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投稿ログ152 (No.2733 - No.2750)

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board4 - No.2733

Re:銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:吉良国 育生
2002年09月12日(木) 01時32分

> 膨大な数のSFによって「宇宙軍」=「海軍」と言うアナロ
> ジーが人々の頭に刷り込まれた

 そう言えば、アポロも宇宙船でしたね、すでに人類にとって宇宙は海なのか。

> それよりも気になるのは、シェーンコップやオフレッサーやリューネブルクも「admiral」なんでしょうか?彼らは、現代でいえば、NavyよりはMarine(陸戦隊)にはるかに近いし、それなら陸軍式に「general」でないとおかしいのでは・・・。でもシェーンコップやリューネブルクは、AdmiralヤンやAdmiralグリンメルスハウゼンの部下だしなあ・・・

 海兵隊大将=Generalは米語です。
 つまり海兵隊が海軍から独立しているのはアメリカだけで、他国の海兵隊、陸戦隊、海軍歩兵などは海軍の所属になります、当然、それらを指揮する将官は提督と呼ばれます。
 銀英伝に出てくる陸戦部隊は、宇宙軍から独立しているようには見えませんので、提督でよろしいのではないでしょうか。

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board4 - No.2734

Re:艦艇乗組員は何をしているのか

投稿者:古典SFファン
2002年09月12日(木) 03時14分

こんにちは、おなじみ古典SFファンです(笑)。

>  考えたら、艦艇乗務員は何をしているのでしょう。バーミリオン星域会戦で示された数字を参考にすると、一隻あたり帝国軍は平均121名の乗務員、同盟軍は116名の乗務員となります。
> 空戦部隊や白兵部隊のことを考えると、これは意外と少ない人数かも知れませんが、艦艇乗務員は何のために乗り込んでいるのか、ますます分からなくなるような中途半端な人数です。
>  軍艦の目的(敵への攻撃)をラインとすると、このラインの部分はコンピューターに任せた方が反射神経もよく、完全無人化したほうがいいのではないでしょうか。もちろん、その場合のコンピューターは基礎部分はオフラインにする必要があるでしょうが。

私の本業はシステム屋ですが、この種のロジックにはいつも抽象的問題がつきまといます。
「敵とは何か?」と云う認識の問題です。
無人戦闘を目的とするシステムを作り上げ、「標的はこれこれこういう外形の物体」と
設定したとしましょう。
艦艇のコンピュータに学習機能を持たせ、敵戦艦を狙い撃たせたとします。
恐らく狙いは正確だし、反射速度も人間とは比較にならないので、単なる射撃戦なら
大変な好成績を収めるはずです。

が・・コンピュータのレーダーの視野に「なんの変哲もない隕石」が入ってきたとすると、
コンピュータはこれをいちいち撃とうとは考えないでしょう。
機械は人間と違って無駄な事はしないし、想像力というものがない精神の持ち主ですから。

そして、意地の悪いシナリオであれば、その隕石が偽装した惑星破壊ミサイルだとか、
強襲揚陸艇である事が発見された時、既に防衛線は突破されてしまっている訳です(笑)。

隕石や、まぎらわしい物体や、ありとあらゆる疑わしいものを敵として狙えと
プログラムする事は可能です。
が、大概の場合そんな事をすると処理能力が尽きるか、エネルギーが尽きるか、
・・・かつて「バーサーカー」と云うシリーズ作品がありましたが、プログラムの
狂いにより、ありとあらゆる生物を「敵」として根絶する事を目的とするロボットの
大艦隊が出来上がってしまったりします。
(学習が進んだ結果、ロボットが偏って進化しすぎてしまったが故の事故です)

それと、テクノロジーが進歩した未来になれば分からないのですが、
われわれの世界には経験則があります。

「システム化しすぎたシステムは瞬時に陳腐化する」
つまり、ありとあらゆる事態を想定し、何もかも自動的に行えるように作りこんだ
システムは、それを構築した設計者の予想を超える事態に出会うと、たちまち
使い物にならなくなってしまうと云うことです。

そして、設計者は人間ですから、必ず予測を超えた事態が来ます。
というより、特に軍事に関しては、予測を超えた事態を作るべく「敵」が日夜努力
するであろうと考えるのが自然です。

そう云う時、優れたシステム構築者は、
「人間を最も良くサポートしながら、柔軟に人間の対応余地を残しておく」
ようなシステムを考え出すものです。

特に、人間の補充が利き辛い宇宙において、艦艇のシステムは、むしろ、故意に
システムに「遊び」を作っておき、「人間が足りなくなった時は出来る限り
自動システムが補助するが、基本的には人間が常に介入する余地を作っておく」
方が、基幹要員の予備を載せておく必要性も含め、論理的であるとも考えられます。

・・・人間を切り捨てるように、切り捨てるように構想されたシステムには
「遊び」が少なくなると云うのが、システム化が行われる時の経験則です。
特に戦争のような不条理な状況(予測を裏切る手を使ってくるのが日常)の
場合、「遊び(冗長性)」を過剰なほど確保しておくのが重要とも思われます。

>  ラインが無人化された場合、スタッフの人数もそんなには要らない筈です。せいぜい、メインテナンス、プログラマー、医療スタッフの他は司令部が数人いればいいということになりませんか。もちろん白兵部隊が存在するならばその分の人数が必要でしょうが、もしこの人数を100人くらいと規定すると、乗務員の殆どは白兵部隊の所属ということになります。
>  ローゼンリッターが専門職だったように、白兵戦になる機会がそうそうあるとは思えません。
>  もっと分からないのが空戦部隊です。これなんか完全に無人化した方が有利だし、わざわざ人間を乗り込ませる必然が分かりません。
>  一隻あたりの乗務員を10名くらいまでに抑えられれば、人的損失もそれだけ抑えられるのに、なかなかそうはいかないんでしょうか。

空戦に関して云うと、確かに、標的さえきちんと識別できる状態なら、無人の
方が優れている可能性があります。
が、「何を狙って良いのか」分からない状態では、どうしても人間がそれを選ぶ必要が
ありますし(視野に入って、敵味方識別信号を出していないものを何でも撃っていい
わけではない)結局、機械が本来の意味で「人間的(生物的?)」な判断力を獲得
できない限り、人間が考える理想的な戦闘を完全に無人化するのは難しいのでは
ないでしょうか。

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board4 - No.2735

Re:艦艇乗組員は何をしているのか

投稿者:優馬
2002年09月12日(木) 03時57分

優馬です。

そういえば銀英伝世界には「人間そっくりの思考をする」ヒューマノイド・タイプのロボットは登場しませんなぁ。というか、単純労働に従事するロボットすら自立行動せずに人間に使われている。(確か「ロボット掃除機を操作して・・・」みたいな記述がありました。)

まぁこれは意図的に出してないらしいですけどね。
考察としては、「ワープ航法を可能にするような星間大文明が、なぜロボットを発明しなかったのか?」という問いは面白いかと思います。
(以前に議論されていたらごめんなさい。)

で、ヒューマノイド型ロボットがいないということは、古典SFファンさんのおっしゃるとおり、銀英伝のコンピュータというのは我々が使っているノイマン型の石頭とあんまり変わらないということなんでしょうね。だから、戦闘機にはやっぱり人間が載らなきゃいけない世界なのである、と。

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board4 - No.2736

Re:艦艇乗組員は何をしているのか

投稿者:ロード・レオン
2002年09月12日(木) 04時01分

>  考えたら、艦艇乗務員は何をしているのでしょう。バーミリオン星域会戦で示された数字を参考にすると、一隻あたり帝国軍は平均121名の乗務員、同盟軍は116名の乗務員となります。
>  軍艦の目的(敵への攻撃)をラインとすると、このラインの部分はコンピューターに任せた方が反射神経もよく、完全無人化したほうがいいのではないでしょうか。
>  ラインが無人化された場合、スタッフの人数もそんなには要らない筈です。
>  もっと分からないのが空戦部隊です。これなんか完全に無人化した方が有利だし、わざわざ人間を乗り込ませる必然が分かりません。

結局のところ、完全にはコンピューターに任せ切ることが出来ない、ということでしょうね。古典SFファンさんも書いていますが、索敵にしろ、敵味方識別にしろ、どんな技術にも対抗手段が存在するので、完全に自動化するのは無理で、せいぜいセミ・オートにしか出来ないのだと思います。
戦闘機(スパルタニアン,ワルキューレ)を無人化しないのも同じ理由でしょう。索敵が満足に出来ないのでは、ただのガラクタですからね。
ちなみに僕なりに乗組員の構成を考えると、駆逐艦程度の艦でも、艦長1名,情報担当士官2名,航法担当士官2名,火器担当士官2名,レーダー担当オペレーター2名,火器管制オペレーター5~10名(火器の数),通信オペレーター2~5名,機関士10~20名,主計官1名,医務担当官2~5名,コック1~2名,その他数名で、最低40名程度の人員が必要だと思います。これに、特殊な兵科である空戦部隊,陸戦部隊を加え、さらに規模の大きな戦艦・空母などのあることも考えると、平均120名程度というのは当たらずと言えども遠からずといったところではないでしょうか?

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board4 - No.2737

Re:商業作家に幻想を抱くのは、ほどほどにしましょう。

投稿者:深草の少将
2002年09月12日(木) 05時03分

> > 同人小説ならいざ知らず、ちゃんとした商業作品として出版したものを途中で放棄するなんて、プロの作家として一番やってはいけないことだとオレは思うのだが……。
>
>  私個人の意見としては、作品をどうするのかを決められるのは、作家と出版社だけの権利だと考えています(読者の権利は買う買わないの判断と作品の批評だけだと考えます)、ですので作品を途中で投げ出すのも作家(と出版社)の権利のうちだと思います。
>  それに、ヤン・ウェンリ-のような人物を理想視している人が、一生遊んで暮らせるだけのお金を持っているんです、まともに働くと思う方が間違ってますよ。
>
> > 田中芳樹、佐藤大輔、森岡浩之、…みな遅筆になっていきました……(涙
> > 果たして彼らの作品は完結するんでしょうか。
>
>  佐藤大輔といえば、彼は著作「レッドサン・ブラッククロス パナマ侵攻1」の195~196ページにおいて以下のように述べています。
>
>  「きちんとした報告や研究は莫迦を評論家にする」真田を言った。
>  「それが理由だ。連中、整ったものを目にすると、それがなにを話っいるかではなく、そこにある瑕瑾を見つけだして自分の卑小な優越感を満足させることに喜びを見いだす」
>  「莫迦、ですか」
>  中略
>  「おるおる。迷惑で仕方がない。特に物事を自主的に判断するという点でね。奴らは他者を認識する基準として、信仰と憎悪の二種類しか持っていない。莫迦というよりは、狂人だな」真田は罵った。
>  「他人へ勝手に自分を仮託した末に、なにか自分の思い通りならないとなると莫迦な女子供のように裏切られたのどうのとわめきちらす。それでいて、自分はいっぱしの理屈を通していると信じて疑わないのだから始末におえない。堀君、そんな屑どものことをなんと表現すべきかわかるか」
>  「莫迦や無能ではおっつきませんね」
>  「ああ、おっつかない」真田はうなずいた。
>  「女の腐ったような奴、というのさ」
>
>  まぁ、そういう訳ですので、商業作家に幻想を抱くのは、ほどほどにしましょう。

失礼ながら、あなたは少し誤解していらっしゃるようだ。
オレは何も田中芳樹に対して「幻想」を抱いているわけじゃない。
小説かも人間である以上、中には名作もあれば駄作もあるだろう。それは仕方のないことだ(それが様々な批評を受けるのもまた仕方のないことではあるが)。
だが作品、それも商業作品として一旦世間に出したものを、途中で何の理由もなくやめてしまうというのは、名作とか駄作とかそういう以前の問題だと思うんだ。
ましてや作品中であれだけ政治批判や社会批判をやっている人間ならなおさら自分自身が物書きとしての最低限の「倫理」や「責任」を全うすべきだろう。
百歩譲って、極度のスランプに陥って一筆も書けないというのならまだ情状酌量の余地もあるが、一方では続き物を何年もほったらかしにしておいて、もう一方では別の出版社から新作を何本も書いて出すという姿勢は「人間」としてあまりにも無責任だし、糾弾されてしかるべしとオレなんかは思うが。

実をいうとオレは「アルスラーン」は結構評価してたんだ。俺が厨房、工房の頃は本格的な国産ファンタジーというのがまだまだ少なかったし(今でも少ないが)、ひょっとしたら「アルスラーン」は「銀英伝」と並んで田中芳樹の二枚看板になっていたかもしれない。その重要な作品をあんな風にしてしまったのは、他人事ながらとても惜しいことをしてしまっていると思わざるを得ないのだが。

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board4 - No.2738

Re:艦艇乗組員は何をしているのか

投稿者:吉良国 育生
2002年09月12日(木) 06時31分

 軍艦は二十四時間経営ですので、乗員は三交替制で勤務します、ですので乗員数は艦の運行に必要な数の三倍になります。
 そうなると、戦闘中は乗員のうち三分の二が暇になりそうですが、実は彼らにも仕事があります。
 彼らの仕事は、死傷者が出た場合はその者の代わりを務め、艦に穴があいた場合はその穴を塞ぎ、機械が壊された場合はそれを直し、直せない場合は総員の人力でそれを補完する事です。
 このように損害を受けても戦闘能力を維持する事を、ダメージ・コントロール(損害管理)、略してダメコンといいます。
 いくら自動化ができるからといっても、戦場で機械が万全に動いてくれるとは限りません、結局最後にものを言うのは人の力です。
 ちなみに近代海軍の陸戦要員はこれらの余剰要員から臨時に編成されるのが常でした(これから強襲上陸部隊として特化したのが海兵隊です)、ですので銀英伝の艦にも専門の陸戦部隊があるのではなく、手空きの乗員によって臨時に編成されるものだと思います。

> (視野に入って、敵味方識別信号を出していないものを何でも撃っていいわけではない)

 イージス・システムは正にこれですね、「All weapons free」を発令すると、敵味方識別信号を出してない物は撃たれてしまいます(脅威度が低いと無視しますが)、お陰で民間機を撃墜した事がありました。

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board4 - No.2739

Re:艦艇乗組員は何をしているのか

投稿者:蜃気楼
2002年09月12日(木) 13時54分

>  もっと分からないのが空戦部隊です。これなんか完全に無人化した方が有利だし、わざわざ人間を乗り込ませる必然が分かりません。

 軍艦の人員削減が難しいことは判りましたが。空戦部隊に関してはやっぱり無人機は魅力的だと思います。長所は、

 1 20G30Gといったでたらめな加速による有人機では追随不可能な高機動戦闘が可能。
 2 パイロットの育成費用が浮く。また全機に最高のプログラムを搭載可能。
 3 コックピットや生命維持装置がないので軽量化できる。また根本から設計を見直すことにより大幅な小型化の可能性もある。

 無論短所もあるでしょうが改良を重ねれば補えますし、有人機と組み合わせるというやり方もあります。

 何で無人機は出てこないのでしょうか?パイロットたちが優秀で無人機の出番がないのでしょうか?でも、ポプランが出てくるまで一騎打ちが空戦の基本だったしなあ。

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board4 - No.2740

Re:艦艇乗組員は何をしているのか

投稿者:Ken
2002年09月12日(木) 14時45分

古典SFファン様、

大変に興味深い問題提議をしていただき、ありがとうございます。私もシステム屋で、産業ロボットの開発プロジェクトに加わったこともあり、大金を投じて開発したロボットが、結局「パートのおばさん」との競争に敗れて退場した例をいくつも見ました。最近は、本物のロボットだけでなく、人間をロボットのように働かせるベルトコンベアラインすら時代遅れになりつつあり、人間のフレキシビリティを最大限に活かす生産形態が勢力を伸ばしています。そうなる理由は、ほぼ古典SFファン様が述べておられるとおりだと思います。

ただ、それは工場での生産や会社の業務など、長期にわたって継続するオペレーションの場合にいえることで、戦争となると、少しの戦力差が損害の差になり、それがさらなる戦力差になることで、雪崩式ににワンサイドゲームになるため、もしも

>艦艇のコンピュータに学習機能を持たせ、敵戦艦を狙い撃たせたとします。
>恐らく狙いは正確だし、反射速度も人間とは比較にならないので、単なる
>射撃戦なら大変な好成績を収めるはずです。

という状態が初めからあった場合、

>設計者の予想を超える事態

を生じる前に勝負が決してしまう場合が多いのではないでしょうか?特に海の戦いは(宇宙も同じだと思いますが)、地形を利用して優位に立つことができず、互いに自分の姿をさらして射ち合うため、その傾向が顕著だという話を読んだことがあります。例えば日本海海戦は三十分で大局が決したとか。(「坂の上の雲」より)

つまりは、戦闘開始直後に最大のエネルギーを投入し、極論すれば

>視野に入って、敵味方識別信号を出していないものを何でも撃

った方が、相手に損害を与えて優位に立ち、わずかでも優位に立った方が、たちまちそれを拡大し、最終的には、エネルギーも砲弾もそして人員も、少ない損耗で成果をあげるのではないかと思います。早い話が、自動小銃と狙撃銃では、自動小銃の方がはるかに弾薬の浪費をするが、開けた場所で両者が射ち合ったら、万に一つも狙撃銃に勝ち目がないでしょう。

ちなみに、

>隕石が偽装した惑星破壊ミサイルだとか、強襲揚陸艇

という兵器の有効性は、私には疑問です。戦闘中の艦船は一箇所にとどまることはなく、通常最大戦速で移動しているはずで、ミサイルや強襲揚陸艇はまっすぐ進めばよいのでなく、これらの相手を追い回さねばなりません。いくら見た目が隕石でも、これでは一発で見破られてしまいます。

私が何を言いたいかといえば、古典SFファン様の言われることは充分承知の上で、戦争特に海(宇宙)の戦いは、わりと単純な、射撃速度と精度だけを競うもので、自動化が威力を発揮する典型的な場ではないか、ということです。

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board4 - No.2741

Re:田中氏の他の作品

投稿者:Ken
2002年09月12日(木) 15時00分

A.Naさん、こんにちは。

>田中氏は『銀河帝国興亡史』シリーズをちゃんと読んでいるのでしょうか?

「ちゃんと」読んだかどうかは判断できませんが、少なくとも銀英伝以前に書かれたアジモフ作品を、田中先生が読まれたことは、間違いないでしょう。そもそも、銀英伝自体が、アジモフから多大な影響を受けているのですから。

1.宇宙を舞台にした人類の未来史。(アジモフの作品全体)
2.描かれる社会は、古代・中世的。(「ファウンデーション」シリーズ)
3.地球の没落(「鋼鉄の洞窟」他)と、狂信的宗教の発生(「Pebble in the Sky」)
4.辺境に、文明(民主政治)の種子を残す発想(ファウンデーションはイセルローン共和政府か?)

アジモフの熱心なファンが銀英伝を読めば、換骨奪胎と言って騒ぐのではないかな?

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board4 - No.2742

Re:艦艇乗組員は何をしているのか

投稿者:古典SFファン
2002年09月12日(木) 19時34分

>
> >艦艇のコンピュータに学習機能を持たせ、敵戦艦を狙い撃たせたとします。
> >恐らく狙いは正確だし、反射速度も人間とは比較にならないので、単なる
> >射撃戦なら大変な好成績を収めるはずです。
>
> という状態が初めからあった場合、
>
> >設計者の予想を超える事態
>
> を生じる前に勝負が決してしまう場合が多いのではないでしょうか?
なるほど・・。
(中略)
>
> つまりは、戦闘開始直後に最大のエネルギーを投入し、極論すれば
>
> >視野に入って、敵味方識別信号を出していないものを何でも撃
>
> った方が、相手に損害を与えて優位に立ち、わずかでも優位に立った方が、たちまちそれを拡大し、最終的には、エネルギーも砲弾もそして人員も、少ない損耗で成果をあげるのではないかと思います。早い話が、自動小銃と狙撃銃では、自動小銃の方がはるかに弾薬の浪費をするが、開けた場所で両者が射ち合ったら、万に一つも狙撃銃に勝ち目がないでしょう。
>

無差別攻撃が当たるなら、確かに先手必勝だと思います。
が、当たらない無差別攻撃は自滅を招きます。
(どれほど多量に物資を積んでも、無駄撃ちしすぎれば枯渇するので・・)
このアナロジーは「単純な射撃戦」と云う想定が通用するシーンが
どのくらいあるのかで、重さが大きく変わってしまうと思います。

海戦では「単純な射撃戦」が成立し、大艦巨砲主義が発達しました。
が、宇宙戦闘には、海戦と違う部分が幾つもあります。
まず、次元が一つ多く、3次元戦闘が前提である事。
さらに、開けた場所での精密射撃を可能にする、視界やレーダーの
効力を制限する手段(ステルス技術やECM)が存在する事。
そして、戦闘する艦艇のベクトルの相違けた違いに大きい事です。

これらを全てクリアして、なお「敵に上手く当てられる」だけの
連射・乱射が可能な場合、先手必勝でしょう。

ちなみに、銀英伝では使われていませんでしたが、機動戦士ガンダムでは
「レーダーを妨害した後、遠目には外形で艦艇やモビルスーツと
見分けがつきにくいダミーバルーンをばら撒く」と云う方法で、
敵の弾幕を分散させていたようです。

> ちなみに、
>
> >隕石が偽装した惑星破壊ミサイルだとか、強襲揚陸艇
>
> という兵器の有効性は、私には疑問です。戦闘中の艦船は一箇所にとどまることはなく、通常最大戦速で移動しているはずで、ミサイルや強襲揚陸艇はまっすぐ進めばよいのでなく、これらの相手を追い回さねばなりません。いくら見た目が隕石でも、これでは一発で見破られてしまいます。
まぎらわしい書き方をして申し訳ありません。
私の知るこの2種の兵器は、その名の通り原則として固定目標に用いるものです。
惑星破壊ミサイルは文字通り惑星に落下していけば用を成します。
強襲揚陸艇は対艦戦闘が主ではなく、対惑星・対要塞・対基地用です。
例えば「超人ロック」で使用されたジオイド弾は反物質爆弾で、惑星の
地殻の下に潜り込んだ後爆発し、惑星全体を崩壊させるものです。
(銀英伝には惑星破壊ミサイルはないです)

強襲揚陸艇は対艦戦闘では制圧戦でしか使われず、敵艦を破壊する事が
目的の艦隊戦ではあまり出番がない兵器です。
元々この種の艦艇は前線を封鎖する艦隊の目を誤魔化して、その背後に
ある基地や惑星に降下し、白兵戦で制圧するような使われ方です。

ちなみに、船を狙うのであれば、スタートレックで使用された完全な
ステルス技術である「遮蔽装置」が有効です。
光や探知波を重力場で屈曲させて船を透明化し、全く探知されずに
敵艦に接近し、光子魚雷もしくは艦砲の零距離射撃によって破壊する
のが、その使用方法です。
(このタイプの船には無差別射撃が効きにくいです。高速移動する
物体を狙わずに当てられるほど、宇宙空間は狭くないので・・・)
弱点は、遮蔽効果に用いる莫大なエネルギーのため、主砲もしくは
光子魚雷の発射の一瞬前には遮蔽を解除しなければならない事と、
光は曲げられてもタキオンは曲げられないので、タキオンネットには
探知されてしまう事。
もっとも、タキオンは直進性が強すぎるのが長所と弱点の両方に
なっていて、複数の船でリレーしないとネットが作れない事になって
いました。

>
> 私が何を言いたいかといえば、古典SFファン様の言われることは充分承知の上で、戦争特に海(宇宙)の戦いは、わりと単純な、射撃速度と精度だけを競うもので、自動化が威力を発揮する典型的な場ではないか、ということです。
>
レーダー連動の精密射撃が使える場合には多分、そうなります。
砲手は発射時期をコントロールする程度で、艦砲は原則自動追尾で
敵を狙撃するようになるでしょう。
が、そこは、現在でも「レーダーを使えないようにする」事に
血道を上げる軍事技術者もいるし、スタートレックであったように
「有視界探知も効かない宇宙船」を作ろうという発想もある訳で、
テクノロジーの進歩により前提条件が無効になる世界では、
勝負がどう転んでいくか予測するのは、面白いが決定打が出ない
ゲームとなってしまいますかねえ・・。

board4 - No.2743

宇宙戦は愚か(笑)

投稿者:戦術能力ゼロ
2002年09月12日(木) 19時52分

銀英伝は面白かった。(ガンダムもね)
でもね、田中○樹って阿呆かなって。
だって ゼッフル粒子 あれ何? 白兵戦無理やりさせる為に考えたんだろうけど、無意味じゃん。
だって、気体爆弾なんでしょ、敵地行って撒き散らして、自軍撤退後ドカン。 逆に地雷として入り口に撒いといて進入されたらドカン。
資源求めての占領戦じゃなければ爆発させない事にこだわる事ないのでは・・・
更に艦隊戦、宇宙空間には摩擦もないし、重力もわずか、船なんか建造して投入しなくても、適当な隕石に推進力つけて高速で突っ込ませれば惑星は全滅。 更に中で爆発物詰めて、相手艦隊付近で爆発させれば、爆発時の速度で飛びつづける巨大ショットガン。
宇宙という無限の世界を自由に行き来できる技術がある時でさえ、人間は領土を欲しがるのだろうか?

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board4 - No.2744

Re:田中氏の他の作品

投稿者:IK
2002年09月12日(木) 23時10分

> アジモフの熱心なファンが銀英伝を読めば、換骨奪胎と言って騒ぐのではないかな?

言ってます(笑)。私はアシモフの熱心な読者ですけど、田中さんのあの解説にはアッタマにきましたね。見方が皮相的過ぎる。だいたい解説でしょ、自説を延々と展開してどうするんじゃい! と。

銀英伝の世界でロボットが登場しないのは、ダニール・オリヴォーが第零原則を守るべく、ロボット工学の発展を阻止しているからではなかろうか(笑)。

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board4 - No.2745

Re:艦艇乗組員は何をしているのか

投稿者:IK
2002年09月12日(木) 23時23分

こんにちは、ただの呟きにこんなにレスを付けてくださって、みなさん本当にありがとうございます。
私は根っからの文系で(ワープ論争の時は古典SFファンさんの余りに説得力のある論理にぐうのねもでなかった…)、コンピューターのことは詳しくないんですが、そうですね、定義の問題がありましたね。これは確かに結構厄介です。
しかし定義をつけなければどうでしょうか。
敵を認定した過去の事例、数千、数万のデータを入れておくと言うのは駄目ですか。定義ではなく、シチュエイションで判断させるというのはどうでしょう。
何と言いますかプロファイリングというとちょっと違うかな。文字を追うんじゃなくて絵を見るというか。
その過去の判例(のようなもの)でAIが判断がつかない場合は人間であっても判断がつかないんじゃないでしょうか。

翻訳ソフトでは単語を逐語訳していくのは使えないそうですが、文例をいっぱい溜め込んでおいて、類似の文章を選ぶシステムだと案外、スムーズに転換できるそうです。私が言いたいのもそんな感じですが。

乗務員が三交代というのは盲点でした。これは吉良国さんのご指摘だったでしょうか。そうですよね、8時間勤務が基本ですもんね。そうなると乗員120名程度というのも妥当かもしれません。

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board4 - No.2746

銀英伝の英語訳?

投稿者:新Q太郎
2002年09月12日(木) 23時50分

> 以前ネット上で、米国人ファンが翻訳した銀英伝の英語版を見たことがあります。
> 確か、二巻相当部分までしかなかったような気がするのですが、
> 「二〇代の将官」という部分を「二〇代で准将かそれ以上の階級の軍人」というように訳していたりとか、苦労の跡が見えました。

すごいファンがいますねえ。
しかも2巻まで??
どれだけの苦労があったのやら、想像もつかない。RPG「ウィザードリー」が日本に来たときも熱心なファンが翻訳をアマとしてやったと聞きますが、こういうサブカルチャー文化交流は、幾多の無名人に支えられているのでしょうね。

そういえば、「銀英伝」「創竜伝」は韓国語訳があるんでしたっけ?
台湾ではどうですかね。イゼルローン共和政府が他人事でなかったりして(笑)

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board4 - No.2747

Re:銀英伝の英語訳?

投稿者:IK
2002年09月13日(金) 00時04分

> 台湾ではどうですかね。イゼルローン共和政府が他人事でなかったりして(笑)

台湾では翻訳が正式に出ているそうですよ。
ヤン・ウェンリーは楊威利となっており、ああ、こう書くのかと思いました。

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board4 - No.2748

Re:艦艇乗組員は何をしているのか

投稿者:古典SFファン
2002年09月13日(金) 00時33分

> しかし定義をつけなければどうでしょうか。
> 敵を認定した過去の事例、数千、数万のデータを入れておくと言うのは駄目ですか。定義ではなく、シチュエイションで判断させるというのはどうでしょう。
> 何と言いますかプロファイリングというとちょっと違うかな。文字を追うんじゃなくて絵を見るというか。
> その過去の判例(のようなもの)でAIが判断がつかない場合は人間であっても判断がつかないんじゃないでしょうか。
この辺のことは、今のシステム屋にもわからないです・・・。
現行のコンピュータとのアナロジーは可能なんですが、そうでない
場合、何かの推論を正とも否とも判断しかねますので・・・。

> 翻訳ソフトでは単語を逐語訳していくのは使えないそうですが、文例をいっぱい溜め込んでおいて、類似の文章を選ぶシステムだと案外、スムーズに転換できるそうです。私が言いたいのもそんな感じですが。
>
この種のプログラムを作る方法は幾つか学んだんですが・・・。
「類似する文章を選ぶ」アルゴリズム(考え方や手続き)そのものが
既に「定義づけ」や「評価」を含みます。
文節を一つ判断する毎にポイント付けを行うか、文全体のパターンを
走査してポイント付けや分岐を行うか、文脈全体を判断する辞書を使うか、
方法は沢山あるのですが、いかんせん広義の「判断」と「定義づけ」を
せずにこの種の判断をさせると、コンピュータはデタラメな目標を
攻撃する可能性があります。
(翻訳ソフトの例えで言うと「全く意味の違う文章を拾ってくる可能性が高まる」)
データベースに「ポイント何点以上は敵」とか、「こういうのは味方」
とか判断する基準がないと、・・・イージスの方でレスをつけて
くださった方がおられましたが、「敵味方識別信号のない物体は
全て撃て」と判断するかも・・・。
もしもこの判断基準を与えず、勝手に認識形成を行うようなシステムを
作っておくと、あらゆるものを敵と判断した「バーサーカー」に
襲われる可能性が(--;;;

親記事No.2732スレッドの返信投稿
board4 - No.2749

Re:艦艇乗組員は何をしているのか

投稿者:古典SFファン
2002年09月13日(金) 01時02分

>  軍艦の人員削減が難しいことは判りましたが。空戦部隊に関してはやっぱり無人機は魅力的だと思います。長所は、
>
>  1 20G30Gといったでたらめな加速による有人機では追随不可能な高機動戦闘が可能。
>  2 パイロットの育成費用が浮く。また全機に最高のプログラムを搭載可能。
>  3 コックピットや生命維持装置がないので軽量化できる。また根本から設計を見直すことにより大幅な小型化の可能性もある。
>
>  無論短所もあるでしょうが改良を重ねれば補えますし、有人機と組み合わせるというやり方もあります。

高度なミサイルや自動攻撃機・自動砲台の複合体ですね。
これは確かに魅惑的だと思います。
戦場単位での完全な無人化は無理かも知れませんが、有人機との
組み合わせでかなり魅惑的なオプションにはなるはずです。
・・例えば、味方機からの簡単な指示で自律行動する支援機とか。
「敵味方識別」の問題は常に付きまとうんですが、「大体」で
いいなら使える武装が出来上がる可能性はあります。

>
>  何で無人機は出てこないのでしょうか?パイロットたちが優秀で無人機の出番がないのでしょうか?でも、ポプランが出てくるまで一騎打ちが空戦の基本だったしなあ。
「格好よくないから」(笑)という理由もあるんでしょうが・・・・。
無人機を大量に運用するような戦闘を、過去の事例から類推できない
という点もあるんじゃないでしょうか。
作者は過去の陸・海・空戦の例から宇宙戦闘を「格好良く」描ける
戦場を作り出しましたが、無人機を多量に使う戦いは非常に無機的で
あまり格好よくない可能性がありますし(笑)、そも、過去の事例から
結果を類推できず、たちまち突っ込まれてしまうと判断したとか(あわわ・・)。

親記事No.2716スレッドの返信投稿
board4 - No.2750

Re:田中氏の他の作品

投稿者:古典SFファン
2002年09月13日(金) 01時05分

> 銀英伝の世界でロボットが登場しないのは、ダニール・オリヴォーが第零原則を守るべく、ロボット工学の発展を阻止しているからではなかろうか(笑)。
さらに「永遠(エターニティ)」が「現実調整」を行って歴史を調整しているとか・・(笑)。

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