- 親記事No.305スレッドの返信投稿
- board4 - No.355
Re:何巻だったかは忘れましたが
- 投稿者:不沈戦艦
- 2001年06月28日(木) 16時13分
> それは忘れてましたが、外伝の5巻には
> 「“政治家というより暴力団の幹部といった方がふさわしい脂ぎった悪相”の幹事長」
> が登場してましたね。
> 今からだと隔世の感があるな(笑)。
> 最近の若い人には誰のことだか分からなかったりして。
>
今の自由党の党首ですね。昔は自民党の幹事長だったんだよなぁ・・・・あの人。これも誰のことだかモロ解りです。ますます古代蓮さんの言うことには無理があると思いますわ。実は、岩手出身の友人がいまして、彼はあまり悪い印象は持ってないようです。でも、「自由党は、党ぐるみで定住外国人参政権法案に賛成しているぞ」って言ったら、さすがに「それはダメだ」って言ってましたけど。
> でも、
> 「自動車会社に圧力をかけて“非国民的なニュースショー”のスポンサーを降りさせた幹事長」は
> たしか彼ではなく、現外相に「軍人」と言われた人ですよね。
>
こちらの方はお亡くなりになってしまいましたね。去年。
- 親記事No.7スレッドの返信投稿
- board4 - No.356
「リューベック」は個人旗艦か否か?
- 投稿者:平松重之
- 2001年06月28日(木) 18時10分
外伝一巻では「大将への礼遇」と書いてありますので、個人旗艦は大将に昇進した提督には必ず皇帝から下賜される物なのではないでしょうか?調べた限りでは「リューベック」の名前が最初に登場するのはケンプとミュラーによる第八次イゼルローン攻略戦(三巻P177上段)からですので、「リューベック」はリップシュタット戦役後に大将に昇進したミュラーにエルウィン・ヨーゼフ二世から(形式的には)下賜された物なのではないかと自分は考えた訳です。
それに「艦隊旗艦は大将以上の階級の指揮官による、個人旗艦でなければならない」とは自分も思いません。外伝一巻での第三次ティアマト会戦で一個艦隊を率いていたラインハルト(当時は中将)の旗艦も「タンホイザー」(P20上段)となっていましたし、大将昇進後に「ブリュンヒルト」が下賜された事から考えてもこれは個人旗艦ではないでしょう。
「中将や少将の、個人旗艦ではない艦隊旗艦があってもいいのでは」とはその通りと思いますが、上に書いた通り旗艦の下賜が「大将への礼遇」である以上、「リューベック」はミュラーが大将昇進後に与えられた「個人旗艦」であり、それ以前のリップシュタット戦役時に使用しているのは変なのでは、と考えた訳です。あるいは中将の時から使用していた個人旗艦ではない艦隊旗艦「リューベック」が気に入って(もしくは乗り換えるのが面倒だから)ラインハルトに頼み込んでそのまま個人旗艦にしてしまった、なんて事もあるとは思いますが。
- 親記事No.7スレッドの返信投稿
- board4 - No.357
ちょっと気になった事
- 投稿者:平松重之
- 2001年06月28日(木) 18時35分
剥奪したはずの「ローエングラム侯爵」と言う家名と爵位をリッテンハイム公の前で連呼してしまって大丈夫なんでしょうか(^^;)。
- 親記事No.305スレッドの返信投稿
- board4 - No.358
Re:ちなみに
- 投稿者:平松重之
- 2001年06月28日(木) 19時20分
> 逆に、「多くの核実験に参加したため、こわいぐらい顔が白くなってしまった東洋の怪物、鈴木そのすけ」なんていう書き方は駄目なのです。
> そう言われるとその通りに思えてしまう。
>
> だが、ここで配慮すべきは、ランデルというのがランゼルさんに名前が似ているということです。これは、ランゼルさん自体をモデルにしたということです(自分でも認めていますね)。
> 本当に「掲示板を書きこんだ」という事実だけに基づいているなら、名前をもっと変えなければいけなかったのです。なのにランデルなどという名前をつかっている。
> たったこれだけの差。と思われるかも知れないが、小説はわずかな差で印象が大きくかわてしまうのです。
「私の創竜伝考察シリーズ」の中の「検証!薬師寺シリーズ」の過去ログCで触れられていますが、田中芳樹氏も「薬師寺涼子の怪奇事件簿」シリーズの中で「保守的な」元警察幹部の「梶岡信勝」(藤岡信勝氏)やら平河勝英(代議士の平沢勝栄氏)やら泡井(代議士の故・新井将敬氏)と言った実在の人物に良く似た人物を似たような名前で、おちょくった風に出しています。
- 親記事No.7スレッドの返信投稿
- board4 - No.359
トンネル掘りといえば
- 投稿者:Merkatz
- 2001年06月29日(金) 10時30分
> ロイエンタールの指揮によるグリューネワルト伯爵夫人救出作戦は、佳境にさしかかっていた。トンネル掘りは順調に進み、あと僅かを残すのみとなっている。作戦決行時に必要な、武器の調達も進んでおり、トンネルさえ貫通すれば、いつでも実施できるまでになっていた。ロイエンタールは、トンネルが貫通し、敵艦船の帝都上空への配備状況に隙ができたところで、すかさず決行するつもりである。フェルナーの調査により判明した、帝都上空の敵艦船の護りが手薄になる、8月17日が決行予定日だった。
>
>
> (以下続く)
>
>
小説「シャーロック・ホームズ」中の赤毛連盟という話に、
銀行の地下金庫までトンネルを掘って金貨を奪うというくだ
りがあるのですが、この話には無理があって、
・少人数、短期間でそのような土木工事が可能なのか
・掘り出した大量の土はどうやって処分するのか
などなどシャーロッキアンに指摘されています。
近年、ペルーのテロ事件でトンネルを掘って公邸に突入しま
したが、このときは
・工兵部隊が何ヶ月も従事
・作業音は軍歌を大音量で鳴らして消した
・土は兵員輸送車に載せて怪しまれずに持ち帰った
という周到さでやり遂げたわけです。
ロイエンタールのトンネル掘りで、上記のようなことをつら
つらと思い出しました。
- 親記事No.7スレッドの返信投稿
- board4 - No.360
Re:「リューベック」は個人旗艦か否か?
- 投稿者:不沈戦艦
- 2001年06月29日(金) 16時46分
>あるいは中将の時から使用していた個人旗艦ではない艦隊旗艦
>「リューベック」が気に入って(もしくは乗り換えるのが面倒
>だから)ラインハルトに頼み込んでそのまま個人旗艦にしてし
>まった、なんて事もあるとは思いますが。
その設定でOK、と考えてます。特に問題ないですよね。
つまり、常用していた艦を、そのまま下賜して貰ったという
ことで。ブリュンヒルトみたいに新たに貰った艦があっても
いいし、利便(使い慣れている)ということで、いつも使っ
ていた艦を、下賜される艦に指定した、でもいいでしょう。
- 親記事No.7スレッドの返信投稿
- board4 - No.361
Re:ちょっと気になった事
- 投稿者:不沈戦艦
- 2001年06月29日(金) 16時52分
> 剥奪したはずの「ローエングラム侯爵」と言う家名と爵位をリッテンハイム公の前で連呼してしまって大丈夫なんでしょうか(^^;)。
いや、これ考えないでもなかったんですが、だからと言って「ミューゼル」呼ばわりするのも何か感覚的に変ですし、タンネンベルク侯には「金髪の孺子」とは基本的に呼ばないようにさせているので、適当な呼び名が無いんですよね。名前の「ラインハルト」で呼ばせるのも、これもおかしいなぁ、と思いますし。
結局、「ローエングラム侯」と呼ばせるしかないか、ということなんですよね。タンネンベルク侯がそう呼称する分には、リッテンハイム公も一々文句は言わんでしょう。OKということでご了承を。
- 親記事No.342スレッドの返信投稿
- board4 - No.362
Re:田中芳樹にとっての中国
- 投稿者:三宅雪嶺
- 2001年06月29日(金) 16時59分
>田中氏が中国人と中国文化を賛美しているのであって現状を賛美して
>はいないと思います。
トロイ遺跡を発掘したシュリーマンに清末の清国見聞記があるのですが
それをみる限り昔の中国も今の中国も大して変わらないようですけど、
おそらく田中芳樹氏が賛美する中国は氏の妄想の中で美化された中国であって実際の中国とは関係ないんでしょうね。
- 親記事No.337スレッドの返信投稿
- board4 - No.363
フィリピンは「比律賓」です。
- 投稿者:北村賢志
- 2001年06月30日(土) 00時42分
フィリピンを漢字で書くと「比律賓」となり、略称は「比」です。
- 親記事No.337スレッドの返信投稿
- board4 - No.364
Re:フィリピンは「比律賓」です。
- 投稿者:不沈戦艦
- 2001年06月30日(土) 02時45分
> フィリピンを漢字で書くと「比律賓」となり、略称は「比」です。
私が使っているATOK12で「ふぃりぴん」と打って変換すると、ちゃんと「比律賓」と出てきますよ。カタカナ表記の次に。「おーすとらりあ→濠太剌利」「すぺいん→西班牙」「ぽるとがる→葡萄牙」「べるぎー→白耳義」など、やってみると結構面白いです。まあ、漢字表記が出てこない国も多いですが。
-
- board4 - No.365
過去ログ更新のお知らせ
- 投稿者:冒険風ライダー
- 2001年06月30日(土) 07時21分
HP「過去ログ資料館」に、
「田中芳樹を撃つ!」4代目掲示板の投稿1~350番
「ノイエ・ラント light board掲示板」の投稿769~870番
までをアップデート致しました。
過去ログをまとめて閲覧したい方は上記URLリンクからどうぞ。
- 親記事No.303スレッドの返信投稿
- board4 - No.366
Re:悩み
- 投稿者:S.K
- 2001年06月30日(土) 09時59分
> うろおぼえですが
> 「なぜ犬神明はあんなにいじめられなければならないのか。悪いのは悪党なのに、自分の周りに被害者が出ると明はうじうじと自分を責めてドツボにはまってしまう。それが嫌だったんです。」
> てなことを言ってたような。
>
作者が自分が原作を書いた「8マン」や「スパイダーマン」のエピソードを「アダルトウルフガイ」に流用してるのを知ってからこっち
作者も作品も好きではなくなりましたが、田中氏のムチャクチャを聞
いていると少年犬神明は好感の持てる若者だったのだなあとしみじみ
思えてしまいます。
「悪党が悪い」のは当たり前なんですから、起った悲劇に対して自分の
非力を責めるストイシズムこそ憧憬と共感を呼ぼうというものです。
あんな「俺達の命と気分以外はどうでもいい、いやもう一歩進んで
いいだけ貶めてやろう」的なボケナス兄弟とは正に雲泥の差ですね。
時に、鳥羽茉利嬢とか3バカトリオ&犬1匹って、竜堂兄弟の「俺達
にだって大事にして思いやってる他人はいるんだぜいっ」という免罪符
がわりではなかろうかという気が最近何となくします。
特に2巻以降。
-
- board4 - No.367
「銀英伝」における軍人教育について
- 投稿者:北村賢志
- 2001年06月30日(土) 13時14分
「銀英伝」を読む限り同盟と帝国双方共に
・士官学校は一つしかない
明確な描写はありませんが「○○士官学校」という書き方ではなく、あくまでも「士官学校」としか取り上げられないので一つしか無いと思われます。
軍の規模を考えると一体、何人の士官候補生が勉学に励んでいるのか想像するだに恐ろしい巨大学校です。
・軍人教育の頂点は士官学校であり軍大学、参謀大学と言った高級軍人教育を行う場所は存在しない
つまり士官学校を出て以降、軍の作戦指導などについては経験か独学で学ぶしか無いことになります。
「学歴」による差別が無いのは良いかもしれませんが、艦長に求められる能力と艦隊司令艦に求められる能力のギャップを埋めるところが無いというのは、かなり問題があると思われます。
まあ「小説」としては問題というほどの事でもありません。本当に高級軍人教育を入れたら20代30代で軍の中枢には入れませんから、展開の都合上カットされたのでしょうね。
後、元ネタ話ですがアムリッツァの展開はどうも1709年にロシアのピョートル1世がカール12世率いるスウェーデンを破った「ポルトヴァの戦い」の展開がそっくりです。
それとバーミリオンで同盟軍の側面を攻撃した帝国軍が危機に陥ったのはどうもジュトランド海戦(1916年)のドイツ海軍が元ネタと思われます。こちらはイギリス艦隊の位置を誤認して、通過した海域に突入して背後からのT字戦法をやろうとしたところ、モロに側面に突入してしまい逆に倍近い敵にT字をやられてしまったのですが、巡洋戦艦部隊の突撃で辛うじて危機を脱しています。
- 親記事No.342スレッドの返信投稿
- board4 - No.368
Re:田中芳樹にとっての中国
- 投稿者:槍
- 2001年06月30日(土) 15時21分
> >田中氏が中国人と中国文化を賛美しているのであって現状を賛美して
> >はいないと思います。
>
> トロイ遺跡を発掘したシュリーマンに清末の清国見聞記があるのですが
> それをみる限り昔の中国も今の中国も大して変わらないようですけど、
> おそらく田中芳樹氏が賛美する中国は氏の妄想の中で美化された中国であって実際の中国とは関係ないんでしょうね。
関係ないかもしれませんが田中さんが一番好きな中国とは宋の時代を指すのでは。
派手な軍事行動が無かったり、岳飛がいたり、言論を以って士大夫を殺さずというお国柄だったということなっていますし。
全ては幻想でしょいけど。
- 親記事No.7スレッドの返信投稿
- board4 - No.369
Re:ちょっと気になった事
- 投稿者:平松重之
- 2001年06月30日(土) 17時21分
> 結局、「ローエングラム侯」と呼ばせるしかないか、ということなんですよね。タンネンベルク侯がそう呼称する分には、リッテンハイム公も一々文句は言わんでしょう。OKということでご了承を。
了解しました。そういえば原作でもロイエンタールが叛乱起こして元帥号を剥奪された後でも多くの人は「ロイエンタール元帥」って変わらず呼んでましたっけ。
- 親記事No.367スレッドの返信投稿
- board4 - No.370
Re:「銀英伝」における軍人教育について
- 投稿者:捨てハン
- 2001年06月30日(土) 18時28分
既出かもしれませんが元帥という地位を単に大将の上、
軍人の最高位として扱っている点だけでも田中芳樹に
そのような軍事的基礎知識を求めるのは間違っていると思います。
(ナポレオンの配下の元帥達の中には中将もいましたよね)
アーシェラ・レヴィンのファンタジーの実験を当てはめれば、
いくつか単語をいじくるだけで銀英伝は舞台設定をローマ時代
だろうとファンタジーだろうと違和感無く変える事ができます。
銀英伝においてSFが雰囲気作りにすぎない以上、
それについて突っ込みをいれても不毛だと思いますがどうでしょう。
- 親記事No.342スレッドの返信投稿
- board4 - No.371
Re:田中芳樹にとっての中国
- 投稿者:にに
- 2001年06月30日(土) 19時52分
茂さん、皆さんはじめまして。ににと申します。
ええと、茂さんが提起された、「田中芳樹氏の中国礼賛」に対する疑問の本質そのものとは違うところだとは思いますが、
> 創竜伝を読んでて、常々思うんですけど、田中氏は中国に行った事が
> あるんでしょうか?
田中氏はたしか奥さんと一緒に中国を訪れたことがあったと思います。
昔獅子王に掲載された「北京へ、お上りさんの旅」というエッセイがそれではなかったかと。(ちょっと現物がないので、もし正誤をご存知の方がいらっしゃいましたらご指摘下さいませ)
ただ、中国訪問の事実の有る為しと、茂さんがおっしゃる現状の認識に対する問題提起と論議の進行には密接な関りのない情報かもしれません。お目汚しをいたしました。
- 親記事No.367スレッドの返信投稿
- board4 - No.372
Re:「銀英伝」における軍人教育について
- 投稿者:不沈戦艦
- 2001年06月30日(土) 20時00分
> 既出かもしれませんが元帥という地位を単に大将の上、
> 軍人の最高位として扱っている点だけでも田中芳樹に
> そのような軍事的基礎知識を求めるのは間違っていると思います。
> (ナポレオンの配下の元帥達の中には中将もいましたよね)
>
> アーシェラ・レヴィンのファンタジーの実験を当てはめれば、
> いくつか単語をいじくるだけで銀英伝は舞台設定をローマ時代
> だろうとファンタジーだろうと違和感無く変える事ができます。
> 銀英伝においてSFが雰囲気作りにすぎない以上、
> それについて突っ込みをいれても不毛だと思いますがどうでしょう。
だいたい銀河帝国は、准将、少将、中将、大将、上級大将、と将官の階級が多すぎますがな。上級大将を設定するなら准将は要らないし、准将入れるなら上級大将はなし、が普通でしょう。どんなに作っても4階級までです。
- 親記事No.367スレッドの返信投稿
- board4 - No.373
まあ将官については色々ですから
- 投稿者:北村賢志
- 2001年07月01日(日) 01時25分
> だいたい銀河帝国は、准将、少将、中将、大将、上級大将、と将官
>の階級が多すぎますがな。上級大将を設定するなら准将は要らない
>し、准将入れるなら上級大将はなし、が普通でしょう。どんなに作っ
>ても4階級までです。
北朝鮮には元帥と大将の間に「次帥」という独自の階級があったりしま
すから、その辺りは帝国独特の階級制度と言うことにしておきましょう。
多分、貴族達が将官のポストを増やすために無理やり拡大したのではないでしょうか。
- 親記事No.367スレッドの返信投稿
- board4 - No.374
役職でもそうでしたね
- 投稿者:槍
- 2001年07月01日(日) 13時16分
> 北朝鮮には元帥と大将の間に「次帥」という独自の階級があったりしま
> すから、その辺りは帝国独特の階級制度と言うことにしておきましょう。
> 多分、貴族達が将官のポストを増やすために無理やり拡大したのではないでしょうか。
たしかイゼルローン要塞が駐留艦隊司令官、要塞防御司令官に分かれいて、この二つに同じ大将の将官をあてた理由の一つがそんな理由でしたよね。
- 親記事No.7スレッドの返信投稿
- board4 - No.375
反銀英伝 大逆転! リップシュタット戦役(67)
- 投稿者:不沈戦艦
- 2001年07月01日(日) 15時09分
5日後、敗残のキルヒアイス・ミッターマイヤー両艦隊がレンテンベルクに到着した。両提督は、直ぐにブリュンヒルトに赴き、ローエングラム侯と会見する。
「侯爵閣下、ただ今帰還いたしました」
キルヒアイスが代表して告げ、ラインハルトに頭を下げる。ミッターマイヤーもそれに倣った。その様子を見て、ラインハルトは無言で頷く。
「此度、無念にも敗北を喫したことにより、常勝の閣下に汚名を被せることになってしまった件は、まことに申し訳なく、力量不足を痛感しているところにございます。願わくば、再度戦場に赴き、タンネンベルク侯爵への雪辱を果たす機会を得たい、と考えるところにございます」
「今回の敗戦はやむを得ない。タンネンベルクがあのような卑劣な戦法で突然攻勢を掛けてくる、と読めなかった私にも責任はある。卿らの罪を問うことはせぬし、次の戦いでは今まで以上に働いてもらうので、二人ともそのつもりでいるように」
ラインハルトの答を聞き、更に深く頭を下げる両提督である。その様子を見て、傍らのオーベルシュタインの義眼が怪しく光った。義眼の光は単に機械の調子の問題ではあるが、無表情を装っているオーベルシュタインの考えはラインハルトとは明らかに違っている。しかし、今ここでそれを言葉にすることはしなかった。
「取り敢えず、卿ら二人とも下がって休め。現在は、ロイエンタールからの朗報を待つのみだ。また、ミュラーにはガイエスブルグ方面での偵察行動を命じてある。今後の方針については、まだ流動的で何とも言えないが、私としては姉上を救出できたところで、速やかにオーディンのタンネンベルクを討つつもりだ。二人とも、今回の敗北の経験を生かし、対タンネンベルク戦における効果的な作戦案を考えておいてもらおう」
ラインハルトはそれだけを言うと、退出を促す。しかし、キルヒアイスには目配せをして、自分のところに来るように合図した。
「済まなかったな、キルヒアイス。姉上のことさえなければ、タンネンベルクなど直ぐにでも全兵力を以て叩き潰してやるものだが。お前には苦労ばかり掛ける」
ラインハルトは、キルヒアイスに腰掛けるように促すと、ワインのボトルを取り出し、自らグラスに注ぐ。二つのグラスの片方をキルヒアイスに勧めると、自分もソファに腰掛けた。
「いえ、ラインハルトさま。今回の敗北は、正直に言ってそれだけとはいえません。仮に、アンネローゼさまのことがなくても、タンネンベルク侯爵相手には、かなりの損害を被った可能性が高いと思います。ここまでの惨敗は喫しなかったとしてもの話です。あの男は卑劣なだけではありません。甘く見るのは禁物です」
キルヒアイスは、タンネンベルク侯爵と直接対戦しての感想を、素直に話す。
「ほう、お前がそこまで言うのだから、それはそれなりのことではあるのだろうな。しかし、姉上を人質に取ったことを見せつけての艦隊戦など、まともな武人の行うこととは到底思えぬが」
「しかし、彼の立場で考えてみると、損害を可能な限り出さずに艦隊戦で勝利し、新皇帝軍の武威を示すことにより政治的なアピールを行うには、その方法しかないでしょう。アンネローゼさまが、わたくしたちの弱点であることを見抜いた上で。更に、戦闘自体も、こちらの動揺と焦りを誘い、無理な攻勢を仕掛けさせて逆襲する、という実によく考えられた戦術を取っています。それに、侯爵の麾下の指揮官たちも、彼の意の通り、いやそれ以上の戦術手腕を発揮していました。我が軍の将帥たちと比べても、互角といえるでしょう。わたくしは、タンネンベルク侯爵という男は、ラインハルトさまとオーベルシュタイン参謀長の資質を両方兼ね備えた、極めて危険な人物である、と思い知らされました。敵に回した場合は、非常に嫌な相手である、と。なりふり構わず勝利を追い求めてくる彼のやりようには、恐怖すら覚えたほどです。最後の局面で、ミッターマイヤー提督が逆襲してくれなければ、わたくしは戦場を離脱できたかどうか、というところでした。下手をすると、ヤン提督より厄介な相手かも知れません」
キルヒアイスにそこまで言われて、ラインハルトは黙ってしまう。キルヒアイスにしてみれば、ミッターマイヤーの最後の攻撃がなければ、高い確率で戦死してしまうところだっただけに、タンネンベルク侯爵を容易ならざる敵、と認識するのも当然のことである。そしてしばらくの沈黙の後、ラインハルトはワインのグラスを手に取ると、一気に飲み干した。
「まあよい。確かにキルヒアイスの言う通り、タンネンベルクは危険な男だ。私にもそれが分かっていないわけではない。このような剣呑な敵は、何としても早急に片付けねばならぬな。それには、姉上の救出が成功せなばならぬ。ロイエンタールなら、上手くやってくれるだろう。姉上の救出が成れば、一気にオーディンへ侵攻を掛け、タンネンベルクを叩き潰す」
それが既定路線のように断言するラインハルトである。姉が救出されることを、疑ってはいないようだ。
「しかしラインハルトさま。タンネンベルク侯爵の戦いぶりを見ると、そう簡単に隙を見せるような人物ではないと思われます。アンネローゼさまの救出が成功すれば良いのですが、失敗した場合はいかがすべきか、とわたくしは憂慮するのですが」
「不愉快な事態ではあるが、その場合は長期戦だ。その内、ガイエスブルグの貴族どもが、泡を食ったようにオーディンへ押し掛け、新皇帝とやらへの忠義を競うことになる。その過程で、オーディンに向かって移動するであろう敵を、タンネンベルクとの合流前に撃破し、空になったガイエスブルグを占拠してしまう。その後は自由惑星同盟との連携も模索する。そうすれば、タンネンベルクもこちらにそう簡単には手を出せまい」
「そうですか。わたくしは、タンネンベルク侯爵が、アンネローゼさまの生命を奪うとの脅迫により、我が軍の屈伏を要求する、という事態に対する恐怖が拭えません。もし、そうなった場合は・・・・」
「もし姉上の命が奪われるようなことになれば、何があろうと絶対に、私自身の手で、タンネンベルクを粉々に切り刻んで天上(ヴァルハラ)に送り付けてやる!!生きていることを後悔するような目に遭わせて!!」
ラインハルトの激情が、キルヒアイスを圧倒した。もっとも、このラインハルトの感情の噴出は、キルヒアイスとしても同じ思いである。
「ラインハルトさま。万が一そうなってしまった場合は、自分お一人ではなく、わたくしにも手伝わせていただけますね?ラインハルトさま一人が独占するのは卑怯です」
真剣な面持ちで告げるキルヒアイスに、ラインハルトは笑顔を見せた。
「こいつ。もちろん、その時はお前にも手伝わせてやる。もっとも、タンネンベルクと雖も武人の端くれ。そこまでやるとは思えない、というか思いたくはないな。姉上のような、暴力沙汰には無力な女性の命を奪うなど、奴自身の矜持としても、許さないと思いたい。オーベルシュタインあたりには、『そのようなものは希望的観測でしかない』と言われそうだがな」
「タンネンベルク侯爵はまだしも、他の貴族たちがどう出るか、という問題もあります。その件に関しては、あまり楽観視しない方がよろしいでしょう。しかし、ロイエンタール提督が成功してくれれば、話はそれで済むのですが」
「その通りだ。上手く行くことを祈ろう」
ラインハルトは再度ワインを注ぎ、グラスを傾けた。今度は一気に飲み干すようなことはせず、ゆっくりと味わう。キルヒアイスはそれを見つめつつ、自分もグラスを傾ける。後は二人とも無言となり、時間は過ぎて行った。
(以下続く)
- 親記事No.367スレッドの返信投稿
- board4 - No.376
>元ネタ
- 投稿者:小村損三郎
- 2001年07月02日(月) 14時54分
> 後、元ネタ話ですがアムリッツァの展開はどうも1709年にロシアのピョートル1世がカール12世率いるスウェーデンを破った「ポルトヴァの戦い」の展開がそっくりです。
ちょっとだけ調べてみましたが、なるほどたしかに似てますね。
コサック騎兵?を使って敵の輜重を襲撃したりとか。
ああいう焦土戦術が実行できるのはロシアだけですね(^^;;)
あと、僕も一つ見つけたんですが、3巻の「要塞対要塞」はアメリカ南北戦争開戦劈頭の「サムター要塞攻防戦」が元ネタでは。
開戦時南部の勢力圏中に孤立したアンダーソン少佐指揮下の北軍部隊が湾内の島に築かれたサムター要塞に立て篭もり、南軍に占拠された対岸のジョンスン要塞、モルトリー要塞と要塞砲で撃ち合う破目になった戦いです。
無論本来この3要塞は、連携して湾内に進入する敵国の艦船を迎撃する目的で築かれたのですが、相棒と戦うことになってしまった訳ですね。
孤立無援の北軍部隊は結局3日後に降伏したのですが、その間砲の撃ち合いに終始し白兵戦は起こらなかったので、奇跡的に戦死者は1人も出なかったそうです。
>将官の階級
何せ1艦隊1万隻の世界ですから、戦隊単位を指揮する将官が沢山必要なのかも(笑)。
でも戦艦の艦長も中佐が多いから戦隊指揮官は大佐?
この話題以前にもありましたっけ。
- 親記事No.367スレッドの返信投稿
- board4 - No.377
Re:「銀英伝」における軍人教育について
- 投稿者:S.Inoue
- 2001年07月02日(月) 16時28分
> だいたい銀河帝国は、准将、少将、中将、大将、上級大将、と将官の階級が多すぎますがな。上級大将を設定するなら准将は要らないし、准将入れるなら上級大将はなし、が普通でしょう。どんなに作っても4階級までです。
海軍はそうでしょうが、帝国のモデルのドイツのなぜか陸軍には元帥と大将の間に階級が1つ挟まるそうで、「上級大将」と訳されます。
まあ、宜しいんじゃないですか。
因みにドイツ陸軍では少佐と大尉の間にも階級が1つ挟まるそうです。
- 親記事No.367スレッドの返信投稿
- board4 - No.378
Re:「銀英伝」における軍人教育について
- 投稿者:不沈戦艦
- 2001年07月03日(火) 16時23分
> > だいたい銀河帝国は、准将、少将、中将、大将、上級大将、と将官の階級が多すぎますがな。上級大将を設定するなら准将は要らないし、准将入れるなら上級大将はなし、が普通でしょう。どんなに作っても4階級までです。
>
> 海軍はそうでしょうが、帝国のモデルのドイツのなぜか陸軍には元帥と大将の間に階級が1つ挟まるそうで、「上級大将」と訳されます。
>
> まあ、宜しいんじゃないですか。
>
> 因みにドイツ陸軍では少佐と大尉の間にも階級が1つ挟まるそうです。
「上級大将」は書いてますけど・・・何か勘違いされてませんか?
准将・少将・中将・大将
少将・中将・大将・上級大将
のどちらかが普通ではないか、と言っているんですが。なお、上級大将があるのは、ソ連もそうでしたけど。
また、「少佐と大尉の間」についは「4階級まででしょう」と言っていますよね?何も将官だけの話でもないつもりなんですけど。中国だったと思いましたが、「少校、中校、大校、上校」と佐官級(校=佐)が4つあるところもありますし。
>次帥
旧「歴真」で、米津篤八氏相手に「北朝鮮にしかない妙な階級」と言ったら、何か彼、よっぽど悔しかったらしく、異常にすねてしまいましてね。「天皇 日本にしかない妙な階級」とか言い出したので、失笑してしまったのを思い出しました。そういや、私のやっているパロディでも「米鉢次帥」とネタにしてしまいましたけど。
君主の名称は、国によって違って当たり前でしょうに。カイゼルやらキングやらツァーやら、スルタンやらシャーやら、その手の名称はいくらでも種類があるでしょうに。これに関しては、天皇だけを取り出して、「妙な階級」とは言えないので。でも、「次帥」は、本当に北朝鮮にしかないですからね。准元帥とかは聞いたことがない(荒巻義雄の要塞シリーズであったっけ?)ですし。
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- board4 - No.379
Re:「銀英伝」における軍人教育について
- 投稿者:kaju
- 2001年07月04日(水) 02時33分
初めまして。ここは以前から面白く拝見させていただいてます。
ちなみに田中氏の小説でまともに読んだのは銀英伝・アルスラーン・
マヴァール年代記のみです。薬師寺涼子シリーズは立ち読みで
買うのをやめました^^;
> > 既出かもしれませんが元帥という地位を単に大将の上、
> > 軍人の最高位として扱っている点だけでも田中芳樹に
> > そのような軍事的基礎知識を求めるのは間違っていると思います。
イギリスやアメリカには階級として元帥がありませんでした?
フランスや旧日本軍は称号ですけど。
> だいたい銀河帝国は、准将、少将、中将、大将、上級大将、と
> 将官の階級が多すぎますがな。上級大将を設定するなら准将は要
> らないし、准将入れるなら上級大将はなし、が普通でしょう。ど
> んなに作っても4階級までです。
第二次大戦までのドイツ陸空軍には准将(Brigadegeneral)も
上級大将(Generaloberst)もあったようです。
戦後に上級大将は元帥(Generalfeldmarschall)ともども
廃止になったようですが。
さすがに田中氏は尉官をドイツ風にしてはいないようですが。
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- board4 - No.380
Re:「銀英伝」における軍人教育について
- 投稿者:とっしー
- 2001年07月04日(水) 02時41分
> > > だいたい銀河帝国は、准将、少将、中将、大将、上級大将、と将官の階級が多すぎますがな。上級大将を設定するなら准将は要らないし、准将入れるなら上級大将はなし、が普通でしょう。どんなに作っても4階級までです。
これで代将まで入っていたら楽しかったんですが(笑)
正規階級なのか、名誉称号なのかは判然としませんが、ミッターマイヤーが「筆頭元帥」になっていましたね。
これ、ナチスの国家元帥が元ネタだと思います(笑)
あと軍隊の階級って同階級でも格の違いがあったりしますので、未来社会ではそのあたりをちゃんと正規階級で区別しているだけでしょう。
なにしろほんの200年ほど前の軍の階級ですら、現在とはかなり違いますし。
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Re:「銀英伝」における軍人教育について
- 投稿者:S.Inoue
- 2001年07月04日(水) 11時18分
> 「上級大将」は書いてますけど・・・何か勘違いされてませんか?
> 准将・少将・中将・大将
> 少将・中将・大将・上級大将
> のどちらかが普通ではないか、と言っているんですが。
実際、帝国のモデルの戦前・戦時中のドイツの陸軍には元帥と大佐の間に階級が5つ挟まっていました。
田中さんがどういう感想を持ったかはわかりませんが、とりあえず設定を現実のドイツ軍から取って来ただけでしょう。
拙者がこれでいいんじゃないかと思ったのは、帝国のモデルがドイツだから、ドイツ軍の階級を真似るのは別に不自然じゃないという意味です。
> なお、上級大将があるのは、ソ連もそうでしたけど。
ロシア軍・ソ連軍の階級については知りませんでした。
拙者は米国軍・イギリス軍・日本軍・ドイツ軍の階級を聞いたことがあるだけなので。
どのような階級があるか興味が湧いてきました。
> また、「少佐と大尉の間」についは「4階級まででしょう」と言っていますよね?何も将官だけの話でもないつもりなんですけど。中国だったと思いましたが、「少校、中校、大校、上校」と佐官級(校=佐)が4つあるところもありますし。
すげえ。なんか感動しました。国が変わればいろいろありますね。
> 「次帥」は、本当に北朝鮮にしかないですからね。准元帥とかは聞いたことがない(荒巻義雄の要塞シリーズであったっけ?)ですし。
次帥って上級大将とどう違うんでしょうねえ。拙者の素人考えでは日本語では上級大将と訳しても差し障りがなさそう。
ドイツ海軍には准将の階級がなく、次級少将の階級があるそうですが、なんのこっちゃ。准将とどう違うんでしょうか。
(田中芳樹から離れてきた。)