- 親記事No.3581スレッドの返信投稿
- board4 - No.3824
Re:宇宙は危険で一杯だ
- 投稿者:Night
- 2003年03月02日(日) 13時20分
横レスになります。
> > <明らかに「事前予測」として敵軍が特定星域を通行することが予め判明していることを意味するのです。事前予測で敵が通行する星域が予め特定されているのであれば、その時点で遭遇予測や索敵範囲も限定されるのですから、例の貧弱な索敵システムをもってしても、銀英伝の作中描写自体が示しているように、敵を発見するのはそれほど困難なことではないでしょう。>
> >
> > 忘れてならないのは、バーミリオンでは、ヤン艦隊もラインハルト艦隊も、相手と戦うつもりでした。双方が相手を探し出して遭遇することを目的としていた、ともいえます。これはイオン・ファゼカス号の場合とは、もちろん反対です。イオン・ファゼカスが帝国軍を探し出して遭遇しようとする理由は何もないのですから。
> > 半径40光秒の球形が、1250億立方光秒の中にいくつ入るでしょうか?
> > 答えは、46万6274個です。アーレ・ハイネセンの時代にも同じ条件が成立すると仮定すると、帝国軍にとっては、その中の一つにイオン・ファゼカス号はいました。どうにか1250億立方光秒まで絞り込んだものの、それだけではイオン・ファゼカスを攻撃はできません。イオン・ファゼカスが見つかるまで、46万6274個のユニットをしらみつぶしに探してゆかねばならないのです。
> >
> ところで「天気予報」御存知ですね。
> 惑星上の移動でも大気の揺らぎ、海の潮に左右される事大な訳です。
> 「光速ですっ飛ぶ質量船」は「完全な真空ルート」で「航路上に恒星系が存在する」なんてかなり限定された航路をとらないと星間物質に衝突してまず「遭難」確定ですね。
> ワープよりいくらかでもましな要素といえば一般的ワープの尺度での話で「重力偏差を気にする必要は多少減る」くらいでしょうね。
物体が亜光速で飛ぶ場合に生じてくる問題については、No.3662で古典SFファンさんが解説してくれています。亜光速で飛ぶ場合、星間物質との激しい衝突が問題になるわけですが、ラムスクープ場が「真空状態」を作ってくれるので大丈夫という理屈です。
(2巻の氷塊攻撃の際も、星間物質との衝突は問題になっていません)
- 親記事No.3581スレッドの返信投稿
- board4 - No.3825
Re:宇宙は危険で一杯だ
- 投稿者:S.K
- 2003年03月02日(日) 13時45分
> 横レスになります。
> > ところで「天気予報」御存知ですね。
> > 惑星上の移動でも大気の揺らぎ、海の潮に左右される事大な訳です。
> > 「光速ですっ飛ぶ質量船」は「完全な真空ルート」で「航路上に恒星系が存在する」なんてかなり限定された航路をとらないと星間物質に衝突してまず「遭難」確定ですね。
> > ワープよりいくらかでもましな要素といえば一般的ワープの尺度での話で「重力偏差を気にする必要は多少減る」くらいでしょうね。
>
> 物体が亜光速で飛ぶ場合に生じてくる問題については、No.3662で古典SFファンさんが解説してくれています。亜光速で飛ぶ場合、星間物質との激しい衝突が問題になるわけですが、ラムスクープ場が「真空状態」を作ってくれるので大丈夫という理屈です。
> (2巻の氷塊攻撃の際も、星間物質との衝突は問題になっていません)
「アルテミスの首飾り」には激突してますね。
人工衛星サイズの物体相手玉砕するようではやはり有人航行の進路
は選ぶのがいいと思いますが、2巻の氷塊って一方的に「アルテミスの首飾り」を爆砕してどこかに飛んでいったんでしたっけ?
それなら安全性についての星間物質分はまあ構わないですけど、他の
「重力偏差」その外については?
- 親記事No.3581スレッドの返信投稿
- board4 - No.3826
Re:Re3726:前提条件が間違いだらけの戦い
- 投稿者:Night
- 2003年03月02日(日) 14時39分
色々と考えてみたのですが、私としてはそろそろ「回廊の戦い」に関する議論はお開きにしたいと思っています。
主張したい事は言い尽くしてしまいましたし、議論の核となっているいくつかの問題が解釈、見解の相違の上に成り立っている以上、これ以上細かく議論しても得られるものはないかと思います。古典SFファンさんが仰っていたと思うのですが、討論ならば物別れで終わると言う結末も当然ありだと思いますので。
> 宝くじで一等を当てるレベルの「お手軽感覚」で、自分達の命運を左右することになるであろう「戦略構想」を練られては、ヤン麾下の将兵や部下達、およびヤンの軍事活動に命運を託す国および国民にとってはたまったものではありませんね。そもそも、宝くじのようなほとんど「僥倖」に全てを託すしかない「戦略や戦術を十全に整えることなく、運だの天佑だのに全てを委ねる愚行」を否定するところから、先に引用した「戦略には、勘なんかの働く余地はない」云々から始まるヤン・ウェンリー語録が語られていたのではなかったのですか?
宝くじはあくまで確率論を説明するために、「私が」引き合いに出してきたものであり、ヤンとは関係ありません。
一つ、前回の主張に不備があったとすれば、それは「ある程度の量をまとめ買いする」の「ある程度」とは、売られている全宝くじの3/4とか2/3といった大量のオーダーのつもりで言ったのですが、それが伝わらなかった事です。
> こんな言い分が通用するというのであれば、たとえば銀英伝1巻でフォークが提言した同盟の帝国領侵攻作戦などについても「勝算があった」と認めなければならなくなるではありませんか。帝国領侵攻作戦でも、その立案時点では、たとえば「ラインハルトが突然心臓発作で急死する」だの「ラインハルト以外の人間が迎撃の指揮に当たり、同盟軍に敗北する」だのといった「類稀なる僥倖」に恵まれなかったとは限らなかったのですから。宝くじレベルの「全てを運に任せた当たり外れ」を期待することを「事前予測として勝算があった」とみなしてもかまわないとするのであれば、当然フォークが立案したような杜撰な作戦でも「勝算があった」と考えても良いはずでしょう。あなたの主張を突き詰めてみれば、最終的にはこんな愚劣な結論にまで行き着かざるをえないのですけど。
> 「ヒルダの分析」云々も、論としては非常にバカバカしい限りですね。それは単にラインハルトの「夢の中でキルヒアイスが諌めに来たのだ」などという、下手をすると正気を疑われても文句の言えないラインハルトの脳内で行われた思考過程から推測した心理分析を行った「結果として出てきた仮説のひとつ」でしかなく、「その思考過程【自体】が『類稀なる僥倖』ではなかった」ということの証明には全くなりえないのですから。第一、和平の提案を行った時点におけるラインハルト軍は、むしろ物量作戦の実行によってヤン側を一方的に追い詰めてすらおり、和平を提案しなければならない必然性自体が戦術的にも戦略的にも全く存在しなかったのですがね。
> こんなヤンとラインハルトの身勝手な戦略構想などに振り回される部下や将兵達はいい面の皮でしかありませんよ。彼らは自分達の部下の生命を何だと思っているのでしょうか。
「類稀なる行幸」について色々と考えましたが、私としてはこれ以上議論を進めても意味がないという結論です。
私は、ヤンが善戦した事と、ラインハルトの停戦申し出の間には因果関係が成り立つと考えています。
逆に、冒険風ライダーさんは因果関係などないという考えなのでしょう。
私がそう考える理由は、実際の戦況や、重要なのは状況であってきっかけではないとする考え方、ヒルダの夢分析によります。しかし、それでは冒険風ライダーさんは納得しないのでしょう。
かといって、これ以上細かい議論をしようにも、ヒルダの夢分析の正当性や「もしラインハルトが夢を見なかったら」のような細かいIF論に立ち入らざるを得ず、このどちらに関してもあまりに混沌としすぎていて納得のできる結論は出ないでしょう。
であれば、これはもう解釈の相違として考える他ないと思います。
(ヒルダがわざわざあのような分析をしているのは、それはイコール作者自身の考えなのだろう、とは思うのですが、そのようなメタな議論はお好みでないでしょう)
> <次に、『多大な犠牲が出ることを承知の上の相手とは和平が成立しない』ですが、ラインハルトは多大な犠牲を出す事は想定していなかったでしょう。そこまでの意義がこの戦いにはありませんし、イゼルローンにヤンがあろうとも、帝国軍にもラインハルトがあり、何より、彼我の戦力差はとても大きなものでした。>
> <ラインハルトには「本来、この親征はこうあるべき」という当初計画があったのでしょう。『圧倒的多数の兵力を揃えた上でヤンと一大決戦を構え、用兵の妙を以ってこれを打ち倒す。残存兵力については各個撃破してもいいし、降伏させても良い。いずれにせよ、こちらの圧倒的優勢は揺るがないのだから、大きな犠牲は出ないだろう』というような。また、彼我の戦力差を単純に考えれば、この計画そのものは間違っているわけではありません。>
>
> 今までのヤンとの戦いで「多大な犠牲を出さなかった話」などほとんどありえなかったことなど、銀英伝の作中キャラクターのほぼ全員が知悉していることでしかないのに、この期に及んでラインハルトが、イゼルローン要塞に2~3万隻の戦力で立て籠もったヤンに対して、未だに「多大な犠牲は出さないであろう」などという希望的観測を前提としていること自体がおかしいのですよ。アムリッツァ、第8次イゼルローン要塞攻防戦、「神々の黄昏」作戦と、圧倒的な戦略的優位を確保していたにもかかわらず、戦術の妙を駆使したヤンとの直接対決で、帝国側がどれほどまでに煮え湯を飲まされたかを、まさかラインハルトは忘れてしまっているわけではないでしょうに。
> それにラインハルトは、ヒルダやミッターマイヤー・ロイエンタールなどから「皇帝がわざわざ出兵する必要はない」と忠告されていましたし、マリーンドルフ伯からは「回廊の両端を封鎖して孤立を長引かせれば良いではありませんか、あえて急戦を求めて解決を図る必要はないように思われます」と進言されており、それらの忠告が政治的には全く正しく、しかも自軍の損害を最小限に抑えられる事をも全て承知の上で、わざわざ親征を強行しているのですし、「イゼルローン要塞に籠もる敵と戦えば、最終的に勝てるにしてもその過程で数百万の将兵の生命が失われる」などという予測くらい、ラインハルトでなくても簡単に立てることができる類のものでしかないでしょう。もしラインハルトがその程度の予測すらも満足に立てられずに親征を強行していたとでも言うのであれば、ラインハルトを「軍事的天才」などと評価している作中記述自体が恐ろしくトンデモなシロモノでしかありません。
> 「回廊の戦い」は、ヤン側・ラインハルト側共に、戦いの前提条件自体が根本的に間違っているのです。愚将同士の愚劣な理由による愚かしい戦い、としか評しようがありませんね。
「当初計画」に関する議論ですが、再度、8巻P96を引用します。これは、御前会議に参加したミュラーの独白です。
> イゼルローン回廊に侵入する以前と較べても、すでにファーレンハイトとシュタインメッツの両上級大将が戦没している。自由惑星同盟を滅亡せしめた後、政治的にはその余喘に過ぎぬヤン・ウェンリーの一党に、これほどの苦闘を強いられるとは、皇帝ですら想像しえたかどうか。双方の戦力差と、戦いの目的とを考慮すれば、これまでのところは帝国軍の敗勢を認めざるをえない。
ミュラーは、『ヤンにこれほど苦戦するとは想像できなかった。それは皇帝も同様だったであろう』と素直に独白しています。彼らが苦戦を想像できなかった理由は、圧倒的多数の兵力による弱小兵力の圧殺という(それ自体は正しい)用兵上の考察だったのでしょう。
ミュラーもラインハルトも愚か者なのだ、と冒険風ライダーさんが仰るなら、それはもう解釈、見解の相違と申し上げるしかありません。
あと、この後にも色々と続くのですが、ほとんどの議論の根底にあるのは「類稀なる僥倖」「当初計画」「ラインハルトの人物像」なので、これ以上続ける意味はないと思っています。
バーミリオンの時の二の舞になる危険については、ヤンは、エル・ファシル独立政府の首脳部をイゼルローンに避難させると言う形で、最低限の保険をかけています。それ以上の措置は兵力からしてしたくてもできなかったでしょう。
冒険風ライダーさんの「書かれていないところからの推論は一切認めない」という宣言については、色々と思うところがあるのですが、それについてはまたの機会があれば、という形にしたいと思います。
- 親記事No.3581スレッドの返信投稿
- board4 - No.3827
Re:宇宙は危険で一杯だ
- 投稿者:Night
- 2003年03月02日(日) 15時28分
> > > ところで「天気予報」御存知ですね。
> > > 惑星上の移動でも大気の揺らぎ、海の潮に左右される事大な訳です。
> > > 「光速ですっ飛ぶ質量船」は「完全な真空ルート」で「航路上に恒星系が存在する」なんてかなり限定された航路をとらないと星間物質に衝突してまず「遭難」確定ですね。
> > > ワープよりいくらかでもましな要素といえば一般的ワープの尺度での話で「重力偏差を気にする必要は多少減る」くらいでしょうね。
> >
> > 物体が亜光速で飛ぶ場合に生じてくる問題については、No.3662で古典SFファンさんが解説してくれています。亜光速で飛ぶ場合、星間物質との激しい衝突が問題になるわけですが、ラムスクープ場が「真空状態」を作ってくれるので大丈夫という理屈です。
> > (2巻の氷塊攻撃の際も、星間物質との衝突は問題になっていません)
>
> 「アルテミスの首飾り」には激突してますね。
> 人工衛星サイズの物体相手玉砕するようではやはり有人航行の進路
> は選ぶのがいいと思いますが、2巻の氷塊って一方的に「アルテミスの首飾り」を爆砕してどこかに飛んでいったんでしたっけ?
> それなら安全性についての星間物質分はまあ構わないですけど、他の
> 「重力偏差」その外については?
そもそも、氷塊は「アルテミスの首飾り」に激突させるために飛ばされたものなのですが。
ラムスクープ場がどのようなデブリにまで有効なのか、私は数字を持っていないので何とも言えません。また、そのようなデブリにより、銀英伝宇宙におけるイオン・ファゼカス当時のアルタイル星系近辺の「有人航行の進路」がどのように限定されてくるかなど、全く分からないと言うほかありません。
あと、No.3811の投稿を何度か読み直してみたのですが、上の”「重力偏差」その外について”というのが、どのような問題を指しているのかよく分かりません。詳しく教えていただければ幸いです。
- 親記事No.3581スレッドの返信投稿
- board4 - No.3828
Re:宇宙は危険で一杯だ
- 投稿者:S.K
- 2003年03月02日(日) 16時39分
>> > 「アルテミスの首飾り」には激突してますね。
> > 人工衛星サイズの物体相手玉砕するようではやはり有人航行の進路
> > は選ぶのがいいと思いますが、2巻の氷塊って一方的に「アルテミスの首飾り」を爆砕してどこかに飛んでいったんでしたっけ?
> > それなら安全性についての星間物質分はまあ構わないですけど、他の
> > 「重力偏差」その外については?
>
> そもそも、氷塊は「アルテミスの首飾り」に激突させるために飛ばされたものなのですが。
つまり「壊れた」訳ですね、「貫通」してハイネセンに落下したりせず。
では「ラムスクープ場」の安全性は推して知るべしですね。
> ラムスクープ場がどのようなデブリにまで有効なのか、私は数字を持っていないので何とも言えません。また、そのようなデブリにより、銀英伝宇宙におけるイオン・ファゼカス当時のアルタイル星系近辺の「有人航行の進路」がどのように限定されてくるかなど、全く分からないと言うほかありません。
「安全とは言いきれない」「抜け道が必ずある手段」での逃避行でなければ「自殺行為」でしょうね。
「他の方法を模索」した方がはるかにましでしょうね、「ワープ宇宙船を作る」とか。
> あと、No.3811の投稿を何度か読み直してみたのですが、上の”「重力偏差」その外について”というのが、どのような問題を指しているのかよく分かりません。詳しく教えていただければ幸いです。
>
ひとつお詫び、「その外」は「その他」の間違いです失礼。
で、極端な重力偏差例は5巻でシュタインメッツ艦隊に痛撃を与えたあのブラックホールですか。
あとは次元の歪み、中性子星やらが空間に与える通常以上の重力の影響を差しています。
古典SFとまでいいませんから「宇宙航海」の出てくるスペオペか、せめて「宇宙戦艦ヤマト」あたりでも見ましょうよ、聞くより意味合いが理解できますから。
といいますか御自分で「何ともいえない」論拠で横レスって何ですか。
- 親記事No.3581スレッドの返信投稿
- board4 - No.3829
Re:Re3726:前提条件が間違いだらけの戦い
- 投稿者:パンツァー
- 2003年03月03日(月) 13時16分
ヤン達が回廊に篭って戦闘する選択が愚かとする冒険風ライダーさんの結論には、私もまったく同意しています。そこで、私が同意する論拠をここで述べてみたいと思います。
「移動要塞」が実現化すると、ヤンの取り得る戦略自由度の点において、大幅な拡大が見られます。
イゼルローン回廊で静止要塞に篭る以上は、回廊でラインハルトが来襲するのを待つ、という選択肢しかありません。
これに対して、要塞を移動化したならば、多くの戦略を取る自由度をヤンは得ることになります。
「移動要塞」をヤンが手にした場合は、要塞と共に一旦イゼルローン回廊を離れた後、再び回廊内で篭ってラインハルトが来襲を待つ、という選択をも可能であるのに対し、「移動要塞」をヤンが手にしない場合は、これ以外の選択肢はないのです。
また、ラインハルトの軍事ロマンティズムとプライドに期待して、ラインハルト軍の来襲を待って勝機を掴む、という点においても、「移動要塞」をヤンが手にしている場合の方が、圧倒的に有利です。
というのも、まず、「移動要塞」を手にしていないヤンは、戦闘宙域の決定権をまったく有するものではなく、必然的に回廊内が予定戦闘宙域となります。
これに対して、「移動要塞」を手にしたヤンは、戦闘宙域の決定権を部分的にではあっても有することができます。つまり、回廊外に予定戦闘宙域を求めることが可能となるのです。
回廊に篭って戦闘するということは、
第一に、敵の十分な戦力集中を招いてしまう、ことを意味します。
第二に、敵の圧倒的な戦力集中を招くがために、ヤンの側は、艦隊運用を事実上不可能化されてしまうことを、意味します。
ヤンが艦隊を運用するならば、つまり篭城戦ではなく野戦であったならば、作中事実で現れているように、ラインハルトの艦隊を各個撃破することも可能なのです。
つまり、回廊に篭って戦闘するということは、圧倒的に不利な戦力比に加えて、その戦力比を覆すような有効活用の道すら、自ら放棄することを意味するわけです。
また、要塞を要塞にぶつければ良い、という要塞攻略法は、ヤンおよびラインハルトが作中において、気がついている事実となっています(氷塊を用いた質量弾による攻撃は、ラインハルトが気が付かないにしても)。
回廊内に篭るヤンを、一旦は艦隊のみで攻略し始めたラインハルトが、途中で要塞を要塞にぶつけるという方策に切換える可能性も無視できないものです。要塞は、ガイエスブルグの他にも8個ほどが存在していたかと思います。
少なくともヤンは、ラインハルトならば要塞を要塞にぶつけるという攻略法を思いつくだろう、と推測しているのですから、ラインハルトがこの戦略を取った場合にはお手上げ状態であることを自覚しているわけです。
ヤンが「移動要塞」を手にしていれば、この種の質量弾攻撃(要塞衝突攻撃)をも、戦略的に避けることができます。「移動要塞」の座標がラインハルト軍の偵察行動により露見次第、直ちにワープして逃避すればよいのですから。要塞を要塞にぶつけるという要塞攻略法(質量弾による攻略法)をも、事実上避けることが可能です。少なくとも、「移動要塞」を手にしていない場合よりは、圧倒的に高い回避率を有するわけです。
まとめると、
「移動要塞」をヤンが手にすれば、アンネローゼを誘拐するもよし、戦略爆撃(?)を帝国の各星系に加えるもよし、その他数多くの戦略を取りうる自由度を得るわけです。
加えて、作中のヤンが取った戦略と同様に、ラインハルトの軍事ロマンティズムとプライドに期待して、ラインハルト軍の来襲の中で勝機を掴む戦略を採用した場合であっても、「移動要塞」を手にすることで、ヤンは戦闘宙域決定の自由度を有することができて、状況が圧倒的不利の状況から大きく改善されるということです。
ラインハルトの軍事ロマンティズムとプライドに期待する戦略を採用する場合でも、「移動要塞」をヤンが手にした方が、手にしない場合に比して、大きく有利な状況となるのですから、この議論の優劣は明白だと思いますが、いかがでしょうか。
- 親記事No.3581スレッドの返信投稿
- board4 - No.3830
Re:宇宙は危険で一杯だ
- 投稿者:Night
- 2003年03月03日(月) 17時06分
> > あと、No.3811の投稿を何度か読み直してみたのですが、上の”「重力偏差」その外について”というのが、どのような問題を指しているのかよく分かりません。詳しく教えていただければ幸いです。
> >
> ひとつお詫び、「その外」は「その他」の間違いです失礼。
> で、極端な重力偏差例は5巻でシュタインメッツ艦隊に痛撃を与えたあのブラックホールですか。
> あとは次元の歪み、中性子星やらが空間に与える通常以上の重力の影響を差しています。
> 古典SFとまでいいませんから「宇宙航海」の出てくるスペオペか、せめて「宇宙戦艦ヤマト」あたりでも見ましょうよ、聞くより意味合いが理解できますから。
上のようなことは分かっています。私が聞きたかったのは、それが今回の議論にどう関わってくるかです。
アルタイル星系の近辺にブラックホールや中性子星や重い恒星があるというような記述には心当たりがありません。また、それらがあったとしても、亜光速船にとってどのような問題があるとS.Kさんは仰りたいのですか。
> といいますか御自分で「何ともいえない」論拠で横レスって何ですか。
そのように思うのは、S.Kさんが、自分自身の主張している事の意味を理解されていないからだと思います。
まず、明らかにしておきたいのですが、「宇宙は危険で一杯である」という主張を始めたのはS.Kさんです。であれば、宇宙が危険であることを立証する責任はS.Kさんにあるのであって、他の誰にあるのでもありません。
では、宇宙が危険であることを立証するとは、どういう事でしょうか。
それは、その危険の度合いを定量化し、説得力をもって説明する事です。
例えば、飛行機は墜落することがあります。しかし、我々は飛行機に乗る事を、格別に危険であるとも、自殺行為であるとも思いません。それは何故でしょうか。
それは、飛行機は確かに墜落する事はあるが、それは何万回にも渡るフライトの中のごくわずかな事例である事を知っているからです。
そのような量の問題を無視して、『飛行機は墜落する可能性がある。だから、飛行機に乗るのは危険で、自殺行為だ』と主張したとしても、失笑を買うだけです。
上を踏まえて、宇宙が危険であることを立証するにはどうすればよいでしょうか。
まず、上に挙げた飛行機の例のような帰納的なアプローチがあります。つまり、以下のような形の主張です。
『アルタイル星系から飛び立った亜光速船を沢山知っているが、そのほとんどは途中でデブリに激突して沈んでしまった。だから、亜光速船を使うのは危険な自殺行為だ』
もう一つは、演繹的なアプローチがあります。
『ラムスクープ場とラムジェットで処理できるデブリの大きさはx立方メートルまでである。しかるに、このアルタイル星系近辺のデブリの散らばり方は惨憺たる物で、そのまま飛び出したら危険なデブリにぶつかる危険がx%もある。だから、亜光速船を使うのは危険な自殺行為だ』
私が「何とも言えない」と言ったのは、上のアプローチの両方とも、主張するのに必要な材料が不足していると考えたからです。分からない事は分からないと認めるしかない。そこで根拠もなく『宇宙は危険である』と断言する事も、『宇宙は安全である』と断言する事も、同じように無責任な発言であると思うからです。
(厳密に言うと、アルタイル第七惑星は「見捨てられた惑星」だそうですから、そのような辺境に危険なデブリが大量に転がっているとも思えないのですが、明確な記述もないので『安全である』と断言することは避けたと言う事です)
S.Kさんは亜光速船を使う事を、危険で、自殺行為と断言しています。では、その結論はどこから導かれたのでしょうか。
上に挙げたような帰納・演繹的なアプローチを用いて結論を導き出したのでしょうか。であれば、その論理の筋道を明らかにした上で、議論を進めるべきです。
そうではなく、思いつきとフィーリングで結論を導き出したのでしょうか。であれば、S.Kさんは自分の主張していることの意味について、自分自身でも良く理解していないのです。それは、上に挙げたような『飛行機は墜落する可能性がある。だから、飛行機に乗るのは危険で、自殺行為だ』と言う主張と大差ありません。
- 親記事No.3581スレッドの返信投稿
- board4 - No.3831
Re:Re3726:前提条件が間違いだらけの戦い
- 投稿者:八木あつし
- 2003年03月03日(月) 17時24分
> まとめると、
> 「移動要塞」をヤンが手にすれば、アンネローゼを誘拐するもよし、戦略爆撃(?)を帝国の各星系に加えるもよし、その他数多くの戦略を取りうる自由度を得るわけです。
> 加えて、作中のヤンが取った戦略と同様に、ラインハルトの軍事ロマンティズムとプライドに期待して、ラインハルト軍の来襲の中で勝機を掴む戦略を採用した場合であっても、「移動要塞」を手にすることで、ヤンは戦闘宙域決定の自由度を有することができて、状況が圧倒的不利の状況から大きく改善されるということです。
>
> ラインハルトの軍事ロマンティズムとプライドに期待する戦略を採用する場合でも、「移動要塞」をヤンが手にした方が、手にしない場合に比して、大きく有利な状況となるのですから、この議論の優劣は明白だと思いますが、いかがでしょうか。
チワース( ̄▽ ̄)ノ
一つお伺いしたいのですが肯定派のパンツァーさんは、銀英伝のストーリー・各種設定上、ヤン・ウェンリーがイゼルローン要塞を移動要塞に改造できたと思いますか?
・要塞決戦からラグナロック作戦によるロイエンタール軍侵攻までの約半年。
・ヤンのイゼルローン奪還からラインハルト軍(ビッテンフェルト・ファーレンハイト艦隊)の回廊襲来までの約3ヶ月。
この2つで冒険風ライダーさんとは、そこそこやり合ったのですが、よろしければパンツァーさんのご意見をお聞かせください。
- 親記事No.3625スレッドの返信投稿
- board4 - No.3832
Re:とりあえず数点だけ
- 投稿者:Ken
- 2003年03月05日(水) 13時11分
>根拠があって、それをもとにして結論を導くという作業を行います。
>結論を導くのに利用した根拠がすべて作品中にあるのならば、別に問題はないのです。
>根拠の一部でも作品外から引用するのであれば、そのときに立証責任が生じるといっているのです。
パンツァーさんのこの発言自体は理解できます。
ただ、適用のしかたには、納得ができません。
作品中の人物たちが、遠征途上の艦船の燃料補給について論じている記述がない。それに対するひとつの解釈として、銀英伝の艦船が燃料を必要としない、というものもあるでしょう。しかし、燃料を必要とするが、銀英伝に描かれる作戦中の航行距離(1~2万光年)なら積載燃料に余裕がある、という別の解釈だって可能なはずです。なぜ、一方は作中記述からの考察で、他方は外部からの設定持ち込みになるのでしょうか?
<結論としての「恒久的移動要塞」「無限の自給自足能力」を問うているわけではありません。立証責任の対象としているのは、あくまで「根拠」の方です。無論、立証責任を解決していない「根拠」を前提に結論を導けば、その「結論」も立証責任を要するものとなります。>
つまり冒険風ライダー氏は、無限の自給自足能力自体を証明したといっているわけではない、ということですか?でも、私が以前に引用した氏の発言はどうなりますか?
<(#1896)
私は「要塞にはエネルギー、資源を無限に生産する魔法のようなシステムが付いている」と定義しています。これを立証する状況証拠は、件のユリアンとキャゼルヌの会話以外にもたくさん存在しますし、またそう考えなければ説明できなくなる描写もありますので。(中略)これもイゼルローン要塞に半永久的な自給自足能力が存在することを充分に立証するものです。>
<(#1960)
「無限の自給自足能力は実在し、かつ移動しながらの自給自足システムも技術的に可能である」ことを立証するという目的はある程度達成されたわけですから>
どう読んでも、「根拠」ではなく、「結論」の方を立証した、といっているように思えますが。
<また、上の田畑の例を参考にして欲しいのですが、「無限」というのは、生産が限りなく続く、の意味であって、単位時間辺りの生産量が無限だというわけではありません。単位時間あたりの生産量に関しては、八個艦隊の運用は可能、と作中事実は示しています。>
帝国領侵攻時のキャゼルヌの補給計画に関する考察は、八木あつしさんが言われたとおりだと思います。3000万人のための補給物資がイゼルローンで生産されたという記述はありません。
またイゼルローンに拠るヤン艦隊や、八月の新政府軍の物量を示す唯一の指標として、作中に記述があるのは、艦船数ですが、これの推移は次のようになります。
800年4月、回廊の戦いの前:28,840隻(乱離篇、第二章-1)
ビッテンフェルト/ファーレンハイト艦隊との戦闘後:二万隻を割りこみ(同、第四章-2)
801年5月:1万隻強(落日篇、第五章-4、帝国側による推定)
シヴァ星域の会戦:9800隻(同、第七章-2)
シヴァ星域会戦は、回廊の戦いから1年以上経過していますが、上記のようにイゼルローン軍の保有艦艇数は、減るばかりで回復がみられません。
あるいは、艦船というものは簡単には作れないものなのかもしれません。しかし、アーレ・ハイネセンたち逃亡奴隷でも、80隻を建造しています。銀河帝国が国力を傾けて作った軍事拠点なら、ハイネセンたちとは比較を絶した生産能力を擁していても不思議ではないのに、現実は上のとおりです。
こうしてみると、イゼルローン要塞は、無限の自給自足能力どころか、軍事拠点としての基本的な生産能力すら欠けているのではないでしょうか?
ところで、銀英伝には無人艦隊は二度登場します。第五次イゼルローン攻防戦のときと、シヴァ星域会戦のときです。とくにシヴァ星域会戦の部分では、これが同盟軍の伝統的先方であるとの記述があります。
~ラインハルトの体調が万全であれば、ユリアンの詭計を看破しえたかもしれない。いや、おそらく看破したであろう。冷厳に判定すれば、ユリアンの詭計はヤン・ウェンリーの亜流であるにすぎない。ヤンは無人艦をしばしば魔術の素材に使ったし、さらに戦術学史をさかのぼれば、シドニー・シトレ元帥がその戦法によるイゼルローン要塞攻略をこころみた。ある意味で、同盟軍にとって伝統的な戦法であろう。~
(落日篇、第七章-3)
<なぜですか?
「無補給航行」の原理が不明、というだけの話です。
ワープエンジンの原理も不明ですが、原理が不明なので、アウトにしますか?
論じるに際して、同一の基準を適用してください。>
ワープエンジンと同一の基準を適用したら、それこそ、その瞬間に無補給航行はアウトでしょう。
銀英伝世界でワープが実現していることは、いくらでも直接記述があります。ところが、「某艦船が無補給航行した」などという記述はどこにもありません。この点では、無補給航行は、ガイエスブルグの一例がある移動要塞よりも、さらに根拠が薄弱です。演繹を行おうにも、本発言の冒頭に述べたように、別の解釈が可能ですし、帰納を行おうにも、直接記述された例が一つもありません。せめて、無補給航行の原理を説明しそうな作中記述を見つけてきてはいかがでしょうか?
作品記述にのみもとづいて考察する、というスタンスは結構ですが、もうすこし直接記述と、そこから出発した定量的考察に重きをおいてはいかがでしょうか?間接的な推測は、しょせん解釈のひとつにすぎず、根拠として弱すぎます。
<これも、どこかで述べたと思いますが、
ワープというのは、燃費の点から言っても画期的な技術かもしれません。スタートレックの世界では、そのようになっています。
すくなくとも、アインシュタインの公式を元に、質量欠損エネルギーを運動エネルギーに転化する式の論理は当てはまらないでしょう。>
外部からの設定持ち込みを禁じ手にしている人が、スタートレックを持ち込んでどうするのです。
アインシュタインの公式が、無補給航行可・不可議論と、どう関連するのか分かりませんが、冒頭に書いたように、作中記述に対する別の解釈が成立する以上、無補給航行が作中で証明されているとはいえないでしょう。
<元投稿で、敵地であるとかないとか、Kenさんはそんな理由を述べていたように思いますが、それは補給路の切断が容易か否かの問題であって、補給線が必要か否かの問題ではありません。つまり、これは、関わりがありません。>
銀英伝世界に無補給航行が存在すると主張する「根拠」は、登場人物が燃料補給に言及しない、という点にあるのでしょう?しかし、補給が必要でも、それを切断される心配が皆無なら、ラインハルトや提督たちが、それを問題に取り上げなくても不思議ではないでしょう。補給は、帝国内に完成しているインフラを信頼できるのですから。せいぜい中級士官の事務的な懸案事項にすぎないはずです。
たしかに、銀英伝では、本拠を離れて航行するとき、食料や物資の補給の重要性が繰り返し語られています。しかし、もう少し詳しく作品を検証してみてください。自陣営の完全な制圧下にあり、敵の攻撃が考えられない状況でも、登場人物は補給の心配をしていますか?そのような作中記述はありますか?例えば、ウルヴァシー事件の前、ラインハルトがノイエ・ラントのロイエンタールを訪問する航海で、誰かが食料補給に言及していますか?フェザーンからハイネセンまで、数千光年の航行のはずですが。
ところで、パンツァーさんにぜひ尋ねてみたいことがあります。
Nightさんは、イオン・ファゼカス号が大質量ワープなら、ガイエスブルグのワープが新技術ととられるはずがない、という問題を指摘されていますが、これまでのところ、恒久移動要塞を肯定する人たちの誰れ一人として、まともに答えてはおられません。パンツァーさんは、この指摘にどのように回答されますか?
「肯定派」の人たちは、シェーンコップの発言やヤンの発言を引用して、大質量ワープが新技術ではない、という発言はしています。しかし、Nightさんの指摘は、実際に新技術かどうかではなく、新技術と「みなされるか」どうか、です。銀英伝世界の人がイオン・ファゼカスのワープを覚えていれば、ムライの発言はもちろん、シェーンコップの発言すらそもそもなされていないでしょう。皆が常識的にしっていることを解説する必要はありません。
冒険風ライダー氏が引用したヤンの言葉も同様です。
<移動要塞戦術を指して「見た目ほどに衝撃的な新戦法というわけではないが」と評しているわけです。>(#3787)
イオン・ファゼカス号の前例があるなら、「見た目にも」衝撃的な新戦法ではないでしょう。
皆さんご存知のとおり、銀英伝世界では補給が常に問題になっています。大質量のワープができるなら一挙に問題が解決するではありませんか。作者による数値の変更が明らかになった、輸送船のトン数の記述を思い出してください。
~五〇〇○万人の一八〇日分の食糧といえば、穀物だけでも一〇〇〇万トンに達するであろう。二〇万トン級の輸送船が五〇隻必要である。第一、それはイゼルローンの食糧生産・貯蔵能力を大きく凌駕していた。~
要塞でなくても40兆トンをワープさせられるなら、5000万人の72万日すなわち1900年分の食料を運べるではありませんか。
昨年の移動要塞論争の中で、冒険風ライダー氏は、恒久移動要塞は「コロンブスの卵」だと述べています。(#1793)
しかし、コロンブスの卵とは、やってみれば簡単だが、それまでだれも思いつかなかったことを意味します。皆が覚えている過去の事例があるなら、コロンブスの卵とはいいません。
これがコロンブスの卵なら、こういうことが起こったことになります。
昔、卵のはしをつぶして平らにし、卵を立てた人がいました。
このエピソードは、建国の物語の一部になっていて、知らない人はいません。
さて、人々は、卵をどうやって立てられるか、年中、頭を悩ませていました。
ある人が、卵のはしをつぶして平らにし、卵を立てました。
こんなことが本当に起こったと思いますか?とNightさんは尋ねているのです。
- 親記事No.3581スレッドの返信投稿
- board4 - No.3833
ボランティア回答
- 投稿者:S.K
- 2003年03月06日(木) 10時05分
> > > あと、No.3811の投稿を何度か読み直してみたのですが、上の”「重力偏差」その外について”というのが、どのような問題を指しているのかよく分かりません。詳しく教えていただければ幸いです。
> > >
> > ひとつお詫び、「その外」は「その他」の間違いです失礼。
> > で、極端な重力偏差例は5巻でシュタインメッツ艦隊に痛撃を与えたあのブラックホールですか。
> > あとは次元の歪み、中性子星やらが空間に与える通常以上の重力の影響を差しています。
> > 古典SFとまでいいませんから「宇宙航海」の出てくるスペオペか、せめて「宇宙戦艦ヤマト」あたりでも見ましょうよ、聞くより意味合いが理解できますから。
>
> 上のようなことは分かっています。私が聞きたかったのは、それが今回の議論にどう関わってくるかです。
> アルタイル星系の近辺にブラックホールや中性子星や重い恒星があるというような記述には心当たりがありません。また、それらがあったとしても、亜光速船にとってどのような問題があるとS.Kさんは仰りたいのですか。
>
Nightさんの名誉のために冗談だと思っておきましょう、あまり面白くないとしかいいようがないので申し訳ありませんが。
「5巻のシュタインメッツ艦隊よろしくブラックホールで圧壊したくない、ドライアイスの船体に負担をかけたくない、異常重力で計器類の異常を起こしたくないなら迂回は必然であり、そうなれば益々脱走者は五十年で同盟領に到達する事も、当然そうした危険のない航路に重点的に網を張っている帝国艦隊をやり過ごす事も困難になる。『ワープ船』ならワープアウト地点の安全さえ確保できていればこれらの困難の大半は回避しうる物である」と言っているに決まっているでしょう。
> > といいますか御自分で「何ともいえない」論拠で横レスって何ですか。
>
> そのように思うのは、S.Kさんが、自分自身の主張している事の意味を理解されていないからだと思います。
> まず、明らかにしておきたいのですが、「宇宙は危険で一杯である」という主張を始めたのはS.Kさんです。であれば、宇宙が危険であることを立証する責任はS.Kさんにあるのであって、他の誰にあるのでもありません。
> では、宇宙が危険であることを立証するとは、どういう事でしょうか。
> それは、その危険の度合いを定量化し、説得力をもって説明する事です。
>
> 例えば、飛行機は墜落することがあります。しかし、我々は飛行機に乗る事を、格別に危険であるとも、自殺行為であるとも思いません。それは何故でしょうか。
> それは、飛行機は確かに墜落する事はあるが、それは何万回にも渡るフライトの中のごくわずかな事例である事を知っているからです。
> そのような量の問題を無視して、『飛行機は墜落する可能性がある。だから、飛行機に乗るのは危険で、自殺行為だ』と主張したとしても、失笑を買うだけです。
>
> 上を踏まえて、宇宙が危険であることを立証するにはどうすればよいでしょうか。
> まず、上に挙げた飛行機の例のような帰納的なアプローチがあります。つまり、以下のような形の主張です。
>
> 『アルタイル星系から飛び立った亜光速船を沢山知っているが、そのほとんどは途中でデブリに激突して沈んでしまった。だから、亜光速船を使うのは危険な自殺行為だ』
>
> もう一つは、演繹的なアプローチがあります。
>
> 『ラムスクープ場とラムジェットで処理できるデブリの大きさはx立方メートルまでである。しかるに、このアルタイル星系近辺のデブリの散らばり方は惨憺たる物で、そのまま飛び出したら危険なデブリにぶつかる危険がx%もある。だから、亜光速船を使うのは危険な自殺行為だ』
>
> 私が「何とも言えない」と言ったのは、上のアプローチの両方とも、主張するのに必要な材料が不足していると考えたからです。分からない事は分からないと認めるしかない。そこで根拠もなく『宇宙は危険である』と断言する事も、『宇宙は安全である』と断言する事も、同じように無責任な発言であると思うからです。
> (厳密に言うと、アルタイル第七惑星は「見捨てられた惑星」だそうですから、そのような辺境に危険なデブリが大量に転がっているとも思えないのですが、明確な記述もないので『安全である』と断言することは避けたと言う事です)
>
> S.Kさんは亜光速船を使う事を、危険で、自殺行為と断言しています。では、その結論はどこから導かれたのでしょうか。
> 上に挙げたような帰納・演繹的なアプローチを用いて結論を導き出したのでしょうか。であれば、その論理の筋道を明らかにした上で、議論を進めるべきです。
> そうではなく、思いつきとフィーリングで結論を導き出したのでしょうか。であれば、S.Kさんは自分の主張していることの意味について、自分自身でも良く理解していないのです。それは、上に挙げたような『飛行機は墜落する可能性がある。だから、飛行機に乗るのは危険で、自殺行為だ』と言う主張と大差ありません。
>
上記参照。
Nightさんが自己浮遊で飛行できるならお知らせ下さい。
一つ「重力」「引力」というものについて考察いたしましょう。
ついでにNightさんの冗談より面白そうなので自腹で参上しますから是非宇宙空間で10分間無装備で漂って見せてください。
宇宙航行の危険性についてはそれから考え直したいと思います。
いい加減Nightさんの保育士じゃないんですからあんまり何才児なのかを疑うような反論は遠慮していただきたいのですが。