- 親記事No.367スレッドの返信投稿
- board4 - No.433
余談
- 投稿者:小村損三郎
- 2001年07月14日(土) 14時48分
> > また、曹長・軍曹・伍長は(日本語では)陸軍に特有の階級呼称で、海軍では上等兵曹・一等兵曹・二等兵曹がこれに相当します。
> > 帝国軍や同盟軍(宇宙軍)は海軍を模したもの(提督という単語が出る)なのに、陸軍の階級呼称を用いるのは田中芳樹は海軍の階級呼称を知らんらしい。
>
> それは、銀英伝が、海軍である宇宙軍がほとんどをしめており、空軍
> という独立部署がなく(あえていうなら、惑星内の大気圏内戦闘部隊)、また、陸軍がシェーンコップのような陸戦隊のようなものしかないからでしょう。
> わざわざ、軍組織により異なる階級制度は煩雑過ぎるからではないでしょうか。もちろん証拠はないですがね。
私は陸軍の階級は『ドラえもん』の「階級ワッペン」で覚えました(笑)。
おかげで『ガンダム』の時も階級の順番がすぐ理解できてよかったのですが、海軍関係の本を読んだ時は海軍の階級がよくわからなくて困りました。
同様の人は多いと思われるのでなじみのある陸軍階級で統一したのでは!?
ちなみに『ガンダム』では
「レビル将軍」
と
「ティアンム提督」
が共に宇宙艦隊を指揮してます・・・。
- 親記事No.427スレッドの返信投稿
- board4 - No.434
Re:お初にお目にかかります。
- 投稿者:S.Inoue
- 2001年07月14日(土) 15時31分
> 『創竜伝は勧善懲悪モノの完全たるフィクション』
> が前提にあるようなのですが、
拙者は同僚に薦められて創竜伝の1巻と2巻を買いましたが、1巻を途中まで読んでやめました。
無敵の4兄弟がいて、連中の無敵の戦闘能力を欲しがる悪党達が連中を狙う。
連中は何をするかというと、ひたすら正当防衛をする。(少なくとも、1巻の途中まではそんな感じ)
小市民的すぎて面白くないぞ。仮面ライダーに燃えたおっさんたち(若者たちを鼓舞したのは河面ライダーじゃないかも知れない)を馬鹿にするな!
で、あれのどこが勧善懲悪なんでしょうか?
仮にあれが勧善懲悪なら遥かにましなはずです!
因みに拙者は2ちゃんねるの特撮板に常駐しています。
- 親記事No.427スレッドの返信投稿
- board4 - No.435
Re:お初にお目にかかります。
- 投稿者:ぬりかべ
- 2001年07月14日(土) 19時32分
> で、あれのどこが勧善懲悪なんでしょうか?
> 仮にあれが勧善懲悪なら遥かにましなはずです!
全くその通りです。私もあれが勧善懲悪モノだなんて思っていません。
『田中氏ファンの反論意見の大半は』なのです。
言い方を変えれば『創竜伝ファンのココのサイトに対する反論意見の大半は』という事です。
- 親記事No.396スレッドの返信投稿
- board4 - No.436
Re:まあ嫌いなら読まなきゃ良いのでは・・・
- 投稿者:くら
- 2001年07月15日(日) 05時07分
> 創竜伝で右翼は街宣活動やっても警察は黙ってる、左翼がやると警察が跳んでくるような事、書いてありましたが右翼は街宣活動やるとき(止まっているとき)ギリギリまで端に寄せ回りの車の行動を妨げない様にしています。(歩行者には迷惑ですが、音が)
> 左翼の街宣で車を寄せるところは見たこと有りません。
> また、私は右翼しか街宣中に警察から警告されたところは見たこと有りません。
> これは、彼の被害妄想とは思えませんか?
> 現代日本をモデルとしているとしか思えない作品で政治的な嘘をつくのを読まなきゃ言いで済ませるのは正しい態度とは思えません。
> でも、私は創竜伝は巻末座談の立ち読みしかしてません。
立正校正会の創立メンバーに自民党の有力者が名を連ね
統一教会と勝共連合を組んで
選挙の時は右翼の街宣車が野党の選挙活動の妨害をしていたのは
昔は当たり前に見た風景で(もちろん警察は出てきません)
田中芳樹氏の被害妄想というより
別に左翼びいきとかでなく、右翼が政府(というか自民党)
の実働部隊的なモノというのは
30代以上の世代にとっては常識的な認識かと思います
今の現実の勢力図とは多少変わってしまっているのかも
しれませんが、小説ですし「現在」の世相を写実描写する気は
作者はまったく考えてないと思いますが
- 親記事No.116スレッドの返信投稿
- board4 - No.437
いまさらこっそりと…
- 投稿者:くら
- 2001年07月15日(日) 10時49分
:白居易の詩をつい李白の詩だなんて書いてしまって…:
と、ちょっとした思い込みなどで書き間違えてることや
よく解らなくて間違えることがよくあるのは作者本人も語っていますし、この程度のことで中国を知らないというにはちょっと弱いと
私も思いました
こういった間違いは再版でしか直せないわけですし
再版があるからと言って彼が断らなきゃいけない理由は特にないし
困るのは一部のマニアだけだと思いますから
手を変え品を変え再版を繰り返すのは徳間書店だと思いますが
ここは経営がアレですので、これは作者の責任とは言えないでしょうし、再版するなら売れる品を作るのも、版が違うからコレクションするファンもそれぞれの判断ですよね
- 親記事No.388スレッドの返信投稿
- board4 - No.438
スタイルというか手法
- 投稿者:くら
- 2001年07月15日(日) 12時18分
見学者さんが言うのは表現内容について批判があるのは当然だが
手法の別によって内容を束縛すべきでないと言うことでしょう?
スタンダードスタイルには違いないけれど
多種多様なスタイルがあってよいはずで
回転するテーブルにのって無ければ中華料理でないとか
フランス料理のレシピに味噌を加えたから評価しないというような
判断は変だということでは?
また職業差別意識と言いますが、特定の職業だから(刑務所や公安)駄目と言う表現は、作中人物が立場によって発言する以外で目にした覚えがないのですが、私が読み飛ばしてるんでしょうか?
作者に貴種信仰があるとは思えないので、高貴ではあり得ないと言う表現が差別意識の表れとも受け取りがたいです
作品によって特定の職業が悪役になることもままあることですし
また、伝記スタイルで物語を書くのは作者の代表的な手法で
「作品世界の評論」部分が随所に出てくるのは、スタイル上当然、もちろん作者の持論によって構成されますけど、創竜伝では特に
現実世界とオーバーラップするのが、面白い人には面白い
つまらない人にはつまらない、と言うことなのでは?
私は社会評論と言うより、創竜伝はブラックジョークコメディだと思って読んでましたけど…
- 親記事No.388スレッドの返信投稿
- board4 - No.439
Re:この問題については
- 投稿者:くら
- 2001年07月15日(日) 12時37分
絵の具に砂糖を入れても甘い絵にはならないでしょうが
砂糖を混ぜてマチエールの変化を狙うことは不自然ではないです
火で炙ったりすると良い感じにこげるので、結構おもしろいです
- 親記事No.388スレッドの返信投稿
- board4 - No.440
Re:スタイルというか手法
- 投稿者:S.K
- 2001年07月15日(日) 14時03分
> また職業差別意識と言いますが、特定の職業だから(刑務所や公安)駄目と言う表現は、作中人物が立場によって発言する以外で目にした覚えがないのですが、私が読み飛ばしてるんでしょうか?
> 作者に貴種信仰があるとは思えないので、高貴ではあり得ないと言う表現が差別意識の表れとも受け取りがたいです
> 作品によって特定の職業が悪役になることもままあることですし
初めまして。
お話の件ですが、まず従事している個人の不心得やそのような理不尽な職業を必要とする社会への批判を抜きにしていきなり職業批判を始めるような人物は、小説の登場人物であれ“下司”“卑劣漢”と評されて当然です。
そこにその職業に意義と意味を見出し奉職する真摯さへの敬意は欠片も存在しないんですから。
ついでに「特定の職業に従事する悪人」は多くの作品に存在するでしょうが「特定の職業」を貶める作品はそこまで多くないですしそんなものは面白くても屑です。
万一「小説は面白ければいい」とあくまで主張される場合、貴方が「美食家」で「罪にならない状況」で「美味いという確証が存在する」場合ためらわずに“人肉料理”に舌鼓を打ってくださいね。
過去このサイトには職業的な誇りを傷つけられた良心的な政治家の真面目な秘書の方の紳士的な投稿もありましたのであまり迂闊な擁護は慎まれる事をお勧めします。
> 私は社会評論と言うより、創竜伝はブラックジョークコメディだと思って読んでましたけど…
>
「シャレになっている」か「あまり大声で言えない真理を突いている」のであればそれでよかったんですけどね。
いささか尖った内容になった事をお詫びしますが畢竟そういう事です。
- 親記事No.388スレッドの返信投稿
- board4 - No.442
Re:この問題については
- 投稿者:モトラ
- 2001年07月15日(日) 14時35分
> 絵の具に砂糖を入れても甘い絵にはならないでしょうが
> 砂糖を混ぜてマチエールの変化を狙うことは不自然ではないです
> 火で炙ったりすると良い感じにこげるので、結構おもしろいです
管理人さんの例えは、絵の具に砂糖を混ぜて甘い絵をこしらえようとするに類する愚かな行為をなす者を評したものであります。
- 親記事No.388スレッドの返信投稿
- board4 - No.443
Re:スタイルというか手法
- 投稿者:本ページ管理人
- 2001年07月15日(日) 15時22分
> 回転するテーブルにのって無ければ中華料理でないとか
> フランス料理のレシピに味噌を加えたから評価しないというような
> 判断は変だということでは?
料理の中にゴキブリが入っていたとして、
「これは料理の素材でアクセントなんだ!」
という主張が通るでしょうか?
せめてゴキブリを「料理」として出してもらいたいものです。
- 親記事No.7スレッドの返信投稿
- board4 - No.444
反銀英伝 大逆転! リップシュタット戦役(70
- 投稿者:不沈戦艦
- 2001年07月15日(日) 15時35分
「お前は、生まれてくるべきではなかったのだ」
ロイエンタールを苛む悪夢が、いつものように襲いかかってきていた。年の離れた父に嫁いだ母、そのギャップを金銭だけで埋めようとした父。男遊びに走り、夫婦ともに青い瞳にもかかわらず、青い左目、黒い右目の金銀妖瞳(ヘテロクロミア)で生まれた子に、夫ではなく黒い瞳の愛人の姿をそこに見て取り、我が子の目をえぐり出し、証拠隠滅を図ろうとした母。その母が自殺したあと、酒乱気味になった父が繰り返し呟いていたこの科白が、母親に目をえぐり取られそうになった赤子の記憶とともに、ロイエンタールの精神的外傷となっている。
「!!!!!」
いつもよりたちの悪い夢に、ロイエンタールの目は覚めた。まだ夜明け前である。心臓の動悸が激しく、かなり発汗していた。
「俺としたことが、精神が高ぶっているのだろうか。明日が作戦決行の日だ、ということで。ここしばらくは、この夢は見なかったのだがな」
自嘲気味に呟くと、ベッドから体を起こし、寝酒の残りのワインを口に含む。無理にでも寝ておかなければ、明日の作戦決行時の体力に差し支えがある。しかし、再度ベッドに横になっても、動悸が収まらず、不安感は増大してゆく一方である。一体これは何だ?と思ったその時である。
「なっ!!!!」
突然、複数の投光器から館全体に圧倒的な量の光を投げつけられ、周囲は昼のように明るくなった。そしてガラスの割れる音、銃撃音、館の中に立ちこめる催涙ガス。あまりの事態の急変に、ロイエンタールと雖も頭が付いていかない。しかし、いつまでもそうしているロイエンタールではなかった。
「全員、起きろ!察知された!!」
ロイエンタールは飛び起きて館内を走り回り、事態の急変を全員に報せる。そして武器置き場から銃を取ると、窓際に寄って外を見た。
事態は最悪だった。敵は装甲車と戦車を連ねて布陣しており、圧倒的な銃火のもと、突入部隊がじりじりと低い体勢で前進してきている。それに対してこちらは、寝込んでいるところを襲撃された上、催涙ガスまで投げ込まれており、まともに抗戦できるような有様ではない。
「くそ、何たるざまだ。全くいいように奇襲されてしまったのか!!」
悔しがるロイエンタールだが、その一方で事態を冷静に見つめてもいた。全く、勝ち目がないことは明白である。
「提督」
フェルナーが起き出してきて、ロイエンタールに近づいて来る。手にはハンドキャノンを持っていた。
「卿か。どうやら、万事休すのようだ。敵は、完璧に準備を整え、襲ってきたらしい。手も足も出んな。脱出もおそらく不可能だろう」
「そんな・・・・ことが・・・・」
「ここまで手際がいいということは、かなり前から察知されていたのかも知れん。俺たちが、知らなかっただけの話で」
無言になるフェルナーである。ロイエンタールは続けた。
「さて、どうするか。選択肢は二つだ。一つは戦って死ぬ、一つは降伏して生き長らえる。卿ならどうする?」
フェルナーはそれを聞くとハンドキャノンを構え、窓外の敵に向かってぶっ放した。爆発が起こり、前面に出て館に接近していた何人かが吹っ飛んだ。フェルナーとしては、一度貴族連合軍を裏切った以上、許される可能性はない、と考えたようである。いかに、ブラウンシュヴァイク公のもとから離反しただけで、今ここにいるのはリッテンハイム公の貴族連合軍だとしても。
しかし、フェルナーの勝利は一時的に過ぎなかった。たちまち数十倍の銃火に報復され、多数のエネルギービーム弾に体を貫かれてしまう。フェルナーは血溜まりの中に倒れ、そのまま動かなくなってしまった。二つのうちの一つ、「戦って死ぬ」を選択し、その通りの最期を遂げたのである。
更に、正面に居座っている戦車が、砲口を館に向けてきた。向けると同時に一発ぶっ放し、砲弾が内部で爆発する。それにより、館のかなりの部分が崩れ落ち、吹き飛ばされたり下敷きになる者が続出した。ロイエンタールは辛うじて伏せて爆発の衝撃を避けたが、それでも爆風に晒され、瓦礫が降りかかった為、擦過傷やら切り傷多数といったところになってしまう。
「ふん、俺はフェルナーとは別の道を行く。ここで死ぬのに意味はないからな」
ロイエンタールはそう嘯くと、ゆっくりと立ち上がって手を挙げた。
「俺は、指揮官のロイエンタール大将だ。武器を捨てて降伏するので、これ以上の攻撃は中止してもらいたい」
ロイエンタールが大声で叫ぶと、拡声器からの返答がある。
「ロイエンタール提督か。こちらは、鎮圧部隊司令官のシュタウフェンベルク少将である。投降を認めるので、武器を捨てて手を挙げ、ゆっくりとこちらへやってくるように」
やはり、と呟きながら指示に従うロイエンタールである。ロイエンタールが自分の名を出しても、相手は全く驚いた様子がない。「予定通り」と言わんばかりである。それで、とうの昔にばれていたのだ、ということを確信するロイエンタールであった。
生き残りの何人かも、ロイエンタールに続いている。さすがに、戦車砲にまで狙われるようになってしまっては、抗戦を継続する意欲が湧く訳もない。仮に、窓の陰に隠れて銃撃戦を展開したところで、ズドンと一発撃たれてしまっては、それまでの話だからだ。
結局、降伏したロイエンタールらの生き残りは、手錠を掛けられ、拘束衣を着せられ、まるで動けないようにがんじがらめにされてから、屈強の装甲擲弾兵に囲まれ、装甲車で軍務省に連行されていった。
「捕虜を連行しました!」
シュタウフェンベルクの声が大会議室に響き、ロイエンタールを伴って入室してくる。タンネンベルク侯以下、全員が一斉にそちらを見た。ロイエンタールは拘束衣に手錠、周囲を装甲擲弾兵に囲まれるという惨状ながらも、悠然と歩いてやってくる。その姿を一瞥し、気の毒そうに告げるタンネンベルク侯爵であった。
「残念だったな、ロイエンタール提督。狙いは良かった。運が無かっただけだ。社会秩序維持局が卿の潜入を報せて来なければ、卿が捕らえられることは無かったのだが。グリューネワルト伯爵夫人の奪還も、成功していたやも知れぬ」
「ほう、そのようなことが。では、我らの潜入方法に手抜かりがあった、ということですな。社会秩序維持局に露見するくらいならば」
「いや、そうではない。社会秩序維持局も、卿を張っていた訳ではないのだ。宇宙港で黒狐の工作員を警戒していたら、たまたま卿がやってきた、というだけの話で。だから、『運が無かった』と言っている」
それを聞いて無言になるロイエンタールである。「運が悪い」と断言されれ、愉快であろう筈もない。
「まあ、終わってしまったことは仕方ないだろう。どうやら運は我が方にあるようだが。ところで・・・・」
一旦運の話題を切って、話を継ぐタンネンベルク侯である。
「卿は、一体どういう魂胆で、今回のグリューネワルト伯爵夫人救出作戦を引き受けたのだ?はっきっり言って、非常に馬鹿馬鹿しいような気がするが。しかも、卿のような大物を投入する、というのでは尚更だな」
「馬鹿馬鹿しい?」
「そうだ。一体、グリューネワルト伯爵夫人に、何の価値があるというのかね。無価値だろう。彼女が死のうと生きようと、帝国の覇権には何の関係もない。どうでもいいではないか」
「では、その無価値な女性を捕縛する、卿は一体何なのか」
「知れたこと。他人にとっては無価値でも、ローエングラム侯にとっては至高の価値があるからだ。それ一点のみにおいて、グリューネワルト伯爵夫人には人質としての価値がある。それだけだな。あとは無価値だ。それこそ、彼女が生きようと死のうと、どうでもよい」
「・・・・・・・・・・・」
「はっきり言おう。おそらく、卿の軍のオーベルシュタイン中将はそう主張しているだろうが、本来、ローエングラム侯は躊躇せず、オーディンに殺到して我が軍を攻撃すべきだったのだ。いかに我が軍と雖も、当初の十万のローエングラム軍に押し寄せてこられれば、勝機はあり得ぬ。卿やミッターマイヤー提督でも、倍の敵に勝つ自信はなかろう。私も同じだ。尻尾を巻いて逃げ出すくらいが関の山だな。いや、それどころか、最初は私の先行部隊一千隻だけで、ほどなく十倍以上のミッターマイヤー提督の一個艦隊がやってきていたはず。ミッターマイヤー艦隊に攻め掛かって来られれば、私は逃げることもままならずあっさり戦死、ということになっていただろう。オーディン一時失陥の失態は、それにて取り戻せた」
「・・・・・・・・・・・」
「その際、グリューネワルト伯爵夫人の命が、我が軍によって奪われたとしても、やむを得ぬ犠牲だ。グリューネワルト伯爵夫人には、帝国の覇権を左右する力や要素など、有りはせぬからな。切り捨てて当然というもの。我らが皇帝に即位する前の、サビーネさまを見捨てることなど絶対にできないのとは、訳が違う」
「・・・・・・・・・・・」
「しかし、ローエングラム侯には、それはできない。姉に対する心情が、あまりに強固であるのでな。幼友達のキルヒアイス提督の存在も、それを増幅してしまってる。そこが、彼が勝てない理由だ。端的に言って甘いのだ」
「・・・・・・・・・・・」
「だから、このような無益な奪還作戦に、卿のような重要な部下を投入し、あまつさえ失敗してしまう羽目になる。この甘さは権力者としては致命的だな。まあ、ローエングラム侯自身の、個人的魅力にはなるのやも知れぬが。しかし、こちらとしてはせっかくの敵の弱点でもあり、最大限に利用させて貰うつもりだがな」
「・・・・・・・・・・・」
「さて、いささか長くなったが、卿との話は取り敢えずはこれにておしまいだ。しばらく、社会秩序維持局の監獄で頭を冷やしてもらうこととしようか。このような甘いローエングラム侯が、卿の主君として相応しいのか、ということも含めてな」
「・・・・・・・・・・・」
一言も反論できないロイエンタール提督であった。実際、タンネンベルク侯の辛辣な評価は、「その通り」としか言いようがない。ロイエンタール提督でなくても、反論などできよう筈もなかった。
そして、「連れて行け」と言わんばかりにタンネンベルク侯が顎をしゃくり、ロイエンタールは移動を促された。会議室を出る直前、ロイエンタールは首だけ振り向かせ、タンネンベルク侯に質問する。
「一つ聞きたい。俺をどうする気だ?」
ロイエンタールを連行しようとしていた装甲擲弾兵たちも一旦歩を止め、タンネンベルク侯の反応を待った。
「ふむ、さすがの卿も気になるか。私の考えでは、卿を吊してしまうのは少々惜しいと思っている。何らかの役割を果たしてもらうつもりだ。それが、何であるのかは今は教えられない。取り敢えずは先ほど言った通り、しばらく監獄の中で頭を冷やすことだ」
具体的な事は言わず、しばらく監獄で待てと告げるタンネンベルク侯である。ロイエンタールもそれ以上重ねて聞くことはせず、大人しく連行されていった。
(以下続く)
- 親記事No.419スレッドの返信投稿
- board4 - No.445
Re:とりあえず足跡
- 投稿者:本ページ管理人
- 2001年07月15日(日) 15時58分
> これは
> 1、田中芳樹は作中でヒトラーの批判をしてる。
> 2、しかし竜堂兄弟の行動はヒトラーと同じ。
>
> ・・・ってことですよね?
> じゃあ今回はこれについて思ったことを言ってみます。
> ヒトラーと竜堂兄弟の違いは権力を持っていないということだと思うんです。彼らはその力をもってして国家をどうこうっていう思想は持っていないんですよね?
> >竜堂兄弟の「懲らしめ」の延長線上
> と論の中で書いてあるとおり、彼らはその一歩先に踏み出していない。
> そこがヒトラーと大きく違うところなのでは?
確かに違いますね。但し、方向性は一緒です。
創竜伝で、主人公達や作者の声は、ヒトラーのやったことだけではなく、いや、むしろそれ以上に思想の方向性を問題にしていますね。
> 特に田中芳樹の作中ですと悪役は絶対悪として描かれていますから、竜堂兄弟の立場であれば誰だって彼らのような行動を取るのではないでしょうか。
そもそも絶対悪というのがあって、その絶対悪に対して正義は何しても良いと言うこと自体が、あまりにも大きな矛盾じゃないですか?
- 親記事No.341スレッドの返信投稿
- board4 - No.446
Re:皆さんはじめまして
- 投稿者:Merkatz
- 2001年07月15日(日) 22時49分
> しかし、ヤンは結局正規の手続きに基づかず個人的な好悪感に基づいて行動しているのが問題だと言っているのです。
> 極端な話宇宙艦隊司令長官がドーソン大将だったら彼は誰にも言わずにクーデター計画をほかって置いたでしょう。
> そのあたりが、高級軍人として問題だと思います。
ちょっと時期を外したかな。
佐々木さん、はじめまして。
私も最近、ヤンの態度は高級軍人として問題あり過ぎると考えるようになりました。
一番問題だと思うのが「給料分の仕事はしたさ」というあれです。
例えばアスターテでは艦隊参謀という立場でありながら、
ちょっと進言が退けられたからといって後は傍観しています。
しかし、仮にも何百万単位の兵士の命を預かる立場の人間が、
重大な結果を予想していながら上司が受け入れてくれないからといって
「一応進言はしたもんね」という態度では、
地位に対する責任感が無さ過ぎるというものでしょう。
ヤンがフレデリカの言う通り、地位に対する責任を放棄しようとしない
立派な人間なら、なぜアスターテでみすみす2個艦隊が全滅するのを
見過ごしたのか。
艦隊参謀という責任感がヤンにあるなら、
様々な手段で粘り強く働きかける必要があったのではないでしょうか。
佐々木さんの指摘どおり、明らかに個人的な好悪感が判断材料にあり、
地位に対する責任感は極めて薄いと思います。
- 親記事No.388スレッドの返信投稿
- board4 - No.447
Re:つけたし
- 投稿者:恵
- 2001年07月16日(月) 03時33分
こんにちわ、恵です☆
見学者さん、レスが遅れてしまいました、ごめんなさいです…。
> さっきのを読み直すと、恵さんはルール違反という言葉を不自然だと同じ位の意味で使っているのではないかと思いました。
> 私は、法律関係の人なので、ルール違反という言葉に過剰に反応する癖があります。その程度のすれ違いなら議論しても意味がないかもしれないと思いました。その場合は、お手間を取らせてすいません。
う~んと、一番はじめに、わたしはそうはっきりと明記したはずなんですけどね(笑)
>では、お答えします。
わたしは、
「小説に持論が入るのは不自然です」
と書きましたけど、「絶対にいけないこと」とは主張していません(ですから、あえて“暗黙のルール”と表現したんです)。
↑これに対し、
「暗黙でもルールがあるのはおかしい」
と、見学者さんが反論されたのですけど、もともとわたしも「規制」や「法的ルール」という意味合いで創竜伝の横紙破りを批判しているつもりはありませんでした。(いろいろ根拠を言いましたけど、結論としては“だから社会評論(作者の声)が入るのは不自然なのでは?”ということなんです)
見学者さんが上のように言ってくださるなら、そう極端な意見の食い違いもないようなので、この件はお互いの合意が得られたと解釈させてもらってよろしいでしょうか?
☆「絵と文章」問題のおまけ
わたしもクリエイティブの仕事をしているので、「絵」と「文章」についてのご意見に対し、少し過敏に反応してしまったかもしれません。ただ、絵というものは、見る人の感性や価値観によって様々な解釈が生まれるものですけど、たとえば「お前はバカだ」と書いた文章は他人に対する侮蔑以外の何物でもないように思います。(「絵」ではこれほど直接的な表現は困難ですから)
とりあえず、ここはわたしはこう思っています、という個人的な意見ですので、見学者さんの解釈を否定する意図はありません。あしからず、ご了承くださいね。
> 確かに上の表現は分かり図らいですね。
「そんな表現形態を間違っているということはできません」
というのは正確でないので,
「そんな表現形態を取るのは不適切でないかということはできても、ルールを擬制してそんな表現形態を間違っているということはできません」
おわかりいただけるでしょうか。また書きます。
そうですね、わたしもそういう意味の主張していたつもりですので、こちらの件も了解です。少し誤解やすれ違いがありましたけど、実はわたしと見学者さんはほとんど同じ見解を持っているのだと思います。わたしも誤解を与えるような、言い方の悪い部分があったかもしれませんので、反省しています。(やっぱり文章を書くというのは難しいものですね☆(^_^;)
まだ納得のいかない点がありましたら、またご意見くださいね。
- 親記事No.388スレッドの返信投稿
- board4 - No.448
結論
- 投稿者:見学者
- 2001年07月16日(月) 10時34分
「そんな表現形態を取るのは不自然でないかということはできても、ルールを擬制してそんな表現形態を間違っているということはできない」
ということでは合意にいたったでよろしいでしょうか。
- 親記事No.388スレッドの返信投稿
- board4 - No.449
Re:結論
- 投稿者:恵
- 2001年07月16日(月) 11時20分
>
> 「そんな表現形態を取るのは不自然でないかということはできても、ルールを擬制してそんな表現形態を間違っているということはできない」
>
> ということでは合意にいたったでよろしいでしょうか。
はい、了解です☆
今回の議論で、実はあらためて納得したことが一つあることを、最後にご報告しておきます。
「明確に禁止されていなければ何をやってもよい、という最近の風潮はナゲカワシイわね(大意)」(BY 薬師寺涼子)
↑これを言わせたのが田中芳樹氏本人であることは、すごく皮肉なお話ですよね(笑)。結局、ご自分も「最近の風潮」にどっぷりつかってしまってるわけなんですから。
- 親記事No.388スレッドの返信投稿
- board4 - No.450
Re:スタイルというか手法
- 投稿者:くら
- 2001年07月16日(月) 13時14分
「不心得」な警官や「良心的でない」政治家の「(悪事)に真面目な」秘書などが、権力を振りかざして主人公達に身勝手な正義や自己犠牲を強いようとするときに、「穏和で従順とは言えない」主人公達が、その警官や秘書にその権力やプライドのよりどころである
職業を痛烈に皮肉る、のは劇中、不自然ではないですし、そのようなシーンでしか見たことがないのですが、と、言うことです
作中人物が作中人物を最大限侮辱しようとしてるシーンなんだから
当たり前じゃないんですかね?これが「世の中には真面目な警察の
みなさんも一杯いて、命がけで事件を解決しているには頭が下がりますが…」などと前置きしてたら随分間抜けな小説だと思いますが
私も立派な警官のみなさんがいることは承知してますけど
警官と喧嘩になるようなことがあれば警察をひっくるめて皮肉言うと思いますよ?喧嘩ですもの
職務に忠実な良心的な警官も巻き込んで犠牲にしてしまうシーンも
確かあったように思いますが、それについて良心が咎める場面も、主人公達が正義の味方でもなんでも無いことを認識している場面も
繰り返しでてきたように思いますが、それは作者の意識としては考慮されないのでしょうか?
上級国家公務員キャリアや検察、公安なんかが悪者扱いの物語は
結構見かける気がしますが…キャリアなんて、キャリアが…みたいな台詞があると屑ですか?う~ん?違うような気がするけどなぁ
時代劇なんかだと回船問屋や口入れ屋は出てきた時点で悪役決定ですよね?これは、貿易業や人材派遣業への職業差別意識ですか?
だとすると気をつけないとなぁ(==;;;
あ、人肉は美味しいらしいですね(特に脳味噌)
生理的嫌悪感や、倫理的なことは別にして、理論的には
(薬膳としての効能は高いと言う方が適切か?)
でも実際には共食いは病気になりやすいのだそうで
ま、雪山で遭難でもしたら、その時に考えます
- 親記事No.341スレッドの返信投稿
- board4 - No.451
Re:皆さんはじめまして
- 投稿者:S.Inoue
- 2001年07月16日(月) 14時48分
> 私も最近、ヤンの態度は高級軍人として問題あり過ぎると考えるようになりました。
> 一番問題だと思うのが「給料分の仕事はしたさ」というあれです。
この頃の平均的な軍人たちは矢鱈と無能(平均が矢鱈と低い)という設定のようだからあれだけできれば給料分の仕事をしたことになるのでは?
書いていて虚しくなってきた。ゴミまきでした。
- 親記事No.388スレッドの返信投稿
- board4 - No.452
Re:スタイルというか手法
- 投稿者:くら
- 2001年07月16日(月) 15時01分
> 料理の中にゴキブリが入っていたとして、
> 「これは料理の素材でアクセントなんだ!」
> という主張が通るでしょうか?
>
> せめてゴキブリを「料理」として出してもらいたいものです。
小説に、エッセイや評論的表現を入れる手法をゴキブリにたとえるのはどうかなぁ?
と言う気はしますけど
作者が意図的に入れてるなら十分通るでしょう
ゴキブリの入った料理を
食べたいかどうか、おいしいかどうかは別にして
ゴキブリを入れること自体は別に反則でもなんでもないと言うことですよね?
本論とか読むとイナゴをゴキブリか便所コウロギと言ってる気がしなくもないですが
虫嫌いの人には一緒と言えば一緒ですかね
イナゴは結構美味しいんですよ、足とか引っかかるので注意が必要ですが
正統派のラーメン(スタンダードでトラディショナルな小説)を
味わいたくて入った店が、実はゲテモノが売りのラーメン屋で
口にも合わなかった、そうなると、店の繁盛振りや並んでる行列まで
腹立たしい、と、そんな感じですか?気持ちは解る気がしますけど
化学調味料も一杯、着色料も使っていて材料も上等でもなさそう
三食こればっかりじゃ、身体壊すのは明らかだけど
客のツボは抑えてるのでくせになる人も多い
自分もよく利用するけどたまに食べるのは悪くない
(どうせたまにしか出ないんで…新作)
健康に気を使う自然食主義の人には向かないだろうな
って感じですかね、私は
小林よしのりの店はシャブはいってるっぽいし…
もっと酷いもの出してても、更に売れてる店
真面目に正直に材料も上質なものを選んでても不味い店
味も材料も駄目で繁盛もしない店
そういった店の数を考えると、彼の繁盛振りも妥当な線では?
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- board4 - No.453
イイですね……
- 投稿者:たこつぼ
- 2001年07月16日(月) 15時26分
イイですね、このサイトはなんと言っても一般的なアンチサイトと違って愛が有る(w
シャレも効いてるし、読んでいて楽しいです、笑えます。
ここへきてショックを受けたという田中ファンの方は他の方のアンチサイトへ、例えば小林よしのりさんあたりのアンチサイトへ言ってみると良いかもしれません
的を得ている意見もあるけど半分近くが明らかな挙げ足取り、誹謗中傷も多いです、そりゃあもう人間不信になるくらい(w
少なくとも『好きだからこそ』なんていう精神は微塵も在りません
僕も創龍伝は6巻くらいまでは楽しんで読んでましたが、ここのサイトで言っている事は大方ごもっともだと思います
創龍伝などを読んで勘違いしていた時期もありましたし(恥