綴りはどうなのか、調べてきました。
また大変かつ楽しい作業を(笑)
> 調べてみると、字幕のとおりの名前がある場合が、やはり断然多いのです。「キルヒアイス=Kircheis」、「ロイエンタール=Reuental」、「アッテンボロー=Attenborough」、「ルビンスキー=Rubinsky」などは、字幕どおりの名前がちゃんとあります。
>
> 少しだけ間違っているが、元の名前がすぐに分かるのもあります。レンネンカンプは字幕では「Lennenkanpt」と出てましたが、正しくは「Rennenkampf」です。LとRを混同するのは、日本人の宿命ですね。シトレ元帥は「Sitolet」と出てましたが、この綴りでは見つからず、「Sitole」でヒットしました。なぜ、わざわざ「t」をくっつけたんでしょうね?
その辺は、英語表記かどうかで違ってくるのではないでしょうか?
自信があって言うわけではありませんが。
> ところが、いくら探しても、それらしい名前がさっぱり見つからない場合があるのです。私にとっては、今のところ、「オフレッサー=Ovlesser」、「クブルスリー=Kubersly」、そして「スールズカリッター=Soulzzcuaritter」がそうです。スールズカリッターの場合、LをRに変えたり、zを一つにしたり、いろいろ試してみましたが、だめでした。
>
> 他の名前が簡単に見つかる中で、どうしてもこれらが見つからないので、今のところ田中先生が創作したか、もしくは元の名前が分からなくなるほど、(故意またはうっかりして)変えてしまったのだと思っています。
「アルスラーン戦記」の「ナルサス」は本来は「ナルサフ」の方が原音に近いが最後が「フ」ではしまらないので「ナルサス」にしたということが「アルスラーン戦記」の何巻かのあとがきにかかれてましたから、ささいなことでみつからないということがありそうですね。
> ただし、それが私の誤解で、本当にそんな名前があるのかもしれません。例えば、外伝4に登場する「ケーフェンヒラー」は、長い間見つからず、創作された名前かと思っていましたが、最近になって、マリア・テレサに仕えた廷臣に「Khevenh?ller」という人がいたことを教えていただきました。「ケーフェンヒューラー」と読むそうです。ですから、スールズカリッターだって、いつかは見つかるかもしれません。田中先生ご自身が、「どこから取ってきた名前なのか」を言ってくれるといいんですが。
まあその辺も探すのも楽しみの一つだと自分に言い聞かせればよいかと(笑)
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Re:ハイネセンの虐殺、その後
- 投稿者:僧侶T
- 2002年11月02日(土) 13時37分
> 「・・・法の保護を!」
> 放った悲鳴はパエッタの一喝にはじきかえされた。
> 「前政権ならいざ知らず、トリューニヒト派が排除された今となっては卑怯者を保護すべき法はない。無益な哀願をするな」
>
パエッタは、むしろトリューニヒトにおもねっていた人であったように記憶していますが。
・・・などという以前の問題として、そもそもラインハルトのために作られたエピソードを、ヤンのためのエピソードに作り変える、という試みがそもそも無茶だと思います。あれほどにも個性の異なる2人の立場は、入れ替えができるようなものとは思えません。この「ヤン卑怯者を裁く」のくだりは、無理に作ろうとすべきではない、と拙僧は思います。