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Re:ウィンザー議長の帝国領侵攻作戦

投稿者:八木あつし
2002年11月30日(土) 14時37分

八木です。ご無沙汰しております。ヽ(;´Д`)ノ
イッチーさんのシミュレーションの展開には、いつも脱帽しております。まさか、私のウィンザー議長案からここまでいくとは……。

>ウィンザー夫人について
ウィンザー夫人のモデルは、さすがにサッチャーではないと思います。大英帝国を崇拝する田中氏が、サッチャーをモデルにしてあの程度の理性のキャラクターにはならないのでは。
むしろ、反戦市民団体の代表をやっているおばさんというところじゃないですか? 「反戦」おばさんを「好戦」おばさん(笑)に変えたぐらいで。現在でいえば、田中真紀子や土井たか子といった政治家が当てはまりそうですね。
ウィンザー夫人の小市民バージョンが創竜伝の花井夫人(名前こうだったっけ)。これまた創竜伝で、ウィンザー夫人の醜悪なパロディとして愛国・主戦で突き詰めていったのが小早川奈津子でしょう。田中氏の女性キャラクターのバリエーションは少ないので、そんな気がしています。
私は、ウィンザー夫人を1巻でご退場にしたのは、非常に勿体ないと思いました。彼女ならば、反戦平和団体代表(笑)ジェシカ・エドワーズ議員の強力なライバルになってくれたはずだからです。
トリューニヒトも救国軍事会議の軍人も男です。若い女性の反戦平和の正論には太刀打ちできません。主戦派のおばさんのみが太刀打ちできるでしょう!

>> 陣容はアムリッツア星域会戦のときと同じだと勘違いしていました。でも、本当に全軍が出撃するなんていくらなんでも無謀だと思うのですが。
>私も無謀だと思います。まあ、全軍出撃というのを考えたのは私ではありませんが。(笑)別にアムリッツアと同じ陣容であっても問題はないですし、どこか目立たない艦隊が留守部隊として残っていると考えても良いですし。

ワハハハハ。私が最初に言ったことですね。大丈夫です。ウィンザー議長は、フェザーンからの侵攻があるとはまず考えません。ラインハルトも、この時期ではフェザーン侵攻を実行できないでしょう。
イゼルローン要塞があれば帝国の侵入を防げるのだから、全軍を出撃させても大丈夫!と「素人」考えで突っ走りそうな気も。それを統合作戦本部が必死に思いとどまらせそうです。「せめて1個艦隊は本国に残しましょう」って感じで。

それにしても、アンドリュー・フォーク准将はどうしましょう。彼の性格を考えると、イゼルローン要塞に籠もっていそうですが。その上、本国と前線の通信を阻害しそうですね。しかもヘタにウィンザー議長に取り入った場合、手に負えなくなりますね。

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board4 - No.3306

Re:ウィンザー議長の帝国領侵攻作戦

投稿者:イッチー
2002年11月30日(土) 16時57分

八木さま、おひさしぶりです。

> >ウィンザー夫人について
> ウィンザー夫人のモデルは、さすがにサッチャーではないと思います。大英帝国を崇拝する田中氏が、サッチャーをモデルにしてあの程度の理性のキャラクターにはならないのでは。
> むしろ、反戦市民団体の代表をやっているおばさんというところじゃないですか? 「反戦」おばさんを「好戦」おばさん(笑)に変えたぐらいで。現在でいえば、田中真紀子や土井たか子といった政治家が当てはまりそうですね。
 田中氏が銀英伝を著したのは、マドンナブーム(懐かしい・・・)が起こる前で当時の日本では女性政治家も少なかったと思うのですが、ウィンザー夫人のような政治家像を描き出したのは、田中氏に先見の明があったということでしょうか(笑)。

> それにしても、アンドリュー・フォーク准将はどうしましょう。彼の性格を考えると、イゼルローン要塞に籠もっていそうですが。その上、本国と前線の通信を阻害しそうですね。しかもヘタにウィンザー議長に取り入った場合、手に負えなくなりますね。

フォークの性格からして、ウィンザー議長の作戦を「無謀」と見抜いて、責任を逃れるためにうまく本国の留守部隊の一員として本国に居残るのではないでしょうか。ところが、予想に反して、作戦は「成功」し、彼は自分自身が手柄をたてるために「第二次帝国領侵攻作戦」を最高評議会に提出するといったところでしょうか。

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board4 - No.3307

Re:ウィンザー議長の帝国領侵攻作戦

投稿者:僧侶T
2002年12月01日(日) 08時08分

 どうも、僧侶Tです。
> > それにしても、アンドリュー・フォーク准将はどうしましょう。彼の性格を考えると、イゼルローン要塞に籠もっていそうですが。その上、本国と前線の通信を阻害しそうですね。しかもヘタにウィンザー議長に取り入った場合、手に負えなくなりますね。
 拙僧は、あの後、ロボスが自らオーディン1番のりをしようとしたのは、作戦参謀のフォークがそそのかしたせいではないか、と思うようになりました。「敵国の首都に、遠征軍総司令官が1番のり!」などという発想は、あの無気力おじさんのロボスのものとするより、虚名のとりこのフォークのものとしたほうがより似つかわしい気がしたからです。ですから、フォークはヴァルハラ星域の上空でロボス、グリーンヒルとともに戦死してしまったのではないかと思っています。かなり惜しいとは思いますが。
 それから、この帝国領侵攻作戦の後のことなのですが、帝国は屈辱を晴らすため、と称してラインハルトにイゼルローン要塞攻略を命じるのではないかと思います。(ただし、貴族たちの本当の狙いはラインハルトの持つ戦力を削ること)当然、ラインハルトはイゼルローンに遮二無二攻めかかる愚を知っていますから、戦いは長期化すると思います。となると、ラインハルトは皇帝急死の報を、首都から遠く離れた前線で聞くことになるのではないでしょうか。このことは、権力闘争においては致命的な不利をもたらすのではないかと思います。
 ・・・その結果として、ブラウンシュバイク公の娘、エリザベートが即位、ブラウンシュバイク公が摂政になり、リヒテンラーデ侯とラインハルトは罷免されてしまう。出し抜かれて激怒するリッテンハイム侯とラインハルトは、そして思わぬ好機到来に色めき立つ、ウィンザー率いる同盟政府はどう動くのか?大人しくブラウンシュバイク公の命令に従うはずのないラインハルトとリッテンハイム侯、更なる戦果拡大を図ろうとする同盟、せっかく手に入れた権勢を死守しようとするブラウンシュバイク公。いったいどのような組み合わせが生まれ、どのような経過をたどり、どのような結末を迎えるのか。興味深いところです。

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Re:ウィンザー夫人のモデル

投稿者:不沈戦艦
2002年12月01日(日) 14時32分

> > >ウィンザー夫人について
> > ウィンザー夫人のモデルは、さすがにサッチャーではないと思います。大英帝国を崇拝する田中氏が、サッチャーをモデルにしてあの程度の理性のキャラクターにはならないのでは。
> > むしろ、反戦市民団体の代表をやっているおばさんというところじゃないですか? 「反戦」おばさんを「好戦」おばさん(笑)に変えたぐらいで。現在でいえば、田中真紀子や土井たか子といった政治家が当てはまりそうですね。
>  田中氏が銀英伝を著したのは、マドンナブーム(懐かしい・・・)が起こる前で当時の日本では女性政治家も少なかったと思うのですが、ウィンザー夫人のような政治家像を描き出したのは、田中氏に先見の明があったということでしょうか(笑)。


「ウィンザー夫人のモデルはサッチャー」ってのは、十分あり得るような気がしますけど。田中芳樹から見れば、サッチャーは「救いがたい愛国戦争屋のババァ」そのものなのではありませんかね?保守派はサッチャーを高く評価しますけど(経済改革による英国病の克服、的確な武力行使と外交で、フォークランド紛争をあっという間に解決したことなど)、「戦後サヨク」的な考え方を是とする人たち(田中芳樹は当然その範疇でしょう)は、あまりサッチャーを評価していないと思いますし。「ウィンザー」ってのは、今の英王朝の名前でもありますしね。

 大英帝国を崇拝する田中芳樹だからこそ、自分の理想とはかけ離れているようなサッチャーは、嫌っているのではないかと思いませんか?

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board4 - No.3309

Re:ウィンザー夫人のモデル

投稿者:八木あつし
2002年12月01日(日) 16時16分

> > > >ウィンザー夫人について
> > > ウィンザー夫人のモデルは、さすがにサッチャーではないと思います。大英帝国を崇拝する田中氏が、サッチャーをモデルにしてあの程度の理性のキャラクターにはならないのでは。
> > > むしろ、反戦市民団体の代表をやっているおばさんというところじゃないですか? 「反戦」おばさんを「好戦」おばさん(笑)に変えたぐらいで。現在でいえば、田中真紀子や土井たか子といった政治家が当てはまりそうですね。
> >  田中氏が銀英伝を著したのは、マドンナブーム(懐かしい・・・)が起こる前で当時の日本では女性政治家も少なかったと思うのですが、ウィンザー夫人のような政治家像を描き出したのは、田中氏に先見の明があったということでしょうか(笑)。
>
>
> 「ウィンザー夫人のモデルはサッチャー」ってのは、十分あり得るような気がしますけど。田中芳樹から見れば、サッチャーは「救いがたい愛国戦争屋のババァ」そのものなのではありませんかね?保守派はサッチャーを高く評価しますけど(経済改革による英国病の克服、的確な武力行使と外交で、フォークランド紛争をあっという間に解決したことなど)、「戦後サヨク」的な考え方を是とする人たち(田中芳樹は当然その範疇でしょう)は、あまりサッチャーを評価していないと思いますし。「ウィンザー」ってのは、今の英王朝の名前でもありますしね。
>
>  大英帝国を崇拝する田中芳樹だからこそ、自分の理想とはかけ離れているようなサッチャーは、嫌っているのではないかと思いませんか?


そうでした。田中芳樹はサヨク的な考え方をするお方でした。サッチャーは、フォークランド紛争だけでなく医療・福祉分野を削減していますしね。それならば、サッチャーを矮小化してウィンザー夫人を作り出しそうです。
「マーガレット・サッチャー」 「コーネリア・ウィンザー」
おお、微妙に似ている。それにしてもウィンザー夫人の主張は、やっぱりただの反戦もといただの好戦おばちゃんだな。

創竜伝での大英博物館の話題で、大英帝国が植民地などから強奪した歴史的資料を公開していることは素晴らしいことだ、と述べておりました。フォークランドには領土的価値しかなく、歴史的価値のある資料はないのだから、田中芳樹もフォークランド紛争を擁護することもないですね。

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board4 - No.3310

Re:ウィンザー議長の帝国領侵攻作戦

投稿者:イッチー
2002年12月02日(月) 09時22分

シナリオ①(ラインハルトにイゼルローン奪還命令が出る前に先手を打つ)
 帝都防衛の任を果たし、宇宙艦隊司令長官に任じられたラインハルトは侯爵に叙せられ、その勢力は大いに強まった。
 「威信に傷がついたと言っても、大貴族たち、特にブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム候の実力には侮りがたいものがある」ラインハルトはオーベルシュタインに話しかけた。「御意。ここは共食いをさせましょう」「共食い?」
 「救国の英雄」ローエングラム候をねぎらうため、皇帝フリードリヒ4世の行幸が予定された。ところが、皇帝到着予定時刻、ラインハルト邸で爆破事件がおこった。幸い、皇帝もラインハルトにもけががなかったが、多くの貴族が巻き込まれ、大惨事となった。事件を調査した憲兵司令部は「事件は、ブラウンシュヴァイク公の命令でフレーゲル男爵である。憲兵隊が身柄を拘束しようとした際、フレーゲルが抵抗したため、憲兵隊は射殺した」と発表した。ただちに、ブラウンシュヴァイク公の元帥号と公爵位は剥奪され、財産は没収となった。しかし、ブラウンシュヴァイク公は皇帝の命に従わず、自分の領土に逃げ込んだため、リッテンハイム候に対し、「ブラウンシュヴァイク討伐」の命が下った。ライヴァルを蹴落とす良いチャンスとばかり、リッテンハイムは意気揚々と出陣したが、軍事的才能が皆無のリッテンハイムが指揮する軍隊をブラウンシュヴァイク軍は撃破し、リッテンハイム候自身が戦死するという失態を犯した。皇帝は新たにローエングラム候にブラウンシュヴァイク討伐の命をくだした。ラインハルトは難なく、ブラウンシュヴァイク軍を撃破し、ブラウンシュヴァイク公一族は自殺した。この討伐の成功によって、ラインハルトは公爵に位をすすめ、帝国宰相に任じられた。リッテンハイム家はザビーネが後を継いだが、もはや威信は失墜し、ラインハルトに対抗する力は持ちようがなかった。リヒテンラーデ候もまた独自の武力を持っておらず、軍を抑えたラインハルトに抵抗できなかった。ラインハルトはリヒテンラーデ候に枢密院議長の位を与え、ていよく内閣から追い払った。ここにラインハルトの独裁体制が確立する。

シナリオ②(ナポレオンがモデル)
 帝都防衛の任を果たしたラインハルトは侯爵に位をすすめ、宇宙艦隊司令長官に任じられた。「ローエングラム候の戦いぶりは誠にみごとであった。今度はイゼルローン要塞を奪回してもらいましょう」大貴族たちは口々に心にも無いお世辞を言い、皇帝にラインハルトにイゼルローン奪回の命をくださせることに成功した。ラインハルトはメルカッツに協力を要請し、帝都防衛軍と同じメンバーがイゼルローンに向けて出発した。ラインハルトはイゼルローン奪回の困難性を承知していたから、適当な理由をつけて、戦いを長引かせた。その間に皇帝フリードリヒ4世が死亡した。ブラウンシュヴァイク公は強引に自分の娘エリザベートを皇帝とし、自らは摂政となった。しかし、貴族内にはブラウンシュヴァイク公に対する不満が渦巻いていた。このような帝国内の動揺を狙って、同盟軍は第二次帝国領侵攻作戦を敢行した。これはヤンの立案に基づくもので、同盟軍はただちにフェザーンを占領した。ブラウンシュヴァイク公はただちにシュターデン提督を司令官とするフェザーン解放軍を派遣するが、同盟軍に撃破された。貴族内では「軍事の天才・ローエングラム候を呼び戻しましょう」という声が高まった。ブラウンシュヴァイクもこの声に抗し得ず、やむなくラインハルトを首都に呼び戻した。ラインハルトは後をメルカッツとキルヒアイスにまかせ、オーベルシュタインらを引き連れて、首都に帰還した。早速、ラインハルトはリッテンハイム候とリヒテンラーデ候と会談し、3者の協力による新政権樹立で合意した。「銀河帝国という馬車を引っ張る2頭の馬は決まった。御者は私だがな・・・」
 ラインハルトはクーデターを敢行した。エリザベートは病死、ブラウンシュヴァイク公は職権乱用の罪で処刑されたと発表された。新たにリッテンハイム候の娘、ザビーネが皇帝となり、リッテンハイム候が帝国宰相・リヒテンラーデ候が国務尚書・ラインハルトが軍務尚書となった。ラインハルトはイゼルローン方面をメルカッツに任せ、キルヒアイスをフェザーン解放司令官に任命した。「オーベルシュタイン、私の覇権を確立するためには、次に誰と組めば良いか?」自らの覇権のために次のクーデター計画を練るラインハルトである。

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board4 - No.3311

Re:ウィンザー議長の帝国領侵攻作戦

投稿者:SAI
2002年12月02日(月) 12時41分

イッチーさん、おひさしぶりです。

シナリオ1はなんぼなんでも強引過ぎるでしょう。この時点でブラウンシュヴァイク公がそんな事をするだろうと他人が信じてはいないでしょう。むしろラインハルトが疑惑をもたれるでしょうね。こんな謀略でもやらなければ破滅するならともかく、そうでないなら丁半博打みたいなことはやらないと思います。

シナリオ2についてはラインハルトが適当な理由をでっち上げていぜるローン攻略をやっているふりをするのはその通りだと思います。
ただ同盟のフェザーン侵攻作戦は起きないのでは?
フェザーンにとっては死活問題ですから、合法非合法を問わずいかなる手段を使ってでも止めると思います。メディアを使ったプロパガンダ、
損得を無視した実弾攻勢、いやこの時点では同盟は勝った勝ったで熱狂状態だからとまらないかもしれない、やっぱりフェザーン侵攻は起きるかも知れません。最善の手を打つなら両回廊を押さえた同盟有利の状況下で和平交渉でしょうね。
戦争はなんだかんだいって損失でしかないので、このまま消耗戦を続ければ過去の蓄積が少ない同盟のほうが先に耐えられなくなるし、また和平交渉というのは勝ってる側から言い出すものですので、ヤンやビュコックをはじめとする、同盟の将帥達にもうこれ以上は戦えない、和平すべきだと言われればさすがのウインザー議長も和平を申し出るのではないでしょうか?(希望的観測ですかね)。主戦派とて自分達の継戦能力はわかっているでしょうから、これ以上は自滅するから、いいださないにしろ反対はしないと思います。

フェザーン解放軍を撃破した時点なら帝国も和平を受け入れようという気になると思います。いぜるローン陥落、オーディンに同盟侵入、フェザーン陥落、解放失敗と、これだけ悪条件があれば、もう戦争はうんざりだ、和平をうけいれても良いと考える貴族も大勢出ると思います。

シナリオ2-1

ブラウンシュヴァイク公はただちにシュターデン提督を司令官とするフェザーン解放軍を派遣するが、同盟軍に撃破された。その報告が帝都オーディンに届くやいなやもたらされた同盟政府よりの和平会談の申し出に帝都は揺れた。
「叛徒どもめ。のぼせあがりおって!!」
そうブラウンシュバイク公は激高するものの同調する貴族は少なかった。長きに渡る戦争に本心では倦み疲れていた彼らにとって自分からは面子もあって言い出せないが誰かが言い出すなら賛成しようと思っていたことである。相次ぐ敗戦に弱気になっていたことも影響したであろう 一部の強硬派が戦争続行を唱えるものの大勢は覆せず、押されるようにしてついに皇帝フリードリヒ4世は和平交渉を受諾した。

遠くイゼルローン方面にいたラインハルトがその驚天動地の知らせを受け取ったのは、和平会談が始まった後であった。遠くイゼルローン方面にいたため、さらにいえばまったくの予想外の出来事でもあったため、最善手はない。今すぐ行動すべきか?それとも今は動くべきではないのか?苦悩するラインハルトであった。

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board4 - No.3313

Re:ウィンザー議長の帝国領侵攻作戦

投稿者:イッチー
2002年12月02日(月) 17時38分

SAIさま、おひさしぶりです。
シナリオ2-1の続きを考えて見ました。

 フリードリヒ4世は同盟との和平を選択した。帝国全権は皇帝の名代として、国務尚書リヒテンラーデ候がつとめることとなった。

ラインハルトはヒルダからの手紙を読んでいた。
「今回の和平交渉にもっとも乗り気なのは、リヒテンラーデ候です。和平の実現によって軍人の発言権を抑え、己の発言力を強めるつもりです。ブラウンシュヴァイク公は和平に反対ですが、フレーゲル男爵はじめ配下の若手貴族にローエングラム候に対する反感が強く、ローエングラム候と結ぶ余地はありません。リッテンハイム候は和平派につくか強硬派につくか態度を決めかねているようです」
 「リッテンハイム候と結ぶ以外に方法はないようだな」ラインハルトはオーベルシュタインとロイエンタールを密かにオーディンに派遣した。「リッテンハイム候と交渉する際はマリーンドルフ伯爵家の令嬢ヒルダともよく連絡をとるように」
 リッテンハイム候は迷っていた。そこへ執事が候の書斎に入ってきた。「マリーンドルフ伯爵家の令嬢ヒルデガルドさまが侯爵様とお話がしたいそうです」「マリーンドルフ?」(最近、ローエングラム候との提携を強めているようだが・・・)「会ってみよう」
 ヒルダは2人の男を従えていた。「その者たちは?」「ローエングラム候の部下です」「で、話とは?」「ローエングラム候は帝国の行く末を大変憂えておられます。イゼルローン要塞を落とされ、帝都を攻撃され、フェザーンを奪われ、叛乱軍と和平を結ぼうとされています今の皇帝陛下に国を治める能力はありません。ローエングラム候はリッテンハイム候のご息女ザビーネさまが皇帝に即位され、侯爵さまが摂政につかれることが国を救う唯一の道だとおっしゃられております」「あまり、不敬なことは口にしないほうがいいな。フロイライン」「これは極秘裏に手に入れたリヒテンラーデ候とブラウンシュヴァイク公の密約ですが・・・」ヒルダは一枚の紙を差し出した。そこには、和平のあかつきには、フリードリヒ4世を退位させ、ブラウンシュバイクの娘エリザベートを帝位につけ、ブラウンシュヴァイク公が摂政に、リヒテンラーデ候が帝国宰相につき、リッテンハイム侯爵家は断絶させるというものであった。もちろん、それは偽造だったが、リッテンハイムはそれを信じた。「わかった。ローエングラム候とともにクーデターを行おう」
 ラインハルトはイゼルローンの同盟軍に対する押さえをメルカッツに任せると、自ら軍を率いてオーディンに急行した。リヒテンラーデ候が和平交渉に出発しようとした前夜、ラインハルト率いる軍が新無憂宮を制圧し、フリードリヒ4世は無理やりザビーネに譲位する旨記した文書に署名させられた。リヒテンラーデ候も逮捕されたが、ブラウンシュヴァイク公は首都をかろうじて逃げ出し、ガルミッシュ要塞にたてこもった。
 翌朝、ザビーネが新皇帝に就任したことが宣言された、リッテンハイム候が公爵に位をすすめ、摂政となり、ラインハルトは軍務尚書兼国内軍総司令官に任命された。また、和平交渉は中止すると発表された。
 帝国でのクーデターという報告をうけて、クブルスキー統合作戦本部長は第1艦隊司令官となっていたウランフ大将をイゼルローン要塞司令官に、アッテンボロー少将を第13艦隊司令官代理に任命。ヤンを統合作戦本部副部長として、首都に召還した。
 「ヤン大将。帝国は新たにキルヒアイス上級大将をフェザーン解放軍司令官に任命してきた」「何者ですか」「バグダッシュ大佐」クブルスキーに名を呼ばれたバグダッシュが本部長室に入室してきた。「キルヒアイス上級大将はローエングラム候の幼馴染で用兵家としての能力は候とほぼ同格だそうです」「なかなか手ごわそうですね。帝国に関して他に情報は?」「ブラウンシュヴァイク公が首都を追放され、ガルミッシュ要塞にたてこもっているようです」「では、同盟はブラウンシュヴァイクと組むと声明を出してください」「なに!?」「しばらく、ブラウンシュヴァイクにキルヒアイス司令官の相手をしてもらいましょう」
 フェザーン方面軍司令官ビュコック大将は帝国に向けて声明を発表した。「帝国の戦争主義者が和平派を追い落とし、国家の乗っ取りをはかったことは遺憾である。我われ自由惑星同盟は今後、和平派の希望の星、ブラウンシュヴァイク公に全面的に協力するものである」
 「おのれ!いくら落ち目とはいえ、叛乱軍とは組むとは!」リッテンハイムは怒りを露わにした。「キルヒアイス提督に命じる。フェザーンを解放する前にブラウンシュヴァイク軍を賊軍として討伐せよ!」

つづく

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board4 - No.3314

Re:ウィンザー議長の帝国領侵攻作戦

投稿者:僧侶T
2002年12月03日(火) 12時00分

 どうも、僧侶Tです。
> ラインハルトはヒルダからの手紙を読んでいた。
 ラインハルトとヒルダの初対面はリップシュタット戦役の直前なので、まだ知り合っていないのでは?それに、マリーンドルフ伯爵家の当主はフランツであって、ヒルダではありません。マリーンドルフ伯フランツは穏健な人ですし、彼は和平に賛成するのではないでしょうか。まだ会ってもいない上に、あくまでも身分は伯爵令嬢、となればヒルダが独自に強硬派のラインハルトと提携することはないと思うのですが。
 帝国が同盟との和平を決定し、全権代表の人選まで決まっているのであれば、明白な敵対行為であるイゼルローン要塞奪回作戦は中止され、ラインハルトは首都に呼び戻されているはずですので、交渉の席にはラインハルト本人が行けばいいと思います。

 それから、いくらなんでも「和平派のリヒテンラーデ侯と強硬派のブラウンシュバイク公が突然手を結んだ」などということは信じてもらえないと思います。やはりラインハルトが手を結ぶべきは、同じ強硬派のブラウンシュバイク公でしょう。確かにフレーゲル男爵など、ブラウンシュバイク公のとりまきの若手貴族はラインハルトを嫌っていますが、それをねじ伏せるために「リヒテンラーデ侯とリッテンハイム侯の密約」(もちろんでっち上げ)を持ち出せばいいと思います。その内容は、同盟との和平が成立した直後に皇帝フリードリヒ4世を暗殺し、その罪を強硬派のラインハルトとブラウンシュバイク公になすりつけて粛清し、その後リッテンハイム侯の娘サビーネを皇帝に立て、リッテンハイム侯が摂政、リヒテンラーデ侯が宰相になる、とすればよいでしょう。
 ただこの密約、実際に結ばれてもおかしくない気はします。武力を持っていないリヒテンラーデ侯が、武力を持っているラインハルトとブラウンシュバイク公に対抗するために、誰か武力を持つほかの有力者と結ぶのはありえることですし。

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board4 - No.3315

Re:ウィンザー夫人のモデル

投稿者:ソルジャー大佐
2002年12月03日(火) 19時39分

お久しぶりです。
またまた横レスで失礼いたします。
小官はとしましては、ウィンザー女史のモデルはサッチャー+土井たか子ではいか?と推測します。
「好戦」オバタリアン(苦笑)と「反戦」オバタリアン(嘲笑)。
この2人を中途半端にまぜこぜにすると、ああいう変なキャラになるのでは?(どちらも、お近づきにはなりたくないな・・・)
特に高尚ぶって空理空論を振りかざすところなんぞ、どこかのお馬鹿さんそっくりだと思ったのは、小官だけではありますまい!!

それでは、今回の横レスはこれにて<(_ _)>

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board4 - No.3316

Re:ウィンザー議長の帝国領侵攻作戦

投稿者:イッチー
2002年12月03日(火) 19時58分

>  どうも、僧侶Tです。

僧侶Tさん、たびたびレスありがとうございます。

> > ラインハルトはヒルダからの手紙を読んでいた。
>  ラインハルトとヒルダの初対面はリップシュタット戦役の直前なので、まだ知り合っていないのでは?それに、マリーンドルフ伯爵家の当主はフランツであって、ヒルダではありません。マリーンドルフ伯フランツは穏健な人ですし、彼は和平に賛成するのではないでしょうか。まだ会ってもいない上に、あくまでも身分は伯爵令嬢、となればヒルダが独自に強硬派のラインハルトと提携することはないと思うのですが。

 ヒルダが自分たちの私兵をラインハルトに差し出して、忠誠を誓うという場面が3299にあります。ですから、このあと、ヒルダとラインハルトは顔見知りと考えてください。また、ヒルダの父親は基本的に自分の考えを抑えて、娘の政治センスに賭けるタイプなので、彼自身は和平派でも娘が強硬派を唱えれば。強硬派に転じるでしょう。

>  帝国が同盟との和平を決定し、全権代表の人選まで決まっているのであれば、明白な敵対行為であるイゼルローン要塞奪回作戦は中止され、ラインハルトは首都に呼び戻されているはずですので、交渉の席にはラインハルト本人が行けばいいと思います。
>
和平協定が結ばれたわけではありませんから、ラインハルトに撤退命令が出るはずがありません。和平成立まで同盟軍と対峙していよと命ぜられるだけでしょう。

>  それから、いくらなんでも「和平派のリヒテンラーデ侯と強硬派のブラウンシュバイク公が突然手を結んだ」などということは信じてもらえないと思います。やはりラインハルトが手を結ぶべきは、同じ強硬派のブラウンシュバイク公でしょう。確かにフレーゲル男爵など、ブラウンシュバイク公のとりまきの若手貴族はラインハルトを嫌っていますが、それをねじ伏せるために「リヒテンラーデ侯とリッテンハイム侯の密約」(もちろんでっち上げ)を持ち出せばいいと思います。その内容は、同盟との和平が成立した直後に皇帝フリードリヒ4世を暗殺し、その罪を強硬派のラインハルトとブラウンシュバイク公になすりつけて粛清し、その後リッテンハイム侯の娘サビーネを皇帝に立て、リッテンハイム侯が摂政、リヒテンラーデ侯が宰相になる、とすればよいでしょう。
>  ただこの密約、実際に結ばれてもおかしくない気はします。武力を持っていないリヒテンラーデ侯が、武力を持っているラインハルトとブラウンシュバイク公に対抗するために、誰か武力を持つほかの有力者と結ぶのはありえることですし。

この考えいただきました。(笑)

 ラインハルトはヒルダからの手紙を読んでいた。
「和平交渉の全権には国務尚書リヒテンラーデ候が選ばれました。彼は和平派の中心物で、戦争の終結によって軍部の発言権を抑えようと考えているようです。ただし、彼には武力の裏づけがないので、リヒテンラーデ候に近づいているようです。ブラウンシュヴァイク公は和平反対で、配下の青年貴族と不満をもらしていますが、行動力に欠けるようです」
 「私の権力が確立するまでに、同盟との戦争が終結することは非常に困る。ここはブラウンシュヴァイク公と組むしかないか・・・」ラインハルトはイゼルローン方面をメルカッツとキルヒアイスをまかせ、自らは一部の部隊を率いて首都に密かに帰還した。
 ブラウンシュヴァイク公の山荘では和平に不満を持つ若手貴族たちが現体制への不満の声をあげていた。
 「皇帝陛下も腰抜けよのう。イゼルローンを奪われ、帝都への侵入を許し、フェザーンを奪われ、ついには和平交渉に応じるとは・・・」酒で顔を赤くしたフレーゲル男爵が叫んだ。
 「卿らの会話。不敬罪に問われるぞ」そこへ一人の金髪の貴族がはいってきた。ラインハルトだった。
 「金髪の孺子!」貴族たちは口々に叫んだ。「ここに何しに来た」「そもそも卿はイゼルローン方面軍司令官ではなかったか?持ち場を離れてもいいのか?」ブラウンシュヴァイクが尋ねた。「閣下の危機を知り、参上いたいしました」「なに?私の危機と名?」そう言うがはやいが、オーベルシュタインは連れてきた一人の兵士を公の前に差し出した。「おまえがなにをしたか、公爵様の前であらいざらい話すんだ」「わ、わたしはリヒテンラーデ候からの手紙をリッテンハイム候に渡して欲しいと命令されただけで・・・」「これがこの男が持っていた密書です」ラインハルトはブラウンシュヴァイク公に手紙をさしだした。そこには、和平成立後はフリードリヒ4世を退位させ、ザビーネを皇帝とし、リッテンハイム候を摂政、リヒテンラーデ候を帝国宰相にするという内容だった。そして、ブラウンシュヴァイクとラインハルトは反逆罪で粛清される旨が書かれていた。「う~む。許せん」単純なブラウンシュヴァイクは密書の内容を信じ込んだ。(密書も死者も実は捏造)
 「帝国の栄光を取り戻すには、ブラウンシュヴァイク公以外にありません」ラインハルトは心にもないことを言った。「伯父上、ローエングラム候の目を見ましたか。この純粋な目。これこそ真の帝国貴族の目です。ここは伯父上、ローエングラム候を信じて、決起くだされ!」今までラインハルトを毛嫌いしていたフレーゲル男爵も国家の栄光などと演説されると弱い・・・。
 「わかった!ローエングラム候とともに決起しよう」ブラウンシュヴァイクはついに決断した。
 翌朝、オーディン付近に固まっていた部隊は一斉に首都に上陸した。ラインハルト指揮でまず新無憂宮を制圧し、フリードリヒ4世にむりやり「譲位証明書」に署名させられ、後継者もブラウンシュヴァイクの娘エリザベートとさだめられた。リヒテンラーデ候もリッテンハイム候の逮捕され、国家を叛乱軍に売り渡そうとした反逆罪として処刑された。なお、エリザベート即位翌日、和平交渉は一方的に破棄された。

イゼルローン要塞ではヤンがもの思いにふけっていた。「これでようやく銀河にも平和が来る」そこへアッテンボロー少将が駆け込んできた。「先輩大変です。帝国でクーデターが起きました。和平派の貴族は失脚し、前の皇帝の孫にあたるエリザベートとかいう少女が皇帝となり、ブラウンシュヴァイク公が摂政・ローエングラム候ラインハルトが帝国宰相だそうです。そして、和平交渉は白紙に戻すと発表されました。
 「やれやれつかのまの休戦だったな」椅子から立ち上がったヤンの動きはにぶかった・・・

board4 - No.3317

なんとも幼稚な「朝日新聞キラー」

投稿者:カトー
2002年12月04日(水) 16時07分

いったい「朝日新聞キラー」というHNを使っている輩は、日本語の文学を読解する能力があるのだろうか。
反日的キーワードのいくつかを、馬鹿のひとつ覚えのように記憶し、それに該当したら反日という短絡的思考。まったく、この人物の分裂した主張といわざるをえない文章には目を覆うばかりだ。
果たしてこの人間(とも思えないほど低俗な生き物)はどれだけくだんの「朝日新聞」を読んでいるのか、聞いてみたい。
朝日新聞の社史において、イデオロギーにどのような変革があり、主張はどのように変わって来たのか、あるいは変わらないと主張するのであればどう変わらないのか、明言してほしい。
どこかの掲示板でたたかれたら、余所へ逃げてわめくという、負け犬弱者の典型のような態度。歴史認識はあまりにも稚拙で、右寄りな私でも呆れてものが言えないほどだ。
おそらく十代の子供と察するが、もし違っていたらあまりにも成長が遅れている。愚かしい。
ネット上に生息する勘違いのなかでも最も知性の低い「朝日新聞キラー」。今後、自身が辱めを受けないだけの最低限の知識だけでも学習していただくことを祈るのみだ。

board4 - No.3318

灼熱の竜騎兵を撃つPART2

投稿者:八木あつし
2002年12月04日(水) 19時39分

はい、どうも。エニックス版の灼熱の竜騎兵を購入してしまい、田中芳樹の印税に貢献してしまった八木です。
新装版「灼熱の竜騎兵」は、本当に帯に書かれているように、「大幅な加筆修正」をしているのか? 自己満足のために前回に続き、文庫版2巻と新装版第2部の比較にいきたいと思います。
ところで富士見書房は、今となっては笑い話ですが「灼熱の竜騎兵」でメディアミックス展開を狙っていました。1巻・2巻が発売されてから、約1年後にはカセットブックが発売されています。
もしかしたら、アルスラーン戦記Ⅱ・サイレントメビウス2・風の大陸の3作品で公開された角川アニメNEO英雄伝説の中に、灼熱の竜騎兵が加わっていた可能性もあったわけです。まぁアルスラーンが決まっていたために、竜騎兵も入れると田中作品が2つになってしまいます。そのため例え連載が続いていても、難しかったかもしれませんが……。
風の大陸は、作品のストーリー的に幅広く受け入れられるのが難しく映画のみ。アルスラーンも9巻以降が長期間執筆されず、アニメはOVAに移行したものの、第1部が全て映像化されることなく終わりました。結局、富士見書房(と角川書店)のメディアミックス展開の成功は、神坂一の「スレイヤーズ」まで待たれることになります。
 あぁ、富士見文庫の方では、OVAくりぃむレモンシリーズの一部をノベライズ化ということだから、ある意味メディアミックス展開といえるかな(笑)。

灼熱の竜騎兵PART2 惑星ザイオンの嵐
初版1989年10月20日 富士見書房 富士見ファンタジア文庫(以下=旧版)

灼熱の竜騎兵1 第二部 惑星ザイオンの嵐
初版2002年9月13日  エニックス EXノベルス (以下=新版)

第1章 報復のトランペット
<旧版>10P 1行目
 西暦2405年にはいって、
<新版>170P 上段13行目
 西暦2505年にはいって、
<旧版>17P 13行目
 西暦2405年9月。
<新版>175P 上段12行目
 西暦2505年9月。
<旧版>18P 1行目
 この前年、2404年に、
<新版>175P 下段1行目
 この前年、2504年に、
<旧版>23P 1行目
(前略)、2405年1月のことである。
<新版>179P 上段9行目
(前略)、2505年1月のことである。
<旧版>25P 10行目
 ネッドたちが2404年9月まで所属していた「ザイオン青年党」は、
<新版>181P 上段9行目
 ネッドたちが2504年9月まで所属していた「ザイオン青年党」は、

はい。年が100年分変更されただけです。コメントのしようがありません。

<旧版>31P 11~12行目
 地球軍最高司令官デリンジャー元帥は、6500万キロ離れた司令部から、ザイオンにいる部下を叱咤した。一語ごとに200秒をこす時差があるので、(後略)
<新版>187P 上段5~7行目
 地球軍最高司令官デリンジャー元帥は、3億キロ離れた司令部から、ザイオンにいる部下に叱咤した。一語ごとに20分をこす時差があるので、(後略)

地球-ザイオン間の距離が6500万キロから、3億キロに延びたことで、遠距離通信の時差が200秒から20分に変更されています。銀英伝と違い、まだまだリアルタイム通信にはなっていません。変なところは細かいですね。

<旧版>33P 3行目
「200秒以上も待たせて、(後略)」
<新版>188P 上段8行目
「20分以上も待たせて、(後略)」

ここも通信距離が延びたことによる時間の修正です。ちなみに指向性レーザー・ビーム通信だそうです。

<旧版>39P 14行目
 2404年の「ザイオン百日事件」に際しても、(後略)
<新版>192P 下段4行目
 2505年の「ザイオン1ヶ月紛争」に際しても、(後略)

本当にコメントしようがないですね。年月と紛争名の修正です。第1章の修正点はこれだけです。

第2章 赤と白の構図
<旧版>44P 1行目と4行目
 2405年当時の惑星ザイオンがそうだった。
「2405年のザイオン」
<新版>198P 上段2行目と6行目
 2505年当時の惑星ザイオンがそうだった。
「2505年のザイオン」

はい、年月の修正です。

<旧版>49P 5行目、52P 4行目、53P 12行目
 880名の歩兵部隊をひきいて、
 800名をこす兵力を
 地球軍の戦死者59名、負傷者114名。これに対し、深紅党の戦死者ゼロ、負傷者17名。
<新版>202P 上段3行目、203P 上段16行目、204P 下段8~9行目
 880人の歩兵部隊をひきいて、
 800人をこす兵力を
 地球軍の戦死者59人、負傷者114人。これに対し、深紅党の戦死者ゼロ、負傷者17人。

もの凄く細かい変更です。人数表記が「名」から「人」に変更されています。いったいなぜ、「名」から「人」に変更したのでしょうか? 私はどちらでもあまり変わらない気がするのですが……。さっぱり分かりません。田中芳樹よ、こんな小さなところを修正するぐらいなら、新作部分を書いてくれ。

<旧版>59P 10行目
 「ザイオン百日事件」の際、
<新版>209P 上段11行目
 「ザイオン1ヶ月紛争」の際、
<旧版>74P 12行目
 6500万キロをへだてて、
<新版>221P 上段17行目
 3億キロをへだてて、

はい。いつもの修正ですね。第2章の修正変更はこれだけです。修正だけで新作加筆はありませんね。

第3章 爆撃
<旧版>98P 9行目
 連隊長クラス以上の高級士官40名を集めると、
<新版>240P 下段2行目
 連隊長クラス以上の高級士官40人を集めると、

名でも人でも変わらないと思いますがね~。神経質ですね。第3章はここだけ。

第4章 陰謀の間奏曲
 変更点はありませんでした。基本的に灼熱の竜騎兵の修正は、年月と設定変更に伴う修正がほとんどを占めています。ここは、それがなかったわけです。

第5章 急斜面のダンス
<旧版>143P 13行目
 2、3日はおとなしくしているしかなさそうであった。
<新版>276P 下段14行目
 しばらくはおとなしくしているしかなさそうであった。

 「2、3日」が「しばらく」に変更になりました。この文は、大やけどをした陰謀家の少年が自嘲するシーンです。さすがに大やけどが2、3日では回復するはずがないので、しばらくに変更したのでしょうか。実際、少年は深紅党地下アジトに「しばらく」やっかいになっていますし(笑)。

<旧版>156P 3~9行目
 宇宙港は軍の最大級の警備対象であったが、旧ZWA方面に主力が配置されたのと、彼らが戦闘員と武器をべつべつに運びこむという奇策を用いたこと、よくあることだが周囲ばかりかためてかえって中心部の守りがおろそかであったこと、などから、まんまと成功されてしまったのである。
 この奇策を案出したのはネッドだった。武器は「軍政本部御用達」ということで、そのまま悠々と検問を通過し、ネッドとリュー・リンは先日入手したIDカードを偽造して軍人として宇宙港入りした。他のメンバーは作業員や旅客をよそおってはいった。
<新版>285P 下段14~16行目 286P 上段1~7行目
 宇宙港は軍の最大級の警備対象であったが、旧ZWA方面に主力が配置されたのと、彼らが陽動部隊と実動部隊の動きを完璧に連動させたこと、よくあることだが周囲ばかりをかためてかえって中心部の守りがおろそかになったこと、などから、まんまと成功されてしまったのである。
 この奇策を案出したのはネッドだった。陽動部隊は作業員や旅客をよそおって宇宙港にはいった。一方、ネッドとリュー・リンたち実動部隊は、地球軍が思いもよらない方法で宇宙港にはいりこんだ。

文庫第2巻部分において、唯一の加筆修正と言える部分ですね。1巻部分比べて減ったと言えますね。
まず、旧版にある「軍政本部御用達」が削除されたのは、地球軍が惑星ザイオンで製造された武器を使うはずがないからです。これまで読んだ限り、地球軍は地球製の武器を使っています。気位が高い地球人将兵が、ザイオン人が造った武器を使うことはないでしょう。
次に旧版で、ネッドとリュー・リンが地球軍の軍人に変装して宇宙港に入りこんだ部分です。これも旧版においての間違いの部分です。第6章で、宇宙港潜入について詳しく説明していますが、そこの説明だとネッドやリュー・リンたち実動部隊は、冷凍車に乗って潜入したとあるのです。冷凍車内部で極限環境防護服に身をつつみ、赤外線反射膜にくるまり、ドライアイスの山にひそみ監視網を突破しています。(旧版・新版ともに同じ) そのため新版の修正では、「思いもよらない方法で宇宙港に入りこんだ」と修正されているのです。

<旧版>157P 7行目、9行目
(前略)、60名の完全武装兵が(後略)
 やがて60名の兵士の前に(後略)
<新版>286P 下段11行目、14行目
(前略)、60人の完全武装兵が(後略)
 やがて60人の兵士の前に(後略)
<旧版>164P 9行目
 不幸な地球軍兵士8名が(後略)
<新版>292P 上段8行目
 不幸な地球軍兵士8人が(後略)

え~、「名」から「人」への変更です。ここまでくるとしつこいのか、几帳面なのか、なんで文庫版で「名」としたのか小一時間問い詰めたいですね。第5章はここまでです。

第6章 激流
<旧版>166P 1行目
 西暦2404年10月は、
<新版>296P 上段1行目
 西暦2504年10月は、

お馴染みの月日の修正です。

<旧版>184P 4行目
 つい4、5日前には予想できるはずもなかった。
<新版>308P 下段14行目
 ほんの一週間前には予想できるはずもなかった。

前章で「2、3日」を「しばらく」に修正していますが、今回は「4、5日」を「一週間」に修正しました。これは、予想できなかった事柄が起きた日と「予想もしなかった」と思った日を計算すると、4、5日前だと既に起きている可能性が高く、文章が成立しなくなります。そのための安全策として、1週間に延ばしたのだと思います。

<旧版>189P 9行目
 2405年11月13日、
<新版>313P 上段2行目
 2505年11月13日、
<旧版>192P 4行目
 6500万キロの虚空をへだてた
<新版>315P 上段6行目
 3億キロの虚空をへだてた
<旧版>196P 4行目
 ……西暦2405年11月。
<新版>317P 下段1行目
 ……西暦2505年11月。

最後の3個所の修正は、月日と距離でした。これで文庫2巻においての加筆修正は終わりです。

灼熱の竜騎兵において加筆修正・変更点は以上の通りです。私が2巻こそは、大幅な加筆修正があると信じていましたが、結果は月日と距離と単位の変更がほとんどでした。
実際のところ2巻においては、宇宙港に潜入する部分のみが新作の加筆です。ここは字数にして223字でした。あとは1文字単位になっていまうので今回は数える気がしません。
多分、文庫1・2巻の修正された部分の文字を全て合わせると、400字詰め原稿用紙3枚に収まるのではないかと思います。私は作家でも編集でもないので、どのくらいの分量が「大幅な加筆修正」にあたるのかは分かりません。しかし、出版社と田中芳樹の勝手な都合で設定を変えて、ほとんどの修正点が月日と距離。新惑星製造法が変わり、惑星の配置も変えたのに、完全新作の部分が無いに等しく、本編で活かせられていません。本当にシェーアードワールズ化のためだけの変更と言えます。それでよくも、「大幅な加筆修正」などどほざけたものだなぁと感心してしまいました。

作品への感想も書こうと思っていたのですが、何か気力がなくなってしまったので、次の機会に書きます。ルビなど細かい部分が旧版と新版で違っていましたので、その点も次回に書きます。
最後に。文庫3巻の修正変更点はもう調べる気力がありません。1・2巻分を調べた限りでは、期待がもてないからです。新書版・灼熱の竜騎兵の「3巻」が出ることがあれば行いたいと思います。今回はこのへんで!

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