- 親記事No.1116スレッドの返信投稿
- board4 - No.1172
Re1156/1168:まとめ直しレス
- 投稿者:冒険風ライダー
- 2001年11月22日(木) 19時08分
まず、No.1156だけでなく、一連の議論におけるヨウさんの議論態度に関して最初に一言言っておきたいのですが、明らかに議論の長期化を意図しているとしか思えない「根拠提示の乱発と論点の拡散化」を行うのは止めていただきませんか? あまりに乱発される根拠提示に応えるために書いた反論が、さらなる根拠提示要求に繋がるというではたまったものではありません。私はあなたの一方的な質問に無限に答え続けなければならないのですか?
また、「つくる会」関連の議論における「タナウツの運動事情」を使った私の「たとえ話」を「話のすり替え」などと解釈してみたり、少年犯罪関連議論での私の話を全く理解しようともせずに妙なレッテル貼りを行ってきたりと、私の真意とはほど遠い解釈に基づく反論があまりにも多すぎ、これらの建設的な議論を行おうとする意図がまるで見られない反応の数々に、正直、私は最初にNo.1156を読んだ時、最後の反論を書いた上でこちらから一方的に議論を打ち切り、「今後あなたがどんな反応をしようとも私は一切相手にしない」と宣言してしまおうかとまで考えたくらいでしたよ。非礼に関しては私も「考察シリーズ」で散々やっていますから仕方がないとも考えられるのですけど、歪曲解釈や人の話を聞かない態度と言った「論者としての不誠実ぶり」が見られるというのでは、議論の流れや進行そのものに支障がでてしまいますのでね。人の発言をあそこまで曲解しているのは意図的にやっているとしか思えませんでしたし。
で、その議論打ち切り宣言投稿を書いている最中に、No.1156よりは礼儀正しく書かれているNo.1168を読み、ヨウさんの議論提起の意図と目的を理解することができましたので、さすがにそこまでやろうという気はなくなりましたが、もし私と引き続き建設的な議論を行いたいと思うのであれば、上記で述べたような「建設的な議論を行おうとする意図がまるで見られない反応の数々」を乱発するのを止め、互いに歩み寄る努力を行っていただきますようお願い致します。
今度上記に書いたような「論者としての不誠実な態度」が見られた場合、私はその場で議論の打ち切りを一方的に宣言します。
ところで一連の議論では、互いの喧嘩口調のためにあまりにも論点が拡散しすぎているため、少し仕切り直しを行いたいと思います。
>「現代日本の富」の解釈
まあこれに関しては、ヨウさんの解釈もなくはないかな、とは思いましたよ。そういう考え方もあるということは理解しました。
ただ、私が「現代日本の富」を「日本人全ての富」と考えたのにも理由がありまして、それは創竜伝におけるあまりにも数の多い「日本および日本人そのものに対する批判」にあります。これは本当に資産家とか日本政府とかに特定できるものではなく、明らかに日本人全体に対する根拠のない誹謗中傷となっているのです。創竜伝2巻~4巻にかけて見られる「日本人はイベント大好きで奴隷のように従順な民族だ」などはまさにその典型例ですし、「日本人はバブルに浮かれきっていたバカな国民だ」などと言った主張もこれに含まれます。
また、これは創竜伝だけでなく銀英伝でも多く使われる論調なのですが、「愚かな政治家が現れるのは、彼を選択した国民全体の責任である」といった主張を田中芳樹はよく使っており、創竜伝における日本政府批判や「日本人は民度が低い」という例の主張もこれを前提として展開されています。従って、田中芳樹の日本政府批判もまた、そのような政府の存在を許している日本国民に対する直接間接の批判であると言えます。
創竜伝にはそういった文脈を持つ評論が数多く存在するため、その流れで読んでいくと「現代日本の富」を「日本人全ての富」と解釈できてしまうわけですよ。特に私は創竜伝考察を作る前からその手の評論を何十回も読んできましたので、なおのことそのように受け取りました。何しろ「現代日本の富」というのは、文言だけを見ても「日本人全ての富」と解釈できますしね。まあ田中芳樹がこの件に関して直接何らかの声明でも発表すれば考えを変えても良いですけど、そうでない限りは、私は自説を撤回する必要は全くないと考えます。
そんなわけで、この問題に関しては、お互いに解釈の根拠を理解し合えたということで「見解の相違」として終わらせても良いのではないでしょうか。私とヨウさん、どちらの解釈に賛同するかは、一連の議論を読む人それぞれでしょうし。
>田中芳樹の歴史教育批判
歴史教育に関しては、私は諸外国の愛国心育成教育の方を高く評価していますし、高等教育で多種多様な教育を行うためにも、むしろ初等教育はある程度統一されるべきであると考えています(これに関しては「管理人の本論5」なども参考になるでしょう)。「つくる会」を高く評価する理由もそのあたりにあります。
だからヨウさんが唱える「歴史教育の意義そのものを考え直す時代にきている」という意見自体にも反対なのですが、さしあたってそれを抜きにして考えても、田中芳樹がそのような意図をもって日本の右傾化歴史教育とやらを非難していたという主張には無理があります。あの評論にはただひたすら「日本の歴史教育に対する罵倒」が並べられているだけで何らかの提言を行った形跡がないですし、現実には田中芳樹の主張とは逆に、日本の歴史教育はそれこそ「つくる会」の例の引用文にもあったように「全国的に自虐教育が行われていた」というのが実態でしょう。田中芳樹の意図がどこにあるにせよ、この何ら事実に基づかない的外れな誹謗中傷は批判されて然るべきですし、ましてやそこにヨウさんの仰る「歴史教育の意義そのものを考え直す時代にきている」という批判の意図など感じることはできません。
しかも外国に関しては、日本の歴史教育関連で批判していたような内容をむしろ礼賛すらしていることは中国の例を見れば一目瞭然ですし、土屋守がイギリスにおける歴史教育の実態について説明した時でさえも、せいぜい英仏百年戦争をネタにして和やかに談笑する程度に留めているだけではありませんか。あの日本の歴史教育批判に比べれば、あんなものは普通「批判」とは呼びません。
創竜伝におけるあの愚かしい日本の歴史教育批判を田中芳樹自身が何らかの形で総括ないし撤回でもしない限り、イギリスの歴史教育に対しても、全く同じかそれ以上の「罵倒論法を使用した批判」を田中芳樹は主張すべきであると私は考えています。それこそが自らの言動に対する責任というものでしょう。そしてそれが行われない限り、私は田中芳樹が首尾一貫した歴史教育批判を行ったなどと解釈することはどうしてもできないのです。
>つくる会について
ヨウさんは「つくる会の建前は全くの大嘘であり、教科書を面白おかしくすることが目的化している」として田中芳樹の主張を擁護していますが、もし仮にそのような「教科書を面白おかしくすることが目的化している『つくる会』」を批判しようとするのであれば、なおのこと「建前」というのは重要になってくるのではありませんか? なぜなら、政治運動で掲げられている「建前」を使えば、「あなた達の行動は『建前』に掲げてある本来の目的から逸脱している」という批判論法を述べることが可能となりますし、またそのような批判の方が、政治運動に携わる人達に対する大きなダメージともなりえるからです。
政治の世界における「建前」というのは非常に重要な意味を持っています。それは本来、水戸黄門の印籠のごとき権威を持っており、たとえ「本音」がどうであったとしても、決してないがしろにしてはならないものです。だからこそ、「本音」が堕落している際に「建前」を掲げて批判するという手法は極めて有効な戦法であり、また運動の目的を見直すためにもよく使われる手法でもあるのです。
タナウツの緒言およびFAQがトップページの一番目立つところにおいてあるでしょう? 実はあれも「タナウツにおける批判活動の目的や意図を、常に誰でも確認できるようにするため」に、あえて一番目立つ位置に置いてあるのです。もしタナウツの批判活動が迷走状態に陥った場合には、すぐに運動の目的を再確認し、本来の軌道に戻すことができるように。かくのごとく、「建前」というものは政治運動の際に非常に重要なものとなりえるのです。
然るに田中芳樹の主張はどうか? 田中芳樹は「つくる会」の設立目的を「教科書を面白おかしくすること」と勝手に定義した上で「つくる会」を当てこすっています。「つくる会」の本当の目的など全く理解できていませんし、「おもしろい教科書などありえない、それは強制されるからだ」に至っては批判の方向性自体が間違っています。だから私は「つくる会」の例の趣意書を引用した上で、「これのどこをどう読めばそのような解釈が可能となるのでしょうか」と述べていたわけです。
繰り返しますが、「つくる会」の目的と行動の問題を云々する以前の問題として、田中芳樹はそもそも「つくる会」の設立目的を全く理解しておらず、しかもその挙句に「おもしろい教科書などありえない、それは強制されるからだ」などとタワゴトを述べているわけです。こんなものが「つくる会」批判として妥当なものであると考えられるのですか?
>イギリス礼賛論について
これに関してはヨウさんの方が先に問題にしてきたのですから、私に対して根拠の明示を求めるよりも先に、まずはヨウさんの方こそが何故「大英博物館に諸外国からの掠奪品を大切に保存・展示して一般に無料公開することは、他の植民地保有国に比べるとまだましである」とか「他の帝国主義国家と違い新聞が堂々と王室の悪口を書きたてているような国であるから、世界を支配出来たのであろう」といった解釈をするに至ったのかを説明し、私の主張の間違いを指摘する方が先決でしょう。ただあなた個人の解釈を聞かされただけでは、自分の解釈がいかなる解釈法の違いによって問題視されたのかが私にはまるで理解できないのですから。
なぜヨウさんの解釈を聞かされただけの私が先に根拠を述べなければならないのですか? 問題を提示した側が「なぜこれが問題になるのか」についての理由と根拠を先に明示するのは当然のことではありませんか。あなたは自分の解釈こそがいちいち説明するまでもない常識的な解釈であると考えているのかもしれませんが、私の方ではそれは常識的な解釈とは全く認識されてはいないのですから。この認識の格差を埋めるためにも、まずは「現代日本の富」関連議論の時のように、あなたがどのようにしてあの文章を解釈したのかを詳細に説明してください。
No.1168で述べていたように「このような解釈もあるのだ」ということを私に訴えたいのであれば、ひたすら私に質問を浴びせて論点を拡散させてしまうよりも、そちらの方がはるかに有効な方法だと思うのですが。
>歴史教育と少年犯罪
一連の議論で一番曲解のはなはだしい個所はこれですね。前の投稿でも言っていたでしょう。あの例は自虐教育がそれを受ける少年達に多かれ少なかれ受け入れられていることを証明する一現象であり、象徴であると。そのような事件が「語られる事実それ自体」が自虐的歴史教育の影響力の大きさを証明しているからこそ、私はあの事例を問題にしているのであり、この事例の件数だの少年の考え方だの犯罪の動機などといった「瑣末なもの」など、そもそも最初から全く何の問題にもしていないのです。まさかこの説明から「愛国心教育を受けていれば、この少年は犯罪に走らなかった」などと解釈されるとは思いませんでしたよ。
それから一言言っておきますが、私は何も少年犯罪増加の原因が「全て」歴史教育のせいであるとは一言半句たりとも述べておりません。最初の投稿でも私はこう言っていますよ。
<それが教育現場を狂わせ、少年犯罪を激増させる要因『のひとつ』となったからこそ>
『』部分を読み落として勝手な印象操作などされてはたまったものではありませんね。そりゃ少年犯罪の原因にはいろいろなものがあるでしょうが、ここではあまり論点を拡散させないためにも、あえて歴史教育に限定して論じざるをえなかったわけで、これをきちんと踏まえていれば、私が「少年犯罪を犯した少年に愛国教育を施していれば犯罪には走らなかった、と信じている」などという解釈は出てこなかったと思うのですが。
私も議論を行っていく過程で、このようなわけの分からない解釈によって自分の主張が勝手に捻じ曲げられるのは迷惑でしかないのですよ。もう少し他人の文章を深く読み込み、その意図を探る鍛錬を積むことが、お互いに理解し合うためにも必要なのではないですか?
>歴史観
日本の現代政治について評価が定まっていないから田中芳樹を間違っていると断言することはできない、と私に対して述べるのであれば、それよりも先に、その「評価が定まっていない日本の現代政治」について「小説の中で」メチャクチャな罵倒ばかり述べている田中芳樹に対しても同じような批判を行うべきなのではありませんか? 私と田中芳樹、一体どちらが先に現代日本に対する自らの考えを述べていたと思っているのです?
そもそも評論や議論というものには、程度の差こそあれ、自らの主義主張や個人的価値観などを他人に押しつける行為という一面を持っています。評論は自らの思想や発想の正当性を一方的に主張して他人に自分の考え方を押しつけ、議論は互いの主義主張をぶつけ合い、妥協点を模索し合うなり、相手の主張を完全に粉砕するなりして進めていくものです。そのような環境下では、「他人の価値観の多様性を認めよう」といった考え方でさえも、論敵に対して自らの主張を押しつけるための意見としてしか存在し得ないのです。
皮肉にも、この一連の議論におけるヨウさんの主張自体がそれを証明しているのではないですか? 何しろ私の歴史観について反論し、「田中芳樹を間違っていると断言することはできない、彼の主張もひとつの考え方として認めるべきだ」という考え方を私に「押しつけ」ようとしていたのですから。それは私にとっては自らの主張を放棄することに繋がるからこそ、私はそれに対して自らの主張の正当性を訴えていたわけです。
評論や議論といったものがそういった側面を持っている以上、私は評論や議論の場で個人の歴史観や価値観に対して「間違っている」と言及すること自体はかまわないことだと考えています。ただし、当然それは内容が重要視されることになりますし、それを聞いた人がさらに私に対して「あなたの考え方は間違っている」と述べることもまた自由でしょう。そして、どちらの主張に理があるかを判定するのは、それを閲覧する人達自身の問題であり、私の関知するところではありません。
評論や議論の場で「価値観の多様性」をもって相手の反論を封じ込めるのもまた「主義主張の押しつけ」であり、ひとつの価値観の否定でしかありえない。これが私の解答です。
では、復帰後の投稿をお待ちしております。
- 親記事No.1154スレッドの返信投稿
- board4 - No.1173
Re:わかる人はいるのだろうか。
- 投稿者:スタードくん
- 2001年11月23日(金) 06時30分
> > ・・・長いし、元ネタはアワーズ連載の「ヘルシング」です。
> 確かそれは少佐の台詞でしたね。餓狼伝やバキ、どこにありますか。
>
ザ・ベストの「新Q太郎さんのパロディ小説集」にありますよ。
- 親記事No.1116スレッドの返信投稿
- board4 - No.1174
いつでもお待ちしております
- 投稿者:Merkatz
- 2001年11月23日(金) 17時51分
> ちなみに自分はつくる会が「面白おかしくする事」を本当に目的としているとは思っていません。しかし、そう思われても仕方の無いような活動をしていると思っています。これが伝わりにくいのかもしれません。
>
具体的につくる会のどのような活動が、
あなたの言う「そう思われても仕方の無いような活動」に
相当するのでしょうか?
私の思いつくかぎり、その様な活動は皆無であったと思うのですが。
よもや本の帯程度で「活動」と申しているのではありますまい。
当然、全国規模に展開した一連の運動の中で、
明確にそう志向しているものがあったから、
そのように指摘しているのでしょう?
> 正直、この話題に深く踏み込むのは避けたいのでそちらの掲示板へはご遠慮させてください。もうここではその話に触れるなと言われるのでしたらやめますので。
そうおっしゃらずに是非ともよろしくお願いします。
もしそれが真実ならば、つくる会にとって今回の惨敗を分析する貴重なデータとなります。
このままでは根拠も無く言いっ放しの無責任言論だと他の方に思われても仕方のない状態ではありますまいか。
タナウツでつくる会の話題を出すなとは言いません。
冒険風ライダーさんとの議論において、
触れないわけにはいかないでしょうから、
その範囲においては構わないと思いますが、
より突っ込んだ議論をしよう・したいとなれば、
タナウツの趣旨から外れますので当該掲示板をご紹介したのです。
しばらく書き込めないとのことですが、
つくる会関連は私にとって非常に重要な意味を持っていますので、
より深めていきたいのです。
是非ともよろしくお願いします。
- 親記事No.1116スレッドの返信投稿
- board4 - No.1175
Re:Re1156/1168:まとめ直しレス
- 投稿者:Merkatz
- 2001年11月23日(金) 18時15分
> >「現代日本の富」の解釈
>
> そんなわけで、この問題に関しては、お互いに解釈の根拠を理解し合えたということで「見解の相違」として終わらせても良いのではないでしょうか。私とヨウさん、どちらの解釈に賛同するかは、一連の議論を読む人それぞれでしょうし。
>
では、読む人それぞれの意見のうちのひとつをば。
私は「現代日本の富」を冒険風ライダーさんと同じように解釈しました。
歴史上の例として田中芳樹はメディチ家や足利義満を挙げていますが、
これは個人ですね。
ならば対比としては現代日本の個人を挙げるべきところを「現代日本」という集合体としての日本にしてしまっています。
ということは、田中芳樹の批判する「現代日本の富」は、
メディチ家や足利義満のような特定個人資産家ではない。
もし、田中芳樹の意図が庶民から搾取する資本家に対するものであったなら、
ここは「一部の現代日本の富」「現代日本の富豪の富」等という表記にしなければならなかったはずです。
「現代日本」とすればそれは必然的に「現代日本人全て」を括ってしまい、
富豪や政府といった一部に偏在する富を批判する言葉として意味を失ってしまいます。
ましてや現代日本は一億総中流化といわれる富の平均化があり、
富豪が欧米のそれに比してあまりに卑小なことはよく知られていることです。
世界のGNPの一割を生み出す世界第二位の経済力が、
一部富豪のみで生み出されているものではないことくらい、
田中芳樹は知っているはずです。
だからこそ、そういう上から下まで金満国家・日本のロクでもない行動を、
創竜伝の各処で批判しているわけでしょう。
(外国旅行に行ってマナーを守らない日本人の若者を批判するところとかありましたね)
仮にここだけ資本家の富を批判し庶民を免責するものであったなら、
過去に庶民の富を批判した部分とどう整合性をつけるのでしょう?
たしかありましたよね。
小金を持った日本人が農協ツアーみたいな旅行で世界中に出かけては顰蹙を買っていると批判した文が。
やはりここは、現代日本人全てに対する批判の言葉だと思った次第です。
- 親記事No.1165スレッドの返信投稿
- board4 - No.1176
Re:アニメ版『銀英伝』について
- 投稿者:Merkatz
- 2001年11月23日(金) 18時36分
玉虎さん、はじめまして。
>ところがアニメ版ではこれが微妙に異なっているのです。
(中略)
>後の「もっとも多く、あの男の進言にしたがってきたような気がする」
>という述懐の重みが失われてしまいますので、脚本家の意図を疑いますね。
う、するどいですね。
私もそこは違和感をずっと抱いていました。
最終的な決を下さなかったので、ラインハルトに責任があると言えばそうも取れますが、
やはりあれではラインハルトの苦悩が大きく削がれてしまいます。
なぜあのような演出に変えたのか、今もって不可解です。
>なおこの後、アンスバッハによるラインハルト暗殺未遂の場面にも
>微妙な改変があります。
(中略)
>ごく短い描写ですので気づいてない方もわりといるのではないでしょうか。
>直後にあのシーンが続いてますし…
私的には前者よりこちらの方こそより重大な破綻(もはや改変という言葉では済ませられない)と思います。
なぜならこのシーンはミッターマイヤーやロイエンタールといった陸戦の勇者ですら一歩も動けず、
ただキルヒアイスのみが動きえたことに重大な意味があるのです。
ヴェスターラントの件で不仲になったにも関わらず、
キルヒアイスはラインハルトを守った。
何の躊躇も無く行動した。
一人として動くことのできなかった中で、
ただキルヒアイスだけが動きえた。
それはラインハルトとキルヒアイスの計り知れない絆を、
この両者が真に一心同体の存在であることを印象付けるのです。
だからこそキルヒアイスの喪失がより大きなものとして読者に感動を与えるのですが、
アニメ版はなぜかオーベルシュタインを動かしてしまった。
おそらくオーベルシュタインが身を挺して守る覚悟を言いながらも、
それを見せる機会が意図的か偶然かわからないという原作に対して、
アニメ脚本家の解釈を示したのだろうと思いますが、
しかしその為により大きなものをぶち壊しにしてしまった。
アニメのシナリオは多くの場合、銀英伝ワールドをより一層深みのあるものにしているのですが、
玉虎さんご指摘の二点(特に後者)は、数少ない過ちの一つだと思います。
-
- board4 - No.1177
初めまして
- 投稿者:高木 稔
- 2001年11月23日(金) 19時33分
私は田中芳樹ファンです。
このサイトでやりだまに挙げられることの多い
創竜伝や薬師寺シリーズもかなり好きです。(笑)
ただ、田中芳樹が書いている事を全て真実とみなすのは
彼の作品によく登場する、大本営発表を
そのまま鵜呑みにするマスコミと同レベルだろうと思ってますんで
このサイトの活動はかなり意義があると考えますし
また、自分の狭い知識からくる事実の誤認やなんかもよく分かり
楽しませてもらってます。
田中芳樹に対して望むのは
「オレが楽しめる話を書いてくれ。」
「その遅筆ぶりはなんとかしてくれ。」
この2点だけなんですよね。実の所は。
面白ければそれでいいんですよ。要するに。
だから創竜伝が嫌いな日とってこんなに多いんだなぁと
逆に感心してしまいましたが
私にとっては面白いんで、あれもOKです。
ただ、ごく最近感じた不満を2点だけ付け足しときます。
バルト海の復讐はつまらなかった・・・。
未完結の多くのシリーズを差し置いてまで書いた作品がアレかい!
それと、イギリス病のすすめの文庫版のあとがきの
小泉総理を揶揄した部分について
写真集はまだしも息子が芸能人デビューした事を
どうこういう筋合いはね~だろ!!
-
- board4 - No.1178
驚きの10年5ヶ月・・・
- 投稿者:ロンドン
- 2001年11月24日(土) 06時42分
初めまして、「田中芳樹」で検索してみた所Top項目で、このHpが
ヒットしたので見させて頂きました。
私は田中芳樹の小説は銀英伝とアルスラーンにタイタニアしか
読んだことは無いのですが、結構好きな作家ですと言うかでした
に近いです。
なぜかと言うとあまりに続編が出るのが遅いからです。
一番待ち望んでいたのは「タイタニア」だったのですが、こちらの
時間表を見て驚きと思わず笑ってしまいました。
私が待ち望んでいた「タイタニア」が止まってから10年か・・・
こちらの中心になっている批判からは少し外れますが、あまりにも
ファンに対して不誠実過ぎますね、やはり「田中」は
壊れているんですかねぇ?
・・・・
- 親記事No.1165スレッドの返信投稿
- board4 - No.1179
Re:アニメ版『銀英伝』について
- 投稿者:lulu
- 2001年11月24日(土) 12時03分
> 私的には前者よりこちらの方こそより重大な破綻(もはや改変という言葉では済ませられない)と思います。
> なぜならこのシーンはミッターマイヤーやロイエンタールといった陸戦の勇者ですら一歩も動けず、
> ただキルヒアイスのみが動きえたことに重大な意味があるのです。
> ヴェスターラントの件で不仲になったにも関わらず、
> キルヒアイスはラインハルトを守った。
> 何の躊躇も無く行動した。
> 一人として動くことのできなかった中で、
> ただキルヒアイスだけが動きえた。
> それはラインハルトとキルヒアイスの計り知れない絆を、
> この両者が真に一心同体の存在であることを印象付けるのです。
> だからこそキルヒアイスの喪失がより大きなものとして読者に感動を与えるのですが、
> アニメ版はなぜかオーベルシュタインを動かしてしまった。
> おそらくオーベルシュタインが身を挺して守る覚悟を言いながらも、
> それを見せる機会が意図的か偶然かわからないという原作に対して、
> アニメ脚本家の解釈を示したのだろうと思いますが、
> しかしその為により大きなものをぶち壊しにしてしまった。
私はアニメのほうが好きになれましたですけどね。
キルヒアイスとオーベルシュタインはラインハルトにとって、
方向は正反対だが等距離にある人物と捉えているので。
この二人こそが他のミッターマイヤーなどと比べて、
特別な存在であり、その両者の対立に面白さを見つけています。
ラインハルトにとって、正の方向への導き手であるキルヒアイス、
逆にメフィストフェレスとしてのオーベルシュタイン、
この2者を等価値にしたこの演出は私は好きですね。
- 親記事No.1177スレッドの返信投稿
- board4 - No.1180
Re:初めまして
- 投稿者:本ページ管理人
- 2001年11月24日(土) 12時20分
こんにちは。
> それと、イギリス病のすすめの文庫版のあとがきの
> 小泉総理を揶揄した部分について
> 写真集はまだしも息子が芸能人デビューした事を
> どうこういう筋合いはね~だろ!!
前にもこの話題がありましたが、どうも小泉首相は田中芳樹が嫌いな政治家の現実集大成ではないか、という気がしますね。
このサイトでは「お前が戦争に行け論」の危険性は散々に解説・論破されていますが、そんな私でも「自衛隊に危険な無茶無体を要求するなら自分の息子は芸能界でなく自衛隊に入れるべきじゃねーの?」と思いましたからね(もちろん感情論ですけどね)。
- 親記事No.1143スレッドの返信投稿
- board4 - No.1181
Re:創竜伝への疑問
- 投稿者:和
- 2001年11月24日(土) 14時23分
> 駆け出しでございます。
>
> 最近、タナウツをの掲示板を拝読していますと、いろいろな疑問がわいてきます。
>
> 田中氏は日本が行ったアジア諸国への侵略について、「創竜伝」のなかにおいて舌鋒するどく糾弾していますが、なぜ、沖縄の問題や北海道の先住民族、または国内の同和問題については書かないんでしょうかね?
>
> 日本を「ダメ国家」と言うのならば、とくに同和問題を取り上げたほうが効果的かと思うのですが。でも、創竜伝のなかでは、一度も言及されたことがなかったような気がします。
>
> 被差別部落出身のキャラクターが出てきて、竜堂兄弟とともに、現代の日本をこきおろしたら、リアリティがあるし、かなり濃いと考えるのは、私だけでしょうか。
>
> 外伝でもいいですから、竜堂兄弟が同和地区に住み込み、そこの人々を救うなんて物語も読んでみたいです。
>
> 在日韓国・朝鮮人や身体障害者などについても同様ですけど、田中氏の目は国内
あんまし関係ないですが
「侵略の世界史」とか読んでると、アジア諸国の侵略について
腹が立ってきますよ。
筆者の意図とは無論逆の効果ですが
- 親記事No.1055スレッドの返信投稿
- board4 - No.1182
中継ぎ
- 投稿者:NNG
- 2001年11月24日(土) 15時02分
御久し振りのNNGです。
KLAN2ですが、後書きを読んだ所、
『水戸黄門で言うと「黄門様が旅立つ所と、目的地に着いてから」は田中先生が書く。あなたはその道中を書く』といった事が書いてありました。
多分最終巻になったらそこだけ田中芳樹センセーが絞めるのではないでしょうか?
創竜伝もこれと同じように、別の人が2巻から書いちゃえば良いのに……なんて思いました。
- 親記事No.1116スレッドの返信投稿
- board4 - No.1184
Re:では反論しますか。
- 投稿者:モトラ
- 2001年11月24日(土) 15時12分
> 始めまして。怒らせるつもりは無かったのですが、そういう考え方もある、ということで多めに見てくれると嬉しいのですが。
失礼ですが、本気で言っていらっしゃるのですか? あれだけ執拗に冒険風ライダーさんに食い下がる方の言葉とは思えません。ならば、冒険風ライダーさんがあなたの意見に対して「私のような考え方もある、ということで大目に見てくれると嬉しいのですが」と返答されたなら、あなたは素直に矛を収めるのでしょうか? ちなみに「地方の保守層に対する一面的な評価」については、テレビや新聞でうんざりするほど聞かされ&読まされておりますので、今更大目に見るも見ないもありません。私のような考え方もある、ということで大目に見てくださると嬉しいです。
それから、先のレスでも引用させていただいた部分ですが
> 本気で国民が理性的な判断をしたため、なんて思いますか?そう思うから言ってるんでしょうが。本当に日本国民の意思が自民党と同じにところにあるのならとっくに自衛隊は無くなってますね。
このように考えていらっしゃる根拠を教えていただけないでしょうか。
朝鮮半島&中国・台湾情勢の現状を見るにつけ、「自衛隊を廃止すべし」という日本国民の意思が過半数を上回る状況にあるとは、私には思えませんので…よろしくお願いします。
以下、本題と外れたハナシ。グチとも言う(^^;
進歩的マスコミの地方保守支持層批判パターンには「橋を作ってくれたり、鉄道を引いてくれたセンセイに投票する」「農村部の住人は税制等で手厚く保護されていて、都会に較べて不公平だ」なんてのもありますね。あらゆるインフラが整備された都会と、鉄道も通っていない地方における、一本の橋や鉄道路線の重みの差というのを、マスコミは考えたことがあるのかな。オタク的には、ガンガン放映されるマニア向けテレビアニメ、都市部のみロードショーされる映画…(ぉ
- 親記事No.1178スレッドの返信投稿
- board4 - No.1186
壊れてるでしょう
- 投稿者:GGE
- 2001年11月24日(土) 17時02分
> 壊れているんですかねぇ
変に金が有るせいで能無しドモを雇い入れ。興味のあることには気のすむまで資料をあさり。かつて自分が手がけて中途の仕事をアニメ化を急ぐため(金も入ってくるし)に能無しに任せる。納税の必要が出たらかつての作品を何度も発売させて誤魔化す。
そんなヤツのどこが壊れてないのだろうか。
問題はそれを許す出版社にも有るとは見るが。
いるらしいからなぁ…マンガ家なり作家なりを掌で転がすような錯覚に陥る輩が。
-
- board4 - No.1187
同盟の双璧
- 投稿者:文多
- 2001年11月28日(水) 07時47分
はじめて書き込みさせていただきます、今まで時々ロムらせていただいておりました文多と申します。
最近銀英がデュアル文庫で発刊されてからのにわか銀英ファンです。
皆さんハイレベルな議論の応酬で、楽しく拝見させていただいておりましたが、こうして今自ら書き込むにあたってかなり緊張しております。
ザ・ベストは結構読んだつもりなのですが、まだ把握しきれていないところがたくさんあります。過去ログにいたってはいまださっぱり・・・(一番興味深く読ませていただいたのは『田中芳樹の女性描写』でした)。それでも反銀英伝ネタはかなりの部分面白く拝読させていただきました。
「戦史編纂科の存続」や「アンネローゼ妊娠」果ては「ヤン・ローエングラム(仮)」など面白い「IF」がたくさん提案され、議論されていましたが、「もしも双璧が同盟に亡命していたら」というのは今まで議論されたことがあるでしょうか?ミッターマイヤーがブラウンシュヴァイク公の親戚(コルプトだっけ)を銃殺して独房の中で肥満を気にしている最中ロイエンタールが奔走していましたが、確か彼は最悪の場合の選択肢として「二人で同盟に亡命する」という考えをもっていたはずです。もしこれが実現していたら、有能な指揮官クラスの人材の帝國と同盟の間の不均衡が是正できるんじゃ、と思うんですが・・・。
でも、二人の利害関係一致しちゃってるからあの晩の会話はどうしたってああいう流れになりますよね。
そこでドロ改さんの名言「バタフライ効果は最小の干渉で最大の効果を・・・」に習って「銀河帝國歴486年5月2日、ラインハルト・フォン・ミューゼル大将は留守だった」というのはどうでしょうか。(笑)
(いや、また次の日来ればいい、とかいうのは無しで・・・。)原作を見る限り、どうもアポ無し訪問のようなので。
これに類似するスレッドが既出の場合、どなたか教えていただけるとありがたいです。
初めての書き込みにより緊張しております。不適切な表現等ありましたら御容赦ください。
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「教科書が教えない小林よしのり」(発行・ロフトブックス、販売・星雲社1997年)について
- 投稿者:教科書が教えない小林よしのり
- 2001年11月28日(水) 13時06分
突然ですが、初めてカキコさせていただきます。このサイトでは、しばしば小林よしのり(敢えて敬称はつけない)が賛美されています。「真実を追究する作家だ」「筋が通っている」「小林の主張にも一理ある」「田中芳樹よりは、ずっとましだ」と本気で信じている方も多いようですが、それは重大な誤解です。
「教科書が教えない小林よしのり」は主にロフトプラスワンで行われた宅八郎・鶴師一彦・松沢呉一・西岡昌紀・鈴木邦男氏らの小林批判のトークを収録しています。その中の一人、宅八郎氏は1995年当時、週刊誌「SPA!」(扶桑社)に小林と同時に連載をもっており、そこでの衝突をきっかけとして、月刊誌「噂の真相」や「宝島30」などの雑誌を巻き込んで宅八郎氏と小林の全面戦争が行われた。……という通説は、実は正確ではありません。
本書によると、宅vs小林は、論争というよりも小林の被害妄想による一方的な誹謗中傷だった。小林は雑誌上で宅氏を中傷する一方、宅からの反論を黙殺ないしは事実を捏造して自己正当化を図り続ける。さらに小林は単行本の版権を人質に発行元の扶桑社に圧力をかけて(!)「SPA!」から宅氏を追い出し、ついで当時「SPA!」編集長だった鶴師一彦氏を解任に追い込むことに成功している。
詳しい事実経過は、本書に収録された、時事系列で検証されているトーク部分を御覧ください。多くの証言や証拠は迫力・説得力ともに充分過ぎるほど充分です。いずれにせよ、本書で白日の下に晒された小林よしのりの実像とは、「(新)ゴーマニズム宣言」でみせるような勇ましい姿とは似ても似つかぬ、自己正当化のためには手段を選ばぬ、平気で事実を歪曲・捏造する、史上最低最悪の言論人です。
本書はいわゆる歴史教科書問題に関わってからの小林の相も変らぬインチキぶりを一切取り上げていませんが、それらを敢えて取り上げる必要がないほど十分に小林の正体を暴露しています。「私」よりも「公」を大切にすべきだ、と恥ずかしげもなく大声でがなりたてる小林が、実は自分の発言に全く責任のとれない姑息な人間であることが、明らかにされています。「小林の発言にも一理ある」などと頷いている方に強くお薦めします。