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投稿ログ22 (No.383 - No.400)

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board4 - No.383

Re:「銀英伝」における軍人教育について

投稿者:不沈戦艦
2001年07月04日(水) 15時13分

>
> 実際、帝国のモデルの戦前・戦時中のドイツの陸軍には元帥と大佐の間に階級が5つ挟まっていました。
> 田中さんがどういう感想を持ったかはわかりませんが、とりあえず設定を現実のドイツ軍から取って来ただけでしょう。
>
> 拙者がこれでいいんじゃないかと思ったのは、帝国のモデルがドイツだから、ドイツ軍の階級を真似るのは別に不自然じゃないという意味です。
>
> > なお、上級大将があるのは、ソ連もそうでしたけど。
>
> ロシア軍・ソ連軍の階級については知りませんでした。
> 拙者は米国軍・イギリス軍・日本軍・ドイツ軍の階級を聞いたことがあるだけなので。
> どのような階級があるか興味が湧いてきました。
>
> >  また、「少佐と大尉の間」についは「4階級まででしょう」と言っていますよね?何も将官だけの話でもないつもりなんですけど。中国だったと思いましたが、「少校、中校、大校、上校」と佐官級(校=佐)が4つあるところもありますし。
>
> すげえ。なんか感動しました。国が変わればいろいろありますね。
>
> > 「次帥」は、本当に北朝鮮にしかないですからね。准元帥とかは聞いたことがない(荒巻義雄の要塞シリーズであったっけ?)ですし。
>
> 次帥って上級大将とどう違うんでしょうねえ。拙者の素人考えでは日本語では上級大将と訳しても差し障りがなさそう。
> ドイツ海軍には准将の階級がなく、次級少将の階級があるそうですが、なんのこっちゃ。准将とどう違うんでしょうか。
> (田中芳樹から離れてきた。)


 あれま。そのあたりの話は聞いたことがなかったものでして。ドイツ軍で「准将」ってのが出てきたのを見たことがないので、いないのかと思ってました。誰か著名な人物で、いましたっけ?ドイツ軍の准将。

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board4 - No.384

Re:「銀英伝」における軍人教育について

投稿者:不沈戦艦
2001年07月04日(水) 15時21分

> > > 既出かもしれませんが元帥という地位を単に大将の上、
> > > 軍人の最高位として扱っている点だけでも田中芳樹に
> > > そのような軍事的基礎知識を求めるのは間違っていると思います。
>
> イギリスやアメリカには階級として元帥がありませんでした?
> フランスや旧日本軍は称号ですけど。
>

 米海軍で、戦後元帥を4人とする法案が成立し、キング・レーヒ・ニミッツまでが確定で、あと一人をハルゼーとスプルーアンスのどちらにするか、で結局国民的人気が高いハルゼーをニミッツが選択した、という話を何かで読みましたけど。結局、国と時代によって、扱いが違うということでしょうね。だったら、遙か未来の銀英伝世界では、「元帥は上級大将の上の階級」でも、設定としてはOKでは。

 さすがにアメリカは元帥の乱発はやらんですね。やたらと乱発したがるのは、独裁者が多いんですが。ヒトラーもスターリンもそうでしたし、ナポレオンも似たようなものでしょう。誰も彼もと元帥に任じたので、イギリスで「やはり成り上がり者の皇帝だ」と笑われた、のだそうですし。北朝鮮も同じでしょう。

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board4 - No.385

反銀英伝 大逆転! リップシュタット戦役(68)

投稿者:不沈戦艦
2001年07月04日(水) 15時26分

 8月13日を過ぎ、ナイトハルト・ミュラー中将の艦隊、旗艦「リューベック」以下一万二千隻は、ガイエスブルグ要塞正面にまで歩を進めていた。レンテンベルクを進発してから十日間、ようやくここまでたどり着いたのである。しかし、必要以上の距離には接近せず、あくまで威力偵察を心がけていた。何と言っても、ガイエスブルグの総兵力は十万隻以上に達しており、それが一斉に掛かってきた場合は、ミュラー艦隊では対処不能であるからだ。

「ふん、臆病者が。たかだか一万ほどで、しかもあんなに距離を取りおって。所詮孺子の子分など、その程度。一気に叩き潰してくれよう」

 ブラウンシュヴァイク公はメルカッツ提督を呼び出し、ミュラー艦隊の撃滅を命令した。

「盟主のご命令とあらば出撃を実施致しますが、しかし・・・・」

「しかし、何だ」

「敵艦隊との距離が相当ありますので、こちらが大兵力で押し出した場合は、逃げられてしまう可能性がかなり高いかと思われます。出撃したところで、戦果を得られるとは限りませぬな」

「構わん!奴らが逃げるなら逃げるでそれでよし。とにかく、孺子どもを蹴散らしてくるのだ!!」

 ブラウンシュヴァイク公のたっての命令なので、渋々艦隊を出撃させたメルカッツだが、最初に予想した通りの展開にしかならなかった。ミュラー艦隊は三倍以上の数で押し出してきたメルカッツ艦隊に接近するような真似はせず、ひたすら後退を繰り返すだけだったからである。追うのと逃げるのと双方の速度は全く同じなので、いつまで経っても距離が詰まらず、これでは戦闘など発生しようがない。

 メルカッツが諦めて艦隊を反転させると、若干遅れてミュラーも艦隊を反転させる。結局、同じ距離で対峙している、というだけの話だった。更にメルカッツが艦隊を再反転させると、同じようにミュラーも再反転する。二~三回そのようなことを繰り返したあげく、メルカッツは交戦を断念し、艦隊をガイエスブルグに帰還させた。

「公爵閣下、やはり駄目ですな。敵は逃げてばかりで、戦闘に持ち込むことはできませぬ。誰が出撃しても同じでしょう」

 ブラウンシュヴァイク公は、思い通りにならないので不機嫌な顔をしていたが、実際にメルカッツが出撃し、相手が逃げてしまって効果がなかった戦況は、ガイエスブルグでリアルタイムで観戦している。これは、メルカッツに文句を言ってもどうにかなる話ではない、ということはいかにブラウンシュヴァイク公と雖も理解していた。

「あのような臆病者が相手では、さすがの卿でもどうしようもあるまい。不愉快極まりないが、致し方ないな。目障りな蠅だが、放置しておくしかないだろう。下がってよい」

 メルカッツは一礼すると、ブラウンシュヴァイク公の前を辞した。これ以上機嫌の悪い公爵の前に居続け、無意味なとばっちりを受ける必要もないからである。メルカッツが去ったあと、ブラウンシュヴァイク公はフレーゲル男爵以下近縁の者を呼び集め、恒例のようになってしまった酒宴を始めた。ここしばらくは、ほとんど連日のように催しており、公爵以下ほぼ全員がいささかアルコール中毒気味である。



 そして、8月14日。遂にタンネンベルク侯からメルカッツ提督への親書を輸送した重巡航艦「アルンヘム」が、ガイエスブルグに到着した。オーディンを出てから約四週間、通常なら三週間の航程だが、迂回路を通らざるを得ず、一週間ほど余分な時間がかかったことは致し方ない。

 シュヴェーリン伯爵は、「アルンヘム」到着の報を受け取ると、直ぐに艦に乗り込んでタンネンベルク侯の親書を受け取った。そして、メルカッツ提督に極秘の面会を求める。

「メルカッツ提督。これは、銀河帝国軍最高司令官タンネンベルク元帥閣下からの、提督への親書です。是非、ご一読下さい」

 シュヴェーリンは、メルカッツに会見するとすぐに親書を取り出した。敢えてタンネンベルク侯爵の「元帥」という階級を強調し、上級大将のメルカッツに有無を云わさぬ圧迫を加えたつもりである。シュヴェーリンの意図が通じたのか通じなかったのかは不明だが、メルカッツは無言で親書の封を切ると、内容に目を通し始めた。

「これは・・・・・・」

 一通り目を通すと、メルカッツはそれだけを言って沈黙してしまう。しばらく、重苦しい空気が場を包んだ。

「メルカッツ提督、差し支えなければ、詳細な内容をお知らせ願えませんか?」

 問いかけるシュヴェーリンである。しかし、メルカッツ提督は答えない。

「提督、小官は親書の内容を詳細に知らされている訳ではありませんが、タンネンベルク侯爵閣下としては、メルカッツ提督に自陣営の参加をお願いするとの立場である、ということは存じております。小官からも、是非メルカッツ提督には、タンネンベルク侯爵閣下のもとへの参加をお願いしたいのですが。それにて、この戦役に決着は付くはずです。無論、我らの勝利にて」

 シュヴェーリンの再度の問い掛けにも、メルカッツ提督は答えない。しばらくの沈黙の後、提督はおもむろに口を開いた。

「シュヴェーリン少将。この親書の内容への回答は、今すぐには出せない。少し、わしに考える時間をくれんか」

 ある程度は予想できた回答だけに、シュヴェーリンはそれ以上踏む込むことを止める。

「諒解しました。では、お気持ちが定まりましたら、小官にご連絡下さい。その際に、タンネンベルク閣下への連絡を付けますので」

 シュヴェーリンはそう告げると一礼し、メルカッツのもとを去った。

「閣下・・・」

 シュナイダー少佐の問い掛けに、ようやくメルカッツは口を開く。

「シュナイダー少佐、タンネンベルク侯爵は、わしを軍務尚書に、と言ってきた。無論、この戦役が勝利に終わった暁には、ということではあるが。自分一人が軍の権力を独占するつもりはないそうだ。もっとも、地位で釣るということではなく、新皇帝陛下への恭順を切々と説き、この戦役を一刻も早く終結させ、国内に平穏を取り戻すことが貴族階級の責務である、と謳った上での話だが。その為に、わしに協力して欲しい、ということのようだな。見事なまでの内容だ。文句の付けようもない」

 メルカッツは淡々とタンネンベルク侯爵からの親書の内容について話す。それを聞いて、シュナイダー少佐は頷いた。

「願ってもないお話ではありませんか。小官は、親書の通りタンネンベルク侯爵に協力し、戦役を終結させるに勝る選択はないと考えますが。新皇帝陛下に恭順するということであれば、大義名分も充分立ちます。何も、迷うことはないのではありませんか?」

 どちらかというと、不思議そうな顔で話すシュナイダー少佐である。選択の余地はない筈なのに、メルカッツが浮かない顔をしているからだ。その様子を見て、メルカッツは困惑したように話した。

「いや少佐、貴官が不思議に思うのは当然だろう。確かに、タンネンベルク侯爵の提案は、わしにとっては願ってもない話だ。新皇帝陛下に従うことも、銀河帝国の軍人としては当然のことだろうしな。しかしな、少佐。問題は、今の体制がそのまま続くことが、そんなに良いことなのか、ということなのだ。一握りの貴族が、多くの帝国臣民たちを牛耳っている、という今の体制が。ブラウンシュヴァイク公などを見れば解るだろうが、公らは民衆を便利な奴隷か召使い程度にしか思ってはおらぬ。いや、わし本人ですら、軍に入り下級兵士に接するまで、それが当然かと思っていた程なのだ。本来、貴族にはその地位に相応しい責務を伴う筈なのだが、今の帝国貴族数千家の中に、それに該当する価値のある者が、どのくらいいるのだろうか。今回ローエングラム侯が立ち上がったことにより、民衆の意識も変わりつつあることでもある。仮に貴族連合が勝ったところで、今後の帝国の統治が上手く行くとは限らぬだろうな」

「提督・・・・・」

「少佐、ローエングラム侯が覇権を握れば、そのような帝国の現在の体制を木っ端微塵に打ち砕いてしまうことは間違いない。彼が絶対の正義であるかどうかはともかく、現在の体制が変化を遂げる為には、いやすでに変化を受け入れざるを得ないところにまで行ってしまっている状況で、彼の存在を抹殺してしまってよいものかどうか。この戦役、貴族連合軍の勝利で終わらせるのが本当にいいことなのか、という確信がわしには持てんのだ。それが、タンネンベルク侯爵の誘いに乗ることを躊躇う、わしの正直な気持ちだ」

「しかし閣下、タンネンベルク侯爵なら、それは理解されておられるのではないでしょうか。侯爵やその麾下の方々が、堕落しているということは全くないと私には思われます。そういう意味では、益々侯爵に同調すべきかと思いますが」

「卿の言う通り、タンネンベルク侯はその件についても親書で触れている。現在の帝国社会のありようが、ベストのものだとは思ってはいない、とな。ローエングラム侯のような過激なやり口は到底受け入れられぬが、緩やかな改革は行うつもりだ、と。民衆の意識が変化していることも、彼は感づいている。しかし、それが上手く行くという保証はない。リッテンハイム公も、そんなことを認めはしないだろう。それでは、今までと何も変わらぬようになってしまうのではないか。そこがどうもな・・・・」

 メルカッツ提督の胸中は複雑である。そもそも提督は、ブラウンシュヴァイク公に脅迫に近い形で請われて、貴族連合軍の司令官に就任した時は、家族に別離の手紙を書いた程の覚悟で、今回の戦役に従事していたのだ。勝てるという見通しが全く立たないまま、せめて軍事面のみに限った貢献を行おう、というのがメルカッツ個人の限度であり武人としての矜持だった。このように、帝国の将来の体制についての判断を、メルカッツ個人の決断に任されてしまう事態など、想像もしていなかったし、仮に解ったところで、自分にそのような重大な判断を預けられても困惑しかしようがない、というところがメルカッツを踏みとどまらせているものである。


(以下続く)

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board4 - No.386

Re:「銀英伝」における軍人教育について

投稿者:S.Inoue
2001年07月04日(水) 15時45分

>  あれま。そのあたりの話は聞いたことがなかったものでして。ドイツ軍で「准将」ってのが出てきたのを見たことがないので、いないのかと思ってました。誰か著名な人物で、いましたっけ?ドイツ軍の准将。

拙者はただ階級呼称を知っているだけなので、具体的な軍人の名前を知りません。
従って、先日お邪魔したページのURLを。
ttp://www02.so-net.ne.jp/~muraji/index.html
の「軍事関連」の「SS第12装甲師団史 ヒトラーユーゲント」に武装親衛隊の「クアト・マイヤー准将」が出て来ます。

親記事No.367スレッドの返信投稿
board4 - No.387

追伸

投稿者:S.Inoue
2001年07月04日(水) 15時51分

ヤフーで検索したらいろいろ出ましたが、
ttp://www12.freeweb.ne.jp/diary/paython/fot/sub1-01.html

> ドイツ空軍のエース アドルフ・ガーランド准将の愛機
> ガーランドのシンボルマーク 葉巻と手斧と銃斧を持って葉巻を咥えた
> ミッキーマウスが機体に描かれています。
> 最終撃墜数104機は大変な記録です。
とあります。

board4 - No.388

なんか証拠あるのかね

投稿者:まどかり
2001年07月05日(木) 07時22分

なんだか推論だけでひどいこと言ってる人多いね
気持ち悪いよなぁ読んでて・・・
小説家なんだから小説に持論いれたって良いと思う
エッセイストじゃないし

削除 1234

親記事No.388スレッドの返信投稿
board4 - No.389

証拠?

投稿者:
2001年07月05日(木) 08時36分

恵です☆☆
こんにちわ、まどかりさん。

> なんだか推論だけでひどいこと言ってる人多いね
> 気持ち悪いよなぁ読んでて・・・
> 小説家なんだから小説に持論いれたって良いと思う
> エッセイストじゃないし
>


簡潔に、あなたに質問させていただきますね。

☆誰と誰の発言を読んで「ひどいこと言ってる人多い」と思われたのでしょうか?

☆「推論」とは誰のどんな文章を指しておられるのでしょうか?
あなたが何に対して憤っておられるかまったくわかりませんので、わたしにはあなたの発言は「田中芳樹氏の悪口を言われたから腹が立った」としか見えないんですけど。

☆「小説家なんだから小説に持論いれたって良いと思う。エッセイストじゃないし」

↑これは反対じゃないですか?
エッセイに持論が入るのは至極当然ですし、小説に持論が入るのは不自然です。なぜなら、近代小説の暗黙のルールでは、「作者が小説の中にみだりに干渉してはいけない(By 坪内逍遥)」があるからです。また、あえて作品の質の向上のために持論を入れるなら、それなりにその必然性と説得力が必要になりますけど、たとえば創竜伝では持論(社会評論)などまったく必要がないばかりか、作品設定が破壊されるという悪影響が確認されています。(ベストの議論や冒険風ライダーさんの「私の創竜伝考察」は読まれたでしょうか?まだなら、トップページから行けますのでぜひど~ぞ☆)
それと、ここで異論を唱えられるなら、もっと説得力のある根拠を提示して下さいませんか?あなたの文章は簡潔すぎてあまりにも具体性が欠けているので、はっきり言って、まったく同調できません。

ではでは☆

親記事No.388スレッドの返信投稿
board4 - No.390

Re:なんか証拠あるのかね

投稿者:モトラ
2001年07月05日(木) 11時55分

門閥貴族のライハルト評よろしく、具体的な根拠を示さず印象批評でモノを語るのはやめてくださいませんか。それから

> 削除 1234
このような、管理人さんの公正を疑うような態度は、無礼です。

親記事No.342スレッドの返信投稿
board4 - No.391

Re:田中芳樹にとっての中国

投稿者:三宅雪嶺
2001年07月05日(木) 12時46分

> > >田中氏が中国人と中国文化を賛美しているのであって現状を賛美して
> > >はいないと思います。
> >
> > トロイ遺跡を発掘したシュリーマンに清末の清国見聞記があるのですが
> > それをみる限り昔の中国も今の中国も大して変わらないようですけど、
> > おそらく田中芳樹氏が賛美する中国は氏の妄想の中で美化された中国であって実際の中国とは関係ないんでしょうね。
>
>
> 関係ないかもしれませんが田中さんが一番好きな中国とは宋の時代を指すのでは。
> 派手な軍事行動が無かったり、岳飛がいたり、言論を以って士大夫を殺さずというお国柄だったということなっていますし。
>
> 全ては幻想でしょいけど。
>
宋の時代だとすると難しいですね。
一次史料があまりないですから。
田中芳樹の妄想を批判する材料もない。
当時の南宋の紀行文とか日記とかってありましたっけ?

親記事No.388スレッドの返信投稿
board4 - No.392

一応念為

投稿者:本ページ管理人
2001年07月05日(木) 15時10分

管理人権限で削除することはないことだけお知らせしておきます。
似たようなご意見は過去ログに数多くありますので。

> なんだか推論だけでひどいこと言ってる人多いね
> 気持ち悪いよなぁ読んでて・・・
> 小説家なんだから小説に持論いれたって良いと思う
> エッセイストじゃないし
>
> 削除 1234

board4 - No.393

あわあわ

投稿者:まどかり
2001年07月05日(木) 18時05分

書くんじゃなかったかな・・・
だって、ここ読んだら
田中芳樹作品のファン(別にすべてが好きな訳じゃないけど)
は無知で罪深き人みたいな気持ちになったから
いま、現役のファンの人はいくら理論的に書いていても
イヤな気持ちになるとおもう
それに、小説、文学(そんなえらそうな言い方でなくても)
は、作者の感情や、思想を一切排することって出来るのかな
それがプロか?

って、こんなこと書くとまたバカにされるんだろなぁ
理論武装できないし・・・

削除キー書いたのは、管理人さんをどうこう言うのではなくて
感情的な自分の書き込みに、自信がなかったからだと思う

感情や印象で物を言うのはそんなに悪いことですか

そもそも、撃つページで書くことでは無かったかな

親記事No.393スレッドの返信投稿
board4 - No.395

Re:あわあわ

投稿者:モトラ
2001年07月05日(木) 21時52分

初めにお断りしておきますが、ここは「坊主憎けりゃ袈裟迄」な方はいらっしゃいません。「銀河英雄伝説」をはじめとする架空戦記物は、多くの方々に高く評価されています。

> 書くんじゃなかったかな・・・
> だって、ここ読んだら
> 田中芳樹作品のファン(別にすべてが好きな訳じゃないけど)
> は無知で罪深き人みたいな気持ちになったから
> いま、現役のファンの人はいくら理論的に書いていても
> イヤな気持ちになるとおもう

もともとこのサイトは、田中芳樹を取り巻く状況が礼賛一辺倒である状況に有効なカウンターを放つことを目的としたサイトです。ここのサイトを読んで、なぜイヤな気持ちになられたのか、考えてみられるのもよろしいかと思います。また、過去ログやザ・ベスト等を読んで「この意見は間違っているのではないか」と思えた部分があれば、遠慮無く書きこんで下さいませ。

> それに、小説、文学(そんなえらそうな言い方でなくても)
> は、作者の感情や、思想を一切排することって出来るのかな
> それがプロか?

私は、持論や思想を開陳するのも、ストーリーの流れを阻害せず、エンタテイメントのスパイスとして効果的で、その主張内容に責任を持ち、批判対象の人・組織からの反論にも正面から対峙し、読者層の大きなボリュームを占めるであろう、若者達への影響力に作者本人が自覚的であるならば、大いに結構だと思っております。残念ながら「創竜伝」に代表される現代モノでは、これらの条件を満たさぬものが多いため、批判せざるを得ません。ちなみに、評論の内容の問題点は、冒険風ライダー氏の大作「私の創竜伝考察」を、また評論のやり口がいかに卑劣であるかは、「創竜伝」の手法を用いて、批判の矛先を田中芳樹に向けた場合、どのような印象を受けるのかを示した実験SS、トップページ「小説だったら許される?」ザ・ベスト「こーひーぶれいく2/Re:創竜伝12巻(拙作)」等をご覧ください。

> って、こんなこと書くとまたバカにされるんだろなぁ
> 理論武装できないし・・・

> 削除キー書いたのは、管理人さんをどうこう言うのではなくて
> 感情的な自分の書き込みに、自信がなかったからだと思う
>
> 感情や印象で物を言うのはそんなに悪いことですか
>
> そもそも、撃つページで書くことでは無かったかな

その感情や印象の原因がなんであるか、根拠を示さなければ誹謗・中傷に陥ることだけは、ご承知おきください。では。

board4 - No.396

まあ嫌いなら読まなきゃ良いのでは・・・

投稿者:モーニング息子
2001年07月06日(金) 08時09分

まあ、田中さんに賛成や反対いろんな意見があるもんですねー
ただ思うのは嫌いだったら読まなきゃいいのではないかと思うのですが・・・
創竜伝ってあくまで楽しむものなのでは・・・
自分はある意味あのいい加減な世界観は好きですけど・・・
ドラゴンボールとかだっていい加減な世界観(主人公死んだけどあの世で修行してるし・・・そんで生き返ってるし・・・)
好きですよ。
まあ普通のバランス感覚備えた人なら現実と小説の区別ぐらいつくから問題ないのでは?
(そりゃそうでしょ、現実の世界や人生はもっと複雑だし・・・あそこまででフォメルされていない)
ただまあ今の学生にはプラトンとかドストエフスキーとかもしっかり読んで欲しいけどね

親記事No.393スレッドの返信投稿
board4 - No.397

Re:あわあわ

投稿者:
2001年07月06日(金) 09時22分

恵です☆

> 書くんじゃなかったかな・・・
> だって、ここ読んだら
> 田中芳樹作品のファン(別にすべてが好きな訳じゃないけど)
> は無知で罪深き人みたいな気持ちになったから
> いま、現役のファンの人はいくら理論的に書いていても
> イヤな気持ちになるとおもう
> それに、小説、文学(そんなえらそうな言い方でなくても)
> は、作者の感情や、思想を一切排することって出来るのかな
> それがプロか?
>
> って、こんなこと書くとまたバカにされるんだろなぁ
> 理論武装できないし・・・

このサイトのスタンスは、「田中芳樹氏を、感情論や誹謗中傷ではない、根拠ある論理で批判する」ことです。「理論武装」は、別にみなさんが気取ったりかっこつけているわけではありません。「説得力のある根拠(理論武装)」がないと、「批判」がただの悪口になってしまうからなんです。

ですから、まどかりさんも
「書くんじゃなかったかな・・・ 」
と投げてしまう前に、
「現役のファンの人はいくら理論的に書いていても
イヤな気持ちになるとおもう 」という理由を、感情論ではなく、ちゃんと考えてみてはどうでしょうか?
ここのみなさんは、田中氏のファンや擁護派を一方的に「敵」などとは思っていません。むしろ、
「あなたはなぜそう思うのですか?」
を思考実験(と、いってもゲームみたいなものですけど)として突き詰めていくことが大好きな方ばかりなんですよ?(わたしもです・笑)(*^_^*)


> 削除キー書いたのは、管理人さんをどうこう言うのではなくて
> 感情的な自分の書き込みに、自信がなかったからだと思う
>
> 感情や印象で物を言うのはそんなに悪いことですか


問題あると思います。
ネットに限らず、公共性の高い場所で「感情や印象で物を言う」と、誤解やもめ事の原因になります。(発言に明確な根拠がない場合は特に)
たとえば、ある政治家が公の場で軽率に「感情で物を言って」、それが結果的に「失言」として批判され、政治上の役職を責任をとって辞任する場合、「感情で物を言った」ことが直接の原因になるわけです。私的に内々で発言される場合は問題ないはずですけど、公共性の高い場所で「感情や印象で物を言う」のはなるべく慎んだほうがいいと思います(ちなみに、ここも公共性の高い場所なんですよ、まどかりさん(^_^;;)
それを避けるために、ここのみなさんは論理的に発言されているんです。感情論で田中氏の悪口を言う人は、ここの常連さんでは、わたしは見たことないですね。
そして、まどかりさんが「感情や印象で物を言って」いるからこそ、前回わたしは「同調できません」と言わせていただいたんです。わかっていただけましたでしょうか?

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board4 - No.398

Re:まあ嫌いなら読まなきゃ良いのでは・・・

投稿者:
2001年07月06日(金) 11時04分

> まあ、田中さんに賛成や反対いろんな意見があるもんですねー
> ただ思うのは嫌いだったら読まなきゃいいのではないかと思うのですが・・・
> 創竜伝ってあくまで楽しむものなのでは・・・
> 自分はある意味あのいい加減な世界観は好きですけど・・・
> ドラゴンボールとかだっていい加減な世界観(主人公死んだけどあの世で修行してるし・・・そんで生き返ってるし・・・)
> 好きですよ。
> まあ普通のバランス感覚備えた人なら現実と小説の区別ぐらいつくから問題ないのでは?
> (そりゃそうでしょ、現実の世界や人生はもっと複雑だし・・・あそこまででフォメルされていない)
> ただまあ今の学生にはプラトンとかドストエフスキーとかもしっかり読んで欲しいけどね
>

こんにちわ、モーニング息子さん☆
わたしは恵と申します、よろしくお願いしますね。

さて、あなたの

「嫌いだったら読まなきゃいいのではないかと思うのですが・・・」

の根拠が、

「ドラゴンボールとかだっていい加減な世界観(主人公死んだけどあの世で修行してるし・・・そんで生き返ってるし・・・)好きですよ」

と、

「まあ普通のバランス感覚備えた人なら現実と小説の区別ぐらいつくから問題ないのでは? 」

ということですか?

それだけではちょっと根拠が足らないのでは?と思います。
まず、ドラゴンボールですけど、あの作品には設定破綻はあっても、創竜伝のような滅茶苦茶な社会評論はありません。別に特定の人物をデフォルメしてこき下ろす、ということもしていませんよね?そういう意味で、ドラゴンボールは純粋なエンターテイメントですし、「両方とも設定破綻したフィクション作品」というだけで創竜伝と同列にして比べることは、かなり無理があると思います。
次に、「普通のバランス感覚備えた人なら現実と小説の区別ぐらいつく」とのことですけど、社会評論にある読売の渡辺社長(作中では稲垣社長)、インドネシアのマハティール大統領など、明らかに実在の人物をモデルにした評論の存在は、「現実と小説の区別ぐらいつく」とは言いきれない要素ではないでしょうか。(まったくのフィクションではないのですから)そういうことが書きたいなら、フィクション作品にこっそり混ぜるのではなく、堂々と「社会評論」の本として出版すればいいのでは?というのがわたしたちの意見なんですよね。

あと、他の人との議論でも言わせていただいたのですけど、

「刑務所や秘密警察で働く者は高貴ではありえない(大意)」

↑こういう差別的な評論が随所に見られる創竜伝を「自分は現実と小説の区別ぐらいつく」と言って容認してしまったら、それこそどんな「表現上の不適切な描写」もOKということになってしまいませんか?
上記の文章は、実際に公安警察や刑務所で働いている人たちに対する、ほとんど根拠のない中傷ですし、それに対する反論を「嫌なら読むな」と封殺してしまっては、作家が文章を書いた際に発生する「文責」の概念を放棄しているとしか、わたしには思えないのですけど?(「嫌なら読むな」はあなたの意見ですから、わたしは田中氏自身もそう思っているとは思いたくないですけどね)また、作家である前に一人の人間として、田中芳樹氏に著しいモラル意識の欠如も感じます。

モーニング息子さんは、こういうことを踏まえた上で、「嫌いだったら読まなきゃいいのではないかと思うのですが・・・ 」とおっしゃっているのでしょうか?
ちなみに、わたしは創竜伝を全否定するつもりはありません。田中氏のテンポのいい文体、キャラクターたちのかけ合い漫才など、素直に「面白い」と思える要素もあると思います。むしろ、わたしは「好き」だからこそいろいろ苦言を言っているつもりです。単純に「嫌い」だったら、わざわざここにお邪魔していろいろ言うこともなかったと思います。時間と労力の無駄ですからね。

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board4 - No.399

反銀英伝 大逆転! リップシュタット戦役(69)

投稿者:不沈戦艦
2001年07月07日(土) 14時17分

 8月14日の夜、タンネンベルク侯にハイドリッヒ・ラング社会秩序維持局局長からの連絡が入った。至急会いたい、とのことであるので、軍務省までやってくるように指示する。連絡があってから三十分ほどで、ラングが到着しあたふたと軍務尚書執務室に入室してきた。

「どうした?かなり慌てているようだが。動きがあったのか?」

 機先を制し、ラングに問いかけるタンネンベルク侯である。ラングは汗を拭き拭き侯爵に答えた。

「その通りでございます。奴らは、明日か明後日あたりに動きを見せますぞ。全ての行動が、それを指し示しております。目的はやはりシュワルツェンの館、グリューネワルト伯爵夫人のようですな。しかも・・・・」

「しかも、何だ?」

「かなりの武器弾薬をアジトに運び込んでおるようでして。人員もそれなりにいるようなので、警察機構だけでは鎮圧は困難です。ここは是非、重装備の軍を投入して頂きたい、と考えておる次第にございます」

 そう言ったラングは、タンネンベルク侯に記録用のメモリーディスク一枚を差し出す。侯爵はそれを受け取ると、データを端末の画面に表示させた。それを見る限りでは、そこそこの地上戦が展開可能な程の武器弾薬が、ロイエンタールらのアジトに搬入されていることを物語っている。

「ふむ、少々泳がせ過ぎたかな。ここまでのものなら、もはや躊躇は要らぬ。放置しておくのは危険だ。直ちに軍を動員し、鎮圧させよう」

 タンネンベルク侯は電話を取ると、シュタウフェンベルク少将を呼び出した。五分ほどで、少将は侯爵の執務室に入ってくる。

「シュタウフェンベルク少将、卿は帝都地区に駐屯する装甲擲弾兵部隊を動員し、賊軍のロイエンタール大将らが潜入している帝都の拠点を鎮圧せよ。場所、敵の装備等の詳細なデータはこのディスクにある。また、この賊軍潜入部隊の調査は社会秩序維持局が行っていたので、ここにいるラング局長を連れていって詳細な話を聞くが良い」

「何と・・・・何時の間にそのようなことが。これは驚きました」

「今から兵を動員して、いつ頃鎮圧行動に入れるか?出来れば、払暁に行うことが望ましい。この時間帯に奇襲を掛けられれば、味方の損害も少ないのでな。夜が完全に明けてからだと、敵に対処する余裕が出てくる」

 単刀直入に要求するタンネンベルク侯である。侯爵の言う通り、敵が寝込んでいる可能性が高い、夜明け前を襲撃するのはベストの選択だ。

「さようですな、今から大至急兵を動員して配置に付けるのに4~5時間程度、というところでしょうか。払暁の奇襲は可能です」

「よろしい。ではそれで行こうか。卿はラング局長と一緒に、ロイエンタール大将らの潜入勢力を鎮圧すること。緊急性を用するので、取り敢えず口頭の命令とする。正式な命令書は後だ。私は、宰相閣下に事態をご報告する」

 シュタウフェンベルクは敬礼すると、ラング局長を伴って退出した。タンネンベルク侯も、続いて軍務省を退出し、宰相府に赴く。リッテンハイム公爵に事態を説明し、鎮圧行動の認可を受けるつもりである。


「どうした、このような夜更けに。そろそろ、私邸の方に帰ろうと思っていたところだが」

 リッテンハイム公は、不思議そうな顔で、入室してきたタンネンベルク侯を見た。

「少々容易ならざる事態が発生しておりまして。夜明け頃、市街地で若干の地上戦闘が生起することもあり得ます。静かに済めば重畳なのですが」

 タンネンベルク侯の説明に、リッテンハイム公は目を見開く。

「なに、それはまったく穏やかではないな。何故そのようなことが?」

「実は、しばらく前から賊軍のロイエンタール大将の率いる潜入部隊が、帝都にやってきています。彼らを発見した社会秩序維持局に命じて、監視を続けさせていたのですが、いよいよ行動を起こすところにまでなってしまいました。装甲擲弾兵に命じて、それの鎮圧をさせますので」

「ロイエンタール?ああ、金髪の孺子の部下か。そやつが、オーディンに来ていると?」

「さようでございます。ローエングラム侯の部下の中でも、優秀な方の一人ですな」

「で、そやつらは何をするつもりなのだ?わしやサビーネが狙いなのか?」

「そうではありませぬ。それに、皇宮も帝国宰相府も警備が堅く、そのようなことは自殺行為でしかありませぬな。彼らの狙いはグリューネワルト伯爵夫人の奪回でございます」

「なるほど、孺子の姉か。何が何でも取り戻す、ということなのだな」

「その通りでございますな。やはり、グリューネワルト伯爵夫人は、ローエングラム侯にとっては致命的な弱点のようで」

「ふははははははは、確かにそうだ。あの孺子は、『スカートの中の大将』と揶揄されたこともあるくらい、姉にだけはこだわっているようだからな」

 それを聞いて、リッテンハイム公は笑い出した。

「しかし、わしは今までそのような話は聞いておらぬな。卿は前から知っていたのか?」

 リッテンハイム公の若干不審を持ったような疑義の表明に、タンネンベルク侯は直ぐに答えた。

「その通りでございますが、正確な情報が入るまで、と思い私のところで止めておりました。それに、これは社会秩序維持局のような、悪く言えば『犬』の仕事にございます。宰相閣下のお耳を汚すこともないかと思いまして。しかし、鎮圧行動に出るとなれば、そうはゆきませぬ。市街地での戦闘もあり得ますので、宰相閣下のお耳に入れておくべき、と思い参上した次第にございます」

「あい解った。卿の判断で正しかろう。孺子の部下がやってきた程度の話なら、たかが知れておる。わしが、一々指図する程のことでもなかろうしな。以後の処置も卿に一任しよう」

 リッテンハイム公はそれ以上文句を続けることはなく、タンネンベルク侯のやりようを追認した。実際、リッテンハイム公はロイエンタールなど大した相手と認識していないので、タンネンベルク侯に任せても何ら問題はない、と思っていたのだ。

「ご理解いただきありがとうございます。ところで、この潜入部隊の発見については、最大の功は社会秩序維持局にございます。鎮圧が成功した時点で、宰相閣下よりラング局長へ、お褒めのお言葉をいただけないものか、と愚考いたしますが。ラング局長も感激し、今後いっそう陛下と閣下の為に忠義を尽くすと思われますので」

「うむ。それくらいは何でもない。感謝状くらい、いくらでも出してやるぞ」

 タンネンベルク侯の要請に、リッテンハイム公は二つ返事で答えた。それを聞いて、タンネンベルク侯は一礼する。

「それでは、私は後の始末もありますので、軍務省の方に戻ります。余程の緊急事態が発生した時には、閣下のご邸宅の方にご連絡差し上げるかも知れませぬが、先ずそのような事にはなりますまい。ご安心のほどを」

 タンネンベルク侯はそう告げると、リッテンハイム公の前から去った。


「小父上、いつまであの男に、好きにさせておくのですか?」

 明らかに欲求不満の塊のような物言いで、リッテンハイム公に話しかけたこの男。現在、帝国宰相秘書官を務めている、ヘッセン子爵である。その目は、タンネンベルク侯爵が出ていった扉を、憎々しげに見つめていた。

「何だ、カール。何を怒っている?」

 遠縁にあたるヘッセン子爵に、リッテンハイム公は気安い調子で話しかけた。しかし、ヘッセン子爵の様子は変わらない。

「あの男、タンネンベルクに好き勝手をやらせておくのは、小父上の為になりませぬ。従順なふりをしているだけで、そのうち、小父上の権力を簒奪することを狙っているに相違ないのですからな。金髪の孺子と同じ、いやそれ以上の叛逆者となりうるでしょう」

 リッテンハイム公の言うことはまるで聞こうとはせず、自分の感情ばかりを叩き付けるヘッセン子爵であった。これには、リッテンハイム公も、苦笑せざるを得ない。

「解った解った。カール、お前は疲れているのだ。早く休め」

 ヘッセン子爵の言うことを、まともに取り合おうとしないリッテンハイム公であった。さすがに、いくら何でもヘッセン子爵の言いようは、馬鹿馬鹿しく偏見に満ちたものでしかないからだ。そして、知らん顔で宰相の執務室から退出する。「小父上」のてんで相手にしないような反応に、子爵は更に不機嫌になったが、あらかさまに反抗する訳にもいかず、それ以上続けられはしなかった。しかし、タンネンベルク侯に対する憎悪は、彼の中では極大にまで達しているのは確かなようだ。

「畜生、小父上はあの男の危険さが解っていないのだ。奴の危険性に気付いているのは僕だけだ。大体、横から突然ぽっと出てきたくせに、サビーネの結婚相手の最有力候補だなんて、ひとを莫迦にしているぞ。そうはいくか。サビーネは誰にも渡さないから、覚えていろ!」

 暗い情熱をサビーネに向けているヘッセン子爵である。実際、この男は、サビーネ個人に対する想いというよりは、リッテンハイム家の当主の座を狙って、サビーネを我が物にしようと延々と画策していたのだ。しかし画策とはいっても、根拠は全くないのに、そのうち自分がサビーネの婿としてリッテンハイム家に迎えられることが当然、と思い込んでいたというだけの話である。リッテンハイム公爵はそのようにヘッセン子爵を娘婿として迎えようとは思ってもいなかったし、サビーネ自身も「遠縁の子爵家の当主で兄代わり」のヘッセン子爵に、そういう感情は持ってもいなかった。そのサビーネが、銀河帝国皇帝となってしまい、婿の座が遙かに重みを増すようになってしまった今では、その願望は果てしなく大きくなっていたのだ。ところが現在のところ、銀河帝国新皇帝の婿の最有力候補は、タンネンベルク侯で衆目は一致している。名門の当主という毛並みの良さと、その軍事面の傑出した能力。神聖不可侵なる皇帝とのつり合いを考えれば、ヘッセン子爵が逆立ちしても敵う相手ではない。それ故、彼の憎悪は、タンネンベルク侯に激しく向けられることになる。子爵は、今回の戦役ではオーディンから逃げ遅れ、ラインハルトらに拘禁されていた。タンネンベルク侯のオーディン制圧により、拘禁から解かれたのであるが、そのことを感謝するどころか、あっという間にリッテンハイム陣営の主要人物にのし上がってしまった侯爵に、分不相応な妬みと激しい対抗意識を燃やしている。実際のところは、対抗するどころかライオンの前の鼠でしかなかったのだが、「思惑」というものは、必ずしも力の優劣の通りに推移するものではないことは、歴史が証明していると言えるだろう。今後どのようになるにしても、リッテンハイム陣営にも確実に「不和」の種は存在する、というところだ。


 タンネンベルク侯は軍務省の執務室に戻り、矢継ぎ早に指示を出す。要員を大会議室に集め、情報収集機能と作戦指揮を統括する、鎮圧作戦の総司令部を立ち上げるのである。途端に、軍務省内は慌ただしくなっていった。さすがに、軍務省ともなれば、24時間体制で運用されてはいるものの、普段は深夜に入れば要員の数も減る。それが、この日はそうではなくなった。深夜であるにもかかわらず、大勢の要員が忙しく走り回り、熱気に満ちた様子だ。帝国軍最高司令官タンネンベルク元帥自らが総指揮を執り、鎮圧作戦司令部の設立を命じたのであるから、そうなっても当然の話ではある。

 午前1時を回ったところで、「賊軍潜入部隊鎮圧作戦司令部」が正式に発足し、機能し始めた。総司令官は、そのままタンネンベルク侯爵が務めている。

「シュタウフェンベルク少将、現在の状況を報告せよ」

 すでに、実働部隊の指揮を取るシュタウフェンベルク少将とは、通信回線が常時接続されており、必要な時には適宜情報を入手できるようになっていた。また、音声通信だけではなく、データ通信回線も開設しているので、作戦司令部中央のモニターに映し出された帝都の地図に、中央に赤で光って表示されているロイエンタールの拠点を目指し、移動しつつある各部隊の緑のシンボルが、リアルタイムで表示されている状況だ。

「はっ。現在、小官の戦闘指揮車は、駐屯地より出発し、目的地に向かいつつあります。先ずは敵のアジトに通じる道路を全て封鎖し、徐々に包囲網を狭めてゆき、夜明け直前に突入作戦を開始する、との手筈でありまして。最悪の事態に備え、軽装甲の装甲戦闘車だけではなく、戦車も用意しているところです」

「よろしい。そのまま戦闘指揮を継続するように」

「諒解しました」

 続いて、タンネンベルク侯爵は、帝都上空に張り付いている艦隊への回線を開かせた。

「ティールマン准将、そちらの配備状況はどうか?」

 フェルナーが調査した通り、現在はオーディンのタンネンベルク艦隊の大部分が、シュタイナー中将の総指揮による演習中で、15日までに残りのほとんどが帝都から離れる予定だった。最後に残っている艦隊が、中将麾下のティールマン准将の分艦隊である。数は二千隻、これも明けて14日午後には、演習宙域に移動する予定であった。しかし、タンネンベルク侯爵は予定を変更し、ロイエンタール潜入部隊の鎮圧が終わるまでは、ティールマン分艦隊に上空警戒を行わせるつもりだ。何しろ、いかに地上を固めたところで、仮に数隻程度でも上空に艦船に侵入された場合は、地上部隊では先ず対抗できない。駆逐艦や巡航艦程度でも、装甲擲弾兵にはどうしようもないのだ。万が一の敵の支援艦船侵入を阻む為に、上空を押さえておくことは、当然必要なのである。

「はっ、現在、分艦隊主力は、帝都上空にて警戒中です。鎮圧作戦が始まったところで、一部の艦船を降下させて、ワルキューレによる直上警戒も行う予定です」

「諒解した。そのまま警戒を続けるように」

 タンネンベルク侯爵はティールマン分艦隊への連絡を終えると、黙って中央の戦況スクリーンのモニターを眺めた。あとは、全ての準備が整い、始まるのを待つばかりだ。


(以下続く)

親記事No.396スレッドの返信投稿
board4 - No.400

もう少しトゲなくしましょうよ

投稿者:ららら
2001年07月08日(日) 14時02分

> 「嫌いだったら読まなきゃいいのではないかと思うのですが・・・」
>
> の根拠が、
>
> 「ドラゴンボールとかだっていい加減な世界観(主人公死んだけどあの世で修行してるし・・・そんで生き返ってるし・・・)好きですよ」
>
> と、
>
> 「まあ普通のバランス感覚備えた人なら現実と小説の区別ぐらいつくから問題ないのでは? 」
>
> ということですか?
>
> それだけではちょっと根拠が足らないのでは?と思います。
> まず、ドラゴンボールですけど、あの作品には設定破綻はあっても、創竜伝のような滅茶苦茶な社会評論はありません。別に特定の人物をデフォルメしてこき下ろす、ということもしていませんよね?そういう意味で、ドラゴンボールは純粋なエンターテイメントですし、「両方とも設定破綻したフィクション作品」というだけで創竜伝と同列にして比べることは、かなり無理があると思います。


根拠が足らないって、、、重箱の隅つつきますね。
「両方とも設定破綻したフィクション作品」ということに関しては同列なのでしょ?
それは人の捉え方、例え方の違いだと思います。
揚げ足とっているように感じるのですが。
エンターテイメントに純粋とか不純とかあるのですか?
読者が楽しめればよいと考える私がおかしいのでしょうか?


> 次に、「普通のバランス感覚備えた人なら現実と小説の区別ぐらいつく」とのことですけど、社会評論にある読売の渡辺社長(作中では稲垣社長)、インドネシアのマハティール大統領など、明らかに実在の人物をモデルにした評論の存在は、「現実と小説の区別ぐらいつく」とは言いきれない要素ではないでしょうか。(まったくのフィクションではないのですから)そういうことが書きたいなら、フィクション作品にこっそり混ぜるのではなく、堂々と「社会評論」の本として出版すればいいのでは?というのがわたしたちの意見なんですよね。


私はフィクション作品に「こっそり」混ぜているとは思いません。
思いっきり堂々と織り交ぜているように感じます。
それに何故、フィクション作品の要素の一つとして取り入れてはいけないのですか?
人への影響に関してもある程度歳をとった人が読むものですから、個人的にはあれぐらいは判断してもらいたいと思います。私は、中・高校生は十分大人で責任能力があると考えていますから、これに関して異論は多々有るでしょうけど。


> あと、他の人との議論でも言わせていただいたのですけど、
>
> 「刑務所や秘密警察で働く者は高貴ではありえない(大意)」


私はこれが(大意)と書かれているので原文が分かりませんので何とも言えません。
この言葉を批判するということは、悪役ではなく主人公あたりがいっているのでしょうね。もし、差別的発言と思うのなら出版社や、作者本人に抗議をしてはいかがでしょうか?
既にしていれば、すみません。
私が言いたい事は、誰でも失敗はするものなので揚げ足をとるのではなく、正してあげては?ということです。このサイトで「田中氏が昔は**言っていた」とか書いていますが、人は成長するものです、主義主張も変わっても何らおかしくないのではないでしょうか?


> ↑こういう差別的な評論が随所に見られる創竜伝を「自分は現実と小説の区別ぐらいつく」と言って容認してしまったら、それこそどんな「表現上の不適切な描写」もOKということになってしまいませんか?
> 上記の文章は、実際に公安警察や刑務所で働いている人たちに対する、ほとんど根拠のない中傷ですし、それに対する反論を「嫌なら読むな」と封殺してしまっては、作家が文章を書いた際に発生する「文責」の概念を放棄しているとしか、わたしには思えないのですけど?(「嫌なら読むな」はあなたの意見ですから、わたしは田中氏自身もそう思っているとは思いたくないですけどね)また、作家である前に一人の人間として、田中芳樹氏に著しいモラル意識の欠如も感じます。


モーニング息子さんが、「嫌なら読まなければ良いのでは?」というのは、みなさんが批判する為に本を読んでいるように感じているからではないでしょうか?
率直にいうと、私にはそう感じられます。


> モーニング息子さんは、こういうことを踏まえた上で、「嫌いだったら読まなきゃいいのではないかと思うのですが・・・ 」とおっしゃっているのでしょうか?
> ちなみに、わたしは創竜伝を全否定するつもりはありません。田中氏のテンポのいい文体、キャラクターたちのかけ合い漫才など、素直に「面白い」と思える要素もあると思います。むしろ、わたしは「好き」だからこそいろいろ苦言を言っているつもりです。単純に「嫌い」だったら、わざわざここにお邪魔していろいろ言うこともなかったと思います。時間と労力の無駄ですからね。


それでは、何故こういうことを書くのですか?
ここの評論を少しだけしか読んではいませんが、感想は「トゲが強い」です。そして、みなさんから「自分の主張」を押し付けようとする、押し付けがましさを感じます。
本を読んでいて、「そうかな?」自分の考えは違うがそのまま釈然としないまま本を読み進むときの気持ちに似ています。皆さんの評論の中にも「少しぐらいは」客観的に見ておかしいと思う点もあるのではないですか?みなさん強気に主張して人に押し付けていませんか?
続のように相手を完全に(正しいかどうかはともかく)論破し、叩き潰したいと思っているのでしょうか?でも続はフィクション上の人です。現実で行うと人に与えるストレスは大変大きなものです。
私はこのサイトを読んでいて、人の負のストレスが強くて気分が悪いです。
文章と会話は違います。会話を文章にすると結構嫌な事を言っているものです。

こういう考えもあるということです。
一つ心にとどめていただければ幸いです。

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