- 親記事No.1025スレッドの返信投稿
- board4 - No.1076
Re:ヤンを弁護…できるかな?
- 投稿者:lulu
- 2001年10月27日(土) 21時05分
> 不勉強な物でパウルス将軍というのがどんな人なのか知りませんが、ヤンが指揮官向きでないというのは同感です。私も、以前からヤンは参謀になってこそその能力を十全に発揮できた人物だと思います。まあ、そんな彼にあれだけのカリスマ性が備わっていたことが、そもそもの不幸の始まりなのかも。
パウルス元帥は42年の夏期攻勢が始まるまで、ずっと参謀勤務だった
ので、実戦経験はほぼ皆無という生粋の事務屋でした。参謀としては
バルバロッサ作戦の立案などを行い、有能な人物であったと
いわれています。しかし、実戦指揮官としての能力は未知数でした。
彼は42年の冬のソ連軍の攻勢によって、ドイツ第六軍を率いて
スターリングラードでソ連軍に包囲され最終的に
10万の死傷者を出して降服しました。彼が大兵力をスターリングラード
に張りつけさせたため、その他のドイツ軍は態勢を立て直せたという
一面もあるのですが…
スターリングラード攻防戦で検索すれば色々出てくるでしょう。
> まったく、シトレ元帥が何を考えてあんな計画を立てたのか、私にはどうしてもわかりません。ヤンが失敗するか、あわよくば死んで欲しいと思っていた様にしか見えないじゃ無いですか。シトレ元帥って、そんなにヤンのことを嫌ってましたっけ?
> まあ、ヤンがこの命令を拒否しなかったのは、イゼルローンを落とせる目算があったからなんでしょうがね。後から考えると、この時ヤンが命令を拒否していれば、彼もあんな死に方をしないですんだんですよねえ…。
君ならできる、といった殺し文句で引き受けさせたことに
なっていますが、そんな単純に半個艦隊もの戦力を動かせるなら
同盟の軍の腐敗はかなりひどいものだったでのしょうね。
> おそらく、実際にヤンが立てた奇功は、エル=ファシル脱出行とアスターテでの全滅回避、それとイゼルローン攻略ぐらいなものでしょう。ただ、同盟にそういった「宣伝になるような奇功」を立てた人物が他にいなかったから、ああいう印象を持たれてるんだと思います。
> おや、こうして列挙してみると、ヤンの奇功って指揮官として上げたものばっかりですねえ。ま、実際にはどれも、指揮能力ではなく作戦能力で勝ったものばっかりなんですが。お偉方がヤンの適正を見誤ったのも、無理はないのかな?
戦闘に参加すれば二回に一回は奇功を立てたという文が
作品中にあったはずです。それにエルファシル後、少佐に特進した後の
准将までの功績がはっきりしていません。
螺旋回廊では辺境に一時左遷されていた様ですが。
後、条件に一つ付け加えておきます。
4:ヤンの上司が作戦立案に関してヤンの意見を求めない
もしくは無視する。
これもまたありえない話しですよ。
もしかして同盟軍は上からしたまでパエッタのような人物なの
でしょうか。そういえばエルファシルにおけるヤンの敗戦責任
は無視された様ですがどの程度あったのでしょうか。
> まあ、こればっかりは何とも言えませんね。戦場での生き死には、運不運がかなり絡んできますし…。
ですからいつもヤンがいいかげんな気持ちで前線にいることが
できるというのが理解できないのです。普通、生き残るために
必死になりませんかね?
- 親記事No.1025スレッドの返信投稿
- board4 - No.1078
レベロ以外誰だって投げ出します
- 投稿者:lulu
- 2001年10月27日(土) 21時34分
。> もう、そんなことはさっさと放棄して、その分の資金・資源・人員
> を国力回復に使った方が現実的か。ビュコックとヤンの支持を得る
> 方法は他にもあるでしょうし。
現実問題そうするしかなさそうですね。
> 安全保証税…すっかり忘れておりました。うーん。
> ただ、フェザーンとの債務って、帝国に引き継がれるものなんで
> しょうか?そこがちょっと分からないですが。
> しょうがない…債務放棄と税の軽減を要請するか(笑)
安全保障税も莫大な軍事費用を同盟が払う必要がなくなったこと
から、オーベルシュタインが彼らを第二のフェザーン足らしめる
必要は無いとして設けたものです。
債権の行方は、もともと名目上フェザーンは帝国の自治領ですし、
フェザーンの統治を帝国が吸収したのですから債権も
受け継がれるのではないでしょうか。
国際法の中に「国家財産等継承条約」というものがあります。
それによると、国家の結合の場合、原則として新国家に両国の
国家財産、国家債務、公文書は移転することになっています。
> ラインハルトがそこまでエグイ戦略を意図的に取ってるなら、
> なにを要請しても無駄ですね…
安全保障税から見る様に帝国が同盟からの要求を素直に飲むとは
思えません。むしろそのことを「同盟は統治能力を失っている」
とでも抜けぬけと言い放って再侵攻する可能性が高いですね。
同盟側から見れば「誰のせいだ」と喚きたくなるでしょうが。
> やっぱり、ホワンでも同盟を救うのはムリか。レベロと違って暴走
> はしなかったろうから、せいぜい送らせるくらいが限界でしょうか。
> アムリッツアですでに亡国が決まっていたものを今更立てなおそう
> なんて、不可能事ですねぇ。
>
> それに、同盟消滅を計画してる三者の陰謀もありますし。彼らが
> 帝国が再出兵するに足りる理由を引き起こしそうです。
帝国がやる気十分の上、陰謀家達の中で味方になってくれそうな
人物がいません。ロックウッドらのクーデター計画もありますし
これはあきらめるより他はないでしょうね。
- 親記事No.1025スレッドの返信投稿
- board4 - No.1079
Re:ヤンを弁護…できるかな?
- 投稿者:S.K
- 2001年10月28日(日) 01時00分
横レス失礼いたします。
クロイツェルさんに続いて私も若干のヤン擁護を。
>
> それなら何で辞めなかったんでしょう?
> イゼルローンを半個艦隊で落すなんで普通は不可能事ですから、
> それを拒否して閑職に廻っても良かったはずです。
> 飯を食うためとユリアンを養育するために軍にいる必要はあった
> でしょうから、こうするのが最も現実的でしょう。
>
この時もその後もヤンは執拗に辞表を出し続け、却下され続けています。
流石に戦況不利な局面でエル・ファシル、アスターテの英雄に辞職許可は純軍事的にも対外宣伝的にも愚行でしょう。
あと、ヤンは「イゼルローンが同盟に確保されれば、帝国は侵攻が困難になり同盟は元々過去のイゼルローン攻略や先のアスターテ会戦で帝国に逆侵攻する国力はない筈=数年間~数十年間は戦闘行為のない時代になる確率が高い」との計算でイゼルローンを攻略したのです。
ちなみにこの直後にもまた辞表を出しましたが自分とシトレ元帥の想像外の政治的出兵=アムリッツァ会戦でやはりこれも却下されています。
この時点でヤンはユリアンに「やめたってお前と私が食べていくのに困らない位の年金は貰えるさ」と言っておりますので、彼個人に限っていえば軍に留まり続ける必要はなかったし『モノグサオヤジ』としての資質においてアムリッツァ出兵を決定した「政治屋」を「迷惑をかけられた」として嫌うのも判らない話ではないのではなかろうかと思います。
強いて言うなら「不本意は不本意で割り切って、立場に見合った自覚を持つべき、最低限持とうと努力すべきだった」という所でしょうが、
それは強要すると言えば流石に大抵は厚顔な行為ではありますまいか。
- 親記事No.1025スレッドの返信投稿
- board4 - No.1080
Re:反銀英伝より:トリューニヒト物語
- 投稿者:涼
- 2001年10月28日(日) 01時28分
> 公益をもたらす為には超法規的な手段をとらざるを得ない状況
> と言うのは誰も否定しないと思うのですが。
ヴェスターランドでのラインハルトなんかは、その典型ですか。
しかし、
> > 私益も満たすけど、公益もちゃんと満たす人
の方はなかなか評価されないですね。いわゆる一般市民は自らの
私益を満たそうと行動してるのに、政治家などには「私益を
満たさない事」を求めるなんて、非論理的で非人間的な要求だと
思うのですが。
トリューニヒトの評価が低いのも、そのせいかもしれません。
純粋に能力と業績だけを見れば、彼が銀英伝一有能な政治家で、
ヤンなんかよりずっと民主主義の維持に有効な策を持っていた
のは明らかですし。
> 私がテレビでこのシーンを見れば嫌悪感を持つのは
> トリューニヒトではなくジェシカの方ですね。
> 自分一人で肉親を失ったかわいそうな女と言うヒロイズムに
> 酔いしれているとしか思えません。
> 他の死んだ兵士の肉親にとってその死んだ肉親の死は
> 無駄死にであると言っているのに等しいですしね。
アスターテ会戦での死者の慰霊会の席上であんなことをして
ぶち壊すなんて、他人の気持ちなど考えもしない自己中心的な
人物と非難されてもおかしくないくらいです。
で、常に敵との交戦をせざるをえない同盟で非現実的な「反戦」
を煽って、挙句の果てに何をするか分からないクーデター軍
相手に挑発的な市民集会を企画して2万人もの死者を出す。
仮にトリューニヒトが単なる煽動政治家だとしても、現実を
見据えている分、まだましと言えるでしょう。
> 軍の作戦行動に口出しできるほどの強力な発言権を
> トリューニヒトが持っていたのならば、最後のアムリッツア
> における決戦の回避くらいはできたかもしれません。
> 幾らなんでも、政治家が一々、軍の作戦行動に口出しできるとは
> 思えないのですが。政治将校のような存在もなかったようですし。
> トリューニヒトもジレンマだったでしょう。
彼が軍産界をバックボーンにしていたのは記述があるんですが、
軍部を完全にトリューニヒト閥で固めたのはクーデター後です
から、この時点では軍の作戦行動に一々口を出せるほどのパイプ
は持っていなかったのかもしれません。
しかもあれはヒステリー症のフォークが自分の功績にしようと
ロポス元帥に持ちこんだ作戦で、そのフォークは成功のみを盲信
していて、ロポス元帥は暢気に寝てるような状況ですから、中止
させたくても出来ないですね。
トリューニヒトがいくら軍事的才能があって大敗を予測したと
しても、これじゃどうしようもなかったかも。
トリューニヒトが軍部の完全支配を目指したのも分かりますよ。
こんな軍隊じゃ、いつ自分の計画の邪魔をしてくれるかわかった
ものではありません。
> 今後の政界内部での発言力を考えても、幾らなんでも、
> ここで即時撤退賛成、とは言えないでしょうし。
焦土作戦に遭って必要物資が指数関数的に増大した時点で評議会
では失敗を認めていたんですが、これだけじゃまだトリューニヒト
の先見の明を際立たせるには十分とは言えなかったのかもしれません。
とりあえず、この時点で撤退に賛成しても政治的発言力にダメージ
は無かったと思いますが、やっぱりある程度の人的ダメージは
受けてくれないと、
> 何処かで同盟軍が目に見える形で負けてくれないと、追い落とし
> を図れないと言う事情もあったのではないでしょうか。
この目的には不都合だったんでしょう。
> 私もそう思います。教団成立初期に、動脈硬化を防ぐために
> フェザーンを成立させることが考えられたのかもしれません。
なるほど! フェザーンは、「資金源」「地球教ネットワークの
基幹組織」「人的資源を供給するバックボーン」「頭脳の巨大な
プール」と、一粒で2度どころかもっとおいしいものだったのか。
スマートですね。
> 後から考えれば無理としか思えないフェザーンの成立の成功といい、
> 両国政府への浸透といい、レオポルド・ラープを始めとする、
> 多分、地球連邦の指導者の生き残りの遺志を継いでいたであろう
> 教団初期の指導者達は最高の能力を持っていたと思いますね。
> アシモフの第2ファウンデーションを思い起こさせます。
「第2ファウンデーション」は読んだ事無いです^-^;;
しかし、教団初期指導者たちの爪の垢でも煎じて飲ませたいほど、
教団末期の構成員の能力が低いですね…フェザーンの「人的資源
バックボーン」と「頭脳プール」としての機能を使えないくらい
教団の動脈硬化が進んでるとみるべきなんでしょうか。
ドグマティックな教団信者には、フェザーンの力を理解する精神
構造が欠片ほども無くなったのかも。
> トリューニヒトならばやりそうですね。
> ただし、そのような命令を受けたレベロがオリベイラに相談しに行き、
> その場でヤン抹殺のアイディアを受け取っています。
> ちょっとトリューニヒトの介入する時間がないと思われます。
> その帝国からの命令にせよ、オーベルシュタインから
> レンネンカンプヘの非公式のものであり、トリューニヒトが
> 知る可能性はちょっとないですね。
> レベロとの会談の中でオリベイラがちょっと座をはずして、
> トリューニヒトへの指示を受けに行ったとは考えられますが。
> レベロに不信感を持たれない時間の中でこれだけの考えを
> まとめたとしたら、まさに政略家として最高の頭脳を持っている
> 人間としか言い様がありませんね。
あら…レベロのほうが出向いたのか。どうも記憶があいまいに
なっていたようで、オリベイラが出向いたのかと思ってました。
うーん、トリューニヒトの(秘密の)見せ場が無くなる(笑)
とりあえず考えられる事は、
・ちょっと中座してトリューニヒトに指示を仰いだ
のが現実的でしょうか。彼は、それ以前からレベロにヤンを謀殺
させるつもりだったのかもしれません。帝国が関わってなくても、
そんなことをすれば、たとえ殺せなくてもレベロの暴走に同盟軍
も黙ってないでしょう。これでクーデター発動させれば完璧です。
で、それをきっかけにして帝国が再侵攻、と。
これに上手く帝国が乗っかってきたってことですから。
他は、情報の重要性を理解してるトリューニヒトのことですから、
レンネンカンプのオフィスに盗聴を仕掛けていたり、スパイを
入れていたのかもしれません。もっと究極的に、恒星間通信の中継
基地を盗聴とか。さすがにここらへんはきつそうですが。
> 1:ヤンが帝国の攻撃に耐えつづける。
> 2:帝国が無意味な出兵を繰り返す。
> という条件が揃わなくてはなりません。
> 1はヤンが死んだら元のプランに戻るだけであまり変わりは
> 無いでしょうが、2はちょっと問題です。
2が問題だとはオレには思えないんですよ。
たしかにローエングラム王朝は武断政治のようなものですが、
それの最悪な形(イゼルローンへの無意味な侵攻)を見せ付け
れば、その反動で文治国家への欲求も高まります。
で、
> 実際、皇帝はフェザーンへ帝都を遷し、イゼルローン無き帝国
> を作り上げようとしています。皇帝が出兵を続けるとは
> ちょっと考えられないですね。しかも軍の発言力は維持される。
> やはりトリさんにとって、最悪の組合せにしか思えませんが。
に関しては、ラインハルトが武を嗜むことはトリューニヒト
には分かっているでしょうから、フェザーンに遷都後も
(なおさら)無意味な出兵を続ける(結果、反発が強化)と
いう読みが出来ると思いますが。
軍部が強いとトリューニヒトがどれだけ困るのかを、もう
ちょっと教えて頂ければ嬉しいです。
> まったくです。しかし避けられないことでもあったでしょう。
> トリューニヒトの表舞台の復帰のためによいチャンスであったことも
> 確かなのですから。
>
> まさに作者の暴走に付き合っての無駄死にです。
ロイエンタールも一応「敵役」に入れますが、どうも田中氏は
敵役の使い方が下手ですね。歴史の重要な要素の宗教も単なる
三流のテロ組織扱いですし、内戦で記述出来たはずの貴族制の
功罪や、ルビンスキーとラインハルトの経済戦争で出来た富の
集中の功罪に関する考察など、貴重なネタを使わずに捨ててます。
どれだけキャラクタの基本能力が高くても、扱う人次第…
> 完全に同意します。今、日本の首相になったらどんな政治を
> してくれるでしょうか。楽しみなような怖いような…
クリーンなイメージを最大限に作り上げて支持率稼ぐでしょう。
小泉首相と似たような主張で国民の支持を得るかもしれません。
それだけで政治が出来るとは思わないでしょうから、実際の所は
いわゆるダーティーなパワーポリティックスを使うでしょうが、
業績をあげるのは間違いないかと。
しかし、どの分野を優先して業績あげようとするか…うーん。
> 作者もトリューニヒトがこのような評価を受けるとは
> 考えていなかったでしょうね。
創竜伝とか銀英伝に現われてる田中氏の考え方に従えば、評価は
最悪になりそうですからねぇ。
> アニメでは、その前にジェシカが議員として当選した選挙で、
> トリューニヒト派からの執拗な妨害と弾圧を受けています。
なるほど。トリューニヒトにして見れば、邪魔な政敵になりうる
のですから当然ではありますね。
- 親記事No.1025スレッドの返信投稿
- board4 - No.1081
Re:ヤンを弁護……してみますか
- 投稿者:S.K
- 2001年10月28日(日) 01時41分
こちらの方でも少々ヤンの弁護を
>
> 君ならできる、といった殺し文句で引き受けさせたことに
> なっていますが、そんな単純に半個艦隊もの戦力を動かせるなら
> 同盟の軍の腐敗はかなりひどいものだったでのしょうね。
>
シトレ元帥の懸念は「軍部の腐敗」ではなく、「対帝国戦の現況と同盟の国情を弁えずに権力抗争にうつつを抜かす腐敗政治家の『文民統治』を盾にとった軍部への介入」でした。
ですのでエル・ファシル、イゼルローン攻略戦、アスターテと黒星続きな軍部の発言力を失地回復させるために、アスターテ敗戦直後に辛うじて運用する余裕のある余剰戦力=第二・四・六艦隊の残存戦力半個艦隊を“奇跡のヤン”の指揮の元イゼルローンに投入しこれを陥落させるという投機行為に走ったのです。
非道い話ではありますが、「腐敗」と言うよりは「切羽詰った」と評する方がこの際妥当でしょう。
>
>
> 戦闘に参加すれば二回に一回は奇功を立てたという文が
> 作品中にあったはずです。それにエルファシル後、少佐に特進した後の
> 准将までの功績がはっきりしていません。
> 螺旋回廊では辺境に一時左遷されていた様ですが。
> 後、条件に一つ付け加えておきます。
>
> 4:ヤンの上司が作戦立案に関してヤンの意見を求めない
> もしくは無視する。
>
> これもまたありえない話しですよ。
> もしかして同盟軍は上からしたまでパエッタのような人物なの
> でしょうか。
>
ありえないという程突飛な話ではないです。
ヤンは戦史と戦術シミュレーション以外では士官学校の落ちこぼれに近い人物でしたので、悪い意味の「お役所体質」になりつつあった同盟軍では「所詮はエル・ファシルでまぐれ当りを取っただけの三流の人材」とアスターテ以前は一部慧眼の士を除いた過半数から思われていた筈です。
> そういえばエルファシルにおけるヤンの敗戦責任
> は無視された様ですがどの程度あったのでしょうか。
>
全くありません。
ヤンは当時何の権限もない一中尉にすぎませんし、だから「見捨てるつもりの避難民の引率」なぞを司令官たるリンチ少将に押し付けられる羽目になったのです。
加えていいますと「状況を最大限に活用して任務を達成した」のですから、ヤン中尉の権限範囲では「リンチ艦隊の捕縛を警告もせず自分たちだけ逃亡した」と非難するのは極めて不当でしょう。
そういう事を言うとアムリッツァ会戦時「ヤン艦隊はただ逃走しているだけだ」と強硬に主張せずヤン艦隊壊走の好機を看過したとして帝国軍のリュッケ中尉(ケンプ艦隊幕僚→ラインハルト付次席参謀に後転属)当りは、その後の帝国がヤンから蒙る損害を考えると銃殺刑にでもされそうな物ですが、これもあまりな話ですよね。
>
> ですからいつもヤンがいいかげんな気持ちで前線にいることが
> できるというのが理解できないのです。普通、生き残るために
> 必死になりませんかね?
「ああいう個性」で納得して良くはありませんか?
ああ見えてヤンなりに「必死で真面目」なのだろうと思いますよ、あくまでヤンなりに。
それでは横レス失礼いたしました。
- 親記事No.1025スレッドの返信投稿
- board4 - No.1082
Re:ヤンを弁護……してみますか
- 投稿者:lulu
- 2001年10月28日(日) 08時15分
> シトレ元帥の懸念は「軍部の腐敗」ではなく、「対帝国戦の現況と同盟の国情を弁えずに権力抗争にうつつを抜かす腐敗政治家の『文民統治』を盾にとった軍部への介入」でした。
> ですのでエル・ファシル、イゼルローン攻略戦、アスターテと黒星続きな軍部の発言力を失地回復させるために、アスターテ敗戦直後に辛うじて運用する余裕のある余剰戦力=第二・四・六艦隊の残存戦力半個艦隊を“奇跡のヤン”の指揮の元イゼルローンに投入しこれを陥落させるという投機行為に走ったのです。
> 非道い話ではありますが、「腐敗」と言うよりは「切羽詰った」と評する方がこの際妥当でしょう。
確か第四・六艦隊の残存勢力に新規の兵力を加えて半個艦隊だったような。
その後、帝国領侵攻作戦時に、第二艦隊の残存勢力を加えて
1個艦隊を整えたはずです。
それにエルファシル時ヤン24歳、第五次イゼルローン攻略戦時は
知りませんがアスターテ時には29歳で間に五年の開きがありますし
黒星続きというのはちょっと違うのでは。
だいたいヤンが中尉から准将に出世しているではありませんか。
アスターテで同盟軍が打撃をこうむったのは確かです。
ならば半個艦隊でイゼルローン攻略などという博打を打つよりも
確実に、大艦隊によってイゼルローン以外、例えば同盟領側の
帝国占領惑星の奪還などという作戦を立てるべきでは無いでしょうか。
普通失敗するであろう作戦を強行し、全滅したら軍部の失態は
ぬぐいがたいものとなります。同盟軍の運用ですが、その直後に
8個艦隊を動員していますので、問題はなかったのではないかと。
現実問題、このような作戦は、例えば昭和17年時点で日本海軍に
ハワイに空母一隻を基幹とする小艦隊を送りこんで占領しろと
言っているようなものです。幾ら無茶な旧軍令部であろうと
そんな作戦にOKが出るはずありません。半個艦隊と言いますが、
その中にも大勢の兵士が乗り組んでいるのです。
彼らの安全を放棄するがごとき作戦は軍の取るものではありません。
軍人は軍が最大限自分の安全に気を使ってくれているという
保障があって初めて、自らの命を賭けて戦えるものです。
だいたい乗組員がこの事を知ったなら叛乱でもおきかねないと
思うのですが、どうでしょうか。
> ありえないという程突飛な話ではないです。
> ヤンは戦史と戦術シミュレーション以外では士官学校の落ちこぼれに近い人物でしたので、悪い意味の「お役所体質」になりつつあった同盟軍では「所詮はエル・ファシルでまぐれ当りを取っただけの三流の人材」とアスターテ以前は一部慧眼の士を除いた過半数から思われていた筈です。
前提として、ヤンは目に見える勲功を立てたからこそ出世しているのです。
少佐から准将まで3階級、五年で出世するには早過ぎます。
だいたいあの世界、ハイネセンから戦場まで移動に1ヶ月かかってますよ。
作品中に二回に一回は奇功を立てたと書かれていますし、
ヤンの作戦立案などにおける才能は、一般に認められてしかるべきでしょう。
> 全くありません。
> ヤンは当時何の権限もない一中尉にすぎませんし、だから「見捨てるつもりの避難民の引率」なぞを司令官たるリンチ少将に押し付けられる羽目になったのです。
例えばオペレーターが居眠りをして敵の接近に気がつかず惨敗したら、
これはオペレーターは軍法会議ものでしょう。一中尉と言いますが
どんな兵士にも果たす役割があり、その役割の中で、最大限の
成果をあげるために努力することを求められます。
ヤンは当時リンチ少将の副官だったはずです。そしてエルファシル
近郊においての艦隊戦で惨敗を喫しました。
この敗北をもたらしたのはリンチ艦隊の状況判断の甘さです。
ヤンは副官として指揮官の喚起を呼び起こすべきだったのです。
「まだ終わったわけではありません、敵艦隊が再度攻撃してくる
可能性もあります。周囲の警戒を怠るべきではありません。」
副官としての職務を超えてはいますが、十分許容される範囲の
ことでしょう。ですので、責任があるかといわれれば、
無いといえるでしょうが、しかし、有能とはとても評価できないです。
だいたい副官なんて職務、ヤンには不適当ですぐに配置換えに
なりそうなものですけど。
> 加えていいますと「状況を最大限に活用
して任務を達成した」のですから、ヤン中尉の権限範囲では「リンチ艦隊の捕縛を警告もせず自分たちだけ逃亡した」と非難するのは極めて不当でしょう。
別にこのことに関してはヤンを非難するつもりはありません。
リンチのやったことのほうが非難されるべき問題です。
> そういう事を言うとアムリッツァ会戦時「ヤン艦隊はただ逃走しているだけだ」と強硬に主張せずヤン艦隊壊走の好機を看過したとして帝国軍のリュッケ中尉(ケンプ艦隊幕僚→ラインハルト付次席参謀に後転属)当りは、その後の帝国がヤンから蒙る損害を考えると銃殺刑にでもされそうな物ですが、これもあまりな話ですよね。
一応注意を喚起していますね。参謀ではなく副官と言う立場上、
強く出られませんので、この程度で十分です。彼の言うことを
真剣に受け取らなかった、その他の幕僚に責任があります。
> 「ああいう個性」で納得して良くはありませんか?
> ああ見えてヤンなりに「必死で真面目」なのだろうと思いますよ、あくまでヤンなりに。
軍隊とはそれで通るほど甘くは無いと思うのですが…
現代の軍隊において、職務に兵士の性格を加味するのは
当然のことです。ヤンの下で働いて巻き込まれた方はたまったもんじゃ
ありませんから。前線ではなく、後方で書類整理にでも回されそう
ですが、なぜか前線にとどまっていますね。
私はヤン個人への攻撃ではなく、そんなヤンが前線に出て出世できる
状況を主に攻撃しているつもりです。
責任ある立場につきながら責任を感じようとしないヤンへの
苛立ちもたしかにありますがね。
- 親記事No.1025スレッドの返信投稿
- board4 - No.1083
いかに帝国を乗っ取るか
- 投稿者:lulu
- 2001年10月28日(日) 09時33分
> ・ちょっと中座してトリューニヒトに指示を仰いだ
> のが現実的でしょうか。彼は、それ以前からレベロにヤンを謀殺
> させるつもりだったのかもしれません。帝国が関わってなくても、
> そんなことをすれば、たとえ殺せなくてもレベロの暴走に同盟軍
> も黙ってないでしょう。これでクーデター発動させれば完璧です。
> で、それをきっかけにして帝国が再侵攻、と。
> これに上手く帝国が乗っかってきたってことですから。
再戦を起こすシナリオはいくつか考えてはいたでしょうが、
そんな時に丁度向こうから鴨(再戦)がネギ(ヤン抹殺)しょって
やってきたということかもしれませんね。
> 他は、情報の重要性を理解してるトリューニヒトのことですから、
> レンネンカンプのオフィスに盗聴を仕掛けていたり、スパイを
> 入れていたのかもしれません。もっと究極的に、恒星間通信の中継
> 基地を盗聴とか。さすがにここらへんはきつそうですが。
さすがにこれはないでしょうね。一般通信なら内部の協力者に
通報してもらうこともできますが、一対一の通信ですから。
> ラインハルトが武を嗜むことはトリューニヒト
> には分かっているでしょうから、フェザーンに遷都後も
> (なおさら)無意味な出兵を続ける(結果、反発が強化)と
> いう読みが出来ると思いますが。
なるほど、皇帝としてしばらくは政務に勤しむでしょうが、
すぐに戦争をしたくなってイゼルローンへ出兵ということを
繰り返すであろうと言う読みですか。
これはかなり不確定要素が大きいですね。例えば皇帝に子供ができて
家庭的に変心しないとも限りません(爆)
それに無意味な出兵はなんとしても周りが止めようとするでしょう。
そう何度も繰り返すわけにはいかないと思いますが。
> 軍部が強いとトリューニヒトがどれだけ困るのかを、もう
> ちょっと教えて頂ければ嬉しいです。
初期のローエングラム朝銀河帝国は軍人の力が強い政権です。
しかし、工部尚書のシルヴァーベルヒなども言っていますが
敵対勢力が全くいなくなれば軍の発言権が大幅に縮小されます。
その結果戦争の英雄は過去の人となり、引退し予備役となるでしょう。
相対的に経済分野、内政分野で活躍できる人間の発言力が増大します。
特にトリューニヒトは、おそらく軍部からの支持を受けることが
できないため、帝国内で発言力を増すためにも軍の縮小を
画策するでしょう。旧同盟領の統治で功績を立てて、それをもって
中央に食い込むのが大まかなプランだったと思います。
基本的に皇帝の忠実な臣下を追い落して自分の部下を後釜に据える
ことを繰り返す時に、ケスラーなど多いに邪魔になるでしょう。
と、ここまで考えたのですが、例えばミッタ-マイヤーが
国務尚書などという役職につくし、ケスラーの地位も
そのままでしょう。戦争が終わって軍人が政治家になるのは
よくあることだし、かえってライバルが増えるだけかも。
と言うか、彼ら若すぎです!! 30そこそこで元帥って
今後どうするつもりじゃ~ 彼らが引退し無い限り出世できない、
適当な役職増設して対応するのか?それとも40前に引退か?
それより適度な軍事的緊張がある中で、縮小された軍部に
彼らを飼い殺しにするほうがましかもしれません。
どうも帝国はすでにあちこちから、無理やり成立したための
軋みが聞こえてきますね…大量の不満分子を抱え、制度も破綻寸前、
ボスは3人とも死んだとはいえ陰謀家たちの残した組織は健在です。
バラバラにはなっているでしょうが、再びまとめるような
野心家が現れないとも限りません。帝国の将来は暗い…
- 親記事No.1025スレッドの返信投稿
- board4 - No.1084
Re:ヤンを弁護…できるかな?
- 投稿者:涼
- 2001年10月28日(日) 09時34分
はじめまして、S.Kさん。よろしくお願いします。
> あと、ヤンは「イゼルローンが同盟に確保されれば、帝国は侵攻が困難になり同盟は元々過去のイゼルローン攻略や先のアスターテ会戦で帝国に逆侵攻する国力はない筈=数年間~数十年間は戦闘行為のない時代になる確率が高い」との計算でイゼルローンを攻略したのです。
「責任ある立場につきたくない」と、いわば責任を放棄したがって
いるのに、そういう国家の大方針に関わること自体が無責任では。
イゼルローン奪取の前には辞表は提出してなかったはずです。
しかも、シトレは13艦隊は「内定」で半個艦隊でイゼルローン奪取
計画が出来るかどうか聞いてます。ヤンが失敗すればシトレも失脚
するのはヤンにも分かっているのですから、luluさんがコメント
しているように、作戦案だけ教えて後はシトレにやらせれば良かった
はずです。そして、その代償に前線司令官ではなく後方の統合作戦
本部勤務にでも配置転換してもらえば良かったでしょう。
少なくとも、この時点まではヤンにはそれなりのフリーハンドが
あったのですから、「責任ある立場」につきたくないのにそうなる
可能性を避けず(というか、自ら積極的にその可能性を選択し)、
「なりたくなかった」なんて言ってるのは無責任だろうと思って
いるんですよ。
> 『モノグサオヤジ』としての資質においてアムリッツァ出兵を決定した「政治屋」を「迷惑をかけられた」として嫌うのも判らない話ではないのではなかろうかと思います。
アムリッツア出兵を決めた政治屋たちを嫌うのは別に問題ないでしょう。
派兵理由を知ればウンザリするのが極自然ですしね。
> 強いて言うなら「不本意は不本意で割り切って、立場に見合った自覚を持つべき、最低限持とうと努力すべきだった」という所でしょうが、
> それは強要すると言えば流石に大抵は厚顔な行為ではありますまいか。
イゼルローン奪取以後については、「ヤンの思考的矛盾」などで
示された事柄などが無責任さの証明かと。
救国軍事クーデターなどを予見しながらそれへの適切な対処を
しなかったことなど、これから起こる事を正確に予見しながら
犠牲を最小限にする努力をしなかったのは疫病神と言われても
仕方ない所ではないでしょうか。