-
- board1 - No.752
創竜伝、私はこう読んだ(何だか偉そう)
- 投稿者:りえ
- 1999年02月16日(火) 00時40分
私が創竜伝を読んだのは、銀英、アルスラーンと来て三番目。評論部分はあまり読まないで「続さんカッコイイ!」とか騒いでいただけでしたね(^^;
「評論なんてどうでもいい」という意見、管理人様は不思議に思われているようですが、女の子のミーハー心理ということに限定すればあまり違和感を感じません。読み手が中学生くらいなら格好いい人がでてきて活躍すればそれだけで満足ですから。絵的に綺麗ならそれでよし。もっというなら竜堂兄弟の私的な部分が見てみたい。このあたりは同人誌を読む心理ですか(^^)
ただ、ミーハー心理が先立っていてもしっかり田中思想にはかぶれました。なにせ創竜伝は現実世界の話(「特にお断り」してあってもね)です。実在の人物と思われる政治家をこき下ろし、巨悪を倒し、世の迫害に耐え逃避行を続ける主人公たち(笑) もともと好きなキャラクターがああだこうだ言ってれば傾倒してしまいますよ。感化されやすい年頃なんですから。
当時の私にとって創竜伝はミーハー心を満たしてくれる小説と同時に一種の教科書でした。世の中に疎い中学生はあれが世の中だと思いこんでしまっていたのです。恐いですね。
幸い、すぐに帰ってきましたが(--;
なんだか話がずれてるような気がしますが、私の読み方はそんな感じです。
-
- board1 - No.753
お答えありがとうございます
- 投稿者:本ページ管理人
- 1999年02月16日(火) 04時54分
>りえさん
早速のお答え、ありがとうございます。
>私が創竜伝を読んだのは、銀英、アルスラーンと来て三番目。評論部分はあまり読まないで「続さんカッコイイ!」とか騒いでいただけでしたね(^^;
私は上記三作で言えば、アル戦>銀英>創竜伝の順でした。アル戦で興味を持ち、銀英伝で心酔したから、創竜伝を抵抗無く読めたのであって、最初に創竜伝を読んでいたら、今のような拒絶反応を起こすことはなかったにしろ、「他の作品を読んでみようかな」と思うことはなかったと思います。
>「評論なんてどうでもいい」という意見、管理人様は不思議に思われているようですが、女の子のミーハー心理ということに限定すればあまり違和感を感じません。読み手が中学生くらいなら格好いい人がでてきて活躍すればそれだけで満足ですから。絵的に綺麗ならそれでよし。もっというなら竜堂兄弟の私的な部分が見てみたい。このあたりは同人誌を読む心理ですか(^^)
>ただ、ミーハー心理が先立っていてもしっかり田中思想にはかぶれました。なにせ創竜伝は現実世界の話(「特にお断り」してあってもね)です。実在の人物と思われる政治家をこき下ろし、巨悪を倒し、世の迫害に耐え逃避行を続ける主人公たち(笑) もともと好きなキャラクターがああだこうだ言ってれば傾倒してしまいますよ。感化されやすい年頃なんですから。
>当時の私にとって創竜伝はミーハー心を満たしてくれる小説と同時に一種の教科書でした。世の中に疎い中学生はあれが世の中だと思いこんでしまっていたのです。恐いですね。
なんか、判るような気がしますね。私の場合は「始さん」「続さん」の外見は(当然)どうでも良かったのですが、ヤンの人格には一時期心酔しましたから(うーむ、恥ずかしい…)。中高生くらいの頃だと(人によってはそれ以降も、か?)、好きなキャラクターの影響をモロに受けますね。
その自分の経緯を考えると、「創竜伝の評論はどうでも良い」と言いつつもモロに影響を受けている人たちの思考も腑に落ちる感じがします。
つまり、「始さん、続さんの言っていることだから」という形での影響であり、評論部分はそれを補強する部分であるということでしょうか。ま、よく考えれば当然のことですが、かなり「ウマい」やり方だと思いますね。
但し、まるで、トリューニヒトが自分の外見やイメージをフル活用しているようなやりかたですが。
-
- board1 - No.754
駄文、>アンケート
- 投稿者:カエルサル
- 1999年02月16日(火) 11時07分
私は妹が買ってきた(ビジュアル目的)1巻で初めて田中氏小説を読み始めました。
読書感想は「マジかよ、コレ」でした。「まさか世の中こんなもんじゃないだろ、でもありそうだし。やっぱ、所詮世の中こんなもんかあ。ああヤダヤダ。いつも損するのは庶民だけだぜ」とか小市民丸出しの、思いこみしてました。(後に何巻かの対談でT氏が「世の中こんなものと感じるのはまちがってる」とか言ってたのにムカツキました)
それで、四兄弟が圧倒的武力を誇る巨悪を身体能力だけでぶちのめすのを読んで結構痛快でしたが、どうも読後の後味が悪く自分で買う気にはなれませんでした。妹も7巻で「頭が痛くなる」といって凍結しました。一度妹に「女の子は政治的な部分どう読んでるんだろうか?」と聞いたところ「無視。終君がでればよし」と答えました。
さいわい、ミーハーなライトノベルをよく読むくちだった私にとって「創竜伝」はワンオブゼムでしかなく、はまることはなく歴史小説や政治系、軍事系の本に興味がうつり「創竜伝」に疑問を持つようになりました。それでまた買うようになりました。自己の中の田中理論肯定を否定するためです。ただ、「創竜伝」遅筆な分緻密にかかれてるので、いまだ完全に成功してません。
ここの凄いページを読んで、再び「創竜伝」に挑戦する気になりました。やっぱし「創竜伝」はギャグ小説として、ハナキンや偉大なる奈津子様の言動を愉しむべきと個人的に思ってます。
-
- board1 - No.755
ご挨拶と私なりの批評
- 投稿者:ゲインフル
- 1999年02月16日(火) 12時49分
初めて書き込ませていただきます。タイトルが少々過激なので不安だったのですが、過去ログを拝見する限りなかなか内容の濃い議論がなされていて非常に面白かったです。特に、パソコン版銀英伝4がパソコンを始めるきっかけだった者として、「反銀英伝」の議論は興味深いものがありました。
私は高校生の時にアップフェルラントから始め、銀英伝、アルスラーン、マヴァールと読み、創竜伝で読まなくなってしまいました。なので、創竜伝と中国物に関してはアンチの立場に近いのですが、先の作品と七都市物語については、それなりに敬意は払っています。(最近は佐藤大輔しか読まないため、ファンだと断言できるほどではありません。)
このような立場を明言した上で、挨拶代わりに考えたことを述べさせていただきます。御無礼がありましたらお許し下さい。
まず、創竜伝を読んでいた理由です。今では読む気が全く起きませんが、確かに高校の時は面白いと感じていました。それは、作品中での日本、および社会評論じみた物(当時はそう思っていなかったのですが)により主人公達と同様の悲しみ、不安、憤りをおぼえ、更に、主人公のとる行動に同調することが出来たからです。
それが、毎回発展拡大しながら繰り返される状況に負の感情を抱くよりも先に苦痛をおぼえるようになり、さらに大学に入って多少視野が広くなると、主人公サイドでしか語られない一面的な感情と行動に疑いを持ってしまい、読む気がしなくなったのです。
これが創竜伝と他作品の違いだと思います。他の作品ならば主人公の行動に疑いを抱いてもその行動に対する評価が複数あるため、自分が抱く気持ちの立場があります。創竜伝にはそれがありません。そのため、同調できるならば非常に楽しいのですが(作品中ではいい役ですから)同調できなければ読めなくなるのだと考えています。
また、主人公が置かれる状況や「社会評論のような物」についてなのですが、それが読者に許容範囲内で負の感情を抱かせるかぎり、現実から効力限定で逃避する道具でしかないと思います。それこそ「娯楽」と呼ぶべき代物でしょう。「たとえ悪夢であったとしても、それが現実をより良く見せることがある」という考え方はそれなりに真実なのではないかと思います。
そして、もし娯楽の範囲内にあるならば、作者の主張が多大の影響を与え、現実に深く入り込むということはまずないでしょう。無論、影響皆無とはもうしませんが浅いレベルで止まり、娯楽レベルでの現実逃避に使って、いやでも現実は見ることになります。「ノストラダムスの大予言」を読んで何となく不安になった、と言う人は(端から見れば馬鹿馬鹿しいのですが)確かにいます。しかし、そのような人でも悲観して自殺したり遊びほうける人は(いたとしても)わずかでしょう。これも同様に、不安が現実逃避という「娯楽」に留まっているからではないかと思います。
長々と書き込みました。諸先輩方からすれば穴だらけの考え方かとは思いますがお許し下さい。また機会あれば拝見させていただきたいと思います。
-
- board1 - No.756
創竜伝のこと
- 投稿者:小村損三郎
- 1999年02月16日(火) 14時11分
>もし、よろしかったら、皆さんの「私は創竜伝をこう読んだ」みたいなことを教えてください。
「封神演義」(当時はまだマイナーだった。)、「何とか奇説余話」といったタネ本を基にした世界観や設定には興味をそそられましたね。
以前誰かが言ってた通り「田中芳樹版幻魔大戦」という感じで、銀英伝とはまた違った意味でスケール感が感じられる大仰な構想「だけ」は気に入ってました。まさかあんな下らないギャグに走ってしまうとは思ってなかった・・・。
個人的にはむしろ4巻あたりまでの頃の方が政治評論や歴史認識談義なんかはどぎつかったような印象があるんですが。
ドクター・タモザワのようなトンデモなキャラも居たし・・・(実写版のキャストは安○英か?アニメの声はドクロベーだったけど(笑))。
実写版・創竜伝をやるとしたらどういうキャストになるかな?ま、4兄弟はジャニーズ系を適当に持ってくりゃいいかもしれませんが。
あ、古田重平役は私の郷里千葉県の名物男・ハマコー先生しか考えられないでしょう(笑)。一時ドラマやCMに出演してたけど今は何処行っちゃったんでしょうね。息子もサッパリ目立たないし。
“なっちゃん”は、これこそ田○陽子センセでしょうか。ダンプ松本やブル中野では年齢&キャラの厚みが足りないので・・・。
-
- board1 - No.757
中国もののこと・司馬遼太郎のこと
- 投稿者:小村損三郎
- 1999年02月16日(火) 14時38分
数年前、吉岡平氏との対談で、田中氏が例によって十年一日のごとく
「三国志で止まっちゃう人が多いのは残念だ。」
とのたまってたのに対して吉岡氏が
「止まりもするような気がしますが(笑)。」
と返してました。
思うに「三国志で止まっちゃう人が多い」のは「三国志(演義)」が、(中国物だから、とかいうことは関係なく)一個の独立した作品として読者にこの上ない満腹&満足感を与えるスグレモノであること、の証左であって、日本人の嗜好の偏り云々とはまた別の問題でしょう。
吉川英治・横山光輝・光栄のゲーム・人形劇、といった“優れた宣伝文書”に恵まれてるのは事実ですが、それは裏を返せば三国志でさえそれら先人の苦心の作の上に今日の人気がある、ということです。ならばなおのこと、世間様にグチをたれる前に日本人向けの“優れた宣伝文書”をものしてみせろ!という感じがしますね。
せっかく紹介した「隋唐演義」に「つまらん!」という声が殺到したのを一体田中氏はどう思ってるんでしょうか。まさか
「この素晴らしさが理解できないのは日本人の感性が鈍いからだ。」
なんてことは言わないでしょうが。
どこかの先生が「完訳三国志」を出した時、読者から
「お前のは本当の三国志と違って面白くない。完訳とか言いながらいい加減な訳をしてもらっては困る。」
という手紙が来たそうです。
「ちゃんと訳してるのに変だな。」
と思いながら読んでいくと、この人の言う「本当の三国志」というのが吉川「三国志」のことだったそうで(爆)。まあ、かように優れた小説作品はオリジナルをも凌駕する強い印象を残すものなんですな。
企画を通すことは難しいかもしれませんが、この際本腰を据えて田中「隋唐演義」「説岳全伝」なんかを全8巻位で世に問うてみてはどうですかね。
自分のオリジナルなら、「岳飛伝」というタイトルでも構わない訳だし(笑)。
>歴史家としての評価はともかく、小説家としての司馬遼太郎はやはり凄いですね。
歴史小説の使命は「魅力的な虚像」を作ることにある、と田中氏も言ってまして、これは私も全く同感であります。
もっとも、「歴史上の事実や人物に作者の想像で肉付けしてしまう歴史小説というジャンル自体に問題がある」なんてのたまふホンカツ先生のような方もいらっしゃいますが(笑)。
>「凄いのは竜馬というより司馬遼太郎のフカシでしょう」っていうのは、歴史家に対しては罵倒ですが、小説家としては最大級の賛辞ですね。
いやもう、世間で確立してる「竜馬」のイメージというのは“「竜馬がゆく」という小説の主人公”の人物像であって、実在の“坂本龍馬直柔”とは全然別物ですからね。
実際は、西郷なんかからは使いっ走り程度にしか見られていなかったとも言うし。薩長連合で果たした役割についてもワン・オブ・ゼムでしかない、ってのが実態みたいだし。
小説による「フカシ」でイメージが固まった人物としては吉川英治の「宮本武蔵」と双璧と言えるでしょう。
もちろん新撰組&土方歳三についても同様。
>あくまでも「フカシ」である小説に、勝手に経営を求めちゃったり、歴史観を求めちゃったりする人が出てきたのは、実は司馬遼太郎の評価にとって大変不幸なことなのではないかと思っています。
司馬さん最後の小説作品となった「韃靼疾風録」というのがあります。
明から清への激動期を背景に、日本人の若者と韃靼族の公主のヒロインの軌跡を描いた、意外にもジュブナイル風の味わいの冒険ロマンで、ほぼ同時代を舞台にした井上祐美子の「女将軍伝」の530倍位面白いです。
比べる方が間違ってるか(笑)。
私的には超オススメなんですが、案の定というか、ビジネス雑誌の司馬特集なんかでは見事なまでに“完全無視”されています。
でも、これを「最後の小説」にしたのは、ひょっとして自分の作品の世間での読まれ方に対するある種の抵抗だったのかも、ってのは穿ちすぎかな?
-
- board1 - No.758
返答感謝!
- 投稿者:本ページ管理人
- 1999年02月17日(水) 08時25分
>私は妹が買ってきた(ビジュアル目的)1巻で初めて田中氏小説を読み始めました。
ビジュアル目的ということは文庫本でしょうか? それにしても、初体験が創竜伝とはなかなか強烈なファーストインパクトではないでしょうか(いろんな意味で)。
>やっぱし「創竜伝」はギャグ小説
天然ですけどね。
>ゲインフルさん
はじめまして。
>作品中での日本、および社会評論じみた物(当時はそう思っていなかったのですが)により主人公達と同様の悲しみ、不安、憤りをおぼえ、更に、主人公のとる行動に同調することが出来たからです。
なるほど、いわれてみれば。
何か、ゴーマニズム宣言を読んで薬害エイズに怒りを覚えた小林よしのりファンと似ているような気もしますね。
> そして、もし娯楽の範囲内にあるならば、作者の主張が多大の影響を与え、現実に深く入り込むということはまずないでしょう。無論、影響皆無とはもうしませんが浅いレベルで止まり、娯楽レベルでの現実逃避に使って、いやでも現実は見ることになります。「ノストラダムスの大予言」を読んで何となく不安になった、と言う人は(端から見れば馬鹿馬鹿しいのですが)確かにいます。しかし、そのような人でも悲観して自殺したり遊びほうける人は(いたとしても)わずかでしょう。これも同様に、不安が現実逃避という「娯楽」に留まっているからではないかと思います。
このあたりの田中芳樹の影響については、中高生に実態調査してみたいですね。私には出来ないけど。
誰か、やってくれないかなぁ。
>「封神演義」(当時はまだマイナーだった。)、「何とか奇説余話」といったタネ本を基にした世界観や設定には興味をそそられましたね。
>銀英伝とはまた違った意味でスケール感が感じられる大仰な構想「だけ」は気に入ってました。まさかあんな下らないギャグに走ってしまうとは思ってなかった・・・
確かに、構想には見るべきものがあると思います。それがああいうカタチになるってのも、ある意味凄いことですが。
結局、あの構想は田中芳樹の衒学趣味ぐらいにしかなっていない気がします。それと、あの独特の厚かましいアジテーションとが相まって、尋常ではない様相を呈していますが。
>井上祐美子
私、この人の小説をしばらく買ってました。もちろん、オビに田中芳樹先生のお墨付きがあったから(我ながら痛すぎる)。
それにしても、失礼ながら田中派閥の中国文学の旗手(何故か全員女性(笑))達は、全員イマイチですな。「チャイナ・ドリーム」なんかもまるで同人誌みたいだし(内容も根性も。ホントに中国文学を広める気、あるのか? 大体、田中芳樹御大にしろホントに広める気があるのだったら使い古しを載せたりしないで、書き下ろせよ)。
唯一イラストの皇なつき(畏れ多いようでATOKが名字を「すめらぎ」で変換してくれなかった)だけは悪くないと思いますけど、支持範囲や応用範囲が狭そうですしね(よけいなお世話)。
-
- board1 - No.759
実写版・創竜伝
- 投稿者:石井由助
- 1999年02月17日(水) 08時53分
女性編
鳥羽茉理 松たか子
鳥羽冴子 加賀まり子
レディL 高島礼子
花井夫人 天童よしみ(すまんことです)
政治家編(あんまり笑えない(^^;)
首相 竹下登or海部俊樹
元首相 中曽根康弘
幹事長 小沢一郎
米国大統領 ロナルド・レーガン
No. 758 の訂正
>ホントに中国文学を広める気、あるのか?
中国文学と中国もの小説は全然違いますね。
-
- board1 - No.760
お礼および少し違った視点からの疑問
- 投稿者:ゲインフル
- 1999年02月18日(木) 11時41分
管理人さん、早速のご返事有り難う御座います。インターネットで掲示板に書き込むのはこれが初めてだったのですが、ご返事があるとやはり嬉しいものですね。
>何か、ゴーマニズム宣言を読んで薬害エイズに怒りを覚えた小林よしのりファンと似ているような気もしますね。
確かに似たようなものがあると思います。ただ、「ゴーマニズム宣言」のほうが、現実の行動に与えた影響は大きいです。本ページでは、小林氏の実名を出す等、現実に対し責任をとろうとする態度が支持されていましたが、それは読者に対し「創竜伝」と比較してはるかに現実という認識を持たせる分、影響がより大きくなるという面を持つことにもなるかと思います。
それと一つ気になることがあります。管理人さんを始め、他のアンチの方々は「創竜伝」がいまだ売れ続けている点をどうお考えでしょうか。幾つか挙げられた「田中芳樹というネームバリュー」「作者と出版社の力関係」という説は、本が「出る」理由にはなりますが「売れる」理由としては弱いように思います。供給側だけではなく需要側の視点も必要ではないでしょうか。
「読者が何を求めているのか」という認識の差が「作者の与えうる影響」の認識の差として、アンチとファンの方々との議論に現れているように見受けられます。アンチの立場では影響を危惧して批判していますが、ファンの立場では「小説なのだから」と不愉快に感じるわけです。そこを詰めてみるのも面白いかと思います。
まだ2回目の書き込みでこのような書き込みは生意気かも知れませんがお許し下さい。また機会があれば拝見させて頂きます。
-
- board1 - No.761
創竜伝の当時の感想
- 投稿者:新Q太郎
- 1999年02月18日(木) 18時24分
創竜伝を読んだのも、もうかなり昔だなあ(遠い目)。ワタシ的には、銀英・アルスラーンの次に読んだので期待は大きかったのです・・・が、オイオイでした。もちろん評論部分への違和感が最大ですが、もともと私が好む冒険小説は主人公が「能力」では勝てない相手に絶体絶命の状況に追いつめられて「アイデア」で逆転するというもの(「インディー・ジョーンズ3」なら息子でなく親爺(S=コネリー)のほうを好む)だったので、」その点でも無敵の超能力ですべて解決するという展開は不満でした。
ただ、こういう「最後は絶対無敵の力を爆発させ、チョン」というのは逆に意表を突いた、フレッシュな設定かもしれん、というのと、悪の陰謀を企む組織(先進国だけ残し、後は戦争で人口を減らす、だっけ?)がそれまでよりは多少リアリティを持っているかな、という評価はしてました。(と言っても鉄人28号がマジンガーになったくらいのリアルさだが)。
ただ何と言っても読み続けたのは当時田中氏の作品がまだ少なく、銀英伝の余韻が残っていたから、に尽きます。
-
- board1 - No.762
とりいそぎ
- 投稿者:本ページ管理人
- 1999年02月18日(木) 18時43分
本当はファン論としてまとめて書きたいのですが、近々といいつつ、このままではいつ書けるか判らない状態なので(田中芳樹と変わらん)、掲示板にちょびちょびと書いていくことになりそうです。
>アンチの方々は「創竜伝」がいまだ売れ続けている点をどうお考えでしょうか
この辺の所はかなり重大なテーマでして、田中芳樹だけに特化して考えられないですよね。
小室哲哉は馬鹿売れしているけど音楽通は陳腐だと嫌うし、映画マニアはハリウッド映画を馬鹿にするし、コンピュータマニアはWindowsNTよりもLinuxを好むし、ゲームマニアは今至るところでFF8を貶しているし、マンガ通はジャンプよりもコミックトムを読んでたし。
つまり、売れているということは作品の評価につながるのか? というところから考えなくてはならないですよね。
売れ行きというのは作品を評価する尺度の一つにはなるけど、売れ行きだけで作品を評価する事は出来ないということだと思います。
ただ、出版社だって資本主義社会で商売で本を出しているわけですから、売れ行きだけで作品を評価しなければならない面があるわけです。結局、創竜伝は、その作中で散々けなしている「金第一主義」におんぶでだっこじゃないと、評価がガラッと変わってしまうのではないでしょうか。
> 「読者が何を求めているのか」という認識の差が「作者の与えうる影響」の認識の差として、アンチとファンの方々との議論に現れているように見受けられます。
売れる理由としてでもあるわけですが、いわゆる「ミーハー」のファンの要求にあざとく迎合する要素があるって所でしょうね。過去ログにもいくつか指摘されていますが、美少年をタイプ別に用意しておいて、さあ好きなの選んでくださいってな感じだとか。
傾向として、最近の内輪ネタ傾倒ぶりだとか、ミーハーの為の同人誌にかなり近いものがあると思います。
(続く、か、推敲するか…)
-
- board1 - No.763
銀英後伝:もしくは宇宙暦1984年?
- 投稿者:新Q太郎
- 1999年02月18日(木) 19時38分
>ま、ヤンイレギュラーズは明らかに“軍隊”
>ではなくて“軍閥”なので軍令云々よりも
>皆が納得する「民主的」な決め方で良いんで>しょう(笑)。
>ヤン提督の遺志を受け継ぐ偉大なる
>ミンツ同志!とならないことを望む
********************
銀英伝第10巻から数年後の、とある光景。
--------------------------------------------
エル・ファシルに於いて銀帝の魔の手から人民を救い、イゼルローン・アムリッツァの戦闘で輝かしい勝利を収め、銀帝と自由惑星同盟傀儡政府、そしてその後ろで使い走りをするフェザーン独占資本に対し常に百戦百勝してきた、わが国民の心から敬愛し、解放へ進軍する人類の歴史に燦然と光芒を放ち続ける、偉大なるヤン・ウェンリー主席がお隠れになられ、我が国民が等しく点が崩れ地が裂けたような悲しみを味わってから早幾年。
♪エル・ファシルの星々に 血のにじむ跡
イゼルローンの川面に 血のにじむ跡
今日もバーラト共和政府の花束の上に
歴々と照らしてくれる偉大な跡よ
*ああ その名もなつかしい我が将軍
ああその名も輝かしいヤン・ウェンリー元帥
{参考>ttp://www.dpr-korea.com/j-kim.html}
しかしその悲しみも苦しみも乗り越えて、我々は後継者である親愛なる指導者ユリアン・ミンツ同志のもと一致団結しさらなる革命的共和国建設に励まねばなりません。
前進するバーラト政府を犠牲的精神で支える若き英雄達の、燃え立つ心があってこそ「伝説から歴史へ」というヤン将軍閣下の偉大なるお言葉を実現できるのである。
敬愛するユリアン同志に護んで捧げます。瞬間たりと離れて生きられない懐かしい同志。私たちは、敬愛するユリアン同志に対する限りない感謝の気持ちに全員が涙ぐみ、心の中で一層壊かしく思えたのは父なる同志の壊でありました。
不正規隊方式の革命的経済戦略は国の自立的共和経済の土台をさらに強化し、人民生活を画期的に高め民主主義のより高い高地を占領するための極めて正しい経済建設方針であります。われわれが銀河帝国主義者と反動たちの反共和国策動とわが国に対する圧殺、制裁策動を振り払って人民大衆中心のわれわれ式ヤン主義をさらに花咲かせ、ヤン主義の旗を高く保ち続けていくためには党の革命的経済戦略を徹底して貫徹し、ヤン主義経済建設で新たな高揚を起こさねばなりません。
しかし、アッテンボロー一派に代表される背信者たちはヤン主義の根本原則をかなぐり捨てて革命の敵、銀河帝国主義者に阿諛屈従するに至った。
彼らアッテンボロー一派とそれに呼応したフェザーン独占資本の走狗ボリス・コーネフらの野心は結局背信と変質に至り革命に厳重な害毒を与える毒薬、死の薬だった。まさに偉大なるヤン・ウェンリー閣下の進められたヤン主義はまさに野心家、陰謀家である現代修正主義者たちによって軌道から脱線し内側から瓦解し始める危険に直面していた。この危機を未然に食い止められ、彼ら裏切り者の陰謀を全局面に於いて粉砕し、その末路を銀河帝国主義者に示した親愛なるユリアン同志に、私たちは熱烈な忠孝至心から願います。
自髪になるまで信頼を受け、愛情を受け、恩恵を受けて生活してきた私たちであります。この全ての恩寵は偉大なヤン将軍閣下親愛なるユリアン同志とが与えたものであるが故、私たちは同志を父、バーラト国そのものとして従い、支えます。
われわれの慈愛深い父であり、栄えある祖国である敬愛するユリアン同志の万年長寿を謹んでお祈りします。
♪荒々しい嵐も追いやって
信念を抱かせてくれたユリアン・ミンツ同志
*あなたがいなければ私たちもなく
あなたがいなければ祖国もない
2.未来も希望も すべて受け持つ
自治政府の運命であるユリアン・ミンツ同志
*(繰り返し)
3.世の中が何百回となく変わったとしても
人民は信じるユリアン・ミンツ同志
*(繰り返し)
{参考>ttp://www.dpr-korea.com/tanshi.html}
・・・・「この文章はパロディであり、実在の親愛なる指導者、人民共和国、SF小説などとは無関係であることをとくにお断りしておきます。
(しかしアッテン○ローが粛清されるというのはなんとなくリアリティが・・・ないよな、気のせい気のせい)
-
- board1 - No.764
銀英後伝、面白かったです。
- 投稿者:甘藍
- 1999年02月19日(金) 01時14分
で、もしよろしければ
>不正規隊方式の革命的経済戦略
の詳細とか
>ヤン主義の根本原則をかなぐり捨てて革命の敵、銀河帝国主義者に阿諛屈従するに至った。
はアッテンボローの方から見ると具体的にどういうことをしたのかとか、
聞かせてくださいませんか?
勉強不足なもので、雰囲気しかわかんなくて(;;)
-
- board1 - No.765
『創竜伝』、その人気の理由(?)
- 投稿者:やぶにらみ
- 1999年02月19日(金) 02時22分
みなさんの意見によれば、『創竜伝』の人気の秘訣は、キャラクターにあり、というわけですね。その思想は二の次だと。
江川達也氏の漫画がウケるのと似たような理由なのかな。作者は、あの面倒くさい思想面に共感を得ているから、と信じているのかもしれないが、大部分は「女の子がエロ」という理由で読み続けているような気がする。
-
- board1 - No.766
創竜伝、人気の謎
- 投稿者:カエルサル
- 1999年02月19日(金) 06時28分
創竜伝には無数の陰謀がでてきます。ストーリーの中核も「軍産複合体陰謀説」によってなりたってます。まさに「陰謀がいっぱいー創竜伝」といったところでこれが若い人を中心に人気がある原因なのではないでしょうか。
つまり、現実世界が実は巨大な陰謀によって動いているという説を恐怖しながら好奇心にそそられて読みすすめ、厭世感を持ちながら優越感に浸って、好奇心で続きを買ってしまう・・・といった具合です。
ここら辺はカルトが信者を集めるのと同じ手段で、しかも効果的です。やっぱし、ビジュアルだけであれだけ売れてるとは思えません。(特に男性には)陰謀説にハマって、そのうち洗脳されてT教祖にお布施するようになるのではないでしょうか?売れてるものは大同小異ほとんど陰謀論が入ってますし。エヴァとかM◯Rとか 矢追◯一とか・・・
というわけで「創竜伝を研究批判するために陰謀論から分析する」というのをやっては如何でしょうか?(またおしつけてる(TT)
>・・・・「この文章はパロディであり、実在の親愛なる指導者、人民共和国、SF小説などとは無関係であることをとくにお断りしておきます。
これってもしかして、北◯◯?
-
- board1 - No.767
創竜伝は何故売れるのか?
- 投稿者:小村損三郎
- 1999年02月19日(金) 14時34分
皆さんの意見やファンサイトの書き込みなんかを見てみても、やはりテーマだの評論だのよりもキャラ「萌え」(←ヤな言葉)なファンの方が多数派なんですかね。
まあ、たしかにキャラ造形の巧みさ・思想や価値観は画一的なのにもかかわらず、ディテールでもって各人の個性を際立たせるテクニックは非常に見事なものがあります。
(もっとも最近はやや飽きられてるようですが。)
私の勝手な見方で申訳ありませんが、どうも女性読者の方が割り切って楽しんでる人が多いような気がする。
信仰するにしてもアンチに回るにしても、こういうのに関しては意外と男性の方が執拗なんですかね(^^;)。
インタビューでも、
聞き手:「(読者からの手紙で)ご意見型は男性が多いでしょ?」
田中 :「圧倒的にそうです。」
というやりとりがありましたし(^^;)。
>4兄弟その他のキャスト
年齢はある程度無視。あと、ジャニーズの番組をそんなに見てる訳ではないので(笑)、風貌からの印象のみです。キャラクター的に違和感があったらゴメン。
竜堂始・・・・・・東山紀之
竜堂続・・・・・・長瀬智也
竜堂終・・・・・・森田剛
竜堂余・・・・・・Jrから適当に。或いは歌舞伎界の二世とか。
船津忠厳・・・・・島田正吾
虹川耕平・・・・・渡辺徹(巨漢、というとこの人ばっかし。ま、警官ということで(笑))
蜃海三郎・・・・・益岡徹
水池正彦・・・・・寺脇康文
黄世健・・・・・・田村高廣(ちょっと違うかな?)
ランバート・クラーク・・・ジム・キャリー
稲垣・・・・・・・○辺恒○
う~ん、何だか適当だな・・・。
>鳥羽茉理 松たか子
あ、こりゃぴったりですね。
-
- board1 - No.768
「坂の上の雲」と「銀英伝」
- 投稿者:通りすがりの旅人
- 1999年02月19日(金) 17時14分
お初にお目にかかります。
通りすがりの旅人ともうします。
私も、多くの方々と同じように、銀英伝は好きだけど、創竜伝が好きではございません。
で、銀英伝を読んだとき、補給と情報の重要性を説いていたり、戦術上の奇策よりも、戦略レベルで敵よりも多くの兵を集めることが重要だといった内容に革新さを覚え、なんてすごい作家なんだ!と思いました(高校生の頃)。
が!
最近、「坂の上の雲」を読んだのですが、なんと、上記のことはぜーんぶ書いて有るではないですか!
おまけに、銀河帝国は、腐敗したロシア帝国そのものだし、フォークという無能な軍人も出てくるし(笑)
田中氏は司馬氏のことがあまり好きではないと聞きましたが、書いてることは結構似ているように思います。
それと、以前ここで、銀英伝外伝の5,6
巻が出ないことについてかきこみがあったと思います。
私、雑誌で、外伝が全4巻となっていたのをみつけ、何を思ったか徳間書店に電話し、担当者に5,6巻は出るんじゃないのか!だったら、全4巻でなく既刊4巻にすべきだ!といったのです。
そのせいかどうかは知りませんが、翌月の広告では、「既刊4巻」となっておりました。
若気の至りと笑って見逃して下さい。
では。