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投稿ログ4 (No.74 - No.94)

board4 - No.74

アンネローゼ後宮物語

投稿者:優馬
2001年04月29日(日) 06時00分

優馬です。

アンネローゼのキャラクターをこんなふうに考えてみました。

「皇帝フリードリッヒ四世日記」より
帝国歴○年○月○日
 本日は誠に愉快であった。
 何もないところで転ぶ人間というものを見る機会というのは、皇帝といえどそうあるものではない。まして、転ぶついでに、マイヤ夫人(校注:後宮女官長。皇帝の寝室への案内。)のスカートを引き裂き、彼女の下着を露出させるに至っては出来すぎというものである。あの謹直が凝り固まったような女官長が、赤面し狼狽えるのを見たのは欣快の至りであった。見かけによらぬ凝った色調(校注:真紅であったらしい。)の下着であったので誉めてとらせたところ、てっぺんまで赤くなって逃げるように出ていきおった。下々のものの心理は不可解である。
 騒ぎのもとはアンネローゼ・フォン・ミューゼルという下級貴族の娘である。このあいだの行幸の折り、目についたので召還したのだが、思いもかけず楽しませてくれた。当人は至って恐縮しておったから、気にせぬように申し渡す。皇帝の御前ということで緊張していたようであるが、徐々にくつろいで家族のことなど話す。珍しいので色々と聞く。弟を可愛がっていたらしい。気がつくと、寝入っていた。まことに娘々したことだ。あきれて手を出さなかったのは我ながら珍しいことであった。

帝国歴○年○月○日
 改めてアンネローゼを召す。若年により経験が少ないのは致し方ない。
(校注:帝国出版条例89-1により、以下5行削除)

帝国歴○年○月○日
 アンネローゼを召す。「お茶にお呼びしたい」という。「わたくし、不器用なドジっ子でございますが、お茶だけはおいしくいれる自信がごさますのよ」と言う。面白いので招待を受ける。

帝国歴○年○月○日
 アンネローゼからの「お茶」の招待が、思わぬ波紋を呼んでおるらしい。今日、シュザンナ(校注:ベーネミュンデ夫人。皇帝の先の寵姫。)から「私もご相伴を」と言ってよこした。断るのも面倒なので許可する。どうやら宮廷の古狐一行が、随伴することになるらしい。明らかに「いびり」が目的であろうが、アンネローゼには言わぬことにする。どのみち、宮廷で生き延びるためには通らねばならぬ道である。
 アンネローゼを召す。

帝国歴○年○月○日
 アンネローゼの「お茶会」から戻る。笑いすぎて腹が痛い。
 結局、シュザンナ以下5人の女たちが「随行」した。アンネローゼの居室まで行く。後宮のこのような深いところまで行ったのは初めてのことであった。何の屈託もなく、アンネローゼが出迎える。部屋は花やら人形やらいかにも少女趣味に飾ってある。「ふふん、安物。」と古狐の誰かが思いきり蔑みを込めて鼻で笑った。テーブルに就く。クレア夫人-シュザンナの忠実なる副官-が、アンネローゼの席のクッションの間に何かを滑り込ませたのが見えた。何やら面白い展開になった。アンネローゼが「お茶」をいれて甲斐甲斐しく給仕する。「あら、やはりこのようなお仕事はお得意でいらっしゃるのね。」と女狐の一人が露骨な嫌味を言う。が、「はい、母が早くに亡くなり、我が家の家事はわたくしがしておりましたので・・・」と、答える方はまったく邪気がないので、言った方が鼻白んでおる。興味深い。最後にクレア夫人へ茶を給仕しようとしたとき、どういうわけか何もないところでアンネローゼが躓く。不思議な才能である。クレア夫人のクッションに茶がこぼれた。「ああ、申し訳ありません!!」恐縮してアンネローゼが自分のクッションと交換する。クレア夫人、怒るよりも慌ててそのクッションを取りのけようとする。そこで、言ってやる。「そろそろ茶会を始めようではないか。みな、着席せよ。」勅命である。座らざるをえない。古狐の顔面が蒼白である。座ったふりをして、クッションに体重をかけぬよう不自然な姿勢に耐えているのだ。だが、しょせん無為の生活に緩んだ筋肉では体重を支えきれぬ。異様な音が響いた。排泄時の音響にもっとも近いか。(のちに聞けば下々では「ブーブークッション」と呼ぶものであったとのこと。)蒼白だった顔が真っ赤になっていた。声をかける。「・・・体調悪しきものがいるのではないか。大丈夫か。」それに反応してシュザンナが立ち上がる。「ドリー(校注:クレア夫人)の気がすぐれぬ様子。今日はこれにて。」と一斉に引き上げる。さすが、引け際の判断は見事である。アンネローゼと二人きりになって、腹を抱えて笑う。まったく、皇帝などという退屈な代物になってこのかた、こんなに笑ったことはなかった! アンネローゼはただオロオロしているので「心配するな」と言う。

帝国歴○年○月○日
 アンネローゼのまわりに諜報部の密偵を配置する。日々、彼女の周りで起こることを報告させる。あまり「いびり」がひどいようであれば、それとわからぬように助けよ、とも申しつけておく。

帝国歴○年○月○日
 アンネローゼの身辺報告を聞く。これがとんでもなく面白い。アンネローゼは当然というべきか、後宮を上げての「いびり」の嵐にさらされている。ところが、不思議なことにどのような悪意も彼女に届かないのだ。下剤を一服盛ろうとした女官は、自分がそれを飲むはめになった。花束にスズメバチを忍ばせておいたらなぜか本人の部屋に間違って届けられる。部屋の前に動物の死骸を置いておこうとすると、その日に限って予定外の時間に巡回してきた警吏に見つかってしまう。彼女を狙って鉢植えを落とした者もいた。もちろん、当たりはしない。それどころか、そういう場合の十中八・九は同士討ちになるのである。面白すぎる。さらに監視を続けるように指示する。

帝国歴○年○月○日
 アンネローゼを召す。「困ったことはないか」と尋ねると、「みなさん良い方ばかりで・・」と天使の笑顔をする。こやつ、自分に向けられた「いびり」の嵐を知らぬのだ! 笑いの発作に襲われる。アンネローゼが真剣に心配するので「心配無用」と言う。

帝国歴○年○月○日
 ここのところ体調が良い。笑うことが増えたせいか。
 アンネローゼを召す。

帝国歴○年○月○日
 アンネローゼを召す。
 アンネローゼの弟が、士官学校に合格したという。軍務尚書に声をかけておくことにする。

・・・・・・・・・・・・・・・・
帝国歴×年○月○日
 アンネローゼの弟、ラインハルトが外征から凱旋。ブラウンシュバイクらが赤くなったり青くなったりしているのを見るのは誠におかしい。この金髪の孺子、ことごとく肥満体の大貴族どもの鼻をあかせてくれおる。
 姉といい弟といい、朕をかくまで楽しませてくれるのであれば、元帥府のひとつやふたつ、安いものである・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・

 というわけで、典型的少女漫画キャラ「ドジっ娘」アンネローゼでした。歴史的リアリティはないけど、物語的リアリティはあるのでワタシ的にはOK!
 できれば「メガネっ娘」にしたかったんですが(笑)。←冗談です。

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board4 - No.75

Re:悪役列伝(憧憬という名の偶像/アンネローゼ)

投稿者:太郎
2001年04月29日(日) 08時42分

どうも、優馬さん。太郎です。
また面白いネタを提供くださってありがとうございます。
ここしばらくはロムに回っていたのですが、久しぶりにちょっとだけ書き込んでみようかと思います。ホントちょっとだけ。

さてアンネローゼといえばキルヒアイス死後、ほとんど世捨て人のようになってしまうというのは既に他の方も指摘されてますが、そんなアンネローゼもヒルダの懐妊後、表に出てきます。これはいったい何故でしょう?

まあ善意に考えれば、とても家庭を持てそうもない(持ちそうもない)弟が、何はともあれ結婚、その上奥さんは妊娠中とくれば、肉親の情、愛情、私が助けないで誰が助ける、みたいな気持ちが湧いても不思議ではないといえるかもしれません。(笑)

しかしここはあえて斜に構えた見方をすると、アンネローゼはヒルダの懐妊に「奇貨」を見たという言い方が出来るのかもしれません。これまでは何しろラインハルト一人が権力者であり、ラインハルトが倒れればその権力も失われるという非常に有る意味不安定な状態でしたから、下手に近づけず、世捨て人となった。しかしヒルダが懐妊し皇帝の配偶者となるということは権力の基盤が制度化されつつある状態へ移行することを意味します。そこで千歳一隅のチャンスとしてまた世に出てきたわけです。
つまり「皇帝一人の姉」という不安定な立場から「皇帝家の長者」というより安定的な立場が得られることになるので、山を降りたという見方は成り立たんでしょうか?
また「落日篇」柊館炎上においてアンネローゼが地球教徒に対して奮戦したのはそういった裏事情があったのではないでしょうか?

まあかなり妄想も入っていますが、それを補足する事実もあります。
アンネローゼはなんと憲兵指揮官であるケスラーと自分の友人であるマリーカとの仲を取り持っておるのです。ご存知の通り、ローエングラム王朝は武断の性格を持ってますから軍人の権力というのは大きいです。憲兵はその軍人を取り締まることが出来るのですから(まあそう単純ではないにしても)、憲兵を味方につけるということは軍事力を持たないアンネローゼにはかなりのプラスになるのは間違いないです。
かようにアンネローゼは蜘蛛の巣を張るように人脈を広げてじわじわと自分の権力を確立させていったのでした。絡新婦よろしく。

なんてね。

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board4 - No.76

非常に素朴な疑問

投稿者:優馬
2001年04月29日(日) 19時48分

優馬です。

アンネローゼ論にみなさん色々反応してくださって嬉しいです。
みなさんの文章を読みながらアレコレ考察(妄想?)していたのですが、ひとつ、非常に素朴な疑問に突き当たって悩んでいます。それは、

グリューネワルト氏って、いったい誰だ?!

言うまでもなくアンネローゼは「グリューネワルト夫人」、ということは、(形式上なりと)夫たる「グリューネワルト氏」がいないといけないのですが、そんなヤツ、銀英伝にいましたっけ? さっぱり記憶にない。どころか、手元にある「公式ガイドブック」の登場人物事典にも記載がありません。

グリューネワルト氏のことが気になりますのは、形の上だけとはいえアンネローゼの夫であったわけで、これってずいぶんと危険な立場だと思うからです。ラインハルトの嫉妬がもろ、向けられる可能性もあったわけですし、カイザーとなったラインハルトに「不愉快極まる」家名として記憶されるというのは、とんだ災難ではないかと。

そもそも、皇帝の愛人なのになんでわざわざ既婚婦人にしないといけないんですかね? ブルボン朝の事例にならったのでしょうか。確かポンパドゥール夫人とか、そんな派手な人がおりましたですなぁ。

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board4 - No.77

Re:非常に素朴な疑問

投稿者:倉本
2001年04月30日(月) 07時33分

> グリューネワルト氏って、いったい誰だ?!
>
> 言うまでもなくアンネローゼは「グリューネワルト夫人」、ということは、(形式上なりと)夫たる「グリューネワルト氏」がいないといけないのですが、そんなヤツ、銀英伝にいましたっけ? さっぱり記憶にない。どころか、手元にある「公式ガイドブック」の登場人物事典にも記載がありません。
>
> グリューネワルト氏のことが気になりますのは、形の上だけとはいえアンネローゼの夫であったわけで、これってずいぶんと危険な立場だと思うからです。ラインハルトの嫉妬がもろ、向けられる可能性もあったわけですし、カイザーとなったラインハルトに「不愉快極まる」家名として記憶されるというのは、とんだ災難ではないかと。
>
グリューネワルトってアンネローゼの住んでた屋敷か城の名前なんじゃないですか。
つまり、グリューネワルト城に住んでいる皇帝の夫人という意味ではないでしょうか。
もしくはグリューネワルトという土地を領地にしていたんじゃないでしょうか。
私はそういう意味だとずっと思ってました。
日本の天皇の名前にもそういう例はあるし。
豊臣秀吉の子供を産んだ淀君もたしか淀城に住んでいたからそう呼ばれようになったはず。
日本の例しかなくてすいませんが確か外国にも似たような例があったと思います。

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board4 - No.78

Re:非常に素朴な疑問

投稿者:h_taka
2001年04月30日(月) 13時17分

正確には「グリューネワルト夫人」ではなく
「グリューネワルト伯爵夫人」ですね。

原作にアンネローゼの後宮内の友人に
~男爵夫人(名前失念)という人が居て
彼女は独身で男爵家当主だけど女性なので
男爵夫人となっているという記述がありました。

アンネローゼも同様に伯爵家当主だけど
伯爵夫人だと言うことなのでは?

いくらなんでも皇帝の側室に(形式的とはいえ)
旦那がいるわけはないかと(^^;

恐らく男尊女卑社会である銀河帝国においては
女性は実質的当主であっても当主は名乗れず
何々男爵夫人とか伯爵夫人としなければ
ならなかったのではないかと…

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board4 - No.79

Re:非常に素朴な疑問

投稿者:てんてんdwp
2001年05月01日(火) 11時08分

> アンネローゼも同様に伯爵家当主だけど
> 伯爵夫人だと言うことなのでは?

同感。グリューネワルトは惑星名じゃないかと思います。
で、当主であっても女性と男性では通常称号が違いますから、そのへんを区別して「グリューネワルト惑星を統治する女性の伯爵」という意味でグリューネワルト伯爵夫人なのでしょう。
ちょっと異なりますが江戸時代に武家に入る民間女性を一時他の武家屋敷に逗留させてそこで養女にしてから結婚というケースがありました。
この爵位も皇帝の後宮に入った女性が民間人であってはまずいということで付けられたのではないでしょうか。

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board4 - No.80

Re:非常に素朴な疑問

投稿者:S.Inoue
2001年05月01日(火) 12時16分

> 正確には「グリューネワルト夫人」ではなく
> 「グリューネワルト伯爵夫人」ですね。

「伯爵夫人」や「侯爵夫人」や「大公妃」はこのお話における単なる用語です。

確か、このお話の中で、伯爵家の当主が女だったら「伯爵夫人」と称し、侯爵家の当主が女だったら「侯爵夫人」と称し、大公家の当主が女だったら「大公妃」と称します。

仮にキルヒアイスが死ななかったとしたら、夫婦揃って大公家の当主になっていたでしょう。

アンネローゼは皇帝の愛人になって、グリューネワルト伯爵家(と、多分伯爵家の財産)を貰いました。ついでに苗字がミューゼルからグリューネワルトに変わりました。

当主がいなかった頃のグリューネワルト伯爵家の財産はどういう扱いだったんだろうか?

> 原作にアンネローゼの後宮内の友人に
> ~男爵夫人(名前失念)という人が居て

確か、マグダレーナ・フォン・ベストパーレです。

board4 - No.81

「トリューニヒト賞」ノミネートお願いします

投稿者:魂のよしりん
2001年05月01日(火) 14時29分

 後に「華麗なる詭弁家」と言われた銀河一の(?)煽動政治家ヨブ・
トリューニヒト。現代のトリューニヒトと呼ぶに値する人物を皆様どう
ぞノミネートして戴けませんでしょうか。私は手始めに青島幸夫前都知
事を挙げておきます。なおたとえ悪であったとしても信念を持ち、それ
を貫いた人物には「オーベルシュタイン賞」がふさわしいと思われま
す。

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board4 - No.82

Re:「トリューニヒト賞」ノミネートお願いします

投稿者:てんてんdwp
2001年05月01日(火) 15時28分

これ、成立しないと思います。
だって、トリューニヒトをどう解釈しているかわかりませんから。
例えばタナウツの過去ログにはトリューニヒトを民主主義最後の砦として扱った考察文があります。
まず魂のよしりんさんがトリューニヒトをどう定義しているかを書かなくては意味不明ですよ。
#そもそもトリューニヒトに信念はなかったか、について、まずは論じましょうか?

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board4 - No.83

「必然に見える偶然」について

投稿者:魂のよしりん
2001年05月01日(火) 22時24分

 かつて第2次世界大戦前のドイツで国会に不審火が発生し、どこかの
国の共産党員が不審人物として捕まった。そのときヒトラーは大々的に
共産主義者等の弾圧を行い、そのことがナチス政権樹立への大きな足が
かりとなった。であるなら先の国会の不審火もナチスの仕業であるよう
に思われるが、戦後の研究によると(戦後ドイツの傾向は反ナチ)あれ
は自然発火だったらしい。「神の視点」でかつ結果を知っている我々読
者及び視聴者からすればあたかも必然もしくは意図的に見える事もある
かも知れないが、登場人物で「神の視点」を持った人はいないのではな
いだろうか(歴史家になりたかったあのお方も含めて)。
 「源氏物語」で桐壺更衣は時の天皇に寵愛されたが、その子光源氏は
天皇になるどころか臣籍に降下するはめになった。いくら皇帝の寵愛を
受けようが強力な後ろ盾のいない寵姫など大した驚異とはみなされず
(どんな美少女でもいつかはおばさんになる)その弟が軍で出世しても
ゴールデンバウム王朝は門閥貴族の力関係で動いているものと思われる
から何ら大勢には影響がないと思われていたのではないだろうか(そ
の弟が彼らの想像を超えた人物だったからああいう結果になったが)。
 則天武后はかつて皇帝の妻の一人だったが、そのときは鳴かず飛ばず
でその皇帝の崩御と共に出家せざるおえなかった。その次の皇帝が強引
に還俗させて妻の一人にした時から彼女の権力への道は始まった。「先
帝の寵姫」なんて本人も動きづらいし、周囲も扱いに困るのではないだ
ろうか。今の日本の政界では海部俊樹、羽田孜両氏がそれにあたるので
は。

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board4 - No.84

Re:非常に素朴な疑問

投稿者:優馬
2001年05月02日(水) 09時28分

優馬です。

みなさま、ご教示ありがとうごさいました。
そうか、Countessのことなんですね。
伯爵夫人、というか「女伯爵」の方が本当は正確なんでしょうな。
というわけで、カイザーラインハルトの目線に怯える可哀相なグリューネワルトさんというのはいなかったとわかって安心しました。
これでゆっくり寝られます(笑)。

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board4 - No.85

Re:「必然に見える偶然」について

投稿者:てんてんdwp
2001年05月02日(水) 10時56分

なんとなく特殊な例を選んで出しているような気がするのですが、気のせいでしょうか。
一般的には皇帝の後継ぎを産める立場である以上、警戒されるでしょうし、また後継ぎが一人しか産まれなければ政治的に圧倒的有利な立場になると思いますが、いかがでしょうか。

てんてん dance with penguin

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board4 - No.86

Re:「必然に見える偶然」について

投稿者:魂のよしりん
2001年05月02日(水) 22時46分

> なんとなく特殊な例を選んで出しているような気がするのですが、気のせいでしょうか。
 でしたら特殊でない例をお教えいただけないでしょうか。それと特殊
とそうでない例の違いも。
 アンネローゼを寵愛していた皇帝が崩御したとき、かれには男の子が
1人と女の子が2人いた。序列からいえば男の子だが、その子の母親の
実家は他の2人のそれと比べて力が弱かった。で時の宰相はラインハル
トに支援を要請したという記憶があります。ましては一応貴族とはいえ
平民すれすれの帝国騎士の娘など(ゴールデンバウム王朝では政治
は門閥貴族が独占していたはずだが、皇位継承という最重要事項にライ
ンハルトを関与させたことがゴールデンバウム王朝の滅亡の重要な要因
の一つではないだろうか)。
 かつて源氏と平家が争い、源義朝は平清盛に敗れて殺されました。そ
のとき当時の常識からすれば源義経(後の)は殺されているはずでした
が義経の母が平清盛にその身を差し出すことによって命だけは助けられ
ました(出家が条件でしたが)。後に源義経は壇ノ浦で平家を滅亡させ
ましたが、義経の母は「平家を滅亡させるための手をうった」のでしょ
うか。

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board4 - No.87

Re:「トリューニヒト賞」ノミネートお願いします

投稿者:魂のよしりん
2001年05月02日(水) 23時03分

> これ、成立しないと思います。
> だって、トリューニヒトをどう解釈しているかわかりませんから。
> 例えばタナウツの過去ログにはトリューニヒトを民主主義最後の砦として扱った考察文があります。
> まず魂のよしりんさんがトリューニヒトをどう定義しているかを書かなくては意味不明ですよ。
> #そもそもトリューニヒトに信念はなかったか、について、まずは論じましょうか?
 トリューニヒトは「後に『華麗なる詭弁家』と呼ばれた」とあるわけ
で、実在の人物で「華麗なる詭弁家」と呼ぶにふさわしい人物を挙げて
欲しいわけです。
 トリューニヒトは政治家として、同盟元首としてどういう政策をした
かったのかがOVAを通してみた限り見えてきませんでした。

ラインハルト・オーベルシュタイン・・・ゴールデンバウム王朝の打倒
ヤン・・・和平による平和の実現(彼は政治家ではないが)

結局彼は同盟の政界で思いのままに力をふるいたかったというふうに私
には見えます(ナショナリズムもしくは宗教に生きる人間でもないでし
ょう)。同盟の政界に舞台を限定すれば彼は優秀なプレイヤーだったで
しょうが、帝国に枠組そのものを変えてしまうような人物が出現したこ
とが彼にとっては不幸だったのではないでしょうか。

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board4 - No.88

Re:「トリューニヒト賞」ノミネートお願いします

投稿者:モトラ
2001年05月02日(水) 23時31分

「銀河英雄伝説」本編における作者たる神の視点及びヤンの論評等が正鵠を射たものと仮定した上で、小泉純一郎総理大臣と田中真紀子外務大臣の両名を、ノミネートさせて頂きます。
理由は、耳障りの良い、その実、具体性に乏しく実効性の薄弱な政策を掲げて時流に乗り(田中に至っては、自身の政治的スタンスを表明する発言は、寡聞にして記憶に無し。5月2日付産経抄氏ですら覚えがないそうです)、圧倒的な支持率を得て時流に乗った大衆迎合主義の典型的な例…といったところで。

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board4 - No.89

Re:「必然に見える偶然」について

投稿者:てんてんdwp
2001年05月03日(木) 00時03分

>  でしたら特殊でない例をお教えいただけないでしょうか。それと特殊
> とそうでない例の違いも。
色々読み直していて気づいたのですが、どうも私は魂のよしりんさんが言いたいことを勘違いしていたかもしれません。
私は「アンネローゼは脅威とならないし、脅威とも思われていなかった」と言いたいのだと思っていましたが、違うようです。何故なら出てくる例、出てくる例、全て「アンネローゼが脅威だった」を補足するものばかりですから。
そういうわけで、申し訳ないのですが、魂のよしりんさんの主張を簡潔に表現していただけませんでしょうか。

以下に私の主張を記述し、魂のよしりんさんの出された例をもってその補強をさせてもらいます。

結果を知らない(神の視点を持たない)ものにとってはアンネローゼは充分脅威でした。
その理由は「寵愛を受ける」=「世継ぎを産む可能性がある」からです。いくら貴族勢力が強いとはいえ、皇帝の遺言でアンネローゼの子を嫡子とすると言われたらひっくり返る可能性だってあります。
世継ぎとなりうる子を持たないものにとっては、はなはだ危険ですし、そもそも皇帝の寵愛を受ける(=自分が寵愛を受ける回数が減る=世継ぎを産める可能性が低くなる)だけで充分他の寵姫、およびそれにくっついている貴族にとって脅威です。

上記の補強として、まずは源氏物語の例を。
桐壺の話。身分が低いにも関わらず寵愛を受けたため恨みを買い、その精神的な苦痛のせいで体調を崩し、心配した天皇の寵愛を深め、光源氏を産みます。この光源氏が本来の第一皇子を差し置いて皇帝になるのではないかという噂が流れ、さらに陰湿ないじめを受けます。桐壺はその後死んでしまうのですが、光源氏の降格はその後の話です。あれ、なんかアンネローゼのケースに酷似していませんか?ちなみに降格された理由も後ろ盾を失った光源氏が暗殺される危険があったからです。

源義経の例。彼が脅威となるとわかっていたために殺されそうになったのを母が身を差し出すことで助けました。つまり、脅威となると意識されていたのが源義経。三男にも関わらず。

則天武后。後継ぎを産んだあと、ライバル潰しのために皇女を自ら殺し、その罪をライバルに着せたり暗殺を駆使したり。後継ぎを産んだのなら磐石の構えでいられたはずなんですが。ちなみに夫の高宗は九男という、序列から言って皇帝になれないはずの人物でした。つまり高宗は皇帝の子である以上は皇帝となりうる危険があるという好例です。

てんてん dance with penguin

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board4 - No.90

Re:「トリューニヒト賞」ノミネートお願いします

投稿者:てんてんdwp
2001年05月03日(木) 00時15分

>  トリューニヒトは「後に『華麗なる詭弁家』と呼ばれた」とあるわけ
> で、実在の人物で「華麗なる詭弁家」と呼ぶにふさわしい人物を挙げて
> 欲しいわけです。

承知しました。「華麗なる詭弁家」を挙げればいいんですね。
それがタナウツの趣旨と関係があるのかは捨てて。

日本の現在に「華麗なる」詭弁家はいないと思います。詭弁家なら幾らでもいますが。
過去にさかのぼるとしたらやはり、「華麗なる」といえる詭弁家はキリスト、ブッダ、マホメットの三人でしょう。

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board4 - No.91

政治音痴の田中芳樹

投稿者:加藤伸介
2001年05月03日(木) 03時46分

彼の作品を読んで思うには、彼自身、左翼的思想者の如く言われ方をされているが、私自身、そうには思えません。
周知のように、田中作品は全体的に、中国史をベースに書かれており、およそ、近代以降の政治哲学にのっとった作品にはおもえないのである。
彼の言う革命とは、天命思想で使われる革命であり、市民の手による、抑圧と圧制からの解放を求める、市民革命型革命とは程遠い物の様に思えられてならないのである。

board4 - No.92

人間無視の田中芳樹

投稿者:加藤伸介
2001年05月03日(木) 04時02分

更に、彼の作品においてたちが悪いのは、無産階級市民に対し、侮辱とも思える、思い上がりとも言える扱いである。
田中の作品を読んで、政治云々を語る、芳樹信者には、到底、救いがいの無い感情を抱くのである。

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board4 - No.93

反銀英伝 大逆転! リップシュタット戦役(60)

投稿者:不沈戦艦
2001年05月03日(木) 14時38分

「ヴァルハラ星系外縁部会戦にてタンネンベルク軍圧勝、ローエングラム軍は大損害を受け撤退」の報は、直ちにガイエスブルグ要塞にもたらされた。ブラウンシュヴァイク公爵は更に不愉快なこの報せに、自室に籠もったままフレーゲル男爵以下の近縁者を集め、酒盛りを始めてしまう。

「リッテンハイムにタンネンベルク、あのような不忠者たちが何ほどものか。たかだか金髪の孺子の軍を破ったくらいのことで、調子に乗りおって。帝国貴族としての矜持も忘れ、ただただ私利私欲をもって帝室を我が物とするなど、今に大神オーディンの神罰が下るというものだ。わっはっはっはっはっはっはっはっ・・・・・」

「伯父上、その通りです!あの連中を捕らえた暁には、金髪の孺子と並べ縛り首、いやギロチンにかけてやりましょうぞ!」

「そもそもリッテンハイム侯爵家など、ブラウンシュヴァイク公爵家に比べれば遙かに格下というもの。血筋で勝るエリザベート様がいらっしゃるのに、リッテンハイム侯の娘が新皇帝に即位するなど言語道断。到底我ら門閥貴族の認めるものではありませぬ!」

 実質、空騒ぎとしか言いようがないものでしかないが、アルコールの助けもあってブラウンシュヴァイク公は上機嫌である。とは言っても、空騒ぎのあげく、出撃して我らも金髪の孺子を叩き潰すぞ、という話になってはいない。レンテンベルクから前進してこないラインハルト軍との間には、まだまだ距離の隔たりが大きく、そう簡単には戦いようはないので、それはそれで当然のことである。しかし、そのような現実逃避の行為をやっている最中にも、事態は動いていた。

「タンネンベルク侯爵が、金髪の孺子の軍を叩き潰したそうだな」

「さすがは侯爵。金髪の孺子の得意の戦争なのに、鼻っ柱を叩き折られてしまったのでは、さぞや奴は怒り狂い当たり散らしていることだろう。ざまを見ろというものだ」

「やはり、タンネンベルク侯爵の軍事的能力ともなれば、兵力の多少の多寡などは気にもならないのかも知れぬ。今からでも遅くはないぞ、我らもあちらに付いた方が得ではないのか?」

「いやしかし、ガイエスブルグを脱出するにしても、正直言って少人数では心許ない。ある程度の数がまとまってから、オーディンへ向かわないと途中で金髪の孺子の軍と出くわした場合、負けないまでも無意味な損害を出すのではないか。それに、その場合は軍事に長けた専門家の指揮の下でないと・・・・・」

 噂話を聞き流しつつ、ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ上級大将は大広間を横切っていた。ちらちらと横目でメルカッツを見ている者も多い。

「閣下」

 人の輪から離れたところで、副官のベルンハルト・フォン・シュナイダー少佐が話しかけてくる。

「閣下、状況は驚くほど激変しましたが、閣下としては今後どうなさるおつもりなのでしょうか?」

「少佐、卿も聞いただろう。どうやら、皆の者はわしに何らかの役割を期待しているようだな。早い話が自分が先陣切ってリッテンハイム陣営に鞍替えするほどの度胸はないから、一応軍司令官であるわしにそれをやってもらいたい、そうすれば黙って付いて行く、ということのようだな」

 シュナイダーが指摘するまでもなく、現況をよく理解しているメルカッツである。

「では閣下、小官としても、是非そうすべきだと思います。このままガイエスブルグに居ても、ブラウンシュヴァイク公が盟主では、閣下のお働きを有効活用することができるかどうか疑問でしょう。リッテンハイム公爵もどうかと思わないでもありませんが、軍司令官がタンネンベルク侯爵であれば、そのようなことはないと心得ます」

 メルカッツはシュナイダーの提案に即答せず、ため息をついた。若干間を置いてから話し始める。

「しかし、そのような行動を取った場合、わしの忠誠心はどこへ向いているのか、ということになりはしないだろうか。ブラウンシュヴァイク公に請われて貴族連合軍司令官となったのに、そのブラウンシュヴァイク公をあっさりと裏切らなければならないわしの矜持はな。有利だと見た方に日和見し簡単に鞍替えする、というのではあまりにあざといと言うものだ」

「何をおっしゃいます。閣下を司令官として迎えられたのは、確かにブラウンシュヴァイク公ではありますが、だからと言って閣下はブラウンシュヴァイク公の私的な部下になった訳ではありますまい。それに、そもそも銀河帝国の軍人である以上、我らが忠節を尽くす相手は皇帝陛下のはず。リッテンハイム公爵令嬢が皇帝陛下におなりになられた以上、そちらへの忠節が優先して、何らおかしくはないとは思いませんか?」

「卿の言うことは確かに正論だ。しかし・・・・・・・」

 メルカッツ上級大将は、それだけをいって言葉に詰まってしまう。メルカッツとしては、突然、戦役の勝敗を決する重大な決断を預けられた形になってしまい、困惑していた、というのが正直なところだ。メルカッツがリッテンハイム陣営に付くことを決断すれば、ブラウンシュヴァイク公の血族以外の者は、我も我もと雪崩をうってリッテンハイム陣営に鞍替えすることになる。兵力に大差が付いた上に総指揮官がタンネンベルク侯爵では、リップシュタット戦役の勝敗も、すぐに決してしまうだろう。いかに「戦争の天才」ローエングラム侯と雖も、兵力でも圧倒された上でタンネンベルク侯と戦うのでは、あまりに分が悪いというものだ。「帝国の覇権を決するような決断を、自分如きがやっても良いのか」「そもそも、門閥貴族がこのまま帝国の権力を握り続けるという構造が、本当に帝国にとって良いことなのか」ということが、メルカッツ自身の躊躇いである。

 メルカッツは、ブラウンシュヴァイク公に対してあまり好意を持っていない。メルカッツを貴族連合軍司令官とメルカッツ自身の意志を無視した上で決め、「受けないのなら娘に危害を加える」といわんばかりの脅迫めいた言辞を弄してきたことといい、疑心暗鬼からオフレッサー上級大将を処刑したことといい、リッテンハイム公と喧嘩別れしたことといい、こういった人物が権力を握った場合、帝国の統治は支離滅裂な様相を見せるのではないか、としか思えなかったのだ。それがリッテンハイム公やタンネンベルク侯に変わったとしても、所詮ブラウンシュヴァイク公と大差はないのではないか、との思いがどうしても胸の奥から噴き出してきて、止めようがなかった。

 沈黙する上官を前に、シュナイダーもそれ以上何も言うことができなくなる。結局、今の状況だけでは、メルカッツに決定的な決断を行わせるには至らないようだ。



 ガイエスブルグの貴族たちの中にも、判断を他人に任せず、自分の去就を決めた者もいた。アントン・フォン・ナイペルク伯爵は、「タンネンベルク侯爵、賊軍を破る」の報に狂喜乱舞し、すぐさまリッテンハイム陣営への参加を決断。気分を高揚させた状態で麾下部隊二千を率い、ガイエスブルグから離脱し、オーディンへ移動を開始したのである。

「我らの進む道は決まった!直ちにオーディンへ移動し、リッテンハイム公の陣営に参加するぞ!!」

 伯爵としては、リッテンハイム陣営への参加が早ければ早いほど、新体制では高い地位を得られると踏んでいた。そうであれば、愚図愚図と決断を先延ばしにするより、さっさと鞍替えして、自己の利益を図った方が得である。むしろ、他の貴族たちが、どっちつかずで困っている様子は都合が良い、と考えていたのだ。

 ナイペルク伯爵の部隊は、ガイエスブルグを発つと、一路オーディンを目指した。


「公爵閣下、ナイペルク伯爵が離脱しました。自分の部隊二千を率い、オーディンへと向かっているようです」

 アンスバッハ准将の報告に酒宴を一旦中断させられ、一瞬だけ不機嫌そうな顔をしたブラウンシュヴァイク公だったが、脱出した兵力がたった二千と少ないこと、ナイペルク伯爵だけで他の者は追随していないことから、「臆病者に用はない。勝手にさせておけばよかろう」と答え、そのまま酒盛りを続けている。アンスバッハ准将は主君のあまりの危機感の無さに絶望的な気分になったが、それ以上進言しても受け付けるような人物ではないことは承知しており、黙って引き下がった。



 オーディンの帝都宇宙港では、すでに税関と憲兵による商船一隻一隻への精緻な積み荷検査は行われなくなっていた。タンネンベルク侯のオーディン制圧からしばらくの間は行っていたのであるが、オーディンへ搬入される物資の量はあまりに多く、その全てを調べることは、限られた人員では到底不可能であるが為、なし崩しに行われなくなったわけである。ごくたまに何かの情報が入ると、思い出したように厳しい取り調べが行われることもあったのだが、それこそ滅多にあることではない。

 ロイエンタールとフェルナーが乗り込んだ軍用補給艦は、オーディンへ降り、宇宙港に係留されていた。税関の職員は、乗組員の偽造の査証と運んできた物資の納品伝票を通り一遍だけ目を通すと、すぐにスタンプを付き、帝都への入星を許可する。大量生産されている軍用の補給艦は、民間に払い下げられ商船として稼働しているものも結構あるので、それでオーディンへ降りてきたところで、特に目立つこともない。ごく一般的な光景でしかないのだ。

「久方ぶりの帝都か。しかし、任務はこの上なく重大だ」

 一般乗組員用の作業服に着替えたロイエンタールは、艦から降りると一人呟く。そして続いて降りてきたフェルナーを促すと、船から降ろしたトラックに乗り込み、移動を開始した。早速、フェルナーが確保してある拠点に、向かおうというのである。


(以下続く)

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board4 - No.94

具体的事例を挙げてください

投稿者:魂のよしりん
2001年05月03日(木) 23時14分

> 彼の作品を読んで思うには、彼自身、左翼的思想者の如く言われ方をされているが、私自身、そうには思えません。
> 周知のように、田中作品は全体的に、中国史をベースに書かれており、およそ、近代以降の政治哲学にのっとった作品にはおもえないのである。
> 彼の言う革命とは、天命思想で使われる革命であり、市民の手による、抑圧と圧制からの解放を求める、市民革命型革命とは程遠い物の様に思えられてならないのである。
>
 田中芳樹作品中から具体的な事例を挙げてください。前提もなしで結
論だけ書かれても否定も肯定もできません。

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