初代掲示板過去ログ

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投稿ログ42 (No.907 - No.918)

board1 - No.907

RE.902 >私の創竜伝考察2

投稿者:石井由助
1999年03月18日(木) 17時32分

>P174下段
うーん、続が非寛容なのはキャラクターだから仕方がないのでは? 馬鹿な理論で何得意がってるんだ? という批判ならアリですが。
>「教科書で嘘を教える国」と1982年の教科書問題の関係は推論ですので、これで田中芳樹の知識を揶揄することは避けたほうが無難です。


>P181上段

 まあ、田中芳樹お得意の比喩表現でしょうが、「全否定的な結論」がふざけているというのには賛成です。「社会の奥行きが浅い」ってのは何なんでしょうね。


>P183下段

 確かにその通りですが、これを否定すると「日本の黒幕」という設定自体あり得ないバカらしいものになってしまう(^_^;)ので、フィクションとして微妙な線だと思います。もっとも、そのフィクションを元に現実の批判をされたら堪りませんが。


>P207下段

 うーん、日本を独立国にしようならともかく、米ソ(ソ連はもう無いけど)両国を屈服させようなんて、いまどき右翼でも言わないことだと思うけど。
 あと、日本が世界中から嫌われているという田中芳樹の主張は大嘘ですが、たしかに世界一の強国になって愉快な国はないでしょうね(別に日本だけでなくどこの国だってそうだと思う)。


>P212上段

 むしろ、サリン事件の河野さんのように、絶対弱者になるのではないでしょうか。私は、マスコミの河野さんに対する態度は、謝罪ではなく媚びへつらいだと感じました。


>「船津忠厳は愛国者ではなく売国奴だ!」

 とても面白い視点だと思います。多分、船津氏のモデルは「日本のドン」笹川良平氏だと思われますが、マスコミが彼をどのように扱ったかを考えるとギャップがわかりやすいかも知れません。

board1 - No.908

こんにちは

投稿者:本ページ管理人
1999年03月18日(木) 18時07分

>中沢さん。

 はじめまして。

>あれはあれでカタルシスになってんならいいじゃん」て感じですなあ。何も討たなくても。
>田中芳樹よりも「週刊金曜日」のほうがよっぽど「討」ちがいもありますし、何より主張もユニークです。

 私も、一面ごもっともだと思うのですが、ただ、そうやって誰もが冷笑を持って黙っていた結果、田中芳樹の暴走につながったと思います(一応田中芳樹の「ある意味ファン」ですので)。更に言うと、私がこのページを立ち上げるまで、この広大なWeb上にさえ田中芳樹を批判する言説が無かった(私が知る限りちゃちゃちゃの掲示板にネタとしてあったのがせいぜい)という環境は、どう考えても異常だと思います。
 余談ですが、それにしても、田中芳樹の創竜伝あとがきでのあの得意がりようはただごとではないですね。「ふざけた小説を書くとはけしからん。このアカバカめ」とか、そういう彼を喜ばせるような批判をした人がいるんですかね。やっぱり。


>ショッカーが幼稚園を襲うのと一緒です。

 いや、まだ創竜伝はここまで割り切れてないと思いますよ。ここまで割り切れたら、(それなりに)立派です。


>でも完全にサヨクかというと、
>どうもそうでもないらしくて、そのあたりの揺らぎというか矛盾というか、本多勝一が背後に見えるのは気のせいでしょうか。

 私は佐高信と似てるような気がします。


>「絶対弱者」の立場で好き放題やってるだけなんですね。

 水戸黄門の例ではありませんが、人間は自分が強者だと認識することによって、自分を制することが出来る一面があると思います。また、田中芳樹が主張するように、正義の名の下に独善的な行動に陥るのも真実の一面ですが、逆に、正義を自覚することで自律することがあるのも事実なんですね。
 自分が弱者であり、弱者ゆえに強者に対する抵抗も許されると思っている強者こそ(すくなくとも、竜堂兄弟が弱者であるはずがない)、歯止めが効かない分もっとも残虐なことをしでかすんですよね。これこそ、歴史をみれば明らかですよ(最近しつこく言ってますが、ファシズム・スターリニズムの構造です)。


>田中芳樹もまんまとこれにハマってます。実際に創竜伝の11巻。
>酒鬼薔薇君のことや一連の意見についての言及はほとんど見られなく
>って残念でした。

 たしかに、11巻は他の巻と違って評論があまりなかったですね。そのわりには、ストーリーは中学生のテーブルトーク並(なんだよ、あの小早川先生って)でダメダメでしたが。


>5」の論文の一部と同趣旨の文を呉智英さんが書いていた
>気がするんですが

 そのとおりです。ちょうど良い例だったので参考にさせていただいてます。

board1 - No.909

はじめまして

投稿者:ぼんちゃん
1999年03月19日(金) 02時16分

こんにちは。HP,楽しく拝見しています。
気軽に書き込んで下さいね、とありましたので、本当に気軽に私の田中芳樹体験を書き込んでみたいと思います。

8,9年前でしたか。当時、創竜伝が流行っているというので、人に借りて、当時最新の5巻まで借りて読みましが・・・・・・

なんというか、ひどいもんですね。
文章は下手だわ、登場人物の台詞がいちいち紋切り型だわで、いい加減、読むのを止めてしまおうかと思いながら、第一巻の最後まで読み進め、とうとう切れました。

敵の政治家について「なんて矮小な悪役であろうか」みたいな記述があるんですよね。
じゃあ、そのチンケな悪役をやっつけるのにノベルス一冊まるまる使わなければならない主人公はどうなんだよ!(^^;

他にも「ファッションセンスの無い始は、サファリジャケットを愛用している」ってあたりに、なんか作者の自己愛が見えて嫌だったり。

4姉妹の女性幹部による、やはり紋切り型の日本野球評に、「これを読んで、作者はボクに、何を得ろというのだろう」と情けなくなってみたり。

政治的にどうこう以前に、小説家としてのスキルが低すぎる、というのが私の田中芳樹評です。ちょっと前に流行った「リング」も、相当下手でしたが、あれは一種のシナリオとして読めばそれなりだったのに対して、「創竜伝」は、アイデア=仕事が少なすぎる。単なるシノプシスですな。
その後、外伝なども読みましたが、「こんなものを小説と思われたら困る」って感じです。

少しは恥を知って欲しいものです。

board1 - No.910

銀英伝とシュヴァルツシルト

投稿者:コジラ
1999年03月19日(金) 06時28分

 お久しぶりです。
 田中作品の影響はドイツ臭い世界観を持った作品を増殖させたという点も注目されます。
 ゲームのシュヴァルツシルトシリーズはまさにそうで、1989年の「帝国ノ背信」では「ゲルーマン」という敵国があり、その名の通り指導者もドイツ臭い顔をしていました。 (そのほかにも「イストラムー」「モンゴリアン」の指導者は民族衣装を着て登場します。しかしイストラムー王はイスラム教というよりもローマ教皇ぽかったなあ)
 1987年に登場したシュヴァルツシルトシリーズは大ヒットしていて現在も続いています。(先日、アキバで積み上げられているのを見た。WINDOWSネイティヴ版は何作出ていますか?)
 シュヴァルツシルトの影響で銀英伝ゲームがシミユレーションになったという話を聞いたことがあります。
 その他の影響とはキャラクターにドイツ風の名前が多く出てきて書き切れませんが

board1 - No.911

よろしく!!

投稿者:Merkatz
1999年03月19日(金) 13時53分

初めて書き込みます。いやあ、すごいですね。
私は「銀河英雄伝説」のファンですが、田中芳樹のファンではないので、
彼がどんな人物か興味無かったんですが、
ここを見てびっくりしました。田中芳樹ってそういう奴だったんですね。
しかしこうまで言われると、かえって「創竜伝」読んでみたいと興味が湧いてきます。

しかし田中芳樹は典型的な「反日日本人」ですね。この手の人間が思想と言動において支離滅裂なのは当然です。
彼らにとって思想は反日のための手段でしかなく、思想ゆえの反日ではないのですから。
ですから反日であればなんでも良く、共産主義と民主主義が同居していてもいっこうに矛盾ではないのです。

>「機動戦艦ナデシコ」
脚本は曾川昇です。あかほりさとるは1話だけ脚本を担当しています。
曾川昇もかなりイってます。
WOWOWで「南海奇皇ネオランガ」という作品も手掛けていましたが、見ていて頭痛くなりました。
現在再放送中ですから、興味ある方はどうぞ。(毎週月曜日アニメコンプレックス内にて)

ところで時々批判と誹謗の区別が付いてない人がいますね。
これはファンである無し以前の、言葉を正しく使っているかという問題だと思います。
辞書できちんと調べてくださいと言いたい。
参考までに三省堂「新明解国語辞典」によると、
批判・・・物事のいい点については正当に評価・顕彰する一方、成立の基盤に関する欠陥については徹底的に指摘・検討し、本来どう有るべきかを論じること。揚げ足取りとは全く違うことに注意。
誹謗・・・他人の悪口を言うこと
中傷・・・根拠の無い悪口などを言って、他人の名誉を傷つけること

board1 - No.912

それは

投稿者:不沈戦艦
1999年03月19日(金) 15時11分

>この広大なweb上にさえ田中芳樹を批判する言説が無かった(私が知る限りちゃちゃちゃの掲示板にネタとしてあったのがせいぜい)という環境

 これって、去年私がちゃちゃちゃの未来思考ボードでやったやつですか?前にも書いた「三跪九叩頭」の話ですよね。あの時は、いわゆる「左」に寄っているような人も「創竜伝は、田中芳樹を崇拝でもしていない限り読めない」と言っていたと思います。私も当時から変だ変だと思っていたんですよ。創竜伝ちょっとひどいと思ったのに、どこかで誰かが「おかしい」と言っていることが全く無いもんでしたから。ちゃちゃちゃで「田中芳樹はおかしいのでは?」という話題を出してみた(実は、ネット世界への私の最初の書きこみでした)んですけど、以外に違和感を憶えていた人はいるんだな、と思いました。結局、ノベルズの世界では、田中芳樹が巨大になりすぎて誰も批判できない存在になってしまっている、って事だったのでしょう。そういうのを「強者」とか「権力者」とか言うのではないでしょうかね。大量に売れる本を出して読者を洗脳だか啓蒙するのも、充分一つの権力であると思いますよ。ちゃちゃちゃで嫌われている朝日新聞もそうですが。

board1 - No.913

「黒幕」の変遷

投稿者:北村 賢志
1999年03月19日(金) 15時37分

> 「船津忠厳は愛国者ではなく売国奴だ!」

 こういった「裏の権力者」が実は大したことのない奴である、というのは最近の作品では多いようです。
 かって「男組」の「影の総理」には、いかにも悪党の大物という存在感がありましたし、「ワイルド7」最終章の「大先生こと秘熊防衛大臣」に至っては、何と2000ページに及ぶ戦いの中で、一度として主人公達と直接相対する機会すらなく、最後はワイルド7を全滅させて、国民の圧倒的支持の中、日本の独裁者の地位につきました。秘熊が日本を手中に収めたとき、何もかも失った瀕死の主人公が、敵の下級幹部や悪徳弁護士とかろうじて差し違える(死亡シーンはなし)というこの作品のラストは、本当に驚きでしたね。
 ではこういった作品と創竜伝はじめとする最近の作品の違いは何処にあるかと言えば、やはり「日本の状況に対する見方」でしょう。
 つまり昔(大体昭和60年ぐらいまで)の作品では「日本の現状」に対する怒りが、ある程度まで読者に共通認識として認められており「裏で糸を引いている黒幕のせいだ」との設定がそれなりに説得力があったのに対し、日本が世界屈指の大国になり、国民の「現状維持」意識が強まるに従って、そういった設定は受け入られにくくなっていったものと思われます。
 また実際の政治家や国家権力が余りにも国民一般から等身大に見えるようになった結果、大物の黒幕はかえって「現実の政治屋」よりも立派な存在に見えてしまうようになりました(「影の総理」だったら、私は支持してしまいそうですよ)。
 このため昨今の作品の「裏の権力者」はその人格を矮小に描き「こんな奴が権力の座にある」ことを主人公達の正当性の根拠としているように見えます(大抵、やばくなると恥も外聞も捨てて命乞いをしたり、涙ながらに自分の苦労話をしたりします)。
 船津忠厳がナンセンスなウルトラナショナリズムを「敵」に対して公言するという、とても大物には見えない軽率な人間なのもそんな理由でしょう。
 ですが、そうなるとそもそも「影で糸を引いている」のが悪いのか、それとも「その人格がろくでもない」のが悪いのかがハッキリしなくなってしまいます。
 これまでの田中氏の論理で言えば本来「影の権力者」自体が許されず、そうなると船津忠厳がいかなる人格の持ち主だろうと打倒されるべき存在になるはずです。しかし創竜伝では、船津忠厳がまともな政治感覚の持ち主で、竜堂兄弟など相手にしないのであれば話になりません(まだ「灼熱の竜騎兵」の方が筋が通ってます)。
 このあたり架空戦記で、そもそも対米戦を避けりゃいいものを、それでは話にならないので無理矢理戦争に引きずり込んだ上で「国家戦略がどうの、国際政治がどうの」と訴えているのと似たようなモノを感じてしまいます。

board1 - No.914

私の創竜伝考察3

投稿者:冒険風ライダー
1999年03月19日(金) 16時47分

 管理人さん(以後、この名で統一しますね)、私の投稿への厳しい御指摘、ありがとうございます。やはり少し飛ばし過ぎでしたかね。朝日社説批判と同じスタンスでやっているので、ついつい余計な事を言ってしまうようです。推論批判は以後慎みます。それと船津忠厳の言葉を持ち上げたのは、謝罪外交を推進する政治家に怒りを覚えていたからですが、極論ではありましたね。私を右翼だと誤解しないでくださいね(^^;)。
 しかし自衛隊については、2巻と3巻でもストーリー上結構かかわってきますし、社会評論でも散々ののしっていますので、バカ正直にこれからも言及したいと思います。これからも「私の創竜伝考察シリーズ」の厳しいチェックをよろしくお願い致します。
 それでは、創竜伝2を検証していきましょう。

創竜伝2 「摩天楼の四兄弟」
1988年4月5日 初版発行

P22下段
<自分たちは国家利益のために働いている。一般国民は税金を納めて自分たちを養えばいい、そして災厄が生じたときには権力者を守って死ぬべきだ。そう考えている者が、人間世界で最も残忍にふるまうことができる>

 竜堂兄弟や現実世界の左翼連中の得手勝手な振る舞いを見ていると、
「自分たちは権力を振りかざす悪党を懲らしめるために働いている。一般国民はただ自分たちを支持していればいい。そして災厄が生じたときは自分たちが助けてやる。そう考えている者が、人間世界で最も残忍にふるまうことができる」
というのが正しいような気がしますが。だいたいこれは権力を持っている人間に対する偏見を、読者に植え付けようとする記述ではないですか。そもそも田中芳樹は、権力がなぜ存在するのかを考えた事があるのでしょうか。権力=悪で思考停止していませんか?

P28下段
<現代の日本では、不正を追及する者は、嘲笑の対象にしかならないのだ。
「世の中なんてそんなものさ」
という、現状肯定、思考停止がはびこり、とくに政治ジャーナリズムの批判精神は、腐りはてて影も形もないありさまだった。>


 田中さん、「現代の日本では、不正を追及する者は、嘲笑の対象にしかならないのだ」って、現代日本のどこを見てそのような結論に達したのですか? 政治や行政、企業などの不正も常に追求されているし、不正を追及する者も嘲笑の対象どころか、むしろマスコミが徹底的に持ち上げて尊敬するでしょう。私は不正を追及する者が嘲笑されたという話を聞いた事がないのですが。
 また、日本にいつ「現状肯定、思考停止がはびこり」ましたでしょうか? 左翼連中を含め、日本は良かれ悪しかれ批判精神にあふれかえっていますよ。現状を肯定し、思考停止している人など私は見たことがありません。特に政治ジャーナリズムは、いつも聞き飽きるくらい過剰なほど政治批判をしています。「とくに政治ジャーナリズムの批判精神は、腐りはてて影も形もない」などと考えているのは田中芳樹と竜堂兄弟だけです。

P38上段
<権力病の重症患者にとって、どのような妄想も妄想とは思われないのだ。>

 これは私がこう言いなおしましょう。
「左翼全共闘病の重症患者にとって、どのような妄想も妄想とは思われないのだ」

P46下段
<現代の日本人は、滅亡期のローマ人のように、イベントを、あらゆる価値の最上に置く。イベントのために、どれほど非常識なことがおこなわれても当然だと考える。イベントに反対する者は、変人あつかいされるだけですむなら幸運というべきだ。>

 田中芳樹の、自分を除く一般的な日本人に対する考えがよく分かる一文です。要するにこの人は日本人を愚か者と蔑み、いずれローマ人のような末路をたどると思っているのでしょう。「イベントに反対する者は、変人あつかいされるだけですむなら幸運というべきだ」じゃあ普通はどんな目にあうのでしょうか? まるで日本人が批判する者の存在を否定しているかのようですね。日本人もなめられたものです。

P51上段
<続が兄に応じた。
「国民の税金で養ってもらっているくせに、国民を害しようとしている奴らが権力をほしいままにしている国です。そのうち人間が四つんばいになって、犬が立って歩くようになるでしょう」
「犬の時代だな」
「犬以下ですよ。犬だって3日も餌をもらえば恩を感じる。ところが公安警察って奴らは、電話は盗聴する、市民運動家の家を口実をつけては捜索する、ひどいものですからね」>


 あまりにも下劣な主張ですね。彼らは自分たちを何様だと思っているのでしょうか。まるで自分たちが日本の主人みたいな言い方です。「国民の税金で養ってもらっているくせに、国民を害しようとしている奴らが権力をほしいままにしている国」って、何を根拠に日本という国がそこまで低く見られなければならないのでしょうか。この論調を聞いていると、日本の権力者全てが国民を害しようとしているように聞こえてきますね。一種のマインド・コントロールではないでしょうか。かつて私もこの論調に洗脳されていたし(^^;)。
 それと日本の公安警察が電話を盗聴する事は法律上できませんし(最近法改正の動きがありますが)、この場合の「市民運動家」というのは「左翼運動家」の事でしょう。「口実をつけては捜索」しなければ、どんな事をされるか分かったものではありません。だいたいその口実自体、普通は法的には何の問題もないものでしょう。あまり公安には詳しくありませんが、少なくとも竜堂兄弟に「犬以下」とまで呼ばれなければならないほど悪い存在とは思えませんが。

P56上段
<「世の中の人たちは、ほとんどすべてが、権力とそれに裏づけされた暴力の前には無力です。このごろでは、無実の罪で死刑になりかかった人が国家に賠償を求めても、その裁判で負けてしまうほど、日本の政治権力は非民主的で硬直化しています。法ですら、しばしば市民を見捨てます。法を定める連中が、結局、ほしいままにふるまい、人の権利を侵す……」>

 これは竜堂続氏の発言ですが、「無実の罪で死刑になりかかった人が国家に賠償を求めても、その裁判で負けてしまう」からといって、即「日本の政治権力は非民主的で硬直化しています」などと決めつけてはいけません。裁判には裁判の事情があり、「無実の罪で死刑になりかかった人」の主張が全面的に正しいというわけでもありませんし、一方の警察の方も言い分があるでしょう。原告の主張が間違っていたかもしれませんし、双方和解したのかもしれないではないですか。それとも原告の主張が全面的に通らなければ、民主主義は崩壊するのですか?
 そもそもこんな事が現実世界で実際にあったのでしょうか? 朝日や毎日のようなマスコミが、その「無実の罪で死刑になりかかった人」に肩入れしないわけがありませんから、実際にそんな事があればいやでも情報が入ってくると思うのですが、私は聞いた事がありません。この辺りの事情に詳しい人はいませんか?

P80上段~下段
<1980年代の後半、東京を中心にして日本の土地価格は高騰した。(中略)悪質な不動産業者を、背後から、さらに悪質な金融機関があやつり、それを政府が平然として放置し、社会問題が発生した。日本のように狭い国では、土地に対する投機を禁じるべきなのに、政府は全く何もしなかった。それどころか、土地問題をあつかう国土庁の長官が、不動産業者や建設業者から政治献金をうけとり、しかも大半のマスコミはそれを批判しようともしないというありさまだった。>

 なんかこれだけ見ていると、当時の赤旗の新聞記事を見ているような錯覚を覚えるのは私だけでしょうか? 少なくともフィクション小説に書くべき事ではありませんね。それにこの論調、銀英伝でヤン・ウェンリーが否定した救国軍事会議の連中の主張とまったく同じではありませんか。政府が土地投機を禁じるべきだという点など、そのもっともたるものです。実際にそうしたら(1990年、総量規制という通達が大蔵省銀行局長の名で発行され、銀行は土地売買ができなくなった)土地価格が大暴落して(当時の土地価格の3割が一瞬にして消滅したそうです。約660兆円ほどが消えた事になります)日本が不景気になってしまったのですよ。田中芳樹はかつて自分が否定していた連中と全く同じことを言っているのに気づいているのでしょうか?
 それから、いつもの事ですが、マスコミが批判していないというのは大嘘ですね。それどころか、朝日あたりは「バブル追放キャンペーン」でもやっていたのではないのですか?

 社会評論が多すぎる!! まだ100ページにも達していないのに~。今回はこれで終わりにしま~す。2巻批判の続きはまた今度に。

PS.考えてみると、創竜伝の1と2がでた頃って、私はまだ小学生だったのですよね~。月日のすぎるのの早い事。

board1 - No.915

レスなど

投稿者:本ページ管理人
1999年03月19日(金) 19時40分

>ぼんちゃんさん

 はじめまして。
 創竜伝の小説としての評には全面肯定です。他の田中作品と読み比べてみると、創竜伝の文章は特別酷いものであることがよくわかります。


>「こんなものを小説と思われたら困る」って感じです。

 せめて売れないで欲しいものです。他の作家に悪いですから。


>Merkatzさん

 よろしくお願いします。

>彼がどんな人物か興味無かったんですが、
>ここを見てびっくりしました。

 きっと、知らない方が幸せだったのではないでしょうか(^_^;)まあ、知ってしまった以上は「かえって「創竜伝」読んでみたいと興味が湧いてきます」という修羅の道をあえてお勧めします。感想を教えてくださいね。


>これって、去年私がちゃちゃちゃの未来思考ボードでやったやつですか?

 そうです。と学会批判とセットになっているのが、今考えると意味深ですよね。


>結局、ノベルズの世界では、田中芳樹が巨大になりすぎて誰も批判できない存在になってしまっている、って事

 それだけでなく、あまりに馬鹿馬鹿しすぎて(また、子供向けの小説だということもあり)まともな人が相手にしなかったということもあると思います。ただ、子供向け小説というのは、直接の政治的影響力はゼロとしても結構バカに出来ないものがありますよね。
 その意味で、手前味噌ではありますが、馬鹿馬鹿しいことをあえて指摘したこのページには意味があったかも知れません。


>「黒幕」の変遷

 相変わらず鋭いですね。確かに、あの船津の行動は謎です。始がたとえ右翼的人間だったとしても、自分の祖父にペストを巻かれたと知って「はいそうですか」と言って従うはずが無かろうに。

board1 - No.916

Re. >914 私の創竜伝考察3

投稿者:石井由助
1999年03月19日(金) 20時37分

>管理人さん(以後、この名で統一しますね)

 ややこしくてすみません。基本的に、私的見解を述べるときには本名を使っています(当然ながらその基準は曖昧です)。
 「田中氏」と「田中芳樹」も、彼の行動によって使い分けしてあります。(評価できる作家としては「田中氏」、駄文を書き連ねる売文業者としては「田中芳樹」あるいは「田中センセ」)。


>私の投稿への厳しい御指摘、ありがとうございます

 こちらこそ、少々厳しすぎかなと思いながらの作業でしたので、そういっていただけると助かります。
 やはり好き放題書き捨てている文章の批判だからこそ、公正で理知的にありたいものです。
 それと、不用意な批判の言質をとられて「ウヨクの自尊史観の人が創竜伝の批判ページを作ったようですよ。僕たちも立派になりましたね」「いよいよ発禁候補作だな」とか、創竜伝の座談会で続と始あたりに言わせるような事態には絶対したくないというのもあります。お互い、そんな言い逃れが絶対出来ないような批判を展開していきましょう(とはいえ、「何で俺が田中芳樹の弁護してるんだろう?」という忸怩たる気持ちはありましたよ。やっぱり(^_^;))。


>P22下段

 同感です。ちなみに後ほどの日本人論への批判とも重なりますが、自分と違う考えをもつ「一般国民」を愚民視して罵倒するあたりは素晴らしいですね。結局、自分と同じ考えを持つ人間だけが「庶民」で民主主義を知っていると思っているのでしょう。このあたり、銀英伝の救国軍事戦線と全く同じですね。
 ところで、4巻にこれを酷くしたような場面があって、いつかそれについて書こうと思っていたのですが、冒険風ライダーさんの楽しみのために取っておきます(言い訳かな~)


>P28下段

 思考停止しているのはお前だろ、という感がありますね。


>P38上段

 まさに権力と反権力は表裏一体です。


>P46下段

 これは酷いですよね。
>要するにこの人は日本人を愚か者と蔑み、
 というのは、その通りだと思います。彼の目に日本人がどのように映っているかの告白文章のような感じですが、「日本人」を「中国人」に置き換えたらそれこそ発禁もののサベツ文章の出来上がりですね。日本人って、つくづく寛容だと思いますよ。
 ところで、このあと「イベント至上主義」とやらの日本人は事件に巻き込まれて怪我人や死人が多数出ていますよね。この世界を創造した作家(神)様は、キリスト教の神様に負けず劣らず恣意的で残酷なようです。


>P51上段

 公安の評価が保守派の間でも悪いことは確かにありますが、オウム事件のときなど、評価出来ることも結構あります。というか、オウム事件の時につくづく思っていたのですが、公安が動かなかったり、人権を無視した強制捜査を行わずにあのまま第二第三のサリン散布が行われていたら、普段それらを非難否定している田中芳樹とかはどうやって責任をとるつもりだったんでしょうかね。
 「市民運動家」については、戦後民主主義のバカさ加減の最たるものだと思います。だってそうでしょう? 「市民運動家」ってのは、「プロの日曜大工」と同じようなもので、本質的にあり得ないんですから。職業でやったら、それは市民運動ではありえないんですよ。


P56上段

 これについては、つねづね私も聞いてみたいと思っていました。っていうか、具体例を挙げろよな。イメージだけを植え付ける、相変わらずの手段ですね。


>P80上段~下段

 まあ、土地投機の行き過ぎに対しては確かに問題が多かったのも事実です。ただ、
>少なくともフィクション小説に書くべき事ではありません
 というのはいちいちもっともですし、
>しかも大半のマスコミはそれを批判しようともしないというありさまだった
 というのはバカ過ぎですね。
 バブルの時は「日本は儲けすぎ」と政府を批判し、不況になると「不況は無策のせい」と政府を批判しますからね。マスコミは。


 創竜伝は、前編の方が社会評論が多いですね。おそらく、バブルで日本が強かったので、叩きがいがあったのでしょう。日本が不況で苦しんでいるとなると、なかなか「日本人バカ論」は書きづらいですからね(せいぜい「日本の企業は非人道的」という類の事しか書くことが無くなる。)。
 結局、田中芳樹も逆説的にバブルを享受して、甘えていたのだとしか思えませんね。

board1 - No.917

発見

投稿者:gatu
1999年03月20日(土) 05時22分

どうもおひさしぶりです。
以前、

「田中氏が雑誌のインタビューで
自分の本が学校で禁じられているのを面白そうに語った」

…というのを見たことがある、と書き込ませていただいたgatuです。

実は、あれから仕事のために資料を漁っていたら、
偶然、その記事に再会することができたのでご報告します。

富士見書房「ドラゴンマガジン」1989年6月号に掲載された
田中芳樹特集がそれです。
(そういえば、当時「灼熱の竜騎兵」がこの雑誌に
連載していたのでした…だから印象に残ったのか)

私の記憶では、記者が田中氏に聞く
インタビューの形を取っていたように思っていたのですが、
実際は「田中氏が自分の作品についてコメントする」という
形態でした。

創竜伝のほかに、銀英伝・アルスラーン戦記、
そして灼熱の竜騎兵についてコメントを寄せているようです。

そして、その肝心のコメントのほうなのですが…
いやぁ…興味深かったです(いろんな意味で)^^;;

管理人さん、この掲示板は
このような雑誌の記事類の転載はokでしょうか?
もし問題ないなら、そっくりそのまま載せて
皆さんにも見てもらいたいところですが…どうでしょう?

board1 - No.918

お久しぶりです

投稿者:本ページ管理人
1999年03月20日(土) 07時28分

>管理人さん、この掲示板は
このような雑誌の記事類の転載はokでしょうか?
>もし問題ないなら、そっくりそのまま載せて
>皆さんにも見てもらいたいところですが…どうでしょう?


 個人的には是非見てみたいですね。
 管理人としては、特に問題はありません。問題は著作権がらみですが、批評のたたき台としての引用は可能だと思います。

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