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board4 - No.1856

Re1852/1853:技術問題と質量問題

投稿者:冒険風ライダー
2002年05月09日(木) 15時56分

>管理人さん
<前に書きましたが、冒険風ライダーさんの移動要塞運用は、要塞のイメージから連想される大艦巨砲ではなく、むしろ機動力命の
潜水艦の運用に近いと言えます。
そして、移動要塞の移動メカニズムは、原作で書かれているように「厳密に船体の重心をつらぬいていなければならない」シビアな
ものです。12機のエンジンの内、1機が死んだだけでも移動に莫大な支障が出ることが予想できます。
安定・信頼性と機械のギミックの多さは必ず反比例しますが、それから更にひとつこけたら皆こける構成は、あまりにもリスキー過
ぎと言えるでしょう。
要塞の火力ではなく、自給自足と機動力をメイン武器に据えるのに、その機動力の安定性が疑わしいのは問題ではないでしょうか。
ガイエスブルクの航行は制海(宙?)権のある部分のみで済みましたが、イゼルローン移動要塞は敵陣の中をこそ移動しなければ
なりません。ガイエスブルクのテストがうまく言ったからといってイゼルローンも同様だとはいかないでしょう。>


 これはMerkatzさんとの議論でも疑問に思っていたことなのですが、移動要塞における「機動力の不安定性」というのは、通常航行時と戦闘時のどちらを指したものなのでしょうか? もし通常航行時のことを指しているのであれば、イゼルローン移動要塞以前にそもそも原作のガイエスブルク移動要塞があれほどまでの短期間で簡単に実用化され、一度の故障もなくイゼルローン要塞と対峙するに至った事に関しても疑問符をつけざるをえませんし、戦闘時の敵からの攻撃等で故障する可能性が高いと言うのであれば、それこそ私が以前にも述べたように、銀英伝3巻における例の戦訓を生かしてエンジンの強度を強化するなり要塞外壁内に内蔵するなりすれば良いだけなのではないかと私は考えるのですけどね。
 「機動力の安定性」に欠陥があるのは確かに由々しき問題でしょうが、運用方法次第でその欠陥を押さえ込むのはそれほど難しいことでもないでしょう。近辺宙域の索敵・哨戒活動を常日頃から入念に行っていくとか、戦闘時には事前に要塞を停止させてエンジンを内部に格納するとか、出発前には常にエンジン点検を行い、異常がないかどうかを入念にチェックするとかいった方法を採用していけば、移動要塞の構造的欠陥も大部分是正することが可能なのではないでしょうか。
 それに「敵陣の中を移動する」というのが、移動要塞の稼働率減衰に繋がるとは思えませんけどね。管理人さん自身が明確に述べていたように移動要塞は単なる兵器ではなく、それ自体が自己完結した国家であり領土でもあるのですし、しかも移動要塞の中には大規模な整備工場もあれば大量の技術者達を収容する能力もあるのですから、よほどの事態にでも陥らない限り、充分に整った環境下でいつでもどこでもエンジンの修復を行うことができるのです。さらにヤンの手元には、2度にわたるイゼルローン要塞攻略の際に入手しているであろう帝国領内の航路図も収まっていることでしょうから、地の利による不利もほとんど存在しないわけで、「敵陣の中を移動する」ことによる不利が移動要塞に存在するようには思えないのですが。


<ただし、私は移動要塞自体は有効な兵器になりうる可能性があると思います(私自身銀英伝世界で大艦巨砲主義が廃れた理由が分か
りませんので)。
しかしながら、それでも上記の理由から「新兵器による大逆転」は支持できませんね。ナチスや日本が第二次大戦を勝つ仮想戦記物
みたいに圧倒的な戦略的不利を覆す新兵器は現実にはありえませんし、これからもないでしょう。>


 まああの3流仮想戦記に見られる類の荒唐無稽な逆転劇が移動要塞を使えば可能になる、とはさすがに私も思いませんが、しかし通常の兵器としての一面と同時に「無限の自給自足能力を備えた後方補給基地」という側面も併せ持つ「移動要塞」は、様々な無限の可能性を秘めたハードウェアではありえるでしょうし、使い方次第では強大な威力を発揮する兵器ともなりえることは確かでしょう。兵器というのは「使い方」が大事なのであって、どれほどまでに強大な潜在的能力があっても、件のヤンやラインハルトのように、あのようなたった一度きりの使い捨て戦法としてしか活用できないようでは、せっかくの新兵器も宝の持ち腐れでしかないですし。
 また移動要塞には、これまで論じてきた軍事関連以外にも、たとえばその中に政治機能を集中させることによって、難攻不落にして移動可能の首都を出現させる、といったようなことも可能にします。「要塞の中に根拠地を置く」ということ自体は、作品は違いますが「タイタニア」の「天の城(ウラニボルグ)」にその典型が見られますし、ありえない話ではないようにも思いますが。



>平松さん
<逆に言えば、要塞より小さい1000億~1兆トン単位の小惑星も多数存在するでしょうから、それらを推進させるだけの出力が一基のエンジンにあれば問題はなかったという事なのでは?それらの一割でも資源として採掘出来れば100億~1000億トン単位の資源が得られる訳ですし。>

 もしそのような技術が銀英伝世界に存在するのであれば、どういった事態が想定されると思いますか? 銀英伝世界における艦船が今よりもはるかに巨大な質量と図体を誇る存在となってしまう可能性が濃厚に存在するのではありませんか?
 銀英伝の記述を見る限りでは、銀英伝世界における艦船の質量はせいぜい数百万~1000万トンクラスといったところですが、そこにその1万倍以上もの質量と、推定直径3~5㎞もの巨大な体積を誇る小惑星を、たかだかエンジン一基だけで移動させられる技術があるのであれば、それは当然艦船にも応用することができるはずでしょう。にもかかわらず、銀英伝世界の艦船があの程度の大きさに留まっているのはおかしな話ですし、それだけの技術を小惑星にのみ使って艦船に応用しない、というのはコストパフォーマンス無視の浪費でしかありません。
 というわけで、小惑星クラスを稼動させる特大エンジンの存在は、銀英伝の設定とは相容れないものと考えても良いのではないでしょうか。


<これらの記述を読んだ限りでは、要塞の体積については言及されていませんし、通常航行やワープ時における質量とエンジン出力の相互関係について、ラインハルトどころかシャフトでさえ懸念を表明しているので、「質量問題それ自体を完全に無視することができる航行技術が確立されている可能性が高い」という御主張についてはいささか疑問ではないかと。>

 平松さんが引用していた箇所を読んでみましたけど、アレで触れられていた「質量」というのは「要塞」ではなく何か別の物を指しているのではないでしょうか?
 特にラインハルトが言及していた「質量が小さすぎれば、ワープに必要な出力が得られないし、大きすぎればエンジンの出力限界をこえる」で触れられている「質量」は、「要塞」のことを指しているにしては文脈がおかしいんですよね。「要塞の質量」が大きすぎればエンジンの出力限界をこえるというのはいいとしても、それが小さすぎればワープに必要な出力が得られない、というのは変な話ですし、そもそもいかに図体が大きかろうが「要塞の質量」というのは本来固定されているはずなのに、それが可変しあまつさえワープエンジンの出力に影響を与えるというのもおかしな話です。
 ここで言われている「質量」というのは「要塞の質量」ではなく、ワープする際にワープエンジンに注入される「エネルギー質量」の事を指しているのではないでしょうか? これならばエンジンに注入するエネルギーの分量によって質量が可変するのも納得がいきますし、「(質量が)小さすぎればワープに必要な出力が得られない」というのも至極当然の話となります。
 こちらの方がよほどに意味の通じる解釈になるかと思いますが。

board4 - No.1857

持ち込み体験記 激闘編1

投稿者:速水右近
2002年05月09日(木) 23時03分

出版社や編集者の名前は伏せなきゃなんないし、下手すりゃ、こっちの今後の仕事にも影響は来る。それどころか、食っていけなくなる可能性まであるんだが……。まっ、いいか。
もうこの職業、辞めても未練がなくなってきているし。
ともかく「ヤバイ」と思われたら、管理人氏、削除して下さい。

好評(?)不定期連載(??)の『持ち込み体験記』続編だぁ。

某新刊紹介雑誌『D』の新刊ノベルズガイドを見たら、びっくり。
六月にQ社から出る架空戦記のタイトルが、以前、X社で出す寸前までいっておきながら、編集者との意見対立で出せなくなった拙稿とかなり類似(タイトルで、舞台とかもわかるんだし……)。しかもその著者はX社で出しているうえに、担当編集者も同一人物。
「アイデア無断盗用」と思っても、仕方がないでしょう?

怒り心頭で、X社にTEL。担当編集者を怒鳴りつけた。
すると先方、呑気な声で「見せたという証拠がないじゃありませんか」。
仮にそうであったとしても(こっちもそうであって欲しい)、「自分が疑われても仕方がない」という自覚がまったくないのが、こちらに油を注いだ形に。

その後、蒸し返したくはないが、以前のトラブルの話に戻る。
どこで揉めたかというと、拙稿のある部分の記述について。編集者は、
「我が社は文学を出しているんじゃなくて、ノベルズを出しているんです。だから文学的な表現は、全部排除して下さい」
別にこっちも文学的な表現を使ったわけではないが、そうしたほうが、作品的に盛り上がるから使っただけの話。それに、出来のいいエンターティメント小説には、ある程度文学的な表現とやらは使われている。
そのうえ、そこのシーン。こちらが取材中に、「本当に死ぬか」とまで思い詰めた場所だから、外したくはないこだわりもあった……。
それ以前から、その編集者の言動には「?」的な部分が少なくなかった。たとえば、
「取材なんかしなくてもいいから、想像力で書いて下さい」
「結末が重いから、ハッピーエンドにして下さい」
「貴方の作品には、こだわりが感じられない」
どれも編集者の意見としては、善意のアドバイスだろう。しかしこの人、クリエーターの神経を理解していない。
そもそもこだわりがあるから、取材をしているし、しかもその出費は、半端なもの(三〇〇万ぐらい)ではない。
またこだわりがあるから、問題になった部分は外したくなかった……。
こういう経緯があったから、こちらもその会社から出すのは止めたのだ。おそらくデビュー作としては、破格の待遇(印税8~10% 初版二万~二万五千)を聞いていたのだが、それすら蹴った。
そのうえ、執筆中は他の仕事も全部断っていたのだから、損失は六百万ぐらいにはなっている。
これだけやっておいて、どこに「こだわり」がないんだ?

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board4 - No.1858

持ち込み体験記 激闘編2

投稿者:速水右近
2002年05月09日(木) 23時33分

1の続き。

「エンターティメント小説についての考えの違い」
ということで、X社から出すのを止めた。別にその決断は間違えたとは思わないし、編集者にも申し訳のないことをしたと感じつつも、仕方がないと感じていた。
しかぁーし。事態が悪化したのは、その後。

X社ノベルズから新人がデビューした。実は彼こそ、今回、疑惑のある作家なのだが、彼の作品に編集者が付けたキャッチコピーが次の通り。
「これは21世紀の戦争文学だ!」
おいおい。ノベルズ=エンターティメントだから「文学的な表現」は駄目でも、出せば「文学」と名付けてもいいのか?
俺は「文学」は書いちゃ駄目で、どうして彼はいいのか?
それとも「21世紀の文学」とは、「文学的表現のないもの」なのか?
こーゆーこと書かれて、不快感を抱かないほうが無理でしょ。
そのうえその架空戦記、著者が「荒唐無稽なシミュレーションの氾濫に業を煮やして」書いたそうだが、あらすじを読んだだけで「荒唐無稽」だということがわかるほど。そのうえシミュレーションとして、やってはいけない手を打っている。
人を馬鹿にするのにも、ほどがある……。
これがきっかけで、X社編集部には「今後、絶縁」と通告した。

で、このことを編集者に言った。
「かつてそんなことをした人間の言葉、信じられるかい?」
すると、編集者の返事がすごかった。
「いやぁ、キャッチコピーだから、(読者を騙しても)いいんじゃないですか」
ぶちぶちぶち。
「あのさぁー。そういう問題じゃ、ねーだろ。
その論理だと、「シミュレーション」として破綻しているものに、「シミュレーション」と名付けて売っているのも、別に構わないってことじゃないか!」
「……」
「それってさぁ、輸入肉に国産って表示した、どこかの食品会社と一緒じゃないの。
そこの会社は社会的責任から潰れたけど、あんたのところは、どうなんだい」
「……」
「小説ってさ、読者を騙していくらの商売だろ。しかし、そういう騙し方は、読者に失礼だよ」
「……」
「ふざけんなよ。そういうことをぬけぬけと言っていられる編集者なら、アイデア盗用ぐらいやっても、おかしくねーだろ!」
「……上司が返答したいとのことです」
これで、またキレた。
なぜならその上司には、以前から「文書による返答」を求めていたのだが、ほぼ半年にわたって督促しながらも、梨の礫。
「いままで散々待ってやっていたのに、いまさら答えたいとは、どういうことだ!」
「……」
「そのうえ文書じゃなかったら、記録に残らないだろ。
そんな返答なんか、いらねーよ」

こういうやり取りを三〇分ほど続けた。
電話が終わると、虚脱感が全身を覆った。立つのはおろか、椅子に座るのも苦痛になって、這いつくばってトイレへ。ストレス性の猛烈な下痢。おまけに体温を測ると、二度も上がっていた。
安定剤をがぶ飲みして、強制的に寝る。

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board4 - No.1859

持ち込み体験記 激闘編3+ノベルズ界 ちょっと怖い話

投稿者:速水右近
2002年05月10日(金) 00時16分

2の続き。

実はアイデア盗用疑惑、これがはじめてではない。延べで四つの会社、合計三人の作家にやられた可能性がある。
それも全部、その会社に持ち込んだ後、同じ編集者が担当している作家が似たようなフレーズやアイデアを使っていた。こう何度も続くと作家不信、編集者不信。ひいては人間不信になって、当然だよ。
実際、それが高じて、昨年「(日常生活に支障が出るレベルの)重度の心身症」とまで診断された。
病状がもう少し進めば、たとえ○○したって、責任能力が問われないぞ!(←シャレになってないね)

まぁこういう連中が、ノベルズ編集部にいるってことですよ。いい作品なんか、できるわけがない。
そして作家デビューできる、できないは、作品の出来とはさほど関係がないみたい。むしろ作家としてのこだわりがない人間のほうが、現在では作家になり易いのかも知れない。
さらに情けないことに、熱心な読者ほど、こういう実情を知らない。「作品が面白けりゃ、いーじゃないの」って感じで。それは間違えていないんだけど、自分たちが立派なカモになっている自覚がない。
もっとも読者の批判能力を奪うように、作家や編集者が仕向けているんだけどなぁ。

惰性でざーっと書いたから、ペース配分を間違えた。
どうもキリが悪いので、おまけ「ノベルズ界 ちょっと怖い話」を書いておく。
全部当事者から聞いた話だが、本当にヤバイと思う部分は「ぴーっ」で隠すので、御容赦を。

1 オタク系架空戦記作家の「ぴーっ」さん。実は以前、その道でなかなか知られた大の架空戦記嫌い。
では、なんで書き始めたかというと、「ぴーっ」に巻き込まれたため。その後、「ぴーっ」に「ぴーっ」されたおかげで、かなり長く続いて売れたシリーズでも、印税がほとんど入らなかったとか。
それで、コンビニや居酒屋でアルバイトしていたそうだ……。
実はこのことを教えてくれたのは彼の友人からだが、聞いていると、同情したくなる部分もなきにしもあらず。ともかく三番目の「ぴーっ」が、一番悪いんだけど。

2 田舎暮らしと架空戦記でお馴染みの作家「ぴーっ」さん(複数)。実際は、ほとんど原稿を書いていないそうだ。
じゃあ誰が書いているかと言えば、言わずと知れた「ぴーっ」。つまり二人とも、「ぴーっ」しているってこと。
ちなみに昔、子供向け雑誌に「ぴーっ」を連載していた人ではない。

3 先年亡くなった、女流ミステリ作家の「ぴーっ」さん。この人が超わがままだったのは、有名な話。
それはともかく彼女が亡くなった第一報が「ぴーっ」社に入ると、編集者が全員集まって、「ぴーっ」三唱。
缶ビールで「ぴーっ」した後、最後のフェアや告別式の準備に追われていたそうだ。

↑みたいな連中が、ノベルズ界の中核にいるんだよなぁ。
もう日本では、いい小説なんか、出ないのかもしけない(しみじみ)。

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board4 - No.1860

Re:バサード・ラム・ジェット・エンジン

投稿者:Merkatz
2002年05月10日(金) 06時20分

> >平松さん
> <逆に言えば、要塞より小さい1000億~1兆トン単位の小惑星も多数存在するでしょうから、それらを推進させるだけの出力が一基のエンジンにあれば問題はなかったという事なのでは?それらの一割でも資源として採掘出来れば100億~1000億トン単位の資源が得られる訳ですし。>
>
>  もしそのような技術が銀英伝世界に存在するのであれば、どういった事態が想定されると思いますか? 銀英伝世界における艦船が今よりもはるかに巨大な質量と図体を誇る存在となってしまう可能性が濃厚に存在するのではありませんか?

>  というわけで、小惑星クラスを稼動させる特大エンジンの存在は、銀英伝の設定とは相容れないものと考えても良いのではないでしょうか。
>

突然思い出しました。
アルテミスの首飾りを潰した方法です。

(2巻、P187)
バーラト星系第六惑星シリーュナガルは、寒冷な氷の惑星である。ここから、一ダースの氷塊を切りだす。一個の氷塊は、一立方キロメートル、質量にして一〇億トンとする。

ここで、それぞれの氷塊に航行用エンジンをとりつける。氷塊を円筒型にし、その中心線をレーザーでつらぬき、バサード・ラム・ジェットエンジンを装着するのだ。
このエンジンほ、前方に巨大なバスケット型の磁場を投射し、イオン化されて荷電した星間物質をからめとる。それほ氷塊に近づくにつれ、極小時間のうちに圧縮され、加熱され、エンジン内で核融合の反応条件に達し、前方からはいってきたときより、ほるかに巨大なエネルギー畳で後方に噴きだす。
この間、氷の無人宇宙船ほ休むことなく加速をつづけ、スピードが光速に近づけば近づくほど、星間物質を吸入する効率は高まる。こうして、氷の船は亜光速をえることができる。
さて、ここで、ごく初歩の相対性理論を思い出してみょう。それほこうである――光速に近づくにつれ、物質の実効質量ほ増大する。

この記述から航行用エンジンは艦船用以外にも存在すること。
星間物質の存在などが確認されます。
以上、参考資料の提供でした。

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board4 - No.1861

Re:エンジンと質量と

投稿者:平松重之
2002年05月10日(金) 16時36分

 冒険風ライダーさん

<もしそのような技術が銀英伝世界に存在するのであれば、どういった事態が想定されると思いますか? 銀英伝世界における艦船が今よりもはるかに巨大な質量と図体を誇る存在となってしまう可能性が濃厚に存在するのではありませんか?
 銀英伝の記述を見る限りでは、銀英伝世界における艦船の質量はせいぜい数百万~1000万トンクラスといったところですが、そこにその1万倍以上もの質量と、推定直径3~5㎞もの巨大な体積を誇る小惑星を、たかだかエンジン一基だけで移動させられる技術があるのであれば、それは当然艦船にも応用することができるはずでしょう。にもかかわらず、銀英伝世界の艦船があの程度の大きさに留まっているのはおかしな話ですし、それだけの技術を小惑星にのみ使って艦船に応用しない、というのはコストパフォーマンス無視の浪費でしかありません。
 というわけで、小惑星クラスを稼動させる特大エンジンの存在は、銀英伝の設定とは相容れないものと考えても良いのではないでしょうか。>


この辺りもいくらか仮定の理由は挙げられます。例えば、
「艦船を巨大化させ過ぎると国内全ての既存の要塞・港湾施設・造船所及び整備工場・兵器の規格なども合わせて改造・変更しなければならず、それこそ天文学的な費用がかかる」
「特大エンジンは実用化して間もなく、まだ歴史が浅いのではないか」
などなど。
 ちなみにアニメ版のガイエスブルク移動要塞は24個のエンジンが輪状に同一線上に取り付けられており、それらが形成する円周の長さは、アニメ版のガイエスブルクの直径は45キロメートルなので、「2×π×22.5km=141.3km」となり、それを24で割ると、エンジン一基辺り5.8875kmとなり、それからエンジン間の間隔を差し引いても、エンジンの大きさは少なくとも一基あたり2~3キロメートルはあると推定出来ますので(かなり大雑把な計算ですが)少なくともアニメ版のエンジンは巨大戦艦のものではなさそうです。

<平松さんが引用していた箇所を読んでみましたけど、アレで触れられていた「質量」というのは「要塞」ではなく何か別の物を指しているのではないでしょうか?
 特にラインハルトが言及していた「質量が小さすぎれば、ワープに必要な出力が得られないし、大きすぎればエンジンの出力限界をこえる」で触れられている「質量」は、「要塞」のことを指しているにしては文脈がおかしいんですよね。「要塞の質量」が大きすぎればエンジンの出力限界をこえるというのはいいとしても、それが小さすぎればワープに必要な出力が得られない、というのは変な話ですし、そもそもいかに図体が大きかろうが「要塞の質量」というのは本来固定されているはずなのに、それが可変しあまつさえワープエンジンの出力に影響を与えるというのもおかしな話です。>


 自分としては「質量が小さすぎれば、ワープに必要な出力が得られないし、大きすぎればエンジンの出力限界をこえる」という台詞は、「簡単な例」として大きな質量をワープさせる場合と小さな質量をワープさせる場合について語っているだけで、ここで語られている「質量」が要塞のそれに限定されているとは読めなかったのですが。
「質量が小さすぎれば、ワープに必要な出力が得られない」と言うのは「ワープさせる物体の質量が小さ過ぎると、空間を歪ませる程のエネルギーを発生させるだけのワープ・エンジンを搭載出来ない」という意味だと個人的には解釈したのですが、これでは人によってどうとでも解釈出来てしまいますね。

<ここで言われている「質量」というのは「要塞の質量」ではなく、ワープする際にワープエンジンに注入される「エネルギー質量」の事を指しているのではないでしょうか? これならばエンジンに注入するエネルギーの分量によって質量が可変するのも納得がいきますし、「(質量が)小さすぎればワープに必要な出力が得られない」というのも至極当然の話となります。
 こちらの方がよほどに意味の通じる解釈になるかと思いますが。>


だとしたら、かなり分かりにくい言い回しですね。普通は「質量」と書かずに単に「エネルギー」とか「エネルギー質量」とでも書くのではないでしょうか。

まあ、要塞や艦船のエンジンについて原作にある程度の詳細な記述がない以上、議論するにしても限界がありますので、この辺りで終わりにしませんか?

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board4 - No.1862

Re:反銀英伝・キルヒアイス亡命す

投稿者:Zero
2002年05月10日(金) 18時34分

僕は、キルヒアイスは同盟に亡命していれば、軍人にならなかった
可能性の方が高い気がします。
元々、ラインハルトとキルヒアイスが軍人なったのは、アンネローゼ
を奪った相手が「皇帝」という、政治・軍事の最高権力者で、それに
対抗する手段として選択した訳ですから、キルヒアイスなどは意外に
あっさりアンネローゼと結婚してささやかに暮らしたかもしれません。
それに、キルヒアイスの手腕は、帝国の幼年学校等の経験を経て培わ
れた訳ですから、「成人して」いきなり軍人になった彼に同等の手腕は
期待できないと思います。「正史における二人への忠誠、アンネローゼ
を皇帝から救うという使命感」と「今仮定の二人を養わなければという
使命感」が同等であればその頭角を現すかもしれないですが・・・
でも、ラインハルトが、二人の結婚生活を至近視するのを嫌って
「無料で学べる」士官学校へ行ったりはするかも・・・
#お姉ちゃん、取られたわけだし。(^^;
ラインハルトの「薔薇の騎士」連隊配属は有り得ますね。
ラインハルトとユリアン、未来の「同盟の双璧」か?

只、帝国側の戦力低下が著しいかも。
ラインハルト陣営に招聘されるべき指揮官達はその実力を発揮し得な
い事になるであろうから、正史における帝国と同盟の人材の格差を比
べるとかなり縮小していたでしょう。(下手すれば、逆転?)
特に、クロプシュトック事件時「軍紀を糺した」ミッターマイヤー
は、まず間違いなくあの時に謀殺されているでしょうし。
(そうでない場合、ロイエンタールが助け出して、やはり亡命?)

ラインハルトとヤンの影響が顕著になり始めた「第三次ティアマト」
辺りからの様相ががらりと変わりますね。
レグニッツァで同盟に軍配があがりアスターテが無い可能性あり。
イゼルローン攻防戦は正史通りに要塞陥落。
(あ、オーベルシュタインもこの後に断罪されるかも・・・)
帝国領侵攻作戦はかなりの確率で成功、アムリッツア星域会戦は発生
せず同盟版図は広がり、この辺りからもう正史の「同盟衰退」シチュ
エーションはなくなるでしょう。
同盟は、拡大した領土の安定のため、帝国は戦力再編成のため、戦い
は一旦収束に向かう気がします。
#はっ!フォーク昇進!?イヤすぎる・・・
その後すぐに皇帝が崩御し(この辺りは偶発的要素なので、このタイ
ミングでは死なない事もありえるが)、帝国の衰退が起こるかも。

只、この状況で、貴族同士がわざわざ国力を削り合うとも思えないので、
その辺りで、帝国側の軍事的求心力として「メルカッツ」が担ぎ
上げられる気がします。彼は恐らく有能な士官を糾合できるでしょう
から、ロイエンタール他の艦隊司令(か中級指揮官)を指揮し
て同盟に相対し得る、というストーリーが考えられます。
その後、帝国はメルカッツ陣営が徐々に貴族の力を削いでいき、同盟は
シビリアンコントロールが足かせで足並みがそろわないとかで均衡。
帝国は「大貴族」、同盟は「汚職政治家」という内憂を抱えたドロドロ
した話しになりそうですが。

また、その際には「フェザーン(地球教)」辺りが、同盟の足を引っ
張る形でのアクションをしそうですね。出来るだけ、両者の戦いを
継続させる為に。

とりとめのない事をだらだらと書き連ねてしまいました。

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board4 - No.1863

Re:反銀英伝・キルヒアイス亡命す

投稿者:倉本
2002年05月11日(土) 04時00分

> 僕は、キルヒアイスは同盟に亡命していれば、軍人にならなかった
> 可能性の方が高い気がします。

このへんは微妙だと思います。
帝国からの亡命者がどういう仕事につけるのかがはっきりしていないので。
ひょっとすると帝国からの亡命者の成人男性はみんな薔薇の騎士連隊に配属されると可能性もありますので。
同盟を裏切らない証として軍に所属して帝国と戦うことを求められるというのはそれほどおかしな設定でもないと思います。
亡命者を装った帝国のスパイが潜入してくることも考えられますから。

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board4 - No.1864

Re:反銀英伝・キルヒアイス亡命す

投稿者:イッチー
2002年05月11日(土) 07時11分

Zeroさま、倉本さま、レスありがとうございます。


> 僕は、キルヒアイスは同盟に亡命していれば、軍人にならなかった
> 可能性の方が高い気がします。
> 元々、ラインハルトとキルヒアイスが軍人なったのは、アンネローゼ
> を奪った相手が「皇帝」という、政治・軍事の最高権力者で、それに
> 対抗する手段として選択した訳ですから、キルヒアイスなどは意外に
> あっさりアンネローゼと結婚してささやかに暮らしたかもしれません。

倉本さまも書かれていますが、帝国からの亡命者がつける仕事というのは、特別な技能や情報を持っていない限り、限られてくると思います。幸い、キルヒアイスは少年のころからスポーツマンタイプだったようなので、軍人という仕事は幼年学校に行っていなかったとしてもうまくこなしていけるのではないでしょうか。

> 特に、クロプシュトック事件時「軍紀を糺した」ミッターマイヤー
> は、まず間違いなくあの時に謀殺されているでしょうし。
> (そうでない場合、ロイエンタールが助け出して、やはり亡命?)
>
仮にラインハルトがいなかったとしても、ロイエンタールは親友を助けるために奔走するでしょう。Zeroさまが後で予測しているように、ラインハルトが登場しなかった場合、台頭していたであろうメルカッツあたりにとりなしを頼むのではないでしょうか。その場合、無罪放免とはいかないでしょうが、降格か左遷でミッターマイヤーは釈放され、帝国の双璧はメルカッツ陣営に入るという流れになると思います。

> ラインハルトとヤンの影響が顕著になり始めた「第三次ティアマト」
> 辺りからの様相ががらりと変わりますね。
> レグニッツァで同盟に軍配があがりアスターテが無い可能性あり。
> イゼルローン攻防戦は正史通りに要塞陥落。
> (あ、オーベルシュタインもこの後に断罪されるかも・・・)
> 帝国領侵攻作戦はかなりの確率で成功、アムリッツア星域会戦は発生
> せず同盟版図は広がり、この辺りからもう正史の「同盟衰退」シチュ
> エーションはなくなるでしょう。

同盟一人勝ちという構図にはならないと思います。もともと同盟は地勢的に不利な立場にありますが、帝国軍があまりにも無能なために同盟領に侵攻出来ず、両者が均衡しているというのが、銀英伝の世界だと思います。おそらく、同盟と帝国の闘いはヤンが艦隊司令官に昇進するまでだらだらと続くと思います。イゼルローン奪取作戦はヤンが艦隊司令官に出世した後でしょう。フォークは帝国軍との会戦で自滅して戦死するような気が(笑)。イゼルローンは当分、陥落しませんから、オーベルシュタインも処罰されることはなく、どこかの時点でメルカッツ陣営に加わるでしょう。

> その後すぐに皇帝が崩御し(この辺りは偶発的要素なので、このタイ
> ミングでは死なない事もありえるが)、帝国の衰退が起こるかも。

リヒテンラーデはメルカッツに接近し、リヒテンラーデ・メルカッツ連合とブラウンシュヴァイク、リッテンハイムの天下三分状態に帝国は突入するのではないでしょうか。ただし、メルカッツには帝国を簒奪する意志はないので、内戦に突入することはなく、話し合いでとりあえず、エルウィン・ヨーゼフが皇帝に即位し、ブラウンシュヴァイクかリッテンハイムのどちらかの娘を皇妃とする(かなり年上になりますが・・・)という形で収拾をはかるのではないでしょうか。そして、娘を皇妃にしたほうが摂政、リヒテンラーデが宰相、メルカッツが宇宙艦隊司令長官となるのではないでしょうか。娘を皇妃にしそこねた方はこの時点で粛清されるでしょう。しかし、この妥協も数年で崩壊し、摂政派と宰相派にわかれ、帝国は内戦に突入。その隙に乗じて、ヤンはイゼルローンを奪取するでしょう。この時点でフェザーンまたは地球教が動き出すと思います。

board4 - No.1866

拝見しました

投稿者:Zackmass
2002年05月11日(土) 08時20分

昨夜、日付の変わり目の頃に、検索エンジンに引っかかったがこのページ。
徹夜でへばりついておりました。いや、しんどかった(泣)。

面白かったです。いや、本当に。陳腐な言葉だけで申し訳ありませんが。
「はしか」が何だったのか、経験して得たものがなんなのか、
改めて確認させていただきました。ありがとうございます。

私も、「銀英伝」から田中氏の作品に入り、「七都市」「アルスラーン」と流れたものでした。
現在、「マヴァール」の新装版が出たので、購入しようかどうか迷っているところです。
完結してるってわかっているのはポイント高いですし(なんか情けないな)。
「薬師寺」「創竜伝」は今後も買い続けるでしょうが、「なんで」って突っ込まれたら、こたえられないでしょうねえ。
んでから、氏の中国物は「中国武将列伝」以外は手を出してないです。

ところで、「田中芳樹読本」なんて出版されるような計画なんぞはないんでしょうか。
(はて、「読本」とつくファンブックはもう出てたっけ?)
出版されたら絶対買いますよ。

ただ、とある常連さんが考察シリーズ書かれていた、
南京虐殺否定が少々引っかかりましたが。
(私はよしりん氏が嫌いでして、南京虐殺は否定できないという
 意見を持つ者です。適切であるとは思わないのですが、
 これだけはちょっと書いておきたかったので。
 お目汚しで申し訳ありません)

今後、掲示板はのぞかせていただこうかと思っております。
濃い方が多いので、書き込みができる自信はないですが。

以上、長々と拙文にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

親記事No.1850スレッドの返信投稿
board4 - No.1867

Re:反銀英伝・キルヒアイス亡命す

投稿者:Zero
2002年05月11日(土) 13時31分

> > 僕は、キルヒアイスは同盟に亡命していれば、軍人にならなかった
> > 可能性の方が高い気がします。
> 倉本さまも書かれていますが、帝国からの亡命者がつける仕事というのは、特別な技能や情報を持っていない限り、限られてくると思います。幸い、キルヒアイスは少年のころからスポーツマンタイプだったようなので、軍人という仕事は幼年学校に行っていなかったとしてもうまくこなしていけるのではないでしょうか。

僕は、仮にも「個人の自由や権利」を標榜する自由惑星同盟が、軍人や
政治闘争に破れた者であればともかく(本当はそれでさえ)、亡命と
引き替えに従軍を強制するかなぁと思います。
勿論、ある程度の窮屈さやあまり実入りの良い職業へ付く事が難しい
等の制限はあるでしょうが。

勿論、「スパイ」の疑惑は生じるかもしれませんから、定期的な
「身分証の書き換え」のような拘束があるとは思います。
実際、帝国から同盟への亡命はかなり多数に上ると思いますし、
それを(仮に成人男性)全て「軍部」に従事させるとなると、
逆に「同盟軍への埋伏」へ利用できる事も考慮されます。

可能性の一つとして、アンネローゼを連れ去ったキルヒアイスの
親族が断裁され、「その復讐心から」とかのシチュエーションは
有り得そうかな?
#その前に、家族ぐるみで亡命かなぁ


> > ラインハルトとヤンの影響が顕著になり始めた「第三次ティアマト」
> > 辺りからの様相ががらりと変わりますね。
> > レグニッツァで同盟に軍配があがりアスターテが無い可能性あり。
> > イゼルローン攻防戦は正史通りに要塞陥落。
> > (あ、オーベルシュタインもこの後に断罪されるかも・・・)
> > 帝国領侵攻作戦はかなりの確率で成功、アムリッツア星域会戦は発生
> > せず同盟版図は広がり、この辺りからもう正史の「同盟衰退」シチュ
> > エーションはなくなるでしょう。
>
> 同盟一人勝ちという構図にはならないと思います。もともと同盟は地勢的に不利な立場にありますが、帝国軍があまりにも無能なために同盟
領に侵攻出来ず、両者が均衡しているというのが、銀英伝の世界だと思います。

ちょっと書き方が、同盟の一人勝ちっぽく見えてましたが、
「正史」の様な一方的な国力の開きが「均衡」レベルに是正される
程度に受け取って置いてください。


>おそらく、同盟と帝国の闘いはヤンが艦隊司令官に昇進するまでだらだらと続くと思います。イゼルローン奪取作戦はヤンが艦隊司令官に出世した後でしょう。フォークは帝国軍との会戦で自滅して戦死するような気が(笑)。イゼルローンは当分、陥落しませんから、オーベルシュタインも処罰されることはなく、どこかの時点でメルカッツ陣営に加わるでしょう。


そういえばそうですね。言われて気づきましたが、「第七次イゼル
ローン攻防戦」はアスターテの惨敗があったればこそ、ヤンにお鉢が
回ってきた訳だから、そこを否定してしますとこの時点では他の提督
になりそうなので「オーベルシュタインの断罪」はないでしょうね。

でも、フォークは「絶対安全な後ろで偉そうに他人を指揮する」だけ
でしょうから戦死は無いのでは?
どちらかというと、彼の失脚は「正史」と同じで、立案作戦失敗時に
批判され、ヒステリー発症、そして左遷街道まっしぐらでしょうね。


そういえば、その後不明の「ミュッケンベルガー」と「シュトックハ
ウゼン」ってどこいったんだろ?
リップシュタットの時にも出てこなかったし・・・

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