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投稿ログ149 (No.2665 - No.2686)

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board4 - No.2665

Re:小泉首相の今後について

投稿者:佐々木公彦
2002年09月05日(木) 15時31分

> 十三巻が出るまで、小泉政権が持たないに一票

G8の首脳全員変わっているに一票。

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board4 - No.2666

Re:小泉首相の今後について

投稿者:八木あつし
2002年09月05日(木) 16時50分

十三巻で森首相が倒れ、前首相が復活するに一票。
私は創竜伝のあの首相は、他の政治屋たちと違いキャラクターが出来ていて、あの性格がいろんな意味で好きでした。

しかしあのヒキから、また日本政界の状況を変えるとしたら、田中氏は相当の変節漢ですねぇ。
ただあとがき座談会で、竜堂兄弟が小泉政権をこき下ろす可能性は高いと思います。

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board4 - No.2667

Re:某巨大掲示板で議論されています

投稿者:Nobuyoshi
2002年09月06日(金) 01時35分

>> あの世界には超光速通信が存在するので、帝国標準時や同盟標準時に
> 時報(笑)を発信する事で、標準時刻を設定する事が可能です。

 よくタイムマシンの話で高速を越えると時間を遡れると言われてますよね。
 ということは、超高速通信だと高速を超えてるので時間をさかのぼってしまいとんでもないことになるのでは?

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board4 - No.2668

Re:田中芳樹と松岡圭祐の相違点

投稿者:朝日新聞キラーは糞。
2002年09月06日(金) 06時15分

> ごぶさたしてました。ひさしぶりに田中芳樹と松岡圭祐の比較をします。今回は二人の相違点についてです。田中芳樹は遅筆で有名ですが松岡圭祐は、ハイペースで小説を書きます。田中芳樹の「創竜伝」は、なかなか最新刊が出ませんが、松岡圭祐は「千里眼シリーズ」を含め3ヶ月に一冊のペースで小説を出します。
>
> また田中芳樹は「天皇家」を小説の中では誹謗中傷しませんが、松岡圭祐は「天皇家」および天皇陛下が嫌いらしく、「千里眼 洗脳試験」という反日小説で昭和天皇陛下を誹謗中傷しています。田中芳樹は天皇家についてどう思っているのか知りませんが、天皇陛下を小説の中で誹謗中傷しないぶん、松岡圭祐より、まだ社会評論には抑制がきいています。田中芳樹も松岡圭祐も二人とも反日主義者ですが、松岡圭祐と違って天皇陛下を誹謗中傷しない分、俺は松岡圭祐より田中芳樹のほうが好きです。
>
> また田中芳樹は松岡圭祐と違って、いまのところ「新しい歴史教科書」を小説の中で誹謗中傷していません。(もし田中芳樹が「新しい歴史教科書」を小説の中で誹謗中傷しているのを見つけたら、誰か教えてください)田中芳樹は「創竜伝」では松岡圭祐の「千里眼シリーズ」と違い「新しい歴史教科書」を誹謗中傷しないには、小林よしのり氏を敵に回したくないせいもあるかもしれません。小林よしのり氏は「新しい歴史教科書」の執筆者の一人ですから、下手に松岡圭祐のように小説の中で批判して、小林よしのり氏に漫画で批判されるのを恐れているのかもしれません。松岡圭祐は「新しい歴史教科書」を誹謗中傷したから、田中芳樹と違って、小林よしのり氏に漫画で批判されるかもしれません。小林よしのり氏に、松岡圭祐が漫画で批判されるのを俺は見てみたいです。

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board4 - No.2669

Re:某巨大掲示板で議論されています

投稿者:IK
2002年09月06日(金) 08時36分

> >> あの世界には超光速通信が存在するので、帝国標準時や同盟標準時に
> > 時報(笑)を発信する事で、標準時刻を設定する事が可能です。
>
>  よくタイムマシンの話で高速を越えると時間を遡れると言われてますよね。
>  ということは、超高速通信だと高速を超えてるので時間をさかのぼってしまいとんでもないことになるのでは?

それがつまりウラシマ効果ということです。従って、もし統一的な銀河系規模でのコミュニティというものが存在し得るのだとしたら、交通手段は超高速航法ではなく、ワープ航法でなければならないのです。

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board4 - No.2670

Re:某巨大掲示板で議論されています

投稿者:古典SFファン(ついでに・・)
2002年09月06日(金) 12時10分

> > >> あの世界には超光速通信が存在するので、帝国標準時や同盟標準時に
> > > 時報(笑)を発信する事で、標準時刻を設定する事が可能です。
> >
> >  よくタイムマシンの話で高速を越えると時間を遡れると言われてますよね。
> >  ということは、超高速通信だと高速を超えてるので時間をさかのぼってしまいとんでもないことになるのでは?
>
> それがつまりウラシマ効果ということです。従って、もし統一的な銀河系規模でのコミュニティというものが存在し得るのだとしたら、交通手段は超高速航法ではなく、ワープ航法でなければならないのです。

超光速が難しいのには色々と理由があるそうですが・・・・

まず、仰られるように、光速を素直に越えると時間が遡行できると言う
話があります。
それ以前に、光速に接近すると見かけの質量が漸近的に無限大に近づくため、
質量のある物体は光速を越える事は出来ない(ヤン・ウェンリーは
この現象を利用して巨大な氷塊の質量を上げ、一瞬のうちに「アルテミスの首飾り」を破壊しました)というのがあるため、
「素直に光速を越える」ような方法はなく、「抜け道」を使わなければいけません。
古典SFでおなじみ、その手の方法を幾つか・・・
1.ワープ航法
 物体が光速を越えるのではなく、空間の方を曲げて距離を縮める。
 この方法は「光速を越え」ないので、過去に遡行したりはしません。
 ワープは超光速ではなく、「距離を縮める」ということですね。

 この方式の超光速通信も何種類か考えられています。
 空間を歪め、目的地に電波だけを跳躍させる「カロッティ通信機」(昔ハヤカワ文庫で出ていた「銀河辺境シリーズ」に登場)。
 マイクロ・ブラックホールを時空を越える小さいゲートに利用し、
 焦点を合わせたブラックホール同士の共振を利用する「MBH通信機」(伝説巨神イデオンに登場)。

2.亜空間(超空間)航法
 空間を歪めるのではなく、物理法則が異なる高次元空間(我々の存在する時空から見て、空間次元が1つ多いような空間)に突入し、
 超光速を可能とする方法。

 レンズマンの「超空間チューブ」、伝説巨神イデオンの「DSドライブ」、スターウルフシリーズの「高次空間航行」など、原理は同じようなものです。
この手の作品では、通信にも、電磁波と同じように超空間を伝わる「超空間波」などを用います。

 最近の物理学では、「コンパクト化されているだけで、我々の空間は実は11次元ある」と云う説も出ていますので、この手は難しくなっているかも知れませんが、基本的に「物理法則が違う空間では、光速を越えてはいけないという規則も通じない」可能性はあるので、これも抜け道に使えます。

3.ワームホール航法
 自転するブラックホールや、ホワイトホールの中心に開いているタイプの、「アインシュタイン・ローゼン・ゲート」(だったと思う)を
利用します。

 この航法は、物理的にまだ否定されていないはずです。
これは、時空間の特殊な状態を利用します。このタイプのゲートを
通過した船は、「どこへも行かない」で、ゲートの向こう側に「出し抜けに出現する」のです。

ちなみに、このタイプの航法しか使えない世界で戦争する場合、
ワームホールを戦略拠点として押さえる必要が出てきます。
人工的にこのタイプの時空状態を作るにはとても現実的とは云えない量のエネルギーが必要なので、
天然で安定したワームホールはイゼルローン回廊やフェザーン回廊よろしく、
宇宙交通の生命線となりえます。
(スタートレック・DS9ではベイジョー・ワームホールがこの扱い)
このタイプの「ゲート」を上手く変形して作品のギミックに用いたのが、
「星海の紋章」シリーズで、あの世界では定まった門を通してしか
恒星間航法が出来ない設定のため、宇宙戦闘は門を形成する時空泡内か、
惑星近辺か、門の付近でしか行われないと云う限定条件となっています。

4.量子テレポート
 昨今良く使われる方式です。
素粒子の間に自然に存在する量子結合を利用して情報を伝達したり、
瞬時に空間を転位する方式。

 この方式が相対性理論を犯さないかどうかは謎です。
この手で超光速通信・航法は無理だという話もあるのですが、基礎理論は私には理解が及ばない世界のため、「わからない」としか云いようがありません。
超光速は魅惑的なんですがね・・・(笑)。

5.その他
 どのタイプにも属さないのがアーシュラ・K・ル・グィンの「一般時間理論」を用いる超光速通信・航行法。
この理論は特定の条件下で無限速度と、二点間の時間の経過のない連絡を可能にします。
この理論を利用した通信機がアンシブルで、タイムラグのない恒星間通信を可能とします。
同一の原理を使う宇宙船も開発されていますが、無限速度にさらされた生物は例外なく死んでしまうため、普通の宇宙船はナファル推進(亜光速航法)を使います。
ジェイムズ・ブリッシュの「宇宙都市」でも、タイムラグなしに通信可能な「ディラック通信」が登場しますが、これの原理は今風に云えば量子通信と同じような感じのようです。

 「電波は空間を越えられないので、超光速通信は出来ない」とされている作品もありますが、まあ、ワープも通信も同じ種類の物理学と言う事で、処理されている方が多いようです。

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board4 - No.2671

Re:某巨大掲示板で議論されています

投稿者:古典SFファン
2002年09月06日(金) 12時24分

>  よくタイムマシンの話で高速を越えると時間を遡れると言われてますよね。

ここのところだけもうちょっと・・・
実を云うと、先に挙げた「ゲート」型の超光速理論では、時間と空間を
同じように移動できる可能性を持つものがあります。
ゲートを作る時空状態は(今では否定されている可能性もありますが)、
カリフォルニア工科大学の(だった。今もそうかどうかは不明)キップ・ソーンによるものです。
このタイプのゲートは厳密には「それが形成された時点より前」には
遡行出来ません。
が、一旦形成されると、それは時空間に打ち込まれた楔のような働きを
します。
ゲートが出来てから何年も、何百年も経過したとしても、「ゲートが作られた」時点にはゲートの一方の端があって、
しかるべき方法を用いればゲートの内部を通過してそこに到達できるのです。
もちろん空間移動にも使えます。
「スペースゲート」であるとともに、効果限定の「タイムゲート」でも
あるというわけです。

その場合、因果律が破れたり「大変な事」が起きるかも知れないのですが、
そもそもゲート内には通常の宇宙で通じる物理法則の一部が通じません。
時空状態があまりに特異だからです。
そのような物理的存在に対しては、超光速が不可能とか、時間の因果律が破れるとか言う条件も無効という事のようです。
また「大変な事」になるのは「ゲートの外」だけであって(ゲートの外に出るまでは、いわば普通の宇宙から見て隔離されていますので)、
外の宇宙がどんなに大変な事になってもゲートのほうはしらんぷりを
決め込むような代物ともいえます(結構迷惑な思想で作られてるな・・・)。

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board4 - No.2672

Re:小泉首相の今後について

投稿者:U
2002年09月06日(金) 12時46分

> 十三巻で森首相が倒れ、前首相が復活するに一票。
> 私は創竜伝のあの首相は、他の政治屋たちと違いキャラクターが出来ていて、あの性格がいろんな意味で好きでした。
あの首相は、モチーフがいるんでしょうかね?
どうも田中氏のイメージをこり固めてる感じがします。
> しかしあのヒキから、また日本政界の状況を変えるとしたら、田中氏は相当の変節漢ですねぇ。
> ただあとがき座談会で、竜堂兄弟が小泉政権をこき下ろす可能性は高いと思います。
ついでに自分は13巻が出るまでにムネオ氏が笑っていられる状況になることに一票、ですかね(?

board4 - No.2673

アルスラーン戦記ここがダメ

投稿者:深草の少将
2002年09月06日(金) 14時44分

銀英伝に続いてまたまた物議をかもすような話題をぶち上げてしまったが(良識派の皆さんゴメンナサイ)、ここではあの未完の大作アルスラーン戦記を取り上げてみたい。
 まあアル戦についてはいろいろ言いたいことはあるが、もっとも鼻につくのは「主要人物以外はみんなアホバカ無能」という設定だ。
 これはアル戦に限らず田中芳樹の悪癖といってもいいが、銀英伝の場合はラインハルトとヤン・ウェンリーというライバル同士の対立が軸に描かれ、また創竜伝の場合には「個人対国家権力」という図式があるためかろうじて(かろうじてだが)物語が成立しているが、アル戦の場合はアルスラーン率いるパルス軍とルシタニア軍他その他大勢との能力の差がありすぎるため、物語が完全に弛緩しきってしまってるんだよね。
大体田中芳樹っていう人は「普通の人間」っていうのがちゃんと書けないんだよね。主人公をみんな「名将」とか「天才」とかそんな人間ばっかりにしてしまうから、それ以外の脇役や敵役を不必要に貶めることでしか物語を進められなくなってしまい、結果的に息詰まってしまうんだよ。
要するにアルスラーン戦記というのは、田中芳樹の「三国志コンプレックス」が最悪の形であらわれた小説だと俺なんかは思っているが皆さんの意見や如何?

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board4 - No.2674

Re:アルスラーン戦記ここがダメ

投稿者:蜃気楼
2002年09月06日(金) 15時15分

> 銀英伝に続いてまたまた物議をかもすような話題をぶち上げてしまったが(良識派の皆さんゴメンナサイ)、ここではあの未完の大作アルスラーン戦記を取り上げてみたい。
>  まあアル戦についてはいろいろ言いたいことはあるが、もっとも鼻につくのは「主要人物以外はみんなアホバカ無能」という設定だ。
>  これはアル戦に限らず田中芳樹の悪癖といってもいいが、銀英伝の場合はラインハルトとヤン・ウェンリーというライバル同士の対立が軸に描かれ、また創竜伝の場合には「個人対国家権力」という図式があるためかろうじて(かろうじてだが)物語が成立しているが、アル戦の場合はアルスラーン率いるパルス軍とルシタニア軍他その他大勢との能力の差がありすぎるため、物語が完全に弛緩しきってしまってるんだよね。
> 大体田中芳樹っていう人は「普通の人間」っていうのがちゃんと書けないんだよね。主人公をみんな「名将」とか「天才」とかそんな人間ばっかりにしてしまうから、それ以外の脇役や敵役を不必要に貶めることでしか物語を進められなくなってしまい、結果的に息詰まってしまうんだよ。
> 要するにアルスラーン戦記というのは、田中芳樹の「三国志コンプレックス」が最悪の形であらわれた小説だと俺なんかは思っているが皆さんの意見や如何?
>
 第2部に関してはその通りですが、第1部ではパルスやアルスラーンが絶望的な状況に追い込まれていたので面白かったですよ。

 第2部の欠点の最たるものはザッハークがラスボスに設定されていることでしょう。作者はこの手の悪役を成功させたためしがありませんから、第2部が駄作になることは約束されています。征旗流転までは良かったんですが、妖雲群行あたりからオカルト色が強くなるのに比例して面白くなくなってきてます。

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board4 - No.2675

Re:小泉首相の今後について

投稿者:蜃気楼
2002年09月06日(金) 15時21分

> 十三巻で森首相が倒れ、前首相が復活するに一票。
> 私は創竜伝のあの首相は、他の政治屋たちと違いキャラクターが出来ていて、あの性格がいろんな意味で好きでした。
>
 私はあの首相は「田中芳樹の描く総理大臣」のステレオタイプと言った感じで個性があるとは思いませんでした。そこに森首相の登場ですから期待しています。多分この人で最後まで行くんじゃないかな。
 作中では半年くらいしか経っていないはずなので首相を交代させる必然性は薄いのですが、現実では10年くらい経っていませんか?

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board4 - No.2676

Re:某巨大掲示板で議論されています

投稿者:IK
2002年09月06日(金) 23時17分

> >  よくタイムマシンの話で高速を越えると時間を遡れると言われてますよね。
>
> ここのところだけもうちょっと・・・
> 実を云うと、先に挙げた「ゲート」型の超光速理論では、時間と空間を
> 同じように移動できる可能性を持つものがあります。
> ゲートを作る時空状態は(今では否定されている可能性もありますが)、
> カリフォルニア工科大学の(だった。今もそうかどうかは不明)キップ・ソーンによるものです。
> このタイプのゲートは厳密には「それが形成された時点より前」には
> 遡行出来ません。
> が、一旦形成されると、それは時空間に打ち込まれた楔のような働きを
> します。
> ゲートが出来てから何年も、何百年も経過したとしても、「ゲートが作られた」時点にはゲートの一方の端があって、
> しかるべき方法を用いればゲートの内部を通過してそこに到達できるのです。
> もちろん空間移動にも使えます。
> 「スペースゲート」であるとともに、効果限定の「タイムゲート」でも
> あるというわけです。
>
> その場合、因果律が破れたり「大変な事」が起きるかも知れないのですが、
> そもそもゲート内には通常の宇宙で通じる物理法則の一部が通じません。
> 時空状態があまりに特異だからです。
> そのような物理的存在に対しては、超光速が不可能とか、時間の因果律が破れるとか言う条件も無効という事のようです。
> また「大変な事」になるのは「ゲートの外」だけであって(ゲートの外に出るまでは、いわば普通の宇宙から見て隔離されていますので)、
> 外の宇宙がどんなに大変な事になってもゲートのほうはしらんぷりを
> 決め込むような代物ともいえます(結構迷惑な思想で作られてるな・・・)。

この辺はスペオペの泣き所ですな。しかしそこを逆手にとって、作品に魅力を与えているものも多いわけで。最近ではダン・シモンズの「ハイペリオン・シリーズ」なんかそうですね。
銀英伝は確かにハード面で穴の多い作品です。
超光速航法を用いた場合(明らかに作中では用いられているのですが)、距離に対する時間は短縮されるのではなく遡及するのですね。出発した日を起点とすると到着した日はその十年前なんてことが距離と速度に応じてある訳です。とても通信は不可能です。
銀英伝の最大の不覚は要塞対要塞の時、ガイエスブルク要塞をワープさせてしまったこと。
単純に考えてワープが可能な社会では商業というものが成立しません。フェザーンは距離的な意味では存在意義を失うでしょう。ましてイゼルローン要塞なんか。運輸関係もすべていらなくなりますね。補給の確保云々自体がちゃんちゃらおかしい訳です。
このように作品の重要な前提さえも破壊させかねないワープという概念を平然と出してしまう、これは辺境云々よりもよほど重要なミステイクでしょうね。

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board4 - No.2677

Re:某巨大掲示板で議論されています

投稿者:古典SFファン
2002年09月07日(土) 01時51分

> この辺はスペオペの泣き所ですな。しかしそこを逆手にとって、作品に魅力を与えているものも多いわけで。最近ではダン・シモンズの「ハイペリオン・シリーズ」なんかそうですね。
> 銀英伝は確かにハード面で穴の多い作品です。
> 超光速航法を用いた場合(明らかに作中では用いられているのですが)、距離に対する時間は短縮されるのではなく遡及するのですね。出発した日を起点とすると到着した日はその十年前なんてことが距離と速度に応じてある訳です。とても通信は不可能です。

タキオン粒子のようなタイプの超光速はそうです。
ゲートを使う場合は、距離と時間が比例する訳ではありません。
私が知る限りでは、ゲート内部では時空間の座標系も通常の宇宙とは
異なります。
しかるべく座標変換して到達位置を計算できれば、おそらく到着する
時間も空間も、ゲートの内部であれば選択できるはずです。
これはシンプルに、「スペース・ワープであると同時にタイム・ワープ」であると考えていい道具だと思います。
(ポール・アンダースンの「アーヴァタール」には、このタイプの巨大な時空門「Tマシン」が登場します)

> 銀英伝の最大の不覚は要塞対要塞の時、ガイエスブルク要塞をワープさせてしまったこと。
> 単純に考えてワープが可能な社会では商業というものが成立しません。フェザーンは距離的な意味では存在意義を失うでしょう。ましてイゼルローン要塞なんか。運輸関係もすべていらなくなりますね。補給の確保云々自体がちゃんちゃらおかしい訳です。
> このように作品の重要な前提さえも破壊させかねないワープという概念を平然と出してしまう、これは辺境云々よりもよほど重要なミステイクでしょうね。

距離に制約のない完全なワープや、安定した時空ゲートを使用した物質転送が可能な社会では、そういう事になる可能性があります。
流通業は、製造業から直結でご家庭に物資を配給する「どこでもドア」
により壊滅的打撃を受けるでしょうし、銀河や宇宙のどこからでも
廉価な資源を調達できるので、資源争奪の起きる可能性も激減するでしょう。

が、大概のワープ理論は一度に跳躍できる距離は制限付きです。
これは、空間を歪める力は設定上、たいがい重力場であり、ブラックホールや
ワームホールの場合、中央に恒星が縮退したものがあるので動力不要
なのですが、人工的に重力場を発生させる場合、ちゃんとエネルギー
保存則に従って動力が消費されねばならない事から予測できます。

作中でも一度のワープで移動できる距離には限界があることが明記されています
(ガイエスブルクが一度で何光年移動したのかは忘れましたが・・・)。

移動距離に制限があり、物理法則に従って動力の供給を受ける必要がある以上、
まだ補給や兵站の問題は大きく、銀英伝の設定では取り立てて破綻は生じないと思います。
むしろ細かい数字を(意図して)あまり書かないでいる事が破綻要素を少なくしていると。

無限動力の想定が移動要塞論の時にありましたが、私は、
「無限動力などイデの無限力(むげんちから)以外にない(笑)」
・・・というのは冗談ですが、銀英伝には無限動力も無補給生産力も
無敵要塞もないと考えています。

艦艇が無限動力を持っていない事は作中の描写で明らかです。
無限移動能力もありません。一度のワープで移動可能な距離はそう
大きくない(帝国と同盟の領域を往来するには最低でも週単位、長くて
月単位の時間が掛かる)事がわかっています。

要塞であってもこの「距離と動力の制約」はある程度働いているように見えます。
ガイエスブルクもイゼルローンも、その動力は核融合炉です。

われわれが知っている核融合炉は水素を燃料とします。
燃料の水素を無から作り出す能力でもない限り、核融合炉は無限動力を
発生できません。

「機動戦艦ナデシコ」の相転位炉や、真空の零点エネルギーを利用する
相殺航法(C.シェフィールド)のようなタイプの動力を利用している
ならば、一度に発生できる動力の大きさには限界があれど、燃料の心配
からだけは解放されるのですが・・・。

いずれにせよワープは多くの作品で破綻なく上手く使われている小道具
ですし、銀英伝でもそこそこ矛盾なく使える程度にはこなされていると
思われるんですが・・。

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board4 - No.2678

Re:アルスラーン戦記ここがダメ

投稿者:深草の少将
2002年09月07日(土) 03時52分

>  第2部の欠点の最たるものはザッハークがラスボスに設定されていることでしょう。作者はこの手の悪役を成功させたためしがありませんから、第2部が駄作になることは約束されています。征旗流転までは良かったんですが、妖雲群行あたりからオカルト色が強くなるのに比例して面白くなくなってきてます。

>俺もザッハークを出してしまったのは、おそらく田中芳樹の全作品の中でも最大の失敗だといっても過言ではない思っている。
 どうせこの先続編が書かれる可能性は限りなく皆無に近いとは思うが、それでも作者があの後始末をどうつけるつもりなのか小一時間くらい問い詰めてやりたい。

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board4 - No.2679

せめてギスカールが…

投稿者:KUR
2002年09月07日(土) 08時17分

王弟にして将軍たるギスカール公爵。
このキャラが、非常に惜しいところまで行っている気がします。
かなり優秀なキャラクターなのに、それでもナルサスの掌の上というのが痛い。
結局二流の謀略家というイメージで語られてしまう存在なんですよね。

能力的にナルサスと同格とまでは望みませんが、
自分を一歩引いて自嘲気味に眺めるようなキャラに設定していれば、
もっと魅力が出たような気がします。

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board4 - No.2680

Re:アルスラーン戦記ここがダメ

投稿者:優馬
2002年09月07日(土) 13時04分

優馬です。

> >俺もザッハークを出してしまったのは、おそらく田中芳樹の全作品の中でも最大の失敗だといっても過言ではない思っている。
>  どうせこの先続編が書かれる可能性は限りなく皆無に近いとは思うが、それでも作者があの後始末をどうつけるつもりなのか小一時間くらい問い詰めてやりたい。

同感です。全然怖くないザッハーク。迫力もないし、どうすんだろ?!と思いますよね。

ただ、「妖雲群行」では妙にヒルメスが格好良くなってませんでしたか? それまではヒステリックに喚くばかりのお坊っちゃまくんだったのに。このへん、ひょっとしたら作者の物語への「てこ入れ」ではないかと思うのは、私の深読みでしょうか。

と、ここまで書いたところで、たまさか「アルスラーン読本」を見つけて「ヒルメス」のところを読んでみたら・・・、「ヒルメスは非常に重要なキャラ」という作者発言が!

なになに・・・本来ヒルメスは「簒奪者によって王位を追われた王子さまが流浪の末に復讐を果たす」という「貴種流離譚」の主人公にあたる人物であると。で、本来であればヒルメスにアンドラゴラスが打倒されるというのが、「貴種流離譚」のあるべきストーリー。(そういえば「ライオン・キング」ってまんま「貴種流離譚」なのね。)そのときに「ついでに」殺されてしまう可哀想なキャラである簒奪者の息子・アルスラーンを主人公にして「貴種流離譚の相対化」を試みたのだとか。

へえぇ、と言うしかないんですが、アルスラーン戦記が「アルスラーンVSヒルメス」という軸でできているかというと、「沢山あるうちのひとつ」としか言えないわけで。相対化のしすぎじゃないかと。

私のこの物語に対するイメージは、アルスラーン王子の「わらしべ長者」的サクセス・ストーリー&ユーモア架空歴史物語なんですが。(作者の意図とは違ったところで、好きな作品です。)

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board4 - No.2681

Re:アルスラーン戦記ここがダメ

投稿者:本ページ管理人
2002年09月08日(日) 15時31分

>なになに・・・本来ヒルメスは「簒奪者によって王位を追われた王子さまが流浪の末に復讐を果たす」という「貴種流離譚」の主人公にあたる人物であると。で、本来であればヒルメスにアンドラゴラスが打倒されるというのが、「貴種流離譚」のあるべきストーリー。(そういえば「ライオン・キング」ってまんま「貴種流離譚」なのね。)そのときに「ついでに」殺されてしまう可哀想なキャラである簒奪者の息子・アルスラーンを主人公にして「貴種流離譚の相対化」を試みたのだとか。

田中芳樹は、どうにも相対化ということが出来ない作家なのではないかと思います。「相対化」というならば、最後は正義と正義のぶつかり合いにならざるを得ず、「アルスラーンがヒルメスに勝ったけど、なんか後味が悪いなぁ」的ストーリー展開になりそうなものですが…
現状では、ヒルメスはアルスラーンの禅譲を正当化するための「ネガ」にしかなっていないと思いますね。

それが最悪に出たのが創竜伝で、「俺達は正義じゃない」と言葉だけでは相対化しているものの、実際は敵の思考程度は田中芳樹(竜堂兄弟)の考えている「正義のネガ」に過ぎず、やっていることと言えば水戸黄門ばりの勧善懲悪ですからね。もし、あれで敵役にもっと深刻な正義があれば、あそこまで薄っぺらにはならなかったでしょうに…

親記事No.2673スレッドの返信投稿
board4 - No.2682

Re:せめてギスカールが…

投稿者:本ページ管理人
2002年09月08日(日) 15時39分

> 王弟にして将軍たるギスカール公爵。
> このキャラが、非常に惜しいところまで行っている気がします。
> かなり優秀なキャラクターなのに、それでもナルサスの掌の上というのが痛い。

同感ですね。もともとダリューン・ナルサスの飛車角が強すぎて、アトロパテネの大惨敗でもハンデが足りなすぎるくらいですからね。
ルシタニア側は、まるでヤンがいない同盟状態ですし。


田中芳樹のあとがき風に言うなら、「スープはもとの材料の味が読めてしまうことがあるものの、ベースのダシの配合は悪くない。しかし具とスパイスの配分を間違えてしまった」という感じかと(笑)

board4 - No.2683

速水右近うざい

投稿者:すす
2002年09月08日(日) 17時37分

速水右近うざい

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board4 - No.2684

Re:せめてギスカールが…

投稿者:蜃気楼
2002年09月09日(月) 03時07分

 第一部5巻までをを要約すると。

 パルス軍はルシタニア軍との決戦に破れ、首都を占領される。 残存勢力は王太子アルスラ-ンを旗頭にペシャワール城に集結。
 しかし、すぐに首都奪還に向けて行動を起こすことは出来なかった。シンドゥラの内戦に干渉し、トゥラーンの侵略を退けるも、その直後王都を脱出した国王の手によりアルスラーンは追放、この時ダリューン、ナルサスと言う得がたい人材をパルス軍は失う。

 こう書くとなんでパルス軍が王都を奪還できるのか判りませんな。

 6巻:南方の街ギランを瞬く間に勢力下に収めたアルスラーンはギランの財力を用いて兵を挙げる。

 7巻:王都奪還、アルスラーン軍対ルシタニア軍による最終決戦のリアリティーのなさは特筆モノ。三方ヶ原で家康が信玄に勝つようなもの。

 6巻~7巻のアルスラーン軍って金で集めた烏合の衆だと思うのですが。作者は「勇将の下に弱卒なし」の一言で済ませているのでしょうか?

board4 - No.2685

銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:Ken
2002年09月09日(月) 05時34分

銀英伝の中では、銀河帝国はドイツ語、自由惑星同盟は英語を使用している、という設定がされているようです。もともと同じ国の国民だったのが、わずか300年程度で、なぜ別の言語を話すようになったのか不思議で、これはこれで一つのトピックになるかもしれませんが、それよりも作品の随所に、銀英伝の人物たちは、英語でもドイツ語でもなく、実は日本語を話しているとしか思えない部分が出てきます。

例えば、フリードリヒ4世の死を報じるオーベルシュタインが、敬語を使わなかったことで、諸将が驚く場面がありますが(黎明篇、第10章-2)、そもそも「敬語」などドイツ語に存在するのでしょうか?非常に疑わしい。

とはいえ、ドイツ語に関しては、こちらの知識も皆無で、自信を持っての発言はできないので、ここでは取り上げません。それよりも、「英語」を使っているはずの同盟人の会話に、英語では絶対言えない表現が現れます。銀英伝には、漢字に英・独語のルビをふった言葉が輩出し、作者の外国語好きがうかがわれますが、その割には作者の英語の知識は貧弱なのでは。

(その1)
「こいつはおどろいた。君はかなり過激な無政府主義者らしいな」
「ちがいます。私は菜食主義者です」
(雌伏篇、第5章-4)

「無政府主義者」と「菜食主義者」。どちらも「主義者」を含むのを利用して、ヤンがネグロポンティをからかったわけですが、それは日本語だからできることで、「anarchist」と「vegetarian」では、そんな言葉遊びもできないでしょう。

(その2)
「こんにちは、ヤンおじちゃま、フレデリカお姉ちゃま」
(飛翔篇、第2章-4)

ヤンを傷つけたこの言葉を、シャルロットは正確にはどう言ったのでしょう。彼女がヤンを「Uncle Yang」と呼んだのなら、すごく自然なことです。子供が大人に親しく呼びかけるとき、敬愛を込めて「Uncle」、「Aunt」と言うのはごくありふれた言い方だからです。しかし、その場合、相手の老若は関係ありません。シャルロットにとっては、ビュコックもヤンもユリアンも「Uncle」だし、ビュコック夫人もフレデリカもカリンも「Aunt」です。つまりヤンとフレデリカを、呼び方では「差別」できない。

もし、「ユリアンお兄ちゃま」や「フレデリカお姉ちゃま」を「Brother Julian」とか「Sister Frederica」と言えば、二人は修道僧か、もしくはアメリカの黒人になってしまいます。(しかも、その場合でも、年齢は関係ない)

(その3)
「いつが誕生日だ」
「十五月三十六日」
「せこいうそをつくな!悪あがきをしやがって」
(落日篇、第2章-1)

英語の「月」は、一月、二月、三月・・・というカウントアップではなく、January、February、March・・・と、それぞれ固有の名前がついています。だから、ポプランが「15番目の月」と言おうとすれば、新しい語を発明し(例:Trecember とか)、それが15番目の月のことだと、アッテンボローに説明する必要があります。

これまでに気づいたのは上の3点で、もし銀英伝が英訳されることがあれば、必ず翻訳者を苦しめます。

結論:ヤンもラインハルトも、ユリアンもオーベルシュタインも、みんな日本語を話していたのです。

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board4 - No.2686

Re:アルスラーン戦記ここがダメ

投稿者:KUR
2002年09月09日(月) 05時36分

> それが最悪に出たのが創竜伝で、「俺達は正義じゃない」と言葉だけでは相対化しているものの、実際は敵の思考程度は田中芳樹(竜堂兄弟)の考えている「正義のネガ」に過ぎず、やっていることと言えば水戸黄門ばりの勧善懲悪ですからね。もし、あれで敵役にもっと深刻な正義があれば、あそこまで薄っぺらにはならなかったでしょうに…

銀英伝の面白さは主人公が両陣営に配置されているってところですよね。
七都市やタイタニアも同様で、そのおかげで善悪二元論のドツボにはまっていない気がします。

創竜伝でも「魅力的な敵役」というのは当然田中氏は考えたと思います。
田中氏のストーリーテリングの能力は十分ですから、
逆に思いつかない方が不思議です。

それでもなお出てこないのは、ひょっとすると
「右翼で軍国主義者のかっこいい役を作りたくない」という感情や、
「ためしにセリフを吐かせてみたら説得力がありすぎてこりゃやばい。」
といった事情があったりするんじゃないかと愚考する次第です(^^;

しかし、アルスラーンの敵役に優秀なキャラがいないのは謎です。
敵が強くて身内に裏切り者がいたりするマヴァール年代記は
けっこう緊張感がありましたし、
アルスラーン戦記でも敵にナルサスに匹敵する軍師がいたほうが
面白くなるのは間違いないと思うんですが。

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