- 親記事No.491スレッドの返信投稿
- board4 - No.496
新作…じゃなかったです(謝)
- 投稿者:クロイツェル
- 2001年07月24日(火) 18時21分
え~、あの後ここのザ・ベストを読み直した所、KLANの文字が出てきてびっくりして再確認しましたら、この作品、1995年に発行された本を文庫化したものでした。私が知らなかったもので最新作だと思っちゃいましたが、別に新作ではなかったです。ごめんなさい。
- 親記事No.480スレッドの返信投稿
- board4 - No.498
Re:Re481:モチベーションを、少々考えてみました
- 投稿者:倉本
- 2001年07月25日(水) 01時20分
> 余談ですが、このシュミレーションで本当に困ってしまうのが、キルヒアイスの存在だったりします。せっかくの傑出した才能なのですが、このシミュレーションではどう考えても彼にはモチベーションがありません。ラインハルトやヤンなんか問題にならないぐらい、なんにもありません。と、言う訳で、この場合は彼は一市民として歴史の中に埋没してしまうんでしょうねえ。いや、もったいない。
キルヒアイスもそうですけどもう1人モチベーションのない人間がいます。
それはヤン夫人ことフレデリカ・グリーンヒルです。
あの人はヤンを追っかけて軍に入ったようで父親は軍人になるのを反対していたはずです。
ヤンに出会っていなければどこかの誰かと結婚して平凡な人生を過ごしていたはずです。
この2人をどうするかが最大の問題ですね。
私の考えとして立場を入れ替えるというのを考えてみました。
キルヒアイスはどこかの戦場でヤンに出会って助けられて彼を追って軍に入る。
フレデリカはラインハルトの幼馴染でその影響を受けて軍に入る。
こういうのはどうでしょう。
ちょうど原作のキルヒアイスとフレデリカの立場を入れ替えたような感じです。
- 親記事No.7スレッドの返信投稿
- board4 - No.499
Re:反銀英伝 大逆転! リップシュタット戦役(73)
- 投稿者:Merkatz
- 2001年07月25日(水) 11時08分
>
>
> 「ラインハルトさま、いえ、ローエングラム侯・・・・・・」
>
> キルヒアイスは、哀しそうな顔でラインハルトの名前を呼ぶと、そのまま絶句してしまった。しかしその様子は、ラインハルトの苛立ちを更に増加させただけである。
>
>
> 「わたくしは、閣下の忠実な部下です、ローエングラム侯」
>
> この問いと、この答えによって、何か目に見えない貴重なものが、音もなくひび割れたことを、二人とも悟っていた。
>
ここはちょっと不味いですね。
キルヒアイスはラインハルトに対して「閣下」「ラインハルト様」の2通りの呼び方しかしません。
その使い分けは周知のことで説明は要りませんが、
だからこそ、この場面で「わたくしは、閣下の忠実な部下です、ローエングラム侯」という
セリフが非常に重みを持つわけです。
つまり、今までラインハルトに対して使ったことがない「ローエングラム侯」という
呼び方をしたからこそ、二人の亀裂が決定的に印象付けられるという演出です。
ですから、冒頭から「ローエングラム侯」という呼称を使ってしまうと、
その劇的効果がなくなってしまいます。
ここは原作通り、「ラインハルト様」で始まった会話が
「ローエングラム侯」で閉められるようにしたほうが良かったですね。
- 親記事No.482スレッドの返信投稿
- board4 - No.500
:「かってに解放王(2)」
- 投稿者:新Q太郎
- 2001年07月25日(水) 19時33分
さすがに誰もついてきてないが(笑)、一応続ける。
----------------------------------
「『王の道』にもちゃんと交通ルールはあるので、みな守るように」
「例えば?」
「そうですね、例えば…ほらそこに『割り込み禁止』の標識があるでしょう」
「王道での割りこみ禁止ってのは具体的に言うと」
「要するに、息子や弟、部下の女を割りこんで奪うな、ってことですよ。」
「そういやそれ、アンタの親父がやられたことだもんね」
エステルが突っ込むと、アルスラーンもずーんと落ちこんだ顔で言った。
「ええ…まあ…、ま、何しろそうそうたる面々がこの『割りこみ禁止』でキップ切られてますからね。玄宗皇帝、ソロモン王、董卓、と…この違反はなくなりませんねえ」
「こっちは?」
「それは『追い越し禁止』ですね。前がノロノロしてると、つい違反を承知で追い越してしまいがちですが、これも重大な事故を引き起こす可能性があるので」
ナルサスが、冷静な声で答える
【追い越しの一例】
*マクラを使って窒息死させる
*酔っぱらいの王子に銃を乱射させる
*今川義元の元へ追放
*休戦協定を結ぼうとしてるところにソーラーシステムで
…「ちなみに『塔から、別の王と一緒に墜落させる』というのはギリギリ法定内です」
とのナルサスの言葉には、一同ぶんぶんと首を振ったが。それでも止まらない。
「でもホントにノロノロ過ぎて、そろそろ譲れてなヒトもいたので無理からぬこともありますな!○○とか△△とかXXXXとか!!」
そこに何が入るか、いくらナンでもヤバ過ぎるので誰も聞かなかった。
「あと、急な路線変更…すなわち『入れ替わり』も王の道では禁止です。乞食--王子とか、鉄仮面--国王とか、ゼンダ城の虜---国王とか」
「熊沢天皇---ホントの天皇とか」
「それは違う!!」みなぶんぶんと首を振った。
「しかし、これだけ歩いて、どこへ行くかわからないというのはちょっと」
「おや?こちらに道が分かれているぞ」
ダリューンやギーヴが、好奇心からかそちらへ歩いていった。
「あ!あぶない!!もどってこい!!」
アルスラーンが叫ぶ。
「あれ?上の看板に『この道、晴海まで』と書いてあるわよ」
エステルが不思議そうにつぶやく。
「可哀想に…あそこへ繋がるということはこの道は…『外道』ですな。『衆道』ともいいますが」
書いていて自分でも非常にイヤなギャグだが(笑)、まあいいや。
「あれ、今も晴海だっけ?」
「よく知らないで、作者も勝手に決めつけてるよね」
エラム地丹がぼそっと文句を言った。
「まあ、彼等の無事を祈ろう……」
アルスラーンはさらに前に進む。すると彼は、
「おお!見つけた!!ついに王の道からの出口が見つかったぞ!」
と叫んだ。
(続く)
>
- 親記事No.482スレッドの返信投稿
- board4 - No.501
Re::「かってに解放王(2)」
- 投稿者:ブリリン
- 2001年07月25日(水) 23時23分
すごく、面白いです!
私、アルスラーンしか知りませんが、情景が見えるみたいで笑えます。
でも、1番うれしいのは10年待たなくても次の巻が読める事でしょうか・・・。
-
- board4 - No.502
久しぶりに『竜堂四姉妹』
- 投稿者:画聖マニの再来(自称)
- 2001年07月26日(木) 10時02分
5巻 P145下段~P146下段のパロディ)
この日、始芽は、白楊学院で国語教師と衝突してしまったのである。
同僚といっても、国語科主任で学校図書館も担当する中年の女性教師だった。
つい最近まで日教組の執行部につとめていた人物だというが、この人が学校図書館の蔵書を検査して、中学生や高校生の教育に有害な本をこのさい追放しようとしたのである。
主任はすでにブラックリストを作成しており、幾人かの作家の名をあげて、軍国主義的であるとか差別的であるとか女性の権利を尊重していないとか決めつけた。
聞くうちに、始芽はつい口をはさんでしまったのだ。
「でしたら与謝野晶子も禁書にしたらいかがですか」
「な、何をいうのですか、アナタは!?」
国語科主任は目をむき、始芽の無知をたしなめるように手を上下に動かしてみせた。
「与謝野晶子は自立する女性の鑑ではないですか!それに『君死にたまふことなかれ』の反戦歌だって・・・」
「そうですか。ところがあの詩は実家の跡取りだった弟の身を案じた詩であって、戦争そのものには反対していません。ひょっとして、ご存じなかったんですか?」
「…………」
「それに、婦人運動のリーダー平塚雷鳥との議論で、母体の保護を国家に求めた雷鳥に対して、「自立した女はいやしくも国家に依存してはならない」と反論しています。どうです、家父長制度にとらわれて女性の社会進出に反するけしからん奴だと思いませんか」
国語科教師は顔を赤黒くして黙りこんでいたが、ひとつ頭を振ってわめいた。
「ア~タはたかが臨時講師じゃないですか! えらそうな口をきくのはやめてちょうだい、そもそも何の権利も資格もアナタにはないんですからネ!!」
保守系評論バージョンでした。う~ん、出来が悪いなぁ・・・(;´Д`)
参考 東京・杉並の親の会
ttp://members.jcom.home.ne.jp/kyoukasyo/
- 親記事No.482スレッドの返信投稿
- board4 - No.503
Re::「かってに解放王」
- 投稿者:画聖マニの再来(自称)
- 2001年07月26日(木) 10時36分
おお、久しぶりに来てみたら、新Q太郎さんの新作が。
爆笑ですね♪エステル=名取羽美・・・ハマりすぎ(笑)
(尋問を受けるエステル)
エステル:
「ですから・・・やったのは私じゃなくてエトワールなんです!彼、ちょっと性格に問題があって・・・異教徒の血を見るのが何より好きなだけなんです!!」
アルスラーン:
「エトワールはエステルの26番目の人格なんだ。」
- 親記事No.7スレッドの返信投稿
- board4 - No.504
Re:反銀英伝 大逆転! リップシュタット戦役(72)
- 投稿者:不沈戦艦
- 2001年07月26日(木) 14時58分
>
> ・ヴェスターラントの虐殺を利用しようとするラインハルト=オーベルシュタインを、逆に非難材料にする
>
> ってのは話の流れとしては、正しいと思います。ですが、今回の作品を読んで思ったのは、
>
> ・貴族連合軍内部の悪事を、ブラウンシュヴァイクを切り捨てることによって誤魔化した。だけでなく、その模様を利用しようとしたラインハルト軍をあげつらうことによって、責任逃れをはかっている。
>
> こんな感じに見えました。一般民衆にとって、ブラウンシュヴァイクとリッテンハイム=タンネンベルクの決裂が、今の段階でそれほど印象づけられているんでしょうかね。
>
ま、そんなにはないでしょうけど、「ラインハルトが、民衆の熱狂的支持を得ることはできなくなった」というところが、どちらかというとタンネンベルクの目的なので、それくらいでも良いかと。「映像ばかり撮っていた上に、ヴェスターラントの救援を妨害した」という件もありますし。
-
- board4 - No.505
お知らせ
- 投稿者:本ページ管理人
- 2001年07月26日(木) 15時23分
7月30日(月)9:00~21:00にサーバが管理のために停止します。
この時間は一切のアクセスが出来ませんので、よろしくお願いします。
-
- board4 - No.506
田中芳樹は小心者?
- 投稿者:かあくん
- 2001年07月26日(木) 19時32分
はじめまして、かあくんと申します。ネット歴2週間足らずの新参者ですが、これからよろしくお願いします。
私が初めて田中作品を知ったのは、10歳位の頃でした。
好きだった子が読んでいたからという、かなり不純な動機だったのですが(笑)、すっかりハマってしまい、田中作品の大ファンになりました。
図書室に置いてあった銀英伝とかを、よくちょろまかしたものです。
いつか私も、こういう素晴らしい作品が書けるような、そんな作家になりたいと、子供ごころに思ったものです。
しかし。
「創竜伝」。コレを読んで私が抱いていた幻想、田中芳樹のイメージが崩れ去りました。
ありゃ一体何なんですかね。
露骨な勧善懲悪モノ。政治家や企業家はことごとく腐敗し、それを主人公達(セイギノミカタ)が成敗する。主人公達は「じんるいのてき」とか名乗ってますが、読者をナメるにも程がある。
敵は絶対悪。深い意味もなく支配だ征服だとほざいて主人公達を狙います。救いも何もない無残な最期に年代の壁を感じます。
「召喚教師リアルバウトハイスクール」という文庫本がありますがそれに似てますね。
やはりここは「ナデシコ」の様な美しいストーリーがベストかと・・・
しかし何よりも許せないのは作者の態度です。
「名前のない葉書は読まない」だの「誹謗中傷がどうの」だの、ヘドな内容の台詞を作者自身の口からではなく、主人公達に吐かせている。
これは読者軽視に他ならない。
そもそも物書きであるならば、批判の手紙が届くのは当然であり、それすらも糧としてより進歩していくのが正しい姿ではないかと思う。
また、誹謗中傷云々にしても、作者自身が作品中での根拠のない批判や一方的な価値観の押しつけ等、十分非難されるべきことをやっている。
人のこと言えねえだろうが自分の価値観浸ってんじゃねえよっていうかこういうのは別な本書けよ。
ああ、中学の頃、好きな子から「君の父さんって、政治家なんだよね。」と聞かれたときのことを思い出します。
軽蔑の眼差し。片手には「創竜伝」。
・・・コロス。
田舎町の町長に金なんてないんですよ。大抵は小心者だし。
田中角栄や森のオッサンみたいなのが例外。
そういやある看護婦が医療ミスでマスコミの追求を受けて自殺したっけ。ほとんど報じられなかったけど。
だれだってミスしたくてするわけじゃないのにねえ。
まあ、これもそれに近いものがあるよね。うわべしか知らないような奴に書かれると不愉快だ。
あと、「名前を書かないのは卑怯だ」とかほざくなら、キャラじゃなくて自分で言え。逃げ道を作っておくのは小心者の、しかも卑怯な手口だ。こんな作品を書くなら、せめて正々堂々としてろ。
一方的に非難したり、葉書を読まないなんてのは論外だ。
-
- board4 - No.507
田中芳樹の悪いとこ
- 投稿者:はぎ
- 2001年07月27日(金) 02時52分
田中氏の本当に悪いとこは本の出す遅さだ(笑)
皆さんの意見はファンはきちんと考えなくてはならないと思いました。
- 親記事No.491スレッドの返信投稿
- board4 - No.508
Re:新作情報
- 投稿者:S.K
- 2001年07月27日(金) 12時29分
横からすみませんが一言だけ。
「KLAN」新作じゃないです。
数年前JUMP NOVELSという同じ集英社の新書版で出たものの文庫落しです。
勿論未完です。
いい加減水子のリサイクルは止めてくれないものでしょうかねえ。
- 親記事No.491スレッドの返信投稿
- board4 - No.509
ミスった
- 投稿者:S.K
- 2001年07月27日(金) 12時37分
クロイツェルさんすみません。
496番見落としておりました。
先の投稿は忘れてください。
失礼しました。
- 親記事No.7スレッドの返信投稿
- board4 - No.510
細かいことではありますが
- 投稿者:北村賢志
- 2001年07月27日(金) 12時48分
> 「そういうことですので、ガイエスブルグに留まっている配下の者
>に、この攻撃を阻止するように命令を出しておきました。ただ、問題
>はローエングラム侯に、攻撃阻止を妨害される可能性があることです」
幾ら何でもリッテンハイム公の前でラインハルトを「ローエングラム候」と呼ぶのは無理があると思います。
特に貴族同士の陰湿な権力闘争にも長けているタンネンベルク候ならばなおのこと、言質をとられかねない発言はしないでしょう。
ここは「ミューゼル」とした方が良いのではないでしょうか?
- 親記事No.480スレッドの返信投稿
- board4 - No.511
Re:Re481:モチベーションを、少々考えてみました
- 投稿者:クロイツェル
- 2001年07月27日(金) 16時10分
> キルヒアイスもそうですけどもう1人モチベーションのない人間がいます。
> それはヤン夫人ことフレデリカ・グリーンヒルです。
> あの人はヤンを追っかけて軍に入ったようで父親は軍人になるのを反対していたはずです。
> ヤンに出会っていなければどこかの誰かと結婚して平凡な人生を過ごしていたはずです。
> この2人をどうするかが最大の問題ですね。
そう言えばそうですね、気づきませんでした。
> 私の考えとして立場を入れ替えるというのを考えてみました。
>
> キルヒアイスはどこかの戦場でヤンに出会って助けられて彼を追って軍に入る。
> フレデリカはラインハルトの幼馴染でその影響を受けて軍に入る。
> こういうのはどうでしょう。
> ちょうど原作のキルヒアイスとフレデリカの立場を入れ替えたような感じです。
面白いですね。キルヒアイスの場合は、大貴族に家族共々処刑されそうになった所を救ってもらった上、援助までしてもらったって感じで。それに恩義を感じたキルヒアイス少年は、ウェンリー伯爵の役に立ちたい一心で軍に入って、士官学校を主席卒業して彼の幕僚に加わるわけですな。
さて、そうしますと、双璧コンビも無事ヤンの下に入る事ができます。経緯は原作通りでいいでしょう。正直ロイエンタールがヤンに頼るとは思えなかったんですが、キルヒアイスが仲立ちすればそれも可能でしょうから。
一方フレデリカですが、確かに幼なじみというのが一番いいでしょうね。ラインハルトの年齢では、エル=ファシルの英雄になるには若過ぎますから。母の葬儀の日に、涙をこらえながら世直しを誓うラインハルトを見て、って所でしょうかねえ。
しかし、ラインハルトはヤン以上の朴念仁。フレデリカさん、さぞかし苦労するだろうなあ(笑)。
ところで、ラインハルトが同盟に生まれた場合、キャゼルヌ少将や(このシミュレーションだと)グリーンヒル大将といった、帝国ラインハルトにはいなかった「父性を補完してくれる人」がいる事になるんですよね。この場合、ラインハルトの人格にどんな影響を及ぼすんでしょうか?興味は尽きませんね。
- 親記事No.491スレッドの返信投稿
- board4 - No.512
Re:ミスった
- 投稿者:クロイツェル
- 2001年07月27日(金) 16時14分
> クロイツェルさんすみません。
> 496番見落としておりました。
> 先の投稿は忘れてください。
> 失礼しました。
いえいえ、お気になさらず。よくある事ですよ。
ちなみに、私は水子商売はいいと思いますよ。絶版で読めなくなった物がもう一度読めるなんて、素晴らしいじゃありませんか。
……ま、面白ければの話だけど(爆)
- 親記事No.502スレッドの返信投稿
- board4 - No.513
Re:久しぶりに『竜堂四姉妹』
- 投稿者:クロイツェル
- 2001年07月27日(金) 17時22分
わはは、面白いです!特に、国語教師を中年女性にしたのが妙に似合ってました。ヒステリックな所とか、特にぴったり。
与謝野晶子のエピソードは正直知りませんでした。ただ、「いやしくも自立した女性は~」のくだりは、これがなぜ家父長制度擁護につながるのかよくわからないんですが、教えていただけませんか?
話はずれますけど、教科書問題、まだまだ途切れませんねえ。しかし、インターネットも評論も、全肯定か全否定の意見ばかり。もっと中道に立って、よい所はよい・悪い所は悪い、と分析した意見はどこかにないものでしょうかねえ?
- 親記事No.7スレッドの返信投稿
- board4 - No.514
Re:わははは
- 投稿者:不沈戦艦
- 2001年07月27日(金) 18時14分
> > 「そういうことですので、ガイエスブルグに留まっている配下の者
> >に、この攻撃を阻止するように命令を出しておきました。ただ、問題
> >はローエングラム侯に、攻撃阻止を妨害される可能性があることです」
>
> 幾ら何でもリッテンハイム公の前でラインハルトを「ローエングラム候」と呼ぶのは無理があると思います。
> 特に貴族同士の陰湿な権力闘争にも長けているタンネンベルク候ならばなおのこと、言質をとられかねない発言はしないでしょう。
> ここは「ミューゼル」とした方が良いのではないでしょうか?
正直、北村さんに突っ込まれるとは思ってませんでしたわ。
まあ、ご指摘は解りますけど、タンネンベルク侯には、なるべく「エエカッコ」させたいんですよね。「金髪の孺子」と言わせるのも、ほとんどやらせていませんし。演説の場などを除いて「ミューゼル」と言わせるのも、あまりやりたくないんですわ。
そういうことなので、リッテンハイム公の前でも、広く一般公開するような場以外では、「ローエングラム侯」で通させるつもりですので、ご了承頂きたいんですが。
- 親記事No.480スレッドの返信投稿
- board4 - No.515
「寝たきり美青年」誕生じゃないでしょうか
- 投稿者:S.K
- 2001年07月28日(土) 09時39分
> ところで、ラインハルトが同盟に生まれた場合、キャゼルヌ少将や(このシミュレーションだと)グリーンヒル大将といった、帝国ラインハルトにはいなかった「父性を補完してくれる人」がいる事になるんですよね。この場合、ラインハルトの人格にどんな影響を及ぼすんでしょうか?興味は尽きませんね。
クロイツェルさん、先日は失礼いたしました。
時に「父性の補完されたラインハルト」ですが、影響としては精神性に「寛容さ」と「気楽さ」が充填されるのではと思います。
「寛容さ」を原作のラインハルトが身につけたのは、「自身の狭量さと甘えが無二の親友を死に追いやった」というかなり不幸な通過儀礼の産物でしたが、同盟ラインハルトはその辺をキャゼルヌやグリーンヒル大将との(反抗期交じりの)触れ合いなどで代替できるのではないでしょうか。
で「気楽さ」ですが、元々無趣味な青年ですし前述の「寛容さ」によって生まれたゆとりがあればそう張り詰めた日常を送る必要もなく休暇の折などフレデリカにおんぶに抱っこでダラダラ過ごす「寝たきり美青年」が誕生しそうな気がします。
やはりフレデリカは幸せなんだか気の毒なんだか微妙な所ですが。
ところで帝国の「ウェンリー元帥府」に一つ問題を見つけてしまいまして、レンネンカンプどうしましょう?
フルネーム「ヘルムート・フォン・レンネンカンプ」で貴族階級出身なのは間違いなさそうですから、後腐れなくリップシュッタット戦役でサクッと殺っちゃいますか?
生かしておくと原作者の折り紙付きの「同陣営にいても不幸にしかならない取り合わせ」ですし。
それでは。
- 親記事No.502スレッドの返信投稿
- board4 - No.516
Re:久しぶりに『竜堂四姉妹』
- 投稿者:画聖マニの再来(自爆)
- 2001年07月28日(土) 13時33分
> わはは、面白いです!特に、国語教師を中年女性にしたのが妙に似合ってました。ヒステリックな所とか、特にぴったり。
> 与謝野晶子のエピソードは正直知りませんでした。ただ、「いやしくも自立した女性は~」のくだりは、これがなぜ家父長制度擁護につながるのかよくわからないんですが、教えていただけませんか?
>
はじめまして、クロイツェルさん。拙文に暖かいお言葉ありがとうございます。
ご指摘の点ですが、確かにぜんぜん言葉足りてませんね。(泣)文章力の無さをさらけだしてしまいました。家父長制擁護は前段の「反戦歌」の部分の評で、(弟が実家の跡取で~の部分)「いやしくも~」は国家による女性の権利保護を否定して社会進出を阻む、という意味で使ったのですが・・・ダメじゃん(爆)今度はもっと推敲してから投稿しますので今回はご容赦を(笑)
- 親記事No.482スレッドの返信投稿
- board4 - No.518
:「かってに解放王(3)」
- 投稿者:新Q太郎
- 2001年07月28日(土) 17時21分
「おお!見つけた!!ついに王の道からの出口が見つかったぞ!」
と叫んだ。
(続く)
なんか…やたら狭くて、通りにくい道なんだけど・・・ここも「王道」なの?」
下ッ端エラムが疑念に満ちた声で皆に問う。
「いや、違うな。ここは『けものみち』だよ」
ナルサス部長が答えると
「なんでこんな道が、王道から繋がるのよ!」
とエステルが問うと、アルスラーンがため息をついて返答した。
「どーしてこんな簡単なことがわからないんでしょうか…
王様がかならずやっることと言ったら何か?『お忍び』ですよ!暴れん坊も水戸の老人もやる、あの甘美なる『お忍び』!悪代官の不正を正したり、ディズニーランドへ遊びに行ったり(要偽造パスポート)!それこそ王の道ですよ!」
「だからそれが、ナンでかものみちと関係あるのよ!」
「チャチャチャー、チャチャチャー!チャチャチャチャ…」
ナルサスが前奏を口ずさむと、王子が引き取って歌う。
「♪”忍び”が通る”けものみち”
風が カムイの 影を斬る……」(「カムイ外伝 忍びのテーマ」より)
「そんな誰もわかんないネタでつなげるなああああ」
のこり全員が突っ込んだが、簡単にアルスラーンは無視した。
「ちなみにこの筆者は2番に『♪忍びが通る 遠い道…』とあるのを『通り道』と聞き違い、「そこを通れば通り道に決まってんじゃん」と不思議に思っていました。18年間。」
「だから、そういう一般性を欠いた話はヤメレ!」
「とにかく、この道を通るぞ!ついて参れ!」
アルスラーンがけものみちに入っていくと、一校はしぶしぶ後をつける。
「王子、結局最後はどこに着くんですか?」
「ついて来ればわかる、いいところだ」
「絶対、いい場所のわけないじゃない」
エステルはぶつぶつ文句を言ったが……
「ついたぞ、ここだ」
「うわー、すごい!!」「かなりの大都市ですな」
そこは町中が大理石で飾られた(伏線)美しい都市だった。
「ここで、皆も思う存分遊ぶがよい」
「うわー!!」
一行は、思う存分美しい都市を満喫した。アイスを食べたり、バイクで道路を疾走したり、名所を回ったり美容室で髪型を変えたり……
その後彼等はきた道をたどりパルスに帰還した。
城に残った家来からエステルたちは尋ねられる。
「おかえりなさいませ、旅はどうでした?どこが一番でしたかな?」
エステルは答える
「いずれの都市も、それぞれの良さと美しさがああります
……でも、ローマです。断然ローマです」
「つまり、『全ての道はローマに通ず』と『ローマの休日』を引っ掛けたというオチだったと」
「きれいにまとまったな」
「どこがじゃあ!!!!」
(完-----スマナカッタ)
- 親記事No.458スレッドの返信投稿
- board4 - No.519
Re:さらにごみれす
- 投稿者:lulu
- 2001年07月30日(月) 14時19分
> > 他にも「頭上の余白は敵」とか「ピーカン不許可」とかはありますが、それは片寄っている(一部笑)としても、そういう基準が厳然として「写真」にあると言えるでしょう。
> >
>
>
> 鳥坂先輩ですね(笑)
鳥坂先輩は「トライXで万全」「4号か5号で焼いてこそ味がある」だけですよん。あとはたわばさんの言葉です。
- 親記事No.7スレッドの返信投稿
- board4 - No.520
反銀英伝 大逆転! リップシュタット戦役(74)
- 投稿者:不沈戦艦
- 2001年07月30日(月) 15時37分
「ガイエスブルグより、膨大な数の艦船が離脱を始めました。総数、じゅ、十万隻以上!!」
ミュラー艦隊のレーダー画面に、雲霞の如き大艦隊が姿を現した。それは、躊躇することなく、ミュラー艦隊の方に向かって来る。
「いかん!!さすがに、あれだけの数を相手にすることは出来ぬ。一旦退くぞ!」
ミュラーは全艦を反転させると、脱兎の如く逃げ出した。そして、ラインハルトに報告を入れる。
「ローエングラム侯、ミュラー提督よりの報告です。ガイエスブルグより、十万隻以上の艦船が離脱、こちらに向かっている、とのことにございます」
オーベルシュタインは、全く動じた様子もなく、ガイエスブルグからの大艦隊の離脱を告げた。予想の範囲内の話ではあるので、慌てる必要はない。
「遂に来たか。十万以上とは、ガイエスブルグの戦力のほとんどが出てきたわけだ。遂に、ブラウンシュヴァイク公は見放された、ということのようだな」
「さようですな。我が軍にとっては容易ならざる事態でございます。この敵が、無傷でタンネンベルク軍と合流してしまった場合、我が軍の敗北は必至というもの。どう対処されますか」
「卿の案で行く。未だ、オーディンには手が出せぬからな。先ずは離脱したガイエスブルグ組を叩き、その後ガイエスブルグを占領。戦役の長期化を図る、という策だ。それでよいな」
「御意。今となっては、その方策しかありますまい。ガイエスブルグからの戦力は十万とはいえ、本質的には烏合の衆。こちらを先に攻撃することが、理に適っております」
「では命令する。これより、全軍はガイエスブルグ離脱組の貴族連合軍に向かい、これを撃破する。出撃準備にかかれ。レンテンベルクからは離れることになるので、補給物資は可能な限り積み込んでおくように」
「御意。あと、ミュラー艦隊についてでございますが・・・・」
「索敵だ。敵艦隊に付かず離れず、一定の距離を保ちながら、敵の進路を確かめよ」
「御意にて。ミュラー提督に連絡しておきます」
ラインハルトの命により、レンテンベルクに留まっていたローエングラム艦隊は、一斉に出撃準備にかかった。レンテンベルクにある補給物資を根こそぎ積み込んでいる。そろそろ、補給物資も危うくなりつつある。後方のオーディンを押さえたタンネンベルク侯は、レンテンベルクへの物資補給ルートを当然の如く切断していた。民間船舶の立ち入りも禁止し、フェザーン系の商社や運送会社にも圧力を掛けたので、後方からの補給は全く受けられなくなっていたのである。その状況で八万隻以上の大軍に対する補給を行わなければならなののだから、楽なものではない。レンテンベルクに集積されていた物資を取り崩す毎日であったわけだが、その備蓄もほとんどを費やしてしまい、今回の出撃でほぼ空になることになる。やはり、帝都を押さえているのとそうでないのでは、物資の手配に関しての利便がまるで違う。タンネンベルク軍は潤沢な補給物資が期待できたが、後方を失ったラインハルト軍には、もはやそのような贅沢は許されてはいない。ガイエスブルグを奪うという選択は、そういう意味では魅力的であった。レンテンベルクとは規模が違うので、集積されている物資の量が桁違いであるからだ。貴族連合軍が長期に渡って本拠としていても、それくらいはどうにでもなる程度の量を有していたのである。
「タンネンベルク侯爵の演説は虚偽に満ちたものである。我が軍のヴェスターラント救援艦隊が、前方警戒の為に先行させた偵察艦により、ヴェスターラントへの攻撃の模様が撮影できたことは事実だが、偵察艦に、地上を攻撃する貴族連合軍の戦闘艦をどうこうする力はない。救援艦隊本隊も、時間的に間に合わなかっただけである。また、救援に赴いた我が軍の艦隊が、ヴェスターラント上空にて、貴族連合軍が派遣したと称する救援艦隊とやらと交戦したのも事実だが、それは民衆を熱核兵器で虐殺するような貴族連合軍など、到底信用できぬからだ。貴族連合軍が救援と称し、更なる虐殺を行わぬ保証がどこにあろうか。帝国臣民諸君、タンネンベルク侯爵による、それこそ政治宣伝に騙されてはならない。ヴェスターラントの惨劇を呼んだのが、我々なのか貴族連合なのか、ということを諸君らは再考すべきだろう。もし、この戦役で貴族連合が勝利した場合、あのようなことは何度でも起こり得るのだ」
超光速通信(FTL)の画面にオーベルシュタインが現れ、全帝国に向かって「タンネンベルク侯爵の演説は偽りである」と反論した。しかし、見るからに陰気で、声の抑揚もほとんどなく、淡々と話すオーベルシュタインでは、それを見た者の共感はまるで得られていない。神が造形した彫刻の如き美、とでも表現するしかない容貌を有するラインハルトが行った方が遙かに効果があるが、それはラインハルト自身が拒否してしまっている。ラインハルトの、汚泥にまみれた大人のやり口を拒む「少年」の部分が、ヴェスターラント攻撃を見逃したことをしらばっくれ、図々しくも被害者づらをして、民衆に語りかけることを嫌がった為だ。ラインハルト自らによる演説を勧めるオーベルシュタインに、「もともと卿が発案したことだ。卿が自分で責任を取れ」と命令し、よく言っても「逃げて」しまったので、オーベルシュタインが演説する羽目になった、ということである。一応タンネンベルク侯爵に対する反論ではあるものの、いかにも弁解めいた印象しか与えず、ラインハルトが失った信用を取り戻すには能わなかった。
メルカッツ提督の旗艦「ネルトリンゲン」に参集したのは、シュヴェーリン伯爵、リュトヴィッツ子爵、エーゼベック男爵、それとファーレンハイト中将の四名。なお、マントイフェル男爵は、そのままヴェスターラントに留まり、救援活動を継続している。派手な戦果をあげられる役でなくても、文句を言わずに喜んで実行する。結束力の堅さ、これが、タンネンベルク陣営の、他の貴族たちとの違う美点だった。ラインハルトの麾下の提督たちとも通ずる、優れた資質である。
「それではご説明申し上げます。現在、我が軍は帝都に向かって直進しておりますが、それも一両日中までのこと。そこで艦隊は五つに分かれ、迂回航路を取って互いに大きく離れることになります。これは、ローエングラム軍の追跡をまく為のものでして、敵の勢力が強いレンテンベルク周辺を回避したのち、再度集結を果たし、オーディンに向かうこととなります。なお、現在、オーディンのタンネンベルク侯の命により、シュヴァルツェンベルク中将、レープ少将、マッケンゼン少将の三名が、こちらの艦隊に合流すべく移動中にて。各航路の指示と割り振りは、おおよそ決まっておりますので、細部は各艦隊で詰める、ということでよろしいかと」
シュヴェーリンの説明に、メルカッツ提督は頷いた。計画としてはよく練られており、特に文句を付けるものではない。
「しかし、疑問があります」
アーダベルト・フォン・ファーレンハイト中将が、シュヴェーリンに質問する。
「分散して進撃するということでは、みすみすローエングラム侯に、各個撃破の機会を与えることになりましませんか。このまま、十万以上の集団にて、進撃した方が安全なのではないかと思うのですが」
「やはりそこですか。しかし、この策以外は取りようがない、と小官は考えます」
一応、シュヴェーリンはガイエスブルグ出発直前にタンネンベルク侯により、中将には任じられている。それでも、ファーレンハイトの方が先任であり、敬意を表した物言いだ。
「このまま、十万以上の艦隊で進撃した場合、艦隊の移動は遅々としたものになってしまうでしょう。途中でローエングラム侯の艦隊に捕捉され、そこで大決戦が始まってしまうことになりかねませぬ。それでは、正直言って苦しいのではないでしょうか。数はローエングラム艦隊より多いものの、各艦隊の練度や艦隊司令官の能力と統合性、軍隊としての『質』については、ローエングラム軍の方が上かと思われます。こちらの意図としては、オーディンのタンネンベルク侯の艦隊とローエングラム艦隊が交戦しているところに、若干の時間差を付けて、背後から襲いかかるというものです。分散することにより艦隊の規模を小さくして迅速な行動を確保し、敵の追跡を惑わしたあと、大規模な包囲網の中に誘い込む作戦案なのですが」
「だが、ローエングラム侯がその誘いに乗るでしょうか。包囲網が構築されていることは当然察知されるでしょうから、オーディンのタンネンベルク軍を、包囲される前に撃滅してしまう可能性が高いとは、彼も判断はしないでしょう。それより、分散した我々を各個撃破し、しかる後に実質的に空になったガイエスブルグを占拠。立て籠もって粘り強く抗戦を続ける、というような挙に出るのではないか、と思うのですが」
「そこなのですが、侯爵の考えでは、グリューネワルト伯爵夫人を小道具として使用する、というおつもりのようです。タイミングを見計らった上で、ローエングラム侯が怒り狂ってオーディンへ殺到してくるような細工を。まあ、あまりに外聞が悪いことをやるのも何であり、ローエングラム侯を怒らせ過ぎるのも問題なので、程度を考えてのものだそうですが。その過程でグリューネワルト伯爵夫人を、ローエングラム侯のもとへ戻してやらなければなりませぬが。そうでないと、ローエングラム侯がオーディンにやって来て、タンネンベルク侯の艦隊に攻撃を掛けては来ませぬからな」
シュヴェーリンの説明に、ファーレンハイトは実に嫌そうな顔をする。無力な女性を人質にするだけでなく、相手を引っかける為の餌にする、という手段に嫌悪感を持ったようだ。メルカッツもあまりいい顔はしていない。
「もちろん、これが万人が褒め称えるような策ではないことは、タンネンベルク侯も先刻承知しておられます。その上で、敢えてその方法を取られる、ということでして。ローエングラム侯にガイエスブルグに籠もられて、なおかつ叛乱軍、自由惑星同盟との提携などを実行されては、戦役が長期化し帝国臣民の苦しみが長く続くことになります。それを避ける為です、閣下」
シュヴェーリンの物言いはファーレンハイトへのものだが、同時にメルカッツにも向けられたものだ。
「いや、正直愉快な方法とは思わないが、それはそれでタンネンベルク侯の信念に基づいて行うものだろう。わしなどがどうこう言う筋合いはない」
メルカッツの言で、その件については終わる。
「では、その包囲殲滅作戦を取るとして、タイミングがかなり重要でありましょう。オーディンのタンネンベルク軍にローエングラム軍が攻め掛かり、早期にタンネンベルク軍が撃破されてしまった場合、続いて戦闘に突入する我が軍が数や消耗度では有利とはいえ、最悪の場合は各個撃破の対象になってしまいかねません。交戦中に背後から襲うには、よほど迅速な艦隊行動と、敵の進撃速度についての予測と情報入手。我が軍の『質』の向上、それが必要と思われます」
「その通りでございますな。艦隊指揮官としては、先に申した通り、シュヴァルツェンベルク中将、レープ少将、マッケンゼン少将の三名がその内加わって来られます。情報入手については、迂回ルートではありますが、オーディンまでの『連絡線』は確保してありますので、その線を経由して受け取ればよろしい。問題は艦隊の『質』の方ですな。進撃中に少しでも多く演習を繰り返し、練度を高めて行くしかありませぬ」
移動中に演習を繰り返すのでは、艦隊の将兵に、かなり疲労が溜まることに間違いはない。しかし、練度を高めなければ、戦力として役には立たない。それらを含めた案を考えなければならないので、この移動の指揮は、かなりの難事業である。是非自分を艦隊司令官に、という貴族たちは多くいたのであるが、シュヴェーリンが希望者一同を集めて、艦隊司令官の役割が楽ではないこと、専門知識を有する軍人以外には困難である状況を説明し、更にはタンネンベルク侯爵による、メルカッツ提督への全権委任状を見せられるに至って、単に命令に従っていた方が安楽であると思い知らされ、司令官希望者はほぼいなくなった、ということもあったくらいだ。それ故、艦隊の統制は難しくはなく、命令違反などは先ずなくなったのであるが、練度はそれとは別の話である。やはり、貴族連合の悪いところである「戦意過多、戦略戦術過少」を引きずっており、単純な攻勢ならともかく、少しでも複雑な艦隊運動などをやらせると、途端に混乱に陥ったりしてしまう、と先行き不安な面を覗かせている。タンネンベルク侯爵が、リッテンハイム侯爵の艦隊を我が物とし、手足のように使ってみせたのは、侯爵自身とその部下たちの卓越した指揮能力と、下級指揮官クラスの適性に応じた再配置と艦隊編成の見直し、何度も繰り返された演習、と時間を掛けて能力を高めていったが故である。結局は、それと同じことをやるしかない。
「それは、計画をよく練り、段階を踏んで確実に行おうかな。ガイエスブルグに居たときはどうしようかと思ったくらいだが、統制が取れるようになっただけでも、遙かにましというものだ。あとは、ひたすら訓練ということだろう」
メルカッツとしては、前よりはましな状況であると実感していた。ガイエスブルグに居たときは、とにかく司令官の言うことを聞く者など全くおらず、貴族たちは好き勝手のやりたい放題だった。しかし、今回はタンネンベルク侯によるメルカッツへの全権委任と、ナイペルク伯爵の悲惨な最期が利いたのか、統制を離れて好きなようにする者はいない。
「諒解しました。小官も、その案に賛成します。微力を尽くすこととしましょう」
ファーレンハイトも納得し、タンネンベルク侯の案で話がまとまった。そこで散会となり、各人は自分の艦に戻る。
ドレクスラー曹長の破壊工作グループは、着々と準備を進めていた。シュワルツェンの館の近くまで、何回か下見にまで行ったくらいである。さすがに、長期にわたる警備になっている為、警備兵たちはかなり緊張感を失っており、警戒は緩んでいると言ってもいい状態だ。本来、そのような状態になってしまえば、タンネンベルク侯自らによる叱責や注意があってもいい筈だが、そのタンネンベルク侯ですら、ロイエンタールを捕らえたことで安心しきっており、多少はだれていても問題なし、それ以上の警戒を呼びかけることもあるまい、となおざりにしていたのである。そういう意味では、オーベルシュタインの意図した通り、絶好の状況になりつつあった。
ドレクスラーの拠点には、銃や手榴弾、戦斧などばかりでなく、対戦車ロケット砲、迫撃砲、ハンドキャノン、ハンドミサイルに至るまで、ありとあらゆる兵器を結集済みである。しかし、さすがに、いきなりロケットや砲弾をシュワルツェンの館に撃ち込むような真似をしようとは考えてはいない。仮にそんなことをやったとしても、アンネローゼの具体的な居場所を掴んでからでないと、仕損じる可能性が高いからだ。機会は一度しかないので、慎重に襲撃計画を立てなければ、ということはさすがに弁えている。
レンテンベルクを進発したラインハルトに、ミュラーからの報告が入ったのは、出発後一日が経過した後である。敵は5つに分かれ、完全に別方向へ移動し始めた、と。レンテンベルクへ、オーディンへ直進はしてこない、ということである。
「敵は分散したのか・・・それで、我が軍をまくつもりか」
ラインハルトは熟考する。敵が5方向に分かれたので、本来なら各個撃破のチャンスだ。しかし、その一隊平均二万隻のうち、一つを潰したところで残りは八万。二つを潰せたとしても、残るは六万。残りには、オーディンに逃げ込まれてしまうだろう。それでは、相手の方の戦力が大きくなり、勝機は薄くなる。
しかし、全部の敵を逃がすまじ、とこちらも分散して追った場合はどうか。平均一万六千隻程度になるので、これではまともに勝つのが難しい。兵力の母体が大きければ大きいほど、当然臨機応変な作戦展開が可能になるが、二万対一万六千の戦いに限定されてしまうのでは、いかに貴族連合軍相手でも勝ちきるのは難しかろう。しかも、相手もそれなりに決死の覚悟で出てきているのだ。相手より兵力が少ないのに、消耗戦になってしまっても話にならない。
「タンネンベルクめ、よくもまあ、次から次へと嫌らしい手ばかり打ってくるものだ」
しかし、いつまでもそうしてはいられない。ラインハルトは決断を下した。
「命令。本隊を約二万七千ずつ、三隊に分割する。本隊の指揮は私がとる。別働隊は、キルヒアイスとミッターマイヤーがそれぞれ指揮をとれ。それで、敵の三隊を徹底的に叩くのだ。残りの二隊には、逃げられてしまってもやむを得ぬ。ミュラーには『敵の三隊は、絶対に逃がさず行方を監視せよ』と告げよ」
敵戦力十万のうち、六万を叩いてしまえば、残りは四万になる。オーディンのタンネンベルク軍と合流されたところで、総兵力九万。それでもこちらが不利だが、ガイエスブルグに籠もって戦えば、抗戦不可能ということにもなるまい。そう考えた上での、ラインハルトの判断だった。
「御意。では、各艦隊司令官にご命令を伝達致します」
オーベルシュタインが受けると、それぞれの艦隊に連絡を入れ始めた。実際の艦船の振り分けなどの細かい作業は、司令官の仕事ではない。スタッフがやればいいことだ。
半日後、ローエングラム艦隊は、三つに分かれ、それぞれ進撃を開始した。ミュラーの戦力が現在ラインハルトの手元にないので、その分は減っており、現在各艦隊は二万三千弱というところだ。
ロイエンタールは、内務省社会秩序維持局の監獄に放り込まれ、何もできる状態ではない。単に監獄に放り込まれただけで、特に虐待されている訳ではなかったが、薄暗くコンクリートが剥き出しの牢の中で、堅いパンと薄いスープ、僅かばかりの干し肉と野菜、旨くもなく毎回同じ食事を、三度三度出されるだけの生活は、愉快なものではなかった。看守も食事の運搬以外ではやって来ることはなく、まるで無言であるのでは尚更だ。しかし、ロイエンタールの精神は、それくらいで挫ける程弱くはない。嘗て経験した遙かに過酷な最前線、惑星カプチェランカなどでの地上戦を考えれば、これくらいの扱いは何でもない話である。
「・・・・・・・いつまで俺を、ここに放り込んでおくつもりだろうか、タンネンベルク侯は」
何もすることはないので、時間だけはたっぷりある環境だ。考え事でもしているしかない。
「『吊してしまうのは惜しい』と言っていたから、殺すつもりはないのだろうが、では一体俺に、何をやらせる気か。できれば、さっさと決めて欲しいものだな」
そして、ロイエンタールは、タンネンベルク侯の「このような甘いローエングラム侯が、卿の主君として相応しいのか」という科白を、反芻せざるを得ない。感情的には不愉快極まりない話ではあるが、このタンネンベルク侯の言いように、全く反論できないロイエンタールであった。こうして捕縛され、頭を冷やしてみてよく解ったのであるが、確かにタンネンベルク侯の言うとおり、グリューネワルト伯爵夫人の生き死には、帝国の覇権には何の関係もない。主君であるラインハルトが、「姉を皇帝から救い出す為に、覇者となる意志を持った」から、感情的に姉を捨てることができない、というだけだ。熱病に浮かされたように「何としてもグリューネワルト伯爵夫人をお救いしなければ」と思い込んでいた時には考えもしなかったが、こうして任務から強制的に切り離され、冷静に考え直せば、タンネンベルク侯の言う通りである、ということに思い至ったのだ。考えれば考えるほど、「ローエングラム軍全員の運命と、グリューネワルト伯爵夫人一人の命と、どちらが大事なのか」という命題は、「ローエングラム軍全員の運命」の方に軍配が上がる。その為には、グリューネワルト伯爵夫人一人が犠牲になったところで、やむを得ないではないか。さして重要ではない個人を、権力者の個人的感情を満足させる為だけに救い、他の多くが犠牲にならなければならないというのなら、今までの大貴族支配と、どこが違うというのだ。それで民衆の解放者面をしようなど、片腹痛いのではないか。
ロイエンタールが生来持っている、叛逆的なものの考え方が、この場合は如何なく発揮されてゆく。ロイエンタールは、このタンネンベルク侯の一言で、主君の資質に重大な疑念を持つようになっていった。
(以下続く)
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- board4 - No.521
Re:反銀英伝 大逆転! リップシュタット戦役(74)
- 投稿者:H2
- 2001年07月31日(火) 03時23分
ガイエスブルク要塞についてですが、
みすみす無傷で敵に渡すより、破壊したほうが良いのでは。
その上で、兵糧攻めも効果的でしょう。
ローエングラム軍は立場上、物資の調達はやりにくいでしょうから