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- board1 - No.595
いや、つながる?
- 投稿者:本ページ管理人
- 1999年01月20日(水) 16時51分
>田中先生のように軍国少年から左傾化したというのは珍しいと思いますが。(by佐高信)
いや、私はつながると思いますよ。簡単に言うと、田中作品の主人公には、竜堂兄弟のような一般市民(苦笑)は少なく、大部分は軍人か武将であるということ。
詳しくは、近々発表します(最近、こればっか。すみません)。
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- board1 - No.598
バーラト星系自治政府について
- 投稿者:小村損三郎
- 1999年01月21日(木) 15時32分
民主主義の芽は残った。よかったよかった、というラスト自体に文句をつける気はないですが、たしかに存立の根拠はあやふやですね。
ラインハルトが“太祖の遺詔”を残した、という暇も無さそうだったので、以前に不沈戦艦さんが書いたとおり、三代皇帝あたりの時代に、加藤家か福島家のようにささいな理由を付けられて取潰されてしまった可能性が高いと思います。
>銀英伝は三国志を宇宙でやってみようとした作品だったのではない
でしょうか。
「“銀河英雄伝説”というタイトルは私が2時間で考えて付けました。
最初に徳間書店の担当さんが「“銀河三国志”でいきましょう!」とものすごいのを持ってきたので、「ちょ、ちょっと待ってください・・・!」と言って急いで考えました。」(田中芳樹・談)
>田中先生のように軍国少年から左傾化したというのは珍しいと思いますが。(by佐高信)
一応おことわりしておきますと、軍国少年云々についてはあくまでインタビューを読んでの私の感想でして、本人が「軍国少年でした。」と言った訳ではありません。
当時はガンプラも戦隊ロボも無く、小中学生の男の子のメカに対する興味の対象といえば大戦中のメカニックが主役でした。零戦の型式の違い等は当時の少年たちの常識だったそうなので、田中氏がとりたてての軍国少年ということもなかったかもしれません。あくまでメカに対する興味以上のものではないでしょう。
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- board1 - No.599
それにしたって
- 投稿者:本ページ管理人
- 1999年01月21日(木) 18時49分
>一応おことわりしておきますと、軍国少年云々についてはあくまでインタビューを読んでの私の感想でして、本人が「軍国少年でした。」と言った訳ではありません。
>当時はガンプラも戦隊ロボも無く、小中学生の男の子のメカに対する興味の対象といえば大戦中のメカニックが主役でした。零戦の型式の違い等は当時の少年たちの常識だったそうなので、田中氏がとりたてての軍国少年ということもなかったかもしれません。あくまでメカに対する興味以上のものではないでしょう。
それにしたって、やっぱり人殺しの道具である兵器・武器がカッコイイってのはあります。
「旅客機のプラモと戦闘機のプラモ、どっちかひとつあげる」と子供に聞いたら、おそらく国境を問わず、九割の子供が戦闘機を選ぶと思います。
なんで戦闘機の方がカッコイイかという原理は、マルクスの「経済学・哲学草稿」が鋭いですが、とりあえず今はそれは置いておきます。
私がいまとりあげたいのは、田中作品に普遍して流れるテーマが「戦争は如何に弁解しようとも殺人行為であり、肯定できるものではない」であるにもかかわらず、田中作品の主人公や主要人物である軍人や武将がやたらとかっこよく、大量殺人兵器のイゼルローン要塞もかっこいいっていうかトゥールハンマーを撃つシーンには手に汗を握るし、人殺しの理論である軍理・軍略の掛け合いがたまらなく面白いと言うことなのです。
この際白状しますが、昔、重度の田中信者だった私は、戦争や軍隊にすさまじい嫌悪感を覚えながらも、田中作品の戦闘シーンに血湧き肉踊っている自分に矛盾を感じたものです。
というところから導き出される結論は、田中芳樹は軍隊が嫌いじゃない!(続く)
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- board1 - No.600
全て読みました
- 投稿者:Belial
- 1999年01月22日(金) 18時54分
2度目の書き込みになります。
ちまちまと時間をかけて、ようやく過去発言から何まで全て読み終えました。
面白いです、とても。読みながらだんだん興奮して、血圧が上がっていく様が生々しく感じられるくらいに。
私もこういう議論に参加できたら面白いなと思うのですが、いかんせんそこまでの知識も技量も文章力も度胸もなく、せいぜい小ネタで笑いに走る程度。
そのお笑いネタでも、モテモテ王国ネタや誰がための脱毛には遠く及ばないのですから、いや、世の中には凄い人がたくさん居るものです。
多分、当サイトの主旨とは違ってくるので見合わせておられるのでしょうが、簡単にまとめて読めるのは便利なので、お笑いネタもベストの方にまとめて欲しいなと思いました。
あと、これは個人的な感想なので恐縮ですが。
擁護派の方の意見、というか態度があまり良くないように思えました。
何というか、文面から悪意だとか敵意だとか、そういう嫌な感情が滲み出ていて、読んでいて吐き気を催しました(比喩ではなく本当に)。
そういうありがちな「攻撃」に対して安易に反撃にしないで、あくまで冷静かつ論理的な姿勢を崩さないところは本当に凄いことだと思います。
そうした決め事を守ることで、議論の質が維持されていくのでしょうが、その苦労は並大抵のことではないのでしょうね。
その精神的な負担や徒労感は何となくですが、想像がつきます。本当にご苦労様です。
やはり議論は互いにある程度のレベルの高さがないと面白くならないので、擁護派の方々にはもう少し頑張ってもらいたいですね。
最後に。
ベストの方に、固有名詞の間違いもそのままに私の発言が掲載されていて、非常に恥ずかしいです。
実はまだ、いくつか考えていることがあるので、頭の中で上手くまとまれば、書き込んでみようかと思っています。
それでは。
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- board1 - No.602
管理人から
- 投稿者:本ページ管理人(石井由助)
- 1999年01月22日(金) 20時40分
>Belialさん
>全て読みました
ありがとうございます。
>多分、当サイトの主旨とは違ってくるので見合わせておられるのでしょうが、簡単にまとめて読めるのは便利なので、お笑いネタもベストの方にまとめて欲しいなと思いました。
わかりました。ただ、どこからお笑いにするのかという線引きが難しいので、よろしければ望まれるログのナンバー等を教えていただけるとありがたいです。
>
>あと、これは個人的な感想なので恐縮ですが。
>擁護派の方の意見、というか態度があまり良くないように思えました。
>何というか、文面から悪意だとか敵意だとか、そういう嫌な感情が滲み出ていて、読んでいて吐き気を催しました(比喩ではなく本当に)。
>
>そういうありがちな「攻撃」に対して安易に反撃にしないで、あくまで冷静かつ論理的な姿勢を崩さないところは本当に凄いことだと思います。
>そうした決め事を守ることで、議論の質が維持されていくのでしょうが、その苦労は並大抵のことではないのでしょうね。
>その精神的な負担や徒労感は何となくですが、想像がつきます。本当にご苦労様です。
>やはり議論は互いにある程度のレベルの高さがないと面白くならないので、擁護派の方々にはもう少し頑張ってもらいたいですね
たしかに初期のファンの方の書き込みには以上のような傾向の人が多かったのは事実ですが、ファンがファンである以上は、ある意味では自然な反応だと思います。私がこのページを立ち上げるに当たってファンサイトを挑発したのは事実ですし、私も毒にも薬にもならないことを書いているつもりはありません。また、このような場にあって、冷静に反論してこられるファンの方には、立場は違えど、私は敬意を払うのにやぶさかではありません。
ただねぇ… 面白いって言うか、皮肉って言うか、興味深いことではあるんだけど、態度の悪さって言う点では、ファンよりもアンチファンの駄目なヤツのほうがよっぽど悪い。「オレの論でザ・ベストにスレッド作れや」っていうか、載せて貰って当たり前だと思っている人がいるんだよね。
ザ・ベストのリクエストフォームを悪用して一日に200件を超えるリクエスト(当然、「俺のを載せろ」ってやつ)を毎日送ってきて、集計の邪魔をする(まあ、あんな荒らしやすいCGIを組んだ俺も不注意だが)。それを注意すると、「熱意のあらわれだと思ってください。載せてくれるまで続けさせて貰います」と全然反省どころか、悪いことをしているという意識がない。
未だに人にメールを送りつけてくるアンタみたいな人が、このサイトの運営に負担をかけているんだよ。
というわけで、アンタは二度と私にメールを送ってこないでください。
もし、一回でもメールを送ってきたら、アンタとのやりとりを全て公開します。望むところも、望まないところも、全て。
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- board1 - No.603
オフライン閲覧用過去ログ設置のお知らせ
- 投稿者:本ページ管理人
- 1999年01月22日(金) 23時01分
今までの過去ログをまとめてアーカイブ(lzh圧縮ファイル)としてダウンロード出来るようにしました。
ご活用ください。
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- board1 - No.604
ビックリしたなぁ、もぉ~~(^^;
- 投稿者:仕立てや
- 1999年01月22日(金) 23時48分
管理人さんが怒っておられましたが、読んでて最初何のことかわからず、戸惑ってしまいました(^^;。読んでるうちに理由がわかりましたが、いるんですねぇ、そういう厚かましい人が。載せてほしけりゃ、文章で勝負すればいいのにぃ。裏取引まがいのことはやめましょうねぇ。日本的といえば日本的ですが。
管理人さんもめげずにコンテンツふやしてねぇ(^^。次の期待してます。それでは。
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- board1 - No.605
はじめまして。ファン・・・かな?
- 投稿者:♪
- 1999年01月23日(土) 05時07分
最近の本は読んでない。思想が間違ってる云々の前につまらんからです。私が今でも愛してるのは銀英伝だけ。(同人誌で遊ばせて貰ってる位だ。オタク嫌いの方いらしたらごめんなさい)他のって別に面白くないな。
エンターテインメントは説教臭いのは駄目!偉そうなのも駄目!これからもちょくちょく遊びに来ますね。
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- board1 - No.606
あれま、そんなことが
- 投稿者:不沈戦艦
- 1999年01月23日(土) 05時08分
最近管理人さんの書き込みが少ない(人のこと言えないか?)と思っていたら、そんなことがあったんですか。誰かは知りませんけど、下らないことをしますね。載りたいのなら、載せる価値がある投稿をすればいいだけの話です。それなら別に「載せろ」などと言わんでも、黙っていてもやってくれますよ。わたしゃ「ザ・ベスト」を最初に見たときは「マメだねえ。ここまではなかなかやらないでしょうに。古い投稿は流れて消えて行くのが普通の掲示板なのに。」と思いましたけど。「ザ・ベスト」のスレッドは、このホームページが始まってからの投稿数が増えたし、中には纏めたら面白いと思われるものもあるし、流して(埋もれて)しまうのももったいないと考え、初めてここを見た人に、ここの田中芳樹に関する論調がどんなものか解りやすくする為に(罵倒を浴びせるだけが目的の下らないサイトだとは思われたくないでしょうし)、管理人さんが手間隙かけてやっているものでしょう。他の掲示板では、管理人さんが一人で苦労して纏めている「ザ・ベスト」のようなものは見ませんよ。スレッドツリー方式のものはありますけど、それは投稿者が作っていくものだし。
>管理人さんへ
下らない荒らしもいたものですが、めげずに頑張って下さい。
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- board1 - No.607
お騒がせしました
- 投稿者:本ページ管理人
- 1999年01月23日(土) 19時05分
>管理人さんが怒っておられましたが、読んでて最初何のことかわからず、戸惑ってしまいました(^^;
突然ですみませんでした。
> 最近管理人さんの書き込みが少ない(人のこと言えないか?)と思っていたら、そんなことがあったんですか。
確かにうざいメールが毎日届くのはプレッシャーだというのはありますが、別にポム系ではないですし(ただ、そこに書いてあったふざけた文句にはキレた)、最近手抜き気味になっているのは、私が個人的に忙しいのが大きな理由です。
「アレ」の対処で大変だったのは、ザ・ベストのフォームでぶちかまされていたときですから、去年のことになります。
>管理人さんもめげずにコンテンツふやしてねぇ(^^。次の期待してます。それでは
>>管理人さんへ
> 下らない荒らしもいたものですが、めげずに頑張って下さい。
ありがとうございます。あと少しお待ちください。
>エンターテインメントは説教臭いのは駄目!偉そうなのも駄目!
う~む。真理ですね。
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- board1 - No.608
納得しました
- 投稿者:Belial
- 1999年01月23日(土) 20時27分
ファンの側に、自分を見失って感情的になってしまう人と、あくまで冷静さを失わない人がいるように、アンチの側にも、批判ゆえに自制して冷静であろうとする人と、頭のイカれたガイキチさんがいたと。
それが表に出ていたか出ていなかったの差があっただけの話で。
これは私見ですが、「あと1回送ってきたら」などとヌルいことを言わずに、個人情報などに関わる部分をカットするなどの措置を施した上で、そうした水面下のやりとりを全て公表してはどうかと思います。
そのキじるし君には大変悪いのですが、再発防止の為の見せしめ兼反面教師となっていただいてはいかがでしょう?
…などというようなことを言う動機は、その狂っちょるさんがどういう生き物なのか見てみたいという野次馬根性と、入院中の祖父の財産目当てにたかりに来るウジ虫共にブチ切れる寸前な精神状態のせいだったりするので、あまり参考にしない方がいいとは思います。
全く、自分の欲に目が眩んで平気で他人を踏みにじるようなゴミはどこにでもいるんだな、全く。
ええと。
いきなり話題は変わりますが。
というより気まずいので無理矢理変えますが。
お笑いネタもベストにまとめて欲しいなどというふざけた提案を本気で検討していただき、感謝します。
というより、半ば冗談で言った言葉にここまで誠実に対応して頂いてもらって、大変恐縮です。
私、現在プライベートな問題で、もう一度過去の発言をチェックしている時間がなかなか取れないので、すぐには発言ナンバーの特定ができそうにありません。
それに、私の主観で決めていいものかとも思いますし。
当サイトの主旨から外れたオマケ的なことでここまでやってしまっていいものかは判りませんが、他の皆様の意見を広く聞いた上で、それらを参考にして選別するというはいかがでしょうか?
当サイトの性質上、これからもこういうことは多々あるでしょうが、どうかこれからも負けずに頑張って下さい。
(↑という言葉で締めようかと思ったのですが、一言追伸。精神的にキツくなってきているにもかかわらず、無理して壊れるくらいなら、いっそ閉鎖して充電期間をおくというのもありだと思います。…思いっきり、余計なお世話かもしれませんが)
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- board1 - No.609
説教臭くなくなると…
- 投稿者:ドロ改
- 1999年01月24日(日) 14時07分
>エンターテインメントは説教臭いのは駄目!偉そうなのも駄目!
私自身も在る意味共感しますが(説教臭くても面白いのはあるし。初期の創竜伝とか{爆})、一般的にはどうもそうじゃないみたいです。創元社の「エイプリルに恋して」と言う、イギリスのヤングアダルト(と言っても、あっちでのこのジャンルの定義は、「主人公が若者で、露骨なセックス・暴力描写がない」事なのでいいかげんなものではない)小説の後書きに書いてあったんですけど、日本のジュブナイル(あっちでは、以下同上)でヒットするものの条件は、「クールでかっこいい人間が、はっきりしない奴に偉そうに説教するもの」なのだそうです。事の真偽はともかく、田中芳樹の一部の小説は、もろにこの軌道に乗っていると思いませんか?
意図しているかどうかはともかく、田中芳樹の書くものはジュブナイル小説のニーズに合致しているのでしょう。つまり、このページで批判されている田中芳樹のそういった「説教臭さ」は「売れている」事と表裏一体であり、正にエンターテイメントの一部と化しているのではないでしょうか?つまり、批判されている点を取り除くと、田中芳樹は唯の売れない作家になってしまいかねない、と。だとしたら、批判すべきは田中芳樹ではなく、それを読む人間であり(説教されたいの、説教して~と言う人間?)ひいてはそんなに元を生み出している…等となってしまいますね。冗談はさておき、本当にどっちが悪いんでしょうか?ひどい物をリリースする作者と、ベストセラーにのし上げる読者と…
当人の無責任さは別次元の問題でしょうが。
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- board1 - No.610
日本人は説教されるのが好き?>ドロ改さんへ
- 投稿者:不沈戦艦
- 1999年01月24日(日) 15時29分
なのかも知れません。まあここで歴史観がどうのこうのという話は適当ではないのでやめますが、日本人の性質(もちろん個人個人によって差はありますが、おおざっぱな傾向とでも言いましょうか)からすると、「サルにも反省させる(日光猿軍団を見よ!)」ほど反省好きです。国民的性質とも言えますね。まあ、これは、歴史的に長い間に育まれたものだと思います。大陸から進んだ文化が流入する一方で、向こうの方が圧倒的に先進国だった時期が長かった訳です。そういったあり方に反発を感じないでもなかったんでしょうが、そういう状況に長い間置かれればどうしても、基本的に「反省」的にはなるのではないでしょうか。先進の文化が次々と流入し、自分たちがいかに遅れているかを痛感され続けるのですから。「自分たちはやはり間違っていた。進んだ文化を受け入れて、やり直さねば」と、何度も反省しているうちに、それに慣らされたのでしょう。それが「説教されるのが好き」に繋がっていると思います。戦後はその面がいい方向に働きまして、モノ作りの方法をアメリカからどんどん取り入れ、「これじゃ駄目だ、改良の余地はある筈」と自分たちで勝手に改良していって(「カイゼン」は英語でも通じるとか)、一時(80年代)は「日本はアメリカを追い抜いた」とまでに言わしめるようになったんですから。また、この傾向も国によって違うもので、お隣の韓国では逆に「自分たちは偉大であり世界一だ」という意識が強いそうです。彼らの「恨(ハン)」という心情も、「自分たちはこんな筈じゃない。もっともっと優れているのが本当の姿だ。負けてたまるか」とマイナスのエネルギーをプラスに転じさせる為のものだとか。非常に近い国でもこんなに民族的なものの考え方が違うものなのかと、実に面白い点だと思っています。途中から、日韓文化の違いについての話になっちゃいましたけど、上のように考えるのが日本人ですから、「説教臭い小説が売れる」ってなことになるのかも知れませんよ。ある意味で精神的マゾヒストが多いからこそ、創竜伝が受けるのかも知れませんね。「日本の社会も政府も官僚も政治家も駄目なものばかりで腐りきっている」と言われるのが、精神的マゾヒストには快感なのかな?
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- board1 - No.612
No.599続き
- 投稿者::本ページ管理人
- 1999年01月24日(日) 16時19分
評論部分だけを読んでいると、田中芳樹は典型的な革新派で、絶対戦争反対の立場を取っている訳ですが、「小説家」田中芳樹の描く小説は、戦争や合戦の駆け引きがよく取り扱われています。彼の代表作の銀英伝などは、そこから戦争の記述を除いたら、何も残らないくらいです。
この矛盾は、いったいどういうことなのか?
戦争に徹底的に興味を持ち、その原理を解剖するくらい知ることによって、逆説的に戦争を否定する方法もあります(良質な戦争シミュレーションなど)。が、田中芳樹の小説にはそういう雰囲気はあるものの(撃沈された戦艦の中で兵士がもがいていたりとか)、どうにも雰囲気だけで、別にそういう訳ではなさそうです(反銀英伝で戦略、戦術面にさんざんツッコミが入るくらいに)。
ということは、田中芳樹は確信犯的に戦争を否定するために戦争シーンを描いているわけではなく、好きだから戦争シーンを描いていることになります。
田中芳樹は、口で言っているほど(筆で書いているほど)戦争が嫌いなわけではないようです。
では、田中芳樹が戦争の認否を判断する基準とは一体何なのか?(続く)
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- board1 - No.613
「自虐」は果たしてマゾなのか
- 投稿者:石井由助
- 1999年01月24日(日) 16時56分
本来の意味での自虐はさておき、>「日本の社会も政府も官僚も政治家も駄目なものばかりで腐りきっている」という類の「自虐」は本当にマゾヒズムなのでしょうか?
私個人の経験で普遍性のない体験談ですが、恥ずかしながら田中芳樹を盲信していた頃の私も、「日本の社会も政府も官僚も政治家も駄目なものばかりで腐りきっている」と毎日のようにほざいていたものでした。ですが、その時の「日本」には、自分は絶対に含まれていなかったことをよく覚えています。
端的にいってしまえば、「ったく日本人は駄目だよな。まっ、俺は違うけど。俺をそこらのダメ日本人とひとくくりにするなよな」という認識でしたね(おっ、ボスセブンのCMみたいだ)。
こんな風に思っていたのは私だけだ、という可能性は皆無ではありませんが、しかし、今でも創竜伝を読むにつけ、「こりゃ、そういう方向に誘導されるよなぁ」と思わずにはいられません(すごい恥をさらしてます)。
田中芳樹は選民意識や差別主義、エリート意識を批判していますが、これらを否定した(つもり)の人間が、未だに選民意識や差別主義、エリート意識を持っている人間を差別し、ダメ民族だと決めつけるという、思考のドツボに見事はまっている気がしますね。
エーリッヒ・フロムによると、この状態が「ファシズム」だということらしいのですがね。
追伸
「反省」は日光猿軍団ではないです。猿使い太郎さんのところの次郎君のはず(^_^;
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- board1 - No.614
楽しく学ぶ
- 投稿者:やぶにらみ
- 1999年01月25日(月) 01時57分
田中芳樹氏の作品は、自虐嗜好に訴えかけるよりも、エリート志向をくすぐるようなところがありますね。
彼の日本人批判を、読者は自分を含めずに読んでいる、という指摘は、自分自身の経験から言っても正しいと思います。反体制運動って奴は、しばしば自分も体制を構成するパーツであることを忘れてしまいますから。
あと「お説教」というよりは「お勉強」て感じかなと。それこそ教科書で教えない中国史やら公民やら兵法やら、たくさん載っていますから。
単純に知識が増えるのって楽しいじゃないですか。もっとも、さらに知識が増えていくと、そこに如何にバイアスがかかっていたかも見えてくるのですけどね。
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- board1 - No.615
いや、そこが日本人的だと思いますよ
- 投稿者:不沈戦艦
- 1999年01月25日(月) 02時09分
>「自虐」は果たしてマゾなのか
管理人さんの「『日本』には自分は含まれないつもり」ってのは、田中芳樹を盲信する人が陥りやすい心理状態をよく顕わしていると思います。普遍性は充分あると思いますよ。だとしても、それは充分「精神的マゾヒズム」だと思います。「日本人は駄目だな、俺は違うけど」と馬鹿にする対象が何で「日本人(俺以外)」となるんでしょーか?
えら~く差別的に言いますけど(私が考えている訳じゃないですよ)、例えば「韓国人は駄目だな・アメリカ人は駄目だな・中国人は駄目だな、俺たち日本人とは違って」でも良くありませんか?他者を貶めて優越感に浸りたいのならば。なぜわざわざ自分が属する「日本人」でなければならないのか。
ここなんですよ。優越感に浸りたい場合ですら、自分を除外しても先ず矛先が自らが属する「日本人」に向かってしまうところが「精神的マゾヒズム」なんです。日本人以外では、先ずは優越感に浸るために貶める対象が他民族に向かうのではないでしょうか。決して「自分だけを除外した自民族」には向かわないと思います。韓国で「悲しき日本人(原題・日本はない)」って本がベストセラーになった事がありましたが、日本で「醜い韓国人(真相は知りませんが、一応韓国人の著書ということになっています。ただ文体や内容が韓国人のものと思えないとのことで、日本人の偽書説あり)」が出版された時は、国を挙げての大騒ぎ(著者、つまり犯人探し)になってしまいました。どっちかと言うと、この韓国の反応は「犯人探し」をするところはどうかしていますが、「悲しき日本人」で日本を馬鹿にして楽しむ、ってところは別に変な反応ではありません。優越感に浸りたいのは、どこの人間でもある話ですから。先ずは他民族をあげつらうのが普通ですよ。いくら自分が入っていないつもりでも、あげつらっているのは自分たち「日本人」ですからね。無意識の領域で「精神的マゾヒズム」だと思います。
>猿軍団と次郎君
こりゃ大間違いですね。ご修正に感謝します。同じかと思いこんでいました。
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- board1 - No.616
日本人と自虐性
- 投稿者:カエルサル
- 1999年01月25日(月) 09時50分
田麗玉著の「日本はない」は「日本では若い娘もセックスについて節度が無く、野放図に振る舞っている」、「日本は精神的には豊かでいいくらしをしているが、精神的や道徳的な面ではひどく貧しい国だ」とか書いてるらしいですけど。・・ううっ反論できない・・ってこれが自虐なのかな。
それはさておき、過去の日本の戦争について、確かに反省がなされてないと思います。とはいっても道義的ではなく、何故ここで負けたか、どんなところが国の矛盾であったか、どうすれば次にかてるか、といった教訓的な反省をイデオロギーに関係せずするべきです。極端な話「戦前はすいませんでした。なぜならまけたからです。今度からは絶対勝ちますから、よろしくお願いします」という感じのはいいと思います。(爆)
それで創竜伝=田中芳樹、創竜伝教信者は自虐というより一種の信仰を持ってるのだと思います。教義は善が非権力、反権力、悪魔が権力すべて、企業(資本主義の本質自体)で、日本を嫌うのは「日本は歴史的、文化的、風土的に盲従的で善の性質を持ち合わせていない。だから悪魔が栄える最悪の土地だ。」と解釈しているためではないでしょうか?それで「我々は強大な悪魔(権力)の見えざる力に日々呪われ、永久に不幸になるしかない。この呪われた状態はごく最近現れた。助かるには人智を越えた絶対の存在メシア(=四兄弟)に救世していただくしかない。そしてその時生き残れるのは創竜伝教の教え(絶対反権力)を信じる者だけだ」と定義している。彼らは「自分は神聖な教え(反権力)をわきまえているから、それをわきまえてないせいであらゆる愚かな性質を備えているこの世を悪くする悪で悪魔の手先で最後には無惨に処刑されるくず(そのモデルが花井欣子、タウゼント)とは違うと潜在的に考えているのでは?なお、ここでいう創竜伝教信者とは田中芳樹の思想をしじしていた自分の実例にもとずいた「田中芳樹思想シンパ」のことです。気を悪くした方がいたらいたら謝ります。
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- board1 - No.617
クリエイターの矛盾
- 投稿者:小村損三郎
- 1999年01月25日(月) 13時44分
>田中作品の主人公や主要人物である軍人や武将がやたらとかっこよく、大量殺人兵器のイゼルローン要塞もかっこいいっていうかトゥールハンマーを撃つシーンには手に汗を握るし、人殺しの理論である軍理・軍略の掛け合いがたまらなく面白いと言うことなのです。
やっぱり歴史物(というか戦記・軍談物)へのあこがれが根底にあり、自分でもあんな作品を書いてみたい、というのが銀英伝執筆の動機ですから、反戦を訴える主張との間にはどうしても構造的に無理や矛盾ができてしまう訳ですね。
「主人公とそれに準ずるキャラの命は地球よりも重く、それ以外のザコの命はティッシュペーパーよりも軽い」というのが中国に限らず「歴史ロマン」と言われる作品の大前提ですから。
ウルトラマンやマジンガーZに踏み潰されるビルの中で死んでいく人のことまで思いやっていたらこれらの作品は見られないし・・・。
>というところから導き出される結論は、田中芳樹は軍隊が嫌いじゃない!
「空想的平和主義者」「非武装中立論者」というわけでもないようですから、「軍隊のあり方」には色々と注文が多いものの、「軍備や軍隊の存在そのもの」を否定してるという訳でもないようです。
アルスラーン戦記にも「いずれパルスにも強力な海軍が必要になる」という一文があります。
思うに田中氏の否定している戦争というのは、「歴史上のあらゆる全ての闘争」ではなくて、「(彼が思っている)昔の日本がやったような戦争」ということでしょう。
同様に氏が否定している「軍隊」も「旧日本軍のような軍隊」なんでしょう。
創竜伝でも始クンに「中国の歴史は圧政と暴政の歴史という一面はありますが、同時にそれに対する崇高な抵抗の歴史でもあります。」などと訳の分らないフォローをさせてますし。
エンターテイメントを志向するクリエイターは多かれ少なかれこのような矛盾を抱えているわけで、その最たるものが田中氏&宮崎駿監督だったりして。
宮崎氏を「自然と環境保護の大切さを訴える良心的なアニメ作家」と思っている一般人は、プラモデル雑誌で「Ⅳ号戦車改造コンテスト」の審査員を務め、読者の苦心の作にツッコミを入れまくっている氏の姿を想像できるだろうか(笑)。
宮崎駿氏は学生時代は「赤旗」にマンガを書いていたそうですが、「同じことをやっていては手塚治虫に勝てない」と思い立ち、アニメの道へ。
「労働と連帯を高らかに謳い上げ、マルクス主義のすばらしさを子供たちに啓蒙するアニメを作りたい」
「米帝の手先のディズニーを大好きと言い放つ手塚治虫は許せない」
と思っていたそうです(^^;)
その後、マルクス主義とは決別したようですが、それでも紅の豚ポルコ・ロッソの飛行艇がアカいのは、「彼は共和主義者だから」だそうで。
その一方で、子供時代からの戦記と兵器好きはとどまる所を知らず、前述の「Ⅳ号戦車改造コンテスト」でも、
「この重量配分ではサスペンションが耐えられない」だの
「こんな大改造する位なら新しい戦車を作った方が早い」
だのと、応募作品をメッタ斬り(笑)。
また、
「T-6テキサンなんて飛行機に零戦の役を演らせるのは許せない。ニワトリが鷲の役を演ってるわけでしょう。」
「戦時中の零戦の写真にはえもいわれぬ凄烈の気があるが、戦後の平和な空を飛んでいるカラーの零戦の写真には全く魅力を感じない。おまけにアメリカ人が乗ってやがって(笑)。」
なんて発言もしてるんだよなー。
以上、宮崎氏の場合は「愛すべき矛盾」とも言えるが、やっぱり田中氏の方はアジり方が露骨な分、逆にどうにもならない違和感を感じてしまいますね。
余談だが、今宮崎氏が執筆中の「泥まみれの虎」は面白いッス。
>日本人は説教されるのが好き
オウム信者の若者に入信の動機を尋ねると、麻原について
「あんなにハッキリと叱ってくれたり説教してくれた人は初めて」
と答える者が多いそうですね。
>端的にいってしまえば、「ったく日本人は駄目だよな。まっ、俺は違うけど。俺をそこらのダメ日本人とひとくくりにするなよな」という認識でしたね(おっ、ボスセブンのCMみたいだ)。
自分たちは現世の醜さと愚かさに気づいた精神的に高いステージにある人間だ。自分達の属する社会の醜悪さに気づかない馬鹿な日本人はいずれポアされる、なんて論法になっていったりなんて・・・(苦笑)。
最後に、管理人さん、たいへんだったと思いますが、是非めげずに頑張って下さい。
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- board1 - No.618
自虐?
- 投稿者:ドロ改
- 1999年01月25日(月) 14時09分
>えら~く差別的に言いますけど(私が考えてい>る訳じゃないですよ)、例えば「韓国人は駄目>だな・アメリカ人は駄目だな・中国人は駄目だ>な、俺たち日本人とは違って」でも良くありま>せんか?他者を貶めて優越感に浸りたいのなら>ば。なぜわざわざ自分が属する「日本人」でな>ければならないのか。
それは、一番「近い」からだと思います。差別の本質とは行かないまでも重要なファクターは、「利益(権利)の防衛を名目とする言いがかり」だと思います。つまりここで、「手前等みたいな奴ばっかりだから日本人はだめなんだよ!」と言うのは、「汚い移民のイエローマンキー共さえ居なければ俺達は職をなくさずすんだんだ」とか「嫌らしいユダヤ人共がこの国を牛耳って居やがるから、いくら働いても暮らしが良くならないんだ」とか言うのと、同じ事なのではないでしょうか?ついでに、一番「近い」異民族(?)のアメリカ人は、文化的・物質的影響が大きすぎて全否定の対象とはなりにくいのが大きいのでは?更に田中芳樹の場合、
1、政治家の腐敗が許せない
2、でも民主主義は素晴らしい
3、よって、悪いのは運用者たる日本国民(の大多数)
という3段論法を好んで使って(と言うか、思想そのものか?)いますから、自虐とはやはり違うのでは?単に、日本社会を非難する際は、スケープゴートに出来る異民族が居ない、という…(勿論、そう言う異民族が居たら田中芳樹がその人達をスケープゴートにしただろう、などと言う無茶苦茶を言うつもりは在りません)
でも、公平を期すために言っておくと、「公共事業に~兆円」、「就職率更に低下」、年金制度の破綻は回避不能」なんて記事を並べて見せられてると、田中芳樹の言うことを全く否定することは出来ないと思いませんか?少なくとも、政治家が無能なのも、国民が政治に無関心なのも、それ故に更に政治が…と言う悪循環は、誰の目にも明らかでしょうし。(無能だなんて何様のつもりだ?と言われそうですが、返す当てのない借金をしてそれを子供に押し付ける親は、有能といえるのでしょうか?少なくとも過半数は無能だった、と言うことの様に思えます)
最後に少々論旨が外れしまいました事をお詫びいたします。