- 親記事No.3392スレッドの返信投稿
- board4 - No.3405
Re:関係なくてすみません
- 投稿者:八木あつし
- 2002年12月25日(水) 13時47分
> 駆け出しさんがグインから離れていたというのは幸運です。
> 決してまた読んでみようなどと思わないことをおすすめします。
>
> それで、栗本薫はもはや小説家とは言えないので、
> 彼女と比べてはいくらなんでも田中芳樹が可哀想過ぎます。
続きが書けない作家に比べれば、執筆マシーンの栗本薫氏の方が上ですよ。
確かにグインの質は下がり続けていますが、数巻に一度は上昇します。それに最低ラインの面白さはまだまだあると思います。
それにしてもアムネリスに続き、アルド・ナリスが死に、グイン・サーガも寂しくなったな。
- 親記事No.3392スレッドの返信投稿
- board4 - No.3406
Re:関係なくてすみません
- 投稿者:S.K
- 2002年12月26日(木) 08時52分
>
> 続きが書けない作家に比べれば、執筆マシーンの栗本薫氏の方が上ですよ。
> 確かにグインの質は下がり続けていますが、数巻に一度は上昇します。それに最低ラインの面白さはまだまだあると思います。
>
ごめんなさい、単に「おタンビヤオイ好き&栗本薫マンセー」信者と
「中国バンジャーイ&田中先生尊敬」ファン層の量とパワーの差という気がします。
余談ですが「男色愛好談義」で「ナリ様もイイけどロイエンタールもス・テ・キ」とかいう主張の方を「田中芳樹氏的同性愛否定」に基づく論理的説得で翻心させた方いらっしゃいませんか?
経験談の御教示を依頼したいです。
> それにしてもアムネリスに続き、アルド・ナリスが死に、グイン・サーガも寂しくなったな。
何故「馬鹿女」や「御姫様」になる前に死んでくれなかったのかと血の涙が出そうです。
これからまだしもマトモな行動をとる人物は多分栗本薫氏が全く理解できてないキャラクターであるスカール黒太子くらいだろうと予言してみます。
- 親記事No.3392スレッドの返信投稿
- board4 - No.3407
Re:関係なくてすみません
- 投稿者:RAM
- 2002年12月26日(木) 11時17分
> ごめんなさい、単に「おタンビヤオイ好き&栗本薫マンセー」信者と
> 「中国バンジャーイ&田中先生尊敬」ファン層の量とパワーの差という気がします。
違います。栗本薫はグイン一冊を4日で書きます。タイピングが速いというのもありますが、彼女は推敲をしません。自分の文章を見直す事さえしません。その結果が八木さんの言う「台詞ばかり」現象です。
> これからまだしもマトモな行動をとる人物は多分栗本薫氏が全く理解できてないキャラクターであるスカール黒太子くらいだろうと予言してみます。
残念ですがこれも非常に危惧されるところです。栗本薫の手法は「自分のお気に入りをヨイショするために、他のキャラを貶める」ですから。
八木さんにお聞きしたいのは、八木さんは僕が次に上げる事項のうち幾つを知ったうえでの発言なのかですが。半分以上知ったうえでのことなら本気でうらやましいです。全然知らなかったのならご愁傷様です。
・夜光塗料(homepage2.nifty.com/kaguraclub/kurimoto3.htm)
・衝撃の500円発言(ttp://homepage2.nifty.com/kaguraclub/kosinnote.htmの「10月24日」)
・グリーンマイル5巻の解説
・ローデスサーガ&マルガサーガ(本人自ら書いたグイン世界の同人誌。問題はその内容)
・「誤字はワープロソフトのせい」発言(ソースはど忘れ)
・グインサーガへの手紙(ttp://www.h2.dion.ne.jp/%7Epanko/)
・番外編、これってタナ撃つのこと?(ttp://homepage2.nifty.com/kaguraclub/2001-3-13.htm)
いいかげんこの掲示板の趣旨と離れかけているとは思うのですが、小説家のあり方を問うということで見逃してもらえるとありがたいです>管理人さん
そういう意味では駆け出しさんの意見をうかがいたい気がします(確か、物書きの駆け出し、が由来のHNでしたよね)
- 親記事No.3392スレッドの返信投稿
- board4 - No.3408
Re:関係なくてすみません
- 投稿者:八木あつし
- 2002年12月26日(木) 14時38分
RAMさん、こんばんは。私はグインに関しては、「グインの小部屋」というサイトで感想や問題点についてのレスをよくしています。
> 八木さんにお聞きしたいのは、八木さんは僕が次に上げる事項のうち幾つを知ったうえでの発言なのかですが。半分以上知ったうえでのことなら本気でうらやましいです。全然知らなかったのならご愁傷様です。
>
> ・夜光塗料(homepage2.nifty.com/kaguraclub/kurimoto3.htm)
> ・衝撃の500円発言(ttp://homepage2.nifty.com/kaguraclub/kosinnote.htmの「10月24日」)
> ・グリーンマイル5巻の解説
> ・ローデスサーガ&マルガサーガ(本人自ら書いたグイン世界の同人誌。問題はその内容)
> ・「誤字はワープロソフトのせい」発言(ソースはど忘れ)
> ・グインサーガへの手紙(ttp://www.h2.dion.ne.jp/%7Epanko/)
> ・番外編、これってタナ撃つのこと?(ttp://homepage2.nifty.com/kaguraclub/2001-3-13.htm)
私へのご質問ですが、私が知らなかったのは「グリーンマイル5巻の解説」と不覚にも「タナ撃つ示唆」の2件ですね。
実はローデス・サーガとマルガ・サーガは持っていたりします。( ̄~ ̄;)
RAMさんが栗本薫を嫌うのは分かりますよ。私も結構むかついていますから。まず作品のあとがきであれだけ好き勝手に書いている作家はいないですね。私もよく呆れてしまいます。
栗本薫のHP神楽坂倶楽部にある日記やコラムなどは、見られる人と見られない人がいるのに、ネタばらしなど色々と書きすぎな気もします。WEB上だということをもう少し考えて文章を置いて欲しいですね。お金を取らないタダだからいいんじゃないの、とでも思っているんでしょうかね。
最近では神楽坂の日記に北朝鮮拉致事件のことを不用意に書いて、それでバッシングを受けて開き直ったりしていましたが…。
(;´ー`)y-~~~ ハァ
確かにグイン・サーガはどんどん劣化していっている作品です。それでも新刊が出れば週刊文庫1位に躍り出て(順位は持続しませんが……)、だいたい20万冊は刷られています。これはやはり作品にまだ力があるということではないでしょうか?
ただ栗本薫が日本にファンタジー戦記小説(昔はヒロイックファンタジーでしたが)と言える分野を生み出したのことは、素直に評価してもよいと思います。もしグインがなかったら、後のアルスラーン戦記やデルフィニア戦記は生まれなかったかもしれません。(これは言い過ぎだな(笑))
しかし田中芳樹も栗本薫の10分の1でもWEB上に登場して欲しいですね。個人HPを持って遅筆日記でも書くとか。田中芳樹は批判を黙殺ですが(多分)、栗本薫は興味を引けば反応を示すだけマシかと。ただ、過剰反応なのは問題ですが……。
-
- board4 - No.3409
初めてきました。
- 投稿者:にょろり
- 2002年12月28日(土) 06時42分
初めまして!にょろりと申します。
興味を持って読ませていただきました。
確かに、最初の”田中芳樹”が創竜伝だったら
きっと私も同じような感想を持ったと思います。
銀英伝はとても好きなので(笑)絶対に否定はしませんが
創竜伝は確かにひどいなぁ・・・と
田中芳樹ファンである私もそう思っています。
小説とはいえ、影響力のあるメディアには変わりないんですよね。
ただ、やっぱりどうしても銀英伝は大好きな小説なので・・・
銀英伝の部分だけで反論を考えて
投稿したいと思っています。
今後もよろしくお願いいたします。
- 親記事No.3325スレッドの返信投稿
- board4 - No.3410
というか、なぜ「命令形(の批評)」はいかんの?
- 投稿者:新Q太郎
- 2002年12月29日(日) 01時35分
「『書くな』という表現『自体』を読者が作家に対して主張するのは【理由の如何を問わず無条件で】止めるべき」ではなくて、「『書くな』という表現『自体』を読者が作家に対して主張するのは【原則として】止めるべき」
-------------------------------------------
どの場所にレスつければいいのか分からないので、適当につけますが・・・
他のジャンルを比較してみましょう。
落語で、いろんな名人が回想を残していますが、昔からノテ(山の手)の客はぬるいが下町の客は芸に厳しく、噺の下手なものにはばんばん野次が飛びました。
「ひっこめ!」
「お帰りよ!」
「おみおつけで面ぁ洗って出直して来い!!」
この中から、のちの名人上手は鍛えられたのです
-----------------------------------------
んで、格闘技、プロレス。
今は欧風に「ブーイング」が主流ですが、80年代新日に乗り込んだ国際はぐれ軍団や、ストロングマシーンズ、たけし軍団に浴びせられたのは「カエレ」コールでした。これは悪役人気の場合も、本気でしょっぱい(つまらない)レスラーへの罵声もありましたが、どっちにしろ命令形っす(笑)
----------------------------------
あ、野球もそうですね。TV・CMにもありましたな。
「ひっこめ原田!」「引退しろ!!」ってやつとか「川藤出さんかい!」「ホンマに出してどないすんねん・・・」とか。
そういえば「かっとばせー、ホームラン」ってのも失礼かもしれん。本人はシングルヒットでいいかもしれないんだから「できるならホームランを打ったほうがいいのではないか」にするべきかもしれない(笑)
-
- board4 - No.3411
欧米人が読めば、銀英伝はブーイングの嵐では?
- 投稿者:あれれ・歯医者さん
- 2002年12月30日(月) 09時32分
いいですね、ここ。賢明な方々の熱い語らいがあって・・・
銀英伝って、基本的に無理無理な設定なので突っ込みがいあり
すぎて楽しいです。
それも科学的にどうこうっていうより、著者の政治の主張みた
いな部分に突っ込みがいありすぎってとこが。
未来に過去をもちこむためにエンヤコラする、田中氏の力技に
はある意味、才能を認めるし感動してますけどね。
女性ファンを魅了するラインハルト一党の、あの大時代な戦略
に、いくら腐敗しているとはいえ良いとこなしで負けてしまう
自由惑星同盟(もろアメリカのコピー)、これが一番痛い。
こういう筋書きに、田中先生の歴史観というより希望が、もろ
に出ていますね。あの不自然さは歴史より希望が先行したせい
っぽい。
あの作品では自由惑星同盟がはじめからヘタレすぎてて、そこ
が違和感ありすぎでした。とにかく、貴族同様だめだめ過ぎで、
ラインハルトの幼稚な戦略に引きずり回されすぎですから。
内乱を唆されてあえなく乗せられるあたりからして、「そんな
のありかい!」ってゲンナリでしたもんね。
とにかく、同盟がわがラインハルトの、古典的な謀略に易々と
やられているさまをみて、「同盟が負けたのは、基本的に防諜
体制がないからではないか?」と思いましたもの。
あれだけ好戦的な同盟政府右派が、ヤン提督にたいしてはと
もかく、銀河帝国にたいしては正面攻撃だけに固執し、情報
戦らしいものを自分からは仕掛けていない、仕掛けられるだ
けの受身でしかないというのが、見ていて奇怪でした。
同盟の右翼好戦主義者諸氏には「帝国を憎むわりには帝国
(ラインハルト)の謀略工作に対してお人よしにすぎ、か
つラインハルトにたいしてお人よしすぎるにしては、帝国
を憎悪しすぎる」という不思議なおめでたさがあり、そう
いう「おめでたい」人間を、やたら悪漢扱いしたがる田中
氏の手法じたいに、無理があると感じたものです。
むしろ見ようによってはラインハルトに好意的なヤンのほ
うが、敗戦をみこして勝者に媚びへつらったという見方も
できなくもない。小説ではあくまでもヤンの主観を「美化」
しまくって、そうは見えないように書かれていますが、実
は後世の歴史を書くのが、生き残った勝者だけだってこと
を忘れてはいけない(笑)。
そう。「銀英伝」は、ラインハルトに友誼をむすんだヤン
(およびヤンの盟友だったビュコック)の愛弟子・ユリア
ンとその仲間たち、ならびにラインハルトの寵をうけて生
き残った軍人たちが書いた歴史なのです。
「獅子の泉の7元帥」と「イゼルローン八月政府」が、あく
までも自分たちにだけ都合が良いように書いた歴史書なので
す(笑)。
基本的に地球教、トリューニヒト一党、フェザーン、あるい
は救国軍事委員会やフォーク准将はぜーんぶ悪役。かれらに
書かせたら、きっと異なるヤン一党やラインハルトの汚い正
体(ユリアンと帝国によって焚書されて日の目を見なかった)
を、告発できたのでは?
そういう「黒書」が、宇宙のどこかにヒッソリ隠されているの
かも? そしてそれがじつは、この掲示板・・・(^^;)
とにかく、250億の自由社会の市民が、救国英雄ヤンとその
友人である政治勢力を、決定的な劣勢にいたるまで「与党
にしない」という設定には、民主主義をどうしても貶めた
いという作者の情念のようなものすら感じられ、なんだか
不気味だったです。
ちなみに好戦論で権力の頂点に達したトリューニヒトには、
ヤンとおなじく負け戦を察知する戦略眼もあったことが立証
されていますので、かれならラインハルトとの間に不可侵条
約をむすぶことへと世論をひっぱっていき、かつ、ラインハ
ルトの易姓革命にも裏口から貸しをつくるという芸当もでき
たのではないかと。
記憶の限りでは、かれにはラインハルトへの勝算があったよ
うには思えないのですね。
全体的にみて、同盟は帝国にたいして「実力をともなわずし
て」極端に好戦的であり、それゆえまんまと併呑されていま
す。ラインハルトの覇業の美味しいメインディッシュとして、
はじめから用意されていた感じです。
トリューニヒトのような希代の強運と保身能力をもつ男が、
国防委員長時代から、ラインハルトという有望株に布石を
打たないことという設定も、思えば無理があるって感じ。
田中先生はひたすら、欧米民主主義(自由惑星同盟)も宗教
(地球教)も西欧の自由都市(フェザーン)も大嫌いで、中
国の人治主義的な専制政治になにがなんでも勝たせたい、そ
ういう奇妙な感覚を感じましたね。
まあ、北朝鮮拉致被害者家族のシッカリした感覚と左翼メディ
ア+害務省のオタオタぶり見てると、民主国家が独裁国家と対
峙したさい、戦略のイニシアチブを相手にとられっぱなしにな
りがちであるのは分かるけど、それはあくまでもラインハルト
より卑劣な、あるいは有能な独裁者だからできることです。
(内政的にも残酷な)独裁国家が平和攻勢をしかけてきて、そ
の詭弁外交に国内の教条主義的理想主義者だのコトナカレなノ
ンポリが、呼応するという形で、はじめて起こるわけです。
むろん背景に、敵対する相手の全体主義体制に、民主国の不満
分子たちが過剰な思い入れゆえのコンプレックスをもっている
ことがある程度、前提にあるのですが、小説ではそうはなって
いません。歴史認識的には帝国にたいし被害者意識を、体制と
しては優越感をもつわけで、しかもアテネやブリテンのような
略奪経済的な制度ももっていません。ラインハルトがつけこむ
隙は、体制的には考えられないのです。
略奪経済の要素がないかぎり、「銀河帝国に戦略的な絶対的優
位を確立する」状況を創りださないかぎり、やたら「頭の悪い
右翼」に牛耳られて勝ち目が五分五分以下、負ければご破産と
いう賭博を行う可能性は、少ない気がします。どうせ戦争は、
経済的には持ち出しオンリーなのですから。
その意味で、同盟が「勝算について計算できなかった」ことに
は、そもそも同盟の体制がアメリカなどのモデル国家とことな
り、情報収集・管理・処理能力に決定的な破綻があったように
思われてなりません。
イラクや北朝鮮を、ラインハルトより巧妙かつ見事な布石を打
つことで戦略的に追い詰めているアメリカをみるにつけ、思い
半ばにすぎるものがあります。
台湾では訳書がヒットしたと聞くけど、田中さんの大好きな英
国はじめ、欧米の読者からは総すかんと嘲笑とブーイング、も
しくは「くだらねー」の一語で捨てられそう。
欧米人で、このスペースオペラを読んだ方っていたら、ぜひ感
想きいてみたい。たぶん、私の想像するとおりの反応だと思う。
- 親記事No.3411スレッドの返信投稿
- board4 - No.3412
Re:欧米人が読めば、銀英伝はブーイングの嵐では?
- 投稿者:新Q太郎
- 2003年01月03日(金) 19時20分
はじめまして。明けましておめでとうございます
> 女性ファンを魅了するラインハルト一党の、あの大時代な戦略
> に、いくら腐敗しているとはいえ良いとこなしで負けてしまう
> 自由惑星同盟(もろアメリカのコピー)、これが一番痛い。
> こういう筋書きに、田中先生の歴史観というより希望が、もろ
> に出ていますね。
一応作者の弁では「シミュレーションしてみたら、どうしても効率的独裁政権のほうが腐敗民主国家より有利になるのでこうなった」とのことです。
> 基本的に地球教、トリューニヒト一党、フェザーン、あるい
> は救国軍事委員会やフォーク准将はぜーんぶ悪役。かれらに
> 書かせたら、きっと異なるヤン一党やラインハルトの汚い正
> 体(ユリアンと帝国によって焚書されて日の目を見なかった)
そういえば私「偉大なるヤン元帥と親愛なるユリアン同志」というネタを書いたことあったなー。まだこのHPに残っているだろうか。
> ちなみに好戦論で権力の頂点に達したトリューニヒトには、
> ヤンとおなじく負け戦を察知する戦略眼もあったことが立証
> されています
> 記憶の限りでは、かれにはラインハルトへの勝算があったよ
> うには思えないのですね。
アムリッツァは自身の権力のために侵攻計画を本気で止めなかったとしても、いざ自分が権力に座れば、本当はそのまま現状維持のほうが本人にもいいはずだったのですがね。どこでトリューニヒトが同盟を「見限った」のかは微妙に謎です。
自己保身と打算のための和平主義者(銀英伝版の秦カイ)、というテーゼは銀英伝の中では書きにくいでしょうけど。
>
> 台湾では訳書がヒットしたと聞く
ふと思えば、巨大で停滞を脱し、活気に満ちた独裁国家と戦争状態で対峙する、規模の小さな民主国家---って、かの国民にとってはめちゃめちゃ身につまされる題材やろなー。さあ田中氏はこのへんの状況をモデルにしたのかどうか。
ん?その間でどっちつかずの経済国家フェザーンのモデルとは・・・?
- 親記事No.3411スレッドの返信投稿
- board4 - No.3413
民主国家と専制国家
- 投稿者:TAC
- 2003年01月04日(土) 02時35分
専制国家が民主国家よりも有利なのは、
これは書かれた時期を考えると、当然の事ですよね。
冷戦にはソヴィエトが勝つと普通に言われていましたので。
自由奔放な民主国家は強権独裁の専制国家に比べて、
非常事態に於いてはどうしても不利になります。
専制国家は世論や予算を気にする必要なく戦争を遂行出来ますし、
頭が一つだけなので指揮系統の混乱も発生しにくい。
だから民主国家と専制国家が戦えば、
国力が等しい限りは専制国家が勝つとするのは普通の事です。
そもそも銀英伝では国力では帝国が優っているという設定でしたし。
だからこの場合は専制国家である帝国が勝つのは当然です。
余談になりますが、銀英伝10巻以降、
恐らく帝国は複数の国家に分裂する事になるでしょう。
アレクやフェリックスの世代か、その次の世代あたりで。
ジンギス・ハンの死後に分裂したモンゴル帝国の様に、
あんな大帝国、強力な指導者が居なければ維持できません。
ラインハルトのカリスマだけで持っているような国家ですから、
反乱が頻発して分裂するのが筋でしょう。
強力な軍隊を維持して恐怖政治をするならばともかく。
フェザーンを中心とする帝国正統政府、
これがロエングラム帝国の本流。
周りが独立して残った部分とも言う。
バーラトを中心とする新生同盟政府、
ノイエラント総督府が反旗を翻す場合、
お題目は民主主義の復活とするでしょう。
オーディンを中心とする第三政府、
ロエングラム帝国の力が弱まったら、
オーディンは多分、フェザーンの下に居る事を由としない。
このくらいには分裂するのではないかと。
おお、最初とあんまり情勢が変わっていない。
それにしてもヤンが不甲斐ないから同盟が滅んだんだよなぁ。
実はラインハルトと結託していたんじゃないのか? (笑)
ヤンってラインハルトの不利益になる行動、取ってないし。
- 親記事No.3411スレッドの返信投稿
- board4 - No.3414
Re:欧米人が読めば、銀英伝はブーイングの嵐では?
- 投稿者:Ken
- 2003年01月04日(土) 04時42分
はじめまして。これからもよろしくお願いします。
>こういう筋書きに、田中先生の歴史観というより希望が、もろに出ていますね。あの不自然さは歴史より希望が先行したせいっぽい。
>民主主義をどうしても貶めたいという作者の情念のようなものすら感じられ、なんだか不気味だったです。
>田中先生はひたすら、欧米民主主義(自由惑星同盟)も宗教(地球教)も西欧の自由都市(フェザーン)も大嫌いで、中国の人治主義的な専制政治になにがなんでも勝たせたい、そういう奇妙な感覚を感じましたね。
それはどうでしょうか?
例えば、腐敗堕落した自由惑星同盟がラインハルトの帝国に征服され、汚職政治家や憂国騎士団などが一掃され、人民が末永く幸福に暮らし、「めでたし、めでたし」で終わるのなら、おっしゃるような事情があるかもしれません。
しかし、ご存知のように、銀英伝の最大の主題というべき「専制対デモクラシー」の本格的な対比は、同盟の滅亡後に始まります。ラインハルトの体制の下で人民がつつがなく暮らせることを承知の上で、なお、人民自治にこだわるヤンの思想こそ、田中氏が作品の中で訴えたかったことではないでしょうか?
「人民を害する権利は、人民自身にしかないからです。・・・・(中略)・・・・専制政治の罪とは、人民が政治の害悪を他人のせいにできるという点につきるのです。その罪の大きさにくらべれば、一〇〇人の名君の善政の功も小さなものです。」 (風雲篇、第十章-2)
ヤンは、独裁者あるいは専制者としてのラインハルト・フォン・ローエングラムをきわめて高く評価していた。才幹においても器量においても、である。さらに個人としても敬愛していた。ところがラインハルトは、まさにその卓絶した資質のゆえに、民主共和制度の最大の敵手となっているのだ。 (怒濤篇、第四章-4)
ラインハルト帝国に一方的にやられるだけの自由惑星同盟の姿が、現実性の点で、指摘されるような弱点を持っているのは、そのとおりかと思います。
ただ、それが「ブーイング」の対象になるというのは、すこし極論ではないでしょうか?
銀英伝は、ブルッキングス研究所の論文でもないし、タイム誌やクリスチャン・サイエンス・モニター紙に掲載される論説でもありません。あくまでもエンターテインメントなのですから。
そしてエンターテインメントの領域では、自由惑星同盟と大同小異の「デモクラシー」が専制体制にもろくも敗れ滅びるという作品は、アメリカにだってあふれていると思います。(スターウォーズもそうなのでは?)
また、防諜の「あまさ」等、デモクラシーの弱点を強調するこの種の話は、冷戦時代に全体主義の脅威に注意を喚起するプロパガンダ映画に多く見られ、今でも多大な影響を与えていると思います。ありていに言えば、アメリカ人の多数は、諜報を含む情報戦に、米国政府ほど「無能」な政府はなく、外国にやられっぱなしでいる、と考えているのではないかと思います。もっとも、これは日本政府に対する日本人、中国政府に対する中国人の印象と同じだと思いますが。
さらには、銀英伝に描かれる、自由惑星同盟の数々の弱点や醜悪な点は、とくに冷戦前期のアメリカに、たしかにモデルが見られるように思います。(大幅に誇張はしていますが。)例えば、憂国騎士団などKKKの丸写しに近いし、ヤンに対する査問会でのネグロポンティのしゃべり方は、「赤狩り」時代に行われた多くの査問会での査問者のしゃべり方に題材を得ているように思われます。帝国との戦争をやめられない同盟は、ベトナム戦争をやめられない米国がモデルなのでしょう。これらの事例に示されるアメリカ史の暗部は、今では例えばCNNのドキュメンタリー番組等で赤裸々に描写されており、「事実」として大多数の国民に受け入れられている、というのが私の感想です。
もちろん、そのような番組がCNNのような主要メディアの手で作られる点こそ、フリー・プラネッツと現実の米国の決定的な違いではあります。
- 親記事No.3411スレッドの返信投稿
- board4 - No.3415
Re:民主国家と専制国家
- 投稿者:SAI
- 2003年01月04日(土) 06時10分
はじめまして。
ラインハルトに都合が良すぎるというのは、まあその通りだと思います。普通ああ言う風にはなりません。ブラックホークダウンあたりの
ノンフィクション読めば解りますが、敵も味方も数限りないミスを犯すのが戦争というものですから。
>略奪経済の要素がないかぎり、「銀河帝国に戦略的な絶対的優
位を確立する」状況を創りださないかぎり、やたら「頭の悪い
右翼」に牛耳られて勝ち目が五分五分以下、負ければご破産と
いう賭博を行う可能性は、少ない気がします。
自由惑星同盟というのは、実は宗教原理国家であるような気がします。
まず成り立ちからして、長征一万光年というのは、構成員に強い使命感と、信念、自己犠牲を必要とする、難事業であったことは間違いないでしょう。それこそ、生活は流刑星にいたほうがましであったと思います。しかも成功する当ては無い。文字通り、信仰の力でやり遂げたのだと思います。そういう成り立ちの国が、専制の銀河帝国は絶対悪、自由民主主義の自分達は絶対の正義、決して妥協してはならないと国民が無意識に思い込んでいたとしても不思議ではないでしょう。
これはよいこともある。ダゴンで勝てた理由のひとつでもありあますから。信念と熱狂により同盟軍の士気は最高で、いかなる損害をうけようともひるまない。そんな同盟軍と指揮官は狩りで、兵士もやる気がない帝国軍が戦えば、大敗北も喫するでしょう。
が、しかし、悪い面もやっぱりある。勝ち目が少ない無謀な戦争もやるはめになる。政治的、宗教的情熱の前には経済合理性など木っ端微塵になります。
それにとリニューニヒトが政権につくまでさんざん好戦論をぶっておきながら、政権についたとたん講和を口にすれば、軍部にとっても裏切り者、政治献金してきた軍需産業にとっても裏切り者、国民にとっても背教者、そんなに長くは生きられませんね。
それを本人がわからないとは思いません。
国民的英雄のヤンならば講和を口にしても納得するでしょうが、トリニューニヒトでは誰も納得しない。
>イラクや北朝鮮を、ラインハルトより巧妙かつ見事な布石を打
つことで戦略的に追い詰めているアメリカをみるにつけ
イラクも北朝鮮も今年中に崩壊するでしょう。しかし、その後どうする気なのか?
報道されなくなったアフガニスタンも未だ戦争は続いている。タリバンもアルカイダもいなくなったわけじゃない。イラク戦争は確実に世界経済にダメージを与え、世界同時大恐慌という70年前の悪夢が再来しかねない。アメリカの政策ではテロはなくならない。
そもそもアメリカの対外債務は2.5兆ドルを超え、3年以内に3.5兆ドル、10年以内に5兆ドルを超える。このままゆけばアメリカは破産する。なのに戦争を止めない。巧妙な戦略に見えてじつは破滅への道を歩んでいる。
こういうのを間違った政策というんですけどね。さすがに作中の自由惑星同盟は巧妙に見えて、実は破滅への道を歩んでいるとは言えません。
破滅するためにやってるような気がしますね。
-
- board4 - No.3416
駆け出し作家業 激闘編
- 投稿者:速水右近
- 2003年01月04日(土) 07時17分
御無沙汰でやんす。
作家としてデビューして以来、はじめての書き込みです。
うーん。作家になって、変わったことねぇ。
まず、よくなったこと。
1 作家の友人、知人が増えた
「当たり前やないか!」と、ツッコミを入れられそうですが、これは大きいですよ。
全然売れていない拙著にも、とんでもない作家から、推薦文が届きましたから。
先日も某SF大賞受賞作家と、変なところで意気投合しちゃたし。
2 雑誌のコメント料が増えた
当然ながら、肩書きも「ライター」から、「作家」になった。
3 行きつけのファミレスの姉ちゃんから、「先生」と呼ばれるようになった
自分でオチつけてますな。
反対に困ったこと、嫌なこと。これは、一つしかない。
1 嫌な会社=編集者とも付き合わないとならない。
前は選べたけど、それができなくなった。
収入は、微増ですか。
ともかく、本が全然売れない時代になってきている。
私ら駆け出しはともかく、実績のある作家も含めての話。
しかし売れている=注文に追われる作家も、現実にはいます。
では、このギャップは、どこにあるか?
「読者の要求に合わせるか、否か」
だけです。
実際、楽なんですよ、読者の要求に合わせるのって。
ひとことで書けば、彼ら=自分の願望を、そのまま書けばいい。
具体例をあげれば、超能力であり、破壊であり、恋愛も含めた肉欲であり、名誉=出世欲であり……。
こういうものを二つ以上組み合わせて、最低限の文章力さえあれば、誰でも「ベストセラー作家」になれますよ。
じゃあなぜ、お前はやらないのかって?
その質問には、簡単な答えがあります。
「私でなくても、書けるから」
作家ってみんな、「自分じゃなければ書けないもの」を書くために選択したはずなのに、「食えないから、誰でも書けるものを書く」じゃ、洒落にもなってませんね。
ほんとにここ数年が、日本出版界の正念場になるでしょう。
まあ、おかしくなった源流を辿れば、明治にまで遡らないといけないんですけど。
ともかく「読者側にも責任がある」と、私は声を大にして言いたい。
外国に比べると、日本の書籍事情は最高ですよ。しかしそれを認識していない読者が、多すぎます。
私が書くと変でしょうが、田中芳樹や佐藤大輔の「遅筆」は、充分、弁護の余地ありです。
そもそも一年で作家が四冊も出すなんて、異常事態です。外国でそんなペースで仕事をやっている作家なんか、三流作家ですよ。取材とかすれば、年二冊が、限度じゃないですかね?
むしろ日本の作家の執筆ペースがどうして速いかですけど、これは印税率が欧米の三分の一から四割で、「食べられない」からなんですね。
この理由は……長くなるので省略しますが、読者もいくらその作品が好きだからと言っても、「早く出せ」と催促するだけじゃなくて、我慢することも覚えないと。
なんか「完成度が低い作品を早く出す」という、一部バカ編集者の手に、もろに乗ってますぜ。
読者が本当に求めているのは、「完成度の高い作品」でしょうに。次の巻が出る間は、
「ど~ゆ~展開になるのかなぁ」
と推理、想像したり、別の作家を読めば、案外、半年ぐらい、すぐに経ちゃいますよ。
最後に、今年の予定です。
T社、K社からは研究書。S社からは旅行記がほぼ確定。
あと、K社で、小説を出す話が進んでいます。
そ~ゆ~ことで、機会があれば、皆さん、またどこかでお会いしましょう。
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Re:欧米人が読めば、銀英伝はブーイングの嵐では?
- 投稿者:イッチー
- 2003年01月04日(土) 18時31分
新Q太郎さま、初めまして。
> アムリッツァは自身の権力のために侵攻計画を本気で止めなかったとしても、いざ自分が権力に座れば、本当はそのまま現状維持のほうが本人にもいいはずだったのですがね。どこでトリューニヒトが同盟を「見限った」のかは微妙に謎です。
> 自己保身と打算のための和平主義者(銀英伝版の秦カイ)、というテーゼは銀英伝の中では書きにくいでしょうけど。
トリューニヒトが同盟を見限るきっかけとなったのは、私は救国軍事会議のクーデターのときだと思っています。このとき、トリューニヒトは地球教に匿われたわけですが、そのときに地球教の同盟と帝国を相打ちにする構想を聞かされ、さらにルビンスキー個人とも連絡を取り合う仲となり、地球教さらにはルビンスキーのラインハルトに宇宙を統一させ、フェザーンがそれを乗っ取るという計画に乗る形で、自分の利益を拡大させる方向に自らの野心を修正したのだと思います。
> ふと思えば、巨大で停滞を脱し、活気に満ちた独裁国家と戦争状態で対峙する、規模の小さな民主国家---って、かの国民にとってはめちゃめちゃ身につまされる題材やろなー。さあ田中氏はこのへんの状況をモデルにしたのかどうか。
>
> ん?その間でどっちつかずの経済国家フェザーンのモデルとは・・・?
銀英伝の帝国・同盟・フェザーンの関係は、現在の中共・台湾・香港の関係にそっくりですが、一方で作品が発表された1980年代の世界にもそっくりだと思います。倦怠感漂う老人皇帝の下で停滞する銀河帝国はブレジネフ政権末期のソ連を彷彿させますし、その後のラインハルトの台頭はゴルバチョフの登場を連想させます。(ここまでは作者は予想していなかったと思うが、改革派が台頭してくるであろうという予感はあったのかもしれない)、同盟の描写はベトナム戦争直後のアメリカそっくりです。ウィンザー女史やトリューニヒトといったタカ派政治家はサッチャーやレーガン、中曽根といった新自由主義の政治家の戯画でしょう。レベロはハト派でアメリカ外交を混乱させたカーターを彷彿させます。軽武装で経済に専念するフェザーンは当時、先進国で唯一気を吐いていた日本がモデルでしょう。地球教が裏で政治を操っているというのは、自民党田中派が裏で政治を操っていた当時の日本の政界を彷彿させます。
深読みのし過ぎでしょうか?