初代掲示板過去ログ

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投稿ログ101 (No.1990 - No.2032)

board1 - No.1990

確か・・・

投稿者:孔北融海
1999年09月13日(月) 10時56分

 呉智英氏がなにかの本で、「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉が誤用されている、と嘆いていました。
 因みに、広辞苑で調べてみると、

>1、「グレシャムの法則」参照。
>2、転じて、悪人のはびこる世の中では、善人>は不遇である。

 で、「グレシャムの法則」を調べてみると、

>実質価値を異にし、同一の名目価値を持つ貨幣>が一国内に共に流通する時は、良貨は姿を隠
>し、支払には悪貨だけが使われる傾向になる、>すなわち「悪貨は良貨を駆逐する」という法
>則。

 これがなんで「転じて、悪人のはびこる世の中では、善人は不遇である。」という意味になるのかわかりませんが、公認された誤用みたいですね。

 さて、ようやく過去ログ1157番まで読み終わりました。硬派な右翼系のサイトかと思っていたのですが、軟派な話も意外と多いですね。少し安心。

board1 - No.1991

どっちが正論?人のせいなの?

投稿者:satoko
1999年09月13日(月) 15時34分

ちょっと厳しい書き方ですいません。何か、話がとにかく何かの性にしようと言う風に流れているような気がして少しいらついています。すいません。

>一新人漫画家さん
エンターテイメントと言う意味でのお話は、私は仕立て屋さんと同意見なのでここでは省きます。(仕立て屋さん、ベルセルク私も好き^^)

「いい作品を作っても売れない、という作家の作品は絶対に使わない。そんなやつの書く物はたたが知れてる。面白くないから売れないんだ。自分で最高に面白いと思ってるだけなら同人誌と変わらないんだ。」

というのはある有名出版社の編集者の方が以前おっしゃっていました。そしてこうもおっしゃってました。

「どんなに名が知られていない作家でも、こいつは世の人に知ってもらわなければいけない、と思う人は出版社あげて応援するさ。何万という作品を読んでいる俺達をなお説得させるだけの何かがあればね。それをわからず、不平を言うだけの自信過剰なやつが多い。」

私は何度も言うように、堕落してるという確証があるなら田中氏を批判すればいいと言ってますし、作品の中の内容がおかしい部分は批判すればいいです。ですが、その批判をうれるならくだらない物を出版して、売れないからいい作品でも売らないなんて出版社に批判して欲しくないのです。

基本的なこというと、売れる物だけ売る売れない物は切り捨てる。資本主義の社会の中で当然な事ではないでしょうか?出版社だって商売、温情主義でやっていけるほど甘くはないでしょう。それでもなお、上記のようにいう編集者さんがたくさんいるんですよ。

田中作品がつまんない、くだらないと判断する人も多いでしょう。でも、これだけ売れてるのは何か引き付けられる物があるからなのでは?私はそれが個人個人違ってもいいじゃないかと言う事を言ってるんです。その個人個人のニーズにこたえるのも出版社の仕事だとも思いますし。
ここからは管理人さんもなんですが、私はここで田中作品の内容を検討している人も純粋にOVAなどのきゃらを好きで楽しんでいる人もレベルとして変わるなんてぜんぜん思いません。お互い楽しみ方は違えど田中作品をもとにして楽しんでるわけでしょ?
「本質を読み違えて・・・」と言うのがありましたが、どうしてそこまで田中氏側から見た言い方をするのでしょう?田中氏がいま現在拝金主義のふぬけじーさんになっていたとして、それを支える義務がファンにはあるんでしょうか?もちろん自主的に支えてあげたいと思うファンはそれをすればいいと思いますが、「自分なりに楽しんでるんだけどな・・・。」と言う人に「おまえは馬鹿だ!田中氏を支えないなんてファンとしてなってない!」と言うのでしょうか?そんなことを娯楽として楽しんでる人になぜ言う必要があるのでしょう?

管理人さんがおっしゃるように、田中氏自身が自分で言った事に当てはまるじゃないかとかそういう批判をするのはかまいません。(それが間違ってると思う時はそれはそれとして意見を言うと思いますが)ですが、別にその田中理論にファンを当てはめ、ファンを批判するのは成り立たないでしょう。田中思想なんて関係なくきゃらを楽しんでる人は、そんなことに共感してないかも知れないんですから。

ここでもう一度言います。田中氏自身が堕落したと言われるのはあくまで田中氏自身の責任です。ファンの責任ではありません。表現者が世に出したものを世の人がどう判断しようと、例え自分が意図していない方向だったとしても、そのことに甘え便乗する形でもたれきってしまうことは本人の責任以外の何者でもないです。自分の思わぬ方に進んだのなら軌道を修正する努力をすればいいんですから。ちょっと、冷静さを欠いてきたのでここでやめます。

>はむぞうさん
たしかに、そんな人がいたら嫌になりますよね^^;
その人たちは田中信者の称号がふさわしいと思います。反論の余地なしです(笑)

board1 - No.2015

>アニオタうぜえ

投稿者:孔北融海
1999年09月14日(火) 13時00分

本当に、いい歳して他にやることないのか、と思ってしまいますね。

board1 - No.2016

だからさぁ

投稿者:西遊記
1999年09月14日(火) 15時14分

昔、田中信者だった自分に腹を立てるあまり、田中芳樹に逆恨みしてるだけだろ?イシイ氏?

board1 - No.2017

過去ログ更新しました

投稿者:本ページ管理人
1999年09月14日(火) 21時18分

2ヶ月ぶりになってしまいましたが、過去ログ更新です。

board1 - No.2018

ファンに、自浄作用はないの?

投稿者:速水右近
1999年09月15日(水) 01時49分

どのような形で小説を読み始めたか、はそれぞれ自由だと思う。しかし読者、もしくはファンと名乗る以上、そこそこ“深く”読むのが当然だろう。
私が不思議に思うのは、小説のミスに真っ先に気が付くくらい読み込むのが、“正しい”読者=ファンの姿ではないか。ミスに気が付かなかったら読みが“浅い”証拠だし、また知っていながらミスを見逃していたら、作品に対して不誠実であろう。
しかし『創竜伝』に限らず、どうして昨今の読者=ファンは、読み込みが足らないとしか言いようがない。そのくせ「ファンだ」と言うのは、ある意味で作品=作家を侮辱しているのにお気づきか。
理想論なら、否定派よりも先に、熱狂的ファンサイドから作品の矛盾点の問題提起が起こり、「しっかりして、田中センセーッ」と叱咤激励すべきじゃない? そういう自浄作用を経て、いい作品って生まれるんじゃないの。
石井氏が田中芳樹を逆恨みしている部分は多少あるとしても、本来なら氏の“仕事”は、純粋なファンたちがすべきものなのだ。つまり石井氏に反発する人たちも、ちょっとは石井氏を「逆恨み」しているんだけどねぇ。
無論昨今の作家は、先に書いたような読者の「愛の鞭」を受け止められないほど器量が狭いってのも、十分承知してますけども。

さて質問。創竜伝の敵役って、はじめから「世界を征する悪の結社」だったでしょうか?
なぜこんなことを振るのかというと、『紺碧の艦隊』も何の前振りもなく急に、敵役が秘密結社になってるんですよ。また、両方とも作者が社会変革をアジりつつ、作品はズタズタって。でもベストセラーになって、延長されているという共通項もありまして。
もしも荒巻義雄と田中芳樹の対談なんかあった日にゃあ……、あーっ、読みたくないよみたくない。

board1 - No.2020

ちなみに

投稿者:石井由助
1999年09月15日(水) 06時34分

下の孔北融海さんの書き込みの意味はこれです。
ttp://club.pep.ne.jp/~yusuke.i/baka.gif
ttp://club.pep.ne.jp/~yusuke.i/aho.gif

board1 - No.2021

だ~か~ら~

投稿者:satoko
1999年09月15日(水) 16時43分

>速水さん
だから、何度も言うようですが「小説を深く読めるファン=良いファン」という風なことはぜんぜん考えてないのです。きつい言い方になりますが、そういうファンしか認められないというのは少し考え方が硬すぎるのでは?

読み込んでもなくファンと言うのは作家や作品を馬鹿にしていると言うのは、作家の側からの意見でしょう?自分が伝えたかった事を理解しないなんてこのえせファンどもめ~!って作者の方が言うのはわかるんです。(ただし、こんなこという作家がいたら、「あんたの文章に説得力がないからみんなの心に届かないんだろ、ば~か。」といって終わりくらいの程度ですが、)でも、なぜファンがそこまで作家の都合にあわせる必要があるのでしょう?自分なりに楽しめばいいではないですか。あとミスを見抜けるかどうかと言う話は、事実としての認識の誤りの事をおっしゃっているのか、思想その他についての認識の違いをおっしゃっているのか分からなかったのでここでは書かないでおきます。

長くなるのでここまで、では質問を残しておきます。OVAの銀英伝やアル戦、またはコミック化された田中作品にしか触れてない人は田中ファンと名乗ってはいけないのでしょうか?

余計な話
あくまで私のみの意見ですが、もし田中芳樹氏がここのHPをみた、またはファンの批判などをきいて作風をまたは持論を曲げるような事があれば(ただ、事実を勘違いしてるとこはいいけど)それこそ私は作家としての田中氏を軽蔑すると思う。それが、私は田中作品の内容についての意見を言わせてもらう事があっても田中氏個人をまたは田中ファンを批判しない最大の理由です。

board1 - No.2022

よほど

投稿者:不沈戦艦
1999年09月16日(木) 05時04分

ネカマ暴露がこたえたんですねえ(笑)

board1 - No.2023

うーん・・。

投稿者:TAK
1999年09月16日(木) 14時49分

以前「一新人漫画家」の名でカキコした者です。
改めてこんにちは。

satokoさん>
「だ~か~ら~」の、言いたい事は分かります。
以前も書いたように私もあなたの言う事は正論だと思います。
(個人的には嗜好は合いませんが。)

でも「みんなの心に届かないんだろ」と、
自分の仲間たちをさして「みんな」と言うところを見るに、
あなたも自分で思っているほど自分を相対化していませんね。

同じ言い方をさせてもらうなら、
「お前に読解力がないからわかんないんだろ、ばーか」
と言う言い方もできるはずです。
ちゃんと読み込めてる人もいるんですからね。

例えば小学生に太宰やゴッホが理解できなくても、
それは作家の能力が低いせいじゃないですから。
(ばーか・・、ね・・。嫌な言葉だ・・。)

仕立て屋さん>
あ、エンターテイメントについての考え方は
私も同じです。
私の言ったのは、「それくらいの覚悟が必要かも」というくらいの意味で(^^)。
「エンターテイメント性と作品性は両立できる」、
いい言葉ですね。
私も同感です。
ベルセルク、好きです(^^)。

ただしベルセルクなどの作者は、
信じられない不遇の時代を編集者と議論をして
闘いぬいて、ようやくブレイクした、
読者は「今」のその結果だけを見ているって事は
踏まえた方がいいかも(笑)。
だからこそ、過剰なまでの自信と信念がないと、
作家は安易な方に流されてしまうんです。

「編集者のイエスマン」じゃあれは作れませんよ。
たしか「銃夢」の作者も「ベルセルク」の作者も、
編集者とケンカしたり出版社変えたり雑誌が潰れたりなど、
いろいろあったと思います。

編集者も自分で思っているほど公平でもなく
自信過剰だったりもします。
結局、神ならぬ人間ですからね。

board1 - No.2024

こら!

投稿者:不沈戦艦
1999年09月16日(木) 15時56分

>よほど
>投稿者:不沈戦艦 1999/9/16 14:04:22
>ネカマ暴露がこたえたんですねえ(笑)


 騙り投稿して楽しいかい?ま、見りゃ解るとは思うけど。それともアンタがYahooで活躍したと言う「gohutinsenkan(またはfutinsenkan)」サンなのかい?

board1 - No.2025

はあ・・・

投稿者:satoko
1999年09月16日(木) 16時18分

>TAKさん
あの~、伝えたい事伝わってるでしょうか?

正論ってどこの事を言ってるのでしょう?私から見れば、「よく読みこんでいるファン=良いファン、その他のいろいろな部分を楽しんでいるファン=良くない」みたいな考え方の方が正論(常識論?)であると感じてます。

私自身はどちらかと言えば、小説はぼろぼろになるくらい読む方ですし、小説の中から読み取れる作者の心理やそこに含まれた意味、メッセージなどを読む事が好きです。基本的な事を言えば同人誌で好きな小説なんかをぱろってたりするのはあんまり興味ないし、田中読本のように(あんまり読んでないからなんとも言えないが)田中氏個人をどうのこうのと言うような本は買う気もしない。実在の田中氏がどんな人物であろうと、作品中の中で感じられる田中氏に私は共感できればいいから、本人がどうだってかまわない(本来この話をしてたはずなのに)でもね、自分がこういう風だから他人がほかの物に熱中してるのを馬鹿だとか、蛇道だとか言う権利があるんですか?私は田中小説の中に出てきた歴史上の人物を調べたり、行きすぎた時には小説中に出てきたマキャベリズムだのユートピアだの調べて偉くいろんな哲学書読みまくってた時期もあり、結構いろいろな知識がつきました。だけど、単にきゃらを楽しんでいるファンより深く理解しようしたから私が偉いの?ぜんぜんそうじゃない。結局の所、どんなことであろうが田中作品をもとに楽しんでるやり方に変わりがあっても、それを「楽しむ」ということにおいてファンには善し悪しなどないです。(スポーツの本来の定義ににてるな~)別に深く読む事を反対したりしてるわけではないのです。私もそう読む方が好きですから。ただ、強制するなと言っているのです。

つまり
「その言い方ができるのならば、読み込む力がないんだろば~か、と返せる。」
なんて、ぜんぜんおはなしになりません。そういう作者側の都合をまたは自分が知的なファンであると自負している人の考え方を強制するなという事をいってるんです。

前にも書いたのですが、創作者が世に送り出した物を、世の中がどう判断しようが文句言えないでしょう?結局責任の帰する所は創作者の能力なのです。

大学の教授でよく、学界では高名な人物が大学の中では生徒から馬鹿にされているという話は良くあります。それはなぜか?理解できるひとにしか理解できない話をするからで、その内容がどれほど優れていようとその教授は学者としては立派だが教師としてはぜんぜんだめだという事になります。つまりひとりよがり。どんなに知識があろうとすばらしい論理があろうと相手に伝わるように説明できないのなら、教師としてはぜんぜんだめなんです。(そういうやつはおおいが)

それは作家にも同様の事が言えるのでは?

ちょっとはなしがずれつつあり、おかしくなってきてるのでもう一度言います。

作家が落ちぶれたり、つまらない作品をだらだらとだしたりするのはあくまで、作者の責任でファンのせいにするなと言う事が言いたいのです。ファンがどのような点に興味を持つかは自由であり、自分の思ったようにファンが考えてくれなかろうが、それはファンを説得させられなかった自分の責任なんです。普通ならその状態に満足しないならば、「今度こそ、これらのファンをも納得させれるような作品を作ってみせる。」くらいの考え方をするのがプロなのでは?いろんなファンがいる事も取り方でしょう?「くそ、馬鹿なファンどもめ、おれの高尚な理論が理解できないとはおろかなやつばかりだ。」って一人よがりに走った集大成が現在の田中氏の「創竜伝」での偏りまくった不満たらたら社会評論になったのでは?(そんな作品だからこそ笑い話程度でしか私は受け取らない)

こうなったのはファンが理解する努力をしなかったからだと、これを返して言う事もできるかもしれません。つまり、あんまり理解してくれないもんだからひねくれたと。でも、それはファンのせい?これが作家じゃなく自分の周りにいる人だと考えたら?単なるわがままな人物ですよね。つまり責任がどちらにあるか、理解して頂けるでしょうか?

board1 - No.2026

付け加えると・・・

投稿者:satoko
1999年09月16日(木) 16時34分

>ゴッホや太宰を小学生が理解できないのは・・・

あの~、田中先生の話をしてるんですよね・・・。つまりファンは田中氏の言ってる事がとりあえず理解できる層の人が理解しようと努力しないとか、説得力が足りないとかの話をしてるんですよね・・・。一般論にしても、当然理解できる年齢層の人間が創作者の意図を汲む事のみがいい事かどうかと言う話をしてるんですが。

board1 - No.2028

とりいそぎ

投稿者:TAK
1999年09月16日(木) 19時11分

satokoさん>
すみません、
ちょっと誤解があったみたいですね。
私個人としては、

「いろいろなファンがいて、いろいろな楽しみ方がある。
それは貶められる事ではない。」

というsatokoさんの主張を、「確かに正論である」と感じています。

最初の私の書込みの趣旨は、
「こういう「現実」に対して田中氏はこういう選択をした。
これはエンターテイナーとしての選択なので
非難しようとは思わないが、
(私の好みだと、)それを非常に残念に思う。」
という事です。

「正論」と踏まえた上で、
「本当にそれでいいのだろうか」という
ここの書込みに共感したのです。

・・・という事なのですが、よろしいでしょうか。

石井さん>
出版などの事情と
ヤンの言う「民主主義」との比較には感心しました(^^)。
こういう言われ方は不本意かもしれませんけど、
やっぱり石井さんも精神的な「銀英伝の子供たち」の
一人なんじゃないでしょうか(^^)。

board1 - No.2029

通りすがりに一言

投稿者:通りすがりの半端者
1999年09月17日(金) 05時17分

こんにちは、初めて書き込みさせてもらいますが、ロムチェックはしていました。

ファンについての論争面白く読ませてもらっています。ただ、僕はもともと銀河英雄伝説を読み出したのは戦艦などに興味があったからで、いまでも作品内の思想その他より戦艦や戦闘方法などを楽しんでいる僕としては全面的にsatokoさん支持です。

管理人さんや速水さんをはじめとする皆さんの意見も分からなくもないのですが、現実として僕みたいなファンが多くいる事を頭ごなしに否定されるのはちょっと辛いですね。

まあ、それだけでsatokoさん支持と言っているわけではなく、先の書き込みの「小説家が落ちぶれるのはファンの責任じゃない、自信の責任なのだ。」と言う部分が気に入っているのですが、ここで正論(すいませんtakさん、僕から見ても正論ってかんりにんさんたちがおっしゃってることの方が正論なもので)を述べてる皆様にききたいのですが、皆さんが言うように「ファンが田中氏をダメにした。」ってかなり田中氏をバカにしてません?
思春期の中学生が不良になったわけではあるまいし、環境のせいにするなんて一人の大人である田中先生に失礼ですよ。そんなことを言う人の方がよっぽどファンとして成ってないのではないかなとここまでの書き込みを見て思いました。

>管理人殿へ
過去ログをいろいろ見ているときに、以前管理人殿が「キャラクターを楽しんでいるだけの人はいいのですが。。。」と言う言葉を見かけた気がするのですが、どうなんでしょう?僕はこれを読んだときなかなか心が広井じゃないかと思ったのですが・・・

>takさん
おそらく製作者のかたなのでしょうが無いのかも知れないですが、結構失礼だろうと思うのですよね。管理人殿に「子供達」(意味不明、管理人殿の田中氏に対する逆恨みのことか?)とよんだり、satokoさんに「相対的じゃない」と言ったり(そのすぐ後に、個人の嗜好とかかいてませんでしたっけ?と言うより、ここまでの話で相対的である必要がよく分からないが)

でも、僕が一番気になったのは仕立屋さんに「今しか見てないで・・・」と言う部分です。
中学生の部活じゃないんですよ。作品を仕上げるまでの(ヒットするまでの)過程何て関係ないじゃないですか。プロなんですよ。結果だけです。まして、ファンにそこを分かってあげてくれ等とはちょっとちがうでしょう。それを言うなら現在の田中先生だって努力や苦悩、葛藤などあると思いますよ。そういうなら現在のたなかせんせいもみとめてあげなければいけないのでは?

board1 - No.2030

えっ!?

投稿者:本ページ管理人
1999年09月17日(金) 07時46分

どうも、はじめまして。

>管理人さんや速水さんをはじめとする皆さんの意見も分からなくもないのですが、現実として僕みたいなファンが多くいる事を頭ごなしに否定されるのはちょっと辛いですね

どうもsatokoさんともども勘違いをされているようですが、私は別に銀英伝の思想部分を深く読むのが至高の読み方だ、とは言っていませんよ。要はエンターテイメント小説です。どう読もうと勝手ですし、むしろ「思想部分が至高でキャラ好き設定好き読みをするのは邪道」などという意見があったら私はそれに唾棄しますね。思想について考えたかったら小説でなく思想書でも読むべきですし、こういう考え方が小説に評論を入れて何か知的なことをしたつもりになって悦に入る創竜伝的思想の温床になっているからです。


>皆さんが言うように「ファンが田中氏をダメにした。」ってかなり田中氏をバカにしてません?
>思春期の中学生が不良になったわけではあるまいし、環境のせいにするなんて一人の大人である田中先生に失礼ですよ。そんなことを言う人の方がよっぽどファンとして成ってないのではないかなとここまでの書き込みを見て思いました。

 しかし、実際ダメになっているのは事実じゃないですか。最近の田中芳樹の言動を見る限り、とても「一人の大人」の態度とは思えません。馬鹿なことをしていたら、バカにされて当然です。


 あと、なんかファンの捉え方がそれぞれでまちまちなような気がして、それが意見が噛み合わない原因になっていると思うのですが…
ファン(英fan)〈フアン〉スポーツ、芸能などの熱心な愛好者。また、特定の人物を狂信的に支持する人。
国語大辞典(新装版)小学館 1988.
 ちなみに私の中では、田中ファンというとはむぞうさんの言われるところの田中信者に近いものがあります。さすがにあそこまで強烈ではなかったですが、あの方向を向いているファンはたくさん見てきました。ネットでアンチ田中芳樹論を見ると、必ずやり玉に挙げられているのがこの手のファン達です。
 ちなみに、私の今までのファンに関する言説は、こういうファン達に向けられたものですね。
 とりあえず、それぞれのファン像というものを表明するところから始めた方がいいのではないでしょうか?


>管理人殿に「子供達」(意味不明、管理人殿の田中氏に対する逆恨みのことか?)

 あの~(^^;)、これってよくサブカル表現で使われる「~チルドレン」という意ではないですか?
 ちなみに私も「銀英伝の子供たち」だと思いますよ。一時期とはいえ、あれだけ影響を受けたものがゼロになるわけがないですから。
 思想は丸飲みするものではなく、良質な部分をかみ砕き、駄目な部分は吐き出して反面教師にするものだと思います。そういう意味では、銀英伝は私の中に血肉としてまだあります。創竜伝はほとんど反面教師ですけど(笑)

board1 - No.2031

私の創竜伝考察22 兵器描写編

投稿者:冒険風ライダー
1999年09月17日(金) 15時19分

 創竜伝の軍事関連特集・二回目は「間違いだらけの兵器描写」です。
 以前Marketsさんが詳細に論じられていましたが、田中芳樹はホントに創竜伝をまじめに書いていませんね。田中芳樹が現代兵器をロクに知りもしないというのは、湾岸戦争でイラクが使用していた兵器を「アメリカ製」であると考えているところからも明らかですけど、ああまで基本が間違っているくせに「自衛隊の戦車は道路を走れない」など何の検証もなしにのたまう姿勢は、「性悪説」を誤用した鳥羽靖一郎と全く同レベル、もしくはそれ以下ではありませんか。
 創竜伝における兵器描写は3巻・4巻・6巻にありますが、それを全部読んでみた感想は「よくまあここまでヨタが書けるな~」でしたね(^_^)。田中芳樹は以前、創竜伝文庫本の対談で架空戦記を批判していた事がありましたけど、こと兵器描写に関しては、いくら架空戦記にいろいろヨタな部分があるとしても、創竜伝ほどひどい姿勢で書いているとは思えないのですけどね~。
 さて、兵器描写については、3・4巻の分については以前にも論じられていますので、参考過去ログの紹介と兵器資料の引用を中心にやっていきたいと思います。ただし、過去ログと私の見解と違ったりする個所については、私独自のコメントを入れていきます。
 なお、兵器の見方は次の通りです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
兵器名 ―――――――兵器種類
兵装:
・ 兵装名1―――――兵装種類
・ 兵装名2―――――兵装種類
兵器説明:
 兵器の概要や歴史などについてのコメントです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

創竜伝3 P111下段~P112上段
<はぐれ戦車が発砲したのである。一四〇ミリ主砲ではなく、砲塔に付設された機銃であったが、一〇時方向から肉薄してきた一両のキャタピラにむけて機銃を撃ちだしたのだった。しつこい追手に舌打ちした続が、ハッチから上半身を出し、機銃のあつかいかたを水地から教わって撃ったのである。数発の機銃が路面で煙をあげると、戦車は大あわてで方向を変えた。それがあまりに急だったので、車道をはずれて歩道に乗りあげてしまう。>

参考過去ログ――No.1085

 90式戦車の兵器資料は次の通りです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
90式戦車―――――主力戦車
兵装:
・120㎜滑腔砲――戦車砲
・12.7㎜機銃――機銃
兵器説明:
 自衛隊が1970年代末から開発を開始した戦後第3世代戦車。1990年より量産が開始され、現在最新鋭の装備を誇る。
 主砲には120㎜滑腔砲を、車体・砲塔の主要部には新型複合装甲を採用。日本の国土に合わせた小型化が計られており、西の第3世代戦車より一回り小さい。主砲には自動装填装置を採用。乗員は3名で、射撃指揮装置には高度な電子機材がフル装備されている。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

創竜伝3 P112下段~P114下段
<大混乱の地上をあざ笑うように、ヘリの爆音が近づいてきた。
 それは横田基地から飛びたったアメリカ軍のヘリコプターであった。三機で編隊を組み、夜空を引き裂いて近づいてくる。
(中略)
 数奇屋橋、八重洲、江戸通りと走って両国橋を渡りかけたとき、いきなり空中から銃撃を受けた。ヘリの機体に赤い点がきらめき、地上では着弾音がひびく。
「撃って来やがった。何と非常識な奴らだ」
 水地はののしったが、これほど説得力に欠けた台詞もめずらしい。だが、たしかに、隅田川の河上とはいえ、都内で発砲してくるとは思わなかった。このとき、午前一時ごろである。
 路面にバルカン砲がうがたれる。狙いをはずしたのか、それとも故意か。はぐれ戦車は、橋上をゆるやかに蛇行しつつ、銃撃をかわした。
「兄さん、あぶない、ふせて!」
 続が叫んだ。車外の始は、砲塔の陰に身を伏せたが、それほど危険は感じなかった。本気の攻撃だったら、対戦車ロケットでも撃ちこんでくるだろう。>


過去ログNo.1091 Marketsさん
<114ページ、ヘリがやってきて「アイアン・ドラゴン」に威嚇射撃を行ないますが、これって威嚇になるの?
というのも戦車装甲の上面は脆いから、結構やばいんですよね。
しかしそれ以前の問題として、この飛んできたヘリの種類は何なのでしょうか?それを書かないことには、ここの描写はおかしなことになりますよ。
軍用ヘリと一口にいっても、大きく分けて2種類あるんですよね。兵員の輸送を専らとする「汎用ヘリ」と、対地・対潜攻撃を専らとする「攻撃ヘリ」です。
で、飛んできたのが「汎用ヘリ」なら問題無いんです。あれの機銃はたいしたことないから。
よく見てみると「路面にバルカン砲の・・・」という記述があります。とするとこれは「攻撃ヘリ」、それもバルカン砲装備となると「AH-1ヒューイコブラ」となります。実際、自衛隊所持の攻撃ヘリはこれだけなので、そこからも同機だと特定できます。
そこで今一度本文の記述を見ると「それほど危険は感じなかった。本気の攻撃なら、対戦車ロケットでも・・・」となっています。
おいおい、攻撃ヘリの装備はすべて対戦車用であって、バルカン砲でも十分「本気の攻撃」なんだよ。ただ一撃必殺でないというだけ。ここでは竜堂兄弟捕獲命令が出ているんだから、戦車の動きを止めるべく、機関砲掃射にとどめているだけなんだってば。>

<「本気の攻撃なら対戦車ロケット」というのも、なんだかなあ・・・。攻撃ヘリの主兵装はATM(アンチタンクミサイル)なのになあ。そりゃロケット弾も装備しているけど、基本はミサイル一発!だよ。
こうしてみると「バルカン砲」というのもあやしいよなあ。自衛隊のヒューイコブラだとわかって書いたのかどうなのか。弾丸を連続発射するものは何でも「バルカン砲」だと思ってんじゃあないだろうな。
ちなみにバルカン砲は機関砲の一種で、複数の銃身を束ねて回転させながら弾を発射するものです。
もし、やって来たのが米軍のアパッチだったら完全に間違いだよ。あれは30ミリ機関砲なんだから。>


 自衛隊の攻撃ヘリ・AH-1Sコブラの兵器資料は次の通りです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
AH-1S コブラ ―――――――攻撃ヘリ
兵装:
・ BGM-71 TOW―――――対戦車ミサイル
・ 20mm3銃身バルカン――――対地機銃
兵器説明:
 陸上自衛隊は対戦車能力を強化するため、対戦車ヘリコプターの導入を決め、アメリカ製のAH-1Sが採用された。
 導入は昭和52年から始まり、昭和59年からライセンス生産も行なわれている。本機はAH-1シリーズのアメリカ陸軍による改良型で、特に対戦車能力が強化されている。
 現在陸上自衛隊では、各方面隊毎に対戦車ヘリコプター部隊の編成を行なっている。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 しかし創竜伝の記述から考えると、上記のヘリコプターはアメリカ軍と考えられます。そうなると、アメリカ軍と自衛隊の指揮系統の問題なども絡んでくるのですが、まあそれをいうと話がまたややこしくなるので、ここでは置いておきましょう。
 この場合のアメリカ軍のヘリコプターとなると、該当する兵器は5つあります。兵器及び兵装を全て紹介しましょう。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
UH-1 イコロイ――――――――――兵員輸送ヘリ
兵装:
・ 70mmロケット弾 ―――――――――対戦車ロケット弾
・ 7.62mm機銃 ――――――――――対地機銃
兵器説明:
 ベルUH-1はアメリカで開発された小型汎用ヘリコプターで、この種のヘリの西側でのベストセラーである。
 59年にはHU-1Aが完成、以来HU-1B、命名法が変わりUH-1D、UH-1Hと発展改良が続けられている。兵員12名を搭載でき、小規模ヘリボーン作戦などに使用される。輸送ヘリとしてだけでなく、捜索・救難ヘリとしても有効に活用される。

UH-60 ブラックホーク――――――兵員輸送ヘリ
兵装:
・ AGM-114 ヘルファイア――――対戦車ミサイル
・ FIM-92 スティンガー ――――短対空ミサイル
・ 7.62mmガトリング砲――――――対地機銃
兵器説明:
 アメリカ陸軍の新型汎用ヘリコプター。兵員輸送・支援・補給などの多目的任務の遂行が可能。
 軽量化と耐弾性を高めるため、ローターや機体各部に複合材が多用されている。乗員3名兵員11名の輸送が可能で、胴体左右にパイロンを装着すれば、攻撃ヘリとして使用することできる。パイロンには増加燃料タンクも装着でき、航続力を延伸可能である。

AH-1 ヒューイコブラ―――――――攻撃ヘリ
兵装:
・ BGM-71 TOW――――――――対戦車ミサイル
・ 20mm3銃身バルカン―――――――対地機銃
兵器説明:
 ベトナム戦争でアメリカ軍が輸送ヘリコプターを護衛するために開発した高速武装ヘリコプター。現在の攻撃ヘリの草分け。
 軽輸送ヘリコプターUH-1を原型とし、エンジン・動力伝達機構を流用している。高速性能を発揮するため、機体は絞りこまれた細長い断面形をしている。20mmガトリング砲を装備、また胴体左右の小翼に対戦車ミサイル、対地ロケット弾等を搭載する。

AH-64 アパッチ―――――――――攻撃ヘリ
兵装:
・ AGM-114 ヘルファイア――――対戦車ミサイル
・ FIM-92 スティンガー ――――短対空ミサイル
・ 30mmチェーンガン ―――――――対地機銃
兵器説明:
 夜間や悪天候でも行動でき、対戦車戦闘を遂行できる先進攻撃ヘリとしてアメリカ陸軍が開発した重武装攻撃ヘリコプター。
 1983年に量産開始。夜間行動を可能にする暗視ゴーグルや各種ハイテクセンサーを装備し全天候型行動能力を持つ。機体はきわめて頑丈につくられていて23mm弾の直撃にも耐えられる。ローターも複合素材で被弾に強くできている。

AH-64D ロングボウアパッチ―――攻撃ヘリ
兵装:
・ AGM-114 RFヘルファイア――対戦車ミサイル
・ FIM-92 スティンガー ――――短対空ミサイル
・ 30mmチェーンガン ―――――――対地機銃
兵器説明:
 AH-64をベースにした発展型で、主ローターマスト上にミリ波レーダーを搭載して、索敵攻撃能力を高めている。本機は、現在世界最強の攻撃ヘリコプターである。
 レーダーは前方監視赤外線装置や光増強TV装置が役にたたない雨・霧・霞の中でも目的の追跡が可能。地形を読み取ることができるので、航法援助手段としても使用できる。エンジンも強化され機動力も高い。
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 長々と資料を引用してみましたが、さて、資料と創竜伝の記述を照らし合わせると、記述で使用されている兵器は、バルカン砲を使用していることからAH-1ヒューイコブラとなります(結局Marketsさんの指摘と同じだったりします(^^;;))が、ヒューイコブラには竜堂始のいう「対戦車ロケット」など通常は装備されていません。では「対戦車ロケット」を装備しているUH-1イコロイではないかとも考えられますが、あれの兵装は7.62mm機銃ですから「バルカン砲」という記述と矛盾してしまいます。
 ということは考えられるオチはひとつしかありませんね。「竜堂始は兵器オンチ」です(^_^)。

創竜伝4 P182下段~P183上段
<四〇機のF18E戦闘機。それを製造する経費で、第三世界の一〇〇〇万人の乳幼児を餓死と病死から救う事ができる。三門の三二ミリ・バルカン砲をそなえ、さらに対空ミサイルを保有する。パイロットも、きわだった技倆を持つ空軍のエリートたちだった。
(中略)
 バルカン砲が火箭を吐く。一分間に六六〇発の連射能力があるのだ。八機ずつ五編隊にわかれ、一撃離脱の強襲フォーメーションを実行した。一秒間に八八発の三二ミリ機関砲が、ドラゴンめがけて撃ちこまれた。熱帯草原を闊歩するアフリカ象が、一〇〇万頭もまとめて撃ち殺されるほどの量であった。「覇王」の原子炉に砲弾が撃ちこまれて核爆発を生じさせてもかまわぬ、という命令だった。だが、あわい虹色にかがやく球形が、ドラゴンと「覇王」と一億トンの海水をつつみこみ、すべての砲弾はその球形の表面で消滅していく。狼狽したF18群は、対空ミサイルを撃ち放った。だが同じことだった。>


参考過去ログ――No.1119・1126・1130

 F18ホーネットの兵器資料は次の通りです。

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F18 ホーネット―――――――――――艦載戦闘機
兵装:
・ AIM-7M スパロー ―――――――中対空ミサイル
・ AIM-9M サイドワインダー ―――短対空ミサイル
・ AGM-84 ハープーン ――――――対艦ミサイル
・ Mk82爆弾―――――――――――――小型爆弾
・ 20mmバルカン砲――――――――――航空機関砲
兵器説明:
 アメリカ海軍・海兵隊の主力機で、戦闘・攻撃両任務に使用可能な万能型戦闘攻撃機。空軍軽量戦闘機計画に応募されたF-17を原型に改良発展された。
 緩い後退翼に長い前縁ストレーキを持つ機体デザインは、優れた機動性を可能にしている。レーダーも高性能の機材を搭載、レーダー誘導ミサイルを装備。全天候型攻撃能力を持ち、対艦ミサイルの搭載も可能だ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ちなみに同じ兵器でも、国によって採用している兵装は異なりますし、所属している軍も異なります。たとえばマレーシアのF18は空軍所属で、ロシア製の対空ミサイルなどを装備しているといった風に、国土・経済力などによって同じ兵器でも様々な違いがあるものです。

創竜伝4 P186上段~下段
<かろうじて水没をまぬがれた周辺基地は、ありったけの戦車を動員して、神も大統領も恐れぬ不逞な怪獣を射殺しようとはかった。対空ミサイルと、そして昼夜兼用の対空機関砲。これが彼らの主要武器である。ことに、コンピューター連動式の37ミリ対空機関砲は、五〇〇〇メートル上空をマッハ一・六で飛行する物体すら撃墜可能である。>

参考過去ログ――No.1119・1126・1130

過去ログNo.1119 Merkatzさん
<こういう車両は米軍にはありません。近いものに「ADATS」がありますけど、武装が違います。というかそもそも「対空機関砲」と「対空ミサイル」両方乗せている対空車両という発想自体がなんとも・・・。
対空兵器として、そうできれば理想的ですが、スペースファクターの都合、簡単にはできないんですよね。「ADATS」と旧ソ連「ボルガー」が実現してますが、帯に短したすきに長しという程度になってますし。>


 私も資料をあさってみたのですけど、「対空機関砲」と「対空ミサイル」を両方搭載している兵器としては、ロシアの「2S6ツングースカ」がありましたが、やはり創竜伝の記述に該当するアメリカの兵器はひとつもありませんね。「ADATS」も対空ミサイルオンリー(ただし対戦車ミサイルとしても使用できる)ですし。
 「ADATS」と「ツングースカ」の兵器資料はこれです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ADATS ――――――――――対空ミサイル車輌
兵装:
・ ADATS―――――――――短対空ミサイル 兼 対戦車ミサイル
兵器説明:
 アメリカ軍が開発した対空システム。同じミサイルで対戦車攻撃も可能という特徴を持つ。試作は80年代初めに完成した。
 システムはモジュラー化された砲塔タイプで、多様な車体に搭載できる。誘導はレーザービームライダー方式。対戦車能力を持たせるために、弾頭は成型炸薬弾頭で、900mmの装甲貫通力がある。射程は対空で8km、対戦車で6km。

2S6 ツングースカ ―――――対空機関砲車輌
兵装:
・ 30mm連装機関砲―――――対空機関砲
・ クリゾン――――――――――対空ミサイル
兵器説明:
 ロシア連邦が開発した最新鋭の対空機関砲・ミサイル複合システム。一台で対空ミサイルと対空機関砲を兼ね備え、機関砲では射程外になる目標と、ミサイルでは対処が困難な至近距離の目標の双方を攻撃可能とした。ベースにはMT-S装軌車のものを使用、砲塔に外装式に2基の30mm連装機関砲とミサイル8発を装備。捜索レーダー・追跡レーダーも装備した。チェチェンに出動した。
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 このように資料を見てみると、対空機関砲よりも対空ミサイルの方が長い射程距離があるのですから、「ことに、コンピューター連動式の37ミリ対空機関砲は、五〇〇〇メートル上空をマッハ一・六で飛行する物体すら撃墜可能である」という言葉も相当おかしく聞こえてきますね。基本的に対空ミサイルは遠距離攻撃で一撃必殺、対空機関砲は近距離攻撃で格闘戦用なのですから、「ことに」などと強調する意味は一体何なのでしょうか。射程距離の長さを強調したかったならばミサイルの方を強調すべきだったし、命中精度を強調したかったとしても、対空ミサイルと対空機関砲は使用目的がそれぞれ異なるのですから、比べるのがお門違いというものでしょう。まあどうせ両者の兵装の違いも理解していないのでしょうけど。

装竜伝6 P207下段
<サンフランシスコの近海にいた通常型潜水艦サウスフォーク、対空ミサイル巡洋艦アパラチア、ヘリ空母ビスケーン、その他の艦艇群が夜の波を蹴たててサンフランシスコ湾に侵入してきた。>

 ここは艦船の呼称がかなりおかしいですね。「通常型潜水艦」というのは動力が原子力かそうでないかを区別する言い方ですから、まあぎりぎり許せる範囲内ですが(でもこれだけでは兵器種類がわからないんだけど)、対空ミサイル巡洋艦とヘリ空母というのは兵器に関する無知丸出しですな。
 別に巡洋艦に限らず、現代の艦船に対空ミサイル標準装備は当たり前です。艦船にとって一番怖いのは航空攻撃と潜水艦攻撃ですから、現代のあらゆる艦船は対空・対潜能力をそれなりに持っているものです。空母だって自己防衛のために対空ミサイルくらいは搭載していますよ。むしろ対空ミサイルを装備していない艦船の方が珍しいのではないでしょうか。
 それにヘリ空母ってねえ……。ヘリの航続距離って航空機に比べればたかが知れているのに、ヘリだけしか搭載しない空母なんてコストパフォーマンスの浪費ですよ。これは「軽空母」ないしは「VTOL空母」の間違いですね。この手の軽空母はヘリ以外にもVTOL(垂直離着陸)機を運用しているものです。VTOL機はその名の通り、滑走路をほとんど必要なしに離着陸できるという利点があるので、軽空母には必須で搭載されているのですけど。さらに下の方でトンデモな事を言っているし↓

創竜伝6 P210上段~下段
<ヘリ空母ビスケーンの甲板では、一二機の最新鋭戦闘ヘリがいっせいにドラゴンめがけて飛びたちはじめた。こうしてまず、ドラゴンとヘリとの夜間空中戦がはじまった。
(中略)
 二頭の巨竜は、うるさそうにヘリの群を見わたした。宙を浮遊するドラゴンの巨体を、四方から包囲すると、ヘリの群はバルカン砲を発射した。
 一分間に一二〇〇発の大口径弾を撃ちだす機関砲だ。アフリカ象の胴も引きちぎるほどの強力な武器である。>


 まず戦闘ヘリ→攻撃ヘリですね。これからしてもう違うのですけど、ヘリと空母の兵器運用がまたメチャクチャですな。
 そもそも何で海軍の軽空母に陸軍の攻撃ヘリが搭載されているのでしょうか? どこかに遠征して攻撃ヘリを輸送するというならば話は分かるのですけど、この場合の軽空母は、通常、西海岸の防空警戒・対潜哨戒を任務としているものでしょう。わざわざ別のところから輸送してきたとも考えられないし。それなら何も陸軍の攻撃ヘリを搭載せずともよく、むしろ陸地の陸軍基地から出動する方が自然です。軽空母が普段搭載する兵器は、防空警戒・対潜哨戒の観点からいっても対潜ヘリとVTOL機でしょう。紅竜と白竜を倒すために出動するならば、軽空母からはVTOL機AV-8BハリアーⅡあたりが出動しないとおかしいんですけどね。
 それに対戦車攻撃用のヘリでわざわざドラゴンと空中戦を展開したあげく、「バルカン砲」しか撃っていないのではコストパフォーマンスの無駄遣いもはなはだしいですな。対戦車ミサイルや対空ミサイルを使えば、いくらかドラゴンに効果があるかもしれんだろうに。しかも兵装自体も間違えているし。上の兵器資料を見ると、バルカン砲ってヒューイコブラしか装備していませんからね~(^_^)。「最新鋭」という表現が正しければ、このヘリはロングボウアパッチということになるでしょうが、そうなると「バルカン砲」という表現が違うし。こういうのを「矛盾」って言うんです。

創竜伝6 P215下段~P215上段
<ミサイル巡洋艦アパラチアの放った最後のミサイル六発が一点に集中し、ホワイト・ドラゴンの顎の直下で炸裂した。重戦車三〇両ほどを一度に吹きとばすほどの破壊力だ。>

 ミサイル六発が一点に集中して「重戦車三〇両ほどを一度に吹きとばすほどの破壊力」をもたらす兵装なんて私は知りませんけど。対戦車ミサイルだってそこまでの威力はもっていませんよ。ましてやそれよりもはるかに威力が劣る対空ミサイルに至っては「ミサイル六発が一点に集中」したところで、重戦車一両破壊できるかどうかも怪しいものなのですが。重戦車(これ多分主力戦車のことだろうけど)って航空機と違ってかなりの装甲を持っていますからね~。まあ弱点に集中攻撃すれば何とか一両ぐらいは破壊できるかもしれませんが、それでも「一度に30両」は物理的に無理でしょうし、そもそも対空ミサイルを使って重戦車を破壊するという発想自体が何とも……。

 ところで兵器資料ですけど、私が持っている資料にはアメリカのVTOL空母の資料がないので(T_T)、代わりの兵器を紹介致しましょう。

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インビンシブル(イギリス) ―――――VTOL空母
兵装:
・ GWS30 シーダート――――――防空ミサイル
・ ゴールキーパー ―――――――――対空機関砲
兵器説明:
 1980年に就役した西側最初の軽空母。搭載能力が劣るため、完成当初は疑問視されたが、フォークランド紛争で大活躍し、西側各国の建造した軽空母の見本となった。
 飛行甲板前端にスキージャンプと呼ばれる勾配を持つことが特徴で、この使用によりハリアーの能力が大きく高まった。早期警戒機を持たないのが悩みで、フォークランド紛争時に急遽、早期警戒ヘリが開発された。

AV-8B ハリアーⅡ ―――――――VTOL攻撃機
兵装:
・ Mk82爆弾―――――――――――小型爆弾
・ AGM84 ハープーン――――――対艦ミサイル
・ AIM-9L サイドワインダー ―短対空ミサイル
・ 25mm航空機関砲――――――――航空機関砲
兵器説明:
 原型は、イギリスが1950年代から研究を重ねて実用化した世界初の実用垂直離着陸機。推力偏向ノズルを装備して、滑走路なしで離着陸可能な画期的な機体であった。
 AV-8Bはハリアーの機体設計を全面的に見直したもの。スーパークリチカル翼形の採用、複合材を多用した軽量化、エンジン出力の向上、主翼面積の拡大などを行い、搭載量、航続力は大幅に改善された。

バンカーヒル ――――――――――――イージス巡洋艦
兵装:
・ スタンダード SM-2MR――――防空ミサイル
・ RGM-84 ハープーン―――――対艦ミサイル
・ BGM-109A トマホーク―――巡航ミサイル
・ 127mm単装砲2基―――――――大型艦砲
・ RUM-139 VLアスロック――対潜ミサイル
・ バルカン・ファランクス――――――対空機関砲
兵器説明:
 1986年に就役した、アメリカ・タイコンデロガ級イージス巡洋艦の6番艦。
 タイコンデロガ級は世界最初のイージス艦で、空母起動部隊の航空の要。スプルーアンス級の船体を流用し、イージスシステムを搭載、巨大な倉庫のような上部構造物が特徴である。建造時期によってタイプが分かれ、バンカーヒル以降が垂直ミサイル発射システムを搭載した標準型である。
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 今回は兵器資料の引用を長々と展開しましたが、これで素人目から見ても兵器描写のおかしさが簡単に分かるかと思います。田中芳樹の兵器に関する無知が一目瞭然ですな(^_^)。
 さて、創竜伝では軍事描写といい、兵器描写といい、ここまでいいかげんな記述を展開しているのですから、それに基づいて展開されている軍事関連の社会評論が迷走していないはずがありません。これらのストーリー描写や社会評論を支える田中芳樹の軍事認識のレベルは相当怪しいものがありますが、軍事関連特集の最後を飾る「軍事認識編」でそれを徹底的に叩き潰したいと思います。


参考兵器資料:
「GLOBAL FORCE 新戦闘国家」(PSソフト)

board1 - No.2032

いろいろレス

投稿者:冒険風ライダー
1999年09月17日(金) 15時21分

少し古い投稿に対してですがレスを。


>2018 速水右近さん
<さて質問。創竜伝の敵役って、はじめから「世界を征する悪の結社」だったでしょうか?
なぜこんなことを振るのかというと、『紺碧の艦隊』も何の前振りもなく急に、敵役が秘密結社になってるんですよ。また、両方とも作者が社会変革をアジりつつ、作品はズタズタって。でもベストセラーになって、延長されているという共通項もありまして。>


 「紺碧の艦隊」も、敵がアメリカだった時(5巻ぐらいまでか)はかなり面白く読んでいたのですけどね~(-_-;;)。敵がナチス・ドイツと「影の世界政府」にシフトしたあたりから全然つまらなくなって読むのをやめてしまいました。だいたい作者自身が「このシリーズに終わりはない」というような事を言っていましたし。アレで正直うんざりしてしまいましたね。
 創竜伝の場合はもっと事情は深刻でして、

1巻――――――→「日本を影から支配する満州国の大物老人・船津忠義」
2巻~6巻―――→「世界を影から経済的に支配するアメリカの四大財閥・四人姉妹」
7巻~10巻――→「その四人姉妹を影から支配する宗教的存在・牛種」
5巻・11巻――→外伝ですけど、これも似たりよったり(笑)

 というように、「影から支配する」というコンセプトはそのままに、「悪の組織」の顔ぶれだけが変わりまくるという、なかなか興味深い展開です(笑)。
 田中芳樹の現代物のスタンスって、ほとんど「影から何かを支配する老人なり組織=悪」で統一されていますからね。違うものと言えば「夢幻都市」ぐらいでしょう。いいかげんに同じような手抜きストーリーばかり展開するのはやめてほしいものなのですけどね。

<もしも荒巻義雄と田中芳樹の対談なんかあった日にゃあ……、あーっ、読みたくないよみたくない。>

私は逆に読んでみたい(^-^)。
荒巻義雄と田中芳樹って、何だか気が合いそうな気がするのですけどね。トンデモ陰謀論を展開しているところなんか、そっくりですし。


>2021 satokoさん
<あくまで私のみの意見ですが、もし田中芳樹氏がここのHPをみた、またはファンの批判などをきいて作風をまたは持論を曲げるような事があれば(ただ、事実を勘違いしてるとこはいいけど)それこそ私は作家としての田中氏を軽蔑すると思う。それが、私は田中作品の内容についての意見を言わせてもらう事があっても田中氏個人をまたは田中ファンを批判しない最大の理由です。>

 作風に関して言えば、田中芳樹はすでにかつての作風を変えてしまっています。そしてそれによって、最近の作品はどうしようもないレベルにまで堕ちてしまっています。これは「薬師寺シリーズ」と「創竜伝11」を読めば分かると思うのですが、作家としてかなりいいかげんな姿勢で小説を書いているのが、あの出来から透けて見えます。だいたい元ネタがマンガやファンタジア文庫や家庭用ゲームというのはともかく、それをあそこまで駄作に仕上げるというのは少しも誉められた事ではないと思うのですが……。
 だから大雑把に言えば、「さっさとかつての作風にもどって面白い小説を"早く"書いて」というのが、このサイトの常連一同の願いなのではないでしょうか?
 ちょっとファンの話題と関係ない話ですいません(-_-;;)。


ところで管理人さん。
過去ログを採集したところ、過去ログ16に1567~1604までの投稿が欠けています。何か過去ログ更新のたびにいつも同じ指摘をしているような気がするのですが(^^;;)、とにかく修正をお願いします。

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