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- board1 - No.504
まとめレス
- 投稿者:本ページ管理人
- 1998年12月28日(月) 16時57分
>榊屋本舗さん
>大変すばらしいHPでした。このような議論の場が冷静かつ建設的に経営され、管理人さんの望まれる効果が正しく反映されることを切に願っております。
ありがとうございます。ボリュームのある力の入ったご意見は非常に参考になりました。
>そう言えば「ヤン・ウェンリーごっこ」(しょうもない演説の後に、周りに合わせて立って拍手をせず、座ったまま腕を組んでいるというもの)も仲間内ではやりましたね。
あ、私もやりました、それ(笑)。
でも、私は中高生の頃に、創竜伝も含めて田中作品に触れられて良かったと思うのです。あの頃の傾倒ぶりと、それに対する止揚がなかったら、大学の変なサークルや、会社の変な労組にオルグられたとき、もしかしたら耐性がないせいで傾倒してしまうかも知れなかったから。
尾崎豊の歌とかと同じで、田中芳樹の思想は「はしか」だと、私的には思っています。
>田中芳樹の宗教観
確かに、見本として展示したいくらい典型的な唯物史観ですね。
>人間の歴史にも発想にも行動にも宗教や信仰の要素が大きく影響を与え、左右してきたのは氏が好むと好まざるとに関わらず厳然たる事実ですよね。現代の感覚でそれを「間違ってる!」と言ったって仕方ないし、それを無視して歴史を語ると様々な所で無理が生じてしまう。
その通り! 田中氏の歴史小説が決定的に平面的でダメな部分が、まさにここだと思います。いや、歴史物はまだ良いとして、現実に呪術の世界に生きているファンタジー作品のキャラクターが唯物史観論者なのは、どうにも、ねぇ。
それにしても、キリスト教ってエッセンスがわかりやすいためか、よくサブカルで使われてますよね(あの「エヴァ」もそうだし、他にも「バスタード」とかいろいろ)。で、私が見た限りでは、サブカルはプチ田中芳樹が多いためか、田中芳樹的なキリスト教批判(絶対的な正義を唱えるものは残酷だという奴)と一体になっていることが多いですね。
こういうのを見たり読んだりしてキリスト教を分かったつもりになる人も多いみたいですけど、キリスト教徒じゃない私からしてもイヤですね。みっともない。
それをしたいのなら、やっぱり、最低でも聖書くらいは読むべきだと思うし、スコラ学(アンセルムスあたり)なんかの凄さとおぞましさを感じてみるべきだとも思います(ちょっと偉そうだな;)
>創竜伝REAL
ご愁傷様でした(^_^;
こういう人が多いのも、事実なんですよね。いちおうフォローすると、こういう人は政治家特有の人種(こういう書き方をするから、創竜伝はいかがわしい)ではなく、庶民や弱者のなかにもいます。が! やはり、権力をもつ政治家がこういう態度をとっちゃいけないよなぁ…
>機嫌を損ねて黒スーツに膝を砕かれでもしたら大変でしたね!
う~ん、流行っているのかな、膝砕き(^_^;;;
実はシロートでもコツ次第で結構できるものなんですけど、もちろんやめましょうね。痛いから(笑)……それにしても、親の敵でもない限り、絶対後味が悪いと思うのだけどなぁ。たとえ相手がヤクザや悪党だといっても。
>ところで、オフ会とかやるつもりはないんすか?
うーん、地域密着のBBSならともかく、インターネットじゃ難しいんじゃないですかね。
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- board1 - No.508
ぜひ一言
- 投稿者:KIMU
- 1998年12月30日(水) 11時28分
はじめまして
田中さんのことを好きな人のHPやこのページのように田中芳樹に一石を投じるページを見てくると
田中先生に限らず自分の意見や考え方を発表するときは自覚と責任
をもたなくてはならないなあと感じられました。
以上この掲示板で論説をふるわれておられる皆様には
生意気に思われてしまうかもしれませんが書き込ませていただきました。
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- board1 - No.509
そのとおりですね
- 投稿者:榊屋本舗
- 1998年12月30日(水) 16時26分
KIMUさんへ。
私も全く同意見です。特にこのような場はお互い面とむかって話しているわけではありませんから、特に気を引き締めたいと思います。
だからというわけでもないですが(笑)、先日の私書き込みでミスがありましたので修正します。陳舜臣先生のお名前の字が間違っておりました。失礼いたしました。年内に気付いてよかった。
勢いで書いたことでしたが、たくさんの方にご返答いただいて、大変うれしく思いました。しかもここはアンチ田中HPなのに・・・ごめんなさい。今後も活発な意見や論議を期待しております。
それではみなさん、よいお年をお迎えください。
1999年がどなたにとってもすばらしい年となりますように。
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- board1 - No.510
本年はありがとうございました
- 投稿者:本ページ管理人
- 1998年12月31日(木) 05時31分
>田中さんのことを好きな人のHPやこのページのように田中芳樹に一石を投じる>ページを見てくると
>田中先生に限らず自分の意見や考え方を発表するときは自覚と責任
>をもたなくてはならないなあと感じられました。
誰しも、人への批判は口に甘く、自分への批判は口に苦いものです。その点で、創竜伝などは私にとって批判対象であるとともに、反面教師でもあります。
本年は試行錯誤の連続でしたが、たくさんの方に応援をいただきました。ありがとうございました。
それでは、良いお年を。
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- board1 - No.511
しかし・・・。
- 投稿者:ラーズ
- 1998年12月31日(木) 14時18分
あのさ・・・。
そんなに嫌なら先生の作品読まなければいいのでは?
君にとってはよほど精神衛生的に良くないようだからね。
ここの内容ってイジメに近いぜ、ホント。
重箱の隅突付くようなコンテンツの数々ね。
歪んだ人だね、管理者の君って。
可哀想。
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- board1 - No.512
しかし…
- 投稿者:うーるりっひ
- 1998年12月31日(木) 15時09分
あのさ・・・。
そんなに嫌ならこのサイトのコンテンツを読まなければいいのでは?君にとってはよほど精神衛生的に良くないようだからね。
自分の書いてる文章の意味すら分かってない馬鹿って救いがないぜ、ホント。
「重箱の隅突付くようなコンテンツ」とかって思うのは勝手だけど、批判したいなら具体的に書かないとね。
困った人だね、君って。
可哀想。
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- board1 - No.513
新年あけましておめでとうございます
- 投稿者:本ページ管理人
- 1998年12月31日(木) 17時30分
本年もよろしくお願いいたします。
創竜伝の最終巻、出るといいなぁ。公約破って13巻とか出ませんように(ってさんざんこのHPで批判してきたんだけど)。
>ここの内容ってイジメに近いぜ、ホント。
「陰口」とか言われていた頃に比べると、「イジメ」というのは多少は説得力が出てきたことと受け取りたいですね。
あれだけの作家を相手にイジメることができたということは、賛辞として受けておきます。
新年早々、大人げなくてすみません。
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- board1 - No.514
ウーム…
- 投稿者:ドロ改
- 1998年12月31日(木) 17時33分
下に並んでる2つの掲示、上手な嫌味とそれに対する切り返しの見本みたいですね。
もうちょっと捻れば、田中芳樹の小説に陰険漫才として登場できるかも(笑)。
所で、新年なんでちょっと新しいネタを。思想云々はともかく田中芳樹の書く小説の、戦略・戦術面でのリアリティと思考実験的楽しさは、私には突っ込み様の無い素晴らしいものに思えるのですが、どうでしょうか?
この点に関しての、批判的レスお待ちします。田中芳樹の思想に関しても、昔私はこう考えていた訳なので、その固定観念に一石を投じる新しい見方、お待ちしています。
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- board1 - No.515
すいません
- 投稿者:ドロ改
- 1998年12月31日(木) 17時39分
打ってる間に投稿数が増えちゃって、私の前置き、不適格になってます。あれは、511と512に関していったことですので。まあ、誰も気にしないでしょうが、念の為。
>イジメ
1対多数と言う意味でなら当てはまりそうですが、実はご本尊は出てまいりませんから、正確には「欠席裁判」が正しいかと(苦笑)。美しい日本語は性格に使いませうと田中先生もおっしゃられて居る事ですし(笑)。
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- board1 - No.516
影響力
- 投稿者:KIMU
- 1999年01月01日(金) 03時16分
私はじつは2、3年前に初めて銀英伝を読んで
今は創竜伝を8巻まであつめて読んでいます。
そして個々のキャラクターとしてヤン・ウェンリーや竜堂兄弟が大好きです。
そこで思うのですがこういうキャラクターの行動は小説のなかでは人によりますが1度は笑いを誘われたのではないでしょうか。
しかし、かれらの言葉はすべて田中氏の思想を語るスピーカーであって若い読者の方は様々な本を読むべきときに
田中氏の本だけを読むとやはり銀英伝でも創竜伝でも「田中芳樹の信仰者」となってしまう
危険性があるのではないでしょうか作品としては創竜伝はともかく銀英伝は面白いですし、田中氏にそこまで考えて書けというのも
無理な話でしょうが、せめてこれからもし何らかの小説を書くのであればぜひ創竜伝のように自分の思想をまるでただ1つの真理のように
書くのではなく作品の質で勝負することを御願いしたいのですが・・・
以上生意気ですが又書きこませて頂きました。
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- board1 - No.517
戦略的批判をしてはどうでしょう
- 投稿者:カエルサル
- 1999年01月01日(金) 10時28分
あけましておめでとうございます。
ところで「田中芳樹を撃つ!」のなら、創竜伝文中の
具体的記述を検証されてはいかがでしょう。
例えば、
「在日アメリカ軍機が墜落し、民間人の母子3人が死傷したが、救助に駆けつけた自衛隊員は瀕死の民間人の母子は目にも留めず、パラシュートで脱出して無傷のアメリカ兵だけを回収していった事がある」
「警察は思想検閲が厳しく、リベラルな大学(共和学園)をでた者は絶対に就職できない」
「関東軍はソ連侵攻の時に真っ先に逃げて鉄道を爆破し、民間人を捨て駒にした」
等です。これらが本当なら日本人は田中氏が言うように劣等豚民族ということになります。
デタラメでも「小説」ということになりますが。
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- board1 - No.518
元ネタ捜しも楽しい
- 投稿者:小村損三郎
- 1999年01月01日(金) 11時59分
皆さん、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
実家からの送信なので、一部うまくいかない所がありましたらご容赦下さい。
>思想云々はともかく田中芳樹の書く小説の、戦略・戦術面でのリアリティと思考実験的楽しさは、私には突っ込み様の無い素晴らしいものに思えるのですが、どうでしょうか?
銀英伝の戦術描写についてですが、戦史に詳しい田中氏だけに、元ネタには不自由しないでしょう。
1巻のイゼルローン攻略作戦については全く同じ話が「太平記」にあります。さらにたぐれば、氏の好きな中国の古典にも元ネタになったエピソードがあるのかもしれません。
バーミリオン会戦の展開なんかは、川中島の戦いかワーテルローの戦いのアレンジでしょう。
その他の戦いについてもモデルの心当たりがある方は是非ご教授下さい。
あ、言っておきますが、私は「パクリだからダメだ」なんて言うつもりは全くありませんよ。
むしろ「へえ、上手く取り入れているなあ。」と感心した位です。(もっとも「イゼルローン攻略」については、赤坂城みたいな小城ならともかく、あんな人工惑星みたいな巨大要塞を司令官1人人質にした位で乗っ取れるはずないと思いますが。ま、「小説だったら許される」でしょう。)
>「在日アメリカ軍機が墜落し、民間人の母子3人が死傷したが、救助に駆けつけた自衛隊員は瀕死の民間人の母子は目にも留めず、パラシュートで脱出して無傷のアメリカ兵だけを回収していった事がある」
>「警察は思想検閲が厳しく、リベラルな大学(共和学園)をでた者は絶対に就職できない」
>「関東軍はソ連侵攻の時に真っ先に逃げて鉄道を爆破し、民間人を捨て駒にした」
>等です。これらが本当なら日本人は田中氏が言うように劣等豚民族ということになります。
う~ん、2番目のはどうだか知りませんが(恐らく事実でしょう)、1番目と3番目については事実だったと思います。
(1番目の「ファントム墜落事件」については、これを元ネタにしたアニメ映画があったような。)
これについては本当に言語道断と言うしかありません。
3番目の事例については昭和12年の(俗に「南京大虐殺」と言われる)「南京事件」の際の中国軍もそうなんですよね。
田中氏の論法だと「南京事件」の責任は中国側にも有る、ということになってしまいます。
どこの国であるとに関わらず軍人や官僚の習性なんでしょうが、いずれもひどい話なのは確かですね。
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- board1 - No.519
事実と真実
- 投稿者:石井由助
- 1999年01月01日(金) 16時32分
>「在日アメリカ軍機が墜落し、民間人の母子3人が死傷したが、救助に駆けつけた自衛隊員は瀕死の民間人の母子は目にも留めず、パラシュートで脱出して無傷のアメリカ兵だけを回収していった事がある」
>「警察は思想検閲が厳しく、リベラルな大学(共和学園)をでた者は絶対に就職できない」
>「関東軍はソ連侵攻の時に真っ先に逃げて鉄道を爆破し、民間人を捨て駒にした」
>等です。これらが本当なら日本人は田中氏が言うように劣等豚民族ということになります。
>う~ん、2番目のはどうだか知りませんが(恐らく事実でしょう)、1番目と3番目については事実だったと思います。
>(1番目の「ファントム墜落事件」については、これを元ネタにしたアニメ映画があったような。)
>これについては本当に言語道断と言うしかありません。
>3番目の事例については昭和12年の(俗に「南京大虐殺」と言われる)「南京事件」の際の中国軍もそうなんですよね。
>田中氏の論法だと「南京事件」の責任は中国側にも有る、ということになってしまいます。
私も本文中で随分とこの手の記述を槍玉に挙げてきましたが、事実かどうかと言われれば、おそらく事実であるとは思います。ただし、真実かどうかと問われれば、これは相当怪しいと言わざるを得ないですけどね。1番目の「ファントム墜落事件」が事実だとしても、そこから発展させた「マスコミが牙を抜かれていて批判せず、それを恥もしない」という論理はとても真実とは言えないでしょう。小村さんの指摘する関東軍と南京事件の共通性などは、まさに事実と真実が一致していない良い例ですね。
ちなみに、リベラルな大学出身だと警察に就職できないというのは、事実かどうか分からないですが、身内に共産党員がいるとダメだというのは確かにあるようですね(知り合いの警察官から聞いた話です…>こう書くと何かデマっぽいな^^;)
ところで、私が気になっているのが、サミットの時に検問に協力しなかった人の免許証に「非国民」と書いたという奴。これ、マジなん?(余談だけど、検問に協力しない奴の九割以上はヤンキーらしい。免許証の提示が「任意」であることを知っていて、それをネタに警察官にからむそうな>以上伝聞)
>どこの国であるとに関わらず軍人や官僚の習性なんでしょうが、いずれもひどい話なのは確かですね。
この「習性」のルーツに関しては、川島弘三「社会主義の軍隊」が詳細に検証していておすすめです。
>しかし、かれらの言葉はすべて田中氏の思想を語るスピーカー
美形キャラに引きつけてやんわりと思想を刷り込むやり方は、実はトリューニヒトと同質なのでは?
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- board1 - No.520
ちょっと酷な評価だと思いますが。
- 投稿者:北村 賢志
- 1999年01月03日(日) 06時06分
小村損三郎さん
>その他の戦いについてもモデルの心当たりがある方は是非ご教授下さい。
恐らく7巻のイゼルローン攻略戦とマル・アデッタ会戦はレイテ沖海戦の捷一号作戦が元ネタだと思います(日本軍は失敗しましたけど)。
本来の主力がおとりとなって敵の目を引きつけ、その間に別口で戦略的目標を達成する。そして共通点として「囮と別口の両者とにも互いの行動を把握しておらず、結果としてそうなった」というところでしょう。
後、アスターテ会戦は第一次大戦時の西部戦線が元ネタだそうですが、そのあたりは詳しくないのでどなたかご存じの方はおられないでしょうか。
>(1番目の「ファントム墜落事件」については、これを元ネタにしたアニメ映画があったような。)
>これについては本当に言語道断と言うしかありません。
うろ覚えですが、それは確か「パパ・ママ・グッバイ」とかいった作品だったはずです。でも自衛隊員云々は無かったと思います。
>どこの国であるとに関わらず軍人や官僚の習性なんでしょうが、いずれもひどい話なのは確かですね。
それはちょっと酷な評価なのでは。ソ連参戦時の関東軍は殆どの兵士が昭和20年に入ってから徴収され、訓練は元よりライフルすらろくに持っていない「案山子部隊」です。
それが圧倒的大兵力のソ連軍による攻撃を受ければ、大混乱となるのは当然です。むしろ戦前のように「生粋の軍人」をそろえた精鋭部隊であったなら遙かに多くの邦人を救えたのは間違い有りません。
ようするにソ連侵攻時の関東軍の醜態は、軍人の習性ではなく、同じ状況に置かれたら誰でもやりそうなことだと考えた方が良いと思います。
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- board1 - No.521
はじめまして&アスターテ会戦
- 投稿者:ゲオルグ
- 1999年01月03日(日) 12時47分
はじめまして。ゲオルグと申します。(北村さんとは以前違うHNで別の掲示板でお会いしてますが)
さてアスターテ会戦ですがこれは第一次世界大戦東部戦線のタンネンベルク会戦がモトネタでしょう。
ドイツ軍が機動力を駆使してロシア軍の3倍の兵力的優位を覆した戦いです。(作戦立案者は大戦当時最高の用兵家と思われるマックス・ホフマン。彼はヤン・ウェンリーのモデルの一人だと思います)
このときのロシア軍指揮官は日露戦争で将官同士の殴り合いを演じるほど険悪な仲だったサムソノフとレンネンカンプで、サムソノフは自責の念からか自決、レンネンカンプは敗走のあまりの速さから部下に『レンネン・フォン・カンプ』(独語で戦闘から逃げ出すの意)と呼ばれています。
しかし私には同盟軍が兵力を三分した意味がわからないです。包囲殲滅を企図したにしても二分でOKでしょう。そうすれば少なくとも一方的な敗北はなかったでしょうに。
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- board1 - No.522
この戦いが日本軍にもたらしたもの
- 投稿者:北村 賢志
- 1999年01月03日(日) 14時17分
>はじめまして。ゲオルグと申します。(北村さんとは以前違うHNで別の掲示板でお会いしてますが)
>さてアスターテ会戦ですがこれは第一次世界大戦東部戦線のタンネンベルク会戦がモトネタでしょう。
>ドイツ軍が機動力を駆使してロシア軍の3倍の兵力的優位を覆した戦いです。(作戦立案者は大戦当時最
>高の用兵家と思われるマックス・ホフマン。彼はヤン・ウェンリーのモデルの一人だと思います)
丁寧なご返答有り難うございます。
そうですか東部戦線でしたか。名前は忘れましたが最初の作戦参謀は戦力不利だけを見て「状況は絶望的」と報告したのに対し、参謀を替えたところ、見事な各個撃破で大勝利をおさめたところまで同じだったはずです。
で、私がこの戦いを知ったのは旧日本軍関係の本でした。
実は旧日本陸軍はこの戦いを「戦力的に不利でも、好機を見て攻勢に出れば勝利をつかめる」戦訓としました。
まあそこまでは間違っていないのですが、太平洋戦争中に「とにかく楽観的な情報だけ見て、攻勢に出ろ」と言う意味になってしまい、このため各所の戦闘で、敵と直接相対している前線部隊からの敵情報告を退け、実行不可能な攻勢を要求する事態となりました。
このあたりは大本営情報参謀を務めた、堀栄三氏の一連の著作「大本営参謀の情報戦記」等に詳しいです。実際、堀氏はフィリピン攻防戦にて、正確な情報を何度も大本営に報告しているのに、ことごとく握りつぶされ、非難に晒されたあげく「お前は(上記の失敗した)ドイツ軍参謀と同じだ。二度と大本営に戻れると思うな」と酷評されたそうです。
しかもまずいことに旧日本軍では守勢に回ると、どれだけ奮戦しても「なぜ攻勢に出ないのか」と非難に晒される(沖縄戦がよい例)が、攻勢に出て失敗しても「積極的に戦ったから」と大して問題視されない悪弊があり、多くの戦闘で無為な犠牲を出すことに繋がりました。
このあたりは、やっぱり日本軍は負けて当然だったとしか言いようがありません。
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- board1 - No.523
うーむ、確かに知識の量には一目置かざるを得ない。けど…
- 投稿者:本ページ管理人
- 1999年01月03日(日) 15時44分
捷一号やタンネンベルク会戦を巧みに引用し、自分の物語を作る手腕には、今更ながら感心せざるを得ないですね。
しかし、これだけの知識を持ちながら、なぜ創竜伝に行き着いてしまうのかが、今更なから疑問ですね。
>それはちょっと酷な評価なのでは。ソ連参戦時の関東軍は殆どの兵士が昭和20年に入ってから徴収され、訓練は元よりライフルすらろくに持っていない「案山子部隊」です。
> それが圧倒的大兵力のソ連軍による攻撃を受ければ、大混乱となるのは当然です。むしろ戦前のように「生粋の軍人」をそろえた精鋭部隊であったなら遙かに多くの邦人を救えたのは間違い有りません。
> ようするにソ連侵攻時の関東軍の醜態は、軍人の習性ではなく、同じ状況に置かれたら誰でもやりそうなことだと考えた方が良いと思います。
確か、創竜伝で批判しているのは、満州国の『中国人』の総理張景恵が「各都市に無防備都市宣言をさせれば、ソビエト軍が略奪破壊をするときに国際法で処罰できる」と提案したのを関東軍が蹴り、ソビエト軍が一般市民を暴行、略奪する間に自分たちが逃げ、さらに自分たちが通過した鉄橋を爆破したために一般人が犠牲になった。だから、関東軍は人類史上世界最悪の軍隊だ、ということらしいのですが、この点についてはどうなのでしょうか?
個人的には、あの状況で国際法による懲罰なんて笑止だと思うし(大体、国際法を守る気があったら、不可侵条約を破って侵攻してきやしないって)、後の一方的な戦犯処罰やシベリア抑留も含め、そもそも道義的に悪いのは人類史上世界最悪の関東軍ではなく、ソ連軍の方だと思うのだけど。
ただ、これに関しては、逃げ遅れた祖母がソ連兵に犯された経歴を持つレディLの感想なので(続も同感だといっているけど)、「小説だったら許される」部分があることを留保しておきます。
>うろ覚えですが、それは確か「パパ・ママ・グッバイ」とかいった作品だったはずです。でも自衛隊員云々は無かったと思います。
どういった話なのでしょうか? う~ん、気になりますね。
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- board1 - No.524
尼港事件
- 投稿者:ゲオルグ
- 1999年01月03日(日) 16時10分
掲示板の趣旨とは離れるかもしれませんが少しだけ。
シベリア出兵当時、パルチザンに包囲された日本軍が邦人保護の名目でパルチザンと休戦協定を結ぶも、それを反故にして包囲していたパルチザンを奇襲。情けないことに返り討ちに遭い激昂したパルチザンに居留民ともども虐殺されるという事件がありました。いわゆる尼港事件です。
このとき動員されていたのは正規軍だったと思いますので、日本陸軍の自国民間人への無関心ぶりは当時の列強諸国の中でも最低といえるものでしょう、やはり。
悪名高いナチスドイツも末期はソ連軍の暴虐から自国国民の退避する時間を稼ぐために絶望的な戦闘を行っています。
末期の関東軍よりはマシな装備だったとはいえ、絶望的な戦力比に直面した素人集団(熟練兵たちは1944年のバグラチオン作戦により失われている)という点で日独は共通します。
日本陸軍、少なくとも関東軍は最低に分類すべき軍隊だということでは完全に同意しますね。第一、兵だけならともかく士官までが我勝ちに逃げだすというのはどういうことでしょうか。
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- board1 - No.525
理由としてはこんなところでしょう
- 投稿者:北村 賢志
- 1999年01月04日(月) 09時54分
ゲオルグさんへ
> このとき動員されていたのは正規軍だったと思いますので、日本陸軍の自国民間人への無関心ぶりは当時の列強諸国の中でも最低といえるものでしょう、やはり。
そうなった理由は、戦前日本軍の生い立ちに由来していると思われます。
国境線が地続きで戦争が即、自国領土への他国軍の侵攻に繋がる大陸諸国や、世界中に点在する植民地にいる自国民の保護を要求されたイギリスとは異なり、日本では長らく戦争とは内戦と外地への侵攻しか有りませんでした。
すなわち日本軍では「自国民間人の保護」は優先順位が低い要素だったわけです。
そういう点では日本に似たアメリカも、ルソン島にて日本軍がマニラから撤退中であることを把握おり、ほっておけば無傷でマニラを奪還できたにも関わらず、作戦の遅れにいらだったマッカーサーが総攻撃を命じて、市街を廃墟にした実例があります。
> 悪名高いナチスドイツも末期はソ連軍の暴虐から自国国民の退避する時間を稼ぐために絶望的な戦闘を行っています。
> 末期の関東軍よりはマシな装備だったとはいえ、絶望的な戦力比に直面した素人集団(熟練兵たちは1944年のバグラチオン作戦により失われている)という点で日独は共通します。
> 日本陸軍、少なくとも関東軍は最低に分類すべき軍隊だということでは完全に同意しますね。第一、兵だけならともかく士官までが我勝ちに逃げだすというのはどういうことでしょうか。
一応、理由は以下の通りです。
1,兵員、装備の劣悪さ
昭和20年になって動員された部隊では士官も現役をとっくに引退した壮年の予備仕官か、学徒動員で士官に任じられたものが大部分です。質が低いのは致し方有りません。実際、数少ない精鋭部隊は圧倒的なソ連軍相手にも相当奮戦しています。
2,状況の違い
ドイツ軍兵士の場合は、動員され配属された時点で「ソ連軍と戦う」覚悟を否応なしに求められました。
しかし関東軍の場合は、ソ連参戦のその日まで満州は本土より遙かに平穏でした。関東軍の殆どの人員にとってソ連参戦は寝耳に水の事態だったのです。
要するに彼らには「覚悟を決める」いとまなど全くなかったのです。素人連中が覚悟も無しにいきなり敵の攻撃に晒されれば、パニックに陥るのもやむを得ないことだと思います。
3,ソ連軍の実態を知らなかった。
当時の関東軍には、侵攻してきたソ連軍が、広範囲な暴行、略奪を行うとの認識は薄かったと思われます。
ヨーロッパ戦線の正確な情報が入っていたとも思えませんし、入ってきたとしても戦時中のことですから余りあてになりません。
戦後のシベリア抑留の段階でも、資料を読むと関東軍はソ連軍を「国際法を尊重する」ことを前提に話をしています。
つまりソ連軍の暴虐を関東軍は全く予見できてはいなかったと考えるべきでしょう。
理由としてはこんなところでしょうか。
無論、だからといって関東軍並びに軍指導者の責任が免れるはずもありませんが「人類史上最悪」は行き過ぎでしょう。
彼らは少なくとも「自国民を虐殺した」ことは無いのですから。
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- board1 - No.526
色々考えてしまうなー
- 投稿者:小村損三郎
- 1999年01月04日(月) 15時19分
>>うろ覚えですが、それは確か「パパ・ママ・グッバイ」とかいった作品だったはずです。でも自衛隊員云々は無かったと思います。
>どういった話なのでしょうか? う~ん、気になりますね。
実は私も本編は見ていません。
雑誌で紹介記事を読んだだけです。
たしかお母さんは助かったけどお子さん2人は亡くなったんでしたね(__)。
>太平洋戦争中に「とにかく楽観的な情報だけ見て、攻勢に出ろ」と言う意味になってしまい、このため各所の戦闘で、敵と直接相対している前線部隊からの敵情報告を退け、実行不可能な攻勢を要求する事態となりました。
> このあたりは大本営情報参謀を務めた、堀栄三氏の一連の著作「大本営参謀の情報戦記」等に詳しいです。実際、堀氏はフィリピン攻防戦にて、正確な情報を何度も大本営に報告しているのに、ことごとく握りつぶされ、非難に晒されたあげく「お前は(上記の失敗した)ドイツ軍参謀と同じだ。二度と大本営に戻れると思うな」と酷評されたそうです。
こ、これは「日本人のコトダマ信仰の害」の典型例・・(^^;;)。
>レンネンカンプは敗走のあまりの速さから部下に『レンネン・フォン・カンプ』(独語で戦闘から逃げ出すの意)と呼ばれています。
この人って「坂の上の雲」では割と良い役でしたっけ?
>本来の主力がおとりとなって敵の目を引きつけ、その間に別口で戦略的目標を達成する。そして共通点として「囮と別口の両者とにも互いの行動を把握しておらず、結果としてそうなった」というところでしょう。
捷一号作戦はたしか、初めから小沢艦隊が囮役を引き受けることを前提にした作戦ではありませんでしたっけ。
「互いに行動を把握していなかった」というのは作戦が始まってからのことでは?
>それはちょっと酷な評価なのでは。
>ソ連参戦時の関東軍は殆どの兵士が昭和20年に入ってから徴収され、訓練は元よりライフルすらろくに持っていない「案山子部隊」です。
> それが圧倒的大兵力のソ連軍による攻撃を受ければ、大混乱となるのは当然です。むしろ戦前のように「生粋の軍人」をそろえた精鋭部隊であったなら遙かに多くの邦人を救えたのは間違い有りません。
> ようするにソ連侵攻時の関東軍の醜態は、軍人の習性ではなく、同じ状況に置かれたら誰でもやりそうなことだと考えた方が良いと思います。
なるほど、そういう事情だったんですか。
たしかに急に徴兵された人には同情の余地があるでしょう。
ただ、司令官や参謀といった責任者連中が真っ先に逃げ出した、という話を聞いたんですが。このていたらくでは松井や○り氏に「当時の軍人にも公が無かった」と言われても仕方無いかも(苦笑)。
あ、勿論一番悪いのはソ連だというのは当然ですが。
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- board1 - No.527
関東軍への私評
- 投稿者:ゲオルグ
- 1999年01月04日(月) 15時58分
北村さん
>1,兵員、装備の劣悪さ
ですがこれは日独共通ですね。素人集団の戦線の火消しに熟練兵が奮戦せざるを得なかった事情は分かります。
>2,状況の違い
私はパニックに陥った日本兵は「最低」とは思いませんが、その対処方法などに全く無策・かつそもそもその必要性をまともに考慮していなかった関東軍という組織を否定しています。
>3,ソ連軍の実態を知らなかった。
2にも絡みますが、関東軍のそもそもの部隊発足の名目は満州における邦人の生命財産保護を含む権益維持にあります。まして日本陸軍の仮想敵は常にソ連であったはず。その実情も知らず、ましてソ連の兵力増派を把握しておきながらむざむざ奇襲を受けるなど最低でしょう。
>彼らは少なくとも「自国民を虐殺した」ことは無いのですから。
日本軍は台湾では先住民族を、朝鮮では3・1運動などのときに自国国民を組織的に虐殺してます。(すでにそのときは日本の国民です)
日本人への虐殺はなかったですが、それはその必要がなかったがためではないでしょうか?
戦中、戦車将校だった司馬遼太郎さんのエッセイでこういうのがあります。
本土決戦を想定した問答で司馬氏が中央から来た参謀に聞いたそうです。
「戦場に駆けつけるとき避難民で街道が塞がってしまったらどうしたらよいか?」
答えは「ひき殺していけ」だったそうです。
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