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- board4 - No.2620
銀英伝を撃つ!
- 投稿者:深草の少将
- 2002年09月01日(日) 13時57分
その1.広大な銀河系に帝国と同盟の2つの政体しか存在しないこと (フェザーンは帝国の自治領なのでここでは省く)。
その2.帝国の人名がなぜか古めかしいドイツ名ばかり。
その3.宇宙空間に「回廊」が存在すること。
その4.地上の歩兵戦とまったく変わらない宇宙空間での艦隊戦。
よく考えてみりゃ、銀英伝ていうのはトンでもなくチープな設定に満ち満ちてないか、オイ?
ま、もっとも仮にもスペースオペラにここまで乱暴な設定を持ち込んだことは、ある意味「功績」といえないこともないわな。
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- board4 - No.2621
Re:救国軍事会議を考える
- 投稿者:イッチー
- 2002年09月01日(日) 14時51分
> このように政府や民衆との不協和音のすえ起こるクーデターも少なくありません(大概は失敗しますが)、ただ不思議なのはトリューニヒトが軍人に人気の高い人物だと言うことです、このような人物が政権のトップにつく時は、このタイプのクーデターは起きないはずなんですが、謎です。
私もその点が謎なんです。トリューニヒトは軍隊内に絶対的な支持基盤を持っていたはずなんですが・・・。もしかしたら、救国軍事会議は軍隊内のトリューニヒト派とヤンやビュコックといった良識派を除いたごく少数派によるクーデターなのかもしれません。それなら容易に倒されそうなことは自分たちで判断できそうですが・・・。
>
> ジェシカのようなアレな人物を除き、同盟の民衆は帝国に対しての危機感を心に根付かせているはずです、ですので経済が悪化しても民主政権の場合ある一定の支持を無条件に得ることができるのに対して、軍事政権の場合、民衆の支持を得るには政治力が必要になります、時として感情で動く民衆を理で持って説き伏せるのは正直難しいと思います(ここは狸親父のシトレ閣下に頑張ってもらうしかないでね)。
> ただ、軍事政権にも利点はあります、それは、ラグナロック作戦発動の直接の引き金となった皇帝亡命事件です。
> 正直トリューニヒトが何を考えて皇帝を受け入れたのか分かりませんが、民主政権としては亡命者を無下に放り出すことは出来ません。
> これが軍事政権なら、有無を言わさず捕まえて、帝国たたき返すことが出来ますし、これを契機に帝国と何らかの政治的な取引ができるかもしれません、おそらく帝国との全面対決を避けるための最初にして最後のチャンスになるでしょう、ここは決死の覚悟で交渉に臨んでいただきたいものです。
同盟国民はどうも強いものに媚びる性質があるようなので、救国軍事会議の政権基盤がしっかりしていることがわかれば、国民は順応するでしょう。
救国軍事会議の最大の長所はやはり、反トリューニヒトということでしょう。トリューニヒトはおそらく地球教にかくまわれているときに、同盟を滅ぼしてラインハルトに宇宙を統一させるというフェザーンの意図を知らされ、トリューニヒトはそれに乗ったと思われます。クーデターが成功すれば、トリューニヒトは表に出てくることはなく、同盟政府はエルウィン・ヨーゼフ2世亡命にも断固とした態度をとるでしょう。それにヤンが救国軍事会議に参加すれば、ヤンの進言が即国防政策に反映されるので、効率的な対帝国の防衛政策をとることが出来ます。
ただし、懸念されるのが、地球教が密かにトリューニヒトを帝国に逃亡させて、自由惑星同盟正統政府を樹立させ、ラインハルトがトリューニヒトを擁して同盟領に侵攻してくるのではないかということです。
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- board4 - No.2622
Re:怒りはしませんよ
- 投稿者:不沈戦艦
- 2002年09月01日(日) 17時14分
> IK様、蜃気楼様まだまだお付き合いくださいまして有難うございます。
> まずIK様、私は武力を持つからこそ戦争が起こると思うのです。
> また自陣が武装しておいて、戦争を止めようというよりもまず自陣が
> 武装を放棄し、お互いに歩みより、話し合いをしようと呼びかけるほうが説得力、大義名分ともに高いと考えているからです。
> 今気づいたのですが、銀英伝から話がずれてきてしまってますね。
> 浮沈戦艦様に怒れたらどうしよう…。
>
> > 降伏した結果国民が大虐殺されたらどうするのですか?帝国は100万人もの市民を核兵器で焼き殺したり、政治的な目的のためにあえてそれを阻止しないような国家ですよ?ついでに言えば建国時には粛清に次ぐ粛清で総人口は大幅に減少していますし、今でも共和主義者は政治犯として過酷な強制労働をさせられているはずです。
>
> この論旨をよく聞きます。現実の例では日本の自衛隊の話で、
> 自衛隊に反対したら朝鮮が責めてきたらどうするとよく言われます。
> でもまずなぜ対立しているか、これは思想、信条の違いからでしょう?
> 思想、信条は命をかけてまで守るべきものなのですか?
> 私はどうしてもそうは思えません。思想とは人間の生き方、つまりは
> どのようにすれば自分が(そして皆が)幸福になれるかというためにこそあるべきだと考えています。私は戦争をする前に、なぜぶつかるかを
> 徹底的に話し合い、そして武力の行使にまでいたらないうちにお互いを理解するべきだと申しているのです。
>
> > ジェシカとその支持者たちは「降伏してもいい」なんて一言もいってなかったはずです。それにも関わらず「反戦」を唱えるから批判されるのです。そもそも貴方の発言は同盟の存在意義を根本から否定するものであり同盟市民からの支持は得られないと思います。
> >
> うーん、ここに関しては反論できません。実際の同盟市民の考えがわからないので。ちなみに同盟の存在意義とはなんですか?民主的な政治体制を確立することでしょう?(ち、違っていたらすいません)ではそれこそ国という形式にとらわれなくても、と思うのですが。いや、はじめのルドルフの独裁政治に対する抵抗は必要だったと思います。
> しかしあのころの情勢では帝国にラインハルトという開明的な独裁者が現れ始めているので、戦争という手段以外にも方法はあると思うのですがね。
>
> 「話し合いで何でも解決できる」という幻想を捨てることは話し合いでは解決できないと思ってしまうことではありません。(これは別の幻想をもつことです)
> > 話し合いで解決できないこともあるというまっとうな認識を持つことです。
>
> 持っていますよ。ただし、話し合いではどうにもならないとあきらめるのは本当の最終手段にするべきであるといっているのです。知った風に話し合いでは解決できないなんて言って、話し合いで解決する努力を放棄する事は私はしたくないといっているのです。
南京の件は、話の流れからも明らかにこの掲示板には関係なかったですから、「止めるべき」と言ったまでで、この件はそうでもないでしょう。
ところで、「全宇宙を我が手に」と「自分を守って死んだ親友との誓い」などという個人的事情によって思い詰めた、「戦争して勝ちたい病」に罹患している、ラインハルト・フォン・ローエングラムという独裁者相手に、果たして「話し合い」が通じるものでしょうか?で、それって、「同盟が武力を持っているから」戦争が起こるんだ、と思います?同盟が武力を持っていようと持っていまいと、ラインハルト・フォン・ローエングラムは同盟に侵攻しますよ。征服されておしまい、というだけで、「話し合い」なんか発生しようがありません。この手の独裁者には、相手の言うことを聞く耳なんかないんですから。
征服されたくなければ、武力をもって抵抗するしかなく、相手が「力」しか理解しないのでは、それもやむを得ません。10巻の最後の戦闘(ユリアンたちに、ブリュンヒルトに突入されたところ)でも、「余のところまで来られないような相手なら、話を聞いてやる必要もない」とまで言い放っていたのがラインハルトです。「力」しか理解しない戦争狂、としか言いようがありませんよ。
また、いかに開明的な独裁者だと言っても、「民主共和制」を信じている者にとっては、そんなもの受け入れられる筈はないじゃありませんか。それだったら、そもそもアルタイルの奴隷たちが、命がけで逃げ出して同盟を建国する必要など、最初からなかった筈です。ゴールデンバウム王朝にだって、開明的な君主が全く居なかった訳でもないんですから。主義主張が正面衝突してお互い譲れない場合、嫌でも戦いになりますよ。こればかりは、どうしようもないですね。パレスチナなどを見ての通りです。
- 親記事No.2514スレッドの返信投稿
- board4 - No.2623
Re:八月の新装刊
- 投稿者:不沈戦艦
- 2002年09月01日(日) 17時26分
> > どうも、こちらへの書き込みはお久しぶりです。
> >
> > 「野望円舞曲」の新刊読んだんですけど、どうも違和感強かったですね。ベアトリーチェが、「ファルネーゼ家を保険金支払いで破産させる為に『宙狭』を崩壊させ、何十億人も殺そうとする敵」に愕然とするところが。
> >
> > 「おいおい。アンタの主人は前巻のラストで、『父親を打倒する為の資金を株の空売りで手に入れる為、経済的大混乱を起こして多くの人間を路頭に迷わせたり自殺させたりしたんじゃなかったのかよ。自分の利益の為に、とんでもない迷惑(しかも他人の命に関わるような)を平気で行うところは、その敵とアンタの主人と、一体どこが違う」
> >
> > と、思わずツッコミを入れたくなったっす。
>
> どうも不沈戦艦さま。八木といいます。
> そういった頭の切り替えは女性によくあることなんですかね~。自分は少しの犠牲しか出さなかったのに、向こうはその何十倍というのは酷い!といったところですか。荻野目さんは、田中氏よりも女性の心理描写は上手なのでしょう。(笑)
>
「身勝手過ぎるがな」と思いました(わははは)。どう贔屓目に見たところで、「同じ穴の狢」ですもん。しかし、ストーリーの展開自体も、この作品よく分かりませんね。あんまり主人公のはずの主従が目立たず、存在感がありませんし。「こんなところで外伝出すか」とは思いましたけど、最初からボスポラス工作員の二人を主人公にした方が、良かったんじゃないでしょうか。
それと、エレオノーラは余計な野望に邁進するんじゃなくて(どうせ存在感ないですし)、せっかく莫大な財産を手に入れたんだから、それを持ってボスポラスにでも亡命し(あの世界では、一番安全そうですからね)、安楽に暮らした方がいいんじゃないの、と思ったです。元手はたんまりとあるんですから、事業を始めてもいいでしょうし。
> ところで、徳間デュアルから再刊した地球儀Ⅰはともかく、灼熱の竜騎兵を皆さんは買っているのでしょうか?
> 私は、田中芳樹のサインプレゼントに出したいので、一応買いました。(笑) まだパラパラと目を通しただけですが、早く読んで文庫版と比較してみないと。
「灼熱の竜騎兵」は、前のものは読んでいないので、せっかくですから買ってみました。買ったばかりなので、これから読むようですけど。
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- board4 - No.2624
Re:救国軍事会議を考える
- 投稿者:八木あつし
- 2002年09月01日(日) 18時38分
吉良国 育生さん、イッチーさん、どうも。
お二人のご意見をじっくり読ませていただきました。お二人の意見を踏まえた上で私も考えてみたいと思います。
吉良国さんは、クーデターが成功しても797年の同盟の国内状況では帝国内戦に介入するのは無理。またどんな体制でも経済をすぐに建て直せず国民の不満が後で爆発するのでは、と述べています。私は、吉良国さんが言われるように、経済再建はすぐには難しいと思います。ただし帝国内戦への介入は可能ではないでしょうか?
前回のレスで私は、イッチーさんの方針で救国軍事会議がクーデターを起こした場合、グリーンヒル議長ではなくシトレ議長で臨めば、ヤンとビュコックの協力を取り付けて成功するのでは……、と考えました。とりあえず、その仮定で成功したとさせてもらいます。
ヤンが自分の信念に折り合いを付ければ、短期間でクーデターが成功し、同盟救国政権が誕生します。4月13日から始まった反乱劇も、末日までには収まるでしょう。そうなれば、5月からは軍事行動を起こせます。
5月になった時点の帝国の内戦状況は、貴族連合軍のシュターデン艦隊が敗れ、レンテンベルク要塞が陥落したあたりです。しかしこの時点では、貴族連合軍はラインハルト軍以上の艦艇数を有しています。つまりまだ互角に戦えるますし、新たなファクターが生じればラインハルト打倒も十分に可能です。
たいする同盟はアムリッツアの敗戦の痛手からまだ立ち直れず、正規艦隊も第1・11・ヤンの3個艦隊しかありません。また後方能力も弱まっています。これでは本格的に介入して、どちらかの勢力を手助けするのは戦力的少なすぎ不可能でしょう。しかし手は1つあります。
イゼルローン防衛に第11艦隊を回し、ヤン艦隊を帝国領内に侵入させゲリラ戦を行うという作戦が取れると考えれます。帝国の内戦勃発で、イゼルローン方面の警備はがら空き状態です。簡単に侵入できるでしょう。そして、ヤン艦隊は帝国の辺境領を中心に荒らし回ります。そして帝都オーディンに一気に進撃が出来るのだと、常に示威行為を行い続けるのです。
イゼルローン方面の辺境は、ラインハルト側の領域ではないかと推測できます。ラインハルトは、帝国軍最高司令官として辺境を荒らすヤン艦隊は放置できません。また実際にヤンはポーズだけで帝都には攻めてこないだろうと、ラインハルトが読み切っても、帝都の宇宙戦力はゼロなのですから、放置するのはあまりにも危険です。しかしヤン艦隊相手に同数の1個艦隊を派遣しても、追い払うどころか逆に敗れかねません。となると辺境方面軍のキルヒアイス艦隊3万を派遣するか、本隊から双璧の二人を向かわせるしかありません。元々ラインハルト軍は、貴族連合軍よりも兵力が少ないので戦いはかなり窮屈になるでしょう。ヤン艦隊は、帝国軍が来ればイゼルローンに逃げ込み、帝国軍が去ればまた出撃します。これを繰り返せば、かなり帝国軍を消耗させますし、兵站も短くて済みます。もし帝国軍が強引に突入すれば、第11艦隊と挟撃も出来るでしょう。
これにより帝国内戦をとにかく長引かせ、その間にシトレ議長の救国政府が国内の再建を急ぎます。後は、貴族連合軍の勝利か、両者共倒れを気長に待ちます。貴族連合ならフェザーン侵攻はまずないので、イゼルローンにヤン艦隊があるかぎり、同盟は国内再建に力を向けられるでしょう。またラインハルト軍が貴族連合軍を打ち破ったとしても、史実以上の損害を被るので、戦力回復にかなりの時間が掛かるはずです。また、この仮定ではキルヒアイス死亡の確率も減るので、赤毛が生き残れば金髪をなだめて、平和共存の可能性もあるかも…。何にせよ同盟は時間が稼げるので、その間にヤンの進言でフェザーン方面の防衛強化に励めます。
私は、早急に軍事クーデターを成功させ、帝国内戦に介入しなければ、最終的には帝国軍のラグナロック作戦が起こると思います。ラインハルトは戦争の申し子です。皇帝亡命事件が失敗しても、銀河の統一を旗印に最後は同盟に侵攻するではないでしょうか。キルヒアイスが死んだ時点で、私は同盟と帝国(ラインハルト)の共存は不可能だと思います。
最後に我らがヨブ・トリューニヒト氏です。彼は帝国に亡命するでしょうか? ラインハルトがまず拒否しそうですし、トリューニヒトの同盟正統政府を担ぐくらいなら、ラインハルトは銀河の統一を旗印に担ぐでしょう。また同盟正統政府を立ち上げるにも、閣僚の政治家はさすがに付いていかないと思います。むしろトリューニヒトは、将来の民政移管を考え、色々と裏で策謀をしそうな気がします。民政移管選挙のとき、フェザーン・反戦派・主戦派・軍部派を巻き込んで何かアクションを起こすのでは? そこにジェシカ議員の反軍キャンペーンも絡み・・・。例えが悪いですが、現在のパキスタン情勢みたいな感じですかね。
あー、長かった。以上で思考実験を終わります。
- 親記事No.2532スレッドの返信投稿
- board4 - No.2625
Re:怒りはしませんよ
- 投稿者:IK
- 2002年09月02日(月) 00時48分
ケスラセラさん、不沈空母さん、こんにちは。
まずこの掲示板に適当な話題について。
南京の問題は確かに脇にそれすぎていたように思いましたね。右翼も左翼もあれほど懸命に手を尽くして自説の正当性を証明しようとしているのに定説が形成されていないものが、ここで議論したからと言って出来るとも思いませんし。
ただ、不沈空母さんもおそらく容認なさっているように、田中作品から受けた思想を発展して語るのは許容範囲だと思います。
単純な作品論だけをしていたらこの掲示板ももう四代目ですし、ネタも尽きようというものです(笑)。もっともこの辺は最終的には管理人さんの判断に委ねることになりますが。
ここからはケスラセラさんに。
先日はレス、ありがとうございました。
それで合点がいったかというと、うーん、残念ながらそうは言えません。これについては私は蜃気楼さんと考えが近いようです。ケスラセラさんのおっしゃることに頷ければいいのですが、とは申し上げておきましょう。自慢めいて聞こえるかも知れませんが、そうなるには私は少しばかり知り過ぎているようです。
敢えて解説は申し上げませんが、国際関係において被害者は悪、という見解について考えて見てください。
ただし、常に理性でもって和平の道を探る用意をしておくのは重要なことです。戦争に至った時点で政治は挫折したことをしっかりと自覚しておくべきでしょう。
日中戦争の最中、近衛文麿首相が出した「蒋介石を相手にせず」という宣言などはもってのほかです。
中公文庫にロバート・ケネディ著の「13日間」という本が収められています。キューバ危機において米ソ両首脳がいかに理性を働かせて巨大な戦争へと突き進もうとする運動を食い止めたかという記録です。よろしければ、ケスラセラさん、蜃気楼さん、不沈空母さんのご一読をお勧めします。
- 親記事No.2595スレッドの返信投稿
- board4 - No.2626
Re:辺境概念問題
- 投稿者:准提督
- 2002年09月02日(月) 00時55分
> だから同盟軍にしたって、たとえ首都を占領されてもどこかの辺境に逃れてそこで反帝国分子を糾合してゲリラ戦を展開すれば10年や20年はもちだろうしそういう戦略も当然考えられてしかるべきだということをオレは言ってるんだ。
つまり「第二の同盟」建設計画ですね。末期とはいえ同盟政府・軍の組織的な計画・実行ならば議論の余地はあるでしょう。逆に言うなら、単純な宇宙海賊やら反政府ゲリラの割拠の余地はないことをご理解頂けたようで何よりです。
> 宇宙空間でゲリラ戦ができるのかっていうところは議論が分かれると思うけど、小惑星地帯とか気象条件の厳しい惑星とかに引きずり込めばオレは十分可能だと思う。
> ゲリラ戦ならば兵器も安上がりですむし、駆逐艦程度が相手なら民間の商戦を改造したものでも十分戦えると思う。
> 大型の戦艦や空母なんて小惑星帯でのゲリラ戦じゃ返って無用の長物だと思う。
さて、では「第二の同盟」計画(名前は別にデラフリでもダンケルクでも箱舟でもいいですが)を考察して見ましょう。
これを実施するに当たってまず考える必要があるのは、同盟政府・軍が同盟国民を「見捨てて」自分達だけで辺境の秘密基地に逃げ込んだ、という行為の政治的正当性です。同盟国民はあまり良い感情を持たないでしょう。それに同盟を制圧した帝国は当然「奴らは諸君を裏切って逃げた卑怯者だ」と宣伝するでしょう。従って、同盟国民の今後の有形・無形の協力を得るためにはかなりの逆宣伝の努力が必要でしょう。亡命フランスを率いたドゴール並のパワフルな指導者兼アジテーターが必要ですね。
次に場所。これは同盟側の辺境でよろしいですね。同盟側から銀河の逆方向(帝国のいない方)に向かっていくと。根拠地建設に関する問題は取りあえず解決できるでしょう。国家プロジェクトとして予算・人員・資材は合法的かつ隠密に調達できますから。
建設期間は遅くとも帝国軍が再侵攻してくる(正史でいう7巻:マル・アデッタ)あたりまで。これより遅くなると、同盟本土を制圧した帝国軍が建設途上の基地に攻めこんできますから。
ゲリラ戦実施に当たっては、どうやって小惑星や不安定星域に引きずり込むか、ですね。もし私が帝国軍の追討部隊指揮官なら、秘密基地周辺に防衛ラインを敷いて、そこに押しこめたまま、あとは相手にしませんよ。引きずり込まれて犠牲をだすくらいなら、自滅を待ちます。
さて、秘密基地を建設し、そこに逃げ込んで抵抗の姿勢をとることは出来る、と私は考察して見ました。問題は、そこで割拠したあとどうなるか、です。
私は遅かれ早かれ滅亡するだけだ、と考えます。
> 資金の援助なら旧同盟やフェザーン内の有志から援助を受ければいいわけだし(アルカイダだって世界中のイスラムネットワークから援助を受けていた)。
> 人員の補充ならこれも旧同盟内から義勇兵を募ればいい。帝国の専制政治と戦うという大義名分があれば兵士も集まりやすいだろう。
> そもそも帝国軍がいくら強大だといってもせいぜい2000万か3000万程度だろ。その程度の軍隊がいくら警備を強化したといったところで、旧同盟とフェザーン合わせて150億もの人間が住む巨大な宇宙国家の人や物、情報の流れを完全に押さえることなんてできるわけないだろう。
長期的な抵抗活動ができるかは、ここの問題で躓くのですよ。失礼ながら、深草の少将さまは、この点につき、地上世界の事例をそのまま宇宙空間に持ってきているように思います。
資金について、前述の通り、同盟国民からの支援を得るためには相当の逆宣伝を実施しなければなりません。いわんや、帝国首都として発展が約束されているフェザーンの商人をや、です。
人員についても同じです。しかも、人員の場合、一人一人が歩いて行く訳ではありません。集団で船にのって移動しなければならないのですよ。一人一人の反動分子の行動は把握できなくても、港と船舶に監視の焦点を絞れば、治安機関は移動を阻止できるでしょう。しかも、仮に出港できたとしても、抵抗活動を行っている星域の周辺には当然帝国軍が阻止線を張っているでしょう。その突破は極めて難しいでしょう。
そして何より、宇宙空間での活動である以上、ゲリラであっても勝負を決めるのは艦船です。小銃や手榴弾ではないのですよ。建造には相当の費用と時間・人手が掛かります。商船改造であってもね。同盟本土を占領した帝国が圧倒的な国力にモノをいわせて大量建造してくる大艦隊を相手に、ゲリラ戦で一度や二度勝ったところで、あとが続かないでしょう。
結局、清の支配を逃れ辺境である台湾に政権を構築した鄭成功一派の末路を宇宙レヴェルで再現するだけになると思いますよ。
- 親記事No.2595スレッドの返信投稿
- board4 - No.2628
Re:辺境概念問題
- 投稿者:深草の少将
- 2002年09月02日(月) 08時01分
> > だから同盟軍にしたって、たとえ首都を占領されてもどこかの辺境に逃れてそこで反帝国分子を糾合してゲリラ戦を展開すれば10年や20年はもちだろうしそういう戦略も当然考えられてしかるべきだということをオレは言ってるんだ。
>
> つまり「第二の同盟」建設計画ですね。末期とはいえ同盟政府・軍の組織的な計画・実行ならば議論の余地はあるでしょう。逆に言うなら、単純な宇宙海賊やら反政府ゲリラの割拠の余地はないことをご理解頂けたようで何よりです。
いや、小規模な武装勢力ほど逆に存在しやすいっていうもんだ。そもそも御宅は帝国軍、さらにいうなら軍隊の能力っていうもんを過大評価しすぎている。
いくら帝国軍が大兵力とはいえ、2000万程度の兵力じゃおそらく数百はあるだろう友人生計とそれらを結ぶ航行路をおさえるだけで手一杯だろうし、それ以外の無人の星系までには手が回らないはずだ。そうしたところにある辺境の忘れ去られた惑星や、あるいは破棄された同盟軍の基地なんかを利用すればゲリラ部隊の軍事拠点なんかは簡単に作れるはずだ(確かメルカッツもバーミリオン会戦の後そうした軍事基地の一つをアジトにしていたし、地球なんて何百年もの間帝国に忘れ去られ地球狂に支配されていたじゃねーか)。
> > 宇宙空間でゲリラ戦ができるのかっていうところは議論が分かれると思うけど、小惑星地帯とか気象条件の厳しい惑星とかに引きずり込めばオレは十分可能だと思う。
> > ゲリラ戦ならば兵器も安上がりですむし、駆逐艦程度が相手なら民間の商戦を改造したものでも十分戦えると思う。
> > 大型の戦艦や空母なんて小惑星帯でのゲリラ戦じゃ返って無用の長物だと思う。
>
> さて、では「第二の同盟」計画(名前は別にデラフリでもダンケルクでも箱舟でもいいですが)を考察して見ましょう。
> これを実施するに当たってまず考える必要があるのは、同盟政府・軍が同盟国民を「見捨てて」自分達だけで辺境の秘密基地に逃げ込んだ、という行為の政治的正当性です。同盟国民はあまり良い感情を持たないでしょう。それに同盟を制圧した帝国は当然「奴らは諸君を裏切って逃げた卑怯者だ」と宣伝するでしょう。従って、同盟国民の今後の有形・無形の協力を得るためにはかなりの逆宣伝の努力が必要でしょう。亡命フランスを率いたドゴール並のパワフルな指導者兼アジテーターが必要ですね。
> 次に場所。これは同盟側の辺境でよろしいですね。同盟側から銀河の逆方向(帝国のいない方)に向かっていくと。根拠地建設に関する問題は取りあえず解決できるでしょう。国家プロジェクトとして予算・人員・資材は合法的かつ隠密に調達できますから。
> 建設期間は遅くとも帝国軍が再侵攻してくる(正史でいう7巻:マル・アデッタ)あたりまで。これより遅くなると、同盟本土を制圧した帝国軍が建設途上の基地に攻めこんできますから。
> ゲリラ戦実施に当たっては、どうやって小惑星や不安定星域に引きずり込むか、ですね。もし私が帝国軍の追討部隊指揮官なら、秘密基地周辺に防衛ラインを敷いて、そこに押しこめたまま、あとは相手にしませんよ。引きずり込まれて犠牲をだすくらいなら、自滅を待ちます。
そんなもんこっちだって後方での撹乱活動とか暴動の扇動、はたまた民間船を装った自爆テロ(!)などいくらでも手はあるさ。
>
> さて、秘密基地を建設し、そこに逃げ込んで抵抗の姿勢をとることは出来る、と私は考察して見ました。問題は、そこで割拠したあとどうなるか、です。
> 私は遅かれ早かれ滅亡するだけだ、と考えます。
>
> > 資金の援助なら旧同盟やフェザーン内の有志から援助を受ければいいわけだし(アルカイダだって世界中のイスラムネットワークから援助を受けていた)。
> > 人員の補充ならこれも旧同盟内から義勇兵を募ればいい。帝国の専制政治と戦うという大義名分があれば兵士も集まりやすいだろう。
> > そもそも帝国軍がいくら強大だといってもせいぜい2000万か3000万程度だろ。その程度の軍隊がいくら警備を強化したといったところで、旧同盟とフェザーン合わせて150億もの人間が住む巨大な宇宙国家の人や物、情報の流れを完全に押さえることなんてできるわけないだろう。
>
> 長期的な抵抗活動ができるかは、ここの問題で躓くのですよ。失礼ながら、深草の少将さまは、この点につき、地上世界の事例をそのまま宇宙空間に持ってきているように思います。
> 資金について、前述の通り、同盟国民からの支援を得るためには相当の逆宣伝を実施しなければなりません。いわんや、帝国首都として発展が約束されているフェザーンの商人をや、です。
> 人員についても同じです。しかも、人員の場合、一人一人が歩いて行く訳ではありません。集団で船にのって移動しなければならないのですよ。一人一人の反動分子の行動は把握できなくても、港と船舶に監視の焦点を絞れば、治安機関は移動を阻止できるでしょう。しかも、仮に出港できたとしても、抵抗活動を行っている星域の周辺には当然帝国軍が阻止線を張っているでしょう。その突破は極めて難しいでしょう。
> そして何より、宇宙空間での活動である以上、ゲリラであっても勝負を決めるのは艦船です。小銃や手榴弾ではないのですよ。建造には相当の費用と時間・人手が掛かります。商船改造であってもね。同盟本土を占領した帝国が圧倒的な国力にモノをいわせて大量建造してくる大艦隊を相手に、ゲリラ戦で一度や二度勝ったところで、あとが続かないでしょう。
>
> 結局、清の支配を逃れ辺境である台湾に政権を構築した鄭成功一派の末路を宇宙レヴェルで再現するだけになると思いますよ。
俺も何べんも言ってるけど「勝てる」とか「長期間戦う」なんて一言も言ってないぜ。あくまでも10年か20年くらいは「持ちこたえることができる」かもしれないし、その間に政治的解決とかで惑星や盛京の一つや二つ独立を認めてもらえるかもしれない(鄭和の政権だって何だかんだいって30年くらいはもっているんだし)。
それに鄭和の場合は台湾のほかに逃げ場がなかったわけじゃない。でもこっちの場合、宇宙空間は無限なんだし、帝国の目が届かない星系なんていくらでもあるわけだろ。そうしたとこに何十でも軍事拠点を作ってそこを根城にゲリラ的な抵抗運動を続ければ結構何とかなるんじゃないかってことを俺は言ってるんだよ。
船舶の検閲にしたってそんなもん民間の船に偽装するか、さもなきゃいっそ港の役人を買収しちまえばいいんだ。そんなくらい日本の暴力団でもやってるぜ。
そもそも港湾局の役人だって普通に考えるなら元同盟の人間だろう。それなら買収だって簡単にできるだろうし、そんなちまちましたことしなくてもさ、巨大企業からの支援とか地方の有力者の支援とか取り付けちまえば物資の横流しや、密航くらいさらには艦船の建造だって簡単だろう(あのアルカイダだってアラブの大富豪や王族の支援を受けていたんだし、コロンビアとかじゃそんなの当たり前だぜ)。
どうも自由惑星同盟が滅亡した後、ロイエンタールの反乱とかあってかなり治安状態は悪化していたみたいだしな。ああいう状態じゃ、果たして帝国の実効支配が果たしてどこまで及ぶのか怪しいもんだ。
そもそもこんな細かいことがどうこういう以前に、無限の領域を持つ宇宙空間において単一の政体が人類を統一して中央集権体制を築くなんていうこと自体が根本的におかしいんだよ。
いろいろもっともらしいことをおっしゃっているけど、どうもあなたはそうした本質的なことがわかっていないみたいだね。
それに宇宙戦争っていうと「艦隊戦」しか思い浮かばないの?戦争っていうともっといろんな形態があるでしょう(例えば宇宙空間での船の監視の問題だってそんなもん隕石に偽装しちまえば一発OKじゃん)。
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- board4 - No.2629
故人いわく「スペオペとは、ビキニのねえちゃんの事である」
- 投稿者:吉良国 育生
- 2002年09月02日(月) 10時31分
> その1.広大な銀河系に帝国と同盟の2つの政体しか存在しないこと (フェザーンは帝国の自治領なのでここでは省く)。
> その2.帝国の人名がなぜか古めかしいドイツ名ばかり。
> その3.宇宙空間に「回廊」が存在すること。
> その4.地上の歩兵戦とまったく変わらない宇宙空間での艦隊戦。
>
> よく考えてみりゃ、銀英伝ていうのはトンでもなくチープな設定に満ち満ちてないか、オイ?
> ま、もっとも仮にもスペースオペラにここまで乱暴な設定を持ち込んだことは、ある意味「功績」といえないこともないわな。
>
深草の少将様は、「キャプテン・フューチャー」や「ダーティー・ペア」「宇宙英雄物語」などは知らないのでしょうね、もう昔の話ですので無理もありません、そう言えば最近スペオペはでているのでしょうか・・・あっ「スター・ウォーズ」が復活しましたね、これなら深草の少将様もご存知でしょう。
さて、スペース・オペラとは、狭義には「銀色スーツに金魚鉢ヘルメット、手には光線銃と言ういでたちの主人公が、半裸のヒロイン引き連れて、やたらと目の大きい怪物のような宇宙人と戦いながら、未開の惑星を突き進む」と言うような話の事です、そして広義には「宇宙を舞台にした活劇」と言う意味になります。
このスペース・オペラという冠を頂いた作品は「リアリティーがある」とか「SF考証がしっかりしている」などと言った評価を得る事はありません、むしろエンターテイメントとして評価されます。
銀英伝はこういうジャンルの作品です、ですから、そうツンツンした物言いはせずに、落ち着いて考えましょう。
まず一番の問題ですが、国が二つしかないのがそんなに不思議でしょうか。
たとえば今ヨーロッパは過去の確執を捨てて一つの国になろうとしています、将来このような事が人類社会全体で起こらないとは言い切れないでしょう、帝国や同盟も充分にありえる未来の形の一つだと思います。
とりあえず今回はこれにて失礼します、あとの問題も、おいおいとゆっくり考えていきましょう。
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- board4 - No.2630
Re:辺境概念問題
- 投稿者:S.K
- 2002年09月02日(月) 10時49分
深草の少将さん、横レス失礼いたします。
御提案の辺境ゲリラ戦ですが、貴方も仰る通り既に作中でヤン率いるイゼルローン不正規軍とド・ヴィリエ率いる地球教テロ部隊がやっているのではありませんか?
あれ以上は却って至難の行為でしょう。
そもそもあの作品世界では可住惑星の発見はそれなりに困難で惑星改造に至ってはノータッチという事はそれなりに至難と考えて差し支えないでしょう。
つまり無人宙域が無人であるのには生存困難な相応の理由があるという事で逃亡者達は反帝国テロよりまず生存のために探索・開拓の努力が必要でしょう。
「ガンダム」のデラーズフリート・ネオジオンが抵抗勢力たりえたのはあらかじめ低レベル乃至は小規模なりに兵站・必需物資の自給が可能な根拠地『茨の園』や『アクシズ』があったからです。
それに原作十巻ではごく普通に宇宙海賊の存在が描写されておりますが充分対応可能なレベルに留まりやはり「海賊国家」の建設まではなされてはいない様です。
あと地下活動の類はやはりあまり精神衛生に良くない様で見とおしのないゲリラ活動や地下活動は概ねためにする破壊に流されがちになり当初の理念とかけ離れたものになる事が多い様です。
どうせなら少し前の「移動要塞論」で出てきた「第2次長征一万光年」逃亡案があの当時の反帝国勢力の選択肢のベストの極の一方ではないでしょうか。
個人的にもう一つのベストは我らがヨブ・トリューニヒト氏が試みていた「恭順後の帝国内体制改革」ではないかと思いますが。
「辺境での抵抗が出来ない宇宙技術の自由度の低さや発想の狭さ」は銀英伝を嫌う十分な理由だと思いますが、ともあれその前提で描写する事自体は別に少なくとも銀英伝は破綻や失敗をきたした訳ではないので愚作・駄作と判ずる必要条件は満たしていないのではないですか?