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- board1 - No.919
そういえば
- 投稿者:北村 賢志
- 1999年03月20日(土) 08時03分
>自分の祖父にペストを巻かれたと知って「はいそうですか」と言って従うはずが無かろうに。
全部、図書館から借りたのと立ち読みで済ましているので手元にありませんが、確かチフスだったはずです。
その前の「特高がよく使った手」というのも嘘ですが(どうして「法定伝染病」の菌を警察が自由に使えるんだろう?)確か毛布に菌を仕込ませて、と言う手はむしろネイティブアメリカンに対し白人が使った手ですから、そちらを元にしてるんでしょう。
しかしその後に「おかげで獄死を免れた云々」と書いてあったのは無理が有りすぎです。
読んだときに「チフスにかかって死なない人間が、何で数年で獄死するんだ!」とツッコミを入れました。
また、それを恩着せがましく言われていた始がそれについて何も反論しないのも随分不自然でしたが、ひょっとすると田中氏は戦後、日本共産党中枢部を占めたのが戦時中「治安維持法」で獄に入っていた連中だったことを知らなかったんでしょうか。
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- board1 - No.920
私の創竜伝考察4
- 投稿者:冒険風ライダー
- 1999年03月20日(土) 12時07分
管理者さん、
<やはり好き放題書き捨てている文章の批判だからこそ、公正で理知的にありたいものです>
全く同感です。批判している当の相手から「おまえは間違っている」と言われるほど不愉快な事はありませんからね。朝日社説批判の時もそこら辺を注意して書いています。
ところで田中芳樹作品よりも、このホームページや私の主張などの方がよほど発禁にされる可能性が高いのではないでしょうか? 田中芳樹が「これは著作権侵害だ」と訴えたら、かなりヤバイと思いますけどね(^^;)。まあその時は私も徹底的に自己主張を貫きますが。
さて、寒い冗談はやめにして、創竜伝2の検証の続きを始めましょう。
P80下段~P81上段
<破局は栄華のきわみに、突然おそいかかる。日本もそうならないといえるだろうか。世界中から富をかき集め、それを国際社会に還元しようとしない。有色人種の国でありながら、人種差別を制度化したファシズム国家南アフリカと深い関係をむすび、名誉白人といわれて喜んでいる。戦争放棄をうたった憲法を持ちながら、軍事予算は、アメリカとソビエトにつぐ世界第3位である。どういうわけか、「人種差別撤廃条約」にも「大量虐殺禁止条約」にも「生物化学兵器禁止条約」にも知らぬ顔である。バランス感覚を失して、大金をかかえたまま一輪車にまたがり、他の人々を突きたおして走りまわっている。いずれ必ず転倒するだろうし、そうなったとき、誰も助けてくれないだろう。
だが、いずれにしても税金はきちんと納めなくてはいけない。>
たかが税金に対する不満から、これほど壮大な社会評論を展開するとは恐れ入りますね。私にはとても真似できませんよ(^_^;)。
「破局は栄華のきわみに、突然おそいかかる。日本もそうならないといえるだろうか」という問いかけは、間接的に「日本もこうなるのだよ」と言っているのでしょうね。朝日が得意とする「ほのめかし論法」と同じものです。「世界中から富をかき集め、それを国際社会に還元しようとしない」というのは、日本は特別に悪い国家であり、日本が金持ちになったら悪いということなのでしょうか。アメリカでもイギリスでも中国でも、日本以上にえげつない方法で「世界中から富をかき集め」ていましたし、「それを国際社会に還元」なんてしていませんよ。欧米の植民地がどんなに富を吸い上げられ、しかも貧しかったか、田中芳樹が知らないはずがないでしょうに、なぜ日本だけを非難するのでしょうか。
「人種差別を制度化したファシズム国家南アフリカ」って、人種差別だけならアメリカにもありますし、中国や韓国にも南アフリカ以上の差別があります。それに最近あそこは民主的な選挙で黒人の大統領が就任し、アパルトヘイトは消滅しつつあります。いったい南アフリカのどこをみて「ファシズム国家」と規定したのでしょうか。
それと「戦争放棄をうたった憲法」を絶対視するのはやめてください。銀英伝やアルスラーン戦記で軍事や外交を詳しく論じている田中芳樹らしくありませんよ。これがどんなに非現実的でおかしなものか、銀英伝を書いていた頃の頭に戻って考えてみてくださいよ。軍事予算が「アメリカとソビエトにつぐ世界第3位」といっても、その内容は人件費や土地賃貸料、それに施設の維持費などが主なものなうえ、日本は物価が高いのでこれらの費用も高くなります(中国なんか人件費が異常に安いのですよ)。そのうえ、兵器などへの予算の割合は非常に少ないのですから、これだけで「軍事大国」と決めつけないでください。そんなに軍事費が多いのがいやなら、日本で徴兵制を導入しますか? 人件費は大幅に減りますが。
3つの条約についてはあまりよく知りませんが、戦後日本が人種差別や大量虐殺をしたという話は聞いた事がありませんし、生物兵器を所持しているという話も聞いた事がありません。条約に加入していないからという理由だけをあげつらって日本を非人道的な国のように言うのは、読者に誤ったイメージを植え付けるマインド・コントロールではないですか。
最後に、「バランス感覚を失して、大金をかかえたまま一輪車にまたがり、他の人々を突きたおして走りまわっている」というのは、よほど日本に対して悪い偏見を持っていなければ言う事ができないと思いますね。日本を偏見を持って見ている外国人や進歩的文化人のお歴々たちでも普通ここまで露骨には言わないでしょう。日本を見下すのもいいかげんにしろと言いたいですね。
P83上段
<「おい、国民新聞をとるのはいやだぞ。発行部数世界一だなんていってるが、政府べったりの御用新聞なんだからな。あれは」
「ご心配なく、東日本新聞ですよ。あそこはちょっと読書欄が弱いけど、夏場だけならいいでしょ」>
この「国民新聞」が現実世界の「読売新聞」であることは自明の理ですが、この新聞って「政府べったりの御用新聞」でしたっけ? 私には少なくとも朝日新聞よりはまともだと思えるのですが。だいたい「政府べったりの御用新聞」がなぜ「発行部数世界一」の売上があるのです? どうせ日本人が政府べったりの新聞記事が好きなのだと言いたいのでしょうね。
ところで余談ですが、国民新聞というのはかつて本当に実在しました。日露戦争でポーツマス条約を締結する時、主戦論が台頭する中で、ただひとり「日本に交戦能力なし」といって条約締結に賛成した新聞が国民新聞です。そのために主戦論者の暴動が起こった時に焼き討ちにも遭いました。その後はどうなったのか知りませんが。この国民新聞についてもっと詳しい人はいませんか?
それと「東日本新聞」のモデルって、どこの新聞なのでしょうね。
P87上段
<アメリカのショーのまねをしただけの、無意味なアトラクションが終わり、ホームラン競争や始球式も終わって、いよいよ試合が始まった。>
田中さん、「アメリカのショーのまねをしただけの、無意味なアトラクション」って、何でここだけ「無意味」と強調するのですか? 「アメリカの猿真似をしやがって」と考えているのでしょうが、少なくともそれを見る人と演出する人たちにとっては無意味ではありませんし、客に対するサービスが無意味というのなら「ホームラン競争や始球式」も全く無意味なものになるではありませんか。あなたがそう感じるのは勝手ですが、小説の中でこんな不必要な強調をしないでください。
P88上段~下段
<その年から、公安警察は、犯罪をおかしながら法律によって罰せられることのない、日本で唯一の組織となった。もはやこの組織は、日本国内において犯罪を捜査し検挙する資格はないはずである。
だが、法的に罰せられなくても、いちおう日本は先進的民主国家と自認しており、その体面はつくろわなくてはならなかった。>
もしも~し、記述が矛盾していませんか~? 「犯罪をおかしながら法律によって罰せられることのない、日本で唯一の組織」がなぜ「その体面はつくろわなくてはならな」いのでしょうか。
それと「犯罪をおかしながら法律によって罰せられることのない、日本で唯一の組織」っていうのは他にもいっぱいありますよ。朝鮮総連がそうだし、オウムなどの過激な宗教団体もそうでしょう。左翼の教育団体も、いくら偏向教育をやっても(これは教育基本法違反なんですけど)罰せられませんし。朝日新聞もいくら誤報や虚報をやってもしらばっくれていますしね。こう見ると「犯罪をおかしながら法律によって罰せられることのない、日本で唯一の組織」ってかなりありますね。公安なんてかわいいものです。
P90下段
<「日本を愛せよ、国を守れ」とわめきたてる政治家、財界人、文化人のなかで、自分の息子を平隊員として自衛隊に入れている者は、ひとりもいない。この事実は認識されておくべきだろう。>
銀英伝の時と同じセリフを、時代背景や制度の違いも考えずに主張していますね。銀英伝の自由惑星同盟は徴兵制を採用していましたし、何よりも実際に戦争していましたから、政治家などがその地位を利用して徴兵逃れをするのは非難に値しますし、それを批判するのも正論に見えますが、現代の日本はどことも戦争をしていませんし、自衛隊は志願制で成り立っていますので、政治家、財界人、文化人が「自分の息子を平隊員として自衛隊に入れ」なければならない義務はどこにもありません。
そもそもこの考えでいくと、『「日本を愛せよ、国を守れ」とわめきたてる政治家、財界人、文化人』は、自分の息子を平隊員として自衛隊に入れなければならないということになり、これは「自分の息子」に対する人権無視であり、しかもそれを恐れて誰も国のことを考えなくなってしまいます。これは恐るべき言論統制なのですよ。田中芳樹はこういう考え方をした事があるのでしょうか。自分の一面的な考え方だけが全てではないということを、私は田中芳樹の作品から教わったのですが。
10ページも進んでいないのに以上に長くなっていますね~(^^;)。しかもこの先のページであの四人姉妹の2人組が登場早々社会評論をぶちかましまくっているし。全く迷惑な話ですな。今回はこれで終了して、また次の機会にお会いしましょう。
PS.それと、2,3日ほど、諸般の事情で投稿しませんので、よろしくお願い致します。
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- board1 - No.922
RE:920
- 投稿者:仕立て屋
- 1999年03月20日(土) 13時56分
はじめまして冒険ライダーさん仕立て屋と申します。いつもことこまかに御苦労様です(いやみでないよ(^^.わたしが創竜伝を最後に読んでからもう何年も経つので思い出すのにとってもたすかります.わたしの場合はコンロン山のあたりから話についていけなくなり8巻までがまんして挫折してしまいましたが.あのころはこの話がなぜ中国と関係があるのか,しかも天女みたいのがでてきて理解できませんでした(^^;)
前置きが長くなってすみません。
>P80下段~P81上段
>「人種差別を制度化したファシズム国家南アフリカ」って、人種差別だけならアメリカにもありますし、中国や韓国にも南アフリカ以上の差別があります。それに最近あそこは民主的な選挙で黒人の大統領が就任し、アパルトヘイトは消滅しつつあります。いったい南アフリカのどこをみて「ファシズム国家」と規定したのでしょうか。
2巻が発刊された当時はまだアパルヘイトは撤廃されていなかったと記憶しています。もしちがっていましたらすいませんが。田中芳樹は"制度として"差別条項がある国はということなので当然,南アフリカを想定してるもとのおもわれます。アメリカなどは建前として制度的差別は撤廃しているはずです。制度として差別条項を撤廃しているかしていないかの差はやはり大きいです。
>軍事予算が「アメリカとソビエトにつぐ世界第3位」といっても、その内容は人件費や土地賃貸料、それに施設の維持費などが主なものなうえ、日本は物価が高いのでこれらの費用も高くなります(中国なんか人件費が異常に安いのですよ)。そのうえ、兵器などへの予算の割合は非常に少ないのですから、これだけで「軍事大国」と決めつけないでください。
>うーん,たしかにこの点からも田中芳樹の軍事音痴ぶりが露呈していますねぇ。まあ,田中芳樹からすれば実情はどうあれこの"世界第3位の"というセンセーショナルな文字が目に飛び込んだので格好の批判材料とばかりにとびついたのでしょう。深くは考えていないとおもいます。小説の一ネタですな。なんだかケンタッキーフライドチキン片手に唇テカらしながら飛び付く様が目に浮かびます(^^ 。こういうセンセーショナルな情報に裏付け取らずに飛び付いて批判のネタにするあたりは朝日のやり口によくにていますねぇ。後日,うそがばれても絶対あやまったりしないで,わるびれもせず,はぐらかしすらせず,,,,つづく
では冒険ライダーさんこれからも精力的な批判を楽しみにしています。頑張って下さい。
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- board1 - No.923
日本、案外捨てたもんじゃないと思いますが
- 投稿者:りえ
- 1999年03月20日(土) 14時23分
>公安警察って奴らは、電話は盗聴する、市民運動家の家を
口実をつけては捜索する、ひどいものですからね。
……ご存じでしょうか。台湾ではどの電話も全て通話内容お
よび着信発信場所が記録されていて有事の際にはそれを元に
犯罪捜査が行われるそうです。(なんでそんなこと知ってる
かというと、台湾在住の子供さんのいじめ問題に警察が使用
したという実例を聞いたからです。犯人特定は一瞬だったそ
うです……)
日本では少なくとも「堂々と」盗聴内容を証拠として使用す
ることはできません。通話内容はもちろん、どこにかけたか
も知ることはできないはずです。誘拐事件などの捜査に使わ
れる逆探知にしたって、事件発生→捜査開始でそのあとにやっ
と、ですからね。通信の秘密は守られているはずですよ。案
外日本はまともな国です。有無を言わさず使われる台湾よりは。
蛇足ですが、盗聴記録の証拠資格の有無って確か昭和の真ん
中に外務省の機密漏洩で問題になったような気が……うろ覚
えなんですが。
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- board1 - No.924
赤尾 敏氏だけが、東条をねらったのではない
- 投稿者:頭山 満
- 1999年03月20日(土) 15時48分
赤尾敏氏だけが東条をねらったのではない、
他の右翼もたくさん狙い逮捕されているし、
皇室関係者を中心にして暗殺計画もしていたそうだ、もちろん左翼関係からも狙われていた状況だったそうだ 頭山 満
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- board1 - No.925
創竜伝中の新聞
- 投稿者:ひよ子の大将
- 1999年03月20日(土) 17時17分
>国民新聞
国民新聞は今も会員制月刊誌として存続しています。
毎月「正論」に広告を載せていますのでご覧になられたらいかがですか。
>東日本新聞
首都圏の新聞で左傾的といわれているのは朝日、毎日、東京(中日)新聞ですが、書評に関してはあまり読んでいませんので分かりません。
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- board1 - No.927
読みましたよ「創竜伝」
- 投稿者:Merkatz
- 1999年03月20日(土) 20時16分
「創竜伝」を20ページほど読みました。図書館で、閉館15分前に行って。(^^)
結構面白かった。4兄弟の会話(漫才か?)が良い。
これがどのように変化するのか、すごく楽しみです。
明日図書館から借りて、本格的に読んでみようと思います。
そうしたらまた、感想を書きますね。
>無実の罪で死刑になりかかった人が国家に賠償を求めても、その裁判で負けてしまう
最近、冤罪を訴えて退けられた裁判があったように思います(甲山事件だっけ?)。
でもこの手の裁判って、負けたら「不当」の2文字が必ず出ますね。
自分たちの望む結果でなければ不当だなんてむちゃくちゃな思考だと思います。
判決は裁判官が下す公平なものです。それが気に食わないというのなら、
人民裁判でもやったらいかがかといいたい。
>たかが税金に対する不満から、これほど壮大な社会評論を展開
社会評論はさて置いて、田中芳樹が税金に不満を持っていても不思議ではないですね。
何しろ日本の税制は高所得者に恐ろしい税率をかけてますから。
今はかなり下がりましたが、80年代当事の最高税率は70か80%ぐらいだったと
思います。
大儲けしていた田中芳樹には憎むべき税制でしょうね。
最もこの点にだけは、私も同情します。
金持ちからむしり取るというのは、一見良い方法に思えますが、
これは勤労意欲を大きく削ぎます。
何故なら、働けば働くほど取られてしまうのなら、
そこそこで止めとこうと考えてしまうからです。
結果、勤勉は損ということになり、経済は著しく停滞します。
事実、70年代のイギリスは「英国病」と呼ばれるほど、停滞しきっていました。
結果の平等なんてろくなことになりませんね。
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- board1 - No.929
とりいそぎ
- 投稿者:本ページ管理人
- 1999年03月21日(日) 12時41分
> 全部、図書館から借りたのと立ち読みで済ましているので手元にありませんが、確かチフスだったはずです。
確認しましたが、その通りでした。最近、我ながら不用意なようです。ここに訂正させていただきます。
>Merkatzさん
>私の名前だけ紫色になるのは何故なんでしょうか?
>半角英数文字だからですか?
これはメールアドレスへのハイパーリンクになっているためで、半角であることと関係ありません。ご安心ください。
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- board1 - No.930
アパルトヘイト・差別撤廃条約
- 投稿者:新Q太郎
- 1999年03月21日(日) 18時41分
>有色人種の国でありながら、人種差別を制度化した
>ファシズム国家南アフリカと深い関係をむすび、
>名誉白人といわれて喜んでいる。
2年ほど前の「SAPIO」に載った記事で、筆者は忘れましたが強く印象に残っているくだりがあります(具体的にどこだ、と言えないのがツライ)。
その筆者が南アフリカを訪れたとき、日本の公使だか大使に、こう心構えを説かれたそうです。「いいですか、電車やバスに乗ったら我々は白人用の席に座らなきゃいけない。でも制度上で名誉白人扱いされていても、周りは露骨に嫌がり差別と嫌悪を示しますからおそらく有色人種用に座った方が楽でしょう。それでも、私たちは座らねばならない。現在そういう特権を持った有色人種である我らが、代表としてそこに座ることで突破口を開きつつあるんです。それが、私たちの義務ですよ・・・・」。
おおよそこんな内容。この真偽を私は検証する知識を持ち合わせていない。
ただ、竜堂続君のセリフや田中氏の小説記述と比べどちらに現場の緊張感があるか、どちらにリアリズムを感じるか、どちらが覚悟を持って自分の言葉を語ったかを、読んだ皆さんの判断に待つのみである。
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それから人種差別撤廃条約に日本政府が消極的だったのは事実だが、それは条約中の「人種差別的な言論を取り締まらねばならない」といった条項が、憲法下の表現の自由との兼ね合いで問題を抱えていたからです。
これは「闘う民主主義」や「不寛容への寛容」などの哲学的命題をはらんだ非常に難しいことであるぞ。
それでも進めよ、というのもひとつの議論ではあるが、こう単純(明快)なお言葉を賜ると、ヒルメスに失望した独眼の将軍、のような心境になってしまうのであります。
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- board1 - No.931
アメリカのショーの猿真似
- 投稿者:不沈戦艦
- 1999年03月22日(月) 04時26分
>アメリカのショーの猿真似
そもそも、野球自体が「アメリカの猿真似」ではないですかね。「アメリカの猿真似」が良くない、と言うのなら、日本人は柔道や相撲ぐらいしかやってはいけない、と言いたいのでしょうか?逆を言うとアメリカ人は柔道をやったり、相撲に興味を示したりしてはいけない、となりますね。だとすると驚きです。田中芳樹は極端な国粋主義者で、自国で始まったモノ以外、スポーツの類はやるべきではない、ということなのでしょうか。文化の相互伝播を否定しているんですかね。あるいは「ショーの猿真似」だけがいけない、と言いたいのかな?そんなに「真似がいけない」と言える程、田中芳樹にオリジナリティがあるんでしょうか?私は読んでいないですけど、「摩天楼」シリーズの主人公の性格はまるっきり「スレイヤーズ」のリナ・インバースだって誰か言ってましたよね。自分はパクリを平気でやっていて、自分以外がやるのはいけない、と言いたいってことは、「実は田中芳樹は差別主義者である」、と言われても仕方ありませんな。
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- board1 - No.932
表現は控えめに
- 投稿者:北村 賢志
- 1999年03月22日(月) 05時21分
不沈戦艦さんへ
> そもそも、野球自体が「アメリカの猿真似」ではないですかね。「アメリカの猿真似」が良くない、と言うのなら、日本人は柔道や相撲ぐらいしかやってはいけない、と言いたいのでしょうか?
ちょっと表現がきついでしょう。
多分、田中氏は「アメリカのやることなら何でもありがたがり、真似をする日本人の体質」をここでは非難しているのだと思われます。
でも、それの実例に元々アメリカから入ってきた野球を挙げるのはどうかと思いますがね。少なくとも日本以外でプロ野球のある韓国や台湾の実例と比較もせずに「猿真似」と断じるのはおかしいでしょう。
私の知る限り大リーグと同様に「アクション」を見せる韓国や台湾よりも、「勝負」を見せる日本の野球の方が、独自性が有ると思います。
>「スレイヤーズ」のリナ・インバース
「スレイヤーズ」の世界観の根本部分は「グローランサ(グレッグ・スタフォード)」の設定をオマージュにしたものですから、結局はアメリカに帰せられてしまいます。田中氏に言わせれば「アメリカの猿真似」の一つになるかもしれませんよ(日本のライトなファンタジーやSFにおける、「グローランサ」の影響力にはもの凄いものがあります)。
個人的には程度に寄りますが、元ネタがある事そのものは作品の出来とは無関係と思ってます。上に挙げた「グローランサ」も世界中の神話や伝承を繋ぎ集めて形成されているモノです。
ただ個人的には「ドラよけ」を2巻にまで出したのにはゲンナリさせられましたね。
ひょっとして田中氏はあの表現、気に入ってるんでしょうか。
あとおまけです。
>世界中から富をかき集め、それを国際社会に還元しようとしない。
日本がそうでないなら「かき集めた富を国際社会に還元している国」とは一体何処のことなのでしょうか。
可能性があるのは大戦後から現在までのアメリカか、さもなくば植民地時代の欧州列強ぐらいしか思い浮かびませんが、どちらも違うのは明白です。
結局、この辺りは「豊かな者は貧しい者から、豊かであることそのものを非難される」という一般論の表現を過激にしただけだと思われます。
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- board1 - No.933
まとめてお返事
- 投稿者:冒険風ライダー
- 1999年03月22日(月) 14時26分
まずは、この場を借りて皆様に御礼を申し上げます。「私の創竜伝考察シリーズ」を購読してくださり、誠にありがとうございます。これからも、「私の創竜伝考察シリーズ」をよろしくお願い致します。
ところで、私がしばらく留守にしていた間に、皆さん私の投稿に関してずいぶん書きこんでいますね~。私としてはうれしい限りです。これらの投稿についての返答は、できるだけやっていきたいと思います。少し大変ですけどね。
仕立て屋さん、応援ありがとうございます。実は私も、このHPを見つけるまで何年も創竜伝を読んでいなかったのですよ。見るのも苦痛でしたし。今は批判のためだから喜んで読んでいますけどね。これからもよろしくお願い致します。
さて、アパルトヘイトは確かにこの時点では廃止されていません。しかしあえて私はこう書きました。なぜかといえば、アパルトヘイトは、「ファシズム国家」を運営している白人を、黒人が革命によって打倒して廃止したわけではなく、民主的な方法で、黒人の大統領を選出して自分たちの意見を主張することで、アパルトヘイトを廃止させようとしているのです。その国を「ファシズム国家」などと最低の罵倒文句で斬り捨てた田中芳樹の一刀両断的な姿勢が許せなかったのです。第一、田中芳樹は「ファシズム国家」という言葉の意味を正確に知っているのでしょうか。
そもそも、人種差別は20世紀初頭までごく普通に存在し、アパルトヘイトという制度もその時にできたものです。また、アパルトヘイト以上に人種差別的な政策をかつてアメリカやヨーロッパ諸国は、アフリカ黒人の奴隷貿易という手段でやっていましたし、今の中国は人種差別どころか、他民族を自分たちの民族としてとりこもうとするために、教育という手段を使って民族としてのアイデンティティーを否定するという、それこそ「ファシズム国家」以上の悪行をやっております。人種差別政策があるからファシズム国家であるというのなら、19世紀の欧米諸国は全てファシズム国家です。アパルトヘイトをいつまでも廃止しなかった南アフリカに非がないとは言いませんが、田中芳樹に一方的に「ファシズム国家」と断定されるほど、南アフリカはひどい国ではありませんよ。
ところで、
<ケンタッキーフライドチキン片手に唇テカらしながら飛び付く様が目に浮かびます>
これは私も笑わせてもらいました。田中芳樹ならありそうですね(う~ん、偏見かも(^^;))。わたしも思わず目に浮かびましたよ。
<センセーショナルな情報に裏付け取らずに飛び付いて批判のネタにするあたりは朝日のやり口によくにています>
これも同感です。この先の社会評論でも、朝日もびっくりの偏向文章があります。それこそ「朝日新聞社説など目じゃありません」から。これからも徹底的にそれらの論調を叩き潰しますので、期待していてください。
りえさん、台湾では日本の公安警察もびっくりのやり方をしているのですね。私は知りませんでした。これはおそらく歴史的にそうせざるを得なかったのだと思います。中国がいつ攻め寄せてくるか分かりませんし、スパイをあぶりだすのに必死だったのでしょう。この辺りは、歴史や地理的条件がものをいうようです。日本も幸せな国ですね。
コジラさん、国民新聞の情報ありがとうございます。そういえば正論にそのような情報があったのを見たことがあります。創竜伝考察4のあれは、渡部昇一氏の本から引用しました。私はてっきり、焼き討ちの時か、戦前の新聞統合のときになくなったものと思っていましたよ。
Merkatzさん、甲山事件といえば、たしか広島県の偏向教育でそんな名前の事件が使われていたという新聞記事を読んだ記憶があります。あの時はその事件について何も知らなかったので、「どうせ左翼に都合のいい話なんだろうな」と思っていただけだったのですが。
それと私も日本の税率が以上に高いという主張には賛成です。この問題では、渡部昇一氏が「所得税一律10パーセント・相続税廃止論」を展開していましたし、他にも似たような主張をしている本を読んだ事があります。この点では、確かに田中芳樹には同情すべき点がありますね。
しかし不思議な事に、創竜伝やその他の田中芳樹本でも、この累進課税について述べている個所が全くありません。消費税の不満をぶちまけている所ならばありますが(これは後日「私の創竜伝考察シリーズ」で指摘します)。これはおそらく、この累進課税が、共産主義思想である「所得再分配の思想」から生まれたものだからです。これは左翼全共闘である田中芳樹にとって、指摘しにくいものでしょう。そもそも税金に不満をもっているのならば、あんな「国家興亡論」などという壮大だが訳の分からないシロモノ(しかも偏向しているし(^_^))を展開せずに、率直に税金の話をすれば良いのですよ(これだってフィクション小説で展開すべきかどうか)。
新Q太郎さん、アパルトヘイトと人種差別撤廃条約についての情報ありがとうございます。やはりこれを見ると田中芳樹の主張が偏っているという事がわかりますね。事実の一断面だけをみて批評する事がどれだけ恐ろしいのかという事は、田中芳樹が一番よく知っているはずなのですが。
不沈戦艦さん、北村 賢志さん、「摩天楼」シリーズについては後日書こうと思っていますが、あのキャラクター設定は、週刊少年サンデー連載のマンガ「GS美神 極楽大作戦」の主人公である美神令子と横島忠夫からのパクリだと私は考えています。あの小説の設定を見た時に「これは!!」と思いましたもの(^_^)。横島忠夫の性格を自分と同じ設定にしたほかは、薬師寺涼子の性格といい、語り部である泉田準一郎のあの忠勤ぶりといい、妖怪退治といい、さらには薬師寺涼子のライバルである室町由紀子という設定まで、どれもこれもパクリだと断言できるシロモノです。興味ある方は一度見てみてはいかがですか?
それと管理人さん、お手数をおかけして申し訳ありませんが、「私の創竜伝考察4」の厳しいチェックをよろしくお願い致します。私が見た時には、まだやっていないようでしたので。
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- board1 - No.934
私の創竜伝考察5
- 投稿者:冒険風ライダー
- 1999年03月22日(月) 14時30分
しっかし、予想以上に社会評論が多いですね~。本来ならば、とっくに3巻の批評に突入しているはずなのですが、いまだにこんなところで足止めされているし。創竜伝の批判が全部終了するまで、いったい何回このシリーズをやることになるのでしょうか。先は果てしなく長いです(T_T)
まあ自分から進んでやりだしたことですし、最後までやりぬくつもりですので、皆さんよろしくお願いいたします。
それでは、創竜伝2の検証の続きをはじめましょう。
P98上段~下段
<「しょせん彼らは、日本という狭い枠の中で、餌をとりあう鶏にすぎん。あの鶏どもを、君はどうあつかうつもりかな」
「肥らせてから食べます」
優雅なほどの冷酷さで、女は言い放った。
「まずければ捨てます。それだけのことですわ……」
「すると大半がゴミ捨て場行きになりそうだな。まあよい、使い捨て文化は現代日本の特徴だ」>
あまりにも日本に対して侮蔑的なたわごとを吐きまくるこの2人の主張は、田中芳樹の左翼思想の代弁者としての役目でも引き受けているかのようですね。それはともかく、「使い捨て文化は現代日本の特徴」とはよく言ったものです。日本文化の「使い捨て」という一面だけを見てこんな断定をしているのでしょう。そういうタウンゼント氏の祖国であるアメリカの文化には、「使い捨て」という部分は一切ないのかといいたいですね。
P99上段
<「ふん、日本人という奴は、ハードウェアの形さえととのえば内実がともなうとでも思っているのか。奴らのベースボールは、こんな立派なスタジアムにはふさわしくない。それでも、ラグビーにくらべればまだましだが……」>
余計なお世話です。そういうタウンゼント氏の故郷であるアメリカだって「ハードウェアの形さえととのえば内実がともなうとでも思っている」かのごとく、でかい兵器や建物を、それも大量に建造しているではありませんか。マンハッタンのビルディング群や大量の最新鋭の軍艦・戦闘機・戦車……まさに「ハードウェアの形さえととのえば内実がともなうとでも思っている」みたいですね。そもそも、2つの世界大戦で、圧倒的な物量と兵器で押しまくって勝者となったのはどこの国でしたっけ?
P102上段
<「権力をかさにきて、子供をいじめるような卑怯な奴に、どんな礼儀を守れっていうんだよ。いい年して子供だっているだろうに、アホとちがうか。自分のやっていることを見て、すこしは恥ずかしくないのかよ」>
終君、自分を正義と過信して権力者に偏見を持っていなければとてもこんなセリフは言えませんよ。私の方こそ、あなた方竜堂兄弟にこう言いたい。
「自分の力で手に入れたわけでもない超能力をかさにきて、自分たちの主観で勝手に悪とみなした権力者を無慈悲に叩き潰して正義の味方面しているような奴に、どんな礼儀を守れっていうんだよ。いい年して相手を思いやるまともな想像力だってあるだろうに、アホとちがうか。自分のやっていることを見て、すこしは恥ずかしくないのかよ」
P102下段
<「きたないなあ、公衆道徳をまもれよ。ここはみんなのトイレだぞ」>
公衆道徳をまったく守っていない竜堂兄弟に、こんなセリフを言われたくありませんね。
P109下段~P110上段
<公安警察は、行政機関であり、公僕の集団である。彼らの人件費も、活動費も、国民の税金から支払われている。だが、彼らの予算も活動内容も、国民の前に公開されることはない。それどころか、おなじ警察の内部でさえ、公安関係の活動内容を知らされることはない。すべてが特権と機密の厚いベールにつつまれている。
もともと日本が自由民主主義国家であり、思想と言論の自由が保障されている以上、公安警察など存在すべきではない。極左過激派がビルに爆弾をしかけて市民を殺傷したら、殺人犯として刑事部が捜査すればよいはずである。南村はそう思っていた。思っていても口には出せない。警察に限ったことではないが、組織内部に言論の自由などないのだ。公安の批判をしたとたんに、左翼反体制分子あつかいされ、退任に追いやられるだろう。
「警察官とは、町のおまわりさんであるべきだ。公安の奴らのどこがおまわりさんだ。戦前の特高警察とちがうところは、公然と拷問をしないことだけではないか」>
ちょっとちょっと南村さん、公安警察の全貌がすべて一般市民に把握できたら、犯罪者にとって大いに有利になりますよ。公安警察のメンバーが誰かわかれば、その人物をマークできますし、邪魔となれば抹殺できます。捜査内容が把握できれば、捜査の妨害も容易にできます。秘密主義がすべて良いとは言いませんが、こんな基本くらいは掌握していてくださいよ。
さらに「極左過激派がビルに爆弾をしかけて市民を殺傷したら、殺人犯として刑事部が捜査すればよいはずである」といいますが、この手のテロの実行犯というものはほとんどの場合、組織の下っ端にすぎません。その連中を刑事部が捕まえたところで組織本体は何の打撃もこうむっていませんので、また第2第3の同じ手口の犯罪が起きるでしょう。こういう組織犯罪を防ぐために公安がいるのでしょうし、そのために活動内容などが秘匿されているのですよ。
「日本が自由民主主義国家であり、思想と言論の自由が保障されている以上、公安警察など存在すべきではない」それではアメリカにCIAやFBIがいるのをどう説明するのでしょうか。特にCIAはかつて共産主義思想を取り締まっていたと思いますが。そこら辺はどうなのでしょうか?
「公安の批判をしたとたんに、左翼反体制分子あつかいされ、退任に追いやられ」た警察官って、実際にいるのでしょうか? 私は聞いたことがありませんが。これについて知っている人はいませんか?
「警察官とは、町のおまわりさんであるべきだ」あまりにも空想的な主張ですね。「町のおまわりさん」がどうやって凶悪犯罪者や過激派テロの実行犯を追い詰め、さらにどうやって裁判で証拠を立件するのでしょうか。そこまでやらなければ犯罪者を裁けないし、警察はお手上げなのですよ。
それから、日本の公安警察が拷問をやったなんて聞いたことがありませんね。フィクションの想定で公安警察を特高と同じであると決めつけないでほしいものです。
P111上段
<南村は、これ以上の出世をあきらめていた。出世をあきらめれば、することもできるだろう。そう思い、ふいに南村は腹がたった。なぜこんなことを考えなければならないのか、警察で筋をとおせないとすれば、何かがまちがっているのではないか、と。>
南村氏は、自分が「筋をとおし正論を主張」していると信じて疑っていませんね。「自分が間違っているかもしれない」とはまったく考えていないようです。
いつもの事ですが、ちょっと長くなりすぎましたね。しかもこれだけ長いのに小説の中では20ページほどしか進んでいないとは……。田中芳樹よ、この巻って社会評論だけで成り立ってませんか?
それでは、また今度、お会いしましょう。
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- board1 - No.936
RE.930 自分の首を絞める可能性
- 投稿者:本ページ管理人
- 1999年03月22日(月) 16時20分
>それから人種差別撤廃条約に日本政府が消極的だったのは事実だが、それは条約中の「人種差別的な言論を取り締まらねばならない」といった条項が、憲法下の表現の自由との兼ね合いで問題を抱えていたからです。
>これは「闘う民主主義」や「不寛容への寛容」などの哲学的命題をはらんだ非常に難しいことであるぞ。
なにやら、今国会で揉めている、いわゆる「ロリータ新法」とよく似た状況です。あれも、児童買売春の禁止そのものに反対する人はほとんどいないけど、罰則も含めた児童ポルノの所持の禁止や絵などもポルノ含めるといった表現の自由や思想の自由との抵触が大問題になっていますね。
参考 ttp://www.geocities.co.jp/Playtown/3698/moe2data.html
国会の動向を見ていると、どうやら所持の禁止やポルノに絵を含めないといった無難な方向に落ち着きそうですが、これは、見方を変えれば不徹底な法案に妥協したと取ることも可能です(ちなみに原案の元になった欧米諸国では、ほとんどが所持に罰則を与えている)。
さて、私がわざわざロリータ新法などを取り上げたのは、人種差別撤廃条約との類似性からだけではありません。場合によっては、田中芳樹関連の作品からはじめての検閲描き直し作品が出る可能性があるからです。
田中芳樹そのものの作品ではありませんが、銀英伝のコミック版で、反逆を起こしたマクシミリアンが年端もいかない裸の少女をなぶっているシーンがありますね。絵をポルノに含めることや所持の禁止が廃止されないまま法案が成立すると、銀英伝のコミックを持っている数十、数百万の読者がアウトです。
田中芳樹本人や彼のファンが一斉に権力と弾圧に屈し、本を捨てる様は圧巻ですね。
もちろん、「あのシーンはそのような残虐な行為を否定するために描かれているのだ」という反論もあり得ます(私も、あのシーンはマクシミリアンの常軌を逸した狂気や甘えを少ないコマで表現するうまい手法だと思う)。しかも、それは正論です。でも、そのような正論が無力であったことは、かつての差別狩り運動を見れば明らかなことです。
それは行き過ぎだ、このような事態にならないように、所持の禁止や絵や表現をポルノに含めるのはやめよう、とすると、「どういうわけか近代民主国家の世界的潮流である『児童ポルノ処罰法案』にも知らぬ顔である」となるわけで、田中芳樹や銀英伝コミックは、反人権民主後進国ニッポンの象徴となってしまいます。
問題なのは、この矛盾なのですよね。花井夫人みたいな人が無責任で軍国主義的な言動をもって出来る言論統制など、現実的実効性はゼロに限りなく近い。本当に問題なのは、人権や民主主義をタテに言論抑制をされたときなんですよ。ここに、新Q太郎さんがおっしゃるところの「闘う民主主義」や「不寛容への寛容」の超難問があるのです。
さて、田中芳樹は人権や民主主義の(彼にとっての)パラダイス「近代民主国家」を絶対とし、それを尺度に日本を人権民主後進国だとしています。ならば、日本が「児童ポルノ処罰法案」を厳格に適用する近代民主国家に近づいた場合、自分が原作を務める本に対して、どのような態度をとるのでしょう。
少なくとも、『それでも進めよ、というのもひとつの議論ではあるが、こう単純(明快)』に行かないのは、確実です。