- 親記事No.3468スレッドの返信投稿
- board4 - No.3495
Re3468/3481/3489/3493:久々の移動要塞関連レス
- 投稿者:冒険風ライダー
- 2003年01月30日(木) 13時04分
かつて自分が立てて荒れに荒れたスレッドということもあってしばらく静観していましたが、例によって例のごとく、私の主張に異論を唱える人たちの主張はあの時と全く同じ論調ですね。「銀英伝の作品設定や作中描写を全く考慮することなく、現代世界の科学理論や物理学・開発理論を持ち出して反論に使うため、銀英伝の世界観との整合性が取れなくなってしまい、結果的に論自体が『銀英伝の作品設定そのものの否定ないし嘲笑』に陥ってしまう」というパターンです。それでは私に対する反論としても、(「身も蓋もない作品批判論」としてはともかく)作品擁護論としても全く無意味なシロモノに成り下がってしまうと、あの時の議論でも私はすくなくとも5回以上は述べていたような気がするのですけど。
まあせっかく私を援護してくださる方もいらっしゃったことですし、移動要塞論を提唱した張本人として私が回答する必要性もあるでしょうから、私の方からもレスを返すことにします。
>パンツァーさん
はじめまして。
まずは、どちらかと言えば私の移動要塞説には反対意見の方がタナウツ掲示板で圧倒的多勢を占める中、私の論の方に賛意を示してくださり、ありがとうございます。
議論に限らず、一対多数で勝負するというのは結構きついものがありましてね (-_-;;)。
<「6.イゼルローン要塞の構造的な独裁権力者、ヤン・ウェンリー」
に関しては、現代との対比で言えば、
前線に位置するイゼルローン要塞においては、軍の戒厳下に置かれており、政治的権限の最高責任が要塞司令官であるヤンに一任されていた、という解釈が成り立ちます。
そうすると、小説中におけるヤンの位置付けと、議会制民主主義との対立も、回避されるように思いますが、果たして作者がどうゆうつもりだったのかは不明ですね。>
ここは私に対する反論となっていますので、私の方から一言。
この解釈だと、ヤンがシェーンコップなどにたびたび公言していた「軍人は政治に関わるべきではない」のような主旨の発言と大きく矛盾してしまうのではないでしょうか。この思想信条があるからこそ、ヤンは銀英伝5巻のバーミリオン会戦でラインハルトを射程内に収めたにも関わらず、トリューニヒトの無条件停戦命令を受け入れてしまったのですし、エル・ファシル独立政府に身を投じた時も決して実権を掌握しようとはしなかったのですから、そのヤンにイゼルローン要塞内の政治的権限が全面的に与えられていたとなると、もうそれだけでヤンの思想信条や行動は矛盾だらけの支離滅裂なものと化してしまうとは思いませんか? 「イゼルローン要塞における事実上の独裁者のくせに、どのツラ下げて奇麗事を並べているんだ。それで『民主主義やシビリアン・コントロールを擁護する』とは片腹痛い」などと言われても文句が言えなくなってしまうのですし。
まあイゼルローン要塞にヤンが赴任したのは、同盟の場合にせよ、エル・ファシル独立政府の場合にせよ、政府の命令によって行われているわけですから法的には何ら問題は生じないでしょうが、やはり「ヤンがその気になればいつでも独裁者になれる基本的構造」(これは作中でも言及されています)と「イゼルローン要塞およびヤン麾下の艦隊戦力が持つ潜在的脅威」を考慮すれば、ヤンが政府から独立を宣言してしまう可能性や、ヤンがその強大な武力を背景にルドルフ・フォン・ゴールデンバウム的な独裁者と化してしまう可能性も(ヤンの主観的要素を排除して客観的に見れば)充分に考えられる事態ではあるわけなのですから、民主主義の理念や同盟の安全保障の観点から言って危険であったことはほぼ間違いないのではないかと。
私個人は別に最初から意図していたわけでもないのですが、1~3までの銀英伝考察シリーズには、多かれ少なかれ「ヤンは民主主義の擁護者どころか破壊者である」というテーマがありましてね。これも、その一環として作った議題であるわけです。
>Walkyureさん
こちらもはじめまして。
<ここだけどーしても気になったので、少し反論させて頂きます。
私は、この件に関しては「冒険風ライダーさんの指摘」は机上の空論を出て無いと思います。特に同盟に対しては。
よく勘違いされるのですが、理論的に可能である事と実際に可能である事の間には相当に深い溝があります。
極端な事を言えば、机と設計図の上であればそりゃなんだって可能です。ただし、それを実際に実行するには理論だけではどうにもならないんです。>
このような類の反論はあの時の議論の際にもよく言われましたし、そのたびに私も同じ反論を何度も返してきたのですけど、こんな「現代世界における開発理論」が、あの銀英伝の世界観や作中設定と完璧に合致し、何ら矛盾が生じないと本気で考えてでもいるのですか?
もしこのような理論で本当に移動要塞関連の疑問が解消されるのであれば、「なぜ『長征一万光年』で使われたイオン・ファゼカス号が、酷寒の惑星で使役されている奴隷階級の手によって、しかもたった3ヶ月弱ほどで簡単に建造できてしまったのか?」という疑問や、「なぜ移動要塞建造の命令が下されてからたったの2ヶ月、ガイエスブルクまでの移動時間を差し引けば実質的には最高でも1ヶ月前後の時間で移動要塞は簡単に稼動してしまったのか?」といった疑問もまた、この理論を使って完全に解消することができるはずです。私には全く不可能であるようにしか見えないのですが、是非ともその「現代世界における開発理論」を使って上記2つの疑問も同時に解消し、さらにはその疑問解消の説明が「イゼルローン移動要塞の建造」に関しては全く当てはまらないことをもついでに証明して頂こうではありませんか。
それで上記2つの疑問が説明できないというのであれば、疑問がそのまま「新たなる設定矛盾」として残ることになってしまいますので、すくなくとも銀英伝世界においては、あなたが主張するような「現代世界における開発理論」は全く通用しないということになり、いくら現代世界で普遍的な説得力を持っていようが、銀英伝世界では全く受け入れられることはない、とみなされるのです。作品を擁護するつもりで新しい設定矛盾など作ってしまったら全く意味がないばかりか、結果的に私と同じ作品批判(しかも「身も蓋もない」というレベルでしかない)論を展開するだけに終わってしまうのですから、これは当然のことです。
銀英伝の技術問題に限らず、作品を擁護するというのは、こういう超高難易度の課題を完璧にクリアしなければならないものであるからこそ至難の技と言われるのですし、それができなければ(いくら内容が現実と合致したものであったとしても)論としては全く無意味なものでしかないのですよ。たとえ作品中にどれほどまでにとんでもない設定や描写が描かれていたとしても、作品を擁護する以上はそのような設定や描写をも全て肯定するしかなく、否定することは絶対に許されないのです。だからこそ、「『小説中の世界観を援用するならば』私の主張を覆すような反論は皆無に見える」という、パンツァーさんのような主張も出てくるのですがね。
まあ正直、技術問題に関しては、銀英伝の作中設定はあまりにも安易かつ粗雑に作られていますので(もっとも、それによって銀英伝の評価が下がるということはないでしょうが)、それに「現代世界における開発理論」を当てはめるのはほとんど不可能でしょう。しかし、あくまでも「これで作品を擁護できる」と思うのであれば、是非とも作品設定にも作中記述にも抵触することのない、万人を納得させられる完璧な説明をお願い致します。
<帝国にしてもアレは一回限りの僥倖(やってみたらたまたま上手く行った。もう一度やれと言われても無理)で、ノウハウが確立していないのではないかと思いますし、ましてや同盟にそれを求めるのは全くの無理であると考えます。
よって、同盟に関しては間違いなく「機動要塞を作らなかった事によって」無能呼ばわりするのは無茶だと結論します。>
この解釈だと、ノウハウを確立していない段階で移動要塞をイキナリ不要不急のイゼルローン要塞攻防戦などに出兵させた挙句、貴重なサンプルを無為に破壊する結果を生んでしまったラインハルトは、もはや無能どころか「救いようのない大馬鹿者」にまで転落してしまうのではないでしょうか? ノウハウが確立していないのであれば、移動要塞を解析してノウハウを確立するよう努めるべきですし、そもそも何度も言うように「移動要塞の可能性」は非常に大きなものがあるのですから、それに着目するのは軍事的天才として当然どころか義務ですらあるのではないでしょうか。
それに、「長征一万光年」のイオン・ファゼカス号のような「超巨大ドライアイス船」を、同盟建国の礎となった酷寒の奴隷階級などが易々と建造できた事実や、あまりにも簡単そうにしか見えないガイエスブルク移動要塞建造に関する描写などを見ると、同盟側が固定要塞を移動要塞に改造できる可能性は、100%とまでは言わなくともかなり高く見積もっても良く、すくなくともゼロではありえないように思えるのですが。
>観察中さん
>Kenさん
すいませんが、御二方が述べられている「物理的に無限の補給能力などというものはありえないのでは?」「ユリアンとキャゼルヌの会話『のみ』をとらえて要塞が無限に活動できる、と結論するのは飛躍がある」などの疑問に関しては、すでに過去ログで全く同様の質問を発していた人と議論を重ねておりますので、まずはそちらを全て閲読し、内容を把握した上で改めて反論していくのがよろしいのではないかと。
第一、件の銀英伝考察3で私が「無限の自給自足システム」の根拠として作中から引用した文章は、「ユリアンとキャゼルヌの会話」と「ヤン自身が『イゼルローン要塞にとどまっている限り、食糧も武器弾薬もどうにか自給自足できる』とはっきり述べている箇所」があり、その2つをもって私は自説の強力な根拠としているのですが、何故後者の方を完全に読み落した挙句、まるで私が根拠のない批判を展開しているかのような「印象批判」などを主張しておられるのでしょうか?
少し離れてはいるものの、普通に銀英伝考察3を隅から隅まで読んでいけば、あの文章も決して分からない場所にある引用文ではないと思うのですが。
- 親記事No.3468スレッドの返信投稿
- board4 - No.3497
銀英伝世界を前提とすると
- 投稿者:パンツァー
- 2003年01月30日(木) 13時50分
手元に銀英伝の小説がないので、以下の記載・引用に誤りがあれば、ご容赦ください。ここで私が根拠として引用するのは主に、「銀英伝考察3」の一連の議論中の記載内容です。
> > 第二に、技術的問題に関しても、小説中の世界観を援用するならば、冒険風ライダーさんの指摘をまったく翻すような反論は皆無に思えます。
>
> ここだけどーしても気になったので、少し反論させて頂きます。
> 私は、この件に関しては「冒険風ライダーさんの指摘」は机上の空論を出て無いと思います。特に同盟に対しては。
>
> よく勘違いされるのですが、理論的に可能である事と実際に可能である事の間には相当に深い溝があります。
> 極端な事を言えば、机と設計図の上であればそりゃなんだって可能です。ただし、それを実際に実行するには理論だけではどうにもならないんです。
「理論」に対する「実践」の例として、私は、次の三つのことを前回述べました。
1 イオン・ファゼカスによる「長征一万光年」
2 ガイエスブルグ要塞の移動化:ワープエンジン12基+通常エンジン12基
3 アルテミスの首飾りを破壊した氷塊(一〇億トン):バサード・ラム・ジェット・エンジン1基
銀英伝世界においては、上の三つの実例が存在します。つまり、「大質量物体の移動化」に関しては、理論の域ではなく、実践の域に達しているわけです。
しかも、1・3は、同盟側の実施例です。
特に3は、ヤンの指揮下の下に実行されたものであり、この時点で、銀英伝世界の同盟が、「大質量物体の移動化」に成功しているわけです。このようなエンジンが、間違いなく同盟側にも存在するということです。大質量物体には、当然イゼルローン要塞が含まれます。
また、「大質量物体の移動化」に際し、ワープエンジンが適用された例としては、1が該当します。
No1923の冒険風ライダーさんの以下の記載が、その根拠を明確に説明しています。
< それから、仮にも「長征一万光年」を帝国暦164年~218年の約54年で終結させたからには、たとえ旧型の短距離ワープレベルであったとしても、ワープ技術自体は搭載されていたと考えるのが自然でしょう。銀英伝2巻のバザード・ラム・ジェット・エンジンの例が示している通り、銀英伝世界における通常航行エンジンは「光速の壁」を越えることができないようですから。第一、敵側がワープを使えるのにこちらが使えないのでは、捕捉されたらその時点で一巻の終わりで、そもそも逃げ切ること自体不可能としか言いようがないと思うのですが。>
念のために申し添えると、一万光年の距離は、光速度で一万年かかる距離ですから、50年たらずでこの距離を走破するには、光速度を超える移動手段(すなわちワープエンジン)が必須となるわけです。
そして、1の時代より数世紀も後の同盟において、技術的後退が発生しているというようなことがない限りは、ヤンの生存中において、当然「大質量物体の移動化」のワープ移動が可能と結論できるでしょう。
さて、1・3では明言されていないと言えるのは、「大質量物体の移動化」に際し、複数のエンジンを同期させることが可能か否か、という点でしょう。
まず、帝国に関しては、ガイエスブルグ要塞で成功を収めています。
> 帝国にしてもアレは一回限りの僥倖(やってみたらたまたま上手く行った。もう一度やれと言われても無理)で、ノウハウが確立していないのではないかと思いますし、ましてや同盟にそれを求めるのは全くの無理であると考えます。
これに関する反論は、長くなりますが、No1793の冒険風ライダーさんの以下の記載が対応するでしょう。
< これって「動いている物体の足を壊せば止まる」という程度のレベルで片づけられてしまう理論なのですか? 本来技術系の人間ではないはずのヤンですら知っているこの理論を逆に考えてガイエスブルク移動要塞に当てはめてみれば、移動要塞の秘密など誰でも簡単に掌握することができるでしょう。ましてや、あの当時における宇宙空間のワープ・航行関連技術に従事する技術者たちであればなおさらのことです。誰もが理解できず、真似もしにくい新技術にしては、あまりにも理論が簡単すぎる上にお膳立てがありすぎるのですが。
また、あのガイエスブルク移動要塞の改造工事&運用テストなどを実際に指揮していたのは、本来技術関係に無関係な叩き上げ軍人でしかないはずのケンプとミュラーであって、言いだしっぺのシャフト自身はただ「技術的には不可能ではない、エンジンの同調こそが全てである」とがなりたてていただけで、移動要塞の工事に関しては、直接的にはほとんど何もしていなかったと言っても過言ではなかったのです。エンジンの完全同調に関しても、シャフトは何かケンプ・ミュラーらに対して特別な技術を提言していたわけでもありません。エンジン同調がそれほどまでに難しい運用技術であるのならば、よくこの状況で運用テストを通過したものですね。
その上ガイエスブルク移動要塞は、1月下旬頃のラインハルトの命令から4月10日頃にイゼルローン要塞と対峙するまでに、本来ガイエスブルク要塞が置かれていた宙域→ヴァルハラ星系外縁部→イゼルローン要塞前面へと移動する過程で、すくなくとも20~30回近くは「実際に」ワープを繰り返しているのです(私があの移動要塞建造で矛盾に思ったのがここなんですよね。特に3月17日のヴァルハラ星系外縁部到達時が「初のワープ実験」であるという点)。Merkatzさんはこれを「大きな穴」と呼んでいたわけですが、私に言わせれば、シャフトの突発的な提言から、しかもあれほどまでに短期間の改造工事&運用テストを行っただけで、これだけのワープ回数を一度の事故も起こすことなく無事にこなすことができるという事実こそが、逆に「移動要塞技術」の実現が比較的容易であることを立派に実証しているわけです。またそう考えないと、今度は銀英伝における「移動要塞技術の実現に関する描写」それ自体に対する疑問が出現してしまうではありませんか。
以上のことから私は「移動要塞技術の発想」を「コロンブスの卵」に近いものだと考えています。すなわち「実はとんでもなく簡単な理論で、気づいた瞬間に技術的にも簡単に実現できるものだが、その『気づくまで』がなかなか容易なことではない」というのが「移動要塞技術」の実態であると考えたわけです。そして、この論法であれば帝国側がシャフトの提言からたった2ヶ月弱の工期&運用テストで移動要塞を簡単に実用化できてしまった理由もあっさりと説明できるのですよ。一度完璧に理論が実証されてしまえば「何でこんな簡単なことに気づかなかったのだろう?」と後で述懐してしまう類の問題というわけで。
Merkatzさんは運用面をも含めた移動要塞技術の難易度が高いと述べておきながら、帝国側があれほどまでに簡単に移動要塞技術を実用化してしまった理由を説明できておりません。もしこれが帝国と同盟の技術運用格差の問題であると言うのであれば、帝国と同盟の国力格差は銀英伝本編で現れている数字よりもはるかに巨大なものであったと言わざるをえず、帝国・同盟・フェザーンの勢力均衡が140年近くにもわたって続いていたという設定自体が崩壊してしまいます。銀英伝の設定を擁護するために私に反論しながら、それによってより巨大な矛盾を自らの主張から出現させてしまっては意味がありますまい。>
ポイントを述べると、
a.宇宙船において、スピンしないようにエンジンの配置をするのは、宇宙時代であれば当然のはず。つまり、銀英伝世界で当然実施されていることとみなせる。
b.ガイエスブルグ要塞のエンジンの同期に際し、テスト段階でもほとんど問題が発生せず、すぐ実線投入可能となっている。つまり、「移動要塞技術の発想」は「コロンブスの卵」に近いものだった(「実践」は容易であるが「理論」の発見の方が困難であった)。
c.同盟が帝国よりも技術的に劣っていたとされる根拠がない。
つまり、第一には、ガイエスブルグ要塞における移動化の成功は、再現不可能な「僥倖」とは考えられない、ということです。
第二には、同盟と帝国の技術的格差を例証する銀英伝世界における「実例」が存在せず、同盟における前記の1・3の実例を踏まえると、同盟と帝国の技術は、少なくともエンジンに関しては同等、と言えるのではないでしょうか。
それから、エンジンの同期に関しては、作者は大問題だと思ったのかもしれませんが、現代の技術で考えても、それほど困難な技術とは私には思えないのです。
> これまた旧軍の例を持ち出してなんですが、例えば旧軍は既存の2000馬力級エンジンを二つ並べて4000馬力を得ようとした事がありますが、結局はエンジンを同時に制御するシステムを作れずに失敗しています。
> また、同様の事は技術大国ドイツやアメリカでも例があります。
まず、電子制御なるものの存在しない戦前においては、エンジンの同期は困難です。また、ここで例示されているエンジンは、双発の航空機のことでしょうか。航空機で考えますと、エンジンの製造においてムラが発生すれば、双発とした場合、左右で出力が異なるわけですから、これは使い物にならないですね。
改善案としては、職人芸でエンジンの調整を行うというところでしょうが、大量生産にはまったく向かないでしょう。
一方、電子制御が一般に行われる現代において、制御の一例として、例えば次のようなものがあります。左右のエンジンの回転数(単位時間当りの回転数)を検出し、左右の回転数が一定となるように燃料噴射量を微調整して、左右のエンジンを同期させるというものです。つまり、エンジンに製品毎のムラがあっても、現代の技術では、それをうまく同期させることだって可能なのです。ましては、製品のムラの発生率の低さなどは、戦前とは比較になりませんし。
「移動要塞」の技術的困難を証明するのは、かなり難しい作業だと思います。
< 今回のスレッドで私はことあるごとに何度も言っていますが、作品を擁護しようとして、更なる大きな矛盾を自分の手で作成してどうするのです? 私の主張内容にだけ反論すればそれで終わり、ではないのですよ。>
これは冒険風ライダーさんの手厳しい指摘ですが、反論は銀英伝世界を壊さない内容とする必要がありますね。
<ただ、取りつけるためのエンジンを生産しうる工業力が無かったというのが現実だったのだと思います。
「既存のエンジンを並べるだけだ」というのも無意味です。>
例えば、Walkyureさんのこの記載は、前記1・3に明確に反しています。
前記三つの実例(同盟に限定すれば二つの実例)を前提とした上での反論でなければ、有効な反論とはなりえないかと思います。
- 親記事No.3468スレッドの返信投稿
- board4 - No.3498
Re:「移動要塞」について
- 投稿者:六三
- 2003年01月30日(木) 14時22分
そうだなあ。俺も要塞が動いても動かなくてもいいけど、それを持ってヤンやラインハルトを無能呼ばわりするのはどうかと思うよ(その点において)。軍人ってのは案外技術的発想にかけるものだし、その時点での通常戦力を効率よく運用できる時点で充分に及第点以上な訳だしさ。
- 親記事No.3491スレッドの返信投稿
- board4 - No.3499
Re:八木あつしさんへ
- 投稿者:六三
- 2003年01月30日(木) 14時28分
> 内容は、太平洋戦争から100年程たった日本と戦争中の日本が「時空トンネル」でつながり双方の世界が互いに影響しあっていくとゆうものです(戦争から100年たった世界の日本人のほうが情けな過ぎるきもしますが)。
そのネタってタイムスリップ大戦争じゃないの?20年ぐらい前のSFであったよね。まあ、ネタをリメイクするのは良いと思うけどさ。横槍ゴメン。気になったんでそんだけ。
- 親記事No.3468スレッドの返信投稿
- board4 - No.3500
Re:Re3468/3481/3489/3493:久々の移動要塞関連レス
- 投稿者:Ken
- 2003年01月30日(木) 14時56分
冒険風ライダーさん、
直接に発言を交わさせていただくのは初めてですね。どうかこれからよろしくお願いいたします。
はじめに、前回の私の発言に関して、私の文章構成力の貧弱さゆえに、誤解を招いたことをお詫びします。観察中さんに向けた、あの発言の前半部は、たしかにライダーさんの過去の発言についての感想です。しかし、Walkureさんに向けた後半部は、すくなくとも私にとっては、銀英伝世界の設定とは無関係の、一般論としての「技術の難しさ」を話題にしたつもりでした。しかし、今読み返すと、どうみても前後半部を通して、ライダーさんの発言を論じているようにとれますね。大変失礼しました。
>すいませんが、御二方が述べられている「物理的に無限の補給能力
>などというものはありえないのでは?」「ユリアンとキャゼルヌの
>会話『のみ』をとらえて要塞が無限に活動できる、と結論するのは
>飛躍がある」などの疑問に関しては、すでに過去ログで全く同様の
>質問を発していた人と議論を重ねておりますので、まずはそちらを
>全て閲読し、内容を把握した上で改めて反論していくのがよろしい
>のではないかと。
実を言いますと、私はあの長大なスレッドを完全読破できていません。(読んだのは、最初のライダーさんの発言と、それに続く20くらいです。)それでは発言に説得力がない、と言われますとそのとおりかと思います。ただライダーさんが、以下のように、論点を簡潔にまとめてくださったので、とりあえずはこれに対する私の考えを述べてみたいと思います。
>第一、件の銀英伝考察3で私が「無限の自給自足システム」の根拠と
>して作中から引用した文章は、「ユリアンとキャゼルヌの会話」と
>「ヤン自身が『イゼルローン要塞にとどまっている限り、食糧も武器
>弾薬もどうにか自給自足できる』とはっきり述べている箇所」があり、
>その2つをもって私は自説の強力な根拠としているのですが、何故後
>者の方を完全に読み落した挙句、まるで私が根拠のない批判を展開し
>ているかのような「印象批判」などを主張しておられるのでしょうか?
先の発言をしたとき、確かに私はヤンの言葉を失念していました。申し訳ありません。
ただ、私の論点は、「50年は持ちこたえられる」ことを意味するユリアンの発言は、「イゼルローン要塞が一箇所に停止していること」を前提としたものではないか、しかし要塞を移動させるとなると、前提自体が変わってしまうのではないか、ということでした。そして、この点ではヤンの言葉も同様ではないでしょうか?
イゼルローンのエネルギー源が、内部のストックであれ星間物質であれ、その総量あるいは単位時間あたりの採取量は、要塞の生命維持装置を稼動させたり、食料プラントを運転したり、艦船にエネルギーを補給するには十分だが、60兆トンの質量を宇宙のあちこちへ移動させるには全く不足しているのではないか、実際に動かせば、たちまち「ガス欠」になるのでは、ということでした。
ガイエスブルグにそれができたのは、要塞外部からの補給があったからではないでしょうか?それも、帝国本土にいる間の話で、補給を受けられないイゼルローン回廊へ乗り出せば、後は自分で運べる燃料に頼るしかありません。それでもイゼルローンの位置まではエネルギーがもったが、同盟領まで行くだけの航続距離はない。だから、ラインハルトも、その後の作戦に使用できなかったのでは?
ということを、言いたかったのです。
これなら、作品に描かれている銀英伝世界の設定と、矛盾しないのではないでしょうか?
- 親記事No.3468スレッドの返信投稿
- board4 - No.3501
Re:Re3468/3481/3489/3493:久々の移動要塞関連レス
- 投稿者:観察中・・・
- 2003年01月30日(木) 16時36分
>
> >観察中さん
> >Kenさん
> すいませんが、御二方が述べられている「物理的に無限の補給能力などというものはありえないのでは?」「ユリアンとキャゼルヌの会話『のみ』をとらえて要塞が無限に活動できる、と結論するのは飛躍がある」などの疑問に関しては、すでに過去ログで全く同様の質問を発していた人と議論を重ねておりますので、まずはそちらを全て閲読し、内容を把握した上で改めて反論していくのがよろしいのではないかと。
> 第一、件の銀英伝考察3で私が「無限の自給自足システム」の根拠として作中から引用した文章は、「ユリアンとキャゼルヌの会話」と「ヤン自身が『イゼルローン要塞にとどまっている限り、食糧も武器弾薬もどうにか自給自足できる』とはっきり述べている箇所」があり、その2つをもって私は自説の強力な根拠としているのですが、何故後者の方を完全に読み落した挙句、まるで私が根拠のない批判を展開しているかのような「印象批判」などを主張しておられるのでしょうか?
> 少し離れてはいるものの、普通に銀英伝考察3を隅から隅まで読んでいけば、あの文章も決して分からない場所にある引用文ではないと思うのですが。
・・・・・・もう一度、多少なりともログを読み返してみました。
全てではありませんが。
正直申し上げて、私はついていけませんm(__)m。
以前読み返したときはざっとで、見落としておりましたが、細かく読み込むと、
ほとんど生理的な苦痛を覚えるほどになりまして・・。
冒険風ライダー様。
銀英伝の設定が粗雑であるのを補完し、それを擁護と仰る姿勢に対しては、
一定の理解が可能です。
しかし、その姿勢を盾に、反論する方に対し、挑発的というか一方的否定とも取れる
やり方で討論を仕掛けられる事には、ほとんど生理的な反発を覚えます。
(「・・できるものならやってみろ」「超高難易度」うんぬん)
読者と作品の向き合い方には様々な形があります。
私は技術で生活している以上、SF的作品の技術的背景は考察しますし、
多少なりともそれに即した考察を行います。
技術者にとって、それは知的ゲームであり、多少なりとも自信ある前提を取って、
それを敷衍する事には創造的な喜びがあるからです。
そして、銀英伝はそう云った考察に対して、様々な奥行きを持っている。
軍事的素養を持っている人には軍事の、歴史的素養を持っている人には歴史の、
政治的な・・まあ政治に関しては素朴とも云えるところがありますが・・・
考えからすれば政治的な文脈で、様々な想像を働かせる余地を。
ところが(あるいは、それが論理的な問題ではなく、一種の必勝型論争術なの
ではないかと思われるほど)当該スレッドにおける冒険風ライダー様の考察は
「作品世界絶対」です。
その文脈で話を展開させなければ作品世界否定に繋がる・・と云うのであれば、
そもそも作者以外が破綻なく想像の翼を広げる余地はありません。
それは究極まで推し進めると、
「冒険風ライダー様の解釈におけるゴミレスを全てけしさった、絶対的静謐と清浄の世界」
に到達する他はない。
そも、様々なレベルの議論が存在する価値もなく、このような掲示板に発言が
雲集している状況も必要なく、高次元の正論家と、それに対してエールを送る観客があればよい。
私には、ほとんどそのようにしか感じられません。
正直申しまして、私自身も非常に痛いことを申しております。
・・激昂といってよい精神状態にありますから。
申し訳ありませんが、頭が冷えるまで、しばし全ての発言を控えさせていただきます。
(いや実際、これ以上体温が上がると、何を喋りだすか分かりませんので・・)
- 親記事No.3468スレッドの返信投稿
- board4 - No.3502
はじめまして
- 投稿者:さいちょ
- 2003年01月30日(木) 17時02分
以前からちょくちょく拝見させて頂いてました。
この話題は結構前に終わったと思っていたら、また盛り上がってきた感じですね。是非は一先ずおいておいて、この移動要塞論のもつ力を再認識した感じがします。
ついでですので、私も少々書き込みを。
本自体を友人に貸してしまっていますので記憶があいまいな可能性がありますが、八巻で、停戦の後の会談に赴くに当たってのくだりの文章だったと思うのですが、補給物資を整えるのにもイゼルローンの生産力では時間を必要とする、というような一文があります(ただし、ヤンの死後のイゼルローン脱落組に対して一般物資の開放をしてるので、篭城自体は可能であると思われます。あくまで弾薬や戦闘物資を連続して使い続ける事が無理、というところでしょうか)。それをみて、
1、自給能力は平時はともかく、連戦に耐え切れるほどの生産力ではない
2、一撃離脱戦法を取るしかない
との感想を持ちました。
要塞自体の機動力はさほど優れておらず、ワープの出現はどうやら探知できるようなので(ガイエスブルグ出現時はワープの時空震を偵察部隊に探知されていたと記憶しています)、以前話題に上ったアンネローゼ人質作戦なんかは難しいと思われますが(ケスラーではないですが、重要なのは場所ではなく人なので、アンネローゼの居住惑星周辺に防御網を敷かれてしまうと成功率が激減します)、全土にわたってゲリラ戦法を取り、帝国の士気を低下させ、それによってラインハルトの熱狂的支持熱を冷まして民主主義の芽を残す、というヤンの目的を果たす事は十分可能であると考えます。
という事で、私はどちらかというと冒険風ライダーさんよりの考えをもっています。少々の割には長くなってしまい、申し訳ありません。
追記
私の見落としなどで、すでに結論が出てしまっている部分が有りましたら、笑って見逃してやってください。何ゆえ記憶力はあまりよろしくありませんので……
- 親記事No.3468スレッドの返信投稿
- board4 - No.3503
Re:Re3468/3481/3489/3493:久々の移動要塞関連レス
- 投稿者:RAM
- 2003年01月31日(金) 03時52分
とりあえずはじめまして。
この件に関する僕なりの考えを言ってみたいと思います。
>「なぜ移動要塞建造の命令が下されてからたったの2ヶ月、ガイエスブルクまでの移動時間を
>差し引けば実質的には最高でも1ヶ月前後の時間で移動要塞は簡単に稼動してしまったのか?」
この疑問がそもそも致命的だと思うんです。部品自体は既製品のエンジンと要塞の組み合わせに過ぎなくても、
その組み合わせが今まで存在しなかった以上、その運用・保守の為に長期的なデータを取らなければ
ならないはずなんです。技術陣が一ヶ月で組み上げちゃったからそれでいいやなんていうのは、
たまたま上手くいった試作品を実戦に投入したとしか考えようがないと思います。
移動要塞を長期的に運用するつもりがあったなら、試作品のガイエスブルクを長期的に稼動させて、そのデータを
とらないといけないはずです。時間の流れを速めたシミュレーションで済ませてはいけません。
銀英伝世界にいるのが我々と同じ人類である限り、絶対に予期せぬエラーが起こります。
設計段階では予想できなかったデータを設計にフィードバックする、それが信頼性を高めると
言うことであるはずで、ガイエスブルクには寿命に対する保障が全くありません。つまり
移動要塞にはこの時点では平均寿命に対する保障が全くない、いつ故障しても全く不思議でない
程度の信頼性しかありません。こういう代物を、一般的には欠陥製品とか開発途中とか言うのでは
ないかと思うのですが。
これを踏まえて考えると、ガイエスブルクが吹っ飛んだ時、帝国軍には移動要塞という兵器の量産体制は
整っていなかったということになると思います。ここにいたっては、ラインハルトが移動要塞を作ろうと
しなかったのはむしろ当然です。作る端から故障していくかもしれないような兵器が実用に値するはず
ないです。本来移動要塞の運用実験におけるデータ取得の為だけにでも一年くらいは
欲しいところです。移動要塞を正式な兵器に採用するつもりなら、開発期間は3年くらいは見込まなくては
いけないのではないでしょうか。数字に全く根拠はありませんが。
つまり、ラインハルトが愚かであるとすれば、移動要塞をもう作ろうとしなかったことではなく、試作品を
実戦に突っ込んでしまったことにあると思います。まとめてみると、冒険風ライダーさんが本来反論として
用いたはずの
>ノウハウを確立していない段階で移動要塞をイキナリ不要不急のイゼルローン要塞攻防戦などに出兵させた挙句、
>貴重なサンプルを無為に破壊する結果を生んでしまったラインハルトは、もはや無能どころか
>「救いようのない大馬鹿者」にまで転落してしまうのではないでしょうか?
この仮定に賛成することになってしまいますね。
-
- board4 - No.3504
ちょっと思うんだけど
- 投稿者:六三
- 2003年01月31日(金) 05時28分
異常なまでに長い引用止めないかない?
えらい見辛くてかなわんのだけど。
引用するにしても必要な部分だけでいいでしょ。
話題の大本は頭の板見れば済むことだと思うんだけどなあ。