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投稿ログ150 (No.2687 - No.2706)

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board4 - No.2687

Re:銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:KUR
2002年09月09日(月) 05時45分

> これまでに気づいたのは上の3点で、もし銀英伝が英訳されることがあれば、必ず翻訳者を苦しめます。
>
> 結論:ヤンもラインハルトも、ユリアンもオーベルシュタインも、みんな日本語を話していたのです。

以前ネット上で、米国人ファンが翻訳した銀英伝の英語版を見たことがあります。
確か、二巻相当部分までしかなかったような気がするのですが、
「二〇代の将官」という部分を「二〇代で准将かそれ以上の階級の軍人」というように訳していたりとか、苦労の跡が見えました。
敬語とか呼びかけとかの意味をこめて訳すのは、確かに大変でしょうね。
特に、ラインハルトの一人称「私」と「予」と「俺」の使い分けは
非常に重要なので、翻訳者を死ぬほど苦しめると思われますな。

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board4 - No.2688

Re:せめてギスカールが…

投稿者:深草の少将
2002年09月09日(月) 06時16分

>  7巻:王都奪還、アルスラーン軍対ルシタニア軍による最終決戦のリアリティーのなさは特筆モノ。三方ヶ原で家康が信玄に勝つようなもの。

確かにあれもひどかった。2万5千かそこらの軍勢で10万の兵に勝っちゃうんだから。いくらルシタニア軍が弱いからってあれはやりすぎだろう。
まだしも追いつめられたギスカールなりヒルメスなりによってザッハークが解放されるという展開にしておけば、あそこまで物語が破綻しなかったと思うが……。
アル戦においては伏線の処理の仕方のまずさも目立つと思われ。

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board4 - No.2689

Re:銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:IK
2002年09月09日(月) 07時36分

Kenさん、こんにちは。ご指摘、非常に興味深く拝見しました。言われて見ればまったくおっしゃるとおりで、無政府主義者と菜食主義者の対比、お兄ちゃんとお姉ちゃんという言い回し、十五月という言い方などは確かに日本語でしか不可能で、どうして今まで読み流してきたか、衝撃を受けました(笑)。
田中芳樹さんの文章は構文的に英語的な感じがするなあと思っていたものですから、翻訳者は仕事がやりやすいだろうと考えていたのですが、このような落とし穴があったのですね。これは翻訳者を相当苦しめそうですね。特に、お兄ちゃん、お姉ちゃんなんか、頻繁に出てきますし、割と重要な部分ですから。
お姉ちゃんについては例えば「ジェーンお嬢様」というような時、年齢や独身・既婚に関係なく Miss Jane ということがあります(まあ既婚者対しては滅多に用例はないですが)。ですから、独身時代からの流れで、シャルロット・フィリスがフレデリカを Miss Frederica と呼ぶことは可能です。ただ、基本的には大時代的な言い方なので、なかなか考えにくいのですが。「ユリアンお兄ちゃん」なんかはちょっとどういう言い方をしたのか、思いつかないですね。
銀英伝の時代は一度、銀河連邦時代を経由していますので、ドイツ語がそのままの形で共通語として残っているとは考えにくいですね。帝国で用いられているのは、一部の単語や固有名詞がドイツ語風に装飾された英語ではないでしょうか。で、同盟で用いられているのはそうした装飾を排した英語なのでしょう。
その英語自体も現代の米語とは大きく違うものと考えられます。例えば中国語などとのフュージョンの過程で、シンタクスや単語の影響が多言語から侵入したのではないでしょうか。
例えば英語しか用いない中国人同士が身内で集まれば、どうしても英語で目上、目下を区別しなければならなくなりますね。その必要性の中から、「お兄ちゃん」などという言い方もうまれていったと推定できます。
英語が共通語となっていく過程でピジンと言って、単純化が現に進行していますし、これからも加速するでしょう。今後、「~主義者」はすべて -ist 、暦月の名前はすべて序数で呼ぶ(これは septemmber,october,november,decemberがあるのでなかなか厄介ですが)ということが考えられます。

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board4 - No.2690

Re:銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:吉良国 育生
2002年09月09日(月) 09時30分

> 例えば、フリードリヒ4世の死を報じるオーベルシュタインが、敬語を使わなかったことで、諸将が驚く場面がありますが(黎明篇、第10章-2)、そもそも「敬語」などドイツ語に存在するのでしょうか?非常に疑わしい。
>
> とはいえ、ドイツ語に関しては、こちらの知識も皆無で、自信を持っての発言はできないので、ここでは取り上げません。

 Ken様、敬語とは微妙に違うのですがそれに類似した物があります。
 英国海軍軍艦の事を一般にHMSと言います、これはHis(Her) Majestys Shipの略で、意訳すると「国王陛下(女王陛下)の船」という事になります。
 このように国王陛下の事を英語では、His Majesty the King(偉大なる王)と言い、ドイツ語ではEuer Majestat der Konigになります。
 欧州でも皇帝を呼び捨てた場合は、不敬に当りますので注意しましょう。

> (その3)
> 「いつが誕生日だ」
> 「十五月三十六日」
> 「せこいうそをつくな!悪あがきをしやがって」
> (落日篇、第2章-1)
>
> 英語の「月」は、一月、二月、三月・・・というカウントアップではなく、January、February、March・・・と、それぞれ固有の名前がついています。だから、ポプランが「15番目の月」と言おうとすれば、新しい語を発明し(例:Trecember とか)、それが15番目の月のことだと、アッテンボローに説明する必要があります。

 このようなギャグは欧米にもあります。
 英語の「月」は、そのほとんどが固有の単語ですが、九月以降はラテン語で七番目の月(九月)、八番目の月(十月)、九番目の月(十一月)、十番目の月(十二月)という意味になります。
 ラテン語は欧米の上級階級、知的階級に属する人々が知っておかなければならない知識の一つです(この辺は、戦前、日本の知的階級に漢語が普及していたのに似ています)、そして日本人には中々理解してもらえませんが、将校も知的階級に属します。
 十五月の場合は、ラテン語で「十三番目の月」と言えば通じます。
 もっもと、遥か未来までラテン語が生き残っているかは知りませんが(笑)。

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board4 - No.2691

Re:銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:八木あつし
2002年09月09日(月) 09時40分

> 銀英伝の中では、銀河帝国はドイツ語、自由惑星同盟は英語を使用している、という設定がされているようです。もともと同じ国の国民だったのが、わずか300年程度で、なぜ別の言語を話すようになったのか不思議で、これはこれで一つのトピックになるかもしれませんが、それよりも作品の随所に、銀英伝の人物たちは、英語でもドイツ語でもなく、実は日本語を話しているとしか思えない部分が出てきます。

Kenさん、どうも。
Kenさんの言われる銀英伝世界の言語は日本語というのはその通りだと思います。ある意味、未来まで残る日本語は偉大です。
ところで銀英伝の世界の言語について、帝国=ドイツ語・同盟=英語を使用しているという記述はありましたっけ?
私の記憶では、「ファイエル」と「ファイアー」と帝国人のドイツ風名しか思いつきませんでした。

むしろ外伝4巻で、ヤンと帝国軍捕虜の老人が帝国公用語と同盟公用語
を使い、会話をしたことが問題だと思いました。
この場面が出てきたが為に、本伝で帝国人と同盟人が会話したときの言葉は、何語でどのように話したのか? ヤンは帝国語が苦手なのに、ラインハルトとの会談ではどのように会話をしたのか…、など本伝随所に疑問符がつきました。
結局私は、帝国語も同盟語も連邦時代の公用語が、方言のように変わっただけで、根幹は同じなのだろうと自分を納得させましたが。
しかし本伝では、両国の公用語に関する会話は出てこなかったのに、外伝4でそれを強調してどうするんでしょう?
田中氏は、外伝4の公用語を使ったシーンを本伝への影響を何も考えずに書いたのかな~としか思えなかったです。(^^;;)

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board4 - No.2692

Re:銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:優馬
2002年09月09日(月) 12時41分

> 結局私は、帝国語も同盟語も連邦時代の公用語が、方言のように変わっただけで、根幹は同じなのだろうと自分を納得させましたが。

昔「母を訪ねて三千里」のマルコ君がイタリア人であるにも関わらず平気でアルゼンチン(スペイン語圏)を一人旅するのを不思議に思ったことがあります。機会があったので、ラテン系言語に詳しい方に尋ねてみたところ、フランス語、イタリア語、スペイン語どうしでは「お互いに自分の言語でしゃべれば、だいたい何を言っているかはわかる」ということでした。マルコはきっとイタリア語で押し通していたんですね。(アニメではえらく流ちょうに喋っていたような気がしますが)

帝国公用語も同盟公用語も根は同じ言葉なんでしょうから、お互いに「言っていることはわかる」状態なんでしょうね。

(で、お互いに言葉について悪口を言い合っているんです、きっと。
「帝国ことばの尊大で時代遅れなこと!」
「同盟のことばってなんて野卑で汚いのかしら」
このへん、英語と米語の関係に似ているのかも。)

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board4 - No.2693

Re:アルスラーン戦記ここがダメ

投稿者:蜃気楼
2002年09月09日(月) 12時46分

 アルスラーン戦記において敵側に有能な人材が居ない理由ですが、1人でも有能な敵が居たらパルスは滅亡していたからだと思います。そのくらい当時パルスのおかれていた状況は絶望的でした。

 創竜伝に関しては勧善懲悪をやりたかっただけかなと思います。相手にも正義があることを理解した上で創竜伝を書いても重苦しくて爽快感がないと思います。
 深みのある作品だけじゃなくて軽い作品があってもいいんじゃない?理性をうまくごまかして読むぶんには面白い作品ですよ。

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board4 - No.2694

Re:銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:Ken
2002年09月09日(月) 13時07分

皆様、

いろいろ勉強になるレスをいただき、ありがとうございます。

はじめに八木あつしさんの提議された問題についてですが、

>帝国=ドイツ語・同盟=英語を使用しているという記述
>はありましたっけ?私の記憶では、「ファイエル」と
>「ファイアー」と帝国人のドイツ風名しか思いつきませんでした。

アニメでは、帝国のドイツ語と同盟の英語が、はっきりと出てきますが、原作には、明確な記述はありません。ただ、「ファイエル」以外にも、

*アンネローゼがラインハルトへの手紙の末尾に「アウフ・ヴィーダーゼーン」といっている
*ラインハルトがヒルダを「フロイライン」と呼んでいる
*グリューネワルト伯爵夫人の「伯爵夫人」が「コンテス」ではなく「グラフィン」
*オーベルシュタインが「A」「B」を「アー」「ベー」と発音している
*黒色槍騎兵<シュワルツ・ランツェンレイター>
*疾風ウォルフ<ウォルフ・デア・シュトルム>
*禿鷹の城<ガイエスブルク>

等が、帝国がドイツ語を公用していることの証拠(?)だと思います。(はじめに書いたように、私のドイツ語知識はゼロなので、これらがどこまでドイツ語なのか、確信はできませんが・・・少なくとも英語でないことは分かります)

もちろん、IKさんが言われるように

>一部の単語や固有名詞がドイツ語風に装飾された英語

である可能性もあります。ただ、私の記憶が正しければ、「変異性劇症膠原病」になんだか馴染みのない、しかし英語でないのは確実な、ルビがふってあり(英語なら「variable ferminant collagen disease」)、こういう科学用語には、装飾は入らないはずなので、帝国の公用語はやはり英語とは違う何か、おそらくはドイツ語であるように思われます。

>欧州でも皇帝を呼び捨てた場合は、不敬に当りますので注意しましょう。

すると、オーベルシュタインは、「皇帝は後継者を定めぬまま死にました」と言ったのではなく、「フリードリヒは後継者を定めぬまま死にました」とでも、言ったのでしょうね。

それで思い出しましたが、故ダイアナ妃のことを英米の新聞が「ダイアナ」どころか、時には「ダイ(Di)」などと呼んでいましたが、あれは彼女が離婚して臣籍に戻ったからだったのでしょうか?

>十五月の場合は、ラテン語で「十三番目の月」と言えば通じます。

実は私もそう思って、最初の書き込みで「Trecember」などと例をあげてみました。私はラテン語は知りませんが、近縁関係にあるスペイン語で8は「Ocho」、9は「Noevo」、10は「Diaz」と英語の10月、11月、12月と関連しているので。スペイン語の13は「Tresse」です。

ポプランとアッテンボローのやり取りですが、私なら直訳でなく、多少アレンジして「翻訳」すると思います。

「いつが誕生日だ」
「十五月三十六日」
「せこいうそをつくな!悪あがきをしやがって」

"What is your birthday?"
"Trecember thirty six.”
"Tres...what do you say? What's that?”
"Trecember. Fifteenth month of a year.”
"Oh, stop it! Don't you see you're just making a fool of you?”

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board4 - No.2695

Re:アルスラーン戦記ここがダメ

投稿者:准提督
2002年09月09日(月) 13時24分

>  深みのある作品だけじゃなくて軽い作品があってもいいんじゃない?理性をうまくごまかして読むぶんには面白い作品ですよ。

という蜃気楼さまのご意見に同感です。実のところ、私はアルスラーンは高校時代に「ああ、よかった。めでたしめでたし」とすっきり読み終わってからほとんど読み返していませんでした(--;

情景描写とかはすごく良かったと思いますよ。エクバターナやらギランやらの繁栄は目に浮かぶように伝わってきましたから。

あくまで私個人の印象ですが、この作品は田中先生ご自身も軽いノリで描いていると思います。銀英伝のような重大なテーマもなく、単に勧善懲悪を基調に「アーサー王伝説のオマージュが書きたい」ってだけで、筆の進むままに書き連ねた、というところが真相ではないでしょうか。

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board4 - No.2696

Re:銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:Zero
2002年09月09日(月) 15時46分

ぼくも、他の掲示板でこの話題が出た際に考えたことがあります。
基本として、恐らく銀河連邦時には英語ベースの「公用語」が定着
していたのではないかと思います。
そして、今ある言語くらいはローカルで残っているのではないでしょうか?
帝国建国時に、いちローカル語(恐らくドイツ語ベース)が「帝国公用語」
として採用されたとか。


ちょっと個別に。
(その1)
実は「超訳」だったりして・・・(^^;
言葉遊びのできる我々の知らないやり取りがあったんですよ、きっと。

冗談はさておき、IKさんの「『~主義者』はすべて -ist 」辺りが
しっくりきますね。


(その2)
この辺りは、文面で「ヤン」に呼びかけてると分からせるために
「ヤンおじちゃま」と表記しているだけで、
本人は「おじちゃま(Mister or Uncle)」と呼びかけてるだけかも。
で、その呼びかけに「年取った」ニュアンスがないと分かっていつつ
自分の原語イメージ(中国?)で違和感を憶えたのかもしれません。
#そういえば中国的には老成化はマイナスイメージなのかな?
 プラスな気もする・・・

あ。もしや、ユリアンやフレデリカはファーストネームで、
自分は「名字」で呼ばれることに疎外感を感じたのかも!!
・・・違うか。おじちゃま、おねえちゃまになんの関係もないし。


>むしろ外伝4巻で、ヤンと帝国軍捕虜の老人が帝国公用語と同盟公用語
>を使い、会話をしたことが問題だと思いました。

読んでいない分際でご返答するのも気が引けるのですが、
「通訳がいた」可能性は皆無でしょうか?
スタートレックのような、「翻訳装置」とか無いのでしょうしね?


>>欧州でも皇帝を呼び捨てた場合は、不敬に当りますので注意しましょう。
>すると、オーベルシュタインは、「皇帝は後継者を定めぬまま死にました」と
>言ったのではなく、「フリードリヒは後継者を定めぬまま死にました」とでも、
>言ったのでしょうね。
オーベルシュタインは肯定に対して敬意を抱いてないのでそのままで良いのでは?
だからこそ、周りがおどろいたのですし。

ちなみに他国民に「不敬」って適用されるのでしょうかね?
「失礼」なので気を付ける、なら納得いくのですが。


敬語について気になったのは、キルヒアイスのラインハルトへの言葉遣い
の変化に「ラインハルトが気付かなかった」と記述があった所です。

呼び捨てが、「さま」付けになれば幾ら何でもわかるだろ?、と。
実際のやり取り的には、文面全体やニュアンスで敬語的表現が
有ったのだろうと、自分では落とし所を決めましたが。

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board4 - No.2697

Re:突然思いついた。 キルヒアイス反乱

投稿者:Zero
2002年09月09日(月) 16時26分

近親相姦はともかく、ヴェスターラント後のやり取りの件がありますからね。
「ラインハルトとキルヒアイスの正義が相反する」状況が
展開していった可能性は多分にあります。
アンネローゼの存在が隠し味になる要素は充分ですし。


結果はそれが発現せずにキルヒアイスが死んでしまったこともあり、
その「二人の意思の微妙なズレを修正するタイミングを永遠に逸した」
という後悔がその後のラインハルトのキルヒアイス評の全てになって
しまいましたが。
他の将帥やヒルダの「キルヒアイスが生きていれば」は常に帝国に
都合が良いシチュエーションに適用されるだけでしたし。

キルヒアイスが生き残った場合、その齟齬を修正できたのか、更に
拡大していったのかは興味が尽きませんね。
それこそラインハルトが望む「強い敵」になりえますし・・・

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board4 - No.2698

Re:アルスラーン戦記ここがダメ

投稿者:ビンス・マクマホン三世
2002年09月09日(月) 16時56分

ついでに言えば、アトロパテネの前後にパルス国内の
保守派や、穏健派の優秀な人材って皆殺しにされたとしか思えません。
奴隷解放なんて政策が内紛も起こらずに一気に進めれるとは思えないのですが。

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board4 - No.2699

Re:銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:IK
2002年09月09日(月) 22時32分

帝国におけるドイツ語表記といえば「三元帥の城」などもそうではないでしょうか。ちょっと調べるのが面倒なんですが、なんかいっぱいルビがついていたような気が。
それと前から思っていたのですが、「発射!」はファイエルではなくフォイエル、またはフォイアーではないでしょうかね。これも訛っているという可能性はもちろんあるのですが。
ロイエンタールが死んで、ミッターマイヤーが泣いているのをバイエルラインが目撃した時、「疾風ウォルフが泣いてるぜ…」と呟きますね。OVAではこの疾風ウォルフがドイツ語になっていたのです。いくらなんでも…と思いましたよ(笑)。英語ならまだしも、ドイツ語に堪能な日本人がそんなにいるんかいな(笑)。
英語とドイツ語というのは確かに同じゲルマン語に属するんですが、ロマンス語間のように疎通は簡単ではありません。それは英国がノルマン人の征服を受け、フランス語の影響を多大に浴びてしまったからなんですね。英語しか話さない英国人が普通のドイツ人の会話をそのまま理解できることはまずないのではないかと思います。
だから英語で話している国民に対していきなり今日からドイツ語を話しなさいというのはかなり無理があるんですね。というか殆ど不可能だと思いますが。ルドルフ大帝の強権を以ってしても、出来ますかねえ。支配者層でさえ最初はおそらく話せないんですから。
膠原病について言えば、カルテにはドイツ語で記載するという伝統がずっと続いている可能性があります(自分で言っていてかなり馬鹿馬鹿しい)。医師という特殊なギルドの秘められた符号として生き残っているのでは。あるいはドイツ語は生活語ではないにしろ、教養語として用いられている可能性もあります。帝国支配階級は民衆の前で、民衆に話を聞かれたくない時、ドイツ語を用いている(これはかなり妄想が入ってますね)ということも有り得ないことではないかと。

ところで銀英伝の英訳ってあるのでしょうか。ネット上でも構わないんですけど、あったら読んで見たいです。
田中芳樹さんは銀英伝をプロに英訳させてアメリカで売ればいいんですよ。あれだけの作品ですから、かなり売れるんじゃないでしょうか。そうすれば、新作を書かずとも、「らいとすたっふ」を食わせる経費くらいは充分捻出できるんじゃないでしょうか。「灼熱の竜騎兵」であんなセコい真似をしなくても。






> 皆様、
>
> いろいろ勉強になるレスをいただき、ありがとうございます。
>
> はじめに八木あつしさんの提議された問題についてですが、
>
> >帝国=ドイツ語・同盟=英語を使用しているという記述
> >はありましたっけ?私の記憶では、「ファイエル」と
> >「ファイアー」と帝国人のドイツ風名しか思いつきませんでした。
>
> アニメでは、帝国のドイツ語と同盟の英語が、はっきりと出てきますが、原作には、明確な記述はありません。ただ、「ファイエル」以外にも、
>
> *アンネローゼがラインハルトへの手紙の末尾に「アウフ・ヴィーダーゼーン」といっている
> *ラインハルトがヒルダを「フロイライン」と呼んでいる
> *グリューネワルト伯爵夫人の「伯爵夫人」が「コンテス」ではなく「グラフィン」
> *オーベルシュタインが「A」「B」を「アー」「ベー」と発音している
> *黒色槍騎兵<シュワルツ・ランツェンレイター>
> *疾風ウォルフ<ウォルフ・デア・シュトルム>
> *禿鷹の城<ガイエスブルク>
>
> 等が、帝国がドイツ語を公用していることの証拠(?)だと思います。(はじめに書いたように、私のドイツ語知識はゼロなので、これらがどこまでドイツ語なのか、確信はできませんが・・・少なくとも英語でないことは分かります)
>
> もちろん、IKさんが言われるように
>
> >一部の単語や固有名詞がドイツ語風に装飾された英語
>
> である可能性もあります。ただ、私の記憶が正しければ、「変異性劇症膠原病」になんだか馴染みのない、しかし英語でないのは確実な、ルビがふってあり(英語なら「variable ferminant collagen disease」)、こういう科学用語には、装飾は入らないはずなので、帝国の公用語はやはり英語とは違う何か、おそらくはドイツ語であるように思われます。
>
> >欧州でも皇帝を呼び捨てた場合は、不敬に当りますので注意しましょう。
>
> すると、オーベルシュタインは、「皇帝は後継者を定めぬまま死にました」と言ったのではなく、「フリードリヒは後継者を定めぬまま死にました」とでも、言ったのでしょうね。
>
> それで思い出しましたが、故ダイアナ妃のことを英米の新聞が「ダイアナ」どころか、時には「ダイ(Di)」などと呼んでいましたが、あれは彼女が離婚して臣籍に戻ったからだったのでしょうか?
>
> >十五月の場合は、ラテン語で「十三番目の月」と言えば通じます。
>
> 実は私もそう思って、最初の書き込みで「Trecember」などと例をあげてみました。私はラテン語は知りませんが、近縁関係にあるスペイン語で8は「Ocho」、9は「Noevo」、10は「Diaz」と英語の10月、11月、12月と関連しているので。スペイン語の13は「Tresse」です。
>
> ポプランとアッテンボローのやり取りですが、私なら直訳でなく、多少アレンジして「翻訳」すると思います。
>
> 「いつが誕生日だ」
> 「十五月三十六日」
> 「せこいうそをつくな!悪あがきをしやがって」
>
> "What is your birthday?"
> "Trecember thirty six.”
> "Tres...what do you say? What's that?”
> "Trecember. Fifteenth month of a year.”
> "Oh, stop it! Don't you see you're just making a fool of you?”
>

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board4 - No.2700

Re:銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:IK
2002年09月09日(月) 22時34分

あ、すいません。前の文章、おかしくなってしまいました。
削除ってどうやれば出来るのでしょうか。

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board4 - No.2701

Re:銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:Ken
2002年09月10日(火) 01時04分

>「三元帥の城」

「ドライグロスアドミラルスブルク」でしたね。英語の「fleet admiral」をドイツ語で「グロスアドミラル」というのか・・・と思ったことがあります。

>ところで銀英伝の英訳ってあるのでしょうか。ネット上でも構わないんですけど

KURさんが紹介された英訳ですが、

ttp://www.ocf.berkeley.edu/~mac/translate.html

で、読むことができます。ただし、翻訳のレベルはあまり高いとはいえません。(どうも、間に中国語を挟んでの重訳のようです。)「敬語」を省いたオーベルシュタインの言葉ですが、

(原文)
「皇帝は後継者を定めぬまま死にました」
公然と敬語をはぶいたその言いかたに、ラインハルトとキルヒアイスをのぞく他の諸将が一瞬、愕然と息を呑んだ。

(英訳)
"The emperor had died without appointing a successor."
Under all these watchful eyes he had publicly omitted the respectful title; other than Reinhard and Kircheis, all the other admirals were amazed by his audacity.

いったい、どういう「respectful title」を省いたのでしょうね?

>「発射!」はファイエルではなくフォイエル、またはフォイアー

「fire」を翻訳ソフトにかけると「feuer」と出ました。「Reuenthal」が「ロイエンタール」なのだから、たしかに「フォイアー」の方がそれらしいですね。

>OVAではこの疾風ウォルフがドイツ語になっていたのです。

私は、原作を読む前にアニメを見たので、この部分はなんと言っているのか、分かりませんでした。:-)

>英語で話している国民に対していきなり今日からドイツ語を話しなさいというのはかなり無理がある

私は、台湾のことを思い出しました。台湾人はもともと台湾語しか使えなかったのが、日本の統治下では日本語が強制され、皆日本語が完璧にできたそうです。戦後の国民政府の支配下では北京語が強制され、今度は全国民が北京語をマスターしたことも聞きました。政府の強権をもってすれば、こういうこともできるのだと・・・。(ただし、台湾語が忘れられたわけではありませんが)

>支配階級は民衆の前で、民衆に話を聞かれたくない時、ドイツ語を用いている

そういえば、ロシア帝国の貴族は、日常フランス語を用いていた、と聞いたことがあります。また徳川幕府の旗本が使った「山の手言葉」も、本来の関東弁とはまったく別系統で、明らかに当時の京都弁をベースにしていますね。関東の庶民は、旗本同士の話が理解できなかったのでは。

>銀英伝をプロに英訳させてアメリカで売ればいいんですよ。

私は、銀英伝はアメリカでは商品化できないだろう、と現時点では考えています。理由を詳細に述べると、非常に長くなりますが、要点をいうと、

1.ラインハルト陣営の風俗・習慣・用語が、ナチスを連想させる
2.帝国はともかく、同盟まで人種的にかたよりがある
3.地球教とキリスト教の類似点

となります。

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board4 - No.2702

Re:銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:吉良国 育生
2002年09月10日(火) 02時13分

> ちなみに他国民に「不敬」って適用されるのでしょうかね?
> 「失礼」なので気を付ける、なら納得いくのですが。

 ご指摘有難うございます、仰るとうり不敬は少し違いますね、礼儀知らずあたりの方が適切でしょうか。
 ちなみに戦前の日本のように不敬罪という形で法整備されている場合は、たとえ外国人でもその国で何かやらかした時は捕まります(今の欧州に不敬罪を採用している国があるかは知りませんが)。

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board4 - No.2703

Re:銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:IK
2002年09月10日(火) 02時20分

ある人が対談で言ってたんですが(誰だったかなあ)、その人が昭和史に関するアメリカでの講演に参加した時のことです(まだ昭和天皇存命の時ですね)。
アメリカ人がしきりに Hirohito と呼び捨てするのをむっとしてその人は自分の番の時、His majesty と言ったそうです。そうしたら次のアメリカ人の講演者たちは一様に His majesty と言い出したそうです(笑)。
ビートルズのホワイトアルバムだったかなあ、Her majesty うんぬんという曲があって、私、最初、「彼女の威厳? 意味わかんねえなあ」と思っていました。女王陛下という意味だったんですね。だから多分、オーベルシュタインの台詞を敬意を込めて表すのだとしたら、
His majesty has gone without leaving the successor.
とでもなるのだと思います。die という表現は直接的すぎてちょっと敬意に欠けると思われるかも知れませんね。

台湾の人たちは生き延びるために確かに言語能力を鍛えてきました。しかし日本語や北京語は、それを強要した支配者たちにとっては日常語だった訳です。銀河連邦から銀河帝国へと移行した時、ドイツ語を日常語とする人がどれだけいたでしょうか。
エスペラントが普及しないのも、それを日常語にする人がいないからではないでしょうか。
だいたいルドルフはなんでドイツ語を話せたんでしょうかね。

board4 - No.2704

田中先生語るところの

投稿者:さちぼん
2002年09月10日(火) 05時34分

田中先生が対談集や雑文などで、何度か「中国物を安易なビジネス書として書くのはダメダメ」と言っているのを見かけましたが、これって宮城谷昌光先生のことを指してんでしょうか。中国系の小説を乱読してみて思ったんですが。

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board4 - No.2705

Re:銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:吉良国 育生
2002年09月10日(火) 05時52分

> 「ドライグロスアドミラルスブルク」でしたね。英語の「fleet admiral」をドイツ語で「グロスアドミラル」というのか・・・と思ったことがあります。

 Grossadmiralは海軍元帥であってます。
 でもこの手のSFに出てくる軍隊は何で海軍の影響を受けているんでしょうか、普通に考えれば空軍の流れになりそうなんですが、不思議です。

> >「発射!」はファイエルではなくフォイエル、またはフォイアー
>
> 「fire」を翻訳ソフトにかけると「feuer」と出ました。「Reuenthal」が「ロイエンタール」なのだから、たしかに「フォイアー」の方がそれらしいですね。

 銀英伝の「ファイエル」は、「フォイヤーだと誤植と間違われるかもしれないのでドイツ語ぽい言葉を作った」と以前、田中先生はどこかのインタビューで答えていたと記憶しています。
 余談ですが、従来ドイツ語の「er」は「エル」と発音します、Feuer(フォイエル)Panther(パンテル)Tiger(ティーゲル)などです、しかしアメリカ文化の影響からここ数十年の間に、フォイヤー、パンター、ティーガー等、英語風の発音に変わりました。

 既にIK様が述べていますが、臣下の者が公の場でEmperorという言葉を使うのは適切ではありません。
 あとマスコミですが、故ダイアナ妃だけではなくチャールズ皇太子も呼び捨てにする事があります(女王を呼び捨てている物は見た事がありませんが、おそらく有ると思います)。
 ただ米国のマスメディアの方が遠慮がなく、英国のマスメディアはまだ気を使っています、特に大手は名前のみの記事をのせる事は滅多に有りません(でもこないだBBCもダイアナ妃を呼び捨てにしていたな・・・)。
 この辺がどうゆう感覚なのか、はっきりした事は分かりませんが、失礼な事なのは間違いないでしょう。
 ダイアナ妃について言えば離婚して王室を離れても、もともと伯爵令嬢ですのでLadyDianaと書いた方が良いでしょう。

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board4 - No.2706

Re:銀英伝は「日本語の世界」

投稿者:Ken
2002年09月10日(火) 06時20分

オーベルシュタインが省いた「敬語」についてですが、こういう解釈はどうでしょう?

戦中・戦後に活躍した英国人作家C.S.ルイスの児童文学に、「The Chronicle of Narnia」という作品があります。Narniaという架空の国の年代記です。この物語にCalormenという「悪の帝国」が登場し、帝王の名前をTisrocといいますが、Calormenの民はTisrocの名を唱えるとき、文脈に関係なく、必ず「may he live forever」と付け加えねばなりません。例えば、

“But in the same year in which the Tisroc (may he live forever) began his august and beneficent reign,...

といった具合に。
自由の民Narnia人がこの「may he live forever」を省くと、Calormen人はショックを受けます。もしかすると、ゴールデンバウム朝銀河帝国にも似たような習慣があり、オーベルシュタインはそれを省いたのかもしれませんね。

帝国におけるドイツ語の普及についてですが、ロシアの事例と台湾の事例が合わさった、という解釈はどうでしょう?

つまり、ロシア貴族がフランス語を使ったように、最初は門閥貴族がドイツ語を使い始めた。理由は、IKさんが書いておられるように、民衆に話を聞かせないためです。しかし、それでは貴族たちは仲間内の言語(ドイツ語)と民衆に命令する言語(英語)の双方を習得せねばならない。帝国創業期の貴族たちならともかく、怠惰に流れた後継者たちには、この負担は耐えられなかった。そこで、自分たちの言葉を民衆に強制して覚えさせたのだと・・・

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