- 親記事No.2248スレッドの返信投稿
- board4 - No.2257
色々な意味で、残念ですね。
- 投稿者:速水右近
- 2002年07月02日(火) 14時28分
> しばらくこちらに参加させていただきましたが、私はこちらのサイトとは合いませんので、これで失礼させていただきます。
>
> こちらに参加されている常連さんの常識感覚や、こちらで行われている議論形式は、私の常識からは大きく外れます。
>
> 騙りではないかと疑いを掛けられた以上、その疑いが完全に溶けるまでは参加を続けようと考えました。
> しかし、同一人物ではないかと疑われ、また、こちらに理解を示してくださったS.Kさんには申し訳なく思いますが、これではこちらに参加を続けるのは苦痛でしかありません。
>
>
> ほんの1月前ほどには、好意さえ持っていたこちらのサイトに、概ね悪印象を持たざるを得なくなったのは、非常に残念です。
>
責任上、小生も書かねばなりませんね。
貴兄の脱退は、色々な意味で残念です。
なぜなら、貴兄は「某氏を責めるために、このHPに来た」のと、「S.K氏との同一人物説」という疑いを残したままなのですから。
少なくともその二つはクリアしていただきたかった次第です。
もっとも小生は、「去る者は追わず」ですので、貴兄がここにカムバックするのは御自由だと思います。
人生経験などを積まれて、帰って来たくなったら、戻られて下さい。
-
- board4 - No.2258
突然ですが、卒業します。
- 投稿者:速水右近
- 2002年07月02日(火) 14時38分
ええと、急な話なんですが、以前からの宣言通り、ここに書くと立場的にマズくなっちゃいました。
具体的に書くとですね、小説家としてのデビューが、決まっちゃったんですよ。
まだ具体的に出版の日取りとかは決まっていないのですが、某社の編集会議は通ったということで、ほぼ内定みたい。
もっともここに残ることも出来るのですが、どうせ好きなことを言うのなら、匿名で言うより、内部で言ったほうがいいかなと。
そういうことで、勝手に卒業ということです。
管理人氏をはじめ、色々とお世話になりました。
立場は完全に変わりますが、皆さまの「いい小説を読みたい」という希望は、小生の「いい小説を出したい」と同じです。
これからはここで培ったことを肝に銘じて、執筆活動を行いたいと思います。
まだ『持ち込み体験記』などにも書き足らないこともあったのですが、最後だけをまとめて、また別の機会に。
それでは皆さま、機会がありましたら、どこかでお会いしましょう!
- 親記事No.2258スレッドの返信投稿
- board4 - No.2259
持ち込み体験記 最終編
- 投稿者:速水右近
- 2002年07月02日(火) 15時44分
本来なら「死闘編」、「鉄血編」、「落涙編」などと続かせたかったのですが、上記の理由から、これが最後ということで。
以前、かなり馬鹿げた「持ち込み必勝法」を書きましたが、今度はかなりシビアに書きます。
1 自分の目標が「作家になる」なのか、「作家としてなにかを表現したい」なのかで、持ち込みする会社を変えたほうがいい。
1-1 「作家になる」
この場合、ノベルズなら「売れ筋」のもの(トラベル・ミステリと架空戦記)を集中的に出している、新興会社を狙うべき。なぜなら新興会社ほど、手持ちの作家はいない。まさに猫の手も借りたい状態。
出版条件(部数、印税)は悪いが、標準クラスのものを書けば、すぐにでもデビューできる。
1-2 「作家として表現したい」
即戦力を求めるノベルズでは、まず無理。まず中小で名の知れた出版社、かつ、そこのイメージと自分の作品が合いそうな会社に問い合わせてみる。
1-3 「将来的にはデビューしたいが、自分の実力がわからない」
これも、ノベルズではほぼ全滅。
しかし「自信を付ける」のが目的なら、逆に大手を狙ったほうがいい。出版の可能性は限りなく低いが、どうせ落とされるのなら、大きい相手のほうが納得する。また売り込みの最中に度胸も付く(これは得難い財産!)し、いい編集者に巡り会うチャンスもある。そういう人なら、ちゃんとどこがどう駄目なのかをアドバイスしてくれる。
2 実際に見た編集者列伝
2-1 超大手コミック担当
別の会社から小生の噂を聞き、問い合わせてきた編集者。会ってみると年下だが、かなりの切れ者らしい。
いきなり連載されるコミックのブレーンを頼まれる。その時、かなり人を食った様子で、こちらの知識を試しにかかる。
しかし先方が見ているのは「知識量」だけではなく、「知らない問題に遭遇した時の対処方法」だと判断。こちらがそれを答えると「採用」ということに。
いや、きついのなんの。しかしやりがいのある仕事ですね。
2-2 大手ノベルズ担当
『持ち込み体験記』に出た人だが、後日談。
デビューが決まったと報告すると、我がことのように喜んでくれた。
2-3 中堅ノベルズ担当
この人も『持ち込み体験記 激闘編』に出た。
最初はいい関係だったが、徐々に「アドバイス」が矛盾してくる。
もっとも「売れる小説」のための「アドバイス」であり、「小生が出したい小説」とは大幅に異なるもの。その誤差が顕著になるに連れ、関係か悪化した。
現在では、完全に絶縁している。
2-4 小規模ノベルズⅠ
ここは出している作品もひどいが、応対はもっとひどかった。
作品を預け、数日後に返送。書き出しで、読むのを止めたほど。
「ウチには合わないので途中で読むのを止め、返送します」
そういうことは普通、書かないものだがなぁ。
2-5 小規模ノベルズⅡ
ここも、応対がもっとひどかった。
電話で疑問点を聞くと、声を荒げてきた。
そこからはもう、喧嘩腰。あげくは先方から切ってきた。
2-6 まとめ
「中堅以下でノベルズを出している会社の応対は悪い」
これにはちゃんと理由があり、それを書くとマズイのですが……。
1-1と重複しますが、「売れ筋」ばかり出す会社って、実は経営的にヤバイ会社ってことなんですね。
「どうしてそうなるのか」という背景は、出版界の裏事情と関連するので細かくは書けませんが、そういう会社は「すぐに売れ、制作コストのかからない作品」を求めているため、編集者にも(新人を育成しようとする)余裕がないのですよ。
そういう意味でも、ノベルズデビューはお勧めしたくないのです。
ただ「作家になろう」と思っている人なら、このぐらいは自分の洞察力を働かせて、判断したほうがいいですね。
それが出来ないなら、無理とはいいませんが……、厳しいと思ったほうがいいのでは。
3 執筆前の心構え
これは大きい要素。
3-1 「あのぐらいなら、俺でも書ける」
ノベルズでデビューした作家に、こういうことをあとがきに書いている人もいますが、これは言っていい部分と悪い部分があります。
小説なんか、「早い者勝ち」の要素があるので、完成度が低くても、先に旗を揚げればいいのですよ。
ですから、『創竜伝』が売れたのなら、俺は五人兄弟で……とかじゃ、まず編集者が読んでくれない。
ただ、「あのぐらいなら、俺でも書ける。だが、俺はあの程度のものは書かない」というプライドは、持っておくべきでしょうね。
3-2 できるだけ多くの(職種の)人と会う
自分たちの世界で盛り上がる、オタク向け、ノベルズには関係のないことだけど……。
沢山の人に読んで貰うには、人物研究が大事。そのため、出来るだけ多くの人と付き合うこと。しかし似たような職種の人と会うよりも、別の職種の人と話すほうが獲るものが多い。
小生を例に取りますと、某国大臣や大使、将軍、空母の艦長、スポーツ選手(元サッカー日本代表。ほとんどの人が知っている名前)、大学の先生……と思ったら、ホームレスにも友人がいたり、ダフ屋さんと仲良くなったりしてます。
やっぱり人それぞれ、考えさせられますよ。
3-3 外国に行こう
とくにSFを書くとき、違う習慣などを想像するにも限界がある。それなら、まず外国に行って慣らしておいたほうがいい。
あんまり小説を書きたいという学生に、行動的な人は少ないみたいだが、学生時代は無理をしてでも一ヶ月ほど一人旅をしたほうがいい。
また小生は知り合いの作家から、
「小説は足で書く」
とも言われています。
機会を見つけては、旅行しましょう。
トラベルミステリの大家なんか、小生より旅行、してないはずですぜ。
以上、本当に急に纏めたので粗くなりましたが、作家になるための心構えでした。
しかし今日の不況では、かなり食べていくのは難しい状況です。
一番勧めたいのは、なにか仕事をしながら、副業で書くということですね。変に自分で職業の選択余地を狭めるよりも、そちらのほうが確実ですよ。
ともかくこれで作家になりたい方のお役に立てるかどうかはわかりませんが、小生の経験を基に書かせていただきました。
作家志望の諸君の、健闘を祈ります。
- 親記事No.2213スレッドの返信投稿
- board4 - No.2260
Re:管理人さんに質問
- 投稿者:本ページ管理人
- 2002年07月02日(火) 16時12分
こんにちは。
らいとすたっふに関しては少々お待ち下さい。
よろしくお願いします。
- 親記事No.1726スレッドの返信投稿
- board4 - No.2261
立ち去られることは残念です
- 投稿者:本ページ管理人
- 2002年07月02日(火) 16時30分
こんにちは。
この場が合わずに立ち去られることは残念です。
ここにおいて、mnkさんを不快にさせる出来事が発生したことについては、管理人としてお詫びいたします。
> こういう目的なら、意見がある人は「コラム」みたいなそれ自体完結した文章を提出して、それに対して賛意や(またそれ自体完結した)反論を募る、「投稿と反響」という形が一番でしょう。
> こちらで行われている、「相手の意見を直接引用し、それに対して意見をつける」という形で話を進める手法は、ディベートにも近い議論だと、私は思います。
おっしゃることは確かにその通りではありますが、これは「コピー&ペースト」が使えるという条件下で発展した流儀だと思います。
ここの常識というよりは、コンピュータ上での常識ですね。
「コラム」の面と「ディベート」の面を併せ持つのが、掲示板の議論ではないかと思います。
- 親記事No.2249スレッドの返信投稿
- board4 - No.2262
Re:田中芳樹を擁護する!
- 投稿者:本ページ管理人
- 2002年07月02日(火) 16時40分
こんにちは。
既に何人かの方が返答されていますが、提示された件についての回答は、ホームページのコンテンツをご覧下さい。
ちなみに、私がはじめて田中芳樹批判を書いたのは高校生の頃で、「管理人の本論」の番号が若いものは、私が高校の文芸部で書いた批評を、若干の手直しをして転載したものです(基本的にはそのまんま)。
そういうわけで、高校生を過小評価しているわけではないですよ。
このサイトは、あくまでも楔を打ち込むだけです。
- 親記事No.2258スレッドの返信投稿
- board4 - No.2263
お世話になりました
- 投稿者:本ページ管理人
- 2002年07月02日(火) 16時49分
デビューおめでとうございます。
本が出たら是非読ませて頂きたいと思います。
速水さんにはこの掲示板にずいぶん風を吹き入れて頂き、感謝しています。この掲示板を卒業されるのは残念ですが、新たな門出としてお祝いしたいと思います。
もし、都合がつきましたら、是非いつでもお立ち寄り下さい。
P.S.
少々お尋ねしたいことがありますので、もしよろしければ私宛にメールをお願いいたします。
> ええと、急な話なんですが、以前からの宣言通り、ここに書くと立場的にマズくなっちゃいました。
> 具体的に書くとですね、小説家としてのデビューが、決まっちゃったんですよ。
> まだ具体的に出版の日取りとかは決まっていないのですが、某社の編集会議は通ったということで、ほぼ内定みたい。
> もっともここに残ることも出来るのですが、どうせ好きなことを言うのなら、匿名で言うより、内部で言ったほうがいいかなと。
> そういうことで、勝手に卒業ということです。
>
> 管理人氏をはじめ、色々とお世話になりました。
> 立場は完全に変わりますが、皆さまの「いい小説を読みたい」という希望は、小生の「いい小説を出したい」と同じです。
> これからはここで培ったことを肝に銘じて、執筆活動を行いたいと思います。
> まだ『持ち込み体験記』などにも書き足らないこともあったのですが、最後だけをまとめて、また別の機会に。
>
> それでは皆さま、機会がありましたら、どこかでお会いしましょう!
- 親記事No.2248スレッドの返信投稿
- board4 - No.2264
Re:残念な事です…。
- 投稿者:平松重之
- 2002年07月02日(火) 17時03分
<しばらくこちらに参加させていただきましたが、私はこちらのサイトとは合いませんので、これで失礼させていただきます。
こちらに参加されている常連さんの常識感覚や、こちらで行われている議論形式は、私の常識からは大きく外れます。
騙りではないかと疑いを掛けられた以上、その疑いが完全に溶けるまでは参加を続けようと考えました。
しかし、同一人物ではないかと疑われ、また、こちらに理解を示してくださったS.Kさんには申し訳なく思いますが、これではこちらに参加を続けるのは苦痛でしかありません。
ほんの1月前ほどには、好意さえ持っていたこちらのサイトに、概ね悪印象を持たざるを得なくなったのは、非常に残念です。>
Merkatzさんに続いてmnKさんまで立ち去られてしまうとは、つくづく残念です。あるいは誤解や認識のスレ違いもあるのではないかとも思うのですが…。
まあ、今後この場を再評価する機会があったならば、いつでも参加なさって下さい。
- 親記事No.2258スレッドの返信投稿
- board4 - No.2265
Re:突然ですが、卒業します。
- 投稿者:平松重之
- 2002年07月02日(火) 17時17分
<それでは皆さま、機会がありましたら、どこかでお会いしましょう!>
デビューおめでとうございます。
速水さんとは全くと言っていいほどお話は出来ませんでしたが、「持ち込み体験記」で語られている様々な苦労話は拝見していました。
心身を大切になさった上で、これから頑張って下さい。文筆家としての充実感と成功を手に入れられる事をお祈りします。
- 親記事No.2136スレッドの返信投稿
- board4 - No.2266
ご健闘お祈りいたします
- 投稿者:S.K
- 2002年07月03日(水) 05時00分
>速水さん
この場合「おめでとうございます」でいいんですよね?
いや、またぞろ嫌な編集との妥協とかあって嫌味になると拙いので。
ともあれ今後の御活躍を心からお祈りさせていただきます。
あとあまり意味はなくなったのですが一件。
> ただ管理人氏から警告を受け、その後、自分からペナルティを選んだ人に対し、第三者の小生や他氏に、いったい貴兄は、なにを望まれてるのですか?
速水さんに対しては「一回注意を喚起して、まだ何か不平がある様なら多少の間は我慢して耳を傾ける寛容さ」です(でした、かな?)。
他の方々には個別にお答えしております。
- 親記事No.2136スレッドの返信投稿
- board4 - No.2267
Re:7月1日には間がありますが
- 投稿者:S.K
- 2002年07月03日(水) 05時06分
> 優馬さん
いや、優馬さんの寄って立つ処を明言していただいただけでも私は感謝しております。
お手数をおかけして申し訳ありませんでした。
その主張をどう受けとめるかの対象であるmnkさんが去られたのは残念な事でしたが。
- 親記事No.2248スレッドの返信投稿
- board4 - No.2268
以後の健闘はお祈りしますが
- 投稿者:S.K
- 2002年07月03日(水) 08時16分
> 速水さん
見ておられるかは判りませんが「私のHNの責任分」で一言。
> 責任上、小生も書かねばなりませんね。
> 貴兄の脱退は、色々な意味で残念です。
> なぜなら、貴兄は「某氏を責めるために、このHPに来た」のと、
どう見ても先に「牽制球」とやらのいらない絡み、言いがかりをしたのは「某氏」なのですが。
>「S.K氏との同一人物説」という疑いを残したままなのですから。
> 少なくともその二つはクリアしていただきたかった次第です。
これまでのやり取りと経緯で普通「違う」という結論に到達しませんか?
正直な話、私宛に仰っているなら「馬鹿ですか、貴方」と申し上げている処です。
それはそれとしてまあ本当に頑張ってください。
しかし、あまりに突飛な論理展開を行うと「それが芸風」というウケ方をしないと「読者がついていけない」という結果になりかねないのでその点はご注意されると宜しいかと(一応「作家なんて皆どこかおかしい」という偏見には与しない主義ですので)。
- 親記事No.2249スレッドの返信投稿
- board4 - No.2269
誘拐事件調べてみました
- 投稿者:佐々木公彦
- 2002年07月03日(水) 16時34分
> そうアメリ力の新聞が皮肉ったことがある。 一九八八年にR事件とよばれる新興企業がらみのスキャンダルがおき、首相や大 蔵大臣の名前が事件に出てくると、いきなり「フィリピンの日本人誘拐事件は日本の過激派のしわざだった」というニュースが 発表された。 一時は大さわぎになったが、その後、何の続報もなく、いつのまにやら話は立ち消えになってしまった。
これは三井物産のWさん(仮名)が誘拐されたときのことのようです。
かなり話題になりました、当時中学生でしたが覚えてます。
解放されたのが昭和63年月、リクルート事件の第一報は6月、誘拐事件に過激派(と言うより国際テロリストである日本赤軍)の関与が報じられたのが9月、これをみるとリクルート事件と誘拐事件の赤軍関与の公表が関係あると言い張ることもできますが、R事件の捜査が本格化していくのはこれからです。
翌年の参議院選挙で自民党は歴史的な大惨敗をします。
政府高官の汚職と過激派の犯行の発表の関連性は少なくともこの事件にはありません。
そして他にもっと関連性が感じられるような状況があったのなら、少なくとも当時大学生ぐらいの年齢の人だとだませないようなこんな事件ではなく他の事件を持ってきているはずです。
ちなみに被害者の方は自分がみたのはすべて現地人だったので日本赤軍の関与は信じられないと仰っています。
私の独断ですが誘拐事件の赤軍関与はリクルート事件の報道の陰に隠れたためにその後の続報がなかったのでしょう。
私は今回改めて調べるまでせく軍関与は知りませんでした。
-
- board4 - No.2270
MIRACLE
- 投稿者:IK
- 2002年07月04日(木) 09時32分
しばらく読んでいて、いろいろこちらもおありになったようですが落ち着いたようなので書き込みます。
田中芳樹さんの小説については大体、「銀英伝」サイコー、「創竜伝」なんじゃ、やり方が卑怯じゃのう、と言うところでしょうが、こちらもかなり歴史があるページでいらっしゃるようなので、おそらく田中芳樹さんも一度ならず目を通しているはず。単なる言いがかり以上の説得力をもった議論を皆さんが展開されているのに、一向に田中芳樹さんの作風が変わらないのはもう、本人は確信犯であり、これはもう何を言っても無駄じゃないでしょうか。
結局、「銀英伝」という小説がスペースオペラの枠を超えて余りにも素晴らしかったために、どうしても「田中芳樹」を皆さん諦め切れないのでは。でも「銀英伝」は奇跡の小説であり、奇跡はたびたびは起きないから奇跡なのです。
もう奇跡はおこりません。
-
- board4 - No.2271
経済から見た銀英伝
- 投稿者:蜃気楼
- 2002年07月04日(木) 10時25分
はじめまして、まだ途中までしか読んでいないのでひょっとしたらすでにどなたか考察している方がいらっしゃるかもしれませんが経済面から銀英伝を見るとどうなるでしょうか?
帝国においては軍人になるくらいしか庶民に栄達の道はなく、一方貴族たちはその特権を活かしてなんらリスクを負うこともなく儲けています。ミッターマイヤーの父親の言葉と、フェザーンの商人の言葉より。
このような社会が経済的に見て活力を持つとは思えません。近代資本主義と比べればその効率はかなり劣るのではないでしょうか?
ですから同盟と帝国の国力は一度同盟が追いつけばあとは追い越すだけで、その差は開き続ける一方のはずですが、何故か、130年も戦争を続けています。このことから同盟の経済にも何らかの致命的な欠陥があると推察されるのですが、経済関係の描写が少ないことからどのような欠陥か推察できません。
どなたかうまい説明を考えてはくれないでしょうか?
PS HNは前首相のあだ名より。彼は創竜伝的には実にいいキャラだったと思いますが、田中氏はすぐに辞任するとはおもわなかったのでしょうか?
- 親記事No.2249スレッドの返信投稿
- board4 - No.2272
Re:小説か? 評論か? より
- 投稿者:イッチー
- 2002年07月04日(木) 17時41分
幸か不幸か、私は「創竜伝」を読んだことがないのですが、下記のような文章が本当に存在するとしたら、明らかに若い世代をミスリードする文章であると思われます。
> 「日本の公安警察は、まことに特異な能力を持っている。政府高官の汚職や疑惑がおおやけになった直後、かならず外国のス パイが逮捕されたり、過激派の犯行が明らかになったりする」
> そうアメリ力の新聞が皮肉ったことがある。 一九八八年にR事件とよばれる新興企業がらみのスキャンダルがおき、首相や大 蔵大臣の名前が事件に出てくると、いきなり「フィリピンの日本人誘拐事件は日本の過激派のしわざだった」というニュースが 発表された。 一時は大さわぎになったが、その後、何の続報もなく、いつのまにやら話は立ち消えになってしまった。こんな例はいくつもあって、公安警察のやりくちはワンパターンなのだが、 マスコミがまたそのつど、ほいほいとじつ によく踊るのである。お隣りの国でおきた「旅客機行方不明事件」も、いつのまにか「旅客機爆破事件」になり、「美貌の女スパイ 事件」になり、「拉致された日本人女性事件」になって、さて肝腎の旅客機と乗客はどうなったのやら、ろくに捜索もされぬまま に、いつのまにか人々の記憶は薄れてしまったのだ。何と御しやすいマスコミであり、何と忘れっぽい国民であろう……。
> (創竜伝3巻 P118)
>
前半のW氏誘拐事件については、佐々木公彦氏が詳しく調べられているので触れませんが、後半の大韓航空機爆破事件の記述は明らかに誤りです。第一、人々の記憶はまったく薄れていません。当時、私は中学生でしたが、今でもはっきりとこの事件については記憶しています。また、件の美貌の女性スパイは韓国で裁判にかけられましたが、特赦で釈放され、現在では幸福な家庭生活を営んでいるようです。彼女の動静はたまにニュースで報道されますし、北朝鮮に対するコメントを求められて、ニュース番組に登場することもあります。 (このこと自体、この事件が忘れられていない証左では?)
大韓航空機爆破事件は最初、墜落したと思われていたのが、後に爆破されたものであるとわかったために墜落→爆破事件となったのです。呼び方が変わったのは当然のことです。そして、中東で男性と女性の二人組が爆破の容疑者と逮捕されたのですが、彼らは日本人名を名乗り、日本人を装ったので日本国内では大騒動となりました。男性は自殺しましたが、女性は自殺に失敗し、身柄を拘束されました。そこで、女性の正体は北朝鮮のスパイであり、ソウルオリンピックを妨害するために大韓航空機を爆破したことがわかりました。女性の正体が日本人ではなく、北朝鮮のスパイであることが判明したため、その後の取調べは韓国側がおこないました。これも当然のことです。
しかし、日本の警察も何もしなかったわけではありません。男性スパイが使用した名前の人物を特定し、男性スパイがその日本人になりすましていたことを特定しました。また、女性スパイに日本語や日本の風習を教えた女性は日本から拉致された女性であることが判明したため、日本の警察は教育係の女性の身元も特定しました。しかし、その女性の親族が女性の子供が迫害されることを懸念して、徹底してそのことを認めなかったため、教育係の女性の身元が公表されるのが遅れました。その後、日本政府は教育係の日本人女性の存在を北朝鮮政府に対して照会していますが、北朝鮮政府はその存在を否定し続けています。さらに、日本国内で女性スパイの少女時代の写真が公表されると、北朝鮮は身代わりの女性をたて、女性スパイの存在はでっちあげだと主張しました。今でも、北朝鮮政府は大韓航空機爆破事件を自分たちが起こしたとは認めておらず、日朝間の懸案となっています。このように、大韓航空機爆破事件は今日でも様々な問題を我々に投げかけており、日本人が忘れ去ったとは到底言えません。
ちなみに、私は韓国・北朝鮮どちらの国にも何の感慨も抱いておりません。ただ、事実を捻じ曲げる(それも論争中の問題ではなく、ある一定以上の年齢の者なら誰でもわかるようなことを)ことに反対するだけです。
- 親記事No.2271スレッドの返信投稿
- board4 - No.2273
Re:経済から見た銀英伝
- 投稿者:イッチー
- 2002年07月04日(木) 18時41分
> はじめまして、まだ途中までしか読んでいないのでひょっとしたらすでにどなたか考察している方がいらっしゃるかもしれませんが経済面から銀英伝を見るとどうなるでしょうか?
> 帝国においては軍人になるくらいしか庶民に栄達の道はなく、一方貴族たちはその特権を活かしてなんらリスクを負うこともなく儲けています。ミッターマイヤーの父親の言葉と、フェザーンの商人の言葉より。
> このような社会が経済的に見て活力を持つとは思えません。近代資本主義と比べればその効率はかなり劣るのではないでしょうか?
江戸時代の日本を考えれば比較的わかりやすいのではないでしょうか?江戸時代は人々は士農工商の身分制度にがんじがらめになった封建社会のように感じる人が多いようですが、実際には功績のあった農民や町人が武士にとりたてられたり(二宮尊徳など)、金の力で富裕な農民や町人が武士の身分を買ったり、養子にはいったりして、階級を上昇することは可能でした。また、一応、職業は世襲とされていましたが、農民のなかには農業に見切りを付けて都市に流れ込み、別の職業に就く者が数多くいました。(そういった人たちは公的には出稼ぎ扱いとされ、明治初めに壬申戸籍が作成されたときに百姓と記載されました。今日の歴史書はそれを基にしているため、江戸時代の農民の割合は80%以上などと記載しています)このように、表向き、身分制度で縛られながらも、江戸時代は割合身分が流動した時代で、物資や人間の流通は活気に満ちて、元禄文化や化政文化といった町人文化が栄えました。
おそらく、銀河帝国も江戸時代の日本と同じような社会なのではないでしょうか。軍の高級将校や閣僚・高級官僚になるには貴族出身でないと難しいでしょうが、平民出身であっても学問や産業振興、科学技術の分野などで功績をあげれば貴族に登用される道が開けていたのではないでしょうか。また、ビジネスの世界ではおそらく身分による差別はなかったでしょうから、平民階級でもビジネスに成功して巨万の富を築き、没落した貴族の身分を買ったり、娘を嫁にもらったりして(ロイエンタールの父が良い例)自分のステイタスを上げることは十分可能だったのではないでしょうか。
また貴族と言ってもブラウンシュヴァイク公やリッテンハイム候のような名門の大貴族ならば、広大な領土と様々な特権で贅沢三昧の生活が送れたでしょうが、江戸時代の中小の大名が遣り繰りに苦しんだように、銀河帝国の中小の貴族たちの台所もそんなに豊かではなかったのではないでしょうか。マリーンドルフ伯がどこかの会社に投資して少し損をしたとかいうキュンメル事件のときにでてきたと思いますが、貴族の中には投資に失敗して財産を失った者も少なくなかったと思います。(だから貴族がリスクなしで儲けているとはいえない)
ところで、銀河帝国を時代劇に例えるならば、
銀河帝国皇帝が将軍様、アンネローゼが大奥に召抱えられた浪人の娘、ラインハルトが将軍様の姉への寵愛によって大名に取立てられた若侍、キルヒアイスがそんな若侍に健気に尽くす小姓、ブラウンシュヴァイク公やリッテンハイム候が次期将軍を狙う御三家、アンスバッハがブラウンシュヴァイク家の家老といったところでしょうか?(笑)
>
> ですから同盟と帝国の国力は一度同盟が追いつけばあとは追い越すだけで、その差は開き続ける一方のはずですが、何故か、130年も戦争を続けています。このことから同盟の経済にも何らかの致命的な欠陥があると推察されるのですが、経済関係の描写が少ないことからどのような欠陥か推察できません。
> どなたかうまい説明を考えてはくれないでしょうか?
おそらく、軍事費が予算を圧迫していることと、フェザーンがダミー会社を通じて同盟経済を牛耳っているのが原因なのではないでしょうか?別のスレで考察しましたが、私の計算だと同盟の軍事費は国家予算の50%前後に達しています。これは戦時中とはいえかなりの効率です。その分、経済開発にまわされる予算は縮小されるでしょうから、設備投資や辺境星域の開発は後回しにされ、経済は沈滞します。フェザーンの目的は戦争の継続ですから、経済を握ったフェザーンは同盟が強くなりすぎないよう様々な工作をするでしょう。さらに、人的資源の面でも同盟は帝国の1.5分の1程度の人口しかありません。総力戦を続けていけば、同盟国内での兵役年齢の人口のほうが先に減少し、老齢者や年少者がその代わりをつとめることになります。これでは生産性は上がるどころか下がる一方でしょう。(ホワン・ルイが指摘するように)さらに、帝国では政治犯を奴隷階級に落とし、鉱山などで強制労働されていますから、ほとんど0に近いコストで軍需品の原料を手に入れることが出来ます。一方、同盟はそのような非人道的なまねは出来ないでしょうから、高いコストで原材料を手に入れなければなりません。このあたりも同盟が帝国に対して経済面で不利な点ではないでしょうか?
と言う風にわたしは本編に合う様に分析しましたが、私自身はゴールデンバウム王朝が500年も続くのと、130年も帝国・同盟の戦争が続くのは明らかにおかしいと思っています。
-
- board4 - No.2274
帝都物語と創竜伝
- 投稿者:竜神
- 2002年07月04日(木) 21時36分
創竜伝を読んで思ったことは、荒俣氏の書かれた「帝都物語」のように、天皇の位置付けを明確にすると話として面白みが出てくるのでは?
帝都物語における天皇は、古代史における簒奪者としての一面を表に出すことにより独自の歴史観を成り立たせ、結果、多くの支持を集めた。
創竜伝もつまらない社会批判をする前に、折角のモチーフを有効に活用ができたなら、銀英伝以上の評価を与えられると思うのだが。
- 親記事No.2258スレッドの返信投稿
- board4 - No.2275
Re:突然ですが、卒業します。
- 投稿者:やっち
- 2002年07月04日(木) 21時47分
どうも、久しぶりのやっちでございます。
レスを読ませて頂きました。
小説家デビューおめでとうございます!!(レスが大変遅くなりましたが………)。
まさに「捨てる神あれば拾う神」ありという所でしょうか!
今まで大変だったでしょうが………たぶんこれからも大変でしょうが、志高く持って頑張って下さい。
さて、「田中芳樹を撃つ!」なので、田中氏関連で一つ。
僕は田中芳樹という作家は典型的な「潰された作家」だと思っています。
元々、長編小説を半年に一冊程度しか書けない遅筆の彼が売れてしまったため、数々の執筆依頼を受け、その過剰な依頼を引き受けているうちに筆が荒れてしまい、結局、「書けなくなってしまった」というのが真相のように思います(実際、あとがきで「缶詰め」され、仕方なく書きなぐったという文章もありましたし…………)。
彼が「創竜伝」と警察もの以外、コンスタントに書けなくなったのはそれが原因でしょう(彼がもっとも得意とした架空歴史小説はとてつもない構成力と筆力を必要とするジャンルですから)。
この前、久しぶりに彼の最近の作品(中国もの)を読みましたが銀英伝やマヴァール年代記の頃から見ると明らかに筆力が落ちていました。
10年かけて築き上げたものをあの数年で失ってしまった(彼の全盛期は、銀英伝を除けば、5年もないはずです)…………それと同時に彼は自分の志(良心)も見失ったのだと思います。
兼業作家で行こうと考えている速水さんがこういう事態にならないとは思っていますが、老婆心ながら書かせていただきました。
田中氏については、かつて僕の神様だったので温かい目で見ていこうと思います。
僕も彼の作品を読まなければ小説なんて書くことのなかった「田中の子」の一人ですし(笑)。
最後に一言。
そのうち、そちらに行くと思いますのでその時は仲良くして下さいね!(笑)
- 親記事No.2271スレッドの返信投稿
- board4 - No.2276
レスありがとうございます
- 投稿者:蜃気楼
- 2002年07月05日(金) 05時40分
銀河帝国が江戸時代の日本のようなものだったということも、江戸時代がそれほど酷い時代ではなかったということにも賛成です。むしろ江戸時代の日本というのは近代以前における理想的な社会の一つだったと思っています。ただ近代資本主義経済と比べると効率においてはかなり落ちると思います。仮に江戸時代の身分制度を維持していたとしたら今の日本の経済力とは比べ物にならないほど低かったと思います。まあこれは私が資本主義の礼賛者だというだけのことかもしれませんが。
>帝国では政治犯を奴隷階級に落とし、鉱山などで強制労働されていますから、ほとんど0に近いコストで軍需品の原料を手に入れることが出来ます。一方、同盟はそのような非人道的なまねは出来ないでしょうから、高いコストで原材料を手に入れなければなりません。このあたりも同盟が帝国に対して経済面で不利な点ではないでしょうか?
まずこれから反論します。やり易いので。政治犯に奴隷労働をさせるというのは一見経済的なようですが、実は、「政治犯が社会においてなしえたはずの貢献」というコストが掛かっています。無論ただ飯を食わせるよりはましですが。そもそも、ここで考察する必要があるほど多くの政治犯がいたのでしょうか?
>別のスレで考察しましたが、私の計算だと同盟の軍事費は国家予算の50%前後に達しています。これは戦時中とはいえかなりの効率です。その分、経済開発にまわされる予算は縮小されるでしょうから、設備投資や辺境星域の開発は後回しにされ、経済は沈滞します。
これが1番説得力がありそうです。ただ、予想以上の戦果を挙げたときなどに戦費を節約したり、守勢に回ることで(補給線や地理的要因で防御側が有利)戦費を減らし余剰分を設備投資に回せばあとは 設備投資>経済成長>税収増大>設備投資のサイクルで鼠算式に同盟の国力が増大し帝国を圧倒できます。もっともこの程度の戦略を立てられる政治家が同盟にいなかったとしても不思議じゃないですが。結局のところ130年も戦争を続けるには両国の潜在的な経済成長率(軍事支出が0の場合の成長率)がほぼ同じでないといけません。たとえ1%違っていても130年では大きな差が出ます。
>人的資源の面でも同盟は帝国の1.5分の1程度の人口しかありません。総力戦を続けていけば、同盟国内での兵役年齢の人口のほうが先に減少し、老齢者や年少者がその代わりをつとめることになります。これでは生産性は上がるどころか下がる一方でしょう。
同じ10億人の兵士が死んだとしても同盟と帝国ではその意味が違うということですね。ところで20代30代の人間が少ないというのは負けが込んできた時のそれも軍内部だけの話だと思っていましたが慢性的でしかも社会全体の話だったのですか?今手元にテキストがないんで、すみません。
あとフェザーン関係の指摘ですが、フェザーンが同盟の経済発展を抑制するのは難しいと思います、どこの企業が自分のところの子会社の業績をわざと低下させるでしょうか?利益を本社が吸い上げるという手もありますがそれを長く続けると今度はフェザーンが肥大化します。ん?待てよ何でフェザーンの国力が肥大化していないんだ?ろくに軍事費もかけず商人の国というくらいだから資本主義だったはずなのだから、同盟から吸い上げなくても130年の間にゼン銀河を制圧できるくらい強大化してもよさそうなものだが、、フェザーンよおまえもか!(笑)どうやら銀英伝の世界では資本主義は絶滅しているようです。
- 親記事No.2271スレッドの返信投稿
- board4 - No.2277
Re:レスありがとうございます
- 投稿者:IK
- 2002年07月05日(金) 09時13分
蜃気楼さんへ。
以前、友人とこのあたりについて議論した時、ほぼ同様の結論に達しました。
独裁専制国家が資源集中によって短期的に自由主義国家を圧することはあっても、長期的にはその非効率性によって自由主義国家の敵とはなり得ないというのはソ連の崩壊を見た我々にはもはや歴史の常識でしょうね。
但し、自由というのは自己増殖を行いますので、国家の中心核が希薄になった時、崩壊にいたるか、専制政治に循環するという現象はまま見られます。ただフリー・プラネッツではそこまで状況は進行しているようには見られませんでしたが。
私の結論は、あの小説の設定(政治的なものに限っての話ですが)は現実性に乏しいというものです。